図1は、本発明を適用した、記録媒体を駆動する駆動装置の1つであるディスク装置の一実施の形態の構成例を示している。
図1において、ディスク装置は、光ディスクドライブ11、メモリI/F(Interface)12、操作入力部13、メモリ14、コントローラ15、コーデック16、ローカルストレージ17、及び、通信I/F18が、バスを介して相互に接続されて構成されている。
光ディスクドライブ11には、光ディスク21が着脱可能になっている。光ディスクドライブ11は、そこに装着された光ディスク21に対するデータの読み出しや、データの記録を行う。
ここで、光ディスクドライブ11に着脱可能な光ディスク21は、AVCHD規格に違反しない記録媒体としての光ディスクであり、AVCHD規格に準拠したデータと、必要なバインディングユニット(Biding Unit)データとが記録される(記録されている)。
また、光ディスクドライブ11は、光ディスク21に対するデータの読み出しのみ可能なドライブとすることもできるし、光ディスク21に対するデータの記録も可能なドライブとすることもできる。
光ディスクドライブ11を、光ディスク21に対するデータの読み出しのみ可能なドライブとした場合、図1のディスク装置は、光ディスク21の、いわゆるプレーヤ(再生装置)となる。また、光ディスクドライブ11を、光ディスク21に対するデータの記録も可能なドライブとした場合、図1のディスク装置は、光ディスク21の、いわゆるレコーダ(記録装置)(記録再生装置)となる。
メモリI/F12には、リムーバブルメディア22が着脱可能になっている。メモリI/F12は、そこに装着されたリムーバブルメディア22に対するデータの読み出しや、データの記録を行う。
ここで、メモリI/F12に着脱可能なリムーバブルメディア22は、AVCHD規格に違反しない記録媒体としての、例えば、メモリスティック(R)等の半導体メモリを内蔵するメモリカードであり、AVCHD規格に準拠したデータと、必要なバインディングユニットデータとが記録される(記録されている)。
また、メモリI/F12は、リムーバブルメディア22に対するデータの読み出しのみ可能なドライブとすることもできるし、リムーバブルメディア22に対するデータの記録も可能なドライブとすることもできる。
メモリI/F12を、リムーバブルメディア22に対するデータの読み出しのみ可能なドライブとした場合、図1のディスク装置は、リムーバブルメディア22のプレーヤとなる。また、メモリI/F12を、リムーバブルメディア22に対するデータの記録も可能なドライブとした場合、図1のディスク装置は、リムーバブルメディア22のレコーダとなる。
操作入力部13は、ユーザがリモートコマンダ23を操作することにより無線等で送信されてくる操作信号や、ユーザがディスク装置の筐体に設けられた図示せぬボタンの操作を受け付け、ユーザの操作に対応する操作信号を、バス上に出力する。
メモリ14は、例えば、DRAM(Dynamic Random Access Memory)等の揮発性メモリ等であり、コントローラ15が処理を行う上で必要なデータ(プログラムを含む)を一時的に記憶する。
コントローラ15は、例えば、例えば、CPU(Central Processing Unit)やDSP(Digital Signal Processor)等のプロセッサ15A、及びメモリ15Bを内蔵し、プロセッサ15Aが、メモリ15Bに記憶された、コンピュータをVFSとして機能させるためのプログラム、その他の各種のプログラムを実行することで、ディスク装置全体の制御等を行う。
その他、コントローラ15は、ディスク装置に接続された、例えば、テレビジョン受像機等の表示装置24のOSD(On Screen Display)表示等の表示制御を行う。
コーデック16は、光ディスクドライブ11が光ディスク21から再生(読み出し)したMPEG(Moving Picture Experts Group)ストリームや、メモリI/F12がリムーバブルメディア22から再生したMPEGストリームを、画像及び音声等にデコードする。コーデック16によるデコードの結果得られた画像及び音声は、ディスク装置に接続された表示装置24に供給されて提示(表示、音声出力)される。
また、コーデック16は、バスを介して供給される画像や音声等のデータをエンコードする。コーデック16によるエンコードの結果得られるMPEGストリームは、光ディスクドライブ11によって、光ディスク21に記録され、又は、メモリI/F12によって、リムーバブルメディア22に記録(記憶)される。
ローカルストレージ17は、例えば、HD(Hard Disk)や不揮発性メモリ等の大容量のストレージで、バインディングユニットデータを用いて構築されるバーチャルパッケージ(Virtual Package)等を記憶する。
以上のように構成されるディスク装置においては、BD-ROM Part3規格の、BDに記録されたデータと、バインディングユニットデータとをバインディングし、バーチャルパッケージを構築するためのVFSが実装されている。
図2を参照して、BD-ROM Part3規格のVFSについて説明する。
なお、BD-ROM Part3規格のVFSについては、前述したように、特許文献1や2に、その詳細が記載されている。
光ディスク21や、リムーバブルメディア22、ローカルストレージ17等の各記録媒体は、それぞれ、個別のファイルシステムによって管理されている。
VFSは、個別のファイルシステムの上位の階層に位置し、個別のファイルシステムを、いわば抽象化する。これにより、VFSは、アプリケーションプログラムに対して、各記録媒体のファイルへのアクセスに関して、同一のインタフェースを提供する。
したがって、VFSによれば、アプリケーションプログラムは、光ディスク21、リムーバブルメディア22、及び、ローカルストレージ17の各記録媒体に対して、記録媒体の違いを意識することなく、かつ、個別のファイルシステムの違いを意識することなく、アクセスすることができる。
また、VFSは、仮想的な記録媒体であるバーチャルパッケージを構築し、アプリケーションプログラムに提供する。
すなわち、VFSは、例えば、光ディスク21に記録されたデータと、そのデータとバインディングされてバーチャルパッケージを構築するバインディングユニットデータとをバインディングすることで、バーチャルパッケージを構築する。
ここで、バインディングユニットデータは、光ディスク21の記録内容の更新等に用いられるデータで、光ディスク21に記録されたデータとバインディングされることで、その光ディスク21の記録内容を更新した、更新後の記録内容のバーチャルパッケージが構築される。
したがって、VFSによれば、光ディスク21が、例えば、BD-ROM等のように、再生専用の光ディスクであっても、光ディスク21の記録内容を、仮想的に更新し、その更新後の記録内容によるコンテンツ等を、ユーザに提供することができる。
なお、バーチャルパッケージの構築に用いられるバインディングユニットデータは、そのバインディングユニットデータによって更新するデータが記録されている記録媒体に記録し、その記録媒体から読み出すことにより取得することができる。
また、バインディングユニットデータは、そのバインディングユニットデータによって更新するデータが記録されている記録媒体ではない他の記録媒体に記録し、その、他の記録媒体から読み出すことにより取得することができる。
さらに、バインディングユニットデータは、例えば、インターネット等のネットワークを介してダウンロードすることにより取得することができる。
なお、バインディングは、例えば、ディスク装置の電源がオンにされたとき、光ディスク21やリムーバブルメディア22がディスク装置に装着されたとき、光ディスク21やリムーバブルメディア22の再生をするように操作がされたとき等の任意のタイミングで行うことができる。
図3は、VFSが、アプリケーションプログラムに対して、各記録媒体のファイルへのアクセスに関して、同一のインタフェースを提供する処理を、模式的に示している。
VFSは、アプリケーションプログラムから、光ディスク21、リムーバブルメディア22、又は、ローカルストレージ17のうちのいずれかの記録媒体に記録されているファイルへのアクセスの要求(アクセス要求)があった場合、そのアクセス要求があった記録媒体のファイルシステムのAPIを呼び出し、アクセス要求があったファイルにアクセスする(アクセス要求を渡す)ことで、アプリケーションプログラムに対して、ファイルへのアクセスに関して、同一のインタフェースを提供する
次に、AVCHD規格に違反しない記録媒体について、光ディスク21、及び、リムーバブルメディア22のうちの、例えば、光ディスク21を例に説明する。なお、リムーバブルメディア22にも、光ディスク21と同様の処理を行うことができる。
図4は、AVCHD規格に準拠するディレクトリ構造を示している。
ここで、以下では、ディレクトリの下のファイル(ディレクトリを含む)とは、そのディレクトリの直下にあるファイルを意味し、ディレクトリに含まれるファイルとは、そのディレクトリの直下にあるファイルや、そのディレクトリの、いわゆるサブディレクトリの下にあるファイルを意味する。
AVCHD規格に準拠するディレクトリ構造は、BD規格に準拠するディレクトリ構造に類似する構造を有する。
すなわち、AVCHD規格に準拠するディレクトリ構造の最上位階層のディレクトリは、"root"ディレクトリになっている。
"root"ディレクトリの下には、"BDMV"ディレクトリが作成され、その"BDMV"ディレクトリの下には、"index.bdmv"ファイルと、"MovieObject.bdmv"ファイルとが格納される。
"index.bdmv"ファイルは、光ディスク21を再生するメニューに関する情報を含む。
コントローラ15は、例えば、光ディスク21のコンテンツを全て再生する、特定のチャプタのみ再生する、繰り返し再生する、初期メニューを表示するなどの内容の項目を含む再生メニュー画面を"index.bdmv"ファイルに基づいて、表示装置24に表示させる。
また、"index.bdmv"ファイルには、各項目が選択されたときに実行するMovieObjectを設定することができ、ユーザにより再生メニュー画面から1つの項目が選択された場合、ディスク装置は"index.bdmv"ファイルに設定されているMovieObjectのコマンドを実行する。
"MovieObject.bdmv"ファイルは、MovieObjectを含むファイルである。MovieObjectは、光ディスク21に記録されているPlayListの再生を制御するコマンドを含み、例えば、コントローラ15は、光ディスク21に記録されているMovieObjectの中から1つを選択して実行することにより、光ディスク21に記録されているコンテンツを再生させることができる。
"BDMV"ディレクトリの下には、さらに、"PLAYLIST"ディレクトリ、"CLIPINF"ディレクトリ、"STREAM"ディレクトリ、及び、"BACKUP"ディレクトリが設けられる。
PLAYLISTディレクトリには、PlayListファイルが格納される。
PlayListファイルには、そのPlayListファイルに従って再生されるべきクリップ(clip)を指定する情報が格納される。PlayListファイルのファイル名としては、5桁の数字に、拡張子"mpls"を付加したファイル名が用いられる。
ここで、クリップとは、PlayListファイルによって再生が指示される画像や音声等のストリームの最小単位である。
CLIPINFディレクトリには、Clip Informationファイルが格納される。
Clip Informationファイルには、クリップのデコードに必要な情報等の、クリップに関する情報が格納される。Clip Informationファイルのファイル名としては、5桁の数字に、拡張子".clpi"を付加したファイル名が用いられる。
STREAMディレクトリには、クリップとなるClip AVストリームファイルやサブストリームファイル等のストリームのファイルが格納される。ストリームのファイルのファイル名としては、5桁の数字に、拡張子".m2ts"を付加したファイル名が用いられる。
BACKUPディレクトリには、光ディスク21に記録されているデータのバックアップとしてのデータが記録される。
前述したように、AVCHD規格では、低級言語であるナビコマンドで実現することが定義されており、高級言語である、例えば、Java(登録商標)プログラムの使用を許可していない。
このため、"BDMV"ディレクトリの下、及び、"BDMV"ディレクトリの下の"PLAYLIST"ディレクトリ、"CLIPINF"ディレクトリ、"STREAM"ディレクトリ、及び、"BACKUP"ディレクトリの下に、Java(登録商標)プログラムであるBD-Jタイトルが存在する場合(BD-Jタイトルの再生を指示するPlayListファイル等が存在する場合を含む)、AVCHD規格に違反することになる。
図5は、光ディスク21のディレクトリ構造の例を示している。
図5のディレクトリ構造は、拡張情報が追加されていることを除いて、図4に示した、AVCHD規格に準拠するディレクトリ構造と一致している。
ここで、拡張情報とは、図4の、AVCHD規格に準拠するディレクトリ構造に対して追加されている情報である。拡張情報には、バインディングユニットデータが含まれる。
図5では、"CERTIFICATE"ディレクトリ、及び、その"CERTIFICATE"ディレクトリに含まれるデータ、"AUXDATA"ディレクトリ、"META"ディレクトリ、"BDJO"ディレクトリ、並びに、"JAR"ディレクトリ、及び、その"JAR"ディレクトリに含まれるデータが、拡張情報として追加されている。
なお、光ディスク21のデータのうちの、拡張情報以外のデータ(図5では、図4の、AVCHD規格に準拠するディレクトリ構造のデータ)を、オリジナルデータともいう。
図5のディレクトリ構造では、図4のディレクトリ構造に対して、AVCHD規格、及び、BD規格に違反しない形で、拡張ナビゲーションを提供するためのバインディングユニットデータ(を含む拡張情報)が配置されている。
すなわち、図5では、"root"ディレクトリの下に、"BDMV"ディレクトリの他、"BACKUP"ディレクトリが格納された"CERTIFICATE"ディレクトリが存在する。
また、"BDMV"ディレクトリの下には、図4の"index.bdmv"ファイル、及び、"MovieObject.bdmv"ファイル、並びに、"PLAYLIST"ディレクトリ、"CLIPINF"ディレクトリ、"STREAM"ディレクトリ、及び、"BACKUP"ディレクトリの他に、"AUXDATA"ディレクトリ、"META"ディレクトリ、"BDJO"ディレクトリ、及び、"JAR"ディレクトリが存在する。
さらに、"JAR"ディレクトリの下には、"NewData"ディレクトリが存在し、その"NewData"ディレクトリの下、又は、"NewData"ディレクトリの下位のディレクトリの下に、バインディングユニットデータが存在する。
ここで、図5では、"NewData"ディレクトリの下に、"1"ディレクトリが存在し、さらに、その"1"ディレクトリの下に、"1"ディレクトリが存在する。そして、"NewData"ディレクトリの下の"1"ディレクトリの下の"1"ディレクトリの下に、バインディングユニットデータが格納されている。
また、図5では、バインディングユニットデータとして、"bumf.xml"ファイル、"bumf.sf"ファイル、"new_index.bdmv"ファイル、"new_00001.bdjo"ファイル、"new_00002.bdjo"ファイル、"new_00003.bdjo"ファイル、"new_1.jar"ファイル、及び、"new_sound.bdmv"ファイルが存在する。
なお、バインディングユニットデータは、"BDMV"ディレクトリの下(直下)や、"PLAYLIST"ディレクトリ、"CLIPINF"ディレクトリ、"STREAM"ディレクトリ、及び、"BACKUP"ディレクトリの下に存在しなければ、AVCHD規格に違反しない。
したがって、図5のように、"BDMV"ディレクトリの下の、"PLAYLIST"ディレクトリ、"CLIPINF"ディレクトリ、"STREAM"ディレクトリ、及び、"BACKUP"ディレクトリ以外のディレクトリである"JAR"ディレクトリに、バインディングユニットデータが含まれていても、光ディスク21は、AVCHD規格に違反しない。
すなわち、AVCHD規格では、"BDMV"ディレクトリの下の"JAR"ディレクトリは定義外である。したがって、"BDMV"ディレクトリの下に"JAR"ディレクトリを作り、その"JAR"ディレクトリに含まれる形で、バインディングユニットデータを配置しても、光ディスク21は、AVCHD規格に違反しない。
そして、AVCHD規格に準拠するプレーヤやレコーダ(以下、AVCHD装置ともいう)では、"JAR"ディレクトリに含まれるバインディングユニットデータは参照されないため、バインディングユニットデータが、"BDMV"ディレクトリに含まれるAVCHD規格に準拠するデータ(図4のディレクトリ構造のデータ)の再生に、悪影響を及ぼすことはない。したがって、AVCHD装置では、光ディスク21を正常に再生することができる。
なお、バインディングユニットデータは、上述したように、"BDMV"ディレクトリの下や、"PLAYLIST"ディレクトリ、"CLIPINF"ディレクトリ、"STREAM"ディレクトリ、及び、"BACKUP"ディレクトリの下に存在しなければ、AVCHD規格に違反しないので、"JAR"ディレクトリに含まれる形で配置する他、例えば、"root"ディレクトリの下に配置しても良い。
また、図5では、BD規格に準拠するプレーヤやレコーダ(以下、BD装置ともいう)(BD再生環境)での親和性を考慮して、BD規格に関連するディレクトリが設けられている。
すなわち、図5において、"AUXDATA"ディレクトリ、"META"ディレクトリ、"BDJO"ディレクトリ、及び、"JAR"ディレクトリ等が、BD規格に関連するディレクトリである。
BD規格において、"AUXDATA"ディレクトリの下には、メニュー表示などに用いられる、サウンドや、フォントのファイル等が配置される。サウンドのファイルのファイル名は、"sound.bdmv"とされる。
また、"META"ディレクトリの下には、メタデータのファイルが格納され、"BDJO"ディレクトリ、及び、"JAR"ディレクトリの下には、BD-Jタイトル(のオブジェクト)が格納される。
さらに、"CERTIFICATE"ディレクトリの下には、著作権に関する情報が格納され、その"CERTIFICATE"ディレクトリの下の"BACKUP"ディレクトリの下には、著作権に関する情報のバックアップとしてのデータが格納される。
図5では、上述したように、バインディングユニットデータとして、"bumf.xml"ファイル、"bumf.sf"ファイル、"new_index.bdmv"ファイル、"new_00001.bdjo"ファイル、"new_00002.bdjo"ファイル、"new_00003.bdjo"ファイル、"new_1.jar"ファイル、及び、"new_sound.bdmv"ファイルが存在する。
バインディングユニットデータのうちの、"bumf.xml"ファイルは、バインディングの仕方等が記述されているXML(Extensible Markup Language)ファイルである。
"bumf.sf"ファイル(Binding Unit Signature File)には、バインディングユニットデータに改ざんが加えられているかどうかを検査するためのハッシュ値等が記述されている。
バインディングユニットデータのうちの、"bumf.xml"ファイル、及び、"bumf.sf"ファイル以外のファイル、すなわち、図5では、"new_index.bdmv"ファイル、"new_00001.bdjo"ファイル、"new_00002.bdjo"ファイル、"new_00003.bdjo"ファイル、"new_1.jar"ファイル、及び、"new_sound.bdmv"ファイルは、光ディスク21の記録内容の更新、つまり、バーチャルパッケージの構築に用いられる。
なお、拡張子が"bdjo"のファイルには、Java(登録商標)プログラムであるBD-Jタイトルが含まれている。また、拡張子が"jar"のファイルには、BD-JタイトルでないJava(登録商標)プログラムが含まれている。
したがって、光ディスク21自体は、上述したように、AVCHD規格に違反しないが(バインディングユニットデータは、AVCHD規格に違反しない形で、光ディスク21に記録されているが)、光ディスク21に記録されているバインディングユニットデータには、AVCHD規格に違反する高級言語(ここでは、Java(登録商標))によるプログラムが含まれている。
次に、図6、及び図7を参照して、図5のバインディングユニットデータのうちの"bumf.xml"の概要について説明する。
なお、バインディングユニットデータは、BD規格に準拠する。
図6、及び図7は、図5の"bumf.xml"ファイルの内容の例を示している。
なお、図7は、図6に続く図である。
図6において(1)で示す、ID="0x00000001",orgID= "0x00000001"、及び、discID="0x00000000000000000000000000000001" >は、バンディングユニットデータを識別する識別情報(、及び、バインディングユニットデータとバインディングされるオリジナルデータが記録された記録媒体を識別する識別情報)である。
また、図6において(2)で示す、<DeleteDescription>タグと</DeleteDescription>タグとの間の<deleteText text="Example of Binding Unit Manifest File" lang="en-US"/>(図6)は、バンディングユニットデータの名称を表す。
<VPFile>タグ(図6)は、バインディングユニットデータによる光ディスク21の更新後の記録内容、つまり、バーチャルパッケージ内のファイルを表す。
例えば、図6において(3)で示す、<VPFile name="BDMV/BDJO/00001.bdjo"/>は、バーチャルパッケージの"BDMV/BDJO"ディレクトリ("root"ディレクトリの下の"BDMV"ディレクトリの下の"BDJO"ディレクトリ)の下に、"00001.bdjo"ファイルが配置されることを表す。
<Asset>タグ(図7)は、バーチャルパッケージのファイルと、バインディングユニットデータとの対応関係を表す。
例えば、図7において(4)で示す、<Asset VPFilename="BDMV/index.bdmv">、及び、<Asset VPFilename="BDMV/index.bdmv">と</Asset>タグとの間の<BUDAFile name="BDMV/JAR/NewData/1/1/new_index.bdmv"></BUDAFile>は、バーチャルパッケージの"BDMV"ディレクトリの下のindex.bdmv"ファイルが、"BDMV/JAR/NewData/1/1"ディレクトリに格納されている"new_index.bdmv"ファイルであることを表す。
図1のディスク装置では、VFS(として機能するコントローラ15)が、"bumf.xml"ファイルに従い、光ディスク21のオリジナルデータ(ここでは、図4の、AVCHD規格に準拠するディレクトリ構造のデータ)と、バインディングユニットデータとをバインディングし、これにより、オリジナルデータとバインディングユニットデータとを、いわばマージ(merge)したバーチャルパッケージを構築する。そして、図1のディスク装置では、そのバーチャルパッケージが再生される。
以上のように、図1のディスク装置は、AVCHD規格に違反しない光ディスク21のオリジナルデータと、AVCHD規格に違反するプログラム(ここでは、Java(登録商標)プログラム)を含むバインディングユニットデータとをバインディングすることにより、バーチャルパッケージを構築し、そのバーチャルパッケージを再生する機能を有する。このような機能を有する装置を、拡張AVCHD装置ともいう。
また、光ディスク21のように、AVCHD規格に違反せず、かつ、AVCHD規格に違反するプログラムを含むバインディングユニットデータ(以下、AVCHD非対応データともいう)とのバインディングがされるオリジナルデータが記録される記録媒体を、拡張AVCHD媒体ともいう。
AVCHD非対応データは、拡張AVCHD媒体である光ディスク21に記録する他、後述するように、光ディスク21には記録せずに、他の記録媒体に記録し、その、他の記録媒体から読み出すことにより取得すること、又は、ネットワークを介してダウンロードすることが可能である。
AVCHD非対応データが光ディスク21に記録されている場合には、拡張AVCHD装置において、光ディスク21が、AVCHD非対応データの適用が可能な記録媒体、つまり、拡張AVCHD媒体であるかどうかは、光ディスク21に、AVCHD非対応データが記録されているかどうかを調べることにより認識することができる。
しかしながら、AVCHD非対応データが光ディスク21に記録されていない場合があることを考慮すると、光ディスク21が、拡張AVCHD媒体であるかどうかを表す情報(光ディスク21のディレクトリ構造が、AVCHD非対応データとバインディングされるディレクトリ構造であるかどうかを表す情報)を、何らかの形で、光ディスク21に記録しておくことが望ましい。
そこで、図8は、blkUIAppInfoAVCHD()のシンタクス(syntax)を示している。
blkUIAppInfoAVCHD()は、"index.bdmv"ファイル内に格納されるデータ構造の1つであり、このblkUIAppInfoAVCHD()には、任意のデータを記録することができるフィールドMakerPrivateArea(図8において太字で示す)が定義されている。
拡張AVCHD媒体であるかどうかを表す情報は、例えば、フィールドMakerPrivateAreaに記述することができる。
図9は、フィールドMakerPrivateArea()への、拡張AVCHD媒体であるかどうかを表す情報の記述の仕方の例を示している。
すなわち、図9Aは、フィールドMakerPrivateArea()のシンタクスを示している。
図9Aでは、フィールドMakerPrivateArea()に、1バイト(8ビット)のフィールドExtendedNavigationFlagが定義されている。
図9Bは、フィールドExtendedNavigationFlagがとる値と意味とを表している。
光ディスク21が、拡張AVCHD媒体でない場合、フィールドExtendedNavigationFlagは、例えば、0x00(0xは、その後に続く値が、16進数であることを表す)とされる。また、光ディスク21が、拡張AVCHD媒体である場合、フィールドExtendedNavigationFlagは、例えば、0x01とされる。
なお、AVCHD非対応データが、光ディスク21に記録される場合には、上述したように、光ディスク21が拡張AVCHD媒体であることは、光ディスク21に、AVCHD非対応データが記録されているかことを調べることにより認識することができるので、フィールドExtendedNavigationFlagを設けることは、必須ではない。
次に、図10は、VFSによってオリジナルデータとAVCHD非対応データとのバインディングが行われることにより構築されるバーチャルパッケージのディレクトリ構造の例を示している。
すなわち、図10は、図5のディレクトリ構造のオリジナルデータとAVCHD非対応データとのバインディングによって構築されたバーチャルパッケージのディレクトリ構造を示している。
図10においては、太字で示すファイルが、バインディングによって更新(追加を含む)されている。
すなわち、図10では、"BDMV"ディレクトリの下の"index.bdmv"ファイルが、図5の状態から更新されている。
さらに、図10では、"AUXDATA"ディレクトリの下の"sound.bdmv"ファイル、"BDJO"ディレクトリの下の"00001.bdjo"ファイル、"00002.bdjo"ファイル、及び、"00003.bdjo"ファイル、並びに、"JAR"ディレクトリの下の"1.jar"ファイルが、新たに追加されている。
拡張AVCHD装置では、図10のディレクトリ構造のバーチャルパッケージが再生される。
なお、図10では、"JAR"ディレクトリの下に、"NewData"ディレクトリが残っているが、"NewData"ディレクトリに含まれるデータは、再生の対象とはされない。
図11は、図10のバーチャルパッケージ内のファイルと、図5のバインディングユニットデータ(AVCHD非対応データ)との対応関係を示している。
バーチャネルパッケージでは、図11の左欄に示すバンディングユニットデータの各ファイルが、図11の右欄に示すファイルとして存在する。
すなわち、バーチャルパッケージ(図10)内の"\BDMV\index.bdmv"ファイル("root"ディレクトリの下の"BDMV"ディレクトリの下にある"index.bdmv"ファイル)の実体は、バインディングユニットデータ(図5)のうちの"new_index.bdmv"ファイルである。
また、バーチャルパッケージ内の"\BDMV\BDJO\00001.bdjo"ファイルの実体は、バインディングユニットデータのうちの"new_00001.bdjo"ファイルであり、バーチャルパッケージ内の"\BDMV\BDJO\00002.bdjo"ファイルの実体は、バインディングユニットデータのうちの"new_00002.bdjo"ファイルであり、バーチャルパッケージ内の"\BDMV\BDJO\00003.bdjo"ファイルの実体は、バインディングユニットデータのうちの"new_00003.bdjo"ファイルである。
さらに、バーチャルパッケージ内の"\BDMV\JAR\1.jar"ファイルの実体は、バンディングユニットデータのうちの"new_1.jar"ファイルであり、バーチャルパッケージ内の"\BDMV\AUXDATA\sound.bdmv"ファイルの実体は、バンディングユニットデータのうちの"new_sound.bdmv"ファイルである。
次に、図5のディレクトリ構造では、上述したように、BD装置での親和性を考慮して、BD規格に関連するディレクトリを設けるようにしたが、BD装置での親和性を考慮しなければ、BD規格に関連するディレクトリを設ける必要はなく、BD規格に関連するディレクトリを設けなくても、AVCHD規格に違反しない。
また、バインディングユニットデータは、上述したように、"BDMV"ディレクトリの下や、"PLAYLIST"ディレクトリ、"CLIPINF"ディレクトリ、"STREAM"ディレクトリ、及び、"BACKUP"ディレクトリの下に存在しなければ、AVCHD規格に違反しない。
そこで、図12は、光ディスク21のディレクトリ構造の他の例を示している。
図12のディレクトリ構造は、拡張情報が追加されていることを除いて、図4に示した、AVCHD規格に準拠するディレクトリ構造と一致している。
図12では、"NewData1"ディレクトリ、及び、その"NewData1"ディレクトリに含まれるデータが、拡張情報として追加されている。
そして、図12のディレクトリ構造では、図4のディレクトリ構造に対して、AVCHD規格に違反しない形で、拡張ナビゲーションを提供するためのバインディングユニットデータ(を含む拡張情報)が配置されている。
すなわち、図12では、"root"ディレクトリの下に、"BDMV"ディレクトリの他、AVCHD規格に違反するプログラムを含むバインディングユニットデータ(AVCHD非対応データ)が格納された"NewData1"ディレクトリが存在する。
すなわち、図12では、"BDMV"ディレクトリの外に、新たなディレクトリである"NewData1"ディレクトリが設けられ、その"NewData1"ディレクトリの下に、バインディングユニットデータが配置されている。
AVCHD規格では、"BDMV"ディレクトリの外は定義外であるため、図12のように、バインディングユニットデータが格納された"NewData1"ディレクトリを、"BDMV"ディレクトリとは別に、"root"ディレクトリの下に設けても、AVCHD規格に違反しない。
そして、AVCHD装置では、"NewData1"ディレクトリ(に含まれるバインディングユニットデータ)は参照されないため、バインディングユニットデータが、"BDMV"ディレクトリに含まれるAVCHD規格に準拠するオリジナルデータの再生に、悪影響を及ぼすことはない。したがって、AVCHD装置では、図12のディレクトリ構造についても、光ディスク21を正常に再生することができる。
図12では、バインディングユニットデータとして、図5の場合と同様に、"bumf.xml"ファイル、"bumf.sf"ファイル、"new_index.bdmv"ファイル、"new_00001.bdjo"ファイル、"new_00002.bdjo"ファイル、"new_00003.bdjo"ファイル、"new_1.jar"ファイル、及び、"new_sound.bdmv"ファイルが存在する。
図13、及び図14は、図12の"bumf.xml"ファイルの内容の例を示している。
なお、図14は、図13に続く図である。
図13において(1)で示す、ID="0x00000001",orgID= "0x00000001"、及び、discID="0x00000000000000000000000000000001" >は、図6で説明したように、バンディングユニットデータを識別する識別情報である。
また、図13において(2)で示す、<DeleteDescription>タグと</DeleteDescription>タグとの間の<deleteText text="Example of Binding Unit Manifest File" lang="en-US"/>(図13)は、図6で説明したように、バンディングユニットデータの名称を表す。
<VPFile>タグ(図13)は、図6で説明したように、バインディングユニットデータによる光ディスク21の更新後の記録内容、つまり、バーチャルパッケージ内のファイルを表す。
例えば、図13において(3)で示す、<VPFile name="BDMV/BDJO/00001.bdjo"/>は、バーチャルパッケージの"BDMV/BDJO"ディレクトリの下に、"00001.bdjo"ファイルが配置されることを表す。
<Asset>タグ(図14)は、図7で説明したように、バーチャルパッケージのファイルと、バインディングユニットデータとの対応関係を表す。
例えば、図14において(4)で示す、<Asset VPFilename="BDMV/index.bdmv">、及び、<Asset VPFilename="BDMV/index.bdmv">と</Asset>タグとの間の<BUDAFile name="NewData1/new_index.bdmv"></BUDAFile>は、バーチャルパッケージの"BDMV"ディレクトリの下のindex.bdmv"ファイルが、"NewData1"ディレクトリに格納されている"new_index.bdmv"ファイルであることを表す。
拡張AVCHD装置である図1のディスク装置では、VFSが、"bumf.xml"ファイルに従い、光ディスク21のオリジナルデータ(ここでは、図4の、AVCHD規格に準拠するディレクトリ構造のデータ)と、AVCHD規格に違反するプログラムを含むバインディングユニットデータ(AVCHD非対応データ)とをバインディングし、これにより、オリジナルデータとバインディングユニットデータとをマージしたバーチャルパッケージを構築する。そして、図1のディスク装置では、そのバーチャルパッケージが再生される。
図15は、VFSによってオリジナルデータとAVCHD非対応データとのバインディングが行われることにより構築されるバーチャルパッケージのディレクトリ構造の例を示している。
すなわち、図15は、図12のディレクトリ構造のオリジナルデータとAVCHD非対応データとのバインディングによって構築されたバーチャルパッケージのディレクトリ構造を示している。
図15においては、太字で示すファイルが、バインディングによって更新(追加を含む)されている。
すなわち、図15では、"BDMV"ディレクトリの下の"index.bdmv"ファイルが、図12の状態から更新されている。
さらに、図15では、"AUXDATA"ディレクトリ、"BDJO"ディレクトリ、及び、"JAR"ディレクトリが、"BDMV"ディレクトリの下に、新たに作成されている。
そして、"AUXDATA"ディレクトリの下の"sound.bdmv"ファイル、"BDJO"ディレクトリの下の"00001.bdjo"ファイル、"00002.bdjo"ファイル、及び、"00003.bdjo"ファイル、並びに、"JAR"ディレクトリの下の"1.jar"ファイルが、新たに追加されている。
拡張AVCHD装置では、図15のディレクトリ構造のバーチャルパッケージが再生される。
なお、図15では、"NewData1"ディレクトリが残っているが、"NewData1"ディレクトリに含まれるデータは、再生の対象とはされない。
図16は、図15のバーチャルパッケージ内のファイルと、図12のバインディングユニットデータ(AVCHD非対応データ)との対応関係を示している。
バーチャネルパッケージでは、図16の左欄に示すバンディングユニットデータの各ファイルが、図16の右欄に示すファイルとして存在する。
すなわち、バーチャルパッケージ(図15)内の"\BDMV\index.bdmv"ファイルの実体は、バインディングユニットデータ(図12)のうちの"new_index.bdmv"ファイルである。
また、バーチャルパッケージ内の"\BDMV\BDJO\00001.bdjo"ファイルの実体は、バインディングユニットデータのうちの"new_00001.bdjo"ファイルであり、バーチャルパッケージ内の"\BDMV\BDJO\00002.bdjo"ファイルの実体は、バインディングユニットデータのうちの"new_00002.bdjo"ファイルであり、バーチャルパッケージ内の"\BDMV\BDJO\00003.bdjo"ファイルの実体は、バインディングユニットデータのうちの"new_00003.bdjo"ファイルである。
さらに、バーチャルパッケージ内の"\BDMV\JAR\1.jar"ファイルの実体は、バンディングユニットデータのうちの"new_1.jar"ファイルであり、バーチャルパッケージ内の"\BDMV\AUXDATA\sound.bdmv"ファイルの実体は、バンディングユニットデータのうちの"new_sound.bdmv"ファイルである。
次に、図17は、図1のコントローラ15の機能的な構成例を示すブロック図である。
なお、図17の機能的な構成は、プロセッサ15Aがメモリ15Bに記憶されたプログラムを実行することで実現される。
図17において、コントローラ15は、再生制御部51、判定部52、及び、バインディング部53から構成される。
再生制御部51は、光ディスク21やリムーバブルメディア22その他の、AVCHD規格に違反しない記録媒体等の再生を制御する。
判定部52は、再生制御部51による再生の対象の記録媒体(以下、再生対象媒体ともいう)である光ディスク21又はリムーバブルメディア22等が、バインディングユニットデータ(AVCHD非対応データ)の適用が可能な拡張AVCHD媒体であるかどうかを判定する。
バインディング部53は、再生対象録媒体である光ディスク21又はリムーバブルメディア22等が、拡張AVCHD媒体(AVCHD非対応データの適用が可能な記録媒体)である場合、その拡張AVCHD媒体に記録されたオリジナルデータと、バインディングユニットデータとをバインディングし、バーチャルパッケージを構築する。
なお、バインディング部53は、VFSの一部の機能を司るブロックである。
また、バインディング部53において、バーチャルパッケージが構築された場合、再生制御部51は、そのバーチャルパッケージを再生対象媒体として、再生の制御を行う。
次に、図18を参照して、図17のコントローラ15の処理について説明する。
ステップS11において、再生制御部51は、光ディスク21、又は、リムーバブルメディア22が、図1のディスク装置(の光ディスクドライブ11、又は、メモリI/F12)に装着されたかどうかを判定する。
ステップS11において、光ディスク21、及び、リムーバブルメディア22のいずれも、ディスク装置に装着されていないと判定された場合、処理は、ステップS11に戻る。
また、ステップS11において、光ディスク21、又は、リムーバブルメディア22が、ディスク装置に装着されたと判定された場合、再生制御部51は、光ディスク21、及び、リムーバブルメディア22のうちの、ディスク装置に装着された方の記録媒体を、再生対象媒体として、処理は、ステップS12に進む。
ステップS12では、再生制御部51は、再生対象媒体に記録された"index.bdmv"ファイル(図5、図12)を読み出し、その"index.bdmv"ファイルに格納されたblkUIAppInfoAVCHD()(図8)のフィールドMakerPrivateArea()に記述されたフィールドExtendedNavigationFlag(図9)を取得して、判定部52に供給する。
そして、処理は、ステップS12からステップS13に進み、判定部52は、再生制御部51からのフィールドExtendedNavigationFlagに基づき、再生対象媒体が、拡張AVCHD媒体であるかどうかを判定する。
ステップS13において、再生対象媒体が、拡張AVCHD媒体でないと判定された場合、すなわち、フィールドExtendedNavigationFlagが、0x00であり(図9B)、したがって、再生対象媒体が、拡張AVCHD媒体でない、AVCHD規格に準拠する記録媒体である場合、処理は、ステップS15に進み、再生制御部51は、再生対象媒体の"BDMV"ディレクトリに含まれるデータの再生の制御を開始する。
すなわち、この場合、図1のディスク装置では、従来のAVCHD装置と同様に、AVCHD規格に準拠する記録媒体の再生が行われる。
一方、ステップS13において、再生対象媒体が、拡張AVCHD媒体であると判定された場合、すなわち、フィールドExtendedNavigationFlagが、0x01であり(図9B)、したがって、再生対象媒体が、拡張ナビゲーションの適用が可能な拡張AVCHD媒体である場合、処理は、ステップS14に進み、判定部52は、再生対象媒体に、バインディングユニットデータ(AVCHD非対応データ)が存在する(記録されている)かどうかを判定する。
ステップS14において、再生対象媒体に、バインディングユニットデータが存在しないと判定された場合、すなわち、バーチャルパッケージの構成に必要なバインディングユニットデータが、再生対象媒体に記録されていない場合、処理は、ステップS15に進み、上述したように、従来のAVCHD装置と同様の再生が行われる。
また、ステップS14において、再生対象媒体に、バインディングユニットデータが存在すると判定された場合、処理は、ステップS16に進み、バインディング部53は、再生制御部51に、再生対象媒体からオリジナルデータとバインディングユニットデータを読み出させ、そのオリジナルデータとバインディングユニットデータとをバインディングすることにより、バーチャルパッケージ(図10、図15)を構築して、処理は、ステップS17に進む。
ステップS17では、再生制御部51は、ステップS16で構築されたバーチャルパッケージを再生対象媒体として、その"BDMV"ディレクトリに含まれるデータの再生の制御を開始する。
以上のように、図1のディスク装置では、ディスク装置に装着された光ディスク21等が、バインディングユニットデータであるAVCHD非対応データの適用が可能な拡張AVCHD媒体であるかどうかを判定し、光ディスク21が、拡張AVCHD媒体である場合、光ディスク21に記録されたオリジナルデータと、AVCHD非対応データとを、VFSによってバインディングし、バーチャルパッケージを構築して再生する。そして、AVCHD非対応データには、AVCHD規格に違反するJava(登録商標)プログラムが含まれている。
したがって、AVCHD規格に準拠するAVCHD装置での記録媒体の再生互換を維持しつつ、AVCHD規格で対応していない機能を提供することができる。
すなわち、図1のディスク装置のように、VFSを実装した拡張AVCHD装置では、BD-Jタイトル等のJava(登録商標)プログラムを含むバインディングユニットデータを用いた、VFSによるバインディングによって、"BDMV"ディレクトリに含まれるオリジナルデータを、Java(登録商標)プログラムを含むように更新したバーチャルパッケージを構築し、そのバーチャネルパッケージを再生することで、BD-Jタイトル等によるリッチなインタラクティブ機能をユーザに提供することができる。
一方、VFSを実装していないAVCHD装置では、バインディングは行われず、"BDMV"ディレクトリに含まれるオリジナルデータが再生される。
したがって、AVCHD規格に準拠するAVCHD装置での記録媒体の再生互換を維持しつつ、AVCHD規格で対応していない機能、すなわち、例えば、Java(登録商標)プログラムによるメニューやユーザインタフェース等を用いた拡張ナビゲーションとしての複雑なインタラクティブ機能等を、ユーザに提供することができる。
さらに、AVCHD非対応データを、光ディスク21に記録しておく場合には、AVCHD非対応データは、AVCHD規格に違反しない形で記録されるので、やはり、AVCHD規格に準拠するAVCHD装置での記録媒体の再生互換を維持することができる。
なお、上述の場合には、光ディスク21のオリジナルデータとバインディングされるバインディングユニットデータを、光ディスク21自体に記録するようにしたが、バインディングユニットデータを一意に識別する識別情報と、その識別情報によって識別されるバインディングユニットデータとバインディングする先の"BDMV"ディレクトリとを決めておけば、光ディスク21のオリジナルデータとバインディングされるバインディングユニットデータは、光ディスク21とは別の記録媒体である、例えば、リムーバブルメディア22や、インターネット等のネットワーク上の(サーバの)記録媒体に記録しておくことが可能である。
光ディスク21のオリジナルデータとバインディングされるバインディングユニットデータを、光ディスク21とは別の記録媒体に記録する場合においては、拡張AVCHD装置に、光ディスク21のオリジナルデータとバインディングされるバインディングユニットデータの位置を認識する機能を実装する。
具体的には、拡張AVCHD装置では、光ディスク21のオリジナルデータとバインディングされるバインディングユニットデータが記録されている記録媒体(例えば、リムーバブルメディア22等)を、ユーザに指定してもらうことで、光ディスク21のオリジナルデータとバインディングされるバインディングユニットデータの位置を認識する。
その他、拡張AVCHD装置では、バインディングユニットデータが格納されているディレクトリや、バインディングユニットデータに含まれる"bumf.xml"ファイル(Binding Unit Manifestファイル)等を、ユーザに指定してもらうことでも、光ディスク21のオリジナルデータとバインディングされるバインディングユニットデータの位置を認識することができる。
なお、拡張AVCHD装置では、その拡張AVCHD装置がアクセス可能な、いわばローカルの記録媒体(例えば、リムーバブルメディア22等)や、ネットワーク上の記録媒体のファイル(ディレクトリを含む)を、例えば、OS(Operating System)のWindows(登録商標)シリーズのエクスプローラ等のようにして提示することができる。この場合、その提示の内容の中から、バインディングユニットデータや、"bumf.xml"ファイルを、ユーザに指定(選択)してもらうことで、拡張AVCHD装置は、光ディスク21のオリジナルデータとバインディングされるバインディングユニットデータの位置を認識することができる。
その他、拡張AVCHD装置では、その拡張AVCHD装置がアクセス可能なローカルの記録媒体や、ネットワーク上の記録媒体のファイルを検索することで、光ディスク21のオリジナルデータとバインディングされるバインディングユニットデータの位置を、いわば自動で認識することができる。
拡張AVCHD装置は、光ディスク21の再生を開始するとき、上述したように、光ディスク21のオリジナルデータとバインディングされるバインディングユニットデータの位置を認識し、そのバインディングユニットデータを取得する。さらに、拡張AVCHD装置は、そのバインディングユニットデータと光ディスク21のオリジナルデータとをバインディングすることで、バーチャルパッケージを構築する。
すなわち、拡張AVCHD装置では、バインディングユニットデータに含まれる"bumf.xml"ファイルに従い、光ディスク21の"BDMV"ディレクトリを更新し、その更新後の"BDMV"ディレクトリの内容を、ローカルストレージ17(図1)内に、バーチャルパッケージとして構築する。
そして、拡張AVCHD装置は、光ディスク21の"BDMV"ディレクトリの代わりに、バーチャルパッケージの再生を開始する。
バインディングユニットデータとして、例えば、BD-Jタイトル等のコンテンツを用意しておけば、バーチャルパッケージの"BDMV"ディレクトリには、BD-Jタイトルが現れる。 このバーチャルパッケージの"BDMV"ディレクトリに含まれるデータは、もはやAVCHD規格に準拠するデータではなくなるが、拡張AVCHD装置では、そのデータが再生されることで、BD-Jタイトルによる複雑なインタラクティブ機能を、ユーザに提供することができる。
一方、AVCHD装置では、バインディングユニットデータを用いたバインディングは行われず、したがって、バーチャルパッケージは構築されない。すなわち、AVCHD装置では、光ディスク21の、AVCHD規格に準拠する"BDMV"ディレクトリが再生され、従来と同様に、ナビコマンドによるインタラクティブ機能がユーザに提供される。
以上のように、AVCHD装置での再生互換を維持しつつ、BD-Jタイトル等を導入することができる。
ここで、BD-ROM Part3規格、又BD-REバージョン3.0 Part3規格に準拠する記録媒体(以下、BD記録媒体ともいう)の再生可能な装置(以下、BD-ROM装置ともいう)では、AVCHD規格に準拠する記録媒体を再生することができることが多く、また、VFSが実装されている。
BD-ROM装置は、BD記録媒体に記録されている"BDMV"ディレクトリを読み込み(再生し)、その"BDMV"ディレクトリに含まれるJava(登録商標)プログラムを実行する。BD-ROM装置が実行するJava(登録商標)プログラムでは、BD記録媒体に記録されている"BDMV"ディレクトリの更新が指示され、これにより、BD-ROM装置は、"BDMV"ディレクトリの更新、すなわち、バーチャルパッケージを構築する。
一方、拡張AVCHD装置である図1のディスク装置は、拡張AVCHD媒体である光ディスク21に記録されている"BDMV"ディレクトリを再生する前に、バインディングユニットデータを取得して、そのバインディングユニットデータの取得をトリガとして、バーチャルパッケージの構築を行うので、その点で、BD記録媒体に記録されている"BDMV"ディレクトリに含まれるJava(登録商標)プログラムによる指示をトリガとして、バーチャルパッケージの構築を行うBD-ROM装置と相違する。
したがって、バーチャルパッケージの構築を、"BDMV"ディレクトリに含まれるJava(登録商標)プログラムによる指示をトリガとして行うのではなく、バインディングユニットデータの取得をトリガとして行うように、BD-ROM装置を変更することにより、BD-ROM装置を、拡張AVCHD装置とすることができる。すなわち、BD-ROM装置を利用して、容易に、拡張AVCHD装置を構成することができる。
なお、本実施の形態では、バインディングユニットデータに、BD-Jタイトル等のJava(登録商標)プログラムを含めるようにしたが、バインディングユニットデータには、その他、例えば、Webアプリケーションで広く使われているhtmlとECMAScriptや、Visual Basic、その他のプログラム言語によるプログラムを含めることが可能である。
また、本実施の形態では、光ディスク21が、拡張AVCHD媒体であるかどうかを表す情報として、フィールドExtendedNavigationFlag(図9)を設けるようにしたが、バインディングユニットデータが、光ディスク21に記録される場合には、光ディスク21が拡張AVCHD媒体であることは、上述したように、光ディスク21に、バインディングユニットデータが記録されているかことを調べることにより認識することができるので、フィールドExtendedNavigationFlagは、必ずしも設ける必要はない。
バインディングユニットデータが、光ディスク21に記録されており、フィールドExtendedNavigationFlagを設けない場合には、図18において、ステップS13の処理はスキップされ、ステップS14において、判定部52(図17)は、光ディスク21に、バインディングユニットデータが記録されているかどうかを判定することで、光ディスク21が拡張AVCHD媒体であるかどうかを判定する。
以上、本発明を、AVCHD規格に適用した場合について説明したが、本発明は、AVCHD規格の他、例えば、BD-ROM規格をサブセット化してBD-Jモードを禁止し、HDMVモードだけを実行することができるBD-REバージョン3.0 Part3 RREF(Real time Recording and Editing Format)規格等にも適用可能である。この場合、BD-REバージョン3.0 Part3 RREF規格に準拠する装置での再生互換を維持しつつ、BD-REバージョン3.0 Part3 RREF規格に違反するBD-Jタイトル等を再生することが可能となる。
次に、上述した一連の処理は、ハードウェアにより行うこともできるし、ソフトウェアにより行うこともできる。一連の処理をソフトウェアによって行う場合には、そのソフトウェアを構成するプログラムが、汎用のコンピュータ等にインストールされる。
そこで、図19は、上述した一連の処理を実行するプログラムがインストールされるコンピュータの一実施の形態の構成例を示している。
プログラムは、コンピュータに内蔵されている記録媒体としてのハードディスク105やROM103に予め記録しておくことができる。
あるいはまた、プログラムは、フレキシブルディスク、CD-ROM(Compact Disc Read Only Memory),MO(Magneto Optical)ディスク,DVD(Digital Versatile Disc)、磁気ディスク、半導体メモリなどのリムーバブル記録媒体111に、一時的あるいは永続的に格納(記録)しておくことができる。このようなリムーバブル記録媒体111は、いわゆるパッケージソフトウエアとして提供することができる。
なお、プログラムは、上述したようなリムーバブル記録媒体111からコンピュータにインストールする他、ダウンロードサイトから、ディジタル衛星放送用の人工衛星を介して、コンピュータに無線で転送したり、LAN(Local Area Network)、インターネットといったネットワークを介して、コンピュータに有線で転送し、コンピュータでは、そのようにして転送されてくるプログラムを、通信部108で受信し、内蔵するハードディスク105にインストールすることができる。
コンピュータは、CPU(Central Processing Unit)102を内蔵している。CPU102には、バス101を介して、入出力インタフェース110が接続されており、CPU102は、入出力インタフェース110を介して、ユーザによって、キーボードや、マウス、マイク等で構成される入力部107が操作等されることにより指令が入力されると、それに従って、ROM(Read Only Memory)103に格納されているプログラムを実行する。あるいは、また、CPU102は、ハードディスク105に格納されているプログラム、衛星若しくはネットワークから転送され、通信部108で受信されてハードディスク105にインストールされたプログラム、またはドライブ109に装着されたリムーバブル記録媒体111から読み出されてハードディスク105にインストールされたプログラムを、RAM(Random Access Memory)104にロードして実行する。これにより、CPU102は、上述したフローチャートにしたがった処理、あるいは上述したブロック図の構成により行われる処理を行う。そして、CPU102は、その処理結果を、必要に応じて、例えば、入出力インタフェース110を介して、LCD(Liquid Crystal Display)やスピーカ等で構成される出力部106から出力、あるいは、通信部108から送信、さらには、ハードディスク105に記録等させる。
ここで、本明細書において、コンピュータに各種の処理を行わせるためのプログラムを記述する処理ステップは、必ずしもフローチャートとして記載された順序に沿って時系列に処理する必要はなく、並列的あるいは個別に実行される処理(例えば、並列処理あるいはオブジェクトによる処理)も含むものである。
また、プログラムは、1のコンピュータにより処理されるものであっても良いし、複数のコンピュータによって分散処理されるものであっても良い。さらに、プログラムは、遠方のコンピュータに転送されて実行されるものであっても良い。
なお、本発明の実施の形態は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。
11 光ディスクドライブ, 12 メモリI/F, 13 操作入力部, 14 メモリ, 15 コントローラ, 15A プロセッサ, 15B メモリ, 16 コーデック, 17 ローカルストレージ, 18 通信I/F, 21 光ディスク, 22 リムーバブルメディア, 23 リモートコマンダ, 24 表示装置, 51 再生制御部, 52 判定部, 53 バインディング部, 101 バス, 102 CPU, 103 ROM, 104 RAM, 105 ハードディスク, 106 出力部, 107 入力部, 108 通信部, 109 ドライブ, 110 入出力インタフェース, 111 リムーバブル記録媒体