JP5029687B2 - 送信装置並びにアレーアンテナ制御方法及び装置 - Google Patents

送信装置並びにアレーアンテナ制御方法及び装置 Download PDF

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Description

本発明は、送信装置並びにアレーアンテナ制御方法及び装置に関する。本発明は、特に無線通信システムを構成する基地局等において用いると好適である。
基地局におけるアレーアンテナ制御技術としては、以下に説明する従来例[1]〜[3]が知られている。
従来例[1]:図示せず
無線通信システム内の基地局は、セル全体(すなわち、全てのユーザ)に対して伝搬させるべき共通チャネル信号を、専用の無指向性アンテナを使用して送出する。
一方、上記の共通チャネル信号に続く各ユーザ毎の個別チャネル信号については、その振幅及び位相を調整した後にアレーアンテナを使用して送出し、各個別チャネル信号が、該アレーアンテナを構成するアンテナ素子同士間の干渉により所望の指向性を有するようにしている。これにより、各個別チャネル信号を、大きな送信電力を必要とせずに各ユーザに対して伝搬することが可能となる。
しかしながら、共通チャネル信号の伝搬には専用の無指向性アンテナが必要であるため、その設置スペースが基地局の小型化を妨げ且つ開発コストを増大させていた。
これに対処するため、以下に示す従来例[2]及び[3]が既に提案されている。
従来例[2]:図示せず
W-CDMA(Wideband Code Division Multiple Access)方式又はTDMA(Time Division Multiple Access)方式による無線通信システム内の基地局が、共通チャネル信号を伝搬する際に、アレーアンテナを構成するアンテナ素子の内、1つのアンテナ素子を使用して送信する(例えば、特許文献1又は2参照。)。
従来例[3]:図示せず
W-CDMA方式による無線通信システム内の基地局が、共通チャネル信号をアレーアンテナを構成する全てのアンテナ素子に与え、共通チャネル信号を送信する(例えば、特許文献3及び4参照。)。
上記の従来例[2]及び[3]では、上記の従来例[1]のような専用の無指向性アンテナは不要となる。
特開2003-158479号公報 特開2005-176160号公報 特開2006-5874号公報 特開2003-60549号公報
上記の従来例[2]では、アレーアンテナ中の1つのアンテナ素子を使用して共通チャネル信号を送出しているが、この送出時には共通チャネル信号をセル全体に伝搬させるだけの大きな送信電力が必要であり、アンテナ素子に接続されるアンプ等を高性能且つ高出力なものにしなければならず、基地局全体の消費電力及び開発コストが増大してしまう。
また、上記の従来例[3]では、同一周波数の共通チャネル信号が各アンテナ素子から送出されて干渉が生じ、信号が伝搬されないヌル方向が存在してしまうため、結局共通チャネル信号は何らかの指向性をもって送信され、無指向性とすることはできない。
従って、本発明は、より無指向性に近い送信を可能とする送信装置並びにアレーアンテナ制御方法及び装置を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するため、本発明の一態様に係るアレーアンテナ制御方法(又は装置)は、全てのユーザに対する共通チャネル信号を、アレーアンテナを構成するアンテナ素子の数に対応した数のサブチャネル信号に周波数分割し、サブチャネル信号の各々に対応付けられた各アンテナ素子に同時に与えることにより無指向性で送信する第1ステップ(又は手段)と、該共通チャネル信号に対して切替可能な各ユーザ毎の個別チャネル信号を、各アンテナ素子を使用して所望の指向性で送信する第2ステップ(又は手段)とを備えたことを特徴とする。
すなわち、共通チャネル信号をアレーアンテナを構成する各アンテナ素子に対してサブチャネル信号として分配し、無指向性で同時に送出する。
これにより、各サブチャネル信号は互いに異なるサブチャネル成分(周波数成分)から成る信号であるので干渉が生じず、無指向性もより完全な特性が得られる。また、各アンテナ素子に接続されるアンプ等には消費電力の小さい低性能且つ低出力なものを用いれば良いので、共通チャネル信号の伝搬に必要な送信電力を大幅に低減することが可能となる。
た、上記おいて、該第1ステップ(又は手段)が、該共通チャネル信号を構成するサブチャネル成分の各々と、各アンテナ素子とを対応付けたテーブルを作成する第3ステップ(又は手段)と、該テーブルに基づき、該共通チャネル信号中の各サブチャネル成分毎のデータを振り分け、以て各サブチャネル信号を発生する第4ステップ(又は手段)とを含むようにしても良い。
このように、共通チャネル信号を構成する各サブチャネル成分と、各アンテナ素子とを対応付けたテーブルを用いて簡易にサブチャネル信号を発生させることができる。
た、上記おいて、該テーブルは、例えば、全てのサブチャネル成分を所定数分のサブチャネル成分毎に分割したサブチャネルと、各アンテナ素子とが対応付けられている。
た、上記おいて、該テーブルは、例えば、全てのサブチャネル成分を順次所定数分のサブチャネル成分置きに選択して分割したサブチャネルと、各アンテナ素子とが対応付けられている。
た、上記おいて、該第3ステップ(又は手段)が、該テーブル中の各アンテナ素子に対する各サブチャネルの対応付けを、該共通チャネル信号が発生される度毎に循環させて変更するステップ(又は手段)をさらに含むようにしても良い。
た、上記おいて、該第1ステップ(又は手段)が、該共通チャネル信号を構成するサブチャネル成分の各々と、各アンテナ素子とを与えられた各アンテナ素子の受信電波品質に応じて対応付けたテーブルを作成する第3ステップ(又は手段)と、該テーブルに基づき、該共通チャネル信号中の各サブチャネル成分毎のデータを振り分け、以て各サブチャネル信号を発生する第4ステップ(又は手段)とを含むようにしても良い。
すなわち、この場合、各サブチャネル信号を各アンテナ素子の受信電波品質に応じて発生させることができ、以て共通チャネル信号を全てのユーザに対して確実に伝搬することができる。
た、上記おいて、該テーブルは、例えば、全てのサブチャネル成分の内の少なくとも一つのサブチャネル成分と一つのアンテナ素子とが対応付けられ、残りのサブチャネル成分がある時は、それを各アンテナ素子の受信電波品質同士の比率に応じて各アンテナ素子に配分したものである。
た、上記おいて、該第1ステップ(又は手段)が、各サブチャネル信号を、指向性を持たない信号として各アンテナ素子に与えるステップ(又は手段)を含み、該第2ステップ(又は手段)が、各個別チャネル信号の振幅及び位相を、各個別チャネル信号が該アンテナ素子同士間の干渉により該所望の指向性を有するように各アンテナ素子毎に調整するステップ(又は手段)を含むようにしても良い。
た、上記おいて、該共通チャネル信号と該個別チャネル信号とが、例えば、周波数分割多重方式によるダウンリンクフレームを構成する。
本発明によれば、より無指向性に近い送信を可能とする送信装置並びにアレーアンテナ制御方法及び装置を提供することができる。
本発明に係る送信装置、並びにアレーアンテナ制御方法及びこれを使用する装置としての基地局の実施例[1]及び[2]を、図1〜図11を参照して以下に説明する。
実施例[1]:図1〜図8
構成例:図1
この例では、IEEE 802.16に規定されるWiMAX通信方式に対応した基地局を例に挙げて説明する。もちろん、他の通信方式に対応する送信装置を用いることもできる。
図1に示す本実施例に係る基地局1は、複数のアンテナ素子(ここでは、4つのアンテナ素子)ANT1〜ANT4を備えたアレーアンテナ10と、ダウンリンクフレームFR_Dを構成するための複数のサブチャネル成分CHを生成するMAC/PHY処理部20と、各サブチャネル成分CHを、指向性を持って送信したい信号(ここでは、MAPデータにより定義されたバーストデータ送信領域で送信するエリア内の各端末宛の信号で、個別チャネル信号と称することとする)SIと、指向性を持たせずに送信したい信号(ここでは、プリアンブル、MAPデータ等のようにエリア内の端末への報知を目的とする信号で、共通チャネル信号と称することとする)SCとに分割する分割部30と、処理部20からの制御情報CTRLに基づき、共通チャネル信号SCを1又は複数のサブチャネル成分を含む複数のサブチャネル信号(ここでは、4つのサブチャネル信号SS1〜SS4)に分割するサブチャネル分割部40(割り当て部)とを備える。
すなわち、N個のサブチャネル成分は、i(iは2以上の整数)個のサブチャネル信号に分割される。各サブチャネル信号に含まれるサブチャネル成分は、互いに重複しないようにすることが望ましい。
例えば、サブチャネル成分1〜N(周波数順)の内、1〜Mは第1サブチャネル信号に、M+1〜Nは第2サブチャネル信号に分割される。4つに分割するのであれば、サブチャネル成分1〜K、K+1〜L、L+1〜M、M+1〜Nに分割すればよい。
なお、分割により得られるサブチャネル信号の数は、2以上であり、好ましくは、アレーアンテナに含まれるアンテナ素子の数(ここでは4)とする。
さて、分割部30で分割された個別チャネル信号SIには、複数のサブチャネル成分が含まれており、それらのサブチャネル成分に基いてIFFT処理を行うIFFT処理部(Inverse Fast Fourier Transform:周波数領域の信号を時間領域の信号に変換する処理部)81が設けられている。
また、サブチャネル分割部40から出力された各サブチャネル信号SS1〜SS4には、それぞれ1又は複数のサブチャネル成分が含まれるが、IFFT処理部82_1〜82_4は、各サブチャネル信号について、IFFT処理を行い、時間領域の信号を出力する。
なお、分割部30は、個別チャネル信号SIと、共通チャネル信号SCを分割するために設けたが、MAC/PHY処理部20が個別チャネル信号SIと、共通チャネル信号SCを別個に出力することで省略することもできるし、共通チャネル信号SCだけを出力することとしてもよい。すなわち、個別チャネル信号SIは送信されなくともよい。
基地局1は、さらに、分割部30からの制御指示信号INS1に基づき、切替指示信号INS2及び係数生成指示信号INS3を発生する制御部50と、切替指示信号INS2に基づき、スイッチSW1〜SW4(以下、符号SWで総称することがある。)が、サブチャネル信号SS、個別チャネル信号SIの内、いずれかを出力するように制御するスイッチ部60と、ユーザ(図示せず)からの受信電波の到来方向RDに基づき、各スイッチSW1〜SW4から出力された個別チャネル信号SIの振幅及び位相をそれぞれ調整するための係数α1〜α4を生成する重み付け係数生成部70とを備えている。
すなわち、個別チャネル信号SIについては指向性を持たせたい場合には、振幅及び位相が調整され、所定の方向にビームが形成される。
なお、スイッチ部は、個別チャネル信号SI、共通チャネル信号SCを時分割的に送信することを考慮して設けたものであり、それぞれ異なる周波数帯を利用するなどして、双方を合成するようにしてもよい。
ここで、上記の制御指示信号INS1は、フレーム分割部30が共通チャネル信号SC及び個別チャネル信号SIのいずれを出力すべきかを制御部50に通知するためのものであり、制御部50は、制御指示信号INS1が個別チャネル信号SIの出力を示す時のみ係数生成指示信号INS3を重み付け係数生成部70に与える。
また、アレーアンテナ10は、個別チャネル信号SIに対して係数α1〜α4をそれぞれ乗算する乗算器11_1〜11_4と、サブチャネル信号SS並びに乗算器11_1〜11_4により振幅及び位相が調整された個別チャネル信号SIをそれぞれ増幅してアンテナ素子ANT1〜ANT4に与えるアンプ12_1〜12_4とを備えている。
次に、この基地局1の動作を説明するが、まず共通チャネル信号SCの送出動作例を、図1〜図5を参照して説明する。そして、個別チャネル信号SIの送出動作例を、図6を参照して説明する。
1)共通チャネル信号SCの送出動作例:図1〜図5
まず、図1に示したMAC/PHY処理部20が、ダウンリンクフレームFR_Dを構成する複数のサブチャネル成分CHを生成して分割部30に与える。
ここで、ダウンリンクフレームFR_Dは、図2に示す如く、共通チャネル信号SCとこれに続く個別チャネル信号SIとで構成されている。この内、共通チャネル信号SCは、基地局1とこのダウンリンクフレームFR_Dを受信するユーザとの間で同期を確立させるためのプリアンブル、変調方式等を設定したFCH(Frame Control Header)、並びにユーザに割り当てたダウンリンク帯域の帯域配置及びアップリンク帯域の帯域配置をそれぞれ設定したダウンリンク帯域割当情報DL-MAP及びアップリンク帯域割当情報UL-MAPを含んでいる。一方、個別チャネル信号SIは、各ユーザ(図示の例では、6ユーザ)に対するユーザデータDL-Burst1〜DL-Burst6を含んでいる。
なお、共通チャネル信号SCは、上記情報に限らず、セル内の複数の端末宛に共通して送信する信号(例えば、報知信号)とすることがきる。特別に指向性を持たせずに送信する信号を共通チャネル信号SCとするのが望ましい。また、個別チャネル信号SIは、セル内の特定の端末宛に送信する信号とすることができる。指向性を持たせて送信する信号を個別チャネル信号SIとするのが望ましい。
なお、各ユーザは、ダウンリンクフレームFR_Dの受信時からTTG(Transmit/receive Transition Gap)として規定される一定のシンボル時間が経過した後、上記のアップリンク帯域割当情報UL-MAPに設定された帯域配置に従い、ユーザデータUL-Burst1,UL-Burst2, …をアップリンクフレームFR_Uとして基地局1に対して送出する。なお、TTGを0として省略することもできる。
上記のダウンリンクフレームFR_D中の共通チャネル信号SCを受けた分割部30は、この共通チャネル信号SCをサブチャネル分割部40に与え、これを示す制御指示信号INS1を制御部50に与える。
制御指示信号INS1を受けた制御部50は、スイッチ部60に対して切替指示信号INS2を与え、スイッチ部60が、各スイッチSW1〜SW4をサブチャネル分割部40からの出力を選択するように制御する。この時、制御部50は、まだ係数生成指示信号INS3を発生しない。一方、共通チャネル信号SCを受けたサブチャネル分割部40は、図3に示すように、共通チャネル信号SCの各サブチャネル成分を4つのサブチャネルF1〜F4に分割し、サブチャネル信号SS1〜SS4としてスイッチSW1〜SW4(図示せず)にそれぞれ同時に与える。すなわち、特別な指向性を与えずに送信すべき信号については、周波数帯F1に属するサブチャネル成分を信号SS1とし、周波数帯F2に属するサブチャネル成分を信号SS2とし、周波数帯F3に属するサブチャネル成分を信号SS3とし、周波数帯F4に属するサブチャネル成分を信号SS4として分割する。
今、スイッチSW1〜SW4はサブチャネル分割部40からのサブチャネル信号SS1〜SS4を選択する状態に制御されているため、サブチャネル信号SS1〜SS4は、スイッチSW1〜SW4を通過してアレーアンテナ10に同時に与えられる。
この時、図1に示した重み付け係数生成部70からは係数αが出力されていないため、サブチャネル信号SS1〜SS4は、アレーアンテナ中の乗算器11_1〜11_4(図示せず)による演算が施されずに、無指向性の信号としてアンプ12_1〜12_4にそれぞれ同時に与えられる。アンプ12_1〜12_4は、サブチャネル信号SS1〜SS4をそれぞれ増幅し、アンテナ素子ANT1〜ANT4を介して送出する。
このように、各アンテナ素子には異なる周波数のサブチャネル信号が割り振られ、各アンテナ素子から送信されるため、基地局1は、共通チャネル信号SCを特別な指向性をもたせずに、無指向性で送出することができる。
なお、各アンテナ素子において、振幅、位相を調整することもできる。
以下、上記のサブチャネル分割部40の具体的な構成及び動作を、図4及び図5を参照して説明する。
サブチャネル分割部40の構成例及び動作例:図4及び図5
図4に示すように、サブチャネル分割部40は、共通チャネル信号SCを構成する一例として16つのサブチャネル成分CH1〜CH16の各々と各アンテナ素子ANT1〜ANT4とを対応付けたテーブルTBLと、共通チャネル信号SCから各サブチャネル成分毎のデータDTに付加されたチャネル番号NCを読み出すチャネル番号読出部41と、テーブルTBL中からチャネル番号NCに一致するサブチャネル成分CHに対応付けられたアンテナ素子を検索し、そのアンテナ素子に接続されたスイッチSWに対して共通チャネル信号SCを振り分けるデータ振分部42と、このデータ振分部42と各スイッチSW1〜SW4との間に設けられ、振り分けられた共通チャネル信号SCからチャネル番号NCを除去するチャネル番号除去部43_1〜43_4とを備えている。
ここで、上記のチャネル番号NCは、MAC/PHY処理部10が、共通チャネル信号SCを生成する度毎に付加するものとする。
動作においては、サブチャネル分割部40が、全ての処理に先立って、図1に示したMAC/PHY処理部10からサブチャネル成分CH1〜CH16のチャネル番号NCとアンテナ素子ANT1〜ANT4の番号NAとが対になって設定された制御情報CTRLを受信し、この制御情報CTRLに基づきテーブルTBLを作成する。この例では、図5(1)に示すサブチャネル成分CH1〜CH16を、4つのサブチャネルF1(4つのサブチャネル成分CH1〜CH4)、F2(CH5〜CH8)、F3(CH9〜CH12)、及びF4(CH13〜CH16)に分割し、アンテナ素子ANT1〜ANT4にそれぞれ対応付けている。また、サブチャネルF1〜F4は、同図(2)に示すように、サブチャネル成分CH1〜CH16を例えば2つ置きに順次選択して分割したものとしても良い。この場合も、以下の説明は同様に適用される。
一方、MAC/PHY処理部10から共通チャネル信号SCを受信した時、サブチャネル分割部40内のチャネル番号読出部41は、この共通チャネル信号SCから各データDTに付加されたチャネル番号NCを読み出してデータ振分部42に与える。
これを受けたデータ振分部42は、このチャネル番号NCに一致するサブチャネル成分CHに対応付けられたアンテナ素子をテーブルTBL中から検索すると共に、共通チャネル信号SCをチャネル番号除去部43_1〜43_4のいずれかに与える。例えば、チャネル番号NCがサブチャネル成分CH1に一致したとすると、サブチャネル成分CH1に対応付けられたアンテナ素子ANT1がテーブルTBL中から検索されるため、データ振分部42は、チャネル番号除去部43_1に対してデータDTをチャネル番号NCが付加された状態で与える。
これを受けたチャネル番号除去部43_1は、共通チャネル信号SCからチャネル番号NCを除去したデータDTをスイッチSW1に与える。また同様に、チャネル番号除去部43_1〜43_4は、データ振分部42からデータDTが振り分けられる度毎に、チャネル番号NCを除去したデータDTをスイッチSW2〜SW4にそれぞれ与える。
このようにして、サブチャネル分割部40は、共通チャネル信号SCを4つに分割したサブチャネル信号SS1〜SS4をスイッチSW1〜SW4にそれぞれ与えることができる。
2)個別チャネル信号SIの送出動作例:図6
図1に示した分割部30は、図2に示した個別チャネル信号SIを受けた時、この個別チャネル信号SIをIFFT処理部81に与え、IFFT処理部81において時間領域の信号に変換された信号は、スイッチ部60内の各スイッチSW1〜SW4に共通に与えられる。一方、分割部30は、個別チャネル信号SIが与えられたことを示す制御指示信号INS1を制御部50に与える。制御指示信号INS1を受けた制御部50は、スイッチ部60に対して切替指示信号INS2を与え、スイッチ部60が、各スイッチSW1〜SW4を個別チャネル信号SIを選択するように制御する。また同時に、制御部50は、係数生成指示信号INS3を重み付け係数生成部70に与える。
個別チャネル信号SIは、図6に示すように、スイッチSW1〜SW4を通過してアレーアンテナ10内の乗算器11_1〜11_4にそれぞれ与えられる。この時、重み付け係数生成部70は、各ユーザからの受信電波到来方向RDに基づき、各スイッチSW1〜SW4から出力された各個別チャネル信号SIの振幅及び位相を調整するための係数α1〜α4を生成して乗算器11_1〜11_4に与える。ここで、係数α1〜α4は、受信電波到来方向RDに対して各個別チャネル信号SIの干渉を強め合うような値に設定する。
乗算器11_1〜11_4は、個別チャネル信号SIに対してそれぞれ係数α1〜α4を乗算してアンプ12_1〜12_4に与える。アンプ12_1〜12_4は、互いに異なる係数が乗算された個別チャネル信号SIをそれぞれ増幅し、アンテナ素子ANT1〜ANT4を介して送出する。
このようにして、基地局1は、時間領域に変換された信号を共通して、アレーアンテナを構成する各アンテナ素子に与えるので、個別チャネル信号SIに所望の指向性を持たせて送出することができる。
上記の共通チャネル信号SCの送出動作及び個別チャネル信号SIの送出動作を繰り返し実行することにより、各アンテナ素子ANT1〜ANT4からは、図7に示す信号が送出される。すなわち、ダウンリンクフレームFR_Dが生成される度毎に、アンテナ素子ANT1〜ANT4は、共通チャネル信号SC中のサブチャネルF1〜F4にそれぞれ対応するデータ(すなわち、サブチャネル信号SS1〜SS4)を無指向性で同時に送出するが、個別チャネル信号SI中の全サブチャネルF1〜F4に対応するデータ(すなわち、個別チャネル信号SIそのもの)を有指向性で送出する。
また、図4に示したサブチャネル分割部40が、テーブルTBL中の各アンテナ素子ANT1〜ANT4に対する各サブチャネルF1〜F4の対応付けを、共通チャネル信号SCが発生される度毎に循環させて変更することにより、図8に示すように、各アンテナ素子ANT1〜ANT4に対して割り当てるサブチャネルF1〜F4を循環させることもできる。
実施例[2]:図9〜図11
図9に示す実施例に係る基地局1では、MAC/PHY処理部20が、サブチャネル分割部40に対して各アンテナ素子ANT1〜ANT4の受信電波品質RQ1〜RQ4(以下、符号RQで総称することがある。)をさらに与えるようにした。
ここで、上記の受信電波品質RQは、図示の受信電波品質測定部90が、各アンテナ素子で受信した受信信号の品質を測定することにより得られる。すなわち、TDDを採用する場合、各アンテナ素子ANT1〜ANT4における受信電波品質は、送信電波品質と略同様に変化するものと考えられるため、受信電波品質に基いて、各アンテナ素子の送信電波品質を推定する。なお、各アンテナ素子における受信電波品質は、例えば、各アンテナ素子についてサブチャネル成分CH1〜CH16の受信電波品質の平均を用いることができる。
次に、本実施例の動作を説明するが、サブチャネル分割部40以外の動作は上記の実施例[1]と同様であるため、その説明を省略する。
まず、サブチャネル分割部40は、例えば下記の式(1)に従って各アンテナ素子ANT1〜ANT4に対して割り当てるべきサブチャネル成分数Y1〜Y4を算出する。
Figure 0005029687
ここで、上記の式(1)中のCNは、共通チャネル信号SCを構成する全サブチャネル成分数(この例では“16”)であり、Xは、アンテナ素子数(この例では“4”)である。
また、上記の式(1)中の右辺第4項は、各アンテナ素子ANT1〜ANT4に対して固定的に1つずつのサブチャネル成分を割り当てることを示す。また、同右辺第3項は、受信電波品質RQ1〜RQ4の総和に占める各受信電波品質RQ1〜RQ4の割合(すなわち、受信電波品質RQ1〜RQ4同士の比率)を示し、同右辺第1項及び第2項の差と第3項との積は、固定的に割り当てるサブチャネル成分数(4)を除く残りのサブチャネル成分を、受信電波品質RQ1〜RQ4同士の比率に応じて各アンテナ素子ANT1〜ANT4に対して割り当てることを示している。
今、図10に示すように、アンテナ素子ANT1〜ANT4の受信電波品質RQ1〜RQ4として、それぞれ“5”、“1(最低)”、“10(最高)”、及び“4”が測定されたとすると、上記の式(1)により、各アンテナ素子ANT1〜ANT4に対する割当サブチャネル成分数Y1〜Y4は、それぞれ“4”、“2”、“7”、及び“3”として算出される。
例えば、テーブルTBLが図4と同様に設定されており、各アンテナ素子ANT1〜ANT4対して4つずつのサブチャネル成分が割り当てられているとすると、サブチャネル分割部40は、上記の割当サブチャネル成分数Y1〜Y4から、アンテナ素子ANT1に対する割当サブチャネル成分はそのままで良いが、アンテナ素子ANT2及びANT4に対する割当サブチャネル成分をそれぞれ「2つ」及び「1つ」だけ減少すべきであり、アンテナ素子ANT3に対する割当サブチャネル成分を「3つ」だけ増加すべきことを認識し、テーブルTBL中のサブチャネル成分CH7及びCH8、並びにCH13をアンテナ素子ANT3に対応付けて変更する。
そして、データ振分部42が、変更後のテーブルTBLに基づき、上記の実施例[1]と同様にして共通チャネル信号SCの振分処理を実行する。すなわち、テーブルTBLの変更後、サブチャネル成分CH7、CH8、又はCH13に一致するチャネル番号NCが付加されたデータDTは、チャネル番号除去部43_2又は43_4では無くチャネル番号除去部43_2に振り分けられ、最も受信電波品質の高いアンテナ素子ANT3にサブチャネル信号SS3として与えられることになる。
これを受信電波品質RQが測定される度毎に実行することにより、各アンテナ素子ANT1〜ANT4からは、図11に示す如く受信電波品質(すなわち、送信電波品質)に応じて適切に共通チャネル信号SCが送出され、以て共通チャネル信号SCを全てのユーザに対して確実に伝搬することができる。
なお、上記実施例によって本発明は限定されるものではなく、特許請求の範囲の記載に基づき、当業者によって種々の変更が可能なことは明らかである。
本発明に係る送信装置並びにアレーアンテナ制御方法及び装置の実施例[1]の構成例を示したシーケンス図である。 本発明に係る送信装置並びにアレーアンテナ制御方法及び装置の実施例[1]に用いるフレームフォーマット例を示したタイムチャート図である。 本発明に係る送信装置並びにアレーアンテナ制御方法及び装置の実施例[1]における共通チャネル信号の送出動作例を示したブロック図である。 本発明に係る送信装置並びにアレーアンテナ制御方法及び装置の実施例[1]に用いるサブチャネル分割部の構成例及び動作例を示したブロック図である。 本発明に係る送信装置並びにアレーアンテナ制御方法及び装置の実施例[1]におけるサブチャネル分割例を示した図である。 本発明に係る送信装置並びにアレーアンテナ制御方法及び装置の実施例[1]における個別チャネル信号の送出動作例を示したブロック図である。 本発明に係る送信装置並びにアレーアンテナ制御方法及び装置の実施例[1]における各アンテナ素子からの信号送出の一例を示したタイムチャート図である。 本発明に係る送信装置並びにアレーアンテナ制御方法及び装置の実施例[1]における各アンテナ素子からの信号送出の他の例を示したタイムチャート図である。 本発明に係る送信装置並びにアレーアンテナ制御方法及び装置の実施例[2]の構成例を示したシーケンス図である。 本発明に係る送信装置並びにアレーアンテナ制御方法及び装置の実施例[2]に用いるサブチャネル分割部の構成例及び動作例を示したブロック図である。 本発明に係る送信装置並びにアレーアンテナ制御方法及び装置の実施例[2]における各アンテナ素子からの信号送出例を示したタイムチャート図である。
符号の簡単な説明
1 基地局
10 アレーアンテナ
11, 11_1〜11_4 乗算器
12, 12_1〜12_4 アンプ
20 MAC/PHY処理部
30 フレーム分割部
40 サブチャネル分割部
41 チャネル番号読出部
42 データ振分部
43, 43_1〜43_4 チャネル番号除去部
50 制御部
60 スイッチ部
70 重み付け係数生成部
81, 82_1〜82_4 IFFT処理部
90 受信電波品質測定部
ANT, ANT1〜ANT4 アンテナ素子
FR_D ダウンリンクフレーム
SC 共通チャネル信号
SI 個別チャネル信号
SS, SS1〜SS4 サブチャネル信号
F1〜F4 サブチャネル
CH, CH1〜CHn サブチャネル成分
CN チャネル番号
DT データ
AN アンテナ素子番号
TBL テーブル
CTRL 制御情報
INS1 制御指示信号
INS2 切替指示信号
INS3 係数生成指示信号
SW, SW1〜SW4 スイッチ
α, α1〜α4 係数
RD 受信電波到来方向
RQ, RQ1〜RQ4 受信電波品質
図中、同一符号は同一又は相当部分を示す。

Claims (7)

  1. 全てのユーザに対する共通チャネル信号を、アレーアンテナを構成するアンテナ素子の数に対応した数のサブチャネル信号に周波数分割し、該サブチャネル信号の各々に対応付けられた各アンテナ素子に同時に与えることにより無指向性で送信する第1ステップと、
    該共通チャネル信号に対して切替可能な各ユーザ毎の個別チャネル信号を、各アンテナ素子を使用して所望の指向性で送信する第2ステップと、
    を備えたことを特徴とするアレーアンテナ制御方法。
  2. 全てのユーザに対する共通チャル信号を、アレーアンテナを構成するアンテナ素子の数に対応した数のサブチャル信号に周波数分割し、該サブチャネル信号の各々に対応付けられた各アンテナ素子に同時に与えることにより無指向性で送信する第1手段と、
    該共通チャネル信号に対して切替可能な各ユーザ毎の個別チャネル信号を、各アンテナ素子を使用して所望の指向性で送信する第2手段と、
    を備えたことを特徴とするアレーアンテナ制御装置。
  3. 請求項2において、
    該第1手段が、
    該共通チャネル信号を構成するサブチャネル成分の各々と、各アンテナ素子とを対応付けたテーブルを作成する第3手段と、
    該テーブルに基づき、該共通チャネル信号中の各サブチャネル成分毎のデータを振り分け、以て各サブチャネル信号を発生する第4手段と、
    を含むことを特徴としたアレーアンテナ制御装置。
  4. 請求項3において、
    該テーブルは、全てのサブチャネル成分を所定数分のサブチャネル成分毎に分割したサブチャネルと、各アンテナ素子とが対応付けられていることを特徴としたアレーアンテナ制御装置。
  5. 請求項2において、
    該第1手段が、
    該共通チャネル信号を構成するサブチャネル成分の各々と、各アンテナ素子とを与えられた各アンテナ素子の受信電波品質に応じて対応付けたテーブルを作成する第3手段と、
    該テーブルに基づき、該共通チャネル信号中の各サブチャネル成分毎のデータを振り分け、以て各サブチャネル信号を発生する第4手段と、
    を含むことを特徴としたアレーアンテナ制御装置。
  6. 請求項1において、
    該第1ステップの送信が、第1のタイミングで行われ、この後、前記第2ステップの送信が第2のタイミングで行われることを特徴とするアレーアンテナ制御方法。
  7. 請求項2において、
    該第1手段の送信が、第1のタイミングで行われ、この後、第2手段の送信が第2のタイミングで行われることを特徴とするアレーアンテナ制御装置。
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