JP5031580B2 - 質量分析計 - Google Patents

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Description

本発明は、使用時にイオン源の標的領域を標的とするレーザビームのサイズを制御する装置、及びイオン源の標的領域を標的とするレーザビームのサイズを制御する方法に関する。好適な実施形態は、イオン源イメージングデバイス、及びイオンを生成する方法に関する。好適な実施形態は、MALDIイオン源の標的領域に向けられるレーザビームのスポットのサイズを制御するイメージングデバイスにさらに関する。
マトリックス支援レーザ脱離イオン化(「MALDI」)イオンイメージング質量分析は、試料を試料表面に沿って又はそれにわたって異なる点で質量分析することによって得られる質量スペクトルから分子プロファイル及び二次元イオン密度マップを生成する技術である。生物学的試料については、ペプチド及びタンパク質信号を薄い組織部の表面から直接得ることができ、それより、生物学的検体の相対存在量及び空間分布などの特定情報を得ることができる。この手法の重要な一面は、特定のイオンイメージと光学顕微鏡法又は他のイメージング手法によって観察される組織学的特徴との間で相関が維持され得ることである。この方法を用いると、例えば、薄い組織切片、単一セル、固定化タンパク質を含む生物活性表面、微量沈殿HPLC分画又は他のMALDI試料標本などの非常に異なる標的が検査され得る。公知のイオンイメージング手法の空間分解能は、標的プレート又は試料表面に当たるレーザビームの直径によって制限される。
MALDIイオン源及び飛行時間質量分析器を備える従来の質量分析計は、レーザビームのスポットのサイズが典型的には直径100〜300μmであるので、イオンイメージング用途には適さない。そのような比較的大きな直径のビームは、高分解能イオンイメージング用途と適合しない。
MALDIを使用して試料からイオンイメージを生成する公知の方法としては、非特許文献1に開示されるようなイオンマイクロプローブがある。イオンマイクロプローブは、必要とされる面分解能に適合するスポット直径に集束されるレーザスポットを有する。次いで、試料標的は、レーザスポット下で既知のラスタパターンで移動される。次いで、脱離したイオンは、質量分析計によって分析され、各ラスターポイント(又はピクセル)について質量スペクトルが生成されて空間座標とともに保存される。これにより、任意の質量電荷比についての2Dイオンイメージが生成され得る。
イオンマイクロプローブは、高開口数を有する複合対物レンズを使用して0.5μmのレーザスポットを使用し得る。試料からの可視光は、また同じ対物レンズを使用する一体化した共焦点顕微鏡を使用してイメージングされ得る。イオンマイクロプローブによって、光学イメージを試料から得られたイオンイメージと直接比較することができる。
別の公知の機器は、非特許文献2に開示されるように質量顕微鏡を備える。質量顕微鏡は、イオンマイクロプローブと異なり、レーザスポットが光学分解能を制限しないので著しくより大きくなり得る。質量顕微鏡において、試料標的は、イオンがアレイイオン検出器によって検出されるイオンオプティカル(ion-optical)イメージ面に焦点を合わせられたイオンオプティカル対象物として機能する。質量顕微鏡についての空間分解能は、約4μmであると報告されている。
質量顕微鏡は、非常に狭い範囲の質量電荷比を有するイオンのみがイオン検出器に達するように時限イオンゲートを必要とする。使用されるアレイイオン検出器は、データスループットにおいて制限があり、全質量スペクトルを記録することはできない。これは著しい問題であり、一般に、好適なイオンイメージング方法は、質量顕微鏡ではなくイオンマイクロプローブの使用である。
1レーザパルス当たりの1単位面積当たりの全入射エネルギーとして定義される、1レーザスポットについての平均レーザフルエンス(fluence)は、MALDI用途における重要な実験パラメータである。いずれの特定種類の検体及びマトリックスについても、最適化されたイオン生成を提供するレーザフルエンス値は、典型的には、イオン生成の開始点として定義される閾値フルエンスの値よりも約2倍に広がるだけである。レーザフルエンスが大きすぎると、検体イオンは簡単にフラグメンテーションを生じ、これに応じて感度が低減する。
Hillenkamp及びDreisewerdによって示された実験結果は、より小さなレーザスポットを使用する場合はレーザフルエンス閾値を増加する必要があるが、これは感度を低減することを示している。
Spenglerb, J. Am. Soc. Mass Spectrom., 2002, 13, 735-748 Heeren et.al, Anal. Chem., 2004, 76, 5339-5344
レーザスポット内のレーザフルエンスの均一性は、高品質なMALDIデータを得る際に重要となる別の実験パラメータである。理想的には、スポットにわたってレーザフルエンスは、可能な限り均一であるべきである。すなわち、レーザフルエンスは、理想的にはフラットトップなプロファイルを有するべきである。スポット内でのフルエンスの局所的なばらつきにより、イオン化効率は低下し、フラグメンテーションの発生が増加しうる。したがって、スポット内の不均一なレーザフルエンスは望ましくない。
イオンマイクロプローブは、高い面分解能におけるイオンイメージング(小さなスポットのサイズ)について特異的に最適化された複雑なレーザ光学を含む。イメージが焦点から外れると、スポットのサイズは増加するが、これは、レーザスポットのフルエンスが実質的により均一でなくなるので非常に望ましくない。
したがって、改善されたイオン源イメージングデバイスを提供することが望ましい。
本発明の一態様によると、レーザビームのサイズを制御する装置であって、前記レーザビームは、使用時に、質量分析計のイオン源又はイオンイメージングデバイス内に配置された標的領域、試料表面又は標的プレートを標的とし、前記装置は、
1つ以上のズームレンズ
を備える装置が提供される。
1つ以上のズームレンズは、第1のレンズ及び第1のレンズの軸方向位置(axial position)を変更又は変動するように構成及び適合される手段を備える。好ましくは、1つ以上のズームレンズは、第2のレンズ及び第2のレンズの軸方向位置を変更又は変動するように構成及び適合される手段を備える。好ましくは、1つ以上のズームレンズは、第3のレンズ及び装置は、第3のレンズの軸方向位置を変更又は変動するように構成及び適合される手段を備える。
好ましくは、1つ以上のズームレンズは、レーザビームを拡大及び/又は縮小するように構成される。好ましくは、1つ以上のズームレンズは、レーザビームのビーム発散を増加及び/又は低減するように構成される。好ましくは、1つ以上のズームレンズは、可変倍率ズームレンズ又はビーム拡大器を備える。
好ましくは、レーザスポットのイメージ位置は、倍率を変更又は変化させる際に実質的に不変のままである。
本発明の別の態様によると、レーザビームのサイズを制御する装置であって、前記レーザビームは、使用時に、質量分析計のイオン源又はイオンイメージングデバイス内に配置された標的領域、試料表面又は標的プレートを標的とし、前記装置は、
1つ以上のレーザビームを第1のレーザビームと第2のレーザビームとに分割する少なくとも1つのビームスプリッタと、
第1のレーザビームと第2のレーザビームとを少なくとも部分的若しくは全体的に重ね合わすか、又は少なくとも部分的若しくは全体的に再結合するオーバラップ手段と
を備える装置が提供される。
好ましくは、第1のレーザビーム及び/又は第2のレーザビームは、実質的に一定、一様又は均一なフルエンス若しくは放射照度プロファイルを有する。
好ましくは、オーバラップ手段は、1つ以上のミラーを備える。好ましくは、オーバラップ手段は、第1のレーザビームと第2のレーザビームとを少なくとも部分的又は全体的に重ね合わせるか又は再結合させるように構成される少なくとも1つのビーム結合器を備える。
好ましくは、装置は、第1のビームと第2のビームとの重なり合い又は再結合の度合いを変動するように構成及び適合される手段をさらに備える。好ましくは、重なり合い又は再結合の度合いを変動するように構成及び適合される手段は、平行移動又は移動されるように構成される1つ以上のミラーを備える。
好ましくは、レーザスポットのイメージ位置は、重なり合い又は再結合の度合いを変更又は変化させる際に実質的に不変のままである。
本発明の別の態様によると、レーザビームのサイズを制御する装置であって、前記レーザビームは、使用時に、質量分析計のイオン源又はイオンイメージングデバイス内に配置された標的領域、試料表面又は標的プレートを標的とし、前記装置は、
プログラム可能なミラーアレイ又はデジタルマイクロミラーアレイ
を備える装置が提供される。
好ましくは、プログラム可能なミラーアレイ又はデジタルマイクロミラーアレイは、複数の個別制御可能なピクセル又はミラー素子を備える。
好ましくは、装置は、レーザ光を標的領域、試料表面又は標的プレートに方向付け及び/又は集束させるためにピクセル又はミラー素子を制御するように構成及び適合される手段をさらに備える。
好ましくは、レーザスポットのイメージ位置は、プログラム可能なミラーアレイ又はデジタルマイクロミラーアレイを変更又は変化させる際に実質的に不変のままである。
好ましくは、使用時に標的領域、試料表面又は標的プレートに当たるレーザビームの直径又はサイズは、(i)<1μm、(ii)1〜5μm、(iii)5〜10μm、(iv)10〜15μm、(v)15〜20μm、(vi)20〜25μm、(vii)25〜30μm、(viii)30〜35μm、(ix)35〜40μm、(x)40〜45μm、(xi)45〜50μm、(xii)50〜55μm、(xiii)55〜60μm、(xiv)60〜65μm、(xv)65〜70μm、(xvi)70〜75μm、(xvii)75〜80μm、(xviii)80〜85μm、(xix)85〜90μm、(xx)90〜95μm、(xxi)95〜100μm、(xxii)100〜120μm、(xxiii)120〜140μm、(xxiv)140〜160μm、(xxv)160〜180μm、(xxvi)180〜200μm、(xxvii)200〜250μm、(xxviii)250〜300μm、(xxix)300〜350μm、(xxx)350〜400μm、(xxxi)400〜450μm、(xxxii)450〜500μm、(xxxiii)500〜600μm、(xxxiv)600〜700μm、(xxxv)700〜800μm、(xxxvi)800〜900μm、(xxxvii)900〜1000μm、及び(xxxviii)>1000μmからなる群から選択される。
好ましくは、レーザビームの直径又はサイズは、連続的に可変である。
好ましくは、使用時に標的領域、試料表面又は標的プレートに当たるレーザビームは、レーザビームの直径、サイズ又は幅の少なくとも5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%又は100%にわたり、≦5%、≦10%、≦15%、≦20%、≦25%、≦30%、≦35%、≦40%、≦45%、≦50%、≦55%、≦60%、≦65%、≦70%、≦75%、≦80%、≦85%、≦90%、≦95%又は≦100%変化するレーザフルエンス又は均一性を有する。
好ましくは、装置は、1つ以上のレーザをさらに備える。好ましくは、1つ以上のレーザは、パルスレーザを備える。好ましくは、1つ以上のレーザは、(i)<1ns、(ii)1〜2ns、(iii)2〜3ns、(iv)3〜4ns、(v)4〜5ns、(vi)5〜6ns、(vii)6〜7ns、(viii)7〜8ns、(ix)8〜9ns、(x)9〜10ns、(xi)10〜20ns、(xii)20〜30ns、(xiii)30〜40ns、(xiv)40〜50ns、(xv)50〜60ns、(xvi)60〜70ns、(xvii)70〜80ns、(xviii)80〜90ns、(xix)90〜100ns、(xx)100〜200ns、(xxi)200〜300ns、(xxii)300〜400ns、(xxiii)400〜500ns、(xxiv)500〜1000ns、及び(xxv)>1μsからなる群から選択されるパルス幅を有するように構成される。
好ましくは、1つ以上のレーザは、(i)<1Hz、(ii)1〜5Hz、(iii)5〜10Hz、(iv)10〜15Hz、(v)15〜20Hz、(vi)20〜25Hz、(vii)25〜30Hz、(viii)30〜35Hz、(ix)35〜40Hz、(x)40〜45Hz、(xi)45〜50Hz、(xii)50〜100Hz、(xiii)100〜200Hz、(xiv)200〜300Hz、(xv)300〜400Hz、(xvi)400〜500Hz、(xvii)500〜1000Hz、(xviii)1〜2kHz、(xix)2〜3kHz、(xx)3〜4kHz、(xxi)4〜5kHz、(xxii)5〜10kHz、(xxiii)10〜15kHz、(xxiv)15〜20kHz、(xxv)20〜25kHz、(xxvi)25〜30kHz、(xxvii)30〜35kHz、(xxviii)35〜40kHz、(xxix)40〜45kHz、(xxx)45〜50kHz、及び(xxxi)>50kHzからなる群から選択されるレーザ繰り返し率を有する。
好ましさの劣る好ましい実施形態によると、1つ以上のレーザは、連続レーザを備える。
1つ以上のレーザは、ガスレーザを備え得る。例えば、ガスレーザは、(i)337nmの波長を有するレーザ放射を出射するように構成される窒素レーザ、及び(ii)10.6μmの波長を有するレーザ放射を出射するように構成されるCO2レーザからなる群から選択されるレーザである。
1つ以上のレーザは、エキシマレーザを備え得る。例えば、エキシマレーザは、(i)308nmの波長を有するレーザ放射を出射するように構成されるXeClレーザ、(ii)248nmの波長を有するレーザ放射を出射するように構成されるKrFレーザ、及び(iii)193nmの波長を有するレーザ放射を出射するように構成されるArFレーザからなる群から選択されるレーザである。
1つ以上のレーザは、固体レーザを備え得る。例えば、固体レーザは、(i)Nd:YAGレーザ、(ii)355nmの波長を有するレーザ放射を出射するように構成される3倍周波数Nd:YAGレーザ、(iii)266nmの波長を有するレーザ放射を出射するように構成される4倍周波数Nd:YAGレーザ、及び(iv)2.94μmの波長を有するレーザ放射を出射するように構成されるEr:YAGレーザからなる群から選択されるレーザである。
1つ以上のレーザは、半導体レーザを備え得る。例えば、半導体レーザは、(i)GaN、(ii)AlN、(iii)InN、(iv)ZnSe、(v)GaAs、(vi)GaP、(vii)Si、(viii)AlGaN、(ix)InGaN、(x)AlGaInN、(xi)GaAlN、(xii)AlInGaN、(xiii)AlGaAs、(xiv)InGaAsP、(xv)GaAsP、(xvi)GaAlAs、(xvii)ZnCdSe、(xviii)SiC、及び(xix)InGaAsからなる群から選択されるレーザである。
好ましさの劣る好ましい実施形態によると、1つ以上のレーザは、液体又は色素レーザ、例えば、有機色素レーザを備え得る。
好ましくは、1つ以上のレーザは、(i)<100nm、(ii)100〜120nm、(iii)120〜140nm、(iv)140〜160nm、(v)160〜180nm、(vi)180〜200nm、(vii)200〜220nm、(viii)220〜240nm、(ix)240〜260nm、(x)260〜280nm、(xi)280〜300nm、(xii)300〜320nm、(xiii)320〜340nm、(xiv)340〜360nm、(xv)360〜380nm、(xvi)380〜400nm、(xvii)400〜500nm、(xviii)500〜600nm、(xix)600〜700nm、(xx)700〜800nm、(xxi)800〜900nm、(xxii)900〜1000nm、(xxiii)1000〜1100nm、(xxiv)1100〜1200nm、(xxv)1200〜1300nm、(xxvi)1300〜1400nm、及び(xxvii)1400〜1500nmからなる群から選択される波長を有するレーザ放射を出射するように構成される。
1つ以上のレーザは、(i)1.5〜2.0μm、(ii)2.0〜2.5μm、(iii)2.5〜3.0μm、(iv)3.0〜3.5μm、(v)3.5〜4.0μm、(vi)4.0〜4.5μm、(vii)4.5〜5.0μm、(viii)5.0〜5.5μm、(ix)5.5〜6.0μm、(x)6.0〜6.5μm、(xi)6.5〜7.0μm、(xii)7.0〜7.5μm、(xiii)7.5〜8.0μm、(ix)8.0〜8.5μm、(x)8.5〜9.0μm、(xi)9.0〜9.5μm、(xii)9.5〜10.0μm、(xiii)10.0〜10.5μm、(xiv)10.5〜11.0μm、及び(xv)>11.0μmからなる群から選択される波長を有するレーザ放射を出射するように構成され得る。
一実施形態によると、1つ以上のレーザは、(i)<0.1eV、(ii)0.1〜0.5eV、(iii)0.5〜1.0eV、(iv)1.0〜1.5eV、(v)1.5〜2.0eV、(vi)2.0〜2.5eV、(vii)2.5〜3.0eV、(viii)3.0〜3.5eV、(ix)3.5〜4.0eV、(x)4.0〜4.5eV、(xi)4.5〜5.0eV、(xii)5.0〜5.5eV、(xiii)5.5〜6.0eV、(xiv)6.0〜6.5eV、(xv)6.5〜7.0eV、(xvi)7.0〜7.5eV、(xvii)7.5〜8.0eV、(xviii)8.0〜8.5eV、(xix)8.5〜9.0eV、(xx)9.0〜9.5eV、(xxi)9.5〜10.0eV、(xxii)10.0〜10.5eV、(xxiii)10.5〜11.0eV、(xxiv)11.0〜11.5eV、(xxv)11.5〜12.0eV、(xxvi)12.0〜12.5eV、(xxvii)12.5〜13.0eV、(xxviii)13.0〜13.5eV、(xxix)13.5〜14.0eV、(xxx)14.0〜14.5eV、(xxxi)14.5〜15.0eV、(xxxii)15.0〜15.5eV、(xxxiii)15.5〜16.0eV、(xxxiv)16.0〜16.5eV、(xxxv)16.5〜17.0eV、(xxxvi)17.0〜17.5eV、(xxxvii)17.5〜18.0eV、(xxxviii)18.0〜18.5eV、(xxxix)18.5〜19.0eV、(xl)19.0〜19.5eV、(xli)19.5〜20.0eV、及び(xlii)>20.0eVからなる群から選択される光子エネルギーを有するレーザ放射を出射するように構成され得る。
好ましくは、装置は、レーザビームの強度を調節又は低減する減衰器をさらに備える。
好ましくは、装置は、真空チャンバをさらに備え、標的領域、試料表面又は標的プレートは、真空チャンバ内に位置する。好ましくは、真空チャンバは、使用時にレーザビームが透過するウィンドウを備える。
好ましくは、装置は、レーザビームを標的領域、試料表面又は標的プレートへ方向付ける1つ以上のミラーをさらに備える。好ましくは、装置は、レーザビームを標的領域、試料表面又は標的プレートへ集束する集束レンズをさらに備える。好ましくは、集束レンズは、(i)<5mm、(ii)5〜10mm、(iii)10〜15mm、(iv)15〜20mm、(v)20〜25mm、(vi)25〜30mm、(vii)30〜35mm、(viii)35〜40mm、(ix)40〜45mm、(x)45〜50mm、及び(xi)>50mmからなる群から選択される焦点距離を有する。好ましくは、集束レンズは、アクロマートダブレット又は非球面レンズを備える。
好ましくは、標的領域、試料表面又は標的プレートは、(i)薄い組織切片、(ii)単一セル、(iii)固定化タンパク質を含む生物活性表面、(iv)微量沈殿HPLC分画、(v)無傷な生物学的セル又は生物学的試料の一部、(vi)親和性捕獲基材、(vii)抗体捕獲基材、(viii)1つ以上の溶解セル又は生物学的試料、(ix)血漿沈殿物、及び(x)血清沈殿物からなる群から選択される。薄い組織切片は、<100μm、好ましくは<50μm、さらに好ましくは10〜25μmの厚さを有し得る。
標的領域、試料表面又は標的プレートは、2Dゲル又は2Dゲルの電気ブロットを含み得る。
標的領域、試料表面又は標的プレートは、1つ以上の固体マトリックス−検体沈殿物を有し得る。1つ以上の固体マトリックス−検体沈殿物は、プレコート標的スポット上での(i)乾燥液滴、(ii)真空乾燥、(iii)破砕結晶、(iv)高速蒸発、(v)重畳、(vi)サンドイッチ、(vii)スピンコーティング、(viii)低速結晶化、(ix)エレクトロスプレー、及び(x)試料沈殿からなる群から選択される試料調製方法によって形成され得る。
好ましさの劣る好ましい実施形態によると、標的領域、試料表面又は標的プレートは、液体マトリックス又は不溶性試料を備え得る。
一実施形態によると、標的領域、試料表面又は標的プレートは、固体支持体を備え得る。固体支持体は、多孔質シリコンを含み得る。
好ましくは、装置は、標的領域、試料表面又は標的プレートの下流に配置される抽出レンズ又はイオンオプティカル構成体をさらに備える。抽出レンズ又はイオンオプティカル構成体は、標的領域、試料表面又は標的プレートからイオンを加速、引き寄せ、又は抽出するように構成される。
上記好適な実施形態によると、イオン源は、マトリックス支援レーザ脱離イオン化(「MALDI」)イオン源を含む。
別の実施形態によると、イオン源は、レーザ脱離イオン化(「LDI」)イオン源又はシリコンを用いた脱離イオン化(「DIOS」)イオン源を含む。
好ましくは、標的領域、試料表面又は標的プレートは、(i)>10-7mbar、(ii)>10-6mbar、(iii)>10-5mbar、(iv)>10-4mbar、(v)>10-3mbar、(vi)>10-2mbar、(vii)>0.1mbar、(viii)>1mbar、(ix)>10mbar、(x)>100mbar、及び(xi)>1000mbarからなる群から選択される圧力に維持される。
好ましくは、標的領域、試料表面又は標的プレートは、(i)<10-7mbar、(ii)<10-6mbar、(iii)<10-5mbar、(iv)<10-4mbar、(v)<10-3mbar、(vi)<0.01mbar、(vii)<0.1mbar、(viii)<1mbar、(ix)<10mbar、(x)<100mbar、及び(xi)<1000mbarからなる群から選択される圧力に維持される。
好ましくは、標的領域、試料表面又は標的プレートは、(i)10-7〜10-6mbar、(ii)10-6〜10-5mbar、(iii)10-5〜10-4mbar、(iv)10-4〜10-3mbar、(v)10-3〜10-2mbar、(vi)10-2〜10-1mbar、(vii)0.1〜1mbar、(viii)1〜10mbar、(ix)10〜100mbar、及び(x)100〜1000mbarからなる群から選択される圧力に維持される。
オペレーションモードにおいて、好ましくは、装置は、イオン源の標的領域、試料表面又は標的プレートをレーザビームの標的とするように構成される。
オペレーションモードにおいて、好ましくは、装置は、イオンイメージングデバイスの標的領域、試料表面又は標的プレートをレーザビームの標的とするように構成される。
本発明の別の態様によると、上記のような装置を備える質量分析計が提供される。
好ましくは、質量分析計は、第1の電気フィールド(電界)領域及び第1の電気フィールド領域の下流に配置される第1のフィールドフリー領域をさらに備える。
好ましくは、質量分析計は、第2の電気フィールド領域及び第2の電気フィールド領域の下流に配置される第2のフィールドフリー領域をさらに備える。
好ましくは、質量分析計は、衝突、フラグメンテーション又は反応デバイスをさらに備える。好ましくは、衝突、フラグメンテーション又は反応デバイスは、衝突誘起解離(「CID」)によってイオンをフラグメンテーションするように構成される。
好ましさの劣る実施形態によると、衝突、フラグメンテーション又は反応デバイスは、(i)表面誘起解離(「SID」)フラグメンテーションデバイス、(ii)電子移動解離フラグメンテーションデバイス、(iii)電子捕獲解離フラグメンテーションデバイス、(iv)電子衝突又は衝撃解離フラグメンテーションデバイス、(v)光誘起解離(「PID」)フラグメンテーションデバイス、(vi)レーザ誘起解離フラグメンテーションデバイス、(vii)赤外放射誘起解離デバイス、(viii)紫外放射誘起解離デバイス、(ix)ノズル−スキマ(nozzle-skimmer)インターフェースフラグメンテーションデバイス、(x)イオン源フラグメンテーションデバイス、(xi)イオン源衝突誘起解離フラグメンテーションデバイス、(xii)熱又は温度源フラグメンテーションデバイス、(xiii)電気フィールド誘起フラグメンテーションデバイス、(xiv)磁気フィールド誘起フラグメンテーションデバイス、(xv)酵素消化又は酵素分解フラグメンテーションデバイス、(xvi)イオン−イオン反応フラグメンテーションデバイス、(xvii)イオン−分子反応フラグメンテーションデバイス、(xviii)イオン−原子反応フラグメンテーションデバイス、(xix)イオン−準安定イオン反応フラグメンテーションデバイス、(xx)イオン−準安定分子反応フラグメンテーションデバイス、(xxi)イオン−準安定原子反応フラグメンテーションデバイス、(xxii)イオンを反応させて付加物又は生成物イオンを形成するイオン−イオン反応デバイス、(xxiii)イオンを反応させて付加物又は生成物イオンを形成するイオン−分子反応デバイス、(xxiv)イオンを反応させて付加物又は生成物イオンを形成するイオン−原子反応デバイス、(xxv)イオンを反応させて付加物又は生成物イオンを形成するイオン−準安定イオン反応デバイス、(xxvi)イオンを反応させて付加物又は生成物イオンを形成するイオン−準安定分子反応デバイス、及び(xxvii)イオンを反応させて付加物又は生成物イオンを形成するイオン−準安定原子反応デバイスからなる群から選択される。
反応デバイスは、イオン、原子又は分子を新しい種のイオン、原子又は分子を形成するように再構成又は反応させるようなデバイスを含むと理解されるべきである。X−Y反応フラグメンテーションデバイスは、X及びYが合成して生成物を形成し、次いでこの生成物がフラグメンテーションするデバイスを意味すると理解されるべきである。これは、最初に生成物を形成することなくイオンをフラグメンテーションさせ得るフラグメンテーションデバイス自体とは異なる。X−Y反応デバイスは、X及びYが合成して生成物を形成し、かつ次いでその生成物が必ずしもフラグメンテーションしないデバイスを意味すると理解されるべきである。
質量分析計は、イオンがポストソース分解(「PSD」)によってフラグメンテーションするようにさせるか及び/又はそれを可能にさせる手段を備え得る。
好ましくは、質量分析計は、特定の親又は前駆体イオンを選択する静電エネルギー分析器及び/又は質量フィルタ及び/又はイオンゲートをさらに備える。好ましくは、質量フィルタは、扇形磁気フィールド質量フィルタ、RF四重極質量フィルタ、ウィーン(Wien)フィルタ、又は直交加速度飛行時間質量フィルタを備える。
好ましくは、質量分析計は、質量分析器をさらに備える。質量分析器は、(i)四重極質量分析器、(ii)2D又は直線四重極質量分析器、(iii)ポール又は3D四重極質量分析器、(iv)ペニングトラップ質量分析器、(v)イオントラップ質量分析器、(vi)扇形磁気フィールド質量分析器、(vii)イオンサイクロトロン共鳴(「ICR」)質量分析器、(viii)フーリエ変換イオンサイクロトロン共鳴(「FTICR」)質量分析器、(ix)静電又はオービトラップ質量分析器、(x)フーリエ変換静電又はオービトラップ質量分析器、(xi)フーリエ変換質量分析器、(xii)飛行時間質量分析器、(xiii)軸方向加速飛行時間質量分析器、(xiv)直交加速飛行時間質量分析器、及び(xv)質量顕微鏡無収差(stigmatic)イメージング飛行時間質量分析器からなる群から選択され得る。
質量分析器が質量顕微鏡無収差イメージングシステムを備えるならば、好ましくは、レーザスポットのフルエンス又は放射照度は、一定であるか又は実質的にフラットトップなプロファイルを有する。
本発明の別の態様によると、レーザビームのサイズを制御する方法であって、前記レーザビームは、使用時に、質量分析計のイオン源又はイオンイメージングデバイス内に配置された標的領域、試料表面又は標的プレートを標的とし、前記方法は、
質量分析計のイオン源又はイオンイメージングデバイス内に配置された標的領域、試料表面又は標的プレートを標的とするレーザビームのサイズを制御するために1つ以上のズームレンズを使用すること、
を含む方法が提供される。
本発明の別の態様によると、レーザビームのサイズを制御する方法であって、前記レーザビームは、使用時に、質量分析計のイオン源又はイオンイメージングデバイス内に配置された標的領域、試料表面又は標的プレートを標的とし、前記方法は、
1つ以上のレーザビームを第1のレーザビームと第2のレーザビームとに分割すること、及び、
第1のレーザビームと第2のレーザビームとを重ね合わすこと、
を含む方法が提供される。
本発明の別の態様によると、レーザビームのサイズを制御する方法であって、前記レーザビームは、使用時に、質量分析計のイオン源又はイオンイメージングデバイス内に配置された標的領域、試料表面又は標的プレートを標的とし、前記方法は、
質量分析計のイオン源又はイオンイメージングデバイス内に配置された標的領域、試料表面又は標的プレートを標的とするレーザビームのサイズを制御するためにプログラム可能なミラーアレイ又はデジタルマイクロミラーアレイを使用すること、
を含む方法が提供される。
本発明の別の態様によると、上記のような方法を含む質量分析方法が提供される。
上記好適な実施形態によると、改善されたMALDI光学システム、及び、MALDIイオン源に光を集束する改善された方法が提供される。
好ましくは、上記好適な実施形態は、レーザフルエンスがスポットの直径全体又はそれにわたり実質的に一様に維持されることを確実にしながらレーザスポット直径が制御されることを可能にする。これは、好ましくは倍率を変える際にスポットのイメージ位置を変化させない可変倍率ズームレンズ又はビーム拡大器を使用することによって実現されることが好ましい。
好ましくは、上記好適な実施形態は、約1μm又は回折限界から数百ミクロンの範囲の連続可変スポットサイズが提供されることを可能にする。
一実施形態によると、イメージングデバイスは、MALDIイオン源及び飛行時間質量分析器を備える従来の質量分析計に適合し得る。これにより、質量分析計は、高い空間分解能を有するイオンイメージング質量分析計として、また、飛行時間質量分析器に結合されたMALDIイオン源を備える従来の質量分析計として機能することができる。
ここで、本発明の種々の実施形態を、あくまで実施例として、添付の図面を参照して説明する。
本発明の好適な実施形態にかかるイオン源イメージングデバイス又はイオンイメージングデバイスについて図1を参照して説明する。好ましくは、イメージングデバイスは、光源又は光ビーム2を送達するためのレーザ1を備える。レーザは、光ビーム2を出力するように構成される光ファイバに接続又は結合され得る。
好ましくは、イメージングデバイスは、好ましくはレーザ1の下流に設置されたズームレンズ3、4、5を備える。好ましくは、ズームレンズは、3つの別々のレンズ3、4、5を備える。好ましくは、レンズ3、4、5のうちの1つ、2つ又は3つすべては、モータ駆動平行移動ステージ上に装着される。好ましくは、個々のレンズ3、4、5のうちの1つ、2つ又は3つすべての軸方向位置は、モータ駆動アクチュエータによって変更又は変動され得る。上記好適な実施形態によると、レンズ3、4、5のうちの1つ以上の軸方向位置は、変動又は変更され得、これによりレーザビームを拡大又は縮小することができ、これによってビーム発散を低減又は増加する。
上記好適な実施形態によると、好ましくは、ズームレンズ3、4、5は、レーザビームを拡大する。次いで、好ましくは、拡大されたレーザビームの一部は、レーザビームの強度を調整するように構成される減衰器6に通される。次いで、好ましくは、レーザビームは、真空ウィンドウ9を通って真空チャンバの筐体内へ通されるように構成される。好ましくは、真空チャンバウィンドウ9は、真空チャンバの壁8に装着される。
ミラー10は、好ましくは真空チャンバ内に構成され、かつ好ましくはレーザビームを最終集束レンズ11へ方向付けるか又は反射する。好ましくは、最終集束レンズ11は、比較的短い焦点距離(例えば、15mm)を有する。一実施形態によると、最終集束レンズ11は、12mmの直径を有し得る。好ましくは、最終集束レンズ11は、アクロマートダブレット又は非球面レンズのいずれかを備え得る。好ましくは、最終集束レンズ11は、レーザビームを標的領域、試料表面又は標的プレート13のスポットに集束するように構成される。好ましくは標的領域、試料表面又は標的プレート13に当たる強いパルスレーザビームは、好ましくはレーザビームの焦点14においてイオンを生成させる。
イオン源抽出レンズ12又は他のイオンオプティカルデバイスは、好ましくは標的領域、試料表面又は標的プレート13の比較的近傍に配置され、かつ好ましくは標的領域、試料表面又は標的プレート13において生成され又は作り出されたイオンを、標的領域、試料表面又は標的プレート13の好ましくは下流にある質量分析計(図示せず)の主筐体内へ方向付けるか、引き寄せるか、加速するか、又は抽出することを支援する。
好ましくは、質量分析計は、飛行時間質量分析器(図示せず)を備えるか、衝突誘起解離衝突又はフラグメンテーションセル(図示せず)を備え得る。
ここで、標的領域、試料表面又は標的プレート13を標的としてレーザビームのスポットのサイズを制御する上記好適な方法をより詳細に説明する。
標的領域、試料表面又は標的プレート13のレーザビームのスポットのサイズDの近似は、以下の式から計算され得る。
Figure 0005031580
ここで、ビーム発散又はスポットのサイズ項(f.θ)、球面収差項(0.067.f/(f/Dl)3)、及び基本回折制限スポットのサイズ項(2.44.λ.f/Dl)は、独立であり、求積法(quadrature)で加算されるとし、θは、レーザビームの既知の発散であり、fは、最終集束レンズ11の焦点距離であり、λは、レーザビームの波長であり、Dlは、最終集束レンズ11におけるレーザビームの直径である。
なお、回折制限スポットのサイズ項は、ガウスレーザビームについては比較的小さい。球面収差項は、適切に設計された非球面レンズ又はアクロマートペアを使用して事実上除去できる。したがって、上記式における支配的な項は、ビーム発散又はスポットのサイズ項である。したがって、小さなスポットのサイズを生成するためには、最終集束レンズ11の焦点距離fは、好ましくは可能な限り短くするべきであり、かつビーム発散θは、好ましくは可能な限り低くするべきである。
上記好適な実施形態によると、好ましくは、スポットのサイズは、レーザビームのビーム発散θを変化させることによって制御又は変動される。これは、好ましくはズームレンズアセンブリ3、4、5を使用してレーザビームを拡大又は縮小することによって実現される。レーザビームが拡大されるならば、ビーム発散は比例して低減され、したがって対応のビーム発散又はスポットのサイズ項(f.θ)は低減する。
上記好適な実施形態によると、好ましくは、レーザビームは、標的領域、試料表面又は標的プレート13に集束される。なぜなら、好ましくは、集束スポットは、集束されないスポットよりも著しく均一だからである。
上記好適な実施形態によると、ズームレンズ3、4、5の倍率が、好ましくは変動する際に、ズームレンズアセンブリ3、4、5内の適切なレンズは、好ましくはあらかじめ定義された関数において軸方向に移動される。これにより、好ましくは、レーザスポットが標的領域、試料表面又は標的プレート13において集束状態を維持することが確実となる。正確さ及び簡便さのために、レンズ素子3、4、5の位置的作動はモータ駆動化され、例えば、コンピュータ又は他のコントローラによって遠隔制御され得る。
ここで本発明の別の実施形態について図2を参照して説明する。この別の実施形態によると、好ましくは、レーザスポットの直径又はサイズは、それぞれ好ましくは実質的にフラットトップなフルエンスプロファイルを有する、重なり合った2つの円形スポット26、27によって制御される。この実施形態によると、好ましくは実質的にフラットトップなフルエンスプロファイルを有するレーザビーム21を好ましくは供給又は生成するレーザ20が提供される。好ましくは、レーザビーム21は、好ましくはビームを2つの経路又は2つの分離ビームに分割するビームスプリッタ22を通過する。
レーザビームの一方の部分は、好ましくはビーム結合器23上へ通過又は続進し、レーザビームの他方の部分は、好ましくは第1のミラー24へ通過する。第1のミラー24へ通過したレーザビームは、好ましくは第1のミラー24によって偏向又は反射され、次いで好ましくは第2のミラー25によって偏向又は反射される。次いで、好ましくは、ビームは、ビーム結合器23上へ通過又は続進する。好ましくは、ビーム結合器23に到着するか又は当たる2つのビームは、次いで少なくとも部分的に重なり合うか又は再結合されるように配置される。
重複領域は、最大強度の領域であり、好ましくはイオン源又はイオンイメージングデバイスの標的領域、試料表面又は標的プレートにイオン化スポットを形成する。好ましくは、2つのレーザビームの重複又は再結合の度合いは、第1のミラー24及び/又は第2のミラー25のいずれかを移動することによって調節され得る。
この別の実施形態によると、図1を参照して記載又は考察した実施形態に関連して上記した回折制限は、適用されない。したがって、IR放射などの比較的長い波長を有し得るレーザ放射を使用する場合であっても、小さなスポットのサイズを有するレーザビームを提供することが可能である。
ここで、本発明のさらなる実施形態について図3を参照して説明する。図3は、レーザ源30、及びレーザ源30の下流に配置されたプログラム可能なミラーアレイ(PMA)又はデジタルマイクロミラーアレイ32を備える実施形態を示す。
レーザビーム31は、好ましくはレーザ源30から出射され、好ましくはプログラム可能なミラーアレイ又はデジタルマイクロミラーアレイ32上に当たるように構成される。好ましくは、プログラム可能なミラーアレイ又はデジタルマイクロミラーアレイ32は、自動に制御される。
好ましくは、プログラム可能なミラーアレイ又はデジタルマイクロミラーアレイ32は、複数の個別ミラー、反射素子又はピクセルを備える。好ましくは、各個別ミラー、反射素子又はピクセルは、コンピュータ又は他の手段によって制御され得る。個別ミラー、反射素子又はピクセルは、イオン源又はイオンイメージングデバイスの標的領域、試料表面又は標的プレート33にレーザ光を方向付け又は集束するようにオペレーションモードにおいて配置又は構成され得る。
レーザスポットの焦点、ビーム角度及び形状又はプロファイルは、プログラム可能なミラーアレイ又はデジタルマイクロミラーアレイ32によって制御され得る。レーザスポットフルエンス又は均一性は、スポット直径が好ましくは変動される際に好ましくは維持される。
本発明を好適な実施形態を参照して記載したが、添付の特許請求の範囲に記載の本発明の範囲を逸脱せずに種々の変更が形態及び詳細においてなされ得ることが当業者に理解される。
図1は、本発明の好適な実施形態のMALDIイオン源又はイオンイメージングデバイスにおけるレーザビームのスポットのサイズを制御するためのズームレンズを示す。 図2は、本発明の別の実施形態を示す。ここで、ビームスプリッタは、レーザビームを2つのビームに分割するために使用され、次いで2つのビームは、部分的に重ね合わせるか又は再結合される。 図3は、本発明のさらなる実施形態を示す。ここで、プログラム可能なミラーアレイ又はデジタルマイクロミラーアレイは、レーザビームを標的領域又は試料表面へ集束させるために使用される。

Claims (19)

  1. レーザ、
    内部に配置された標的領域、試料表面又は標的プレートが配置されるイオン源又はイオンイメージングデバイス、及び、
    使用時に前記標的領域、試料表面又は標的プレートを標的とするレーザビームのスポットサイズを制御する装置、を含む質量分析計であって、前記装置は、
    1つ以上のズームレンズ
    を含む、質量分析計。
  2. 前記1つ以上のズームレンズは、第1のレンズ、及び前記第1のレンズの軸方向位置を変更又は変動するように構成及び適合される手段を含む、請求項1記載の質量分析計。
  3. 前記1つ以上のズームレンズは、レーザビームを拡大及び/又は縮小するように構成される、請求項1又は2に記載の質量分析計。
  4. 前記1つ以上のズームレンズは、レーザビームのビーム発散を増加及び/又は低減するように構成される、請求項1から3のいずれか一項に記載の質量分析計。
  5. 前記1つ以上のズームレンズは、可変倍率ズームレンズ又はビーム拡大器を含む、請求項1から4のいずれか一項に記載の質量分析計。
  6. レーザ、
    内部に配置された標的領域、試料表面又は標的プレートが配置されるイオン源又はイオンイメージングデバイス、及び、
    使用時に前記標的領域、試料表面又は標的プレートを標的とするレーザビームのサイズを制御する装置、を含む質量分析計であって、前記装置は、
    1つ以上のレーザビームを第1のレーザビームと第2のレーザビームとに分割する少なくとも1つのビームスプリッタと、
    第1のレーザビームと第2のレーザビームとを少なくとも部分的若しくは全体的に重ね合わすオーバラップ手段と
    を含む、質量分析計。
  7. 前記第1のレーザビーム及び/又は前記第2のレーザビームは、実質的に一定、一様又は均一なフルエンス又は放射照度プロファイルを有する、請求項6記載の質量分析計。
  8. 前記第1のビームと前記第2のビームとの重なり合いの度合いを変動するように構成及び適合される手段をさらに含む、請求項6又は7に記載の質量分析計。
  9. 前記重なり合い又は再結合の度合いを変動するように構成及び適合される手段は、平行移動又は移動されるように構成される1つ以上のミラーを含む、請求項8記載の質量分析計。
  10. レーザ、
    内部に配置された標的領域、試料表面又は標的プレートが配置されるイオン源又はイオンイメージングデバイス、及び、
    使用時に前記標的領域、試料表面又は標的プレートを標的とするレーザビームのサイズを制御する装置、
    を含む質量分析計であって、前記装置は、
    複数の個別制御可能なピクセル又はミラー素子を備えるプログラム可能なミラーアレイ又はデジタルマイクロミラーアレイ、
    レーザ光を前記標的領域、試料表面又は標的プレートに集束させるために前記ピクセル又はミラー素子を制御するように構成及び適合される手段、及び、
    前記標的領域、試料表面又は標的プレートからイオンを加速、引き寄せ、又は抽出するように構成される、前記標的領域、試料表面又は標的プレートの下流に配置される抽出レンズ又はイオンオプティカル構成体
    を含む、質量分析計。
  11. レーザスポットのイメージ位置は前記プログラム可能なミラーアレイ又はデジタルマイクロミラーアレイを変更又は変化させる際に実質的に不変のままである、請求項10記載の質量分析計。
  12. 前記レーザビームの直径又はサイズは、連続的に可変である、請求項1から11のいずれか一項に記載の質量分析計。
  13. 真空チャンバをさらに含み、
    前記標的領域、試料表面又は標的プレートは、前記真空チャンバ内に位置し、
    前記真空チャンバは、使用時にレーザビームが透過するウィンドウを含む、請求項1から12のいずれかに記載の質量分析計。
  14. レーザビームを前記標的領域、試料表面又は標的プレートへ方向付ける1つ以上のミラーをさらに含む、請求項1から13のいずれか一項に記載の質量分析計。
  15. レーザビームを前記標的領域、試料表面又は標的プレートへ集束する集束レンズをさらに含む、請求項1から14のいずれか一項に記載の質量分析計。
  16. レーザビームのスポットサイズを制御する方法であって、
    前記レーザビームは、質量分析計のイオン源又はイオンイメージングデバイス内に配置された標的領域、試料表面又は標的プレートを標的とし、前記方法は、
    質量分析計のイオン源又はイオンイメージングデバイス内に配置された標的領域、試料表面又は標的プレートを標的とするレーザビームのスポットサイズを制御するために1つ以上のズームレンズを使用すること、
    を含む、レーザビームのスポットサイズを制御する方法。
  17. レーザビームのサイズを制御する方法であって、
    前記レーザビームは、質量分析計のイオン源又はイオンイメージングデバイス内に配置された標的領域、試料表面又は標的プレートを標的とし、前記方法は、
    1つ以上のレーザビームを第1のレーザビームと第2のレーザビームとに分割すること、及び、
    第1のレーザビームと第2のレーザビームとを重ね合わすこと、
    を含む、レーザビームのサイズを制御する方法。
  18. 質量分析計のイオン源又はイオンイメージングデバイス内に配置された標的領域、試料表面又は標的プレートを標的とするレーザビームのサイズを制御することを含む質量分析方法であって、
    質量分析計のイオン源又はイオンイメージングデバイス内に配置された標的領域、試料表面又は標的プレートを標的とするレーザビームのサイズを制御するために、複数の個別制御可能なピクセル又はミラー素子を含む、プログラム可能なミラーアレイ又はデジタルマイクロミラーアレイを使用すること、このとき、前記方法は、前記標的領域、試料表面又は標的プレートにレーザ光を集束させるために前記ピクセル又はミラー素子を制御することを含み、及び、
    前記標的領域、試料表面又は標的プレートの下流に配置される抽出レンズ又はイオンオプティカル構成体を提供し、前記抽出レンズ又はイオンオプティカル構成体は前記標的領域、試料表面又は標的プレートからイオンを加速、引き寄せ、又は抽出するように構成されること
    を含む、質量分析方法。
  19. 請求項16又は17に記載の方法を含む質量分析方法。
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