JP5036411B2 - 雄ネジ部品の締付方法及びトルクレンチ - Google Patents

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本発明は、航空機用及びミリタリースペックとして使用される雄ネジ部品でカドミウムめっき雄ネジ部品を亜鉛−ニッケル合金めっき雄ネジ部品に代替するための雄ネジ部品の締付方法、及びこの締付方法に用いるトルクレンチに関する。
航空機用及びミリタリースペックでは、厳しい使用環境下で高い信頼性が要求されるため、雄ネジ部品の腐食等による劣化は許容されず、このため他業界では使用されない有害物質であるカドミウムめっきが施された雄ネジ部品の使用が続いていた。雄ネジ部品の一例として、六角穴付ボルトでは、米国航空宇宙標準規格(NAS)1351/1352という規格適用品が広く使用されているが、その中でも、高強度鋼の下地にカドミウムめっきと6価クロムを含有するクロメート処理を指定したグレードのものが多用されている。
これらの雄ネジ部品は、これまで様々な部位に使用され、不都合なく使用されてきた実績がある。このため、他の仕様の雄ネジ部品に置き換えた場合、問題は発生しない確証が得られない限り、容易にこれを代替する状況にはなかった。
カドミウムは、イタイイタイ病の原因となるなど、それ自体が有害な物質として知られている。このため、めっき等の作業でなるべくカドミウムを直接触れない等の工夫がなされていたが、昨今は環境問題の高まりから、製品の廃棄時を考慮し、カドミウムと6価のクロムを製品に含有しない製品に移行することが求められ始めている。この対策として、(イ)カドミウムめっきと同等以上の耐食性を有し、カドミウムを一切含有しないめっき層が形成されること;(ロ)めっき層を保護する保護層には有害物質である6価のクロムを一切含まない皮膜層が使用できること;(ハ)高強度鋼を下地とする雄ネジ部品に適用する際には、水素脆化の発生が確実に抑えることのできるめっきプロセスが確立できることの要件を満足するめっき層を施した雄ネジ部品を得ることが必要となっていた。
このような状況を鑑み、本発明者らは、水酸化ナトリウムを主成分とするアルカリ水溶液に、亜鉛イオン、ニッケルイオンを含有するめっき液で、亜鉛イオンとニッケルイオンの含有量を調整することで、ニッケ共析率が12〜18%となる亜鉛−ニッケル合金めっきを施し、めっき後に3価クロム化成処理液を用いて、3価クロム化成皮膜を形成し、更に、下地金属が高い強度に調質された合金鋼である場合は、その後に必要に応じて150℃以上(実際は190℃前後)に数時間以上維持するベーキング処理を行うことにより、高い耐食性やすぐれためっき密着性を有する亜鉛−ニッケル合金めっき雄ネジ部品を実現した。
しかしながら、亜鉛−ニッケル合金めっき雄ネジ部品を、従来のカドミウムめっき雄ネジ部品と置き換えて使用するための評価を行ったところ、カドミウムめっき雄ネジ部品と比較して、亜鉛−ニッケル合金めっき雄ネジ部品では、めっき面での摩擦係数が上昇するため、カドミウムめっき雄ネジ部品と同じ締付トルクで締付けても、雄ネジ部品に発生する締付力(ボルト等に発生している軸力)が小さくなり、設計どおりの締付力となっていない場合が多いことが明らかとなった。このため、設計どおりの締付力を得ようとすると、従来のカドミウムめっき雄ネジ部品での規定値以上の締付トルクで、雄ネジ部品を締付けなければならないということが必要となっていた。
しかし、従来のカドミウムめっき雄ネジ部品の規定値より過大な締付トルクで、雄ネジ部品を締付けた場合、ネジ頭の根元等で、ネジ頭をネジ切ってしまう不都合が発生した。即ち、締付トルクは増大しても、このような不都合を生じない範囲に、正確に締付トルクを制限しなければならないことが明らかとなった。
斯かる問題点を鑑み、本発明は、航空機用及びミリタリースペックにおいて、設計どおりの締付力を得ることが可能で、しかも、ネジ頭をネジ切ってしまうような不都合が発生しない亜鉛−ニッケル合金めっき雄ネジ部品の締付トルクの制御方法及びこの締付方法に用いるトルクレンチを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の態様は、カドミウムめっき雄ネジ部品と同一形状の亜鉛−ニッケル合金めっき雄ネジ部品の締付トルクを、カドミウムめっき雄ネジ部品の締付トルクの28%〜113%増とする亜鉛−ニッケル合金めっき雄ネジ部品の締付け制御法であることを要旨とする。
本発明の他の態様は、カドミウムめっき雄ネジ部品と亜鉛−ニッケル合金めっき雄ネジ部品とを締め付けるトルクレンチであって、亜鉛−ニッケル合金めっき雄ネジ部品の締付トルクを、カドミウムめっき雄ネジ部品の締付トルクの28%〜113%増として表示する設定トルク表示部を備えたトルクレンチであることを要旨とする。
本発明によれば、航空機用及びミリタリースペックにおいて、設計どおりの締付力を得ることが可能で、しかも、雄ネジのネジ頭をネジ切ってしまうような不都合が発生しない亜鉛−ニッケル合金めっき雄ネジ部品の締付トルクの制御方法及びこの締付方法に用いるトルクレンチを提供することができる。
次に、図面を参照して、本発明の実施の形態を説明する。以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には同一又は類似の符号を付している。ただし、図面は模式的なものであり、各部の寸法の関係や比率等は現実のものとは異なることに留意すべきである。したがって、具体的な厚みや寸法等は以下の説明を参酌して判断すべきものである。又、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることはもちろんである。
又、以下に示す本発明の実施の形態は、本発明の技術的思想を具体化するための装置や方法を例示するものであって、本発明の技術的思想は、構成部品の材質、形状、構造、配置等を下記のものに特定するものでない。特に、以下の説明では、雄ネジ部品の例として、六角穴付ボルトを採用しているが、雄ネジ部品は六角穴付ボルトに限定されるものではない。本発明の技術的思想は、特許請求の範囲に記載された技術的範囲内において、種々の変更を加えることができる。
(締付トルクの制御方法)
カドミウムめっき雄ネジ部品と同一形状の亜鉛−ニッケル合金めっき雄ネジ部品の最適な締付トルクを実験的に決定するために、先ず、従来のカドミウムめっきによる航空機用の六角穴付ボルト(以下「比較例に係る六角穴付ボルト」という。) を用意した。そして、比較例に係る六角穴付ボルトと同一形状・同一下地金属の六角穴付ボルトに15%程度の共析率での亜鉛−ニッケル合金めっきを施し、更に3価クロム化成処理を施した試料(以下「実施例に係る六角穴付ボルト」という。) を用意した。図示を省略するが、比較例と実施例に係る六角穴付ボルトの識別はその色合いにより、容易に可能である。めっき厚さは、いずれも平均厚さ8μmとなるようにした。
実施例に係る六角穴付ボルトを用いて、締付トルクT(N-m)とボルトに発生する軸力Q(N)とを測定した結果を図1に、比較例に係る六角穴付ボルトを用いて、同様に締付トルクTとボルトに発生する軸力Qとを測定した結果を図2に示す。図1及び図2の測定は、ボルト頭を締付けた際にボルトによって締付けられる部材の圧縮力を計測することで行った。図1及び図2中の各点は、ボルト毎の測定結果を示す。
ナット若しくはタップ型雌ネジのような雌ネジ部品の硬度が、雄ネジ側のめっきの硬度よりも十分硬ければ、雌ネジ部品の材料の相違による摩擦係数への影響は無視できる。航空機用及びミリタリースペックでは、一般的なものでも1240MPaの強度材を用いる。このため、航空機用及びミリタリースペックの雌ネジ部品の硬度は、通常、ロックウエル硬度HRc39〜40程度であり、十分硬いので、雌ネジ部品の材料の相違による摩擦係数への影響は無視して良い。又、めっき厚さを8μm程度とすると、めっき面の摩擦係数の下地金属の影響は無視できる。このような前提の基、図1及び図2に示した締付トルクTと軸力Qの関係(測定値)から、ネジ部のめっきの摩擦係数μとボルト頭座面(ワッシャ部)のめっきの摩擦係数μn とが等しい(μn =μ)として、次の式(1)〜(3)を用いてめっきの摩擦係数を計算した:
T=(Q/2){d2 tan(β+ρ)+μn n } ……(1)
tanρ=μ/cos(α/2) ……(2)
tanβ=l/(πd2 ) ……(3)
ここで、
2:ネジの有効径(ピッチ径)(m);
n:座面における摩擦トルクの等価直径(m)
=(2/3)(do 3-di 3)/(do 2-di 2)≒(do+di)/2;
o:接触座面外径(m);
i:接触座面内径(m);
α:ネジ山角度(三角ネジ:60°);
β:ネジのリード角;
l:ネジのリード(=1条ネジの場合はネジのピッチ)(m)
である。上記の値のうち、図1及び図2の測定では六角穴付ボルトにNAS1352−3−32を使用したことから、このボルト固有の以下の寸法を使用することになる:
2:ネジの有効径 0.00414m(=0.1629インチ);
o:接触座面外径 0.0077m(=0.303インチ);
i:接触座面内径 0.0052m(=0.203インチ);
n:座面における摩擦トルクの等価直径 0.0065m;
l:ネジのリード 0.001058m(1/24インチ);
tanβ:0.0814
式(1)〜(3)を用い、締付トルクTが大きい条件での摩擦係数の平均値μmeanを求めると、次の値が得られる:
亜鉛−ニッケル合金めっき雄ネジ部品 μmean=0.14
カドミウムめっき雄ネジ部品 μmean=0.07
そこで、得られた摩擦係数μの値を用いて、ネジ径の異なる雄ネジ部品について、
(1)締め付ける部材座面の摩擦係数μnとネジ面での摩擦係数μとの両方を、カドミウムめっきの摩擦係数を、亜鉛−ニッケル合金めっきの摩擦係数に変更し、カドミウムめっき雄ネジ部品と同じ軸力Qが得られる締付トルクTを得るための値を、式(1)〜(3)により計算した。得られた締付トルクTについて、カドミウムめっき雄ネジ部品の締付トルクTからの増加割合を算出した。これを「第1の締付トルク」とする。図3にユニファイ細目ネジの場合の第1の締付トルクの増加割合(%)を◆で示し、図4にユニファイ並目ネジの場合の第1の締付トルクの増加割合(%)を◆で示した。第1の締付トルクの増加割合の分布範囲は、70.5〜87.2%程度であることが分かる。ネジ面自体の形状は規格で定められたものであるため,他のスクリュでもこの値から大きくは変化しない。一方,摩擦係数μ自体は多数のサンプルを測定した結果、摩擦係数の平均値μmeanに対して、±29.3%の標準偏差となる分布が観察された。そこで、第1の締付トルクの増加割合最大範囲は87.2×(1+0.293)=112.7%とすれば、適正な締付トルク設定値は、確実にこの範囲内に存在させることができる。
(2)締め付ける部材座面の摩擦係数μnとネジ面での摩擦係数μのうち、座面の摩擦係数μnのみを、カドミウムめっきの摩擦係数から亜鉛−ニッケル合金めっきの摩擦係数に変更し、カドミウムめっき雄ネジ部品と同じ軸力Qが得られる締付トルクTを得るための値を式(1)〜(3)により計算した。得られた締付トルクTについて、カドミウムめっき雄ネジ部品の締付トルクTからの増加割合を算出した。これを「第2の締付トルク」とする。図3にユニファイ細目ネジの場合の第2の締付トルクの増加割合(%)を■で示し、図4にユニファイ並目ネジの場合の第2の締付トルクの増加割合(%)を■で示した。第2の締付トルクの増加割合の分布範囲は、39.3〜45.9%程度であることが分かる。この第2の締付トルクは、トルク増加分はすべて座面のみで消費され、締付け部からネジ面の間は、従来と同じ捻りモーメントが作用するというモデルを仮定したときの値となっている。上述したように摩擦係数の平均値μmeanに対して、±29.3%の標準偏差となる分布を考慮すると、第2の締付トルクの増加割合の最小範囲は39.3×(1−0.293)=27.8%とすれば、適正な締付トルク設定値は、確実にこの範囲内に存在させることができる。
以上の結果から、ナットを締めることによって締付けを実現する場合には、第1の締付トルクを採用すると、ネジ部材の捻りモーメントの増加を伴わずに、従来のカドミウムめっき雄ネジ部品と同じ軸力Qとなる締付けが実現することになる。
ところが、締め付ける際に第1の締付トルクを採用すると、軸力Qによる引張応力と、捻りモーメントによるせん断応力との合応力は、ネジ部をネジ切る応力となる事例が発生していた。
そこで、ネジ部に発生し、破断を支配する複合応力σについて検討する。通常、炭素鋼の場合は延性があるため、破断は「せん断ひずみエネルギー説」を採用する場合が多いが、航空機用のボルトをネジ切ってしまったような場合は、あまり大きく変形せずに、せん断破壊を生じているような事例が多く見られる。そこで、複合応力σeの評価では「最大せん断応力説」を採用することで、ネジの軸力Qによって生じる引張応力σtと、締付トルクTを印加することによってネジ部に生じる捻りモーメントTによるせん断応力τsの合力として、
σe=((σt 2+4τs 2))1/2 ……(4)
で表現される。今、ネジの谷径をd3とすると、
σt=4Q/(πd3 2) ……(5)
τs=T/(πd3 3/16)=8Q・tan(β+ρ)・d2/(πd3 3) ……(6)
となるから、
σ=4Q/(πd3 2)×((1+4×(2tan(β+ρ)・d2/d3) 2))1/2 ……(7)
が得られる。式(7)を計算すると、カドミウムめっき雄ネジ部品の場合、ネジを締め付ける際は、ネジ軸力Qによる複合応力σeが10〜22%増加していたのに対し、亜鉛−ニッケル合金めっき雄ネジ部品とすると、30〜47%増加することになる結果を得る。これは、逆算すると、亜鉛−ニッケル合金めっき雄ネジ部品のネジ部に発生する軸力Qを、カドミウムめっき雄ネジ部品の場合の83〜85%に抑えるように締付けを行えば、ネジに発生する締付け時の応力は、カドミウムめっき雄ネジ部品を同程度になると言える。
そこで、カドミウムめっき雄ネジ部品を、亜鉛−ニッケル合金めっき雄ネジ部品に変更した場合、軸力Qを83〜85%に低減させることを目差し、摩擦係数μが増加した分を考慮して締め付ける場合、42〜57%の締付トルクTを増加するのが良いことが分かる。この値を「第3の締付トルク」とする。第3の締付トルクは第2の締付トルクとほぼ同じレベルになることから、第3の締付トルクより高い締付トルクTとすれば、摩擦係数μが増加した亜鉛−ニッケル合金めっき雄ネジ部品でも、十分な締付け状態が実現することになる。
第3の締付トルクより締付トルクTを増加させて第1の締付トルクに近づけた値とするには、締付け後の軸力Qで発生する複合応力σeが、許容応力に対してどれだけの割合になるかによって決定される。つまり、カドミウムめっき雄ネジ部品で締付け後の軸力Qで発生する複合応力σeが、許容応力の約90%というぎりぎりの値となっている場合には、亜鉛−ニッケル合金めっき雄ネジ部品にした場合には軸力Qを83〜85%に低減させなければ、雄ネジ部品をネジ切る恐れがある。上述したように、第2の締付トルクの増加割合は39.3〜45.9%となるが、締結部品の限界応力に近い状態を扱うことと、締付力が限界に近い場合は、摩擦係数のばらつきが相対的に少なくなるので、ばらつき範囲は締付トルク増加が少なくなる方向のみを考慮すればよい。したがって、39.3%×(1−0.293)=27.8%、45.9%×(1+0.000)=45.9%となる。即ち、カドミウムめっき雄ネジ部品に対し締付け後のネジ部の引張又は圧縮応力が、ネジ部許容応力の90%の場合には、亜鉛−ニッケル合金めっき雄ネジ部品の締付トルクをカドミウムめっき雄ネジ部品の締付トルクの28%〜46%増の締付トルクに設定すればよい。
一方、カドミウムめっき雄ネジ部品で締付け後の軸力Qで発生する複合応力σeが、許容応力の約60%以下となっている場合には、亜鉛−ニッケル合金めっき雄ネジ部品とした後に、摩擦係数μの増加に合わせて締付トルクTを増加させても、不都合なく締め付けることができる。このケースでは締付トルクTの設定値に、第1の締付トルクが基礎となる。上述したように、第1の締付トルクの増加割合は 70.5〜87.2%となるが、締結部品自体の応力には余裕がある一方、より確実な締結を行う方向での設定を考える必要があることから、ばらつき範囲は締付トルク増加が大きくなる方向のみを考慮すればよい。即ち、70.5%×(1−0.000)=70.5%、87.2%×(1+0.293)=112.7%となる。このため、カドミウムめっき雄ネジ部品に対し締付け後のネジ部の引張又は圧縮応力が、ネジ部許容応力の60%以下の場合には、亜鉛−ニッケル合金めっき雄ネジ部品の締付トルクをカドミウムめっき雄ネジ部品の締付トルクの71〜113%増の締付トルクに設定するのがよい。許容応力の90%〜60%の間で使用されている締結部品(雄ネジ部品)の場合には、締付時にねじ切ってしまう問題を回避するため、許容応力の約90%で使用される場合に準じた締付トルクを設定するのがよい。ただし、一部の極限設計をしたような機器の場合には、締付力が不足しないように、段階的に、締付トルクTを設定するのがより望ましいことが分かる。
以上説明したように、本発明の実施の形態に係る締付トルクの制御方法によれば、これまで航空機分野で多用されていたカドミウムめっき雄ネジ部品を、有害物質フリーの亜鉛−ニッケル合金めっき雄ネジ部品に代替することを、容易に進めて行くことができる。即ち、亜鉛−ニッケル合金めっき雄ネジ部品は、摩擦係数μが大きいため、一旦締めこまれた後は緩む方向に動き難くなるが、本発明の実施の形態に係る締付トルクの制御方法によれば、適切な締付トルクで増し締めが可能であるので、締結部は振動・衝撃時等に耐えて締結を保つ能力が向上する。更に、カドミウムめっき雄ネジ部品を、有害物質フリーの亜鉛−ニッケル合金めっき雄ネジ部品に代替しているので、使用中あるいは廃棄した当該雄ネジ部品からは、有害物質であるカドミウムや6価クロムが溶出する可能性がなくなる。
(トルクレンチ)
図5に示すように、本発明の実施の形態に係るトルクレンチは、雄ネジ部品の一例である六角穴付きボルト15の頭部の駆動面に係合する六角形ロッド14を有する係合部18と、この係合部18を所定角度回動可能に保持する杆体部12と、この杆体部12に設けられたハンドル13と、表示ユニット11とを備える。表示ユニット11は、図5(b)の上面図に示すように、表示部24と、表示部24の周りに配置された電源ボタン23a、引張応力設定ボタン23b、圧縮応力設定ボタン23c、カドミウム/亜鉛−ニッケル合金切り換えボタン23dを備えている。図5(a)の横面図に隠れ線(破線)で示したように、杆体部12には係合部18の締付トルクを検出するトルク検出部19が設けられている。例えば、トルク検出部19は係合部18が回動するとこれを阻止する方向に弾性力が働く弾性体を有し、この弾性体の変形ひずみ量がひずみゲージの出力信号に変換されるように構成されている。又、トルク検出部19はひずみゲージの出力信号を所定の係数を乗じて所定単位とし、これをA/D変換部21でディジタルの検出値に変換し、トルク値として制御部22に出力するように構成されている。
表示ユニット11は、図6に示すように制御部22と、表示部24と、スイッチ部23と、記憶部25と、A/D変換部21とを備えており、スイッチ部23からの指令信号に基づき、制御部22はディジタル変換されたトルク値を表示部24に出力するように構成されている。図6に示したスイッチ部23は、図5(b)に示した電源ボタン23a、引張応力設定ボタン23b、圧縮応力設定ボタン23c、カドミウム/亜鉛−ニッケル合金切り換えボタン23dの包括表示である。
記憶部25には、カドミウムめっき雄ネジ部品の締付け後のネジ部の引張又は圧縮応力が、ネジ部許容応力の90%とする場合には、亜鉛−ニッケル合金めっき雄ネジ部品に対して、基準トルク値の28%〜46%増の締付トルクに設定するためのデータ;カドミウムめっき雄ネジ部品の締付け後のネジ部の引張又は圧縮応力が、ネジ部許容応力の60%以下とする場合には、亜鉛−ニッケル合金めっき雄ネジ部品に対して、基準トルク値の71〜113%増の締付トルクに設定するためのデータ;90%〜60%の間の引張又は圧縮応力の場合には、引張又は圧縮応力の状態に応じて、亜鉛−ニッケル合金めっき雄ネジ部品締付トルクを段階的に設定するためのデータ、又は、ネジ部許容応力の90%の場合と同様の基準トルク値の28%〜46%増の値が一覧表(締付トルク換算表)の形式で記憶されている。
表示部24は、ドミウムめっき雄ネジ部品及び亜鉛−ニッケル合金めっき雄ネジ部品をそれぞれ締め付ける際の指示値として、記憶部25からデータを読み出し、引張応力設定ボタン23b及び圧縮応力設定ボタン23cからの入力値にしたがい、本発明の実施の形態に係る締付トルクの制御方法に基づいたの「締付トルク換算表」の一部又は全部を表示する。更に、表示部24は、トルク検出部19のトルク値が入力すると、横軸に時間、縦軸にトルク値がプロットされ、トルク−時間特性がトルク波形として表示され、そのトルク波形に上限値が示されるようにしても良い。
制御部22は、トルク値を所定間隔で取り込み、これを一時記憶するとともに杆体部12に設けられた表示部24にリアルタイムで出力する。
本発明の実施の形態に係るトルクレンチでは、六角穴付きボルト15によりワークを所定締付けトルクで締め付ける場合、カドミウム/亜鉛−ニッケル合金切り換えボタン23dにより、カドミウムめっき雄ネジ部品であるのか、亜鉛−ニッケル合金めっき雄ネジ部品であるのかを選択し、表示部24に表示された目標締付けトルクを、見ながら、増し締めをすることができる。即ち、カドミウムめっき雄ネジ部品であるのか、亜鉛−ニッケル合金めっき雄ネジ部品であるのかを選択した後、係合部18を六角穴付きボルト15の頭部に係合させ、係合部18を所定角度回動させると、このときの係合部18に加わる反力が締付トルクとしてトルク検出部19で検出される。この検出値が所定間隔毎にA/D変換部21でディジタル変換されて一時記憶されるとともに、表示部24に出力され、トルク−時間特性がトルク波形としてリアルタイムで表示される。このようにして、亜鉛−ニッケル合金めっき雄ネジ部品を締め付ける際の指示値として、本発明の実施の形態に係る締付トルクの制御方法の設定に基づき、締付トルク換算表が実フィールドで適用可能となる。
図5においては、トルク検出部19で検出された締付トルクが、A/D変換部21でディジタル変換される場合を示したが、図7に示すようなアナログ表示のトルクレンチでも構わない。図7に示すトルクレンチでは、トルクメータ部16に第1の締付トルク表示部162と第2の締付トルク表示部163が表示され、針161の指示を所望のトルク値にすることにより、必要な増し締めが可能になる。
図7では、図示を省略しているが、トルクメータ部16には、更に、カドミウムめっき雄ネジ部品に対し締付け後のネジ部の引張又は圧縮応力が、ネジ部許容応力の90%の場合には、亜鉛−ニッケル合金めっき雄ネジ部品の締付トルクをカドミウムめっき雄ネジ部品の締付トルクの28%〜46%増の締付トルクの目盛が、カドミウムめっき雄ネジ部品に対し締付け後のネジ部の引張又は圧縮応力が、ネジ部許容応力の60%以下の場合には、亜鉛−ニッケル合金めっき雄ネジ部品の締付トルクをカドミウムめっき雄ネジ部品の締付トルクの71〜113%増の締付トルクの目盛が、カドミウムめっき雄ネジ部品に対し締付け後のネジ部の引張又は圧縮応力が、ネジ部許容応力の90%〜60%の間の引張又は圧縮応力の場合には、引張又は圧縮応力の状態に応じて、亜鉛−ニッケル合金めっき雄ネジ部品の締付トルクを段階的に設定した目盛、又は、ネジ部許容応力の90%の場合と同様の基準トルク値の28%〜46%増の目盛が表示されている。
図5及び図7では、締付時のトルクを読み取って使用するタイプのトルクレンチを説明したが、図8は、締付完了トルクの設定できるタイプのトルクレンチの概略を示す模式図である。図8のトルクレンチでは、締付完了トルクに達するとカチッと音がして、それ以上トルクがかからない。
図8に示すように、ハンドル13の一部に設定トルク表示部91が設けられている。この設定トルク表示部91には、本発明の実施の形態に係る締付トルクの制御方法に基づく換算値が併記されている。即ち、Cdめっきスクリュを使用する際のトルク値によって設定することで、代替のZn−Niめっきスクリュを使用する際の締付トルクTが締付トルク調整ツマミ93を操作することで自動的に設定できる。図8では、低強度のCdめっきスクリュで締付トルクTが2.0Nmで指示されていたため(「低応力ネジ用」の目盛で2.0Nmに設定)、締付トルク調整ツマミ93の操作により、実際の締付トルクTの値は3.6Nmとなり、80%増しの状態での締付が行われる。
(その他の実施の形態)
本発明は上記の実施の形態によって記載したが、この開示の一部をなす論述及び図面は本発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施の形態、実施例及び運用技術が明らかとなろう。
例えば、上記の実施の形態においては、六角穴付ボルトを例示したが、雄ネジ部品は六角穴付ボルトに限定されるものではなく、航空機用、若しくはミリタリースペックの種々の雄ネジ部品に適用可能である。したがって、本発明の技術的範囲は上記の説明から妥当な特許請求の範囲に係る発明特定事項によってのみ定められるものである。
亜鉛−ニッケル合金めっきを施した六角穴付ボルトの締付トルクT(N-m)と、ボルトに発生する軸力Q(N)との関係(測定結果)を示す図である。 カドミウムめっきを施した六角穴付ボルトの締付トルクT(N-m)と、ボルトに発生する軸力Q(N)との関係(測定結果)を示す図である。 ユニファイ細目ネジの場合の締付トルクの増加割合(%)を示す図である。 ユニファイ並目ネジの場合の締付トルクの増加割合(%)を示す図である。 図5(a)は、本発明の実施の形態に係るトルクレンチ(ディジタル表示型)の横面図で、図5(b)は、対応する上面図である。 図5に示したトルクレンチの表示ユニットの内部構造の概略を説明するブロック図である。 本発明の実施の形態に係る他のトルクレンチ(アナログ表示型)の鳥瞰図である。 本発明の実施の形態に係る更に他のトルクレンチ(締付完了トルクの設定できるタイプ)の鳥瞰図である。
符号の説明
11…表示ユニット
12…杆体部
13…ハンドル
14…六角形ロッド
15…ボルト
16…トルクメータ部
18…係合部
19…トルク検出部
21…A/D変換部
22…制御部
23…スイッチ部
23a…電源ボタン
23b…引張応力設定ボタン
23c…圧縮応力設定ボタン
23d…カドミウム/亜鉛−ニッケル合金切り換えボタン
24…表示部
25…記憶部
91…設定トルク表示部
93…締付トルク調整ツマミ
161…針
162…第1の締付トルク表示部
163…第2の締付トルク表示部

Claims (8)

  1. カドミウムめっき雄ネジ部品と同一形状の亜鉛−ニッケル合金めっき雄ネジ部品の締付トルクを、前記カドミウムめっき雄ネジ部品の締付トルクの28%〜113%増とすることを特徴とする亜鉛−ニッケル合金めっき雄ネジ部品の締付け制御法。
  2. 前記亜鉛−ニッケル合金めっき雄ネジ部品のめっき層のニッケル共析率を12〜18%としたことを特徴とする請求項1に記載の亜鉛−ニッケル合金めっき雄ネジ部品の締付け制御法。
  3. 前記亜鉛−ニッケル合金めっき雄ネジ部品のめっき層には3価クロム化成皮膜が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の亜鉛−ニッケル合金めっき雄ネジ部品の締付け制御法。
  4. 締付け後のネジ部の引張又は圧縮応力と、ネジ部の材料の持つ許容応力との比に基づいて、前記亜鉛−ニッケル合金めっき雄ネジ部品の締付トルクを、前記28%〜113%増の範囲内で調整することを特徴とする請求項1に記載の亜鉛−ニッケル合金めっき雄ネジ部品の締付け制御法。
  5. 前記カドミウムめっき雄ネジ部品に対し締付け後のネジ部の引張又は圧縮応力が、ネジ部許容応力の90%の場合には、前記亜鉛−ニッケル合金めっき雄ネジ部品の締付トルクを前記カドミウムめっき雄ネジ部品の締付トルクの28%〜46%増の締付トルクに、
    前記カドミウムめっき雄ネジ部品に対し締付け後のネジ部の引張又は圧縮応力が、ネジ部許容応力の60%以下の場合には、前記亜鉛−ニッケル合金めっき雄ネジ部品の締付トルクを前記カドミウムめっき雄ネジ部品の締付トルクの71〜113%増の締付トルクに、
    前記カドミウムめっき雄ネジ部品に対し締付け後のネジ部の引張又は圧縮応力が、ネジ部許容応力の90%〜60%の間の引張又は圧縮応力の場合には、前記引張又は圧縮応力の状態に応じて、前記亜鉛−ニッケル合金めっき雄ネジ部品の締付トルクを段階的に設定する、又は28%〜46%増の締付トルクに設定する
    ことを特徴とする請求項4に記載の亜鉛−ニッケル合金めっき雄ネジ部品の締付け制御法。
  6. カドミウムめっき雄ネジ部品と亜鉛−ニッケル合金めっき雄ネジ部品とを締め付けるトルクレンチであって、
    前記亜鉛−ニッケル合金めっき雄ネジ部品の締付トルクを、前記カドミウムめっき雄ネジ部品の締付トルクの28%〜113%増として表示する設定トルク表示部を備えたことを特徴とするトルクレンチ。
  7. 前記設定トルク表示部に、締付け後のネジ部の引張又は圧縮応力と、ネジ部の材料の持つ許容応力との比に基づいて、前記亜鉛−ニッケル合金めっき雄ネジ部品の締付トルクを、前記28%〜113%増の範囲内の値として表示させる手段を備えたことを特徴とする請求項6に記載のトルクレンチ。
  8. 前記設定トルク表示部が、
    前記カドミウムめっき雄ネジ部品に対し締付け後のネジ部の引張又は圧縮応力が、ネジ部許容応力の60%を超えて使用するため、前記亜鉛−ニッケル合金めっき雄ネジ部品の締付トルクを前記カドミウムめっき雄ネジ部品の締付トルクの28%〜46%増の締付トルク、及び
    前記カドミウムめっき雄ネジ部品に対し締付け後のネジ部の引張又は圧縮応力が、ネジ部許容応力の60%以下で使用するため、前記亜鉛−ニッケル合金めっき雄ネジ部品の締付トルクを前記カドミウムめっき雄ネジ部品の締付トルクの71〜113%増の締付トルク
    の少なくとも2種類の締付トルクを表示することを特徴とする請求項6に記載のトルクレンチ。
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