JP5045066B2 - モータ制御システム、モータ制御システムにおける同期方法、および制御装置 - Google Patents
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Description
図6は従来技術を示す制御装置および複数の制御装置で1台のモータを駆動する制御システムの構成図である。
図6において、61は2重巻線モータ、62、63は3相インバータ、64、65はサーボコントローラ、66はエンコーダ、67、68は電流センサである。
以下、図6を用いて従来技術における制御装置および複数の制御装置で1台のモータを駆動する制御システムの構成を説明する。
2重巻線モータ61の3相巻線に、それぞれ3相インバータ62、63を接続し、各3相インバータ62、63にそれぞれサーボコントローラ64、65を接続する。マスタであるサーボコントローラ64は、電流センサ67とエンコーダ66からの出力に基づいて3相インバータ62を制御し、スレーブであるサーボコントローラ65は、サーボコントローラ64からの同期用の制御指令に従い、電流センサ68とエンコーダ66からの出力に基づいて3相インバータ63を制御する。
このように、従来の制御システムは、複数の制御装置で1台のモータを駆動する場合、制御装置に同期用の制御指令を設け、この制御指令で同期制御していた。
本発明はこのような問題点に鑑みてなされたものであり、同期制御指令を別途設けることなく、簡単な設定のみで複数の制御装置による1台のモータの同期制御への適用を可能とし、かつ単独での運転も可能な制御装置を提供することを目的とする。
また、同期制御指令を別途必要とせず容易に同期制御を可能とする、複数の制御装置で1台のモータを駆動する制御システムを提供することを目的とする。
また、複数の制御装置で1台のモータを駆動する場合の同期方法で、同期制御指令を別途設ける必要がなく容易に同期制御を可能とする同期方法を提供することを目的とする。
請求項1に記載の発明は、2以上の制御装置(1)と、前記制御装置(1)に接続され送信要求に基づいて所定の時間周期毎に位置情報を送信する1台のシリアルエンコーダ(5)とを備えるモータ制御システムにおいて、前記2以上の制御装置(1)のうちの1台の制御装置(1a)のみ、前記シリアルエンコーダ(5)に対して前記送信要求の送信と前記シリアルエンコーダ(5)からの前記位置情報の受信とを行なう設定を有し、残りの制御装置(1b)は、前記シリアルエンコーダ(5)からの前記受信のみを行なう設定を有することを特徴としている。
図1は、本発明を示す制御装置および複数の制御装置で1台のモータを駆動する制御システムの構成図である。
図1において、1、1a、1bはインバータ制御装置やサーボ制御装置などの制御装置、2はモータの制御部、 3はエンコーダ入出力部、4はパワー変換部、5はシリアルエンコーダ、6は多相巻線モータ、多重巻線モータなどのモータである。
また、図2は、本発明を示す制御装置の内部構成図である。
図2において、21は位置・速度制御部、22は電流制御部、23は同期信号発生部、24は送信要求設定部であり、位置・速度制御部21、電流制御部22、および同期信号発生部23で図1に示すモータの制御部2を構成している。尚、図2において、図1と同じ説明符号のものは図1と同じ構成要素を示しているものとし、その説明は省略する。
本発明が従来技術を示す図6と異なる点は、本発明の制御装置1は、シリアルエンコーダ5への送信要求を送信する/しないを設定する送信要求設定部24とシリアルエンコーダ5からの情報を受信するとその受信タイミングで同期信号を発生する同期信号発生部23を備え、位置または速度制御を行なう位置・速度制御部21は、この同期信号で位置・速度制御処理を起動し、モータ6の電流を制御する電流制御部22は、この同期信号のタイミングに基づいて位置・速度制御処理が終了するある一定の時間後に電流制御処理を起動するようにしている点であり、また、本発明の制御システムにおいては、シリアルエンコーダ5への送信は1台の制御装置1aが行ない、シリアルエンコーダ5からの受信は全ての制御装置1(1a+1b)で行ない、この受信のタイミングで各制御装置1(1a+1b)は制御周期の同期を行なうようにしている点である。
制御装置1に、例えば位置指令が入力されると、位置・速度制御部21はシリアルエンコーダ5からの位置情報をエンコーダ入出力部3で受信し、位置フィードバックとして位置指令から差し引き制御ゲインをかけて位置制御する。また、位置・速度制御部21はエンコーダ入出力部3からの位置フィードバックを微分して速度フィードバックとし、位置制御の出力である速度指令からこの速度フィードバックを差し引き制御ゲインをかけて速度制御する。電流制御部22は、位置・速度制御部21の出力を電流指令とし、この電流指令から電流フィードバックを差し引き制御ゲインをかけて電流制御する。電流制御部22の出力をパワー変換部4でパワー変換し、モータ6を駆動する。
また、同期信号発生部23は、シリアルエンコーダ5からの情報の受信完了時に同期信号を発生させる。この同期信号に基づいて位置・速度制御部21や電流制御部22はその処理を同期させる。また、送信要求設定部24はシリアルエンコーダ5への送信要求を送信するか、送信しないかを設定する。
図3において、41はシリアルエンコーダ5への送信要求、42はシリアルエンコーダ5からの位置情報等の受信データ、43は制御装置1の位置・速度制御部21における位置・速度制御処理、44は制御装置1の電流制御部22における電流制御処理である。
以下、図3を用いて、本発明の制御システムにおける制御装置の位置・速度制御および電流制御の同期処理について、制御装置1が制御装置1aと制御装置1bの2台の場合、すなわち制御装置1aと制御装置1bの2台で1台のモータ5を駆動する場合を例にして説明する。
先ず、ある通信周期毎に制御装置1からシリアルエンコーダ5へ位置情報を要求する送信要求41を送信する。但し、シリアルエンコーダ5へ送信要求41を送信するのは予めパラメータなどでシリアルエンコーダ5への送信要求を送信することを送信要求設定部24に設定された1台の制御装置1aのみで行ない、送信することを送信要求設定部24に設定されていない他の制御装置1bは行なわない。シリアルエンコーダ5は、制御装置1aからの送信要求41を受信すると、そのタイミングで位置情報等の受信データ42を制御装置1a、1bへ送信する。つまり制御装置1aは、シリアルエンコーダ5との送信と受信処理を行ない、制御装置1bは受信処理のみ行なう。すなわち、制御装置1aがシリアルエンコーダ5との送信タイミングを決めるので、最終的には制御装置1aに制御装置1bが同期することになる。
次に、制御装置1a、1bは、シリアルエンコーダ5からの位置情報等の受信データ42を受信すると、その受信タイミングで同期信号発生部23により同期信号を発生させる。この同期信号で位置・速度制御部21の位置・速度制御処理43を起動させ、またこの同期信号のタイミングを基準に位置・速度制御処理43が終了後に、電流制御部22の電流制御処理44を起動させる。つまり電流制御処理44は、同期信号のタイミングから位置・速度制御処理43が終了するある一定の時間後から開始する。
このようにしてシリアルエンコーダ5からの受信タイミングを同期の基準にして、制御装置1a、1bの位置・速度制御処理43や電流制御処理44を同期して行なうことができる。
尚、本実施例では制御装置1が制御装置1aと制御装置1bの2台の場合で説明したが3台以上の場合でも同様に行なうことができる。
図4は、本発明の制御装置におけるPWM出力回路の構成図である。図4において、30はPWM出力回路、31はコンパレータである。
以下、図1、2、4を用いて、本発明の制御装置1におけるPWM出力回路30の構成を説明する。
コンパレータ31は、電流制御部22からの電流制御出力と三角波を入力して比較することにより、三角波の周期に応じた周波数のPWMを出力する。
このPWM出力に短絡を防止するためのオンディレイを加えてパワー変換部23の上下アームのパワートランジスタ(不図示)に分割し、モータ6を駆動する。
以下、図5を用いて本発明の制御装置1におけるPWM出力との同期動作を説明する。
本実施例では、図5に示すようにPWM出力の周期をシリアルエンコーダ5の通信周期の2倍とする。
シリアルエンコーダ5への送信要求41の送信、およびシリアルエンコーダ5からの位置情報等の受信データ42の受信に関する動作は第1実施例で述べたとおりである。すなわち、制御装置1はシリアルエンコーダ5からの位置情報等の受信データ42を受信すると、その受信タイミングで同期信号を発生させる。この同期信号で位置・速度制御処理43を起動させ、また電流制御処理44をこの同期信号のタイミングを用いて位置・速度制御処理43が終了後に起動させる。また、三角波同期部(不図示)は、この同期信号でPWM出力回路の三角波との同期を行なう。PWM出力回路の三角波との同期は、三角波の谷の部分を同期信号のタイミング毎に合わせることにより、三角波が同期信号のタイミングとずれていくことを防ぐ。この三角波のタイミングでPWM出力が作成されるので、PWM出力も同期することになる。
尚、本実施例を示す図5ではPWM出力の周期はシリアルエンコーダ5の通信周期の2倍としたが、シリアルエンコーダ5の通信周期の整数倍でも同様に行なうことができる。
2 制御部
3 エンコーダ入出力部
4 パワー変換部
5 シリアルエンコーダ
6 モータ
21 位置・速度制御部
22 電流制御部
23 同期信号発生部
24 送信要求設定部
30 PWM出力回路
31 コンパレータ
41 シリアルエンコーダへの送信要求
42 シリアルエンコーダからの受信データ
43 位置・速度制御処理
44 電流制御処理
61 2重巻線モータ
62、63 3相インバータ
64、65 サーボコントローラ
66 エンコーダ
67、68は電流センサ
Claims (5)
- 2以上の制御装置(1)と、前記制御装置(1)に接続され送信要求に基づいて所定の時間周期毎に位置情報を送信する1台のシリアルエンコーダ(5)とを備えるモータ制御システムにおいて、
前記2以上の制御装置(1)のうちの1台の制御装置(1a)のみ、前記シリアルエンコーダ(5)に対して前記送信要求の送信と前記シリアルエンコーダ(5)からの前記位置情報の受信とを行なう設定を有し、
残りの制御装置(1b)は、前記シリアルエンコーダ(5)からの前記受信のみを行なう設定を有することを特徴とするモータ制御システム。 - 2以上の制御装置(1)と、前記制御装置(1)に接続され送信要求に基づいて所定の時間周期毎に位置情報を送信する1台のシリアルエンコーダ(5)とを備えるモータ制御システムにおける同期方法において、
前記2以上の制御装置(1)のうちの1台の制御装置(1a)のみを前記シリアルエンコーダ(5)との送受信を行なう設定とするステップと、
残りの前記制御装置(1b)を前記シリアルエンコーダ(5)からの受信のみ行なう設定とするステップと、
前記シリアルエンコーダ(5)からの情報を受信すると、前記2以上の制御装置(1)はその受信タイミングで同期信号を発生するステップと、
前記同期信号のタイミングに基づいて、前記2以上の制御装置(1)は位置・速度制御処理(43)を起動するステップと、
前記同期信号のタイミングに基づいて、前記2以上の制御装置(1)は前記位置・速度制御処理(43)が終了するある一定の時間後に電流制御処理(44)を起動するステップと、を備えたことを特徴とする同期方法。 - 前記2以上の制御装置(1)を、電流制御部(22)の出力と三角波を比較してPWMを出力するPWM出力回路(30)を有する構成とし、
前記PWM出力回路(30)のPWM出力周期を前記シリアルエンコーダ(5)の通信周期の整数倍とするステップと、
前記三角波の谷の部分を前記同期信号のタイミングに同期させるステップと、を有することを特徴とする請求項2に記載の同期方法。 - 1台のシリアルエンコーダ(5)が接続された2以上の制御装置(1)で駆動するモータ制御システムにおける前記制御装置(1)であって、
位置または速度制御を行なう位置・速度制御部(21)と、
電流制御を行なう電流制御部(22)と、
前記電流制御部(22)の出力と三角波を比較してPWMを出力するPWM出力回路(30)と、
前記PWMに基づいて複数のスイッチング素子を駆動するパワー変換部(4)と、
シリアルエンコーダ(5)とシリアル通信を行なうエンコーダ入出力部(3)と、
前記シリアルエンコーダ(5)からの位置情報を受信すると、その受信タイミングで同期信号を発生する同期信号発生部(23)と、を備え、
前記位置・速度制御部(21)は、前記同期信号で位置・速度制御処理(43)を起動し、
前記電流制御部(22)は、前記同期信号のタイミングに基づいて前記位置・速度制御処理(43)が終了するある一定の時間後に電流制御処理(44)を起動することを特徴とする制御装置。 - 前記2以上の制御装置(1)のうちの1台の制御装置(1a)のみ、前記シリアルエンコーダ(5)に対して前記位置情報の送信要求の送信と前記シリアルエンコーダ(5)からの前記位置情報の受信とを行なう設定を有し、
残りの制御装置(1b)は、前記シリアルエンコーダ(5)からの前記受信のみを行なう設定を有することを特徴とする請求項4に記載の制御装置。
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