JP5044604B2 - 射出成形機のモード切換方法 - Google Patents

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Description

本発明は、逆流防止バルブを有するスクリュを内蔵する射出装置における計量モードを切換える際に用いて好適な射出成形機のモード切換方法に関する。
一般に、インラインスクリュ式射出成形機では、スクリュの先端部に逆流防止バルブを設けることにより、射出時における溶融樹脂の逆流防止を図っている。また、この種の射出成形機では、より確実な逆流防止を実現することを目的として、スクリュを回転(正回転)させて計量を行った後、スクリュを僅かな回転数(回転角)だけ逆回転させることにより、強制的に逆流防止バルブを閉鎖するようにした計量方法も従来より行われており、例えば、特許文献1には、サックバック(デコンプ)時や射出時に計量済みの射出すべき溶融混練樹脂の量が変動することを防止し、充填量のバラツキを小さくするようにしたインライン式の射出成形機の運転方法(計量方法)が開示されている。
しかし、このような従来の計量方法は、スクリュを逆回転させる際に、設定した時間又はスクリュの回転量により制御するため、逆回転後における逆流防止バルブ(チェックリング)の位置或いは樹脂圧にバラツキを生じやすく、計量した樹脂量のショット毎の変動を防止するには不十分となるなど、高い計量精度を確保することができないとともに、逆流防止バルブの前方の樹脂圧よりも後方の樹脂圧が高い状態となる計量終了後にスクリュを逆回転させるため、逆流防止バルブが後方(閉鎖方向)へ移動しにくくなり、この後にスクリュを後退させるデコンプ処理を行っても、閉じた逆流防止バルブが再度開いてしまう虞れもあるなど、射出開始前に逆流防止バルブを確実かつ安定に閉鎖できない問題があった。
一方、本出願人は、既に、この問題を有効に解決するための計量方法を特許文献2により提案した。この計量方法は、先端部に逆流防止バルブを設けたスクリュを正回転させて計量を行う計量主処理工程と、この計量主処理工程の終了後、スクリュを逆回転させて計量後処理を行う計量後処理工程とを含む計量工程を行う際に、計量主処理工程の終了後、スクリュを回転自由状態にして前進移動させるとともに、この前進移動時におけるスクリュの回転状態を監視し、スクリュの回転が停止状態になったならスクリュを所定の回転量だけ逆回転させる計量後処理工程を行うようにしたものであり、これにより、逆回転後における樹脂圧のバラツキ、更には計量した樹脂量のショット毎の変動を大幅に低減できるなど、高い計量精度を確保できる。
特開平11−240052号公報 特開2006−327127号公報
しかし、上述した特許文献2による計量方法は、高い計量精度を確保できるものの、計量後処理工程の処理内容がやや複雑化するため、例えば、成形精度のさほど要求されない成形品をより速く生産したいケースでは、ユーザーによって、従来手法による一般的な計量モード(第一計量モード)を使用したい場合もある。したがって、特許文献2の計量方法による新しい計量モード(第二計量モード)と第一計量モードをユーザーにより選択できるようにすれば、より使い勝手や利便性を高め得るが、反面、異なる計量モード間の切換となるため、次のような解決すべき課題も存在した。
第一に、各計量モード間の動作(条件)が異なるため、計量モードを単に切換えても円滑に移行させることができない。特に、第一計量モードから第二計量モードに切換える場合、逆流防止バルブの閉鎖性に歴然とした差を生じる。即ち、第二計量モードでは第一計量モードに対して逆流防止バルブの閉鎖がバラツキなく確実に行われ、射出時における逆流防止バルブを通した溶融樹脂の逆流がほとんど生じないため、逆流防止バルブの閉鎖が不安定となる第一計量モードから第二計量モードに切換えた際には、金型に対する樹脂の過充填(オーバパック)により、バリやクラック等の外観不良や質量過多等の不良を生じてしまう。
第二、過充填によるこのような不具合(不良発生)に対しては、オペレータによる成形条件の見直し(再設定)が必要となるが、第二計量モードは、新しい計量モードとなるため、経験豊富なベテランオペレータであっても、成形条件の見直しは容易でない。結局、このような不良発生に対しては、十分で的確な見直しを行いにくく、しかも、見直しのための長い時間(工数)が取られるなど、生産効率の低下要因としても無視できない。
本発明は、このような背景技術に存在する課題を解決した射出成形機のモード切換方法の提供を目的とするものである。
本発明に係る射出成形機1のモード切換方法は、上述した課題を解決するため、第一計量モードM1による計量工程から当該第一計量モードM1とは異なる動作を行う第二計量モードM2による計量工程に切換えるに際し、第一計量モードM1から第二計量モードM2に切換えられたなら、第一計量モードM1による計量工程(S101)に基づく射出工程を行い、かつこの射出工程中における所定の動作物理量をスクリュ2の移動距離により積分する積分処理(S106)を行うとともに、スクリュ2が射出工程中における一又は二以上の条件切換位置Xc…に達したなら当該条件切換位置Xc…における積分値を基準積分値Ds…として記憶する条件学習処理(S9,S107〜S109)を行い、この後、第二計量モードM2による計量工程(S141〜S149)に基づく射出工程を行い、かつこの射出工程中における動作物理量をスクリュ2の移動距離により積分する積分処理(S153)を行うとともに、得られる積分値Ddが記憶した一又は二以上の各基準積分値Ds…に達したなら当該基準積分値Ds…に達した位置を新たな条件切換位置Xc…に変更する条件適用処理(S14,S154〜S157)を行うことを特徴とする。
この場合、発明の好適な態様により、第一計量モードM1から第二計量モードM2への切換は、第一計量モードM1による生産稼働中に行うことができる。また、動作物理量には、射出圧力又はスクリュ2を前進移動させる駆動モータ3の負荷トルクを用いることができる。一方、積分処理(S106,S153)は、設定したサンプリング周期毎に、スクリュ移動位置と動作物理量を検出し、検出したスクリュ移動位置から得るサンプリング周期間の移動距離と動作物理量の乗算値を求めるとともに、求めた乗算値を順次積算する処理により行うことができる。また、条件学習処理(S9,S107〜S109)は、複数回の成形サイクルにおいて実行し、各条件切換位置Xc…で得られる複数の積分値の平均値を基準積分値Ds…として記憶することができる。さらに、条件切換位置Xc…には、一又は二以上の速度切換位置、及び/又は速度制御から圧力制御に切換えるV−P切換位置を含ませることができる。他方、第二計量モードM2による計量工程は、少なくとも、先端部に逆流防止バルブ4を設けたスクリュ2を正回転させて計量を行う計量主処理工程(S141)と、この計量主処理工程(S141)の終了後、スクリュ2を所定の回転量だけ逆回転させる計量後処理工程とを含ませることができるとともに、この計量後処理工程には、計量主処理工程(S141)の終了後、スクリュ2を回転自由状態にして前進移動させるとともに、この前進移動時におけるスクリュ2の回転状態を監視し、スクリュ2の回転が停止状態になったならスクリュ2を所定の回転量だけ逆回転させる計量後処理工程とを含ませることができる。また、計量後処理工程には、スクリュ2を逆回転させた後、スクリュ2を所定ストロークだけ後退移動させるデコンプ処理(S149)を含ませることができる。さらに、スクリュ2を逆回転させる際は、スクリュ2の前後方向位置又は圧力を固定する制御を行うことができる。
このような手法による本発明に係る射出成形機1のモード切換方法によれば、次のような顕著な効果を奏する。
(1) 第一計量モードM1による計量工程から当該第一計量モードM1とは異なる動作を行う第二計量モードM2による計量工程に切換える場合であっても、例えば、金型に対する樹脂の過充填(オーバパック)により、バリやクラック等の外観不良や質量過多等の不良を生じる不具合を解消できるとともに、的確な設定変更が行われることにより円滑に移行させることができる。
(2) 第一計量モードM1による計量工程から第二計量モードM2による計量工程に切換える場合であっても、オペレータによる成形条件の見直しが不要、或いは補助的な見直しで足りるため、見直しのための時間(工数)を解消又は大幅に短縮することができ、生産効率を高めることができる。
(3) 好適な態様により、第一計量モードM1から第二計量モードM2への切換は、第一計量モードM1による生産稼働中に行うようにすれば、生産稼働を中断することなく切換を行うことができ、生産の遅れ等の不具合を回避することができる。
(4) 好適な態様により、動作物理量として、樹脂の充填量に最も影響の大きい射出圧力又はスクリュ2を前進移動させる駆動モータ3の負荷トルクを用いれば、条件切換位置Xc…を変更するための的確(最適)な基準積分値Ds…を得ることができる。
(5) 好適な態様により、積分処理(S106,S153)を、設定したサンプリング周期毎に、スクリュ移動位置と動作物理量を検出し、検出したスクリュ移動位置から得るサンプリング周期間の移動距離と動作物理量の乗算値を求めるとともに、求めた乗算値を順次積算する処理により行うようにすれば、積分処理(S106,S153)を容易に行うことができるとともに、処理の高速化を図ることができる。
(6) 好適な態様により、条件学習処理(S10,S107〜S109)を、複数回の成形サイクルにおいて実行し、各条件切換位置Xc…で得られる複数の積分値を平均した平均値を基準積分値Ds…として記憶するようにすれば、誤差を低減したより正確な基準積分値Ds…を得ることができる。
(7) 好適な態様により、条件切換位置Xc…に、一又は二以上の速度切換位置、及び/又は速度制御から圧力制御に切換えるV−P切換位置を含ませれば、第一計量モードM1による計量工程から第二計量モードM2による計量工程への切換を円滑に行うための十分な切換位置を確保できる。
(8) 好適な態様により、第二計量モードM2による計量工程として、少なくとも、先端部に逆流防止バルブ4を設けたスクリュ2を正回転させて計量を行う計量主処理工程(S141)と、この計量主処理工程(S141)の終了後、スクリュ2を所定の回転量だけ逆回転、望ましくは、計量主処理工程(S141)の終了後、スクリュ2を回転自由状態にして前進移動させるとともに、この前進移動時におけるスクリュ2の回転状態を監視し、スクリュ2の回転が停止状態になったならスクリュ2を所定の回転量だけ逆回転させる計量後処理工程とを含ませれば、逆回転後における樹脂圧のバラツキ、更には計量した樹脂量のショット毎の変動を大幅に低減でき、高い計量精度を確保できる。
(9) 好適な態様により、計量後処理工程に、スクリュ2を逆回転させた後、スクリュ2を所定ストロークだけ後退移動させるデコンプ処理(S149)を含ませれば、デコンプ処理の前に、逆流防止バルブ4に対して前方の樹脂圧を後方の樹脂圧よりも高くした状態で逆流防止バルブ4を閉鎖できるため、この後のデコンプ処理により逆流防止バルブ4が再度開いてしまう弊害を排除できる。したがって、射出開始の前に逆流防止バルブ4を確実かつ安定に閉鎖することができる。
(10) 好適な態様により、スクリュ2を逆回転させる際に、スクリュ2の前後方向位置又は圧力を固定する制御を行うようにすれば、計量した樹脂量の更なる変動防止及び計量精度の向上に寄与できる。
本発明の好適実施形態に係る射出成形機のモード切換方法における全体の処理手順を説明するためのフローチャート、 同モード切換方法における条件学習処理の処理手順を説明するためのフローチャート、 同モード切換方法における条件適用処理の処理手順を説明するためのフローチャート、 同モード切換方法を実施できる射出成形機の一部断面平面図、 同モード切換方法により切換える第二計量モードによる計量工程におけるスクリュの状態を示す作用説明図、 同第二計量モードによる計量工程を実施する際におけるスクリュ回転用サーボモータ及びスクリュ進退用サーボモータの動作状態を示すタイミングチャート、
次に、本発明に係る好適実施形態を挙げ、図面に基づき詳細に説明する。
まず、本実施形態に係るモード切換方法を実施できる射出成形機1の構成について、図4及び図5(a)を参照して説明する。
図4に示す射出成形機1は、型締装置を除いた射出装置1iのみを示す。射出装置1iは、離間した射出台11と駆動台12を備え、この射出台11の前面により加熱筒13の後端が支持される。加熱筒13は、前端に射出ノズル14を、また、後部に当該加熱筒13の内部に成形材料を供給するホッパ15をそれぞれ備えるとともに、加熱筒13の内部にはスクリュ2を挿入する。
このスクリュ2は、先端部に円筒形の逆流防止バルブ(リングバルブ)4を備える。スクリュ2は、図5(a)に拡大して示すように、最先端部に、先端が尖形となる円錐状のスクリュヘッド2hを有するとともに、このスクリュヘッド2hからフライト2f側間に、比較的小径のバルブ装填軸部2sを有し、このバルブ装填軸部2sに逆流防止バルブ4を変位自在に装填する。これにより、逆流防止バルブ4は、バルブ装填軸部2sの軸方向(前後方向)に所定ストロークにわたってスライド自在となり、逆流防止バルブ4が後退し、フライト2f側に形成したバルブシート2rに当接すれば、フライト2f側からスクリュヘッド2h側に至る樹脂通路が遮断されるとともに、逆流防止バルブ4が前進し、バルブシート2rから離間すれば、当該樹脂通路が開放される。この場合、樹脂通路が遮断されるとは、逆流防止バルブ4が閉鎖することと同意である。
一方、射出台11と駆動台12間には四本のタイバー16…を架設し、このタイバー16…に、スライドブロック17をスライド自在に装填する。スライドブロック17の前端には、被動輪18を一体に有するロータリブロック19を回動自在に支持し、このロータリブロック19の中央にスクリュ2の後端を結合する。また、スライドブロック17の側面には、スクリュ回転用サーボモータ(駆動モータ)3を取付け、このサーボモータ3の回転シャフトに固定した駆動輪21は、回転伝達機構22を介して被動輪18に接続する。この回転伝達機構22は、伝達ギアを用いたギア式伝達機構であってもよいし、タイミングベルトを用いたベルト式伝達機構であってもよい。さらに、サーボモータ3には、このサーボモータ3の回転数を検出するロータリエンコーダ3eを付設する。
他方、スライドブロック17の後部には、ナット部25を同軸上一体に設けるとともに、駆動台12に回動自在に支持されたボールねじ部26の前側をナット部25に螺合させることにより、ボールねじ機構24を構成する。また、駆動台12から後方に突出したボールねじ部26の後端には、被動輪27を取付けるとともに、駆動台12に取付けた支持盤12sには、スクリュ進退用のサーボモータ(駆動モータ)28を取付け、このサーボモータ28の回転シャフトに固定した駆動輪29は、回転伝達機構30を介して被動輪27に接続する。この回転伝達機構30は、伝達ギアを用いたギア式伝達機構であってもよいし、タイミングベルトを利用したベルト式伝達機構であってもよい。さらに、サーボモータ28には、このサーボモータ28の回転速度(回転数)を検出するロータリエンコーダ28eを付設する。
また、図4において、32は射出成形機1に備えるコントローラであり、格納した制御プログラム32pにより本実施形態に係るモード切換方法における一連の処理及び制御を実行することができるとともに、この制御プログラム32pには、第一計量モードM1及び第二計量モードM2を実行するための制御プログラム(シーケンス制御プログラム)が含まれる。一方、コントローラ32には、上述したサーボモータ3,28及びロータリエンコーダ3e,28eをそれぞれ接続するとともに、ロータリブロック19とスライドブロック17間に介在させたロードセル(圧力検出器)33を接続する。このロードセル33によりスクリュ2が受ける圧力(樹脂圧,射出圧力)を検出することができる。さらに、コントローラ32には、液晶表示器等を用いたディスプレイ34を接続する。このディスプレイ34にはタッチパネルが付設されており、各種データ入力を行うことができるとともに、少なくとも本実施形態のモード切換方法に関連して、第一計量モードM1又は第二計量モードM2に切換えるモード切換キー35を有する。
次に、このような射出成形機1に適用できる本実施形態に係るモード切換方法について、図4〜図6を参照しつつ図1〜図3に示すフローチャートに従って説明する。
まず、射出成形機1は、上述したように、第一計量モードM1による計量工程と第二計量モードM2による計量工程を行うことができ、この第一計量モードM1と第二計量モードM2はモード切換キー35により選択することができる。例示の第一計量モードM1は従来手法による一般的な計量モードであり、第二計量モードM2は前述した特許文献2で開示される逆流防止バルブ4を確実に閉鎖するための改良された計量モードである。
今、射出成形機1は、第一計量モードM1が選択されており、自動運転モードによる生産稼働中であるものとする(ステップS1)。本実施形態に係るモード切換方法、即ち、第一計量モードM1から第二計量モードM2への切換は、このような第一計量モードM1による生産稼働中に行うことができる。したがって、生産稼働を中断することなく切換を行うことができ、生産の遅れ等の不具合を回避することができる。第一計量モードM1では、当該第一計量モードM1による計量工程と、この計量工程に基づく射出工程が行われる。
まず、コントローラ32によりスクリュ回転用サーボモータ3が駆動制御(速度制御)される。これにより、サーボモータ3の回転は回転伝達機構22を介してスクリュ2に伝達され、スクリュ2が正回転することにより、可塑化された溶融樹脂が加熱筒13の内部におけるスクリュ2の前方に計量蓄積されるとともに、これに対応してスクリュ2が後退する。この際、スクリュ進退用サーボモータ28が通電制御されることにより、スクリュ2に対する背圧制御が行われる。そして、スクリュ2が設定された計量終了位置に達すれば、サーボモータ3(スクリュ2)の回転が停止するとともに、スクリュ2を予め設定したストロークだけ後退移動させて圧抜き(デコンプ処理)を行う。
一方、自動運転モードによる生産稼働中に、オペレータがモード切換キー35を操作(タッチ)することにより、第二計量モードM2に切換えた場合を想定する(ステップS2)。これにより、自動運転モードによる生産稼働はそのまま継続するも、コントローラ32は、モード切換確認処理を行う(ステップS3)。モード切換確認処理では、設定値の相対的な大きさ関係などを確認し、第二計量モードM2への切換が可能であるか否かを判断する。この際、第二計量モードM2への切換が可能であれば、モード切換処理を開始し、ディスプレイ34には第二計量モードM2に切換えられた旨の表示が行われる(ステップS4,S5)。
これに対して、モード切換確認処理を行った際に、例えば、背圧設定値が後述するスクリュ加圧力設定値よりも大きい場合には、第二計量モードM2を実質的に行うことができないため、ディスプレイ34に、「スクリュ圧力不足」等の警告表示、即ち、切換が不可である旨の表示を行う(ステップS4,S6)。これにより、オペレータは警告表示を見ることにより、スクリュ加圧力設定値を大きくするなどの設定変更、即ち、切換不可の状態を解消する処理を行うことができる(ステップS7)。そして、切換不可の状態が解消されれば、この時点で、モード切換処理を開始し、ディスプレイ34には第二計量モードM2に切換えられた旨の表示が行われる(ステップS5)。
この際、射出成形機1は、自動運転モードによる生産稼働を継続しているとともに、第一計量モードM1による計量工程も継続しているが、ステップS5によるモード切換処理の開始により、第一計量モードM1による計量工程に基づく射出工程に対する条件学習処理を行う(ステップS8,S9)。
図2には、図1におけるステップS8,S9に対応する条件学習処理の詳細な処理手順を示す。条件学習処理が行われる条件学習工程では、第一計量モードM1による計量工程がそのまま行われる(ステップS101)。計量工程が終了すれば、射出開始のタイミングまで待機し、射出開始タイミングになれば、射出工程を開始する(ステップS102,S103,S104)。射出工程の開始によりスクリュ2が前進し、計量した溶融樹脂を不図示の金型に射出充填する射出工程が行われる(ステップS105)。一方、射出工程の開始から射出工程中における所定の動作物理量となる射出圧力をロードセル33により検出するとともに、スクリュ移動位置をロータリエンコーダ28eにより検出し、コントローラ32により射出圧力をスクリュ2の移動距離により積分する積分処理を行う(ステップS106)。具体的には、500〔μs〕に設定したサンプリング周期毎に、スクリュ移動位置と射出圧力を検出し、検出したスクリュ移動位置から得るサンプリング周期間の移動距離と動作物理量の乗算値を求めるとともに、求めた乗算値を順次積算する処理により積分値を得る。積分処理にこのような処理方法を用いれば、目的の積分処理を容易に行うことができるとともに、処理の高速化を図ることができる。
そして、コントローラ32は、射出工程中における所定の条件切換位置Xc…に達したか否かを監視し、条件切換位置Xc…に達したなら当該条件切換位置Xc…における積分値を取込むとともに、取込んだ積分値を基準積分値Dsとして、コントローラ32のメモリに一時記憶する(ステップS107,S108,S109)。この場合、条件切換位置Xc…には、一又は二以上の速度切換位置と、速度制御から圧力制御に切換えるV−P切換位置が含まれる。条件切換位置Xc…に、このような一又は二以上の速度切換位置、及び/又は速度制御から圧力制御に切換えるV−P切換位置を含ませれば、第一計量モードM1による計量工程から第二計量モードM2による計量工程への切換を円滑に行うための十分な切換位置を確保できる。この条件学習処理は射出工程が終了するまで行う(ステップS110)。以上により、1成形サイクルにおける条件学習処理が終了する。なお、所定の動作物理量として、樹脂の充填量に最も影響の大きい射出圧力を用いれば、条件切換位置Xc…を変更するための的確(最適)な基準積分値Dsを得ることができる。
このような条件学習処理は、一回の成形サイクルでもよいが、複数回の成形サイクルにおいて実行することが望ましい(ステップS10,S8,S9)。例示はN回の成形サイクルを行う場合を示している。これにより、各条件切換位置Xc…におけるN個の積分値が得られるため、各条件切換位置Xc…毎に得られるN個の積分値の平均値を演算により求める(ステップS11)。そして、各条件切換位置Xc…毎に求めた積分値(平均値)は基準積分値Ds…としてコントローラ32のメモリに記憶する(ステップS12)。このように、条件学習処理を、複数回の成形サイクルにおいて実行し、各条件切換位置Xc…で得られる複数の積分値を平均した平均値を基準積分値Ds…として記憶すれば、誤差を低減したより正確な基準積分値Ds…を得ることができる。以上の処理が終了したなら、第二計量モードM2への切換が行われる(ステップS13)。したがって、以後は、第一計量モードM1に対して異なる条件が設定された第二計量モードM2により計量工程が行われる。
第二計量モードM2に切換わることにより、コントローラ32は第二計量モードM2により計量工程を実行するとともに、最初の射出工程では前述した基準積分値Ds…を利用して条件適用処理を行う(ステップS14)。
図3には、図1におけるステップS14に対応する条件適用処理の詳細な処理手順を示す。計量工程では、まず、計量主処理工程による計量が行われる(ステップS141)。計量主処理工程では、コントローラ32によりサーボモータ3が駆動制御(速度制御)され、スクリュ2が正回転することにより、可塑化された溶融樹脂が加熱筒13の内部におけるスクリュ2の前方に計量蓄積されるとともに、これに対応してスクリュ2が後退する。この際、サーボモータ28が通電制御されることにより、スクリュ2に対する背圧制御が行われる。
図6(a),(b)には、スクリュ回転用サーボモータ3及びスクリュ進退用サーボモータ28の動作状態をタイミングチャートで示す。図6において、Xoは計量開始位置,Vmは計量主処理工程におけるサーボモータ3の回転速度をそれぞれ示す。一方、図5(a)は、計量主処理工程におけるスクリュ2の状態を示し、矢印Rpはスクリュ2の正回転方向を示すとともに、矢印Ffは溶融樹脂の相対移動方向を示す。そして、スクリュ2が予め設定した計量終了位置Xmまで後退することにより計量主処理工程が終了し、サーボモータ3の回転を停止させる。図5(b)は計量終了位置Xmにおけるスクリュ2の状態を示している。この状態では、逆流防止バルブ4に対してフライト2f側の樹脂圧Pfがノズルヘッド2h側の樹脂圧Phよりも相対的に高い状態、即ち、Ph<Pfの状態にある。
計量主処理工程の終了により計量後処理工程に移行する(ステップS142)。計量後処理工程では、最初に、逆流防止バルブ4がバルブシート2rに当接する位置(タッチ位置)までスクリュ2を前進移動させる処理を行う(ステップS143)。この場合、スクリュ2は回転自由状態、即ち、外力により受動回転可能となるように切換えられるとともに、コントローラ32によりサーボモータ28が駆動制御される。この際の駆動制御は、加圧力に対する圧力リミッタ(スクリュ加圧力値)の設定された速度制御となり、サーボモータ28の回転は、回転伝達機構30及びボールねじ機構24を介して運動変換され、スクリュ2を前進移動させる。図6(b)において、Vfはスクリュ2の前進移動時におけるサーボモータ28の回転速度を示す。
また、コントローラ32は、スクリュ2の前進移動の開始と同時に計時を開始するとともに、スクリュ2の受動回転による回転状態の監視(回転検出)を開始する。この場合、図5(c)に示すように、スクリュ2の前進移動により、スクリュヘッド2h側の溶融樹脂がフライト2f側(矢印Fr方向)に逆流するとともに、この逆流によりスクリュ2は正回転に対して逆方向(矢印Rrs方向)に受動回転する。したがって、この状態では、逆流防止バルブ4に対してノズルヘッド2h側の樹脂圧Phがフライト2f側の樹脂圧Pfよりも相対的に高くなり、Pf<Phの関係になる。
そして、逆流防止バルブ4は、逆流する溶融樹脂により後方に押されて後退変位するとともに、バルブシート2rに当接した位置(タッチ位置)で停止する。したがって、逆流防止バルブ4は、事実上、このタッチ位置で閉鎖した状態となる(図5(d)の位置参照)。この時点では、同時に溶融樹脂の逆流が止まるとともに、スクリュ2の受動回転も停止する。スクリュ2はこのような挙動を伴うため、コントローラ32はスクリュ2の回転状態を監視し、スクリュ2の回転が停止状態になったなら、直ちにスクリュ2の前進移動を停止させる制御を行う(ステップS144,S145)。
この場合、スクリュ2の回転状態及び停止状態は、コントローラ32により、サーボモータ3に付設したロータリエンコーダ3eから得るエンコーダパルスを監視して行うことができる。具体的には、予め設定した監視時間内のパルス数が所定数になったり或いはパルス出力間隔が所定間隔(時間)になったなら停止状態と判断できる。したがって、停止状態とは完全に停止する場合のみならず所定の速度以下まで低下した状態をも含む概念である。そして、スクリュ2の停止状態を検出したなら、同時に計時をリセットする。
よって、このようなスクリュ前進処理を行うことにより、スクリュ2は、常に、逆流防止バルブ4がバルブシート2rに当接するタッチ位置で正確に停止させることができる。また、このようなタッチ位置(停止状態)を、ロータリエンコーダ3eから得るエンコーダパルスにより検出することにより、別途の検出器等は不要となり、既設の装備を利用して容易かつ低コストに実施できる利点がある。
ところで、スクリュ2の前進移動中に、逆流防止バルブ4の一部が欠けたり逆流防止バルブ4に異物が挟まるなどによる異常が発生することも考えられる。このような異常が発生した場合、スクリュ2の回転が正常に停止することなく無用に回転が継続する。そこで、スクリュ2の前進移動の開始と同時に計時を開始し、予め設定した時間(判定時間)に達してもスクリュ2の停止状態を検出できないときは、所定のエラー処理を行う。エラー処理としては、運転(動作)の停止処理やアラーム報知処理等を行うことができる。これにより、逆流防止バルブ4の動作異常を速やかに検知し、かつ動作異常に対する対策を迅速に講じることができる。
次いで、スクリュ2を強制的に逆回転させる処理を行う(ステップS146)。なお、スクリュ2の逆回転は上述したスクリュ2の停止状態の検出から直ちに行ってもよいし、所定の設定時間を経てから行ってもよい。この場合、コントローラ32によりサーボモータ3が駆動制御(速度制御)される。これにより、スクリュ2は図5(d)に示すように、矢印Rr方向へ能動的に逆回転する。図6(a)において、Vrはスクリュ2の逆回転時におけるサーボモータ3の回転速度を示すとともに、θs,θeはスクリュ2の角度を示している。逆回転させるスクリュ2の回転量は、成形機毎に任意に設定できるが、概ね1/4回転前後に設定できる。したがって、この場合には、図6(a)における(θe−θs)を概ね90〔°〕前後に設定できる。また、スクリュ2の逆回転時には、コントローラ32によりサーボモータ28が駆動制御され、スクリュ2の前後方向位置が固定される位置制御が行われる。これにより、スクリュ2が逆回転してもスクリュ2の前後方向位置が固定されるため、計量した樹脂量の変動防止及び計量精度の向上に寄与できる。図6(a)において、Xdはスクリュ2を逆回転させた後のスクリュ位置(逆回転終了位置)を示している。
なお、スクリュ2を逆回転させる際における回転数(回転角)又は回転速度は、コントローラ32に接続したディスプレイ34に表示することができる。このような表示を行うことにより、オペレータは逆流防止バルブ4の動作状態を視覚的にも容易に把握することができる。そして、スクリュ2の逆回転が、設定した回転量(回転角)に達したならスクリュ2の回転を停止させる制御を行う(ステップS147,S148)。
ところで、スクリュ2の逆回転時には、スクリュ2の前後方向位置が固定されることから、図5(d)に示すように、溶融樹脂に対して後方(矢印Fi方向)への圧力が付与される。この場合、スクリュ2を逆回転させる直前では、逆流防止バルブ4に対してノズルヘッド2h側の樹脂圧Phがフライト2f側の樹脂圧Pfよりも相対的に高い状態、即ち、Pf<Phの状態にあるため、スクリュ2を逆回転させた後は、逆流防止バルブ4に対してノズルヘッド2h側の樹脂圧Phがフライト2f側の樹脂圧Pfよりも更に高い状態、即ち、Pf≪Phの状態になる。
一方、スクリュ2を逆回転させる処理が終了したなら、スクリュ2を予め設定したストローク(例えば、1〜2〔mm〕前後)だけ後退移動させて圧抜きを行うデコンプ処理を行う(ステップS149)。デコンプ処理では、コントローラ32によりサーボモータ28が駆動制御(速度制御)され、スクリュ2が後退移動する。この場合、スクリュ2の後退ストロークは、圧抜きが完了する位置を考慮し、当該後退ストロークの終端をデコンプ終了位置Xsとして予め設定する。これにより、スクリュ2がデコンプ終了位置Xsに達すれば、スクリュ2の後退移動を停止し、デコンプ処理を終了させるとともに、次の工程である射出工程に移行させる。図6において、Vsはデコンプ処理時におけるサーボモータ28の回転速度、Xsはデコンプ終了位置をそれぞれ示し、このデコンプ終了位置Xsは射出開始位置となる。なお、デコンプ処理は、計量終了後、スクリュ2を予め設定した僅かなストロークだけ後退させて圧抜きを行い、型開き時の樹脂圧による弊害、即ち、低粘度樹脂による所謂鼻ダレ現象や高粘度樹脂による成形スプルからの所謂糸引き現象等の発生を防止する処理である。
図5(e)は、このようなデコンプ処理を行った後におけるスクリュ2の状態を示し、逆流防止バルブ4に対してノズルヘッド2h側の樹脂圧Phがフライト2f側の樹脂圧Pfよりも相対的にやや高い状態かほぼ同じ状態、即ち、Pf<Phの状態かPf≒Phの状態にある。したがって、デコンプ処理を行っても、デコンプ処理の前に、逆流防止バルブ4に対して前方(スクリュヘッド2h側)の樹脂圧Phを後方(フライト2f側)の樹脂圧Pfよりも常に高くした状態で逆流防止バルブ4を閉鎖できるため、この後のデコンプ処理により逆流防止バルブ4が再度開いてしまう弊害を排除できる。これにより、射出開始の前に逆流防止バルブ4を確実かつ安定に閉鎖することができる。
他方、計量工程が終了すれば、射出開始のタイミングまで待機し、射出開始タイミングになれば、射出工程を開始する(ステップS150,S151)。射出工程の開始によりスクリュ2が前進し、計量した溶融樹脂を不図示の金型に射出充填する射出工程が行われる(ステップS152)。また、射出工程の開始と同時に条件適応処理を行う(ステップS14)。この場合、前述した条件学習処理(ステップS9)の場合と同様に、射出工程の開始から射出工程中における射出圧力をロードセル33により検出するとともに、スクリュ2の移動距離をロータリエンコーダ28eにより検出し、コントローラ32により射出圧力をスクリュ2の移動距離により積分する積分処理を行う(ステップS153)。具体的には、500〔μs〕に設定したサンプリング周期毎に、スクリュ移動位置と射出圧力を検出し、検出したスクリュ移動位置から得るサンプリング周期間の移動距離と動作物理量の乗算値を求めるとともに、求めた乗算値を順次積算する処理により積分値Ddを得る。
さらに、コントローラ32は、得られた積分値Ddを監視し、記憶されている基準積分値Ds…に一致するか否かを判断する(ステップS154)。この場合、一番小さい基準積分値Dsに最初に一致するため、一致したなら一致した時点における条件切換位置Xc…を取り込んで記憶する(ステップS155)。したがって、このときの条件切換位置Xc…が最初の条件切換位置Xc…となる。同様の処理を射出工程が終了するまで順次行い、全ての条件切換位置Xc…を取込んで記憶する(ステップS156,S152…)。
そして、全ての基準積分値Ds…に対応する条件切換位置Xc…を取込み、射出工程が終了したなら、既設定の条件切換位置Xc…を今回取込んだ条件切換位置Xc…に設定変更する。即ち、条件切換位置Xc…の書き換えを行う(ステップS156,S157)。これにより、第一計量モードM1から第二計量モードM2への切換処理(条件適用処理)が終了するため、以後は、第二計量モードM2による計量工程を用いた成形動作(生産稼働)が行われる(ステップS15)。なお、例示の場合、全ての条件切換位置Xc…を取込んで記憶し、射出工程の終了後に一括して全ての条件切換位置Xc…の書き換えを行う場合を示したが、各条件切換位置Xc…を取込む毎に書き換えを行ってもよい。したがって、この場合には必ずしも記憶することを要しない。このように、第二計量モードM2による計量工程として、少なくとも、先端部に逆流防止バルブ4を設けたスクリュ2を正回転させて計量を行う計量主処理工程と、この計量主処理工程の終了後、スクリュ2を回転自由状態にして前進移動させるとともに、この前進移動時におけるスクリュ2の回転状態を監視し、スクリュ2の回転が停止状態になったならスクリュ2を所定の回転量だけ逆回転させる計量後処理工程とを含ませれば、逆回転後における樹脂圧のバラツキ、更には計量した樹脂量のショット毎の変動を大幅に低減でき、高い計量精度を確保できる利点がある。
よって、このような本実施形態に係る好適実施形態によれば、第一計量モードM1による計量工程から当該第一計量モードM1とは異なる動作を行う第二計量モードM2による計量工程に切換える場合であっても、例えば、金型に対する樹脂の過充填(オーバパック)により、バリやクラック等の外観不良や質量過多等の不良を生じる不具合を解消できるとともに、的確な設定変更が行われることにより円滑に移行させることができる。また、第一計量モードM1による計量工程から第二計量モードM2による計量工程に切換える場合であっても、オペレータによる成形条件の見直しが不要、或いは補助的な見直しで足りるため、見直しのための時間(工数)を解消又は大幅に短縮することができ、生産効率を高めることができる。
以上、好適実施形態について詳細に説明したが、本発明は、このような実施形態に限定されるものではなく、細部の構成,形状,数量,数値,手法等において、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、任意に変更,追加,削除することができる。
例えば、第一計量モードM1と第二計量モードM2は例示の計量方法に限定されるものではなく、各種計量方法を適用することができる。したがって、例示の第一計量モードM1を第二計量モードM2とし、例示の第二計量モードM2を第一計量モードM1として置換してもよい。また、動作物理量として、射出圧力を例示したが、スクリュ2を前進移動させる駆動モータ(サーボモータ)3の負荷トルクを用いてもよい。この場合、射出圧力をそのまま負荷トルクに置換すれば実施することができるとともに、油圧式射出成形機を用いた場合には射出圧力を油圧に置換することができる。一方、積分処理は、設定したサンプリング周期毎に、スクリュ移動位置と動作物理量を検出し、検出したスクリュ移動位置から得るサンプリング周期間の移動距離と動作物理量の乗算値を求めるとともに、求めた乗算値を順次積算する処理により行う場合を示したが、積分値を求めることができるものであれば他の処理方法であってもよい。他方、逆流防止バルブ4としてリングバルブを例示したが必ずしもリングバルブに限定されるものではない。また、スクリュ2の回転状態(停止状態)やスクリュ移動位置を検出する方法として、ロータリエンコーダ3eから得るエンコーダパルスを利用する方法を例示したが、他の検出方法を排除するものではない。さらに、スクリュ2を逆回転させる回転量としてスクリュ2の回転数(回転角)により設定する場合を示したが、時間により設定する場合を排除するものではない。なお、例示の実施形態では、スクリュ2を逆回転させる際に、スクリュ2の前後方向位置が固定される位置制御を行う場合を示したが、スクリュ2の圧力が固定される圧力制御を行ってもよい。
本発明に係るモード切換方法は、逆流防止バルブを有するスクリュを内蔵する射出装置を備える電動式射出成形機や油圧式射出成形機等の各種射出成形機に利用できる。
1:射出成形機,2:スクリュ,3:駆動モータ,4:逆流防止バルブ,M1:第一計量モード,M2:第二計量モード,(S101):第一計量モードによる計量工程,(S141〜S149):第二計量モードによる計量工程,(S141):計量主処理工程,(S106):積分処理,(S153):積分処理,(S9,S107〜S109):条件学習処理,(S14,S154〜S157)条件適用処理,(S149):デコンプ処理

Claims (10)

  1. 第一計量モードによる計量工程から当該第一計量モードとは異なる動作を行う第二計量モードによる計量工程に切換えるに際し、前記第一計量モードから前記第二計量モードに切換えられたなら、前記第一計量モードによる計量工程に基づく射出工程を行い、かつこの射出工程中における所定の動作物理量をスクリュの移動距離により積分する積分処理を行うとともに、前記スクリュが前記射出工程中における一又は二以上の条件切換位置に達したなら当該条件切換位置における積分値を基準積分値として記憶する条件学習処理を行い、この後、前記第二計量モードによる計量工程に基づく射出工程を行い、かつこの射出工程中における前記動作物理量を前記スクリュの移動距離により積分する積分処理を行うとともに、得られる積分値が記憶した一又は二以上の前記各基準積分値に達したなら当該基準積分値に達した位置を新たな条件切換位置に変更する条件適用処理を行うことを特徴とする射出成形機のモード切換方法。
  2. 前記第一計量モードから前記第二計量モードへの切換は、前記第一計量モードによる生産稼働中に行うことを特徴とする請求項1記載の射出成形機のモード切換方法。
  3. 前記動作物理量には、射出圧力又はスクリュを前進移動させる駆動モータの負荷トルクを用いることを特徴とする請求項1又は2記載の射出成形機のモード切換方法。
  4. 前記積分処理は、設定したサンプリング周期毎に、スクリュ移動位置と前記動作物理量を検出し、検出したスクリュ移動位置から得るサンプリング周期間の移動距離と前記動作物理量の乗算値を求めるとともに、求めた乗算値を順次積算する処理により行うことを特徴とする請求項1,2又は3記載の射出成形機のモード切換方法。
  5. 前記条件学習処理は、複数回の成形サイクルにおいて実行し、各条件切換位置で得られる複数の積分値を平均した平均値を基準積分値として記憶することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の射出成形機のモード切換方法。
  6. 前記条件切換位置には、一又は二以上の速度切換位置、及び/又は速度制御から圧力制御に切換えるV−P切換位置を含むことを特徴とする請求項1記載の射出成形機のモード切換方法。
  7. 前記第二計量モードによる計量工程は、少なくとも、先端部に逆流防止バルブを設けたスクリュを正回転させて計量を行う計量主処理工程と、この計量主処理工程の終了後、前記スクリュを所定の回転量だけ逆回転させる計量後処理工程とを含むことを特徴とする請求項1記載の射出成形機のモード切換方法。
  8. 前記計量後処理工程は、前記計量主処理工程の終了後、前記スクリュを回転自由状態にして前進移動させるとともに、この前進移動時における前記スクリュの回転状態を監視し、前記スクリュの回転が停止状態になったなら前記スクリュを所定の回転量だけ逆回転させることを特徴とする請求項7記載の射出成形機のモード切換方法。
  9. 前記計量後処理工程には、前記スクリュを逆回転させた後、前記スクリュを所定ストロークだけ後退移動させるデコンプ処理を含むことを特徴とする請求項7又は8記載の射出成形機のモード切換方法。
  10. 前記スクリュを逆回転させる際は、前記スクリュの前後方向位置又は圧力を固定する制御を行うことを特徴とする請求項7又は8記載の射出成形機のモード切換方法。
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