JP5030805B2 - 無線通信システムおよび無線通信方法 - Google Patents

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本発明は、無線通信システムおよび無線通信方法に関し、特に、他の無線局が発信している電波を検出し、他の無線局への与干渉が発生しない周波数帯を選択し、その周波数帯を利用して通信を行う無線通信システムおよび無線通信方法に関する。
近年、無線通信サービスの急速な発展による、周波数の逼迫が問題化してきている。したがって、周波数の効率良い利用が求められている。周波数の利用効率を上げるための手段の一つとして、特許文献1の特開2006−94001号公報や特許文献1の特開2006−94002号公報に記載されているように、コグニティブ無線(cognitive radio)技術が脚光を浴びている。コグニティブ無線技術とは、無線局が周囲の通信環境を認知し、認知した通信環境に基づいて周波数や通信方式を選択し、通信を行うという技術である。
コグニティブ無線通信システムにおける無線局の動作例について次に説明する。本コグニティブ無線通信システムを構成する無線局は、周波数利用可否判定機能を有している。無線局の周波数利用可否判定機能は、利用対象の周波数帯について、ある一定期間の間、周囲の電波を受信して、周囲に存在する他の無線局が電波を発信しているか否かを判定し、他の無線局が発信する電波が存在していないと判定した周波数帯について、その周波数帯を用いて通信を行う。一方、他の無線局が発信する電波が存在していると判定した周波数帯については、通信に使用することができない周波数帯として、当該無線局は、他の周波数帯について前述のような判定処理を繰り返して、他の無線局が発信する電波が存在していない周波数帯を探索する。
しかし、他の無線局が発信する電波が存在しているか否かを判定する処理において誤判定が生じ、その周波数帯を用いて通信を行った場合は、他の無線局の通信に干渉を与える可能性がある。かくのごとき誤判定を引き起こす原因として、無線局の通信環境の影響、例えば、障害物などによって電波強度が弱くなるシャドウイングの現象や、反射波の存在により電波強度に変動が発生するフェージングの現象、あるいは、無線局内の熱雑音などが挙げられる。これらの原因により、或る周波数帯において、他の無線局が発信している受信電波強度が微弱になっている場合、他の無線局が発信する電波が存在していないものと誤って判定してしまう可能性がある。
このような課題を解決するための手段として、非特許文献1に示すA.Ghasemiらの“Collaborative Spectrum Sensing for Opportunistic Access in Fading Environments”(IEEE DySPAN 2005)に記載されている協調センシング技術が注目されている。該非特許文献1に記載の技術は、無線局の周辺に存在する複数の無線局と協調することにより、判定精度を高めることを可能とするものである。
特開2006−94001号公報 特開2006−94002号公報 A.Ghasemi etc."Collaborative Spectrum Sensing for Opportunistic Access in Fading Environments",IEEE DySPAN 2005
しかしながら、前記非特許文献1に記載される従来の協調センシング技術においては、無線局の周辺に他無線局が存在していない場合には、協調して判定を行うことができないため、判定精度を高めることができない。したがって、或る周波数帯について、他の無線局が発信している電波が存在しているにも関わらず、他の無線局が発信する電波が存在していないものと誤って判定した場合には、当該周波数帯の電波を発信している他の無線局の通信に干渉を与える可能性がある。
また、従来の協調センシング技術においては、それぞれの無線局の通信環境や、無線局に実装されている周波数利用可否判定機能の種別、検出精度などが考慮されていないため、他の無線局が発信する電波が存在するか否かの判定精度の改善が不十分であるという問題もある。したがって、この結果として、或る周波数帯について、他の無線局が発信している電波が存在しているにも関わらず、他の無線局が発信する電波が存在していないものと誤って判定してしまった場合、当該周波数帯の電波を発信している他の無線局の通信に干渉を与える可能性がある。
本発明は、かくのごとき事情に鑑みてなされたものであり、本発明が解決しようとする課題は、各無線局に備えられている複数の電波検出機能それぞれを、あるいは、周囲に存在する複数の無線局それぞれに備えられている電波検出機能それぞれを利用し、かつ、複数の電波検出機能それぞれにおける電波観測の精度および/または無線局に対する信頼性などを考慮して、総合的に、他の無線局が発信する電波が存在しているか否かを判定する仕組みを備えることにより、より判定精度の高い無線通信システムおよび無線通信方法を提供することにある。
本発明は、前述の課題を解決するために、各無線局が複数の電波検出機能を具備し、それぞれの電波検出機能における電波観測の精度などを考慮して、総合的に、他の無線局が発信している電波が存在しているか否かを判定する、あるいは、協調センシングにおいて、それぞれの無線局の通信環境や、それぞれの無線局に実装されている電波検出機能における電波観測の精度および/または無線局に対する信頼性などを考慮して、総合的に、他の無線局が発信している電波が存在しているか否かを判定する仕組みを実現していることを特徴としている。具体的には、以下のごとき各技術手段から構成されている。
第1の技術手段は、利用可能な周波数帯を検出し、検出した利用可能な周波数帯を用いて通信を行う複数の無線局からなる無線通信システムにおいて、前記無線局は、利用対象の周波数帯について、他の無線局から発信される電波が存在するか否かの判定結果を出力する電波検出部と、該電波検出部が出力した前記判定結果に、電波観測の精度を勘案してあらかじめ定めた重みにより重み付けをし、重み付けした前記判定結果を、当該無線局の通信方式に基づいて周波数の利用可否判定用としてあらかじめ設定された判定用閾値であって、当該周波数が利用可能と判定された場合に当該無線システムの通信に使用する通信方式ごとに設定された判定用閾値と比較した比較結果に基づいて、前記重み付けした判定結果が前記判定用閾値を超えていない場合に前記周波数帯が利用可能として前記周波数帯の利用可否を判定する周波数利用可否判定部と、を少なくとも備えていることを特徴とする。
の技術手段は、前記第1の技術手段に記載の無線通信システムにおいて、前記無線局は、他の無線局との間で情報を送受信する無線局間インターフェース部をさらに備え、前記周波数利用可否判定部が周波数帯の利用可否を判定する際に、自無線局の前記電波検出部の前記判定結果、および、前記無線局間インターフェース部を介して他の無線局の前記電波検出部の前記判定結果について、それぞれの無線局における電波観測の精度を勘案してあらかじめ定めた前記重みにより、それぞれ、重み付けをし、重み付けしたそれぞれの前記判定結果の加算結果に基づいて、総合的に、周波数帯の利用可否を判定することを特徴とする。
の技術手段は、前記第の技術手段に記載の無線通信システムにおいて、それぞれの無線局における前記重みが、無線局に実装されているハードウェアの特性、無線局に実装されているソフトウェアの種別、無線局の前記電波検出部に実装されている電波検出用のアルゴリズムの種別、無線局の前記電波検出部として実装されている電波検出機能の個数、無線局の稼動時間、無線局の電波検出期間、無線局が存在する位置、無線局が存在する場所の地理的要因、無線局の受信状態、信頼できる機関による無線局の承認の有無、検査の有無、無線局の改造の危険性、無線局の故障発生頻度、のうち、少なくとも一つに基づいて設定されることを特徴とする。
の技術手段は、前記第1の技術手段に記載の無線通信システムにおいて、前記無線局は、複数の前記電波検出部を備え、前記周波数利用可否判定部が周波数帯の利用可否を判定する際に、自無線局の複数の前記電波検出部それぞれの前記判定結果について、それぞれの前記電波検出部における電波観測の精度を勘案してあらかじめ定めた前記重みにより、それぞれ、重み付けをし、重み付けしたそれぞれの前記判定結果の加算結果に基づいて、総合的に、周波数帯の利用可否を判定することを特徴とする。
の技術手段は、前記第の技術手段に記載の無線通信システムにおいて、それぞれの前記電波検出部における前記重みが、前記電波検出部それぞれに実装されている電波検出用のアルゴリズムの種別、該アルゴリズムにおいて利用される情報の種別、無線局の通信環境、利用される情報を取得するために用いたハードウェアの特性、のうち、少なくとも一つに基づいて設定されることを特徴とする。
の技術手段は、前記第1ないし第の技術手段のいずれかに記載の無線通信システムにおいて、前記電波検出部が、受信電波の受信レベル、受信電波のパワースペクトル、受信電波を復調した復調信号の誤り率、受信電波を復調した復調信号に付加されている特定パタン、受信電波の周期性、のうち少なくとも一つを用いて、他の無線局から発信される電波の存在の有無を判定することを特徴とする。
第7の技術手段は、利用可能な周波数帯を検出し、検出した利用可能な周波数帯を用いて通信を行う複数の無線局からなる無線通信システムにおける無線通信方法であって、前記無線局は、利用対象の周波数帯について、他の無線局から発信される電波が存在するか否かを判定した判定結果に、電波観測の精度を勘案してあらかじめ定めた重みにより重み付けをし、重み付けした前記判定結果を、当該無線局の通信方式に基づいて周波数の利用可否判定用としてあらかじめ設定された判定用閾値であって、当該周波数が利用可能と判定された場合に当該無線システムの通信に使用する通信方式ごとに設定された判定用閾値と比較した比較結果に基づいて、前記重み付けした判定結果が前記判定用閾値を超えていない場合に前記周波数帯が利用可能として前記周波数帯の利用可否を判定することを特徴とする。
の技術手段は、前記第の技術手段に記載の無線通信方法において、前記無線局は、周波数帯の利用可否を判定する際に、自無線局の前記判定結果、および、他の無線局の前記判定結果について、それぞれの無線局における電波観測の精度および/または無線局に対する信頼性を勘案してあらかじめ定めた前記重みにより、それぞれ、重み付けをし、重み付けしたそれぞれの前記判定結果の加算結果に基づいて、総合的に、周波数帯の利用可否を判定することを特徴とする。
の技術手段は、前記第の技術手段に記載の無線通信方法において、前記無線局は、複数の電波検出部を備え、周波数帯の利用可否を判定する際に、自無線局の複数の前記電波検出部それぞれの前記判定結果について、それぞれの前記電波検出部における電波観測の精度を勘案してあらかじめ定めた前記重みにより、それぞれ、重み付けをし、重み付けしたそれぞれの前記判定結果の加算結果に基づいて、総合的に、周波数帯の利用可否を判定することを特徴とする。


本発明の無線通信システムおよび無線通信方法によれば、各無線局が複数の電波検出機能を具備し、それぞれの電波検出機能における電波観測の精度などを考慮して、総合的に、他の無線局が発信している電波が存在しているか否かを判定する、あるいは、協調センシングにおいて、それぞれの無線局の通信環境や、それぞれの無線局に実装されている電波検出機能における電波観測の精度および/または無線局に対する信頼性などを考慮して、総合的に、他の無線局が発信している電波が存在しているか否かを判定する仕組みを実現しているので、以下のごとき効果を奏することができる。
つまり、各無線局が複数の電波検出機能を具備することにより、無線局の周辺に他無線局が存在しておらず、他の無線局が発信する電波が存在しているか否かを協調して判定を行うことができない状況であっても、各無線局が具備する複数の電波検出機能それぞれにおける電波観測の精度などを考慮して、総合的に、他の無線局が発信する電波が存在しているか否かの判定を行うことによって、周波数の利用の可否に関する判定精度を改善することが可能である。したがって、他の無線局の通信への与干渉を確実に防止することが可能になる。
また、複数の無線局が協調する協調センシング技術を用いる場合においても、それぞれの無線局の通信環境や、それぞれの無線局に実装されている電波検出機能における電波観測の精度および/または無線局に対する信頼性などを考慮して、総合的に、他の無線局が発信する電波が存在しているか否かの判定を行うことによって、周波数の利用の可否に関する判定精度を改善することが可能である。したがって、他の無線局の通信への与干渉を確実に防止することが可能になる。
以下に、本発明に係る無線通信システムおよび無線通信方法の最良の実施形態について、その一例を、図面を参照しながら詳細に説明する。
(本発明の特徴)
本発明の実施形態の説明に先立って、本発明の特徴についてその概要をまず説明する。本発明は、周波数の利用効率を向上させるためのコグニティブ無線(cognitive radio)技術に適用される技術であり、無線局が空き周波数を利用して通信を行う際に、各無線局が独自に、あるいは、周辺の複数の無線局と協調して、周波数センシングを行う技術に関するものである。
つまり、周波数の利用効率を向上させるためのコグニティブ無線技術においては、無線局が周囲の通信環境を認知し、利用可能と判定した周波数を用いて通信を行うので、空き周波数の判定を誤ると、他の無線通信システムへ影響を及ぼす恐れがある。かかる空き周波数の判定を行う判定精度を向上させる技術として、周囲の無線局と協調する協調センシシグが提案されているが、前述したように、周辺に無線局が存在していない場合や、他の無線局との判定基準に差がある場合には、協調センシングの精度を向上できないという問題がある。
本発明においては、1無線局内に複数の電波検出機能を具備し、かつ、電波検出機能それぞれの判定結果を、電波観測の精度などを勘案して、統合することによって、総合的に、空き周波数の最終判定を実施することを特徴としている。あるいは、複数の無線局それぞれに具備されている電波検出機能の判定結果を、電波観測の精度および/または無線局に対する信頼性(信頼できる機関による無線局の承認の有無、故障発生頻度、他)などを勘案して、統合することによって、総合的に、空き周波数の最終判定を実施することを特徴としている。
ここで、電波観測の精度を勘案する際に、各周波数バンドの受信レベルや各周波数のパワースペクトルや受信信号の誤り率を利用することも可能である。さらに、各無線局の電波検出機能の判定結果を、電波観測の精度として測定アルゴリズムや測定時間などのパラメータに応じて重み付けすることにより、より高い判定精度を実現することも可能である。
かくのごとき本発明の特徴の概要をさらに説明すれば次の通りである。
本発明の目的とするところは、前述のように、コグニティブ無線通信において、無線局が、他の無線局から発信されている電波を精度良く検出することにあり、コグニティブ無線通信において、協調センシング動作としては、複数の無線局における電波センシング機能による判定結果(観測結果)から、あるいは、協調センシング動作を用いない場合には、1つの無線局内に具備された複数の電波センシング機能による判定結果(観測結果)から、各周波数帯の通信への利用の可否をより正確に判定することができる仕組みを提供していることに、その特徴がある。
ここで、複数の無線局における電波センシング機能による判定結果(観測結果)から周波数帯の利用の可否を判定する場合、複数の無線局における電波センシング結果に対して、電波観測の精度(すなわち周波数利用可否の判定精度)および/または無線局に対する信頼性などを勘案してあらかじめ定めた重み(ウェイト)を掛け合わせて重み付けをして加算した後、重み付け加算結果を、周波数帯の利用の可否の判定用としてあらかじめ定めた判定用閾値と比較することによって、総合的に判定することとする。
あるいは、各無線局内に具備された複数の電波センシング機能による判定結果(観測結果)から周波数帯の利用の可否を判定する場合、無線局に具備された複数の電波センシング機能による判定結果に対して、電波観測の精度(すなわち周波数利用可否の判定精度)などを勘案してあらかじめ定めた重み(ウェイト)を掛け合わせて重み付けをして加算した後、重み付け加算結果を、周波数帯の利用の可否の判定用としてあらかじめ定めた判定用閾値と比較することによって、総合的に判定することとする。
例えば、或る周波数帯mについて、無線局1,2,3それぞれにおける電波の有無に関する判定結果P,P,Pを用いて、当該周波数帯mの利用の可否を判定しようとする協調センシングを行う場合には、各無線局1,2,3それぞれに実装されている電波検出用のアルゴリズムの種別や利用する情報の種別や通信環境や故障発生頻度などに基づいて、つまり、各無線局1,2,3それぞれの電波観測の精度および/または無線局に対する信頼性などに基づいて、各無線局1,2,3の判定結果に対する重み(ウェイト)が、それぞれ、例えば1,0.8,0.6という値に重み付けされているような場合、次の通り、総合的な判定処理が実施される。
SP(m)=1・P+0.8・P+0.6・P
として重み付け加算された評価値SP(m)を、あらかじめ定めた判定用閾値と比較する。
比較結果として、
SP(m)≦判定用閾値
であれば、周波数帯mに関しては、他の無線局から発信されている電波は存在していないものと判定し、一方、
SP(m)>判定用閾値
であれば、周波数帯mに関しては、他の無線局から発信されている電波が存在しているものと判定する。
なお、判定結果の重み付けを行うための重み(ウェイト)を決定する因子としては、無線局に実装されているソフトウェア(アルゴリズム)の性能、無線局に実装されているハードウェアの性能、無線局の地理的要因(無線局の周囲の環境、無線局間の距離など)、無線局の受信状態(静止中/移動中など)、無線局に対する信頼性(故障発生頻度など)、電波センシング期間などが少なくとも含まれている。ここで、ソフトウェア(アルゴリズム)の性能は、例えば、実装されているソフトウェアのバージョンや実装されている電波検出用のアルゴリズム(種別、数)などによって特定され、ハードウェアの性能は、例えば、送信電力、アンテナ受信感度、AD/DA解像度などの装置としての特性(スペック)や電波検出用機能の実装個数や電波検出用アルゴリズムの種類、無線局の稼動年数などによって特定される。
(第1の実施形態)
まず、本発明による無線通信システムおよび無線通信方法に関する第1の実施形態について説明する。図1は、本発明による無線通信システムのシステム構成の一例を示すシステム構成図である。図1に示すシステム構成例においては、無線局1の周辺に存在する無線局を示しており、無線通信システムが、4つの無線局1,2,3,4によって構成されている例を示している。
無線局1,2,3,4間の情報の伝達は、それぞれの間を接続している信号線51,52,53,54,55,56を介して行われる。本実施形態においては、各無線局1,2,3,4において利用可否判定の対象とする周波数帯は、2.4GHz〜2.5GHz帯とする。無線局1は、利用可否判定により、前記周波数帯のうち、空き周波数帯として、他の無線局から発信される電波が存在していない10MHzの周波数帯の探索を行い、探索された空き周波数帯を通信に利用するものとする。
次に、図1の各無線局1,2,3,4のブロック構成について、図2を用いて説明する。図2は、図1に示す無線局のブロック構成の一例を示すブロック構成図であり、図1の無線局1,2,3,4のいずれも、同様の構成からなっている。図2に示すように、無線局10は、アンテナ11、無線信号処理部12、電波検出部13、無線局間インターフェース部14、周波数利用可否判定部15を少なくとも備えて構成される。
無線信号処理部12は、無線局10が通信を行う際に、送信データの変調、および、無線信号の復調を行う。また、電波検出部13は、無線局10周辺に存在する電波の検出を行う。また、無線局間インターフェース部14は、電波検出部13から出力された値(電波検出の有無を示す判定値)を、他の無線局へ伝達する。さらに、無線局間インターフェース部14は、電波検出部13から出力された値、および、他の無線局から伝達された値を周波数利用可否判定部15へ伝達する。また、周波数利用可否判定部15は、電波検出部13や他の無線局からの値(電波検出の有無を示す判定値)を、電波観測の精度および/または無線局に対する信頼性などを勘案して重み付けを施して加算した後、重み付け加算結果である評価値を用いて、他の無線局が発信する電波として周波数が使用されているか否かを判定し、当該無線局10において空き周波数帯として利用可能な周波数帯か否かを判定する。
次に、電波検出部13の内部構成について図3を用いて説明する。図3は、図2に示す電波検出部13のブロック構成の一例を示すブロック構成図である。図3に示すように、電波検出部13は、受信レベル観測部131、比較器132を少なくとも含んで構成される。受信レベル観測部131は、受信信号の受信電力レベルを観測する。比較器132は、受信レベル観測部131から伝達された受信電力レベルとあらかじめ設定されている受信レベル用閾値とを比較し、比較結果を電波検出の有無を示す判定値として出力する。
次に、受信レベル観測部131の内部構成について図4を用いて説明する。図4は、図3に示す受信レベル観測部131のブロック構成の一例を示すブロック構成図である。図4に示すように、受信レベル観測部131は、直交復調器1311、シンセサイザ1312、バンドパスフィルタ1313、パワー測定器1314を少なくとも含んで構成される。受信レベル観測部131においては、シンセサイザ1312を用いて直交復調器1311の周波数を変えて受信信号を復調し、バンドパスフィルタ1313を経由した復調信号の電力レベル(つまり電波の有無を確認する対象の周波数帯における復調信号の受信レベル)をパワー測定器1314にて測定する。
次に、図2の周波数利用可否判定部15の内部構成について図5を用いて説明する。図5は、図2に示す周波数利用可否判定部15のブロック構成の一例を示すブロック構成図である。周波数利用可否判定部15は、重み補正器151、加算器152、比較器153を少なくとも含んで構成される。重み補正器151は、入力された値(つまり電波検出の有無を示す判定値)に対して適宜にあらかじめ定めた重みを乗算する。加算器152は、重み補正器151から出力された複数の値(つまり重み付けされた判定値)を加算する。比較器153は、加算器152から出力された値(つまり重み付けされた各判定値の加算結果)と周波数帯の利用可否の判定用としてあらかじめ設定されている判定用閾値とを比較する。
以上のような構成からなる本実施形態の無線通信システムにおける処理手順について図6のフローチャートに基づいて次に説明する。図6は、本発明による無線通信システムの第1の実施形態における処理手順の一例を示すフローチャートであり、本発明による無線通信方法の一例を示している。
図6において、まず、全無線局1,2,3,4間で同期したタイマを設定した後(ステップS1)、タイマをあらかじめ定めた周期で減少させていく(ステップS2)。タイマが満了になった時点で(ステップS3のYES)、電波の利用可否を判定する処理が開始される。
タイマが満了になった時点で、各無線局1,2,3,4では、電波の受信レベルを電波検出部13にて観測する(ステップS4)。電波検出部13の受信レベル観測部131内のシンセサイザ1312の中心周波数は2.4GHz〜2.5GHz帯で任意に設定可能であり、バンドパスフィルタ1313のバンド幅は10MHzとする。つまり、ステップS4においては、周波数帯2.4GHz〜2.5GHzを10MHzの幅を有するバンドに区切って、シンセサイザ1312、バンドパスフィルタ1313の中心周波数を2.405GHzから2.495GHzまで10MHzずつ変化させて、10個の各バンドの受信レベルを測定する。
図7に示すように、周波数帯2.4GHz〜2.5GHzを10MHz毎に区切って、バンド番号1,2,…,10を割り当て、各バンド番号における受信レベルを測定する。図7は、2.4GHz〜2.5GHz帯を10MHz毎にバンド番号を割り当てた場合の説明図であり、中心周波数を2.405GHz,2.415GHz,…,2.495GHzとする10MHzのバンド幅の周波数帯がバンド番号1,2,…,10として割り当てられている。
各バンド番号1,2,…,10における受信レベルを観測した後、電波検出部13の比較器132において、観測した受信レベルとあらかじめ設定されている受信レベル用閾値とを比較する(ステップS5)。当該受信レベル用閾値は、例えば“−120dBm”と設定されている。ここで、比較器132は、観測した受信レベルが受信レベル用閾値を超えていた場合は“1”を出力し、超えていない場合は“−1”を出力する。
各バンド番号1,2,…,10の全てについて比較処理が完了していない場合は(ステップS6のno)、中心周波数を10MHzずつ変更させて(ステップS9)、ステップS4に復帰して、次のバンド番号における受信レベルの測定、受信レベル用閾値との比較処理を繰り返し、各バンド番号1,2,…,10の全てについて比較処理が完了した場合は(ステップS6のyes)、比較結果(判定結果)の値を、無線局間インターフェース部14を介して他の無線局へ伝達する(ステップS7)。
同時に、無線局間インターフェース部14において、比較結果の値を周波数利用可否判定部15へ伝達するとともに、他の無線局より伝達された比較結果の値を周波数利用可否判定部15へ伝達する。周波数利用可否判定部15は、無線局間インターフェース部14から伝達された自無線局および他無線局における比較結果の値に基づいて、総合的に、各バンド番号に該当する周波数の利用可否を判定する(ステップS8)。
周波数利用可否判定部15内の重み補正器151において、自無線局の電波検出部13および他の無線局より伝達された比較結果(判定結果)の値に対して、それぞれに対応してあらかじめ設定されている重み(ウェイト)を乗算する。ここで、それぞれの重み(ウェイト)は、各無線局における電波観測の精度および/または無線局に対する信頼性などに基づいて設定されている。本実施形態においては、各無線局に対する信頼性などは同一とし、また、各無線局における電波観測の精度は、ハードウェアの特性のみに依存し、例えば、電波検出部13内の受信レベル観測部131を構成する直交復調器1311やバンドパスフィルタ1313内に生じる雑音や誤差などに依存したり、アンテナ受信感度や送信電力などに依存したりするものとする。
また、本実施形態における電波観測の精度は、無線局1、同2、同3、同4の順に高いものと仮定し、かつ、受信信号の各バンドについて重み付けの程度は同一であるものとする。無線局1における比較結果の値に対して重み“1.0”を、また、無線局2における比較結果の値に対して重み“0.8”を、無線局3における比較結果の値に対して重み“0.6”を、無線局4における比較結果の値に対して重み“0.5”をそれぞれ乗算して、電波観測の精度に応じた重み付けを行うものとする。なお、本実施形態においては、例えば無線局の位置などによる電波観測の精度への影響は無いものと仮定する。
しかる後、加算器152において、バンド毎に重み付けされた比較結果(判定結果)の値を加算する。ここで、無線局kにおけるバンド番号mの比較結果(判定結果)の値をP(m)とすると、バンドmにおける重み付け加算後の評価値SP(m)は、式(1)によって与えられる。
SP(m)=1・P(m)+0.8・P(m)
+0.6・P(m)+0.5・P(m)…(1)
次に、周波数利用可否判定部15内の比較器153において、評価値SP(m)を、周波数の利用の可否の判定用としてあらかじめ設定されている判定用閾値と比較する。本実施形態においては、判定用闘値は、例えば“0”と設定されている。評価値SP(m)が判定用閾値“0”を超えていない場合は、他の無線局から発信されている電波は存在していないものと判定、すなわち、バンド番号mの周波数が利用可能であるものと判定し、判定用閾値“0”を超えている場合は、他の無線局から発信されている電波は存在しているものと判定、すなわち、バンド番号mの周波数は利用不可であるものと判定する。最終的に、無線局は、判定用閾値“0”を超えていなく、かつ、評価値SP(m)が最も低いバンドmの周波数を通信に利用するように動作する。
本実施形態の具体的な処理例についてさらに説明する。図8に示すように、他の無線通信システムに属し、存在場所が不明である無線局が複数存在し、任意の周波数で電波を送信している状況にあるものとする。図8は、本発明による無線通信システムの通信環境の一例を説明するためのシステム構成図であり、無線局1,2,3,4からなる本無線通信システムとは異なる他の無線通信システムに属する無線局5,6が任意の周波数の電波を発信している状況を例示している。
かくのごとき通信環境下において、無線局1が周波数の利用可否を判定し、通信に利用する周波数帯を決定しようとするものとする。本無線通信システムに属する無線局1,2,3,4においては、図6のフローチャートのステップS3においてタイマが満了になった時点で、2.4GHz〜2.5GHz帯の各バンド毎の電波の受信レベルを観測する。無線局1においては、表1に示すような受信レベルの測定結果が得られ、また、無線局2〜4において、それぞれ、表2〜表4に示すような受信レベルの測定結果が得られたものとする。
Figure 0005030805
Figure 0005030805
Figure 0005030805
Figure 0005030805
次に、これらの測定結果の値を受信レベル用閾値“−120dBm”と比較する。無線局1〜4におけるそれぞれの比較結果(判定結果)の値は表5〜8に示す通りとなる。これらの比較結果(判定結果)の値は、無線局間インターフェース部14を介して自無線局の周波数利用可否判定部15および他の無線局へ伝達される。
Figure 0005030805
Figure 0005030805
Figure 0005030805
Figure 0005030805
無線局1においては、自無線局1における電波検出部13の比較結果の値、および、無線局2〜4から伝達された比較結果の値と、各無線局1,2,3,4の重み(ウェイト)とを用いて、式(1)に基づいて、各バンド番号1,2,…,10の評価値SP(m)を次の通り算出する。
SP(1)=1・1+0.8・(−1)+0.6・1+0.5・(−1)
=0.3
SP(2)=1・1+0.8・(−1)+0.6・1+0.5・1
=1.3
SP(3)=1・(−1)+0.8・(−1)+0.6・(−1)
+0.5・1=−1.9
SP(4)=1・(−1)+0.8・(−1)+0.6・(−1)
+0.5・1=−1.9
SP(5)=1・(−1)+0.8・(−1)+0.6・(−1)
+0.5・(−1)=−2.9
SP(6)=1・1+0.8・1+0.6・(−1)+0.5・(−1)
=0.7
SP(7)=1・1+0.8・1+0.6・(−1)+0.5・(−1)
=0.7
SP(8)=1・1+0.8・1+0.6・1+0.5・1
=2.9
SP(9)=1・1+0.8・1+0.6・1+0.5・(−1)
=1.9
SP(10)=1・1+0.8・1+0.6・1+0.5・(−1)
=1.9
これらの評価値SP(m)のうち、判定用閾値“0”を超えているバンド番号1,2,6,7,8,9,10の各バンドには他の無線局の電波が存在するものと判定する。評価値SP(m)が“0”を超えていなく、かつ、評価値SP(m)が最も低い、バンド番号5の周波数帯(2.44〜2.45GHz)を通信に利用する。
以上のような総合的な判定処理を行うことにより、他の無線局が発信している電波が存在しているか否かの判定精度を高めることができ、他の無線通信システムに属する無線局へ干渉を与えることなく、無線局1は通信を行うことができる。
なお、本実施形態では、比較結果(判定結果)の値に対する重み(ウェイト)を、電波観測の精度(すなわち周波数利用可否の判定精度)を勘案して設定する場合の一例として、ハードウェァの特性、例えば、電波検出部13内の受信レベル観測部131を構成する直交復調器1311やバンドパスフィルタ1313内に生じる雑音や誤差、アンテナ受信感度、送信電力などに基づいて設定する例を示したが、電波観測の精度(すなわち周波数利用可否の判定精度)を勘案した他の項目に基づいて重み(ウェイト)を設定しても良い。比較結果(判定結果)の値の重み付けを行う重み(ウェイト)を決定する他の設定例について、以下に例示する。
(1)電波検出期間
各無線局内の電波検出機能である電波検出部13において、電波検出を行う期間が長いほど、電波観測の精度が高いものとみなし、電波検出期間が長い無線局の判定結果の値に対する重みを大きくする。
(2)電波検出部13に実装されている電波検出用のアルゴリズムの種別(例えば電波検出用アルゴリズムのバージョン)
各無線局内の電波検出機能として電波検出部13に実装されている電波検出用のアルゴリズムの種別例えばバージョンが新しいほど、電波観測の精度が高いものとみなし、種別例えばバージョンが新しい電波検出機能を実装する無線局の判定結果の値に対する重みを大きくする。
(3)無線局に実装されているソフトウェア(アルゴリズム)の種別
各無線局内の電波検出機能として実装されているソフトウェア(アルゴリズム)に関して、ソフトウェア(アルゴリズム)の性能が高い種別を実装しているほど、電波観測の精度が高いものとみなし、性能が高い種別のソフトウェア(アルゴリズム)を実装する無線局の判定結果の値に対する重みを大きくする。
(4)無線局に実装されている電波検出機能の個数
各無線局内の電波検出部13に実装されている電波検出機能の個数が多いほど、電波観測の精度が高いものとみなし、個数が多い電波検出機能を実装している無線局の判定結果の値に対する重みを大きくする。
(5)無線局の稼動時間
無線局の稼動開始が古く、稼働時間が長いほど、電波観測の精度が低いものとみなし、稼働時間が長い無線局の判定結果の値に対する重みを小さくする。
(6)無線局が存在する位置
周波数利用可否の判定を行う無線局からの距離が近い無線局ほど、電波観測の精度が高いものとみなし、周波数利用可否の判定を行う無線局の近傍に位置する無線局の判定結果の値に対する重みを大きくする。
(7)無線局が存在する場所の地理的要因
地理的要因とは、各無線局の設置場所として電波観測の精度に影響を及ぼす要因を示すものであり、例えば、無線局周囲に障害物(周囲が山に囲まれている地形も含む)が存在している場合には、電波観測の精度が低いものとみなし、あるいは、無線局の設置高度が低いほど、電波観測の精度が低いものとみなし、その無線局の判定結果の値に対する重みを小さくする。
(8)無線局の受信状態
受信状態とは、無線局が静止状態にあるか、または、移動中の状態にあるか、移動中の状態の場合、どの程度の移動速度で移動しているか、あるいは、受信環境としてフェージングが発生しているか、など、電波観測の精度に及ぼす要因を示すものであり、例えば、高速に移動している無線局ほど、電波検出結果の変化が大きいため、電波観測の精度が低いものとみなし、移動速度が速い無線局の判定結果の値に対する重みを小さくする。
(9)無線局に対する信頼性
信頼性とは、各無線局の技術的な正確さや正常運転の可能性の程度を示すものであり、例えば、信頼できる機関による無線局の承認の有無、検査の有無、無線局の改造の危険性、無線局の故障発生頻度などが挙げられる。無線局の信頼性が高いほど、電波観測の精度が高いものとみなし、信頼性が高い無線局に対する重みを大きくする。
なお、本実施形態においては、無線局間インターフェース部14による無線局1,2,3,4間の情報伝達用として、信号線51,52,53,54,55,56を通して行う例を示したが、有線の信号線を用いる代わりに、無線伝送を用いるようにしても良い。また、無線通信システムを構成する無線局の局数についても、4つの無線局に限るものではなく、任意の局数の無線局から構成されていてももちろん構わない。
(第2の実施形態)
次に、本発明による無線通信システムおよび無線通信方法に関する第2の実施形態について説明する。本実施形態における無線通信システムは、第1の実施形態の場合とは異なり、各無線局に優先順位を設け、無線局が無線通信を行う際に、該優先順位に応じて、通信に用いる周波数の利用可否を判定する動作を実施するか否かを決定する場合を示している。
本実施形態においても、利用可否判定の対象とする周波数帯は、第1の実施形態の場合と同様、2.4GHz〜2.5GHz帯とし、バンド幅10MHzを単位に分割して利用されるものとする。例えば、この2.4GHz〜2.5GHzの周波数帯を利用することが可能な2つの無線局が存在している場合、一方の無線局は、周波数利用における優先度が高い一次無線局(Primary Station:以下、一次無線局PSと称する)とし、他方の無線局は優先度が低い二次無線局(Secondary Station:以下、二次無線局SSと称する)とする。
一次無線局PSは、無線通信を行う際に、周波数の利用可否の判定処理を行わずに、2.4GHz〜2.5GHz内のいずれの周波数帯(10MHz)であっても、通信に利用することが可能である。これに対して、二次無線局SSは、一次無線局PSに対して可能な限り干渉を与えることが無いように、周期的に、あるいは、無線通信の開始時に、周波数の利用可否の判定処理を行い、一次無線局PSが使用していない周波数帯のみを、利用可能な周波数帯として通信に利用することができる。ここで、一次無線局PS、二次無線局SSは、いずれも、前述のように、2.4GHz〜2.5GHz帯のうち、バンド幅10MHzの周波数帯を通信に利用するものとする。
なお、二次無線局SSにおいては、通信を行う際、誤り率の測定のために、通信データのパケットまたはフレーム毎にCRC(Cyclic Redundancy Check)用の冗長ビットを付加して通信を行うものとする。
以下に、二次無線局SSにおける周波数利用可否判定動作について、さらに説明する。なお、一次無線局PSのブロック構成は、第1の実施形態の場合の図1のような電波検出部13や周波数利用可否判定部15を備える必要はなく、使用しようとする任意の周波数帯を用いて通信を行うことができる。あるいは、無線局間インターフェース部14を介して周辺の他の一次無線局PSが使用している周波数帯を受け取って、他の一次無線局PSが現在使用していない空き周波数帯のみを管理し、通信を行う際に、現在空き状態にある周波数帯の中のいずれかの周波数帯を通信に利用するように構成しても良い。
まず、二次無線局SSのブロック構成について、図9を用いて説明する。図9は、二次無線局SSのブロック構成の一例を示すブロック構成図である。図9に示すように、二次無線局SSつまり二次無線局10Sは、アンテナ11、無線信号処理部12S、第1の電波検出部13A、第2の電波検出部13B、第3の電波検出部13C、周波数利用可否判定部15を少なくとも備えて構成される。つまり、二次無線局10Sは、例えば、第1の電波検出部13A、第2の電波検出部13B、第3の電波検出部13Cのように、当該二次無線局10S周辺の電波を検出する機能として複数種類の電波検出機能を備えている。
なお、無線局間インターフェース部14を備えていない構成を示しているが、場合によっては、二次無線局10Sにも、無線局間インターフェース部14を備え、第1の電波検出部13A、第2の電波検出部13B、第3の電波検出部13Cから出力された値を、他の二次無線局SSへ伝達するようにしても良い。
無線信号処理部12Sは、第1の実施形態の図2の無線信号処理部12と同様、二次無線局10Sが通信を行う際に、送信データの変調、および、無線信号の復調を行うが、さらに、二次無線局10Sの場合、送信データにはCRC符号を付与し、受信データについては、復調後の信号のCRC演算を行い、誤り率を測定する。
また、第1の電波検出部13Aは、第1の実施形態の図3、図4と同様の構成によって、二次無線局10S周辺に存在する電波の検出を行う。
また、第2の電波検出部13Bは、第1の電波検出部13Aとは異なる構成からなっており、その内部構成について図10を用いて説明する。図10は、図9に示す第2の電波検出部13Bのブロック構成の一例を示すブロック構成図である。図10に示すように、第2の電波検出部13Bは、直交復調器1311、シンセサイザ1312、A/D変換器1315、フーリエ変換器1316、二乗演算器1317、比較器132Bを少なくとも含んで構成される。
第2の電波検出部13Bにおいては、シンセサイザ1312を用いて直交復調器1311の周波数を順次変えて復調した受信信号をA/D変換器1315にてデジタル信号に変換し、さらに、フーリエ変換器1316にてフーリエ変換した値を二乗演算器1317にて二乗演算して各周波数のパワースペクトルを算出する。しかる後、比較器132Bにて、二乗演算器1317から伝達された各周波数のパワースペクトルとあらかじめ設定されている受信電力用閾値とを比較し、比較結果を電波検出用の判定結果として出力する。
また、第3の電波検出部13Cは、第1の電波検出部13A、第2の電波検出部13Bのいずれとも異なる構成からなっており、その内部構成について図11を用いて説明する。図11は、図9に示す第3の電波検出部13Cのブロック構成の一例を示すブロック構成図である。図11に示すように、第2の電波検出部13Bは、比較器132Cを少なくとも含んで構成されており、あらかじめ定めた周期毎に観測された受信信号の誤り率とあらかじめ設定されている誤り率用閾値とを比較した結果を、電波検出用の判定結果として出力する。
なお、周波数利用可否判定部15の内部構成は、第1の実施形態の図5と同様の構成であり、他の無線局が発信する電波として各周波数が使用されているか否かを判定し、当該二次無線局10Sにおいて空き周波数帯として利用可能な周波数帯か否かを判定する。
以上のような構成からなる本実施形態の無線通信システムにおける二次無線局SSつまり二次無線局10Sの処理手順を図12のフローチャートに基づいて次に説明する。図12は、本発明による無線通信システムの第2の実施形態における処理手順の一例を示すフローチャートであり、本発明による無線通信方法の図6とは異なる例として、二次無線局10Sにおける無線通信方法を示している。
図12において、まず、二次無線局10S内でタイマを設定した後(ステップS11)、タイマをあらかじめ定めた周期で減少させていく(ステップS12)。タイマが満了になった時点で(ステップS13のYES)、当該二次無線局10Sにおいて、電波の利用可否を判定する処理が開始される。
タイマが満了になった時点で、二次無線局10Sが備えている複数の電波検出機能つまり第1の電波検出部13A、第2の電波検出部13B、第3の電波検出部13Cを用いて、それぞれ、電波の受信レベルを観測する(ステップS14)。 第1の電波検出部13Aは、第1の実施形態と同様の電波検出機能を備えており、周波数帯2.4GHz〜2.5GHzを10MHzの幅を有するバンドに区切って、シンセサイザ1312、バンドパスフィルタ1313の中心周波数を2.405GHzから2.495GHzまで10MHzずつ変化させて、10個の各バンドの受信レベルを、あるいは、現在通信中の状態にある場合には、現在利用中のバンド番号の周波数帯の受信レベルを測定する。測定された受信レベルは、比較器132においてあらかじめ設定されている受信レベル用閾値と比較され、該受信レベル用閾値を超えていた場合は“1”を出力し、超えていない場合は“0”を出力する。なお、本実施形態においては、該受信レベル用閾値は、第1の実施形態の場合とは異なり、例えば、“−100dBm”と設定されている。
また、第2の電波検出部13Bにおいては、二次無線局10Sが利用しようとする周波数帯あるいは現在利用中の周波数帯に存在する受信信号について、前述したように、周波数変換によりベースバンド信号に変換した後、FFT(Fast Fourier Transform)演算、および、二乗演算によって、各周波数のパワースペクトルを算出する。しかる後、各周波数のパワースペクトルと受信電力用閾値とを比較器132Bにて比較し、いずれかの周波数のパワースペクトルが該受信電力用閾値を超えていた場合は“1”を出力し、図13のように、全ての周波数において該受信電力用閾値を超えていない場合は“0”を出力する。図13は、図9に示す第2の電波検出部13Bに入力される受信信号のパワースペクトルの一例を示す特性図であり、全ての周波数において受信電力用閾値を超えていない場合の例を示している。
また、第3の電波検出部13Cにおいては、通常のアプリケーション通信における受信信号の誤り率を観測する。誤り率は、無線信号処理部12Sにおいて受信信号を復調した復調データに関するCRC演算を行うことにより、導出される。導出された誤り率は、比較器132Cにてあらかじめ設定されている誤り率用閾値と比較され、誤り率用閾値を超えた場合には“1”を出力し、超えていない場合には“0”を出力する。なお、本実施形態においては、該誤り率用閾値は例えば“10%”と設定されている。
複数の電波検出機能つまり第1の電波検出部13A、第2の電波検出部13B、第3の電波検出部13Cそれぞれにおける比較結果(判定結果)の値は、周波数利用可否判定部15に伝達される(ステップS15)。
複数の電波検出機能から出力されてくる比較結果(判定結果)を受け取った周波数利用可否判定部15は、複数の電波検出機能つまり第1の電波検出部13A、第2の電波検出部13B、第3の電波検出部13Cからそれぞれ出力される比較結果(判定結果)の値に基づいて、総合的に、周波数の利用可否を判定する(ステップS16)。図5に示す周波数利用可否判定部15内の重み補正器151において、第1〜第3の電波検出部13A〜13Cから伝達された比較結果(判定結果)の値に対して、それぞれに対応してあらかじめ設定されている重み(ウェイト)を乗算する。
ここで、それぞれの重み(ウェイト)は、第1〜第3の電波検出部13A〜13Cそれぞれにおける電波観測の精度などに基づいて設定されている。本実施形態においては、電波観測の精度は、第1〜第3の電波検出部13A〜13Cそれぞれに実装されている電波検出用のアルゴリズム種別、各アルゴリズムにおいて利用される情報の種別に依存するものとする。
また、本実施形態においては、第1〜第3の電波検出部13A〜13Cそれぞれにおける電波観測の精度は、第2の電波検出部13B、第1の電波検出部13A、第3の電波検出部13Cの順に高いものと仮定し、第1の電波検出部13Aにおける比較結果(判定結果)の値に対しては重み“0.7”を、第2の電波検出部13Bにおける比較結果(判定結果)の値に対しては重み“0.8”を、第3の電波検出部13Cにおける比較結果(判定結果)の値に対しては重み“0.5”をそれぞれ乗算して、電波観測の精度に応じた重み付けを行うものとする。
重み補正器151において、第1〜第3の電波検出部13A〜13Cそれぞれの比較結果(判定結果)の値に重み付けをした後、加算器152において、重み付けされたそれぞれの比較結果(判定結果)の値を加算する。ここで、第1の電波検出部13A、第2の電波検出部13B、第3の電波検出部13Cそれぞれより出力された比較結果(判定結果)の値をP,P,Pとすると、加算器152において加算された後のバンド番号mの重み付け加算後の評価値SP(m)は、式(2)によって与えられる。
SP(m)=0.7・P+0.8・P+0.5・P …(2)
次に、比較器153において、評価値SP(m)を、周波数の利用の可否の判定用としてあらかじめ設定されている判定用閾値と比較する(ステップS17)。本実施形態においては、判定用閾値は、例えば“1.0”と設定されている。評価値SP(m)が判定用閾値“1.0”を超えていた場合は、他の無線局から発信されている電波は存在するものと判定、すなわち、バンド番号mの周波数は利用不可であるものと判定し、判定用閾値“1.0”を超えていない場合は、他の無線局から発信されている電波は存在しないものと判定、すなわち、バンド番号mの周波数が利用可能であるものと判定する。
他の無線局から発信されている電波は存在しないものと判定した場合(ステップS17のyes)、二次無線局10Sが当該バンド番号mの周波数帯を利用して通信中の状態であったとしても、そのまま、通信を継続することができる。一方、電波が存在すると判定し、バンド番号mの周波数は利用不可であるものと判定した場合は(ステップS17のno)、一次無線局PSが対象の周波数帯つまりバンド番号mの周波数帯を利用している可能性がある。利用不可と判定した場合、二次無線局10Sが当該バンド番号mの周波数帯を利用して通信中の状態にあった場合には、一次無線局PSへ干渉を与える可能性があるため、二次無線局10Sは、バンド番号mの周波数帯を利用した通信を停止して(ステップS18)、バンド番号mの周波数帯を他のバンド番号の周波数帯へ変更する(ステップS19)。
本実施形態の具体的な処理例についてさらに説明する。ここでは、二次無線局10Sは、中心周波数2.405GHzでバンド幅10MHzの2.40〜2.41GHz(図7におけるバンド番号1)を用いて通信を行っているものとし、現在利用中の該バンド番号1の周波数帯の利用の可否を判定する処理例について説明する。さらに、この時、誤り率7%が観測されているものとする。図12のフローチャートのステップS13においてタイマが満了になった時点で、二次無線局10Sは、アプリケーション通信を一旦止めて、現在利用中の周波数の利用可否判定処理を行う。
この時、バンド番号1の受信レベルが“−96dBm”と、第1の電波検出部13Aにおける受信レベル用閾値“−100dBm”を超えており、また、図14のようなパワースペクトルが観測されたものとする。図14は、図9に示す第2の電波検出部13Bに入力される受信信号のパワースペクトルの図13とは異なる例を示す特性図であり、受信信号のパワースペクトルとして、高い周波数領域のパワースペクトルが、第2の電波検出部13Bにおける受信電力用閾値を超えている場合を示している。一方、観測されている誤り率は、前述のように、7%であり、第3の電波検出部13Cにおける誤り率用閾値“10%”よりも低い発生率である。
したがって、第1の電波検出部13Aから出力される比較結果(判定結果)の値として“1”が、第2の電波検出部13Bから出力される比較結果(判定結果)の値として“1”が、第3の電波検出部13Cから出力される比較結果(判定結果)の値として“0”がそれぞれ出力される。周波数利用可否判定部15は、第1の電波検出部13A、第2の電波検出部13B、第3の電波検出部13Cそれぞれより出力された比較結果(判定結果)の値に基づいて、式(2)を用いて、バンド番号1の評価値SP(1)を算出する。
SP(1)=0.7・1+0.8・1+0.5・0=1.5
評価値SP(1)は、判定用閾値“1.0”を超えているため、他の無線局つまり一次無線局PSが使用している電波が存在するものと判定し、バンド番号1の周波数帯を利用する通信を停止する。二次無線局10Sにおいて、停止した通信を再開するためには、他の無線局つまり一次無線局PSが発信している電波が存在していない周波数を探索することが必要である。
以上のような総合的な判定処理を行うことにより、つまり、無線局単独で複数の電波検出手段を備えて、当該無線局の複数の電波検出手段それぞれから出力される比較結果(判定結果)の値について、電波観測の精度に応じて重み付け加算した結果を、電波の有無の判定用として用いることにより、他の無線局との協調動作を行わなくても、他の無線局が発信している電波が存在しているか否かの判定精度を高めることができ、他の無線通信システムに属する無線局へ干渉を与えることなく、無線局は通信を行うことができる。
なお、本実施形態の第1の電波検出部13A、第2の電波検出部13B、第3の電波検出部13Cのような電波の検出方法の他に、例えば、受信信号に付加されている特定パタンや、受信信号の周期性などを利用して、他の無線局つまり一次無線局PSが発信している電波を検出するという手法を用いるようにしても良い。
また、本実施形態においては、電波観測の精度(すなわち周波数利用可否の判定精度)を勘案して設定する場合の一例として、第1の電波検出部13A、第2の電波検出部13B、第3の電波検出部13Cそれぞれに実装されている電波検出用のアルゴリズムの種別、各アルゴリズムにおいて利用される情報の種別に基づいて、判定結果(比較結果)の値に対する重み(ウェイト)を設定する例を示したが、電波観測の精度(すなわち周波数利用可否の判定精度)を勘案した他の項目に基づいて重み(ウェイト)を設定しても良い。比較結果(判定結果)の値の重み付けを行う重み(ウェイト)を決定する他の設定例について、以下に例示する。
(1)無線局の通信環境
無線局の移動/静止状態やフェージング・シャドウイング環境の有無などの通信環境に対して、電波検出機能の性能に応じた重み(ウェイト)を設定する。
(2)無線局のハードウェアの特性
利用される情報を取得するために用いたハードウェアの特性に応じて、各無線局における電波観測結果に対する重み(ウェイト)を設定する。
(第3の実施形態)
次に、本発明による無線通信システムおよび無線通信方法に関する第3の実施形態について説明する。本実施形態における無線通信システムのシステム構成は、第1の実施形態の図1の場合と同様であり、無線局1の周辺に存在する無線局を示しており、無線通信システムは、4つの無線局1,2,3,4によって構成されている例を示している。
無線局1,2,3,4間の情報の伝達は、第1の実施形態の場合と同様、それぞれの間を接続している信号線51,52,53,54,55,56を介して行われる。本実施形態においては、各無線局1,2,3,4において利用可否判定の対象とする周波数帯についても、第1、第2の実施形態の場合と同様、2.4GHz〜2.5GHz帯とし、中心周波数2.405GHz〜2.495GHzでバンド幅10MHzの10個の周波数帯のいずれかを利用して通信を行うものとする。
また、本実施形態においては、無線局1および無線局2が、2.4GHz〜2.5GHzの周波数帯のうち、周波数利用可否判定により、他の無線局が発信する電波が存在していない10MHzの周波数帯を空き周波数帯として探索し、探索した空き周波数帯を通信に利用しようとしているものとする。ただし、無線局1に比べて、無線局2は送信電力値が低いため、無線局1に比べ、無線局2は周波数利用の条件は緩和されているものとする。
無線局1および無線局2の内部構成は、第1の実施形態の図2〜図5と同様であり、また、無線局1および無線局2における周波数利用可否に関する処理手順も、第1の実施形態の図6のフローチャートと同じ処理手順である。また、電波検出部13内の比較器132における受信レベル用閾値についても、第1の実施形態と同様、“−120dBm”と設定されているものとする。
ただし、本実施形態における電波観測の精度は、第1の実施形態の場合とは異なり、電波検出期間に依存するものとするが、例えば無線局の位置などによる電波観測の精度への影響は無いものと仮定する。
ここで、本実施形態においても、電波観測の精度は、第1の実施形態の場合と同様、無線局1、無線局2、無線局3、無線局4の順に高いものとし、かつ、受信信号の各バンドで同一の重み付けであるものと仮定する。したがって、周波数利用可否判定部15内の重み補正器151における重み(ウェイト)は、電波観測の精度の高い順に設定されるので、無線局1における比較結果(判定結果)の値に対しては重み“1.0”を、無線局2における比較結果(判定結果)の値に対しては重み“0.8”を、無線局3における比較結果(判定結果)の値に対しては重み“0.6”を、無線局4における比較結果(判定結果)の値に対しては重み“0.5”を乗算する。
しかる後、加算器152において、バンド毎に重み付けされた比較結果(判定結果)の値を加算する。ここで、無線局kにおけるバンド番号mの比較結果(判定結果)の値をP(m)とすると、バンドmにおける加算後の評価値SP(m)は、第1の実施形態の式(1)と同様、式(3)によって与えられる。
SP(m)=1・P(m)+0.8・P(m)
+0.6・P(m)+0.5・P(m)…(3)
次に、周波数利用可否判定部15内の比較器153において、評価値SP(m)を、周波数の利用の可否の判定用としてあらかじめ設定されている判定用閾値と比較する。本実施形態においては、判定用闘値は、送信電力値に基づいて設定されており、例えば、送信電力値が高い無線局1では“−0.5”と設定され、送信電力値が低い無線局2では“0.5”と設定されている。
ここで、空き周波数帯を利用して通信しようとしている無線局1および無線局2においては、第1の実施形態と同様、評価値SP(m)がそれぞれの無線局用の判定用閾値を超えていない場合は、他の無線局から発信されている電波は存在していないものと判定、すなわち、バンド番号mの周波数が利用可能であるものと判定し、それぞれの無線局用の判定用閾値を超えている場合は、他の無線局から発信されている電波は存在しているものと判定、すなわち、バンド番号mの周波数は利用不可であるものと判定する。最終的に、無線局1および無線局2は、それぞれの無線局用の判定用閾値を超えていなく、かつ、評価値SP(m)が最も低いバンドmの周波数を通信に利用するように動作する。
本実施形態の具体的な処理例についてさらに説明する。第1の実施形態の場合と同様、図8に示すように、他の無線通信システムに属し、存在場所が不明である無線局が複数存在し、任意の周波数で電波を送信している状況にあるものとする。つまり、無線局1,2,3,4からなる本無線通信システムとは異なる他の無線通信システムに属する無線局5,6が任意の周波数の電波を発信している状況を例示している。
かくのごとき通信環境下において、無線局1および無線局2は、周波数の利用可否を判定し、通信に利用する周波数帯を決定しようとするものとする。本無線通信システムに属する無線局1,2,3,4においては、図6のフローチャートのステップS3においてタイマが満了になった時点で、2.4GHz〜2.5GHz帯の各バンド毎の電波の受信レベルを観測する。無線局1〜4においては、それぞれ、表9〜表12に示すような受信レベルの測定結果が得られたものとする。
Figure 0005030805
Figure 0005030805
Figure 0005030805
Figure 0005030805
次に、これらの測定結果の値を受信レベル用閾値“−120dBm”と比較する。無線局1〜4におけるそれぞれの比較結果(判定結果)の値は表13〜16に示す通りとなる。これらの比較結果(判定結果)の値は、無線局間インターフェース部14を介して自無線局の周波数利用可否判定部15および他の無線局へ伝達される。
Figure 0005030805
Figure 0005030805
Figure 0005030805
Figure 0005030805
無線局1においては、自無線局1における電波検出部13の比較結果の値、および、無線局2〜4から伝達された比較結果の値と、各無線局1,2,3,4の重み(ウェイト)とを用いて、式(3)に基づいて、各バンド番号1,2,…,10の評価値SP(m)を次の通り算出する。
SP(1)=1・1+0.8・(−1)+0.6・1+0.5・(−1)
=0.3
SP(2)=1・1+0.8・(−1)+0.6・1+0.5・1
=1.3
SP(3)=1・(−1)+0.8・1+0.6・(−1)+0.5・1
=−0.3
SP(4)=1・(−1)+0.8・1+0.6・1+0.5・(−1)
=−0.1
SP(5)=1・1+0.8・1+0.6・(−1)+0.5・(−1)
=0.7
SP(6)=1・1+0.8・1+0.6・(−1)+0.5・(−1)
=0.7
SP(7)=1・1+0.8・1+0.6・(−1)+0.5・(−1)
=0.7
SP(8)=1・1+0.8・1+0.6・1+0.5・1
=2.9
SP(9)=1・1+0.8・1+0.6・1+0.5・(−1)
=1.9
SP(10)=1・1+0.8・1+0.6・1+0.5・(−1)
=1.9
これらの評価値SP(m)は、全て、無線局1における判定用閾値“−0.5”を超えているため、全てのバンドに亘って、他の無線局が発信する電波が存在するものと判定する。したがって、無線局1は、2.4GHz〜2.5GHzの周波数では通信を行うことができない。
一方、無線局2においても、自無線局2における電波検出部13の比較結果の値、および、無線局1,3,4から伝達された比較結果の値と、各無線局1,2,3,4の重み(ウェイト)とを用いて、式(3)に基づいて、各バンド番号1,2,…,10の評価値SP(m)を算出する。各バンド番号1,2,…,10の評価値SP(m)を算出結果は、前述の無線局1の場合と全く同様の評価値になる。
送信電力値が低い無線局2においては、判定用閾値は、前述のように、“0.5”に設定されており、無線局1における判定用閾値“0.5”を超えているバンド番号2,5,6,7,8,9,10の各バンドには他の無線局の電波が存在するものと判定する。評価値SP(m)が判定用閾値“0.5”を超えていなく、かつ、評価値SP(m)が最も低い、バンド番号3の周波数帯(2.42〜2.43GHz)を通信に利用する。
以上のような総合的な判定処理を行うことにより、他の無線局が発信している電波が存在しているか否かの判定精度を高めることができるとともに、各無線局が送信する送信電力値に応じて、通信に利用可能か否かを判定する判定用閾値を調整することによって、他の無線通信システムに属する無線局へ干渉を与えることがないように、送信電力値が高い無線局1は通信を行わないという決定を行う一方、送信電力値が低い無線局2は通信を行うことができる。
なお、本実施形態では、周波数利用可否判定部15内の比較器153における判定用閾値を、送信電力値に基づいて設定する例を示したが、他の項目に基づいて判定用閾値を設定しても良い。比較器153における判定用閾値を決定する他の設定例について、以下に例示する。
(1)無線局の通信方式
スペクトル拡散方式など、与干渉の可能性が低い通信方式を利用している場合は、周波数利用可否の条件を緩和することができるので、与干渉の可能性が低い通信方式を利用する無線局における判定用閾値を高く設定することが可能になる。
(2)無線局(無線通信システム)間における優先度
無線局の周波数利用に関して、無線局間に優先度があらかじめ設定されている場合は、優先度が高い無線局の周波数利用可否の条件を緩和することができるので、優先度が高い無線局における閾値を高く設定することが可能になる。
なお、本実施形態においても、無線局間インターフェース部14による無線局1,2,3,4間の情報伝達用として、図1の信号線51,52,53,54,55,56を通して行う例を示したが、有線の信号線を用いる代わりに、無線伝送を用いるようにしても良い。また、無線通信システムを構成する無線局の局数についても、4つの無線局に限るものではなく、任意の局数の無線局から構成されていてももちろん構わない。
本発明による無線通信システムのシステム構成の一例を示すシステム構成図である。 図1に示す無線局のブロック構成の一例を示すブロック構成図である。 図2に示す電波検出部のブロック構成の一例を示すブロック構成図である。 図3に示す受信レベル観測部のブロック構成の一例を示すブロック構成図である。 図2に示す周波数利用可否判定部のブロック構成の一例を示すブロック構成図である。 本発明による無線通信システムの第1の実施形態における処理手順の一例を示すフローチャートである。 2.4GHz〜2.5GHz帯を10MHz毎にバンド番号を割り当てた場合の説明図である。 本発明による無線通信システムの通信環境の一例を説明するためのシステム構成図である。 二次無線局のブロック構成の一例を示すブロック構成図である。 図9に示す第2の電波検出部のブロック構成の一例を示すブロック構成図である。 図9に示す第3の電波検出部のブロック構成の一例を示すブロック構成図である。 本発明による無線通信システムの第2の実施形態における処理手順の一例を示すフローチャートである。 図9に示す第2の電波検出部に入力される受信信号のパワースペクトルの一例を示す特性図である。 図9に示す第2の電波検出部に入力される受信信号のパワースペクトルの図13とは異なる例を示す特性図である。
符号の説明
1,2,3,4…無線局、10…無線局、10S…二次無線局、11…アンテナ、12,12S…無線信号処理部、13…電波検出部、13A…第1の電波検出部、13B…第2の電波検出部、13C…第3の電波検出部、14…無線局間インターフェース部、15…周波数利用可否判定部、51,52,53,54,55,56…信号線、131…受信レベル観測部、132,132B,132C…比較器、151…重み補正器、152…加算器、153…比較器、1311…直交復調器、1312…シンセサイザ、1313…バンドパスフィルタ、1314…パワー測定器、1315…A/D変換器、1316…フーリエ変換器、1317…二乗演算器。

Claims (9)

  1. 利用可能な周波数帯を検出し、検出した利用可能な周波数帯を用いて通信を行う複数の無線局からなる無線通信システムにおいて、前記無線局は、利用対象の周波数帯について、他の無線局から発信される電波が存在するか否かの判定結果を出力する電波検出部と、該電波検出部が出力した前記判定結果に、電波観測の精度を勘案してあらかじめ定めた重みにより重み付けをし、重み付けした前記判定結果を、当該無線局の通信方式に基づいて周波数の利用可否判定用としてあらかじめ設定された判定用閾値であって、当該周波数が利用可能と判定された場合に当該無線システムの通信に使用する通信方式ごとに設定された判定用閾値と比較した比較結果に基づいて、前記重み付けした判定結果が前記判定用閾値を超えていない場合に前記周波数帯が利用可能として前記周波数帯の利用可否を判定する周波数利用可否判定部と、を少なくとも備えていることを特徴とする無線通信システム。
  2. 請求項1に記載の無線通信システムにおいて、前記無線局は、他の無線局との間で情報を送受信する無線局間インターフェース部をさらに備え、前記周波数利用可否判定部が周波数帯の利用可否を判定する際に、自無線局の前記電波検出部の前記判定結果、および、前記無線局間インターフェース部を介して他の無線局の前記電波検出部の前記判定結果について、それぞれの無線局における電波観測の精度を勘案してあらかじめ定めた前記重みにより、それぞれ、重み付けをし、重み付けしたそれぞれの前記判定結果の加算結果に基づいて、総合的に、周波数帯の利用可否を判定することを特徴とする無線通信システム。
  3. 請求項に記載の無線通信システムにおいて、それぞれの無線局における前記重みが、無線局に実装されているハードウェアの特性、無線局に実装されているソフトウェアの種別、無線局の前記電波検出部に実装されている電波検出用のアルゴリズムの種別、無線局の前記電波検出部として実装されている電波検出機能の個数、無線局の稼動時間、無線局の電波検出期間、無線局が存在する位置、無線局が存在する場所の地理的要因、無線局の受信状態、信頼できる機関による無線局の承認の有無、検査の有無、無線局の改造の危険性、無線局の故障発生頻度、のうち、少なくとも一つに基づいて設定されることを特徴とする無線通信システム。
  4. 請求項1に記載の無線通信システムにおいて、前記無線局は、複数の前記電波検出部を備え、前記周波数利用可否判定部が周波数帯の利用可否を判定する際に、自無線局の複数の前記電波検出部それぞれの前記判定結果について、それぞれの前記電波検出部における電波観測の精度を勘案してあらかじめ定めた前記重みにより、それぞれ、重み付けをし、重み付けしたそれぞれの前記判定結果の加算結果に基づいて、総合的に、周波数帯の利用可否を判定することを特徴とする無線通信システム。
  5. 請求項に記載の無線通信システムにおいて、それぞれの前記電波検出部における前記重みが、前記電波検出部それぞれに実装されている電波検出用のアルゴリズムの種別、該アルゴリズムにおいて利用される情報の種別、無線局の通信環境、利用される情報を取得するために用いたハードウェアの特性、のうち、少なくとも一つに基づいて設定されることを特徴とする無線通信システム。
  6. 請求項1ないしのいずれかに記載の無線通信システムにおいて、前記電波検出部が、受信電波の受信レベル、受信電波のパワースペクトル、受信電波を復調した復調信号の誤り率、受信電波を復調した復調信号に付加されている特定パタン、受信電波の周期性、のうち少なくとも一つを用いて、他の無線局から発信される電波の存在の有無を判定することを特徴とする無線通信システム。
  7. 利用可能な周波数帯を検出し、検出した利用可能な周波数帯を用いて通信を行う複数の無線局からなる無線通信システムにおける無線通信方法であって、前記無線局は、利用対象の周波数帯について、他の無線局から発信される電波が存在するか否かを判定した判定結果に、電波観測の精度を勘案してあらかじめ定めた重みにより重み付けをし、重み付けした前記判定結果を、当該無線局の通信方式に基づいて周波数の利用可否判定用としてあらかじめ設定された判定用閾値であって、当該周波数が利用可能と判定された場合に当該無線システムの通信に使用する通信方式ごとに設定された判定用閾値と比較した比較結果に基づいて、前記重み付けした判定結果が前記判定用閾値を超えていない場合に前記周波数帯が利用可能として前記周波数帯の利用可否を判定することを特徴とする無線通信方法。
  8. 請求項に記載の無線通信方法において、前記無線局は、周波数帯の利用可否を判定する際に、自無線局の前記判定結果、および、他の無線局の前記判定結果について、それぞれの無線局における電波観測の精度を勘案してあらかじめ定めた前記重みにより、それぞれ、重み付けをし、重み付けしたそれぞれの前記判定結果の加算結果に基づいて、総合的に、周波数帯の利用可否を判定することを特徴とする無線通信方法。
  9. 請求項に記載の無線通信方法において、前記無線局は、複数の電波検出部を備え、周波数帯の利用可否を判定する際に、自無線局の複数の前記電波検出部それぞれの前記判定結果について、それぞれの前記電波検出部における電波観測の精度を勘案してあらかじめ定めた前記重みにより、それぞれ、重み付けをし、重み付けしたそれぞれの前記判定結果の加算結果に基づいて、総合的に、周波数帯の利用可否を判定することを特徴とする無線通信方法。
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