JP5044899B2 - 電池洗浄装置と電池洗浄方法 - Google Patents
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Description
電解液を注入したときや、プラグを一旦外したときに付着した電解液をそのままにしておくと、電池ケースが腐食してしまう。電解液が付着したことによって電池ケースが腐食するのを防止するために、作業者が操作する洗浄ノズルから噴射する洗浄液で電池ケースに付着した電解液を洗い流している。
本発明は、その問題を解決するためになされたものであり、缶型電池に付着した電解液を確実に除去可能な技術を実現する。
この電池洗浄装置は、支持手段が缶型電池外面の電解液注入口周囲の所定領域が洗浄槽内の洗浄液に浸漬するように缶型電池を支持した状態で、洗浄液中に配置されている噴射孔から洗浄液を所定領域内の所定部位に向けて噴射する。洗浄液に浸漬した所定領域内の所定部位に向けて洗浄液中から洗浄液を噴射することによって、電解液注入口の周囲に付着した電解液を確実に除去することができる。
案内手段が支持手段を上昇位置に案内することによって所定領域が洗浄液外に露出し、空気供給手段が洗浄槽内の洗浄液面よりも上方の空間に洗浄槽外の空気を供給すると、洗浄後に缶型電池に付着した洗浄液を早く乾燥することができる。
このように構成されていると、缶型電池を上昇した位置に安定的に配置することができる。
この電池洗浄方法のように、洗浄液に浸漬した所定領域内の所定部位に向けて洗浄液中から洗浄液を噴射することによって、缶型電池の電解液注入口の周囲に付着した電解液を確実に除去することができる。
(形態1)
空気が混合した洗浄液を噴射手段の噴射孔から噴射する電池洗浄装置。
(形態2)
空気供給手段が洗浄槽に供給する空気を除湿する手段を備える電池洗浄装置。
(形態3)
所定領域を洗浄槽内で洗浄液外に露出させる第3工程と、洗浄槽内の洗浄液面よりも上方の空間に空気を供給する第4工程を備える電池洗浄方法。
最初に、缶型電池について説明する。本実施例の缶型電池は、リチウムイオン二次電池である。
図1に示すように、缶型電池10は、電池ケース12、電極積層体(図示省略)、正極端子14、負極端子15、シール17、プラグ16を備えている。電池ケース12は、金属製(例えば、アルミ製)であり、絞り加工されたケース本体25と、溶接されることによってケース本体25の開口部に蓋をしている板状の蓋部材20を有している。
電極積層体は、電池ケース12に収容されており、正極シートと負極シートとセパレータシートを複数積層して巻回したものである。正極端子14は、電池ケース12の蓋部材20上に設けられており、基台21と、基台21から突出している接続部23を持っている。接続部23は、外周にネジが切られているとともに、電極積層体の正極と電気的に繋がっている。負極端子15も、正極端子14と同様の構成であり、基台22と、電極積層体の負極と電気的に繋がっている接続部24を持っている。
電池ケース12の蓋部材20には、電解液注入口26が形成されている。電解液注入口26は、内周部にネジが切られている。シール17は、弾性体(例えば、シリコンゴム)であるとともに平面形状がドーナツ状であり、電解液注入口26を取り囲むように配置されている。プラグ16は、六角穴付きボルトである。プラグ16を、蓋部材20との間にシール17を介装した状態で電解液注入口26にネジ込むことにより、電解液注入口26を塞ぐことができる。
図2に示すように、電池洗浄装置40は、洗浄槽41、昇降部42、洗浄液噴射部(噴射手段)61、送風部(空気供給手段)71を備えている。
洗浄槽41は、上部が開放された箱状に形成されている。昇降部42は、洗浄槽41内に配置されており、支持台43、第1柱状部材44、第2柱状部材45、第1スプリング46、第2スプリング47、昇降位置設定部材50を備えている。支持台43は、矩形板状であり、板厚方向に貫通する開口51が形成されている。開口51は、缶型電池10の蓋部材20よりも小さく、かつ正極端子14の基台21と負極端子15の基台22が入り込める大きさに設定されている。すなわち、蓋部材20が下方を向いた状態の缶型電池10を、支持台43上に、支持台43と蓋部材20が当接した状態で載置することができる。支持台43の長手方向の一方側端部68には、円形状の第1貫通孔52が形成されている。支持台43の長手方向の他方側端部60には、円形状の第2貫通孔53が形成されている。第1柱状部材44は、その下端が洗浄槽41の底面55に固定された状態で、支持台43の第1貫通孔52に挿通されている。第2柱状部材45は、その下端が洗浄槽41の底面55に固定された状態で、支持台43の第2貫通孔53に挿通されている。支持台43は、第1柱状部材44と第2柱状部材45に案内されて昇降することができる。
送風部71は、送風管73と送風ファン72(図2では図示省略。図3、図4に図示)を有している。送風管73の一端74は、洗浄槽41の側壁に接続されており、洗浄槽41内と連通している。送風管73の他端75は、送風ファン72に接続されている。
その状態でポンプ64を駆動すると、第1配管62を経由して洗浄槽41内の洗浄液76がポンプ64に吸い込まれる。ポンプ64に吸い込まれた洗浄液76は、さらに第2配管63を通過し、その他端70から上方に向けて噴射する。他端70がラッパ状に形成されていることによって、洗浄液76は拡がりながら他端70から噴射する。第2配管63から噴射した洗浄液76は、蓋部材20の電解液注入口26の周辺に強く当り、付着している電解液を除去する。
第2配管63は、他端70の上流側で分岐することによって、他端70を複数設けることもできる。他端70を複数設けることによって、蓋部材20のより広い範囲を洗浄することができる。
第2配管63を通過する洗浄液76に空気を混合することによって、バブル(泡)を含んだ洗浄液76を第2配管63の他端70から噴射してもよい。例えば、ポンプ64に、吐出する洗浄液76に外気を混合させるタイプのものを採用する。バブルを含んだ洗浄液76は、より強く運動するので、より高い洗浄効果を得ることができる。
支持台43を降下位置にロックする機構を設けることもできる。
図4は、支持台43が上昇位置に上昇した状態を示している。支持台43が上昇位置まで上昇すると、缶型電池10は洗浄液76の液面77よりも上方に配置される。その状態では、洗浄液が缶型電池10の正極端子14や負極端子15や蓋部材20やケース本体25の蓋部材20に近い部位に付着している。
送風部71の送風ファン72を駆動すると、送風管73を経由して空気が洗浄槽41内に送風される。洗浄槽41内に送風されることによって、缶型電池10に付着している洗浄液が乾燥する。
除湿器で洗浄槽41に送風する空気を除湿することもできる。除湿器で洗浄槽41に送風する空気を除湿すると、缶型電池10に付着した洗浄液をより効率的に(より早く)乾燥できる。
缶型電池10に付着した洗浄液が乾燥したら、電池洗浄装置40から缶型電池10を取り出す。このようにして、缶型電池10に付着した電解液が確実に除去されるとともに、洗浄時に缶型電池10に付着した洗浄液を早く乾燥させることができる。
このように、従来の技術で腐食が起きるのは、付着した電解液の洗い残しがどうしても生じてしまうからである。これに対して、本発明の電池洗浄装置を用いると、電解液が付着した缶型電池やフイルム型電池を充分に洗浄できるので、腐食の発生を確実に防止することができる。
また、本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時の請求項に記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成するものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
12:電池ケース
14:正極端子
15:負極端子
16:プラグ
17:シール
20:蓋部材
21、22:基台
23、24:接続部
25:ケース本体
26:電解液注入口
40:電池洗浄装置
41:洗浄槽
42:昇降部
43:支持台
44:第1柱状部材
45:第2柱状部材
46:第1スプリング
47:第2スプリング
50:昇降位置設定部材
51:開口
52:第1貫通孔
53:第2貫通孔
55:底面
56:上昇位置設定片
57:降下位置設定片
60:他方側端部
61:洗浄液噴射部
62:第1配管
63:第2配管
64:ポンプ
65:一端
66:他端
67:一端
68:一方側端部
70:他端
71:送風部
72:送風ファン
73:送風管
74:一端
75:他端
76:洗浄液
77:液面
Claims (4)
- 洗浄液が入れられる洗浄槽と、
洗浄槽内に設けられており、缶型電池外面の電解液注入口周囲の所定領域が洗浄液に浸漬する状態で缶型電池を支持する支持手段と、
洗浄槽内の洗浄液中に配置される噴射孔を持っており、洗浄液を噴射孔から洗浄液中に配置された前記所定領域内の所定部位に向けて噴射する噴射手段と、
を備え、
前記噴射手段は、バブルを含んだ洗浄液を噴射することを特徴とする電池洗浄装置。 - 支持手段を降下位置と上昇位置との間で案内する案内手段と、
洗浄槽内の洗浄液面よりも上方の空間に洗浄槽外の空気を供給する空気供給手段を備えており、
案内手段が支持手段を降下位置に案内すると、前記所定領域が洗浄液に浸漬し、
案内手段が支持手段を上昇位置に案内すると、前記所定領域が洗浄槽内で洗浄液外に露出する請求項1の電池洗浄装置。 - 缶型電池を支持している支持手段を、付勢することによって上昇位置に配置する手段を備える請求項2の電池洗浄装置。
- 洗浄槽に入れられている洗浄液に、缶型電池外面の電解液注入口周囲の所定領域が浸漬するように缶型電池の位置と姿勢を調整する第1工程と、
洗浄液中に配置された缶型電池の前記所定領域内の所定部位に向けて、洗浄槽内の洗浄液中に配置されている噴射孔から洗浄液を噴射する第2工程と、
を備え、
前記第2工程では、バブルを含んだ洗浄液を噴射することを特徴とする電池洗浄方法。
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