この発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付し、説明の重複を避けるためにその説明は繰返さない。
図1は、この実施形態おける地上デジタル放送受信装置の構成を示すブロック図である。
この実施形態おける地上デジタル放送受信装置1は、携帯端末や自動車などの移動体に搭載されて使用するもので、制御部10、チューナ部12、デマルチプレックス(DEMUX)13、ディスプレイ31、スピーカ32からなる出力部30及びテンキー、タッチパネルで構成される入力部33を含んで構成されている。
地上デジタル放送受信装置1は、放送方式(伝送レート)が異なる複数の番組の信号が多重化された地上デジタル放送、即ち、同時に送信される固定向けデジタル放送と移動体向けデジタル放送を受信することができる、なお、移動体向け地上デジタル放送だけを受信できるように構成しても良い。
地上デジタル放送は、1チャンネルを13個のセグメントに分割するとともに、それを最大3つの階層(A階層、B階層、C階層)にグループ化して階層毎に異なる放送パラメータを設定することが可能な方式(階層伝送方式)により送信されている。1チャンネル内に携帯受信向け放送のための帯域、例えば、A階層の1セグメントが確保され、残りの12セグメントが移動体向けのB階層、固定向けのC階層に割り当てられる。A階層、B階層、C階層の順でビットレートが高くなっており、A階層により受信される番組の映像が最も低品質となり、C階層により受信される番組の映像が最も高品質となる。
出力部30は、LCD(Liquid Crystal Display)などにより構成されるディスプレイ31及びスピーカ32が含まれている。
入力部33は、キーボードや各種機能ボタン、ディスプレイ31の表示面と一体化して設けられるタッチパネルなどのポインティングデバイスが設けられる。
制御部10は、内部にCPU、RAM等を有し、ROM16に格納されたプログラムに基づき、各種機能を実行し、後述する各回路を制御する。
放送局からの電波はアンテナ11により受信し、受信した電波がチューナ部12に与えられる。このチューナー部12は、制御部10から与えられる選局制御信号に応じて、アンテナ11により受信される所定のチャンネル周波数に同調して、中間周波数に変換して増幅する。チューナ部12は、例えば中間周波数の信号レベルに基づいて地上デジタル放送信号のレベル変化(受信電界強度)を検出することができる。また、チューナ部12は、地上デジタル放送信号を復調し、誤り検出及び訂正を行った後、復号したトランスポートストリーム(TS(Transport Stream))信号をデマルチプレックス(DEMUX)13へ出力する。
この実施形態におけるチューナ部12は、誤り訂正前後のビットエラー率(BER)を検出することができ、現在の受信レベル(c/n比)やBERなどを受信状態情報として制御部10へ出力する。なお、受信状態情報には、c/n比、BERだけでなく増幅時のAGC(Auto Gain Control)による利得値を含めても良い。復調、誤り訂正等は、例えば、ISDB−T(Integrated Services Digital Broadcasting -Terrestrial:地上デジタル放送)デコーダにより、復調、誤り訂正等の処理を施し、TS信号として出力される。復調は、OFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)に基づいて行われる。
また、チューナ部12は、後述するように、記憶部18に格納されたチャンネルリストに従い制御部10の指示に応じてチャンネルをスキャンする。
制御部10は、地上デジタル放送受信装置1全体の制御を司るもので、ROM16に記憶されたプログラムを実行することで、放送受信機能を制御する。この制御部10は、複数階層で同一番組が放送(サイマル放送)されている場合に、一時的な受信状態の変化に影響されないようにして、最適な放送方式(伝送レート)によって送信されている番組を出力するように制御するように構成することもできる。
ROM16は、地上デジタル放送受信装置1により提供される各機能を実現するためのプログラムなどが記憶されるもので、放送受信機能を実現するためのプログラムには、後述するチャンネルのスキャン、チャンネルリストの更新制御を実行するためのプログラムが含まれている。ROM16は、例えば、フラッシュメモリ、ハードディスクが用いられ、上記したプログラムが格納される他、番組情報(EPG)、地域対象放送局リスト等が格納される。
デマルチプレックス(DEMUX)13は、チューナ部12から出力されたTSを、各階層毎のTSに分離して出力する。デマルチプレックス(DEMUX)13では、多重されている番組を構成する映像データ及び音声データを分離抽出する他、付加情報として多重伝送されるNIT(Network Information Table)等を分離抽出する。
デマルチプレックス(DEMUX)13で分離された映像データは、制御部10へ与えられ、制御部10内のRAMに格納されたのち、映像デコーダ14に供給される。この実施形態においては、符号化映像データは、H.264データとしている。映像デコーダ14は、H.264の符号化映像データを復号し、非圧縮のデジタル映像信号を出力する。この非圧縮のデジタル映像信号がビデオ(Video)出力部から出力され、出力装置30のディスプレイ31に与えられる。また、符号化映像データがMPEG(Moving Picture Experts Group)データである場合には、映像デコーダ14は、MPEGの復号が実行され、非圧縮のデジタル映像信号を出力する。
出力装置30に与えられる非圧縮のデジタル映像信号は、ディスプレイ31の表示形式に対応したビデオ信号にエンコードされ、ディスプレイ31にて表示される。
ディスプレイ31には、例えば、制御部10から供給されるGUI形式のOSD(On Screen Display)情報を重畳して表示される。制御部10からは、操作ボタン、電子プログラム画面、メニュー画面その他の文字情報等が与えられる。
また、TS分離部13で分離された音声データは、バス40を介して音声デコーダ15に与えられ、音声デコーダ15でACC復号処理がなされて非圧縮のデジタル音声データとして出力装置30のスピーカ32に与えられる。音声データは図示しないDAC(Digital Analog Converter)でデジタル信号からアナログ信号に変換された後、所定の音量に制御されスピーカ32から出力される。
デマルチプレックス(DEMUX)13で分離抽出されたNIT等の付加情報は、制御部10に与えられ、制御部10は、NIT等の付加情報により、チャンネル番号、物理チャンネル等のチャンネルスキャン情報を記憶部18に格納する。
記憶部18には、放送局情報リストとしてのチャンネルのリストが格納されている。このチャンネルのリストは、ROM16に格納されている放送局リストからチャンネルスキャンに基づき更新される。
図2は、この発明の制御部10の機能を示すブロック図であり、制御部10は、チャンネルのスキャン手段10aと、判定手段10bと、時間算出手段10c、チャンネルリスト作成手段10d、スキャン時間設定手段10eとしての機能を備え、ROM16に格納されたプログラムに基づき各機能手段としての動作を行う。
スキャン手段10は、スキャンする物理チャンネルをチューナ部12に与えるもので、スキャン設定手段10eで設定されたスキャン時間に応じて物理チャンネルを切り替えてチューナ部12に与えるように制御する。判定手段10bは、チューナ部12およびデマルチプレックス(DEMUX)13から与えられる信号に基づき、受信できるチャンネルか否か判断する。時間算出手段10cは、判定手段10bにて受信可能と判断するまでの時間を算出する。チャンネルリスト作成手段10dは受信可能な物理チャンネルに基づきチャンネルリストを作成して、記憶部18に格納させる。スキャン時間設定手段10eは、入力部33から与えられる指示信号または、時間算出手段10eに基づき設定される時間により、スキャン時間(チューニング時間)(t)を設定するものである。このスキャン時間(t)により、スキャン手段10aの物理チャンネル情報の切り替る時間が設定される。
図3は、関東の広域放送圏を示すチャンネルリストであり、親局、中継局との関係が示されている。記憶部18には、移動体が位置する地域において受信可能なチャンネルのリストが格納される。移動体が関東の広域放送圏に位置する場合は、図3に示すチャンネルリストが格納され、近畿に位置する時には、近畿のチャンネルリストが格納されることになる。
この発明は、チャンネルスキャンのスキャン時間をユーザのニーズに応じて設定したり、チャンネルスキャンした検索時間を基に変更して再設定することを可能とし、受信状態等も考慮しながら、チャンネルスキャンにより、放送局の設定を可能にするものである。
まず、スキャン時間をユーザのニーズに応じて設定する場合につき、図4ないし図7を参照して説明する。
図4は、スキャン時間設定画面の一例を示す模式図である。図5は、スキャン時間設定動作を示すフロー図である。
入力部33からユーザがスキャン時間の設定モードを選択すると、制御部10は、ディスプレイ31にスキャン時間設定を示す画面を表示させる。この実施形態では、「1:速さ優先」、「2:通常」、「3:検索率優先」のモードを設けている。「1:速さ優先」のモードはチャンネルスキャンの検索時間を最も速く行うもので、このモードを選択した場合には、スキャン時間は、500msに設定される。この場合には、検索が受信状態によっては、全ての受信可能なチャンネルを上手く検索できない場合もあるが、検索に要する時間を短くし、受信できるチャンネルを素早く検索したいときなどには有効である。「2:通常」のモードは、通常の受信状態であれば全てのチャンネルを検索できる時間に設定している。このモードを選択した場合には、スキャン時間は、2000msに設定される。「3:検索率優先」のモードは、検索を最優先にするモードで、受信状態が少々悪くてもチャンネルを検索できる時間に設定している。このモードを選択した場合には、スキャン時間は、3000msに設定される。なお、この設定時間は一例である。
スキャン時間設定動作を図5のフロー図に従い説明する。ユーザが、ディスプレイ31を見て、ユーザの希望するモードを入力部33から選択ボタンを押して入力する。制御部10は、入力部33入力された入力値を判断する(S101)。制御部11が入力値が「1」と判断すると、スキャン時間を速さ優先である500msに設定し、設定動作を終了する(S102)。制御部10が入力値が「2」と判断すると、スキャン時間を通常の速さである2000msに設定し、設定動作を終了する(S103)。制御部10が入力値が「3」と判断すると、スキャン時間を検索率優先である3000msに設定し、設定動作を終了する(S104)。
続いて、制御部10は、スキャン時間の設定動作の後、ユーザが設定したスキャン時間(t)に従いチャンネルスキャン動作に入る。この第1の実施形態におけるチャンネルスキャン動作を図6に従い説明する。
まず、ユーザの地上波デジタル受信装置への操作により、チャンネルスキャンが開始されると、ユーザが設定したスキャン時間(t秒)が制御部10内のRAMに設定される(S1)。このスキャン時間は、チャンネルスキャンにおける1つのチャンネルに与えるチューニングに費やす時間である。スキャン時間(t秒)を設定後、チャンネルスキャンが開始され、スキャン対象のチャンネルとして物理チャンネル番号「13」のチャンネルが選局される(S2)。これは、地上デジタル放送はUHF帯の13チャンネルから62チャンネルで放送されるため、物理チャンネル番号の初期値が「13」として設定される。
制御部10は、チューナ部12にチューニング要求を出し、初期値の物理チャンネル13に基づき、チューナ部12が選局を開始し、チューニング動作に入る。そして、スキャン時間を測定するタイマを動作させる(S3)。物理チャンネル番号「13」のチャンネルが選局されると、その物理チャンネルの地上デジタル放送が存在するかどうかを受信状態により判定される(S4)。この判定は、通常、この物理チャンネルでのc/n比が取得されることにより行われ、このc/n比が設定された閾値以上の場合はこの物理チャンネル「13」の地上デジタル放送が存在すると判定される(S4の「YES」)。
その後、受信した地上デジタル放送の放送信号から変調方式が最も単純なTMCC(Transmission and Multiplexing Configuration Control)情報が取得されたかどうか判定される(S5)。ステップS5で取得されたと判定されたとき(S5の「YES」)は、さらにNIT(Network Information Table)情報が取得されたかどうか判定される(S6)。これらの情報も取得されたと判定されたとき(S6の「YES」)は、この物理チャンネル「13」の地上デジタル放送が受信可能であると判定され、チューニングロックされ、制御部10は、この物理チャンネル「13」を記憶部18に登録する(S7)。
一方、ステップS4の判定で地上デジタル放送が存在しないと判定されたとき(S4の「NO」)、ステップS5の判定でTMCC情報が取得されていないと判定されたとき(S5の「NO」)、またはステップS6の判定でNITなどの情報が取得されていないと判定されたとき(S6の「NO」)は、測定しているタイマーの時間が設定したスキャン時間(t)より経過したか否か判断され(S8)、経過していないとき(S8の「NO」)は、ステップS4に戻り、チューニングが繰り返される。
ステップS7で登録処理が完了したとき、ステップS8の判定で設定したスキャン時間(t)が経過したとき(S8の「YES」)、スキャン対象の物理チャンネルが「62」であるかどうかが判定される(S9)。ここでは物理チャンネルは「13」であるのでステップS10に進み、(S9の「NO」)、物理チャンネル番号が1増やされ(S10)、スキャン対象の物理チャンネル番号に「14」が設定されてステップS3に戻る。尚、チューニングロックが設定されたスキャン時間(t)まで達していないときに完了した場合には、スキャン時間(t)を経過するまで待機することなく、ステップS10において、物理チャンネル番号が直ちに1増やされる。
このステップS3からステップS10の処理は、物理チャンネル番号が「62」になるまで繰り返される。
ステップS9において、物理チャンネルが「62」であり、全ての物理チャンネルをスキャンしたと判定されたときは(S9の「YES」)、チャンネルスキャンの処理が終了される。
上記のように、チャンネルスキャン動作を行うことによって、どこの物理チャンネルでどの放送局の放送が行われているかが認識され、記憶部18に受信可能なチャンネルリストが作成される。
なお、チャンネル登録の際、選定された域内放送局の地上デジタル放送に含まれるNITのTS情報記述子に含まれるremote_control_key_idにより、この放送局がリモコンのポジションキー「1」から「12」のキーのどこに割り付けられるかが指定される。
上記のチャンネルスキャンの結果、制御部10のチャンネル作成手段の機能により、図7に示すように、受信された放送局、物理チャンネル、remote_control_key_id、及び様々な情報がテーブル形式で記憶部18に格納される。
上記した第1の実施形態においては、設定するスキャン時間を「1:速さ優先」にすると、チャンネルスキャンに要する時間が短くなるため、視聴可能になるまでの時間を大幅に短縮できる。また、電波状態などをユーザが考慮し、スキャン時間を「2:通常」や「3:検索率優先」のモードを選択することで、視聴できるチャネルの検索の精度を上げることも可能である。
上記した第1の実施形態においては、NITなどの情報が取得されるまでの間で、設定したスキャン時間(t)を経過すると、そのチャンネルは登録せずに、次のチャンネルサーチに進むことになる。しかし、NITは、受信信号を復調処理を施して得られるTS信号から抽出されるものである。このため、c/n比が設定された閾値以上であるにもかかわらずタイムアウトになり、チャンネル登録ができない場合が発生する。特に、「1:速さ優先」にした場合には、この可能性がある。しかし、c/n比が設定された閾値以上で、受信した地上デジタル放送の放送信号からTMCC情報が取得された場合には、受信可能なチャンネルである場合が多い。このようなチャンネルを登録しない場合には視聴できるチャンネル数を減らすことになる。そこで、この発明の第2の実施形態は、c/n比が設定された閾値以上で、受信した地上デジタル放送の放送信号からTMCC情報が取得された場合には、該当するチャンネルをできるだけ登録できるように構成したものである。
TMCC信号は、NITより先に得ることができ、所定のチャンネルを受信してから得られるまでの時間はあまり要しない。例えば、300ms程度で十分に取得できる。電波状態などの関係でエラーが発生した場合には、NITを得るまでに「1:速さ優先」ではタイムアウトになる場合がある。そこで、この第2の実施形態は、c/n比が設定された閾値以上で、受信した地上デジタル放送の放送信号からTMCC情報が取得された場合には、スキャン設定時間(t)を「3:検索率優先」モードに変更するものである。
この第2の実施形態における動作を図8に従い説明する。図6に示す第1の実施形態と同様に、ユーザが設定したスキャン時間(t秒)が制御部10内のRAMに設定される(S1)。スキャン時間(t秒)を設定後、チャンネルスキャンが開始され、スキャン対象のチャンネルとして物理チャンネル番号「13」のチャンネルが選局される(S2)。
制御部10は、チューナ部12にチューニング要求を出し、初期値の物理チャンネル13に基づき、チューナ部12が選局を開始し、チューニング動作に入る。そして、スキャン時間を測定するタイマを動作させる(S3)。物理チャンネル番号「13」のチャンネルが選局されると、その物理チャンネルの地上デジタル放送が存在するかどうか判定される(S4)。この判定は、c/n比が取得されることにより行われ、このc/n比が設定された閾値以上の場合はこの物理チャンネル「13」の地上デジタル放送が存在すると判定される(S4の「YES」)。
その後、受信した地上デジタル放送の放送信号からTMCC情報が取得されたかどうか判定される(S5)。ステップS5で取得されたと判定されたとき(S5の「YES」)は、ステップS1で設定されたスキャン時間(t)に関係なく、この第2の実施形態の特徴である検索優先モードのスキャン時間に設定を変更する(S20)。これは、c/n比が設定された閾値以上で、受信した地上デジタル放送の放送信号からTMCC情報が取得された場合には、受信可能なチャンネルである場合が多いので、NITの取得に時間を要してもチャンネル設定をすることを可能にするためである。
続いて、NIT情報が取得されたかどうか判定される(S6)。このNIT情報の判定におけるタイムアウト時間は、この第2の実施形態においては、検索優先モードに対応する時間となっている。これらの情報も取得されたと判定されたとき(S6の「YES」)は、この物理チャンネル「13」の地上デジタル放送が受信可能であると判定され、チューニングロックされ、制御部10は、この物理チャンネル「13」を記憶部18に登録する(S7)。
一方、ステップS4の判定で地上デジタル放送が存在しないと判定されたとき(S4の「NO」)、ステップS5の判定でTMCC情報が取得されていないと判定されたとき(S5の「NO」)、またはステップS6の判定でNITなどの情報が取得されていないと判定されたとき(S6の「NO」)は、測定しているタイマーの時間が設定したスキャン時間(t)より経過したか否か判断され(S8)、経過していないとき(S8の「NO」)は、ステップS4に戻り、チューニングが繰り返される。
なお、このステップS8における判断は、ステップS5の判定でTMCC情報が取得されていない場合には、ユーザが設定したスキャン時間で判断され、ステップS5の判定でTMCC情報が取得された後は、ステップS20で設定した検索優先モードのスキャン時間で判断される。
ステップS7で登録処理が完了したとき、ステップS8の判定で設定したスキャン時間(t)が経過したとき(S8の「YES」)、スキャン対象の物理チャンネルが「62」であるかどうかが判定される(S9)。ここでは物理チャンネルは「13」であるのでステップS10に進み、(S9の「NO」)、物理チャンネル番号が1増やされ(S10)、スキャン対象の物理チャンネル番号に「14」が設定される。そして、スキャン時間をステップS1で設定したスキャン時間から変更されていた場合には、ステップS1で設定したスキャン時間に戻し(S21)、ステップS3に戻る。
このステップS3からステップS10に至るまでの処理は、物理チャンネル番号が「62」になるまで繰り返される。
ステップS9において、物理チャンネルが「62」であり、全ての物理チャンネルをスキャンしたと判定されたときは(S9の「YES」)、チャンネルスキャンの処理が終了される。
上記した第2の実施形態においては、受信可能なチャンネルを漏らすことなく検索が行える。また、受信ができないと該当する放送局がある場合などには、ステップS4の判定で地上デジタル放送が存在しないと判定されるか、あるいは、ステップS5の判定でTMCC情報が取得されていないと判定され、スキャン時間が変更されないので、チャンネルスキャンに費やす時間をあまり増やすことがなく、チャンネルスキャンの検索率を向上させることができる。
次に、この発明の第3の実施形態につき、図9のフロー図に従い説明する。第3の実施形態は、受信状態の良し悪しによって、最適なスキャン時間を自動的に設定できるように構成した地上デジタル受信装置である。
図9に示すように、制御部10は、機器に初期設定されたスキャン時間またはユーザの設定動作により設定された時間(t)に従いチャンネルスキャン動作に入る。
まず、ユーザのテレビジョン受信機への操作によりチャンネルスキャンが開始されると、初期設定またはユーザが設定したスキャン時間(t秒)が制御部10内のRAMに設定される(S31)。通常は、検索率を重視することから、「3:検索率優先」モードに対応するスキャン時間が設定される。スキャン時間(t秒)を設定後、チャンネルスキャンが開始され、スキャン対象のチャンネルとして物理チャンネル番号「13」のチャンネルが選局される(S32)。
制御部10は、チューナ部12にチューニング要求を出し、初期値の物理チャンネル13に基づき、チューナ部12が選局を開始し、チューニング動作に入る。そして、スキャン時間を測定するタイマを動作させる(S33)。
物理チャンネル番号「13」のチャンネルが選局されると、その物理チャンネルの地上デジタル放送が存在するかどうか判定される(S34)。この判定は、c/n比が取得されることにより行われ、このc/n比が設定された閾値以上の場合はこの物理チャンネル「13」の地上デジタル放送が存在すると判定される(S34の「YES」)。
その後、受信した地上デジタル放送の放送信号からTMCC情報が取得されたかどうか判定される(S35)。ステップS35で取得されたと判定されたとき(S35の「YES」)は、さらにNIT情報が取得されたかどうか判定される(S36)。これらの情報も取得されたと判定されたとき(S36の「YES」)は、この物理チャンネル「13」の地上デジタル放送が受信可能であると判定され、チューニングロックされ、制御部10は、この物理チャンネル「13」を記憶部18に登録する(S37)。そして、制御部10は、チューニングがロックするまでの時間をタイマーより求め、チューニング時間が測定される(S38)。
一方、ステップS34の判定で地上デジタル放送が存在しないと判定されたとき(S34の「NO」)、ステップ35の判定でTMCC情報が取得されていないと判定されたとき(S35の「NO」)、またはステップS36の判定でNITなどの情報が取得されていないと判定されたとき(S36の「NO」)は、測定しているタイマーの時間が設定したスキャン時間(t)より経過したか否か判断され(S41)、経過していないとき(S41の「NO」)は、ステップS34に戻り、チューニングが繰り返される。
ステップS37で登録処理し、ステップS38でチューニング時間の測定が完了すると、ステップS39で測定したチューニング時間の結果と設定されているスキャン時間とが比較される。比較の結果、チューニングに要した時間がスキャン時間より小さいと判断されると(S39の「YES」)、設定したスキャン時間より早くチューニングロックできるので、設定したスキャン時間を新たな時間に変更する(S40)。この変更は、測定したチューニングロックまで要した時間に基づき、制御回路10が予め決められている複数のスキャン時間のなかから測定時間より大きく且つ測定時間に一番近い時間が選択される。例えば、第1の実施形態のように、3種類のスキャン時間が、500ms、2000ms、3000msの3つのスキャン時間が設定されているとき、測定したチューニングロックまでの時間が600msかかったとすると、2000msのスキャン時間を選択し、このスキャン時間に変更する。測定したチューニングロックまでの時間が400msかかったとすると、500msのスキャン時間を選択し、このスキャン時間に変更する。
続いて、ステップS41の判定で設定したスキャン時間(t)が経過したとき(S41の「YES」)、あるいは、ステップS40でスキャン時間を変更したとき、ステップS39において、チューニングに要した時間がスキャン時間より大きいとき(S39の「YES」)、スキャン対象の物理チャンネルが「62」であるかどうかが判定される(S42)。ここでは物理チャンネルは「13」であるのでステップS43に進み、(S42の「NO」)、物理チャンネル番号が1増やされ(S43)、スキャン対象の物理チャンネル番号に「14」が設定されてステップS33に戻る。
このステップS33からステップS43の処理は、物理チャンネル番号が「62」になるまで繰り返される。
ステップS42において物理チャンネルが「62」であり、全ての物理チャンネルをスキャンしたと判定されたときは(S42の「YES」)、チャンネルスキャンの処理が終了される。
上記のように、チャンネルスキャンを行うことによって、受信状態の良し悪しよって最適なスキャン時間を設定し、記憶部18に受信可能なチャンネルリストが作成される。
なお、上記した第3の実施形態において、スキャン時間を選択する動作を、初回のチューニング動作で算出したスキャン時間に基づいて、設定を変更し、それ以後は設定したスキャン時間を変更せずに動作を行うように構成しても良い。受信環境が変化しない場合には、1回の測定動作で適したスキャン時間を得ることができる。この場合には、制御動作を簡略化するために、1回の測定動作で適したスキャン時間を得るように構成すればよい。
また、上記した第3の実施形態においては、制御回路10が予め決められている複数のスキャン時間のなかから測定時間より大きく測定時間に一番近い時間が選択するように構成したが、制御回路10が測定時間に基づいて、その都度スキャン時間を設定するように構成しても良い。例えば、チューニングロックまでの時間が600msの場合には、700ms、チューニングロックまでの時間が400msの場合には、500msなど、スキャン時間を100ms程度、測定した時間より多くしたものをスキャン時間に設定するように構成しても良い。このように構成することで、より受信状態の良し悪しによって最適で且つスキャン時間を長くすることなく最適なスキャン時間を設定することができる。
上記した第3の実施形態においては、設定するスキャン時間を一度速い時間に設定すると、第1の実施形態と同様に、NITなどの情報が取得されるまでの間で、設定したスキャン時間(t)を経過すると、そのチャンネルは登録せずに、次のチャンネルサーチに進むことになる。そこで、第4の実施形態は、上記第2の実施形態と同様に、c/n比が設定された閾値以上で、受信した地上デジタル放送の放送信号からTMCC情報が取得された場合には、該当するチャンネルをできるだけ登録できるように構成したものである。この第4の実施形態は、c/n比が設定された閾値以上で、受信した地上デジタル放送の放送信号からTMCC情報が取得された場合には、スキャン設定時間(t)を最も長いスキャン時間に設定変更するものである。
この発明の第4の実施形態につき、図10のフロー図に従い説明する。図10に示すように、ユーザのテレビジョン受信機への操作によりチャンネルスキャンが開始されると、「2:通常」モードに対応するスキャン時間(例えば、2000ms)(t秒)が制御部10内のRAMに設定される(S31)。スキャン時間(t秒)を設定後、チャンネルスキャンが開始され、スキャン対象のチャンネルとして物理チャンネル番号「13」のチャンネルが選局される(S32)。
制御部10は、チューナ部12にチューニング要求を出し、初期値の物理チャンネル13に基づき、チューナ部12が選局を開始し、チューニング動作に入る。そして、スキャン時間を測定するタイマを動作させる(S33)。
物理チャンネル番号「13」のチャンネルが選局されると、その物理チャンネルの地上デジタル放送が存在するかどうか判定される(S34)。このc/n比が設定された閾値以上の場合はこの物理チャンネル「13」の地上デジタル放送が存在すると判定される(S34の「YES」)。
その後、受信した地上デジタル放送の放送信号からTMCC情報が取得されたかどうか判定される(S35)。ステップS35で取得されたと判定されたとき(S35の「YES」)は、ステップS31で設定されたスキャン時間(t)に関係なく、最もスキャン時間の長い、検索優先モードのスキャン時間(3000ms)に変更する(S50)。これは、c/n比が設定された閾値以上で、受信した地上デジタル放送の放送信号からTMCC情報が取得された場合には、受信可能なチャンネルである場合が多いので、NITの取得に時間を要してもチャンネル設定をすることを可能にするためである。
続いて、NIT情報が取得されたかどうか判定される(S36)。これらの情報も取得されたと判定されたとき(S36の「YES」)は、この物理チャンネル「13」の地上デジタル放送が受信可能であると判定され、チューニングロックされ、制御部10は、この物理チャンネル「13」を記憶部18に登録する(S37)。そして、制御部10は、チューニングがロックするまでの時間をタイマーより算出し、チューニング時間の測定時間を求める(S38)。
一方、ステップS34の判定で地上デジタル放送が存在しないと判定されたとき(S34の「NO」)、ステップ35の判定でTMCC情報が取得されていないと判定されたとき(S35の「NO」)、またはステップS36の判定でNITなどの情報が取得されていないと判定されたとき(S36の「NO」)は、タイマーで求めているチューニング時間がスキャン時間(t)より経過したか否か判断され(S39)、経過していないとき(S39の「NO」)は、ステップS34に戻り、チューニング動作が繰り返される。
なお、このステップS41における判断は、ステップS35の判定でTMCC情報が取得されていない場合には、設定したスキャン時間で判断され、ステップS35の判定でTMCC情報が取得された後は、ステップS50で設定した検索優先モードのスキャン時間で判断される。
ステップS37で登録処理、ステップS38でチューニング時間の算出が完了すると、ステップS39で算出したチューニング時間の結果と設定されているスキャン時間とが比較される。比較の対象となっているスキャン時間は、最も長いスキャン時間であるので、通常はチューニングに要した時間が小さいと判断される。チューニングに要した時間がスキャン時間より小さいと判断されると(S39の「YES」)、設定したスキャン時間より早くチューニングロックできるので、設定したスキャン時間を新たな時間に変更する(S40)。この変更は、測定したチューニングロックまで要した時間に基づき、制御回路10がスキャン時間を100ms程度、測定した時間より多くしたものをスキャン時間に設定し、このスキャン時間に変更する。
続いて、ステップS41の判定で設定したスキャン時間(t)が経過したとき(S41の「YES」)、あるいは、ステップS40でスキャン時間を変更したとき、ステップS39において、チューニングに要した時間がスキャン時間より大きいとき(S39の「YES」)、スキャン対象の物理チャンネルが「62」であるかどうかが判定される(S42)。ここでは物理チャンネルは「13」であるのでステップS43に進み、(S42の「NO」)、物理チャンネル番号が1増やされ(S43)、スキャン対象の物理チャンネル番号に「14」が設定されてステップS33に戻る。
このステップS33からステップS43に至るまでの処理は、物理チャンネル番号が「62」になるまで繰り返される。
ステップS42において物理チャンネルが「62」であり、全ての物理チャンネルをスキャンしたと判定されたときは(S42の「YES」)、チャンネルスキャンの処理が終了される。
上記した第4の実施形態においては、受信の良し悪しに最適なスキャン時間で且つ受信可能なチャンネルを漏らすことなく検索が行える。また、受信ができない放送局の場合などには、ステップS34の判定で地上デジタル放送が存在しないと判定されるか、あるいは、ステップS35の判定でTMCC情報が取得されていないと判定され、スキャン時間が変更されないので、チャンネルスキャンに費やす時間をあまり増やすことがなく、チャンネルスキャンの検索率を向上させることができる。
次に、この発明の第5の実施形態につき説明する。現在の周波数割り当てでは、物理チャンネル前半(13チャンネル〜30チャンネル)に周波数割り当てが集中している。逆に、後半(31チャンネル〜62チャンネル)には、周波数割り当てが殆どないのが現状である。そこで、この第5の実施形態では、周波数割り当てを考慮して、スキャン時間を設定し、ヒット率の高いチャンネルリストを作成するものである。例えば、物理チャンネル前半を「検索率優先」、物理チャンネル後半を「速さ優先」にすることにより、短時間でヒット率の高いチャンネルリストを作成することができる。
図11は、この第5の実施形態におけるスキャン時間設定を行う場合に表示画面を示す模式図である。この第5の実施形態は、物理チャンネルを予め3つのグループに分けている。第1のグループ、設定1は(13ch〜20ch)、第2のグループ、設定2は(21ch〜30ch)、第3のグループ、設定3は(31チャンネル〜62ch)である。この第5の実施形態は、これら設定されたグループを選択し、各グループにそれぞれスキャン時間を設定するものである。
次に、この第5の実施形態につき、図12及び図13のフロー図に従い説明する。
図11の設定画面に基づき、ユーザがスキャン時間を設定すべきグループ番号が押されるまで待機し、選択ボタンが押されると(S61)、押されたボタンが設定1か否か判断される(ステップS62)。設定1のボタンが押されたと判断すると(S62の「YES])、ステップS63に進み、スキャン時間設定動作に入る(S63)。スキャン時間設定動作は、上述した図4及び図5に示す動作を行うもであり、「速さ優先」、「通常」、「検索率優先」のモードに基づくスキャン時間を設定するものである。この実施形態においては、設定1のグループ(13ch〜20ch)は、周波数割り当てが集中しているので、検索率優先モードを選択し、設定1のグループはスキャン時間3000msに設定される。そして、ステップS61に戻る。
続いて、選択ボタンが押され(S61)、押されたボタンが設定2の場合には(ステップS62からステップS64に進む。そして、設定2のボタンが押されたと判断すると(S64の「YES])、ステップS63に進み、スキャン時間設定動作に入る(S63)。この実施形態においては、設定2のグループ(21ch〜30ch)も周波数割り当てが集中しているので、検索率優先モードを選択し、設定2のグループはスキャン時間3000msに設定される。そして、ステップS61に戻る。
続いて、選択ボタンが押され(S61)、押されたボタンが設定3の場合には(ステップS62、S64の「NO])、ステップS65に進む。
ステップS65では、押されたボタンが設定3か否か判断される。設定3のボタンが押されたと判断すると(S65の「YES])、ステップS63に進み、スキャン時間設定動作に入る(S63)。この実施形態においては、設定3のグループ(31ch〜62ch)は、周波数割り当てが殆どないので、速さ優先モードが選択され、設定3のグループはスキャン時間500msに設定される。そして、ステップS61に戻る。
動作終了のボタンが押されると、ステップS66まで進み、動作が終了する。
次に、この第5の実施形態におけるチャンネルスキャン動作を図13のフロー図に従い説明する。
続いて、制御部10は、図12に示す設定グループ毎に設定したスキャン時間に従いチャンネルスキャン動作に入る。
まず、ユーザのテレビジョン受信機への操作によりチャンネルスキャンが開始されると、ユーザが設定したグループ毎のスキャン時間(t秒)が制御部10内のRAMに設定される(S71)。この第5の実施形態においては、設定1及び設定2は、検索率優先モードである3000msにスキャン時間(t)が設定され、設定3は、速さ優先モードである500msにスキャン時間(t)が設定される。チャンネルスキャンが開始動作が選択されると、まず、スキャン時間(t秒)を検索優先モードの対応する3000msに設定する。その後、チャンネルスキャンが開始され、スキャン対象のチャンネルとして物理チャンネル番号「13」のチャンネルが選局される(S72)。
制御部10は、チューナ部12にチューニング要求を出し、初期値の物理チャンネル13に基づき、チューナ部12が選局を開始し、チューニング動作に入る。そして、スキャン時間を測定するタイマを動作させる(S73)。物理チャンネル番号「13」のチャンネルが選局されると、その物理チャンネルの地上デジタル放送が存在するかどうかを受信状態により判定される(S74)。この判定は、この物理チャンネルでのc/n比が取得されることにより行われ、このc/n比が設定された閾値以上の場合はこの物理チャンネル「13」の地上デジタル放送が存在すると判定される(S74の「YES」)。
その後、受信した地上デジタル放送の放送信号からTMCC情報が取得されたかどうか判定される(S75)。ステップS75で取得されたと判定されたとき(S75の「YES」)は、さらにNIT情報が取得されたかどうか判定される(S76)。これらの情報も取得されたと判定されたとき(S76の「YES」)は、この物理チャンネル「13」の地上デジタル放送が受信可能であると判定され、チューニングロックされ、制御部10は、この物理チャンネル「13」を記憶部18に登録する(S77)。
一方、ステップS74の判定で地上デジタル放送が存在しないと判定されたとき(S74の「NO」)、ステップS75の判定でTMCC情報が取得されていないと判定されたとき(S75の「NO」)、またはステップS76の判定でNITなどの情報が取得されていないと判定されたとき(S76の「NO」)は、測定しているタイマーの時間が設定したスキャン時間(t)より経過したか否か判断され(S81)、経過していないとき(S81の「NO」)は、ステップS74に戻り、チューニングがチューニングが繰り返される。
ステップS77で登録処理が完了したとき、ステップS78に進み、登録したチャンネルが設定した同じスキャン時間のグループ内の最後のチャンネルであるか否か判断する。この実施形態では、登録したグループが設定1または設定2のグループのチャンネルは検索優先モードに対応するスキャン時間であり、設定3のグループのチャンネルは速さ優先モードに対応するスキャン時間である。このため、設定グループ2の最後のチャンネルの後は、スキャン時間を変更する必要があるので、ステップS78において、同じスキャン時間のグループ内の最後のチャンネルであるか否か判断する。ここでは物理チャンネルは「13」であるのでステップS79に進み(S78の「NO」)、物理チャンネル番号が1増やされ(S79)、スキャン対象の物理チャンネル番号に「14」が設定されてステップS3に戻る。尚、チューニングロックが設定されたスキャン時間(t)まで達していないときに完了した場合には、スキャン時間(t)を経過するまで待機することなく、ステップS10において、物理チャンネル番号が直ちに1増やされる。このステップS73からステップS79の処理は、物理チャンネル番号が設定2の最後のチャンネル「30」になるまで繰り返される。
ステップS78において、同じスキャン時間のグループ内の最後のチャンネル、即ち、この実施形態においては、物理チャンネルが「30」になると(S78の「YES」)、ステップS80に進む。ステップS80では、グループ3に設定したスキャン時間である速さ優先モードのスキャン時間(500ms)にスキャン時間(t)を設定し、ステップS82に進む。
そして、スキャン対象の物理チャンネルが「62」であるかどうかが判定される(S82)。ここでは物理チャンネルは「30」であるのでステップS83に進み、(S82の「NO」)、物理チャンネルが「62」に達していない場合には、物理チャンネル番号が1増やされ(S83)、ステップS73に戻る。
物理チャンネルが設定3のグループ、物理チャンネルが「31」以降は、ステップS74の判定で地上デジタル放送が存在しないと判定されたとき、ステップS75の判定でTMCC情報が取得されていないと判定されたとき、またはステップS76の判定でNITなどの情報が取得されていないと判定されたときに、ステップS81では、測定しているタイマーの時間がステップS80で設定したスキャン時間(この実施形態では、500ms)より経過したか否か判断される。
ステップS81で経過していないと判断されると(S81の「NO」)は、ステップS74に戻り、チューニングがチューニングが繰り返される。
このステップS73からステップS83の処理は、物理チャンネル番号が「31」以降「62」になるまで繰り返される。
ステップS82において、物理チャンネルが「62」であり、全ての物理チャンネルをスキャンしたと判定されたときは(S82の「YES」)、チャンネルスキャンの処理が終了される。
上記のように、チャンネルスキャン動作を行うことによって、物理チャンネル前半を「検索率優先」、物理チャンネル後半を「速さ優先」にすることにより、短時間でヒット率の高いチャンネルリストを作成して、記憶部18に受信可能なチャンネルリストが作成される。
上記した第5の実施形態においては、物理チャンネルを予め、設定1(13ch〜20ch)、設定2(21ch〜30ch)、設定3(31チャンネル〜62ch)と、予め3つのグループに分けている。このグループはユーザにより、自由に設定することができるように構成できる。グループの設定例につき、図11、図14及び図15を参照して説明する。
図11に示す、設定1(13ch〜20ch)、設定2(21ch〜30ch)、設定3(31チャンネル〜62ch)が装置にデフォルトに設定されているとする。この設定を変更する場合を説明する。スキャン時間の変更モードを選択すると、図11に示す表示がディスプレイ31に表示される。そして、グループの設定内容を変更する場合には、変更する設定グループを選択する。設定グループを選択すると、図14に示すように、
1:「スキャン時間設定」、2:「開始チャンネル設定」、3:「終了チャンネル設定」、4:「名称変更画面表示」がディスプレイ31に表示される。
ユーザは、これらの表示からユーザが希望する動作を選択することになる。ユーザが「1」の選択ボタンを押すと、上述したように、選択した設定グループのスキャン時間設定の表示がされ(S92)、表示に従って、スキャン時間を設定することができる。
ユーザが「2」の選択ボタンを押すと、「開始チャンネル設定画面表示」される(S93)。この開始チャンネル設定とは、ユーザが選択した設定グループの開始チャンネルを変更するモードである。このモードにより、表示等の指示に従い指示動作を行うことで、ユーザは設定グループの開始チャンネルを変更することができる。
ユーザが「3」の選択ボタンを押すと、「終了チャンネル設定画面表示」される(S94)。この終了チャンネル設定とは、ユーザが選択した設定グループの終了チャンネルを変更するモードである。このモードにより、表示等の指示に従い指示動作を行うことで、ユーザは設定グループの終了チャンネルを変更することができる。
ユーザが「4」の選択ボタンを押すと、「名称変更画面表示」される(S95)。この名称変更画面設定とは、ユーザが処理した設定グループの名前を変える、例えば、設定1で選択し、内容を変更したものを「東京」などに変更し、異なった名前で設定情報を登録する場合に用いられる。
これらの各モードを用い、例えば、設定10(13ch〜31ch)、設定20(31チャンネル〜62ch)等に設定することができる。そして、これら設定したグループにそれぞれ、スキャン時間を設定することで、第5の実施形態に示す、チャンネルスキャン動作が行える。
尚、上記した実施形態においては、地上デジタル放送が存在するかどうかの判定を、受信状態のうち、c/n比が閾値以上か否かで判断しているが、誤り訂正前後のビットエラー率(BER)など他の受信状態情報を用いてもよい。
また、上記した実施形態においては、移動体に搭載するデジタル受信装置について説明したが、移動体に限らず、家庭用の地上デジタル受信装置にもこの発明は適用できる。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施の形態の説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 デジタル放送受信装置、10 制御部、11 アンテナ 12 チューナ部、13 デマルチプレックス、14 映像デコーダ、15 音声デコーダ、16 ROM、18 記憶部、30 出力装置、31 ディスプレイ、32 スピーカ、33 入力部。