JP5035082B2 - 燃料噴射制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、インジェクタを駆動して内燃機関に燃料を噴射供給する燃料噴射制御装置に関するものである。
自動車(車両)に搭載された内燃機関の各気筒にそれぞれ燃料を噴射供給するインジェクタ(燃料噴射弁)としては、コイルへの通電により開弁する電磁式のものが知られている。そして、このようなインジェクタを駆動して燃料噴射を制御する燃料噴射制御装置は、コイルへの通電開始タイミング及び通電時間により、内燃機関への燃料噴射時期及び燃料噴射量を制御している。
こうした燃料噴射制御装置としては、昇圧回路により電源電圧を昇圧して放電用コンデンサを充電すると共に、コイルに通電すべき通電期間の開始時には、その放電用コンデンサからインジェクタのコイルに放電して大きな突入電流(いわゆるピーク電流)を流すことにより、そのインジェクタを速やかに開弁状態へ移行させ、その後は、通電期間が終了するまで、コイルに一定電流を流して、インジェクタを開弁状態に保持するようにしたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
また、インジェクタには複数の種類があり、その種類毎に、コイルに流すべき上記突入電流のピーク値(突入電流ピーク値)と、そのピーク値に電流が到達した後にコイルへ流すべき上記一定電流の値(一定電流値)とが定められている。
このため、燃料噴射制御装置には、その装置に接続されるインジェクタ(即ち、駆動対象のインジェクタ)の種類に応じた突入電流ピーク値と一定電流値とが、通電規則として記憶され、その通電規則に従いインジェクタのコイルに電流を流すように構成される。つまり、コイルへの通電開始時には、そのコイルに流れる電流(以下、コイル電流ともいう)が、通電規則として記憶された突入電流ピーク値に達するまで、放電用コンデンサからコイルへ放電させ、その後は、通電規則として記憶された一定電流値の電流をコイルに流すように構成される。
一方、燃料噴射器に予め識別抵抗を組み込んでおき、燃料噴射器を駆動する制御装置が、駆動対象の燃料噴射器に設けられている識別抵抗の値を読み取ることにより、その燃料噴射器のタイプを判定する、という技術がある(例えば、特許文献2参照)。
特開2001−15332号公報 特許第3723080号公報
例えば、自動車において、国毎に異なる要求に対して最良なインジェクタを選定する場合、燃料噴射制御装置としては、ハードウェアは仕向け先の各国共通で、記憶される通電規則だけが国毎に異なったものを生産することとなる。
すると、燃料噴射制御装置とインジェクタとの誤組合せが起こる可能性がある。
このため、燃料噴射制御装置には、自装置に接続されているインジェクタの種類を判別して、自装置との適合性を判断するなどの機能を設けたくなるが、上記特許文献2の技術を用いてインジェクタの種類を判別するようにしたのでは、インジェクタに識別抵抗を別途追加しなければならず実用化が難しい。
そこで本発明は、インジェクタに追加の部品を設けることなく、インジェクタの種類を判別可能な燃料噴射制御装置の提供を目的としている。
請求項1の燃料噴射制御装置には、開弁することで内燃機関へ燃料を噴射するインジェクタのコイルが接続される。
そして、この燃料噴射制御装置では、インジェクタ駆動手段が、インジェクタのコイルに予め設定された通電規則に従い電流を流すことにより、そのインジェクタを開弁させるようになっており、噴射制御手段が、内燃機関の運転状態に応じてインジェクタ駆動手段を作動させることにより、内燃機関への燃料噴射を制御する。
更に、この燃料噴射制御装置には、インジェクタ判別手段が備えられている。そして、そのインジェクタ判別手段は、インジェクタのコイルに一定の電圧を印加して、そのコイルに流れる電流の増加度合いを示す情報を検出し、その検出した情報に基づいてインジェクタの種類を判別する。
つまり、インジェクタの種類が異なれば、そのインジェクタに設けられているコイルのインダクタンス値が異なり、コイルのインダクタンス値が異なれば、そのコイルに一定の電圧を印加した際に流れる電流の増加度合いが異なることとなるため、その電流増加度合いに基づきインジェクタの種類を判別する。
具体的には、例えばインジェクタ判別手段は、コイルへの電圧印加を開始してから、そのコイルに流れる電流が規定値に達するまでの時間を、電流の増加度合いを示す情報として検出し、その検出した時間に基づきインジェクタの種類を判別するように構成することができる(請求項4)
また例えばインジェクタ判別手段は、コイルへの電圧印加を開始してから規定時間が経過したときに、そのコイルに流れている電流の値を、電流の増加度合いを示す情報として検出し、その検出した電流値に基づきインジェクタの種類を判別するように構成することもできる(請求項5)
そして、このような燃料噴射制御装置によれば、インジェクタに追加の部品を設けることなく、インジェクタの種類を判別することができる。
そして更に、請求項1の燃料噴射制御装置において、噴射制御手段は、内燃機関の回転に応じてセンサから出力される回転信号に基づいて気筒判別を行い、その気筒判別が完了してから、インジェクタ駆動手段を作動させることによる燃料噴射を開始するようになっている。尚、気筒判別とは、内燃機関のクランク軸の回転位置を特定することを意味している。そして、インジェクタ判別手段は、前記内燃機関が搭載された車両のイグニッションスイッチがオンされてから噴射制御手段が気筒判別を完了するまでの期間中に、インジェクタの種類を判別するようになっている。
この構成によれば、噴射制御手段が気筒判別を完了して内燃機関への燃料噴射が開始される前に、インジェクタの種類を判別することができる。このため、不適合なインジェクタを燃料噴射のために駆動してしまうことを確実に防止できたり、組み付けられたインジェクタに適合した通電規則に従うコイルへの通電を、最初の燃料噴射実施時から行うことができたり、想定外の不適切なインジェクタが組み付けられた場合に、そのインジェクタを燃料噴射のために駆動してしまうことを確実に防止できたりする。
次に、請求項2の燃料噴射制御装置では、請求項1の燃料噴射制御装置において、インジェクタ判別手段による前記コイルへの通電時間は、インジェクタが開弁するのに要する時間よりも短くなっている。この構成によれば、インジェクタの種類を判別するために、インジェクタを開弁させてしまうことがなく、内燃機関へ余分な燃料を噴射してしまうことを確実に防止することができる。
次に、請求項3の燃料噴射制御装置は、請求項1,2の燃料噴射制御装置において、電源電圧から該電源電圧よりも高い一定の電圧を生成してコンデンサを充電する充電手段を備えている。また、噴射制御手段は、内燃機関の運転状態に応じてインジェクタのコイルへの通電期間を決定し、その通電期間をインジェクタ駆動手段に指示することで該インジェクタ駆動手段を作動させるようになっている。更に、インジェクタ駆動手段は、インジェクタのコイルに電流を流すための通電経路上において、コイルよりも下流側に直列に設けられた通電許可用スイッチと、前記コンデンサを前記通電経路におけるコイルよりも上流側に接続させる突入電流供給用スイッチと、電源電圧が供給される電源ラインと前記通電経路におけるコイルよりも上流側との間に直列に設けられた定電流供給用スイッチと、通電許可用スイッチがオンされている状態で定電流供給用スイッチがオンからオフされた時に、コイルに電流を還流させる還流手段と、スイッチ制御手段とを備えている。
そして、スイッチ制御手段は、噴射制御手段により指示される通電期間の間、通電許可用スイッチをオンすると共に、その通電期間の開始時には、突入電流供給用スイッチもオンすることにより、前記コンデンサからインジェクタのコイルに該インジェクタを速やかに開弁させるための突入電流を流し、その突入電流が予め設定されたピーク値に達したことを検知すると突入電流供給用スイッチをオフして、その後は、予め設定された開弁状態保持用の一定電流が前記コイルに流れるように定電流供給用スイッチのオン/オフを切り替え、通電期間が終了すると、定電流供給用スイッチのオン/オフ制御を終了して該定電流供給用スイッチ及び通電許可用スイッチをオフさせる。
そして特に、この燃料噴射制御装置において、インジェクタ判別手段は、突入電流供給用スイッチをオンすることで、インジェクタのコイルに一定の電圧を印加するようになっている。この構成によれば、インジェクタの種類を判別するためにコイルに印加する一定の電圧を生成するための手段を、別途設ける必要がなく、装置の大型化を招くことがない。
に、請求項の燃料噴射制御装置は、請求項1〜の燃料噴射制御装置において、インジェクタ駆動禁止手段を備えている。そして、そのインジェクタ駆動禁止手段は、インジェクタ判別手段によりインジェクタが当該装置に適合するものでないと判別された場合に、噴射制御手段がインジェクタ駆動手段を作動させるのを禁止する。
このような請求項の燃料噴射制御装置によれば、自装置に適合しない種類のインジェクタが組み付けられた場合(即ち、その不適合なインジェクタのコイルが接続された場合)に、そのような誤組み付けを検知して、不適合なインジェクタを燃料噴射のために駆動してしまうことを防止することができる。そして、インジェクタの誤組み付けが発生した場合、燃料噴射が行われずに内燃機関が動作しなくなくなるため、その内燃機関が搭載された自動車が、組み立て工場から出荷されたり、自動車整備工場からユーザに渡されてしまうことを確実に防止することができる。更に、インジェクタの不正改造を行うことも防止できるようになる。
次に、請求項の燃料噴射制御装置は、請求項1〜の燃料噴射制御装置において、記憶手段と設定手段を備えている。
記憶手段には、複数種類のインジェクタの各々について、そのインジェクタのコイルにインジェクタ駆動手段が電流を流す際の通電規則が記憶されている。また、設定手段は、記憶手段から、インジェクタ判別手段によって判別されたインジェクタの種類に対応する通電規則を読み出し、その通電規則をインジェクタ駆動手段に設定する。
そして、この燃料噴射制御装置において、インジェクタ駆動手段は、上記設定手段により設定された通電規則に従ってインジェクタのコイルに電流を流すようになっている。
このような請求項の燃料噴射制御装置によれば、自装置に組み付けられた(自装置にコイルが接続された)インジェクタの種類を判別して、そのインジェクタに適合した通電規則に従ったコイルへの通電を自動的に行うことができる。つまり、複数種類のインジェクタに自動的に対応することができ、高い汎用性を達成することができる。
次に、請求項の燃料噴射制御装置は、請求項の燃料噴射制御装置において、インジェクタ駆動禁止手段を備えている。
そして、そのインジェクタ駆動禁止手段は、インジェクタ判別手段により、インジェクタの種類が、当該インジェクタ判別手段に予め登録されている種類のうちの何れでもないと判別されるか、或いは、インジェクタ判別手段により判別されたインジェクタの種類に対応する通電規則が記憶手段に記憶されていない場合に、噴射制御手段がインジェクタ駆動手段を作動させるのを禁止する。
このような燃料噴射制御装置によれば、自装置に判別不能あるいは適合不能な種類のインジェクタであって、想定外の不適切なインジェクタが組み付けられた場合に、そのインジェクタを燃料噴射のために駆動してしまうことを防止することができる。そして、当該装置が搭載される自動車の組み立て工場や整備工場において、想定外の不適切なインジェクタが組み付けられた場合には、燃料噴射が行われずに内燃機関が動作しなくなくなるため、その自動車が組み立て工場から出荷されたり整備工場からユーザに渡されてしまうことを確実に防止することができる。更に、インジェクタの不正改造を行うことも防止できるようになる。
一方、第1参考例の燃料噴射制御装置にも、開弁することで内燃機関へ燃料を噴射するインジェクタのコイルが接続される。
そして、第1参考例の燃料噴射制御装置は、電源電圧から該電源電圧よりも高い一定の電圧を生成してコンデンサを充電する充電手段と、前記コイルに電流を流すための通電経路上において、前記コイルよりも下流側に直列に設けられた通電許可用スイッチと、前記コンデンサを前記通電経路における前記コイルよりも上流側に接続させる突入電流供給用スイッチと、電源電圧が供給される電源ラインと前記通電経路における前記コイルよりも上流側との間に直列に設けられた定電流供給用スイッチと、通電許可用スイッチがオンされている状態で定電流供給用スイッチがオンからオフされた時に、前記コイルに電流を還流させる還流手段と、内燃機関の運転状態に応じて前記コイルへの通電期間を決定し、その通電期間を示す指示信号を出力する噴射制御手段と、スイッチ制御手段とを備えている。
そして、スイッチ制御手段は、噴射制御手段により前記指示信号が出力されると、その指示信号が示す通電期間の間、通電許可用スイッチをオンすると共に、前記通電期間の開始時には、突入電流供給用スイッチもオンすることにより、前記コンデンサから前記コイルにインジェクタを速やかに開弁させるための突入電流を流し、その突入電流が予め設定されたピーク値に達したことを検知すると突入電流供給用スイッチをオフして、その後は、予め設定された開弁状態保持用の一定電流が前記コイルに流れるように定電流供給用スイッチのオン/オフを切り替え、前記通電期間が終了すると、定電流供給用スイッチのオン/オフ制御を終了して該定電流供給用スイッチ及び通電許可用スイッチをオフさせる。
そして特に、この燃料噴射制御装置にもインジェクタ判別手段が備えられているが、そのインジェクタ判別手段は、スイッチ制御手段に、一定時間の間、通電許可用スイッチをオンさせると共に、前記コイルに予め定められた一定の所定電流が流れるように定電流供給用スイッチをオン/オフさせて、そのオン/オフ回数を計測し、該計測した回数に基づいてインジェクタの種類を判別する。
つまり、インジェクタの種類が異なれば、そのインジェクタに設けられているコイルのインダクタンス値も異なる。そして、コイルのインダクタンス値が異なれば、通電許可用スイッチをオンしている状態で定電流供給用スイッチをオフからオンした時のコイル電流の増加速度と、通電許可用スイッチをオンしている状態で定電流供給用スイッチをオンからオフした時のコイル電流の減少速度とが変わる。
また、コイルに一定の電流が流れるように定電流供給用スイッチをオン/オフさせる場合には、コイル電流が目標の値にまで増加したら定電流供給用スイッチをオンからオフさせることと、コイル電流が目標の値にまで減少したら定電流供給用スイッチをオフからオンさせることとの、両方又は一方を行うこととなり、コイルのインダクタンス値が変われば、定電流供給用スイッチのオン時間とオフ時間の少なくとも一方が変わることとなる。
よって、コイルに一定の所定電流が流れるように定電流供給用スイッチをオン/オフさせた場合の、一定時間における定電流供給用スイッチのオン/オフ回数は、コイルのインダクタンス値によって変わることとなる。そこで、そのオン/オフ回数から、インジェクタの種類を判別しているのである。
そして、このような第1参考例の燃料噴射制御装置によっても、インジェクタに追加の部品を設けることなく、インジェクタの種類を判別することができる。
次に、第2参考例の燃料噴射制御装置は、第1参考例の燃料噴射制御装置において、インジェクタ駆動禁止手段を備えている。そして、そのインジェクタ駆動禁止手段は、インジェクタ判別手段によりインジェクタが当該装置に適合するものでないと判別された場合に、噴射制御手段がスイッチ制御手段へ前記指示信号を出力するのを禁止する。すると、インジェクタは駆動されなくなる。
このような第2参考例の燃料噴射制御装置によれば、請求項の燃料噴射制御装置について述べた効果と同じ効果を得ることができる。
次に、第3参考例の燃料噴射制御装置は、第1参考例の燃料噴射制御装置において、記憶手段と設定手段を備えている。
記憶手段には、複数種類のインジェクタの各々について、スイッチ制御手段が用いる前記ピーク値と前記一定電流の値とが、そのインジェクタについての通電規則として記憶されている。また、設定手段は、記憶手段から、インジェクタ判別手段によって判別されたインジェクタの種類に対応する通電規則を読み出し、その通電規則をスイッチ制御手段に設定する。
そして、この燃料噴射制御装置において、スイッチ制御手段は、上記設定手段により設定された通電規則を用いて、突入電流供給用スイッチ及び定電流供給用スイッチを制御するようになっている。
このような第3参考例の燃料噴射制御装置によれば、自装置に組み付けられたインジェクタの種類を判別して、そのインジェクタに適合した通電規則(突入電流のピーク値及び一定電流値)に従ったコイルへの通電を自動的に行うことができる。つまり、請求項の燃料噴射制御装置と同様に、複数種類のインジェクタに自動的に対応することができ、高い汎用性を達成することができる。
次に、第4参考例の燃料噴射制御装置は、第3参考例の燃料噴射制御装置において、インジェクタ駆動禁止手段を備えている。
そして、そのインジェクタ駆動禁止手段は、インジェクタ判別手段により、インジェクタの種類が、当該インジェクタ判別手段に予め登録されている種類のうちの何れでもないと判別されるか、或いは、インジェクタ判別手段により判別されたインジェクタの種類に対応する通電規則が記憶手段に記憶されていない場合に、噴射制御手段がスイッチ制御手段へ前記指示信号を出力するのを禁止する。すると、インジェクタは駆動されなくなる。
このような第4参考例の燃料噴射制御装置によれば、請求項の燃料噴射制御装置について述べた効果と同じ効果を得ることができる。
次に、第5参考例の燃料噴射制御装置は、第1〜第4参考例の燃料噴射制御装置において、噴射制御手段は、内燃機関の回転に応じてセンサから出力される回転信号に基づいて気筒判別を行い、その気筒判別が完了してから、前記指示信号の出力を開始するようになっている。そして、インジェクタ判別手段は、内燃機関が搭載された車両のイグニッションスイッチがオンされてから噴射制御手段が気筒判別を完了するまでの期間中に、インジェクタの種類を判別するようになっている。
この構成によれば、噴射制御手段が気筒判別を完了して内燃機関への燃料噴射が開始される前に、インジェクタの種類を判別することができる。
このため、第2参考例に従属する第5参考例の燃料噴射制御装置であれば、不適合なインジェクタを燃料噴射のために駆動してしまうことを確実に防止でき、また、第3参考例に従属する第5参考例の燃料噴射制御装置であれば、組み付けられたインジェクタに適合した通電規則に従うコイルへの通電を、最初の燃料噴射実施時から行うことができるようになる。更に、第4参考例に従属する第5参考例の燃料噴射制御装置であれば、想定外の不適切なインジェクタ(判別不能あるいは適合不能な種類のインジェクタ)が組み付けられた場合に、そのインジェクタを燃料噴射のために駆動してしまうことを確実に防止できるようになる。
次に、第6参考例の燃料噴射制御装置は、第1〜第5参考例の燃料噴射制御装置において、インジェクタ判別手段による前記コイルへの通電時間は、インジェクタが開弁するのに要する時間よりも短くなっている。そして、この構成によれば、請求項の燃料噴射制御装置について述べた効果と同じ効果を得ることができる。
以下に、本発明が適用された実施形態の燃料噴射制御装置について、図面に従い説明する。尚、本実施形態の燃料噴射制御装置は、車両に搭載された多気筒(例えば4気筒)ディーゼルエンジンの各気筒に燃料を噴射供給する各インジェクタを駆動するものであり、その各インジェクタのコイルへの通電時間及び通電タイミングを制御することにより、ディーゼルエンジンの各気筒への燃料噴射量及び燃料噴射時期を制御する。また、本実施形態において、スイッチ(SW)として使用しているトランジスタは、MOSFETである。
[第1実施形態]
図1は、第1実施形態の燃料噴射制御装置1を示す構成図である。但し、図1では、複数のインジェクタ101のうち、例えば第1気筒に対応する1つのインジェクタ101のみを示しており、以下では、その1つのインジェクタ101の駆動を例に挙げて説明する。
まず、インジェクタ101は、開弁用のアクチュエータとしてソレノイドを備えた周知のソレノイド式インジェクタである。つまり、インジェクタ101では、内蔵されたコイル101aに通電されると、弁体が開弁位置に移動して当該インジェクタ101が開弁状態となり、燃料噴射が行われる。また、コイル101aへの通電が停止されると、弁体が閉弁位置に戻って当該インジェクタ101が閉弁状態となり、燃料噴射が停止される。
そして、燃料噴射制御装置1は、インジェクタ101のコイル101aの一端(上流側)が接続される端子CMと、コイル101aの他端(下流側)が接続される端子INJと、その端子INJに一方の出力端子が接続されたトランジスタである通電許可用スイッチT10と、その通電許可用スイッチT10の他方の出力端子とグランドラインとの間に接続された電流検出用の抵抗R10と、電源電圧としての車載バッテリの電圧(バッテリ電圧)VBが供給される電源ラインLpに一方の出力端子が接続されたトランジスタである定電流供給用スイッチT11と、その定電流供給用スイッチT11の他方の出力端子にアノードが接続され、カソードが上記端子CMに接続された逆流防止用のダイオードD11とを備えている。
更に、燃料噴射制御装置1は、インジェクタ101を速やかに開弁させるための突入電流をコイル101aに流すためのコンデンサC0と、バッテリ電圧VBを昇圧して、そのバッテリ電圧VBよりも高い一定の電圧を生成しコンデンサC0を充電する充電回路(昇圧回路)20と、コンデンサC0の正極側を端子CMに接続させるためのトランジスタである突入電流供給用スイッチT12と、アノードがグランドラインに接続されると共に、カソードが端子CMに接続され、通電許可用スイッチT10がオンされている状態で定電流供給用スイッチT11がオンからオフされた時に、コイル101aに電流を還流させるダイオードD12と、アノードが端子INJに接続されると共に、カソードがコンデンサC0の正極側に接続され、通電許可用スイッチT10及び定電流供給用スイッチT11のオフに伴い発生するコイル101aのフライバックエネルギーをコンデンサC0へと回収させるダイオードD10と、上記各スイッチT10,T11,T12及び充電回路20を制御する駆動制御回路30と、CPU、ROM、RAMなどからなるマイコン(マイクロコンピュータ)40と、マイコン40が処理に使用するデータが記憶された不揮発性メモリ42とを備えている。
尚、実際には、端子CMは、各気筒のインジェクタ101のコイル101aについて共通の端子となっており、その端子CMに、各インジェクタ101のコイル101aがそれぞれ接続されている。そして、端子INJ及び通電許可用スイッチT10は、各インジェクタ101のコイル101a毎にそれぞれ備えられている。また、通電許可用スイッチT10は、駆動するインジェクタ101を選択する役割を果たすことから、気筒選択スイッチとも呼ばれる。
ここで、マイコン40には、エンジンを制御するための信号として、車両のイグニッションスイッチ(IGSW)がオンされるとハイレベルになるイグニッションスイッチ信号、エンジンを始動させるためのスタータスイッチがオンされるとハイレベルになるスタータ信号、エンジンのクランク軸の回転に応じてクランクセンサから出力されるクランクセンサ信号、エンジンのカム軸の回転に応じてカムセンサから出力されるカムセンサ信号、エンジンの冷却水温を検出する水温センサからの信号(水温センサ信号)、及びエンジンの吸入空気量を検出するエアフロメータからの信号(エアフロメータ信号)などが入力される。
また、この燃料噴射制御装置1では、イグニッションスイッチがオンされるとバッテリ電圧VBが電源として供給され、そのバッテリ電圧VBから、図示しない電源回路により、マイコン40が動作するための一定電圧(例えば5V)が生成される。このため、マイコン40は、イグニッションスイッチがオンされると動作を開始することとなる。
そして、マイコン40は、動作を開始すると、イグニッションスイッチ信号に基づき、イグニッションスイッチがオンされたことを確認する。更に、マイコン40は、スタータスイッチ信号に基づいて、スタータスイッチがオンされたことを検知すると、各気筒の燃料噴射タイミングを決定するために、クランクセンサ信号とカムセンサ信号とに基づいて気筒判別(クランク軸の回転位置の特定)を行う。尚、気筒判別の手法は様々なものが既知であり、また、その手法はどのようなものでも良いため、ここでは説明を省略する。
そして、マイコン40は、気筒判別が完了したならば、燃料噴射用の制御処理を開始して、気筒判別結果や、クランクセンサ信号に基づき算出されるエンジン回転数や、水温センサ信号及びエアフロメータ信号などに基づき検出される他の運転情報に基づき、気筒毎に噴射指令信号を生成して駆動制御回路30に出力する。
尚、この噴射指令信号は、その信号のレベルがハイの間だけインジェクタ101のコイル101aに通電する(つまり、インジェクタ101を開弁させる)、という意味を持っている。このため、マイコン40は、エンジン回転数などの運転情報に基づいて、各気筒毎に、インジェクタ101のコイル101aへの通電期間を設定し、その通電期間だけ、該当する気筒の噴射指令信号をハイにしていると言える。
一方、充電回路20は、インダクタL0と、昇圧用スイッチT0と、電流検出用の抵抗R0と、ダイオードD0とを備えた昇圧型のDC/DCコンバータである。
即ち、インダクタL0は一端が電源ラインLpに接続され、他端が昇圧用スイッチT0の一方の出力端子に接続されている。そして、昇圧用スイッチT0の他方の出力端子とグランドラインとの間に、抵抗R0が接続されている。更に、インダクタL0と昇圧用スイッチT0との接続点に、ダイオードD0のアノードが接続されており、そのダイオードD0のカソードに、コンデンサC0の一端(正極側)が接続されている。
このような充電回路20においては、昇圧用スイッチT0がオン/オフされると、インダクタL0と昇圧用スイッチT0との接続点に、バッテリ電圧VBよりも高いフライバック電圧(逆起電圧)が発生し、そのフライバック電圧によりダイオードD0を通じてコンデンサC0が充電される。これにより、コンデンサC0がバッテリ電圧VBよりも高い電圧で充電される。
そして、駆動制御回路30は、マイコン40からの各気筒の噴射指令信号が全てローの場合(即ち、インジェクタ101を駆動しない期間中)に、コンデンサC0の正極側の電圧(以下、コンデンサ電圧という)VCがバッテリ電圧VBよりも高い一定の目標電圧(例えば200V)となるように昇圧用スイッチT0をオン/オフさせる制御(以下、昇圧制御という)を行う。
例えば、駆動制御回路30は、まず、昇圧用スイッチT0をオンすると共に、抵抗R0に生じる電圧により、昇圧用スイッチT0を介してインダクタL0に流れる電流Imを検出し、その電流Imが目標値まで増加したと判定すると、昇圧用スイッチT0を一定のオフ時間だけオフして再びオンする、といった動作を繰り返すことにより、コンデンサC0を段階的に充電し、コンデンサ電圧VCが目標電圧に達したことを検知すると、昇圧用スイッチT0をオフのままにして、コンデンサC0の充電を止める。
次に、上記のように構成された燃料噴射制御装置1の基本動作を、図2のタイムチャートを用いて説明する。尚、前述したように、駆動制御回路30には、マイコン40から各気筒の噴射指令信号がそれぞれ入力されるが、ここでは、第1気筒に関してのみ説明する。
まず、イグニッションスイッチがオンされて、当該燃料噴射制御装置1が動作を開始すると、駆動制御回路30は、前述の昇圧制御によりコンデンサ電圧VCをインジェクタ101の駆動に必要な目標電圧にする。
そして、スタータスイッチがオンされて、マイコン40が気筒判別を完了し、その後、マイコン40から駆動制御回路30への第1気筒の噴射指令信号S#1がローからハイになると、駆動制御回路30は、第1気筒に対応する通電許可用スイッチT10をオンし、それと同時に突入電流供給用スイッチT12もオンする。
すると、コンデンサC0からインジェクタ101のコイル101aに放電され、これにより、そのコイル101aへの通電が開始される。そして、このとき、コイル101aには、インジェクタ101を速やかに開弁させるための突入電流が流れる。また、このようなコンデンサC0の放電に際し、高電位となる端子CM側から電源ラインLp側への回り込みは、ダイオードD11によって防止される。尚、図2及び以下の説明において、「インジェクタ電流Ij」とは、コイル101aに流れる電流のことである。
そして、駆動制御回路30は、突入電流供給用スイッチT12をオンした後において、インジェクタ電流Ijを抵抗R10に生じる電圧により検出し、そのインジェクタ電流Ijが、予め当該駆動制御回路30にマイコン40によって設定されているピーク値ipに達したことを検知すると、突入電流供給用スイッチT12をオフする。
このようにして、コイル101aへの通電期間の開始時には、突入電流供給用スイッチT12がオンされて、コンデンサC0からコイル101aに突入電流が流れて、インジェクタ101の開弁応答が早まる。
そして、駆動制御回路30は、突入電流供給用スイッチT12をオフした後は、抵抗R10に生じる電圧により検出されるインジェクタ電流Ijが、ピーク値ipよりも小さい一定電流となるように定電流供給用スイッチT11をオン/オフさせる制御(以下、定電流制御という)を行う。
具体的に説明すると、駆動制御回路30は、通電期間の開始時から一定の時間Taが経過する時点までの間は、インジェクタ電流Ijが第1下側閾値ic1L以下になると定電流供給用スイッチT11をオンさせ、インジェクタ電流Ijが第1上側閾値ic1H以上になると定電流供給用スイッチT11をオフさせる、という制御を行い、上記時間Taが経過した時点から噴射指令信号がローになるまでの間は、インジェクタ電流Ijが第2下側閾値ic2L以下になると定電流供給用スイッチT11をオンさせ、インジェクタ電流Ijが第2上側閾値ic2H以上になると定電流供給用スイッチT11をオフさせる、という制御を行う。
尚、第1及び第2下側閾値ic1L,ic2Lと、第1及び第2上側閾値ic1H,ic2Hと、突入電流のピーク値ipとの大小関係は、図2の如く「ip>ic1H>ic1L>ic2H>ic2L」である。また、第1及び第2下側閾値ic1L,ic2Lと、第1及び第2上側閾値ic1H,ic2Hは、突入電流のピーク値ipと共に、マイコン40によって駆動制御回路30に可変設定されるようになっており、それらがどのように設定されるかについては後述する。
このような定電流制御により、インジェクタ電流Ijがピーク値ipから低下して第1下側閾値ic1L以下になると、定電流供給用スイッチT11のオン/オフが繰り返されて、通電期間の開始時から上記時間Taが経過する時点(以下、定電流値切替時点という)までは、インジェクタ電流Ijの平均値が、第1上側閾値ic1Hと第1下側閾値ic1Lとのほぼ中間の第1一定電流ic1に維持され、定電流値切替時点から噴射指令信号がローになるまで(即ち、通電期間の終了時まで)は、インジェクタ電流Ijの平均値が、第2上側閾値ic2Hと第2下側閾値ic2Lとのほぼ中間の第2一定電流ic2(<ic1)に維持されることとなる。
つまり、コイル101aに流す一定電流を、第1一定電流ic1から、それよりも小さい第2一定電流ic2へと、2段階に切り替えるようにしている。そして、このような一定電流ic1,ic2により、必要最小限の電気エネルギーでインジェクタ101を開弁状態に保持している。尚、コイル101aへは、定電流供給用スイッチT11のオン時には、電源ラインLp側から定電流供給用スイッチT11とダイオードD11を介して電流が流れ、定電流供給用スイッチT11のオフ時には、グランドライン側からダイオードD12を介して電流が流れる。
その後、マイコン40からの噴射指令信号S#1がハイからローになると、駆動制御回路30は、通電許可用スイッチT10がオフすると共に、定電流供給用スイッチT11のオン/オフ制御(即ち、定電流制御)を終了して、その定電流供給用スイッチT11もオフ状態に保持する。すると、コイル101aへの通電が停止してインジェクタ101が閉弁し、そのインジェクタ101による燃料噴射が終了される。
また、噴射指令信号S#1がローになって、通電許可用スイッチT10及び定電流供給用スイッチT11がオフされると、コイル101aにフライバックエネルギーが発生するが、そのフライバックエネルギーは、エネルギー回収経路をなすダイオードD10を通じてコンデンサC0へ、電流の形で回収される。
尚、第1気筒以外のインジェクタ101についても、上記と同様の手順で駆動される。
次に、突入電流のピーク値ipと、定電流制御のための上記各閾値ic1L,ic1H,ic2L,ic2Hとが、マイコン40によって駆動制御回路30にどのように設定されるかについて説明する。
まず、不揮発性メモリ42には、予め、当該燃料噴射制御装置1に接続される可能性がある複数種類のインジェクタの各々について、そのインジェクタを駆動する際の、突入電流のピーク値ipと、第1一定電流ic1及び第2一定電流ic2との最適値を示す電流生成データが記憶されている。
そして、マイコン40は、イグニションスイッチのオンに伴い動作を開始した後、スタータスイッチがオンされたことを検知すると、その時点から気筒判別が完了すると考えられる最短時間が経過するまでの期間内(換言すれば、気筒判別の実施中)に、図3のインジェクタ判別処理により、当該燃料噴射制御装置1に実際に接続されているインジェクタ101の種類を判別すると共に、その判別したインジェクタの種類に対応する電流生成データを不揮発性メモリ42から読み出して、その電流生成データを駆動制御回路30へ例えばシリアル通信によって送信する。すると、その電流生成データが駆動制御回路30に設定される。
つまり、駆動制御回路30は、マイコン40からの電流生成データが示す各値のうち、ピーク値ipを、突入電流供給用スイッチT12をオンからオフさせるのに実際に用いるピーク値ipとして記憶する。
更に、駆動制御回路30は、マイコン40からの電流生成データが示す各値のうち、第1一定電流ic1と第2一定電流ic2の各値から、定電流制御に用いる第1下側閾値ic1L及び第1上側閾値ic1Hの各々と、第2下側閾値ic2L及び第2上側閾値ic2Hの各々とを決定して、それらを記憶する。
具体的には、電流生成データが示す第1一定電流ic1の値よりも所定値αだけ小さい値と大きい値との各々(ic1−α,ic1+α)を、第1下側閾値ic1Lと第1上側閾値ic1Hとの各々として記憶し、同様に、電流生成データが示す第2一定電流ic2の値よりも所定値βだけ小さい値と大きい値との各々(ic2−β,ic2+β)を、第2下側閾値ic2Lと第2上側閾値ic2Hとの各々として記憶する。
このようにして、駆動制御回路30に、突入電流のピーク値ipが設定されると共に、定電流制御のための一定電流ic1,ic2が閾値ic1L,ic1H,ic2L,ic2Hというかたちで設定される。そして、駆動制御回路30は、各気筒のインジェクタ101を駆動する際には、その設定された各値を用いて、突入電流供給用スイッチT12のオンからオフへの切り替えと定電流制御とを行う。
尚、不揮発性メモリ42に、第1一定電流ic1及び第2一定電流ic2の各値を示すデータに代えて、第1下側閾値ic1L及び第1上側閾値ic1Hの各々と、第2下側閾値ic2L及び第2上側閾値ic2Hの各々とを示すデータを記憶しておき、マイコン40から駆動制御回路30へ、その各閾値ic1L,ic1H,ic2L,ic2Hの値が送信されるようにしても良い。このように構成すれば、駆動制御回路30が各閾値ic1L,ic1H,ic2L,ic2Hを決定するための演算を行わずに済む。
次に、マイコン40が実行するインジェクタ判別処理について、図3のフローチャートを用い説明する。尚、マイコン40は、イグニッションスイッチのオンに伴い動作を開始した後、スタータスイッチのオンを検知すると、インジェクタ判別処理の実行を開始するが、このインジェクタ判別処理は、スタータスイッチがオンされてから他の気筒判別用の処理によって気筒判別が完了すると考えられる最短時間(例えば500ms)が経過するよりも前に全て終了するようになっている。また、ここでは、複数気筒のうちの何れか1つのインジェクタが、種類を判別する対象のインジェクタ(以下、判別対象インジェクタという)であるものとして説明する。
図3に示すように、マイコン40がインジェクタ判別処理の実行を開始すると、まずS120にて、インジェクタ判別用の電流生成データを不揮発性メモリ42から読み出して駆動制御回路30に設定する。つまり、インジェクタ判別用の電流生成データを駆動制御回路30へシリアル通信で送信する。
このインジェクタ判別用の電流生成データは、当該燃料噴射制御装置1に接続されているインジェクタの種類を判別するためにそのインジェクタを試験的に駆動する際の、突入電流のピーク値ipと、第1一定電流ic1及び第2一定電流ic2との各値を示すものである。また、そのインジェクタ判別用の電流生成データは、複数種類のインジェクタのうちの何れか1つについての電流生成データであっても良いし、或いは、それらとは異なる専用の電流生成データであっても良い。
但し、本実施形態において、インジェクタの種類を判別するための試験的な駆動(以下、インジェクタ判別用の駆動、あるいは単に、判別用駆動という)を行う際には、コイル101aへの通電時間が、インジェクタを開弁させるのに必要な時間よりも短く、且つ、通電開始時から定電流値切替時点までの時間Taよりも短いため、インジェクタ判別用の電流生成データとして、第2一定電流ic2の値を示すデータは無くても良い。また、以下の説明において、インジェクタの種類を判別するためのピーク値と第1一定電流の各符号としては、「ipd」,「icd」を用いる(図4参照)。
上記S120の処理を行った後、続くS130にて、判別対象インジェクタについて、インジェクタ判別用の駆動を開始する。具体的には、判別対象インジェクタに対応する噴射指令信号を、予め定められた一定のインジェクタ判別用駆動時間Tjだけハイにする。このインジェクタ判別用駆動時間Tjは、前述したように、インジェクタを開弁させるのに必要な時間よりも短く、且つ、上記時間Taよりも短い時間であって、例えば200μs以下の所定時間に設定されている(図4参照)。
すると、図4にて「インジェクタ判別用駆動時間Tj」と記載した矢印の期間に示すように、駆動制御回路30が、判別対象インジェクタのコイル101aへ、インジェクタ判別用の電流生成データに基づき通電することとなる。つまり、駆動制御回路30は、噴射指令信号がハイになっているインジェクタ判別用駆動時間Tjだけ、判別対象インジェクタに対応する通電許可用スイッチT10をオンすると共に、その噴射指令信号がハイになった時点からインジェクタ電流Ijがインジェクタ判別用のピーク値ipdに達するまでは突入電流供給用スイッチT12をオンし、インジェクタ電流Ijがピーク値ipdに達した後は、定電流制御により、インジェクタ電流Ijがインジェクタ判別用の第1一定電流icdとなるように定電流供給用スイッチT11をオン/オフさせる。
そして、マイコン40は、S140にて、S130でインジェクタ判別用の駆動を開始してからインジェクタ電流Ijがピーク値ipdに達するまでの時間Tp(図4参照)を計測する。本実施形態では、駆動制御回路30から突入電流供給用スイッチT12に出力される駆動信号をモニタし(図1参照)、その駆動信号が突入電流供給用スイッチT12をオンさせる方のアクティブレベルになっている時間を、上記時間Tpとして計測する。
次に、S150にて、判別用駆動した判別対象インジェクタの種類を、上記S140で計測した時間Tpに基づき判別する。
具体的に説明すると、まず、マイコン40の内蔵ROM又は不揮発性メモリ42における所定領域には、インジェクタデータベースとして、複数種類のインジェクタの各々について、そのインジェクタが判別用駆動の対象であった場合の時間Tpの値が記憶されている。そして、S150では、そのインジェクタデータベースから、S140で計測した時間Tpと所定の誤差範囲内で一致する時間Tpを検索し、更にその検索した時間Tpに対応したインジェクタの種類を検索し、その検索した種類が判別対象インジェクタの種類であると特定する。また、インジェクタデータベースから、S140で計測した時間Tpと一致する時間Tpが検索できなかった場合には、判別対象インジェクタの種類が、予め登録されている種類の何れでもない登録外種類であると判別する。
つまり、インジェクタの種類が異なれば、そのインジェクタに設けられているコイル101aのインダクタンス値が異なり、コイル101aのインダクタンス値が異なれば、そのコイル101aに一定のコンデンサ電圧VCを印加した際に流れるインジェクタ電流Ijの増加度合いが異なる。具体的には、インダクタンス値が大きいほど、インジェクタ電流Ijの増加度合いが小さくなる(緩やかになる)。そこで、本実施形態では、コイル101aへのコンデンサ電圧VCの印加を開始してからインジェクタ電流Ijがインジェクタ判別用のピーク値ipdに達するまでの時間Tpを、インジェクタ電流Ijの増加度合いを示す情報として検出し、その検出値に基づいてインジェクタの種類を判別している。
次にS160にて、上記S150で判別されたインジェクタの種類が、想定外の種類であるか否かを判定する。具体的には、S150でインジェクタの種類が前述の登録外種類であると判別されるか、或いは、S150で判別されたインジェクタの種類が登録外種類でなくても、その判別された種類に対応する電流生成データが不揮発性メモリ42に記憶されていなければ、S150で判別されたインジェクタの種類が想定外の種類であると肯定判定する。
このS160で“NO”と否定判定した場合には、S170に進み、S150で判別したインジェクタの種類に対応する電流生成データを不揮発性メモリ42から読み出して、その電流生成データを駆動制御回路30に設定する。
すると、駆動制御回路30には、マイコン40からの電流生成データが、インジェクタを駆動する際に用いる電流生成データとして設定される。詳しくは、前述したように、マイコン40からの電流生成データが示す突入電流のピーク値ipと、マイコン40からの電流生成データが示す第1一定電流ic1及び第2一定電流ic2をインジェクタのコイル101aに流すために用いる閾値ic1L,ic1H,ic2L,ic2Hとが設定される。
そして、マイコン40は、次のS180にて、前述した燃料噴射用の制御処理によって各気筒の噴射指令信号が駆動制御回路30へ出力されるのを許可し、その後、当該インジェクタ判別処理を終了する。
よって、この場合には、その後、マイコン40が、気筒判別用の処理によって気筒判別を完了し、燃料噴射用の制御処理によって何れかの気筒の噴射指令信号をハイにすると、図4に示すように、駆動制御回路30は、その噴射指令信号に対応するインジェクタを、上記S170でマイコン40から送信された電流生成データが示すピーク値ip、第1一定電流ic1及び第2一定電流ic2が実現されるように駆動することとなる。尚、図4では、インジェクタ電流Ijを第2一定電流ic2に制御する期間は図示を省略している。
一方、マイコン40は、上記S160で“YES”と肯定判定した場合には、当該燃料噴射制御装置1に接続されているインジェクタに適合した電流生成データを駆動制御回路30に設定することができないため、S190に移行して、燃料噴射用の制御処理により各気筒の噴射指令信号が出力されるのを禁止する。つまり、燃料噴射のためにインジェクタが駆動されるのを禁止する。
そして、次のS195にて、インジェクタに異常があることを人に知らせるための警告処理を行う。例えば、車両に設けられている表示装置に特定の警告用画像を表示させたり、警告灯を点灯させたりする。そして、その後、当該インジェクタ判別処理を終了する。
尚、S130〜160の処理は、何れか1つのインジェクタについてのみ行うようにしても良いが、各気筒のインジェクタについてそれぞれ行うようにしても良い。そして、そのようにする場合には、全てのインジェクタについて、S150で判別された種類が同じであり、且つ、S160で“NO”と否定判定されたならば、S170及びS180の処理が行われるようにし、それ以外ならば、S190及びS195の処理が行われるようにすれば良い。
以上のような燃料噴射制御装置1によれば、インジェクタに追加の部品を設けることなく、自装置に組み付けられたインジェクタ101の種類を、それのコイル101aの特性から判別することができる。そして、その判別したインジェクタ101に適合した通電規則(突入電流のピークip値及び一定電流値ic1,ic2)に従ったコイル101aへの通電を自動的に行うことができる。つまり、複数種類のインジェクタに自動的に対応することができ、高い汎用性を達成することができる。
また、本実施形態の燃料噴射制御装置1では、インジェクタ101が想定外の種類であると判定した場合には(S160:YES)、燃料噴射を禁止するようになっている(S190)。このため、当該装置1が搭載される自動車の組み立て工場や整備工場において、想定外の種類のインジェクタ101が組み付けられた場合には、エンジンが動作しなくなくなるため、その自動車が組み立て工場から出荷されたり整備工場からユーザに渡されてしまうことを確実に防止することができる。更に、インジェクタ101の不正改造を行うことも防止できるようになる。
更に、本実施形態の燃料噴射制御装置1では、イグニッションスイッチとスタータスイッチがオンした後、気筒判別が完了するまでの期間中に、インジェクタ101の種類を判別するため、組み付けられたインジェクタ101に適合したコイル101aへの通電を、最初の燃料噴射実施時から行うことができる。また、想定外の不適切なインジェクタが組み付けられた場合に、そのインジェクタを燃料噴射のために駆動してしまうことを確実に防止することもできる。
また、本実施形態の燃料噴射制御装置1では、インジェクタ101の種類を判別するためのインジェクタ判別用駆動時間Tjは、インジェクタが開弁するのに要する時間よりも短いため、インジェクタ101の種類を判別するために、そのインジェクタを開弁させてしまうことがなく、エンジンへ余分な燃料を噴射してしまうことを確実に防止することができる。
また、本実施形態の燃料噴射制御装置1では、インジェクタ101の種類を判別するためのコイル101aへの通電を、燃料噴射のためのインジェクタ駆動回路を用いて、通常の燃料噴射時と同様に行っているため、インジェクタ101の種類を判別するための回路を別途設ける必要がなく、大型化を招くことがない。
尚、本実施形態では、突入電流のピークip値と定電流制御の一定電流値ic1,ic2とが、通電規則に相当しており、それらを示す電流生成データが複数記憶された不揮発性メモリ42が、記憶手段に相当している。また、充電回路20が充電手段に相当し、通電許可用スイッチT10と、定電流供給用スイッチT11と、突入電流供給用スイッチT12と、還流手段としてのダイオードD12と、スイッチ制御手段としての駆動制御回路30とが、インジェクタ駆動手段に相当している。
そして、マイコン40が行う処理のうち、回転信号としてのクランクセンサ信号及びカムセンサ信号に基づいて気筒判別を行う気筒判別用の処理と、燃料噴射のための噴射指令信号を出力する燃料噴射用の制御処理とが、噴射制御手段としての処理に相当している。また、図3の処理のうち、S120〜S150がインジェクタ判別手段としての処理に相当し、S170が設定手段としての処理に相当し、S160,S190がインジェクタ駆動禁止手段としての処理に相当している。
一方、上記実施形態の燃料噴射制御装置1では、判別したインジェクタの種類に応じた電流生成データを駆動制御回路30に可変設定するようになっていたが、そのような可変設定機能を設けずに、駆動制御回路30には1種類の電流生成データだけが設定される構成も考えられる。
そして、その構成の場合、図3のインジェクタ判別処理では、S170を削除すると共に、S150及びS160に代えて、以下の処理を行えば良い。
即ち、S140で計測した時間Tpが、当該装置1に適合するインジェクタ(つまり、駆動する際のピーク値ip及び一定電流値ic1,ic2が、駆動制御回路30に設定された電流生成データが示すピーク値ip及び一定電流値ic1,ic2で良いインジェクタ)に該当する値であるか否かを判定し、肯定判定した場合にはS180に進むが、否定判定した場合には、組み付けられているインジェクタが当該装置1に適合するものではないと判断してS190に移行すれば良い。
また、こうした変形は、後述する他の実施形態についても同様に適用できる。
[第2実施形態]
次に、第2実施形態の燃料噴射制御装置について説明する。尚、ハードウェア構成は第1実施形態とほぼ同じであるため、その第1実施形態と同じ符号を用いて説明する。
第2実施形態の燃料噴射制御装置1は、第1実施形態と比較すると、下記(1−1),(1−2)の点が異なっている。
(1−1)図1の一点鎖線で示すように、電流検出用抵抗R10に生じる電圧が、マイコン40のA/D変換ポートへ入力されるようになっている。
(1−2)マイコン40は、図3のインジェクタ判別処理に代えて、図5のインジェクタ判別処理を実行する。
図5のインジェクタ判別処理は、図3のインジェクタ判別処理と比較すると、S140,S150の処理に代えて、S143,S153の処理が行われる点のみ異なっている。
そして、S143では、図6に示すように、S130でインジェクタ判別用の駆動(判別用駆動)を開始してから規定時間Tdが経過するまで待ち、その規定時間Tdが経過した時に、電流検出用抵抗R10の電圧を内部のA/D変換器でA/D変換することにより、その時点でのインジェクタ電流Ijを検出する。尚、以下では、このように判別用駆動の開始時から規定時間Tdが経過した時のインジェクタ電流Ijのことを、規定時間経過時電流Idという。
そして、次のS153では、上記S143で検出した規定時間経過時電流Idの値に基づいて、インジェクタの種類を判別する。
具体的に説明すると、まず、本第2実施形態において、マイコン40の内蔵ROM又は不揮発性メモリ42の所定領域に格納されたインジェクタデータベースは、複数種類のインジェクタの各々について、そのインジェクタが判別用駆動の対象であった場合の規定時間経過時電流Idの値を記憶したものになっている。そして、S153では、そのインジェクタデータベースから、S143で検出した規定時間経過時電流Idと所定の誤差範囲内で一致する規定時間経過時電流Idを検索し、更にその検索した電流Idに対応したインジェクタの種類を検索し、その検索した種類が判別対象インジェクタの種類であると特定する。また、インジェクタデータベースから、S143で検出した規定時間経過時電流Idと一致する規定時間経過時電流Idが検索できなかった場合には、判別対象インジェクタの種類が登録外種類であると判別する。
つまり、本実施形態では、コイル101aへのコンデンサ電圧VCの印加を開始してから規定時間Tdが経過した時のインジェクタ電流Ijである規定時間経過時電流Idを、インジェクタ電流Ijの増加度合いを示す情報として検出し、その検出値に基づいてインジェクタの種類を判別している。
そして、このような第2実施形態の燃料噴射制御装置1によっても、第1実施形態と同じ効果を得ることができる。尚、本実施形態では、図5の処理のうち、S120〜S153がインジェクタ判別手段としての処理に相当している。
[第3実施形態]
次に、第3実施形態の燃料噴射制御装置について説明する。尚、ハードウェア構成は第1実施形態とほぼ同じであるため、その第1実施形態と同じ符号を用いて説明する。
第3実施形態の燃料噴射制御装置1は、第1実施形態と比較すると、下記(2−1)〜(2−3)の点が異なっている。
(2−1)図1の二点鎖線で示すように、マイコン40は、駆動制御回路30から定電流供給用スイッチT11に出力される駆動信号をモニタするようになっている。
(2−2)駆動制御回路30は、ピーク値ipが0であることを示す電流生成データが設定されると、ハイレベルの噴射指令信号を受けた場合に、突入電流供給用スイッチT12をオンすることなく、定電流制御を行うようになっている。
(2−3)マイコン40は、図3のインジェクタ判別処理に代えて、図7のインジェクタ判別処理を実行する。
図7のインジェクタ判別処理は、図3のインジェクタ判別処理と比較すると、S120,S140,S150の処理に代えて、S125,S145,S155の処理が行われる点のみ異なっている。
まず、S120に代わるS125では、インジェクタ判別用の電流生成データとして、ピーク値ip(ipd)が0であることを示す電流生成データを駆動制御回路30に設定する。
このため、マイコン40が、次のS130で、判別対象インジェクタについての判別用駆動を開始すると、駆動制御回路30は、図8にて「インジェクタ判別用駆動時間Tj」と記載した矢印の期間に示すように、突入電流供給用スイッチT12をオンすることなく、噴射指令信号がハイになるインジェクタ判別用駆動時間Tjの間、定電流制御だけを行って、判別対象インジェクタのインジェクタ電流Ijがインジェクタ判別用の第1一定電流icdとなるように定電流供給用スイッチT11をオン/オフさせることとなる。尚、図8における「icdL」と「icdH」の各々は、第1一定電流icdから前述の手順で決定された第1下側閾値(=icd−α)と第1上側閾値(=icd+α)である。
そして、S140に代わるS145では、S130で判別用駆動を開始してからその判別用駆動が終了するまでの間(つまり、インジェクタ判別用駆動時間Tjの間)の、定電流供給用スイッチT11のオン/オフ回数(スイッチング回数)を計測する。
尚、以下では、このような判別用駆動を行っている間の定電流供給用スイッチT11のオン/オフ回数のことを、判別用駆動時オン/オフ回数Nという。また、本実施形態において、S145では、駆動制御回路30から定電流供給用スイッチT11に出力される駆動信号をモニタし、例えば、その駆動信号が定電流供給用スイッチT11をオンさせる方のアクティブレベルに変化した回数(この例ではローからハイへの立ち上がり回数)を、判別用駆動時オン/オフ回数Nとして計測する。
そして、S150に代わるS155では、上記S145で計測した判別用駆動時オン/オフ回数Nに基づいて、インジェクタの種類を判別する。
具体的に説明すると、まず、本第3実施形態において、マイコン40の内蔵ROM又は不揮発性メモリ42の所定領域に格納されたインジェクタデータベースは、複数種類のインジェクタの各々について、そのインジェクタが判別用駆動の対象であった場合の判別用駆動時オン/オフ回数Nを記憶したものになっている。そして、S155では、そのインジェクタデータベースから、S145で計測した判別用駆動時オン/オフ回数Nと一致する判別用駆動時オン/オフ回数Nを検索し、更にその検索した回数Nに対応したインジェクタの種類を検索し、その検索した種類が判別対象インジェクタの種類であると特定する。また、インジェクタデータベースから、S145で計測した判別用駆動時オン/オフ回数Nと一致する判別用駆動時オン/オフ回数Nが検索できなかった場合には、判別対象インジェクタの種類が登録外種類であると判別する。
つまり、インジェクタの種類に応じてコイル101aのインダクタンス値が異なれば、通電許可用スイッチT10をオンしている状態で定電流供給用スイッチT11をオフからオンした時のインジェクタ電流Ijの増加速度と、通電許可用スイッチT10をオンしている状態で定電流供給用スイッチT11をオンからオフした時のインジェクタ電流Ijの減少速度とが変わるため、定電流制御を行った場合の定電流供給用スイッチT11のオン時間とオフ時間とが変わることとなる。具体的には、インダクタンス値が大きいほど、定電流供給用スイッチT11のオン時間とオフ時間が長くなる。そこで、本第3実施形態では、コイル101aに一定の電流icdが流れるように定電流制御を行った場合の、一定時間Tjにおける定電流供給用スイッチT11のオン/オフ回数から、インジェクタの種類を判別している。
そして、このような第3実施形態の燃料噴射制御装置1によっても、第1,第2実施形態と同じ効果を得ることができる。尚、本実施形態では、図7の処理のうち、S125〜S155がインジェクタ判別手段としての処理に相当している。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明はこうした実施形態に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々なる態様で実施し得ることは勿論である。
例えば、定電流制御としては、下側閾値だけを定めて、インジェクタ電流Ijがその閾値まで低下したら定電流供給用スイッチT11を一定時間だけオンして再びオフする、という動作を繰り返すものでも良く、また、上側閾値だけを定めて、インジェクタ電流Ijがその閾値まで上昇したら定電流供給用スイッチT11を一定時間だけオフして再びオンする、という動作を繰り返すものでも良い。
また、駆動制御回路30に可変設定される通電規則としては、ピーク値ipと一定電流値ic1,ic2に限るものではなく、例えば、図2の時間Ta(通電開始時から定電流値切替時点までの時間)を、インジェクタの種類に応じて可変設定するように構成しても良い。
また、定電流制御で流す一定電流を2段階に切り替えない構成でも良い。
実施形態の燃料噴射制御装置を示す構成図である。 実施形態の燃料噴射制御装置の基本動作を説明するタイムチャートである。 第1実施形態のインジェクタ判別処理を表すフローチャートである。 第1実施形態の燃料噴射制御装置の作用を表すタイムチャートである。 第2実施形態のインジェクタ判別処理を表すフローチャートである。 第2実施形態の燃料噴射制御装置の作用を表すタイムチャートである。 第3実施形態のインジェクタ判別処理を表すフローチャートである。 第3実施形態の燃料噴射制御装置の作用を表すタイムチャートである。
符号の説明
1…燃料噴射制御装置、20…充電回路、30…駆動制御回路、40…マイコン、42…不揮発性メモリ、101…インジェクタ、101a…コイル、C0…コンデンサ、CM,INJ…端子、D0,D10〜D12…ダイオード、L0…インダクタ、Lp…電源ライン、R0,R10…抵抗、T0…昇圧用スイッチ、T10…通電許可用スイッチ、T11…定電流供給用スイッチ、T12…突入電流供給用スイッチ

Claims (8)

  1. 開弁することで内燃機関へ燃料を噴射するインジェクタのコイルが接続され、
    更に、前記コイルに予め設定された通電規則に従い電流を流すことにより前記インジェクタを開弁させるインジェクタ駆動手段と、
    前記内燃機関の運転状態に応じて前記インジェクタ駆動手段を作動させることにより、前記内燃機関への燃料噴射を制御する噴射制御手段と、
    を備えた燃料噴射制御装置において、
    前記コイルに一定の電圧を印加して、前記コイルに流れる電流の増加度合いを示す情報を検出し、その検出した情報に基づいて前記インジェクタの種類を判別するインジェクタ判別手段を備え
    前記噴射制御手段は、前記内燃機関の回転に応じてセンサから出力される回転信号に基づいて気筒判別を行い、その気筒判別が完了してから、前記インジェクタ駆動手段を作動させることによる燃料噴射を開始するようになっており、
    前記インジェクタ判別手段は、前記内燃機関が搭載された車両のイグニッションスイッチがオンされてから前記噴射制御手段が気筒判別を完了するまでの期間中に、前記インジェクタの種類を判別すること、
    を特徴とする燃料噴射制御装置。
  2. 請求項1に記載の燃料噴射制御装置において、
    前記インジェクタ判別手段による前記コイルへの通電時間は、前記インジェクタが開弁するのに要する時間よりも短いこと、
    を特徴とする燃料噴射制御装置。
  3. 請求項1または請求項2に記載の燃料噴射制御装置において、
    電源電圧から該電源電圧よりも高い一定の電圧を生成してコンデンサを充電する充電手段を備え、
    前記噴射制御手段は、前記内燃機関の運転状態に応じて前記コイルへの通電期間を決定し、その通電期間を前記インジェクタ駆動手段に指示することで該インジェクタ駆動手段を作動させるようになっており、
    前記インジェクタ駆動手段は、
    前記コイルに電流を流すための通電経路上において、前記コイルよりも下流側に直列に設けられた通電許可用スイッチと、
    前記コンデンサを前記通電経路における前記コイルよりも上流側に接続させる突入電流供給用スイッチと、
    電源電圧が供給される電源ラインと前記通電経路における前記コイルよりも上流側との間に直列に設けられた定電流供給用スイッチと、
    前記通電許可用スイッチがオンされている状態で前記定電流供給用スイッチがオンからオフされた時に、前記コイルに電流を還流させる還流手段と、
    前記噴射制御手段により指示される前記通電期間の間、前記通電許可用スイッチをオンすると共に、前記通電期間の開始時には、前記突入電流供給用スイッチもオンすることにより、前記コンデンサから前記コイルに前記インジェクタを速やかに開弁させるための突入電流を流し、その突入電流が予め設定されたピーク値に達したことを検知すると前記突入電流供給用スイッチをオフして、その後は、予め設定された開弁状態保持用の一定電流が前記コイルに流れるように前記定電流供給用スイッチのオン/オフを切り替え、前記通電期間が終了すると、前記定電流供給用スイッチのオン/オフ制御を終了して該定電流供給用スイッチ及び前記通電許可用スイッチをオフさせるスイッチ制御手段とを備えており、
    前記インジェクタ判別手段は、前記突入電流供給用スイッチをオンすることで、前記コイルに一定の電圧を印加するようになっていること、
    を特徴とする燃料噴射制御装置。
  4. 請求項1ないし請求項3の何れか1項に記載の燃料噴射制御装置において、
    前記インジェクタ判別手段は、前記コイルへの電圧印加を開始してから前記コイルに流れる電流が規定値に達するまでの時間を、前記情報として検出すること、
    を特徴とする燃料噴射制御装置。
  5. 請求項1ないし請求項3の何れか1項に記載の燃料噴射制御装置において、
    前記インジェクタ判別手段は、前記コイルへの電圧印加を開始してから規定時間が経過したときに前記コイルに流れている電流の値を、前記情報として検出すること、
    を特徴とする燃料噴射制御装置。
  6. 請求項1ないし請求項5の何れか1項に記載の燃料噴射制御装置において、
    前記インジェクタ判別手段は、前記インジェクタが当該装置に適合するものであるか否かを判別するようになっており、
    更に、前記インジェクタ判別手段により前記インジェクタが当該装置に適合するものでないと判別された場合に、前記噴射制御手段が前記インジェクタ駆動手段を作動させるのを禁止するインジェクタ駆動禁止手段を備えていること、
    を特徴とする燃料噴射制御装置。
  7. 請求項1ないし請求項の何れか1項に記載の燃料噴射制御装置において、
    複数種類のインジェクタの各々について、そのインジェクタのコイルに前記インジェクタ駆動手段が電流を流す際の通電規則が記憶された記憶手段と、
    前記記憶手段から、前記インジェクタ判別手段によって判別されたインジェクタの種類に対応する通電規則を読み出し、その通電規則を前記インジェクタ駆動手段に設定する設定手段とを備え、
    前記インジェクタ駆動手段は、前記設定手段により設定された通電規則に従い前記コイルに電流を流すようになっていること、
    を特徴とする燃料噴射制御装置。
  8. 請求項に記載の燃料噴射制御装置において、
    前記インジェクタ判別手段により、前記インジェクタの種類が、当該インジェクタ判別手段に予め登録されている種類のうちの何れでもないと判別されるか、或いは、前記インジェクタ判別手段により判別されたインジェクタの種類に対応する通電規則が前記記憶手段に記憶されていない場合に、前記噴射制御手段が前記インジェクタ駆動手段を作動させるのを禁止するインジェクタ駆動禁止手段を備えていること、
    を特徴とする燃料噴射制御装置。
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