JP5028663B2 - 液体柔軟剤組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、衣類等繊維製品用の液体柔軟剤組成物に関する。
近年の洗濯機の大型化やまとめ洗い習慣などに代表されるように洗濯環境は変化してきている。かかる洗濯環境の変化により被洗物の黄ばみやニオイのこり現象が起こる頻度が高くなってきている。酸化防止剤を柔軟剤に配合して、黄ばみやニオイの発生を抑制することは周知であるが、発生してしまった黄ばみに対して改善効果は得られない。被洗物の黄ばみの改善に対応した柔軟剤がなかったのが現状である。また、柔軟剤の外観は経時にしたがって、黄味がかってくる問題がある。乳化分散型の柔軟剤は澄んだ乳白色や薄い着色が好まれており、黄味がかることは審美的に好ましくない。外観が透明な柔軟剤に関しては特許文献1のような技術が出願されている。しかし、乳化分散型の乳白色や薄い着色の柔軟剤に関しては有効な手段がなかったのが実情である。
特開2001−192965号公報
従って、本発明は、発生した衣類の黄ばみを白色化して改善でき、しかも低温における保存安定性に優れた液体柔軟剤組成物を提供することを目的とする。
本発明は、下記(A)〜(D)を含有する液体柔軟剤組成物を提供する。
(A)カチオン性を有する水溶性高分子化合物、
(B)シリコーン化合物、
(C)水溶性蛍光増白剤、及び
(D)炭素数2〜6の一価アルコール、炭素数2〜6の多価アルコール、及び下記式(D-I)又は(D-II)で表わされるグリコールエーテルからなる群から選択される水溶性溶剤:
1−O−(R2O)m−H (D-I)
(式中、R1は、炭素数2〜6のアルキル基又はフェニル基であり、R2は、炭素数2又は3のアルキレン基であり、mは、平均付加モル数を表し、2〜3の数である。)
3−O−(R2O)n−R4 (D-II)
(式中、R3及びR4は、それぞれ独立して炭素数1又は2のアルキル基であり、R2は、炭素数2又は3のアルキレン基であり、nは平均付加モル数を表し、1〜3の数である。)
本発明は、衣類に発生してしまった黄ばみを改善でき、長期保存に伴う組成物の変色を抑制できる。本発明によればまた、低温保存に伴う水溶性蛍光増白剤の析出を抑制できる。
(A)成分 カチオン性を有する水溶性高分子化合物
本発明の(A)成分は、(B)成分のシリコーン化合物、(C)成分の水溶性蛍光増白剤を繊維へ吸着させる効果を有するものである。カチオン性を有する水溶性高分子化合物としては、水に溶解した時にカチオン性を有するものを使用し得る。アミノ基、アミン基、第4級アンモニウム基から選ばれる1種以上のカチオン性基を有する水溶性高分子化合物が好ましい。なお、本発明において、水溶性高分子とは、25℃の水100gに対し、高分子化合物1gを加えたときに、その液が濁らず透明であるものをいう。
(A)成分のカチオン性を有する水溶性高分子化合物は、カチオン化度が0.1%以上のものが好ましく、例えば0.1〜35%であるのがよく、特に2.5%以上が好ましく、例えば2.5〜15%であるのがよい。カチオン化度がこのような条件を満たすことにより、共存するシリコーン化合物を繊維へ吸着させる効果を向上させることができ、かつ、多量の配合が必要となって経済的でないケースを防止することができる。
ここで、カチオン化度とは、高分子化合物がカチオン性モノマーの重合体、カチオン性モノマーとノニオン性モノマーの共重合体、及びノニオン性重合体の一部をカチオン性基で変性又は置換したもの(カチオン化セルロースなど)の場合には下記式(1)により、また、高分子化合物がカチオン性モノマーとアニオン性モノマーの共重合体、及びカチオン性モノマーとアニオン性モノマーとノニオン性モノマーの共重合体の場合には、下記式(2)により算出される値と定義する。
カチオン化度(%)=X×Y×100 …式(1)
[X:高分子化合物のカチオン性基中のカチオン化された原子(窒素等)の原子量
Y:高分子化合物1g中に含まれるカチオン性基のモル数]
カチオン化度(%)=X×(Y−Z)×100 …式(2)
[X:高分子化合物のカチオン性基中のカチオン化された原子(窒素等)の原子量
Y:高分子化合物1g中に含まれるカチオン性基のモル数
Z:高分子化合物1g中に含まれるアニオン性基のモル数
(Zのアニオン性基とは、高分子鎖中のモノマー単位に含まれるカルボキシル基、スルホン酸基などが挙げられる。具体的には、アクリル酸中のカルボン酸などである。ただし、カチオン性基の対イオンは含まない。)]
カチオン化度の算出例として、下記式(III)で表されるMERQUAT280(NALCO社製)の場合を示す。
X:14(窒素原子の原子量)
Y:4.95×10-3(カチオン性基の1g中の重量:0.8gとカチオン性基の分子量より算出)
Z:2.78×10-3(アニオン性基の1g中の重量:0.2gとアニオン性基の分子量より算出)
式(2)より、
カチオン化度(%)=14×(4.95×10-3−2.78×10-3)×100=3.0である。
Figure 0005028663
(MERQUAT280)
塩化ジメチルジアリルアンモニウムとアクリル酸との質量比=80:20
よって、上記記載のカチオン化度の算出法によれば、ノニオン性モノマーの重合体やアニオン性モノマーの重合体のカチオン化度は0となる。
(A)成分の水溶性高分子は、ポリエチレングリコールを標準物質としてゲルパーメーションクロマトグラフィ法で測定される重量平均分子量が、1,000〜5,000,000であることが好ましく、より好ましくは3,000〜1,000,000であり、さらに好ましくは5,000〜500,000である。これにより粘度の上昇を抑えて使用性を優秀なものとすることが可能となる。
(A)成分の例としては、MERQUAT100(NALCO社製)、アデカカチオエースPD−50(旭電化工業(株))、ダイドールEC−004、ダイドールHEC、ダイドールEC(大同化成工業(株)製)等の塩化ジメチルジアリルアンモニウムの重合体、MERQUAT550 (NALCO社製)等の塩化ジメチルジアリルアンモニウム・アクリルアミド共重合体、MERQUAT280(NALCO社製)等の塩化ジメチルジアリルアンモニウム・アクリル酸共重合体、レオガードMGP、レオガードKGP(ライオン(株)製)等のカチオン化セルロース、LUVIQUAT−FC905(B・A・S・F社製)等の塩化イミダゾリニウム・ビニルピロリドン共重体、LUGALVAN−G15000(B・A・S・F社製)等のポリエチレンイミン、ポバールCM318((株)クラレ製)等のカチオン化ポリビニルアルコール、キトサン等のアミノ基を有する天然系の高分子誘導体、ジエチルアミノメタクリレート・エチレンオキシド等が付加された親水基を有するビニルモノマーとの共重合体等が挙げられるが、水に溶解時にカチオン性を有する高分子化合物であればよく、本例に限定されるものではない。この中で、シリコーンの付与するすべり性などの風合いを妨げない観点から、(A)成分単独で吸着した時に繊維に付与する剛性の小さいものが好ましい。好ましい高分子としては、下記一般式(IV)に示すジメチルジアリルアンモニウム塩を重合して得られるカチオン性高分子である。この高分子の構造単位は、通常、下記一般式(V)又は下記一般式(VI)で表わされる。また、一般式(V)の構造単位と一般式(VI)の構造単位が共に含まれていてもよい。
Figure 0005028663
(式中X-は、塩化物イオン、臭化物イオンなどの任意のマイナスイオンを示す。)
















Figure 0005028663
式中、c、dは、各々平均重合度であり、各々6〜30000の範囲であることが好ましく、より好ましくは20〜6000、さらに好ましくは30〜3000の範囲である。
このような高分子の例としては、MERQUAT100、MERQUAT280(NALCO社製)、MERQUAT550(NALCO社製)、アデカカチオエースPD−50(旭電化工業(株)製)、ダイドールEC−004、ダイドールHEC、ダイドールEC(大同化成工業(株)製)等が挙げられる。
塩化ジメチルジアリルアンモニウムの重合体、塩化ジメチルジアリルアンモニウム・アクリルアミド共重合体、及び塩化ジメチルジアリルアンモニウム・アクリル酸共重合体が更に特に好ましい。
本発明の(A)成分としては、上記のカチオン性を有する水溶性高分子化合物を1種単独で用いてもよいし、混合物として用いることもできる。
(A)成分の配合量は特に限定されないが、繊維製品に剛性を付与しない範囲のものとするのが好ましく、例えば、組成物の全質量をベースとして、0.1〜30質量%とするのがよく、さらに好ましくは0.5〜10質量%、特に好ましくは1〜5質量%とするのがよい。(A)成分の配合量をこのような範囲のものとすることにより、シリコーンの吸着促進効果が高めて、織組織のゆがみ改善が可能となり、かつ、粘度の上昇を抑えて使用性の面で良好なものとすることができる。
本発明の繊維製品用液体仕上げ剤組成物中において、(A)成分:(B)成分の質量比は、99:1〜1:99の範囲内である。好ましくは50:50〜1:99の範囲である。このような範囲内の比とすることにより、ポリエステルサテンに対し、すべり性等の風合いの優れた機能が得られる。尚、(A)成分の割合がこの範囲内にあることにより、シリコーンの繊維への吸着性を良好なものとすることができる。
(B)成分
本発明の(B)成分は、シリコーン化合物である。このシリコーン化合物は、繊維製品に吸着した時に、滑り性を付与することが可能であれば特に限定されない。一般的に繊維処理に使用されているシリコーン化合物としては、ジメチルシリコーン、ポリエーテル変性シリコーン、メチルフェニルシリコーン、アルキル変性シリコーン、高級脂肪酸変性シリコーン、メチルハイドロジェンシリコーン、フッ素変性シリコーン、エポキシ変性シリコーン、カルボキシ変性シリコーン、カルビノール変性シリコーン、及びアミノ変性シリコーンなどが挙げられ、これらの1種を単独で又は2種以上の混合物として使用することができる。
このシリコーン化合物の分子構造は、直鎖状であっても分岐や架橋していてもよい。また、変性シリコーン化合物は1種類の有機官能基により変性されていても構わないし、2種以上の有機官能基により変性されていてもよい。
シリコーン化合物はオイルとして使用でき、また任意の乳化剤によって分散された乳化物としても使用できる。さらに、前述の(A)成分による(B)成分のシリコーン化合物を繊維へ吸着させる効果を高め、滑り性を高める点から、(B)成分のシリコーン化合物は、非イオン性であることが好ましく、より好ましい例としては、ジメチルシリコーン、カルビノール変性シリコーン、エポキシ変性シリコーン、ポリエーテル変性シリコーン及び、アミノ変性シリコーンが挙げられる。
このなかでも特に好ましいシリコーン化合物として、繊維製品用液体仕上げ剤組成物を透明にし、商品価値を高めることができる、低温安定性が良好等の観点から、ポリエーテル変性シリコーンを挙げることができる。本シリコーンは、ポリエーテル基を有しないジメチルシリコーンに比べ、キシミ感が少なく良好な滑り性を有するとともに、透明な仕上げ剤組成物を得るのに好適である。好ましいポリエーテル変性シリコーンとしては、アルキル(炭素数1〜3)シロキサンとポリオキシアルキレン(アルキレン基の炭素数2〜5が好ましい)の共重合体が挙げられる。このうち、ジメチルシロキサンとポリオキシアルキレン(ポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレン、エチレンオキシドとプロピレンオキシドとのランダム又はブロック共重合体など)の共重合体が好ましい。このようなものとして、下記一般式(B-I)又は(B-II)で表される化合物が挙げられる。
Figure 0005028663
(式中、M、N、a及びbは平均重合度であり、Rは水素又はアルキル基を表す。)
ここで、Mは10〜10000、好ましくは100〜300、Nは1〜1000、好ましくは1〜100、かつM>Nであることが好ましく、aは2〜100、好ましくは2〜50、bは0〜50、好ましくは0〜10が好ましい。Rとしては水素又は炭素数1〜4のアルキル基が好ましい。
一般式(B-I)で表されるポリエーテル変性シリコーンは、一般に、Si−H基を有するオルガノハイドロジェンポリシロキサンと、例えばポリオキシアルキレンアリルエーテル等の、炭素−炭素二重結合を末端に有するポリオキシアルキレンアルキルエーテルとを白金触媒下、付加反応させることにより製造することができる。従って、ポリエーテル変性シリコーン中には未反応のポリオキシアルキレンアルキルエーテルやSi−H基を有するオルガノハイドロジェンポリシロキサンがわずかに含まれる場合がある。Si−H基を有するオルガノハイドロジェンポリシロキサンは反応性が高いため、ポリエーテル変性シリコーン中の存在量として30ppm以下(Si−Hの量として)で存在していることが好ましい。




Figure 0005028663
(式中、A、B、h、及びiは平均重合度であり、Rはアルキル基を表し、R’は水素又はアルキル基を表す。)
ここで、Aは5〜10000、Bは2〜10000であることが好ましく、hは2〜100、iは0〜50が好ましい。Rとしては炭素数1〜5のアルキル基が好ましい。R’としては水素又は炭素数1〜4のアルキル基が好ましい。
上記線状ポリシロキサン−ポリオキシアルキレンブロック共重合体は、反応性末端基を有するポリオキシアルキレン化合物と、該化合物の反応性末端基と反応する末端基を有するジヒドロカルビルシロキサンとを反応させることにより製造することができる。
本発明で用いるポリエーテル変性シリコーンオイルの具体的な例としては、東レ・ダウコーニング(株)製のSH3772M、SH3775M、SH3748、SH3749、SF8410、SH8700、BY16−850、BY22−008、SF8421、SILWET L−7001、SILWET L−7002、SILWET L−7602、SILWET L−7604、SILWET FZ−2104、SILWET FZ−
2120、SILWET FZ−2161、SILWET FZ−2162、SILWET FZ−2164、SILWET FZ−2171、ABN SILWET FZ−F1−009−01、ABN SILWET FZ−F1−009−02、ABN SILWET FZ−F1−009−03、ABN SILWET FZ−F1−009−05、ABN SILWET FZ−F1−009−09、ABN SILWET FZ−F1−009−11、ABN SILWET FZ−F1−009−13、ABN SILWET FZ−F1−009−54、ABN SILWET FZ−2222、信越化学工業(株)製のKF352A、KF6008、KF615A、KF6016、KF6017、GE東芝シリコーン(株)製のTSF4450、TSF4452等が挙げられ、これらを1種単独で又は2種以上の混合物として用いることができる。
本発明で用いる(B)成分のシリコーン化合物の配合量は特に限定されないが、被洗物の織組織のゆがみ改善効果と組成物の粘度の点から、組成物の全質量をベースとして、3〜40質量%が好ましく、さらに好ましくは5〜30質量%、特に好ましくは6〜20質量%である。これにより、衣類の白色化効果を相乗的に優秀なものとすることができ、かつ、組成物の分離を抑えて使用性を良好なものとすることができる。
(C)成分
本発明において用いることのできる蛍光増白剤は、280〜400nm、好ましくは300〜400nmの波長領域に吸光度の極大値を有するものであって水溶性のもの、即ち25℃のイオン交換水100mLに1.0gのサンプルが完全に溶解するものである。水溶性でないものは保存の際に組成物中で沈殿を生じる場合がある。(C)成分は単独で使用することもできるし2種以上を併用することもできる。このような化合物としては、下記式(C-1)で表される4,4'-ジアミノスチルベンジスルホン酸誘導体、(2)で表されるビススチリルビフェニル誘導体、(3)で表されるクマリン誘導体で水溶性を示すものを用いることが望ましい。

Figure 0005028663
〔式中、R1とR2は、互いに独立的に、OH、NH2、O−Ra(Raは炭素数1〜4のアルキル基、以下同様)、O−Ar(Arはアリール基、以下同様)、NH−Ra、N(Ra)2、N(Ra)(Rb)(Rbは炭素数1〜4のヒドロキシアルキル基、以下同様)、N(Rb)2、NH−Ar、モルホリノ、S−Ra、S−Ar、Cl又はOH、R3は水素原子、SO3M、ORa、CN、Cl、COO−Ra又はCON−(Ra)2、R4は水素原子又はRa、R5は水素原子、Ra、CN、Cl、COO−Ra、CON(Ra)2、Ar又はO−Ar、Mは水素原子、Na、K、Ca、Mg、アンモニウム、モノ−、ジ−、トリ−又はテトラ−アルキル(炭素数1〜4)アンモニウム、モノ−、ジ−又はトリ−ヒドロキシアルキル(炭素数1〜4)アンモニウム又は炭素数1〜4のアルキル基と炭素数1〜4のヒドロキシアルキル基との混合によってジ置換又はトリ置換されたアンモニウムであり、nは0又は1である。〕。
式(C-1)の化合物の例としては、日本化薬製の商品名 Kayaphor FBがあげられる。式(2)の化合物の例としては、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製の商品名 Tinopal CBS-X、Beijing PRINA Chemical社製の商品名 Optical Brightener CBS-Xがあげられる。式(C-3)の化合物の例としては、住化ケムテックス製の商品名 Whitex WSがあげられる。
黄ばみの改善効果が高く、長期保存により生じる組成物の変色を抑制する効果が高いことから、特に式(C-2)で表される化合物を用いることが望ましい。これらの中でもTinopal CBS-X、Optical Brightener CBS-Xが特に好ましい。
本発明の組成物中、上記の水溶性蛍光増白剤の配合量は好ましくは0.005〜5質量%であり、より好ましくは0.01〜3質量%である。水溶性蛍光増白剤の配合量をこのような範囲とすることにより、保存中に組成物の色調が変化するのを抑制する効果を高め、かつ、経済的で蛍光増白剤の析出を抑えて使用性の面で良好なものとすることができる。
(D)成分 水溶性溶剤
(D)成分は、組成物の低温安定性を改善するために必須である。但し、上記一般式(D-I)において、R1:2〜4、R2:エチレン基、m=1であるところの所謂セロソルブ類は、危険有害性の点から化学品の分類及び表示に関する世界調和システム(GHS)に基づき、表示対象物質となっているので、好ましくない。
(D)成分としては、炭素数2〜6の一価アルコール、炭素数2〜6の多価アルコール、または式(D-I)で表されるグリコールエーテルが好ましい。一価アルコールもしくは多価アルコールとしては、炭素数2〜4のものがより好ましい。式(D-I)で表されるグリコールエーテルとしては、R1が炭素数2〜6のアルキル基である化合物がより好ましい。水溶性溶剤としては、具体的には、エタノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ペンタンジオール類、ヘキサンジオール類、ヘキシレングリコール、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル等が挙げられる。ジエチレングリコールモノブチルエーテル、エタノール、エチレングリコール、ジエチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテルが好ましい。
(D)成分の含有量は、組成物全量に対して、0.1〜15質量%とするのがよく、好ましくは1〜10質量%、さらに好ましくは3〜8質量%とすることができる。(D)成分の量が過剰に含まれると、(C)成分の低温での析出等が生じやすくなり、少ないと(B)成分が分離してしまうおそれがある。
さらに、本発明の繊維製品用液体仕上げ剤組成物には、保存安定性を高めるために、ノニオン性界面活性剤を配合することができる。
[任意成分:ノニオン性界面活性剤]
ノニオン性界面活性剤としては、炭素数8〜20のアルキル基又はアルケニル基を1つ以上有するポリオキシアルキレンアルキルエーテル、炭素数8〜20のアルキルアミン、またはアルキルアミドのアルキレンオキシド付加物、炭素数8〜20の飽和または不飽和脂肪酸とグリセリン、ペンタエリスリトール、ソルビトール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコールのモノ、ジ、トリ、テトラエステル体またはそれらの混合物などが挙げられる。中でも、下記一般式(VII)で表されるノニオン性界面活性剤が好ましい。
R1−T−[(R2O)p−H]q (VII)
(式中、R1は、炭素数10〜18、好ましくは12〜18のアルキル基又はアルケニル基であり、R2は炭素数2又は3のアルキレン基であり、好ましくはエチレン基である。pは平均付加モル数であり、2〜50、好ましくは5〜30、特に好ましくは5〜20の数を示す。Tは−O−、−N−、−NH−、−N(C2H4OH)−、−CON−、−CONH−又はCON(C2H4OH)−であり、Tが−O−、−NH−、−N(C2H4OH)−、−CONH−、又は−CON(C2H4OH)−の場合は、qは1であり、Tが−N−又は−CON−の場合は、qは2である。)
上記一般式(VII)の化合物の具体例として、下記一般式(VIII)、(IX)、(X)、(XI)で表される化合物を挙げることができる。
R1−O−(C2H4O)r−H (VIII)
(式中、R1は前記と同じ意味であり、rは平均付加モル数であり、2〜50、好ましくは5〜30の数である。)
R1−O−(C2H4O)s(C3H6O)t−H (IX)
(式中、R1は前記と同じ意味であり、s及びtは平均付加モル数であり、sは2〜40、好ましくは5〜30の数であり、tは1〜20、好ましくは1〜10の数である。(C2H4O)と(C3H6O)はランダム又はブロック付加体であってもよい。)



Figure 0005028663
(式中、R1は前記と同じ意味であり、u及びvは平均付加モル数であり、u+vの合計は2〜60、好ましくは2〜40の数である。
ノニオン性活性剤の配合量は、組成物の全質量をベースとして、0.05〜10質量%とするのがよく、特に0.25〜8質量%、更に0.5〜5質量%が好ましい。このような配合量とすることにより、保存安定性の向上効果を十分なものとすることができ、かつ、効果が飽和に達した際の余分な添加を抑えて経済性を図ることが可能となり、さらに処理時の泡立ちの点からも好ましいものとすることができる。
[任意成分:香料]
本発明では、組成物の芳香のために香料を添加することができる。使用される香料原料のリストは、様々な文献、例えば「Perfume and Flavor Chemicals 」,Vol.Iand II,Steffen Arctander,Allured Pub.Co.(1994)および「合成香料 化学と商品知識」、印藤元一著、化学工業日報社(1996)および「Perfume and Flavor Materials of Natural Origin 」,Steffen Arctander,Allured Pub.Co.(1994)および「香りの百科」、日本香料協会編、朝倉書店(1989)および「Perfumery Material Performance V.3.3」,Boelens Aroma Chemical Information Service(1996)および「Flower oils and Floral Compounds In Perfumery」,Danute Lajaujis Anonis,Allured Pub.Co.(1993)等で見られ、それぞれを引用することにより本明細書の開示の一部とされる。
[任意成分:抗菌剤]
本発明の繊維製品用液体仕上げ剤組成物には、抗菌効果を付与する目的で、有機系防菌防黴剤、無機系防菌防黴剤の中から1種を単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
有機系防菌防黴剤としては、アルコール系、フェノール系、アルデヒド系、カルボン酸系、エステル系、エーテル系、二トリル系、過酸化物・エポキシ系、ハロゲン系、ピリジン・キノリン系、トリアジン系、イソチアゾロン系、イミダゾール・チアゾール系、アニリド系、ビグアナイド系、ジスルフィド系、チオカーバメート系、糖質系、トロポロン系、界面活性剤系、有機金属系のものが含まれる。また、無機系防菌防黴剤としては、金属酸化物、銀系が含まれる。
この中でも、効果と保存安定性の観点から、イソチアゾロン系の有機硫黄化合物、イミダゾール・チアゾール系の有機硫黄化合物、安息香酸類、フェノール系のフェノール化合物、界面活性剤系のカチオン系化合物が好ましく、この化合物1種を単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
イソチアゾロン系の有機硫黄化合物としては、3−イソチアゾロン基を含む抗微生物性の有機系防菌防黴剤が好ましい。これらの化合物は、1981年5月5日発行のLewisらの米国特許第4,265,899号明細書に開示されている。その例としては、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン、2−n−ブチル−3−イソチアゾロン、2−ベンジル−3−イソチアゾロン、2−フェニル−3−イソチアゾロン、2−メチル−4,5−ジクロロイソチアゾロン、5−クロロ−2−メチル−3−イソチアゾロン、2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン、及びそれらの混合物が挙げられる。より好ましい抗菌剤は、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンと2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンとの水溶性混合物であり、更に好ましくは約77質量%の5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンと約23質量%の2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンとの水溶性混合物である。イソチアゾロン系の有機硫黄化合物としては、ローム・アンド・ハース社のケーソンCG/ICP(約1.5質量%水溶液)、純正化学(株)製のジュンサイド5(約5質量%エチレングリコール溶液)などのジュンサイドシリーズに例示される市販されているものを使用することができる。
イミダゾール・チアゾール系の有機硫黄化合物としては、1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オン、2−メチル−4,5−トリメチレン−4−イソチアゾリン−3−オンなどが挙げられ、類縁化合物として、ジチオ−2,2−ビス(ベンズメチルアミド)なども使用でき、それらを任意の混合比で使用することができる。このような化合物としては、アビシア(株)製のプロキセルシリーズ〔BDN(有効分33質量%)、BD20(有効分20質量%)、XL−2(有効分10質量%)、GXL(有効分20質量%)、LV(有効分20質量%)、TN(有効分60質量%)〕、デニサイドBIT・NIPAなどの市販品を用いることができる。
安息香酸類、フェノール化合物としては、安息香酸又はその塩、サリチル酸又はその塩、パラヒドロキシ安息香酸又はその塩、パラオキシ安息香酸メチル、パラオキシ安息香酸エチル、パラオキシ安息香酸プロピル、パラオキシ安息香酸ブチル、パラオキシ安息香酸ベンジル、3−メチル−3−イソプロピルフェノール、o−フェニルフェノール、2−イソプロピル−5−メチルフェノール、レゾルシン、クレゾール、2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾールなどを使用することができる。
カチオン系化合物としては、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、アルキルトリメチルアンモニウム塩、アルキルキノリニウム塩、アルキルアミノプロピルジメチルベンジルアンモニウム塩、アルキルピリジニウム塩、ジアルキルジメチルアンモニウム塩、ポリオキシアルキレントリアルキルアンモニウム塩、アルキルフェノキシエチルジメチルベンジルアンモニウム塩、アルキルイソキノリニウム塩、アルキルジメチルベンジルアンモニウム塩、ポリオキシエチレントリメチルアンモニウム塩、アルキルジメチルフェノキシエチルアンモニウム塩、アルキルイミダゾリウム塩、クロルヘキシジングルコン酸塩などが挙げられる。
これらの抗菌剤は、組成物に対して0〜10質量%配合されるのが好ましく、更に好ましい配合量は、0.00001〜5質量%、より好ましくは0.00005〜3質量%である。
また、抗菌力を向上する目的で、更に以下の化合物の1種又は2種以上を、組成物に対して0〜0.5質量%、好ましくは0.00001〜0.1質量%用いることができる。化合物としては、ピリチオンナトリウム、1,3−ビス(ヒドロキシメチル)−5,5−ジメチル−2,4−イミダゾリジンジオン、ジメチロールジメチルヒダントイン、DMDMヒダントイン(Lonza社製Glydant、又はGlydan Plus)、N−[1,3−ビス(ヒドロキシメチル)2,5−ジオキソ−4−イミダゾリジニル]−N,
N′−ビス(ヒドロキシメチル)尿素(一般にジアゾリジニル尿素名で発売されている)、N,N″−メチレンビス{N′−[1−(ヒドロキシメチル)−2,5−ジオキソ−4−イミダゾリジニル]尿素}、一般にイミダゾリジニル尿素として知られているものなどのイミダゾリジンジオン化合物、ポリメトキシド二環性オキサゾリジン化合物、ホルムアルデヒド、グルタルアルデヒドなどの低分子量アルデヒド、一般式HCl・NH2−(CH2)3−[−(CH2)3−NH−C(=NH)−NH−C(=NH・HCl)−NH−(CH2)3−]x−(CH2)3−NH−C(=NH)−NH・CNを有するポリヘキサメチレンビグアニドとしても知られているポリアミノプロピルビグアニド、ポリアミノプロピルビグアニド、クロルヘキシジンとして一般に知られている1,1′−ヘキサメチレンビス(5−(p−クロロフェニル)ビグアニド)、酢酸及びジグルコン酸などの塩である二グルコン酸塩やその二酢酸塩、アビシア(株)製Proxel IB、1−(3−クロラリル)−3,5,7−トリアザ−1−アゾニアアダマンタンクロリド(例えばDow ChemicalからDowicil 200の商品名で発売)、デヒドロ酢酸、一般にプロパミジンイセチオネートとして知られている4,4′−ジアミジノ−α,ω−ジフェノキシプロパンジイセチオネート、一般にヘキサミジンイセチオネートとして知られている4,4′−ジアミジノ−α,ω−ジフェノキシヘキサンジイセチオネート、12−(4′−チアゾリル)−ベンズイミダゾール、2−(4−チオシアノメチルチオ)ベンゾチアゾール、メチル−2−ベンズイミダゾールカルバミドなどのイミダゾール系又はチアゾール系抗菌剤、クロロブタノールとして一般に知られている1,1,1−トリクロロ−2−メチルプロパン−2−オール、クロロブタノール、4,4′−(トリメチレンジオキシ)ビス−(3−ブロモベンズアミジン)ジイセチオネート、ジブロモプロパミジン、ジブロモプロパミジン、3,4,4′−トリクロロカルバニリド、トリクロカルバンとしても知られているN−(4−クロロフェニル)−N′−(3,4−ジクロロフェニル)尿素、トリクロサンとして一般的に知られている2,4,4′−トリクロロ−2′−ヒドロキシジフェニルエーテル、4,4′−ジクロロ−2−ヒドロキシジフェニルエーテル、チバスペシャルティケミカルズ(株)製チノサンHP100(商品名)、塩化亜鉛などの亜鉛化合物が挙げられる。
[任意成分:染料]
本発明では、組成物の着色のために染料を添加することができる。染料は特に限定されないが、添加の容易さから水溶性染料が好ましく、中でも酸性染料、直接染料から選ばれる水溶性染料の1種又は2種以上であることが好ましい。添加できる染料の具体例は、例えば染料便覧(有機合成化学協会編,昭和45年7月20日発行,丸善(株))、染料ノー
ト第22版((株)色染社)、法定色素ハンドブック(日本化粧品工業連合会編、1988年11月28日発行、(株)薬事日報社)等に記載されており、それらを引用することにより本明細書の開示の一部とされる。染料の配合量は、組成物の全質量をベースとして、好ましくは0.005〜25ppm、より好ましくは0.05〜15ppmとすることができる。このような配合量とすることにより、仕上げ剤組成物に着色された色が非常に薄くなるのを防止でき、着色効果を充分なものとすることができる一方で、仕上げ剤組成物に着色された色が濃くなりすぎるのを防止できる。
[任意成分:酸化防止剤]
本発明では、組成物の香気安定性や色調安定性向上のため、酸化防止剤を添加することができる。酸化防止剤としては、一般に知られている天然系酸化防止剤、合成系酸化防止剤ともに使用できる。具体的には、アスコルビン酸、アスコルビン酸パルミテート、没食子酸プロピルの混合物、BHT(ブチル化ヒドロキシトルエン)、BHA(ブチル化ヒド
ロキシアニソール)、没食子酸プロピル、及びクエン酸の混合物、ハイドロキノン、三級ブチルハイドロキノン、天然のトコフェロール系化合物、没食子酸の長鎖エステル(C8〜C22)、例えば没食子酸ドデシル、チバスペシャルティケミカル(株)から入手可能なイルガノックス系化合物、クエン酸及び/またはクエン酸イソプロピル、1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸(エチドロン酸)、4,5−ジヒドロキシ−m−ベンゼンスルホン酸/ナトリウム塩、ジメトキシフェノール、カテコール、メトキシフェノール、カロチノイド、フラン類、アミノ酸類等が挙げられる。
この中で、組成物の外観や保存安定性の観点から、BHT(ブチル化ヒドロキシトルエン)、メトキシフェノール、トコフェロール系化合物等が好ましい。 酸化防止剤の配合量は、0.005〜0.5質量%の範囲で使用されることが好ましい。
[任意成分:消泡剤]
本発明では、消泡剤を配合することができる。消泡剤としては、例えばシリコーン系消泡剤、アルコール系消泡剤、エステル系消泡剤、鉱油系消泡剤、植物油系消泡剤、及び合成油系消泡剤等が挙げられるが、仕上げ剤計量時の泡立ちを抑えて計量性を向上させる観点からシリコーン系の消泡剤が好ましい。シリコーン系消泡剤としては、オイル型消泡剤、コンパウンド型消泡剤、自己乳化型消泡剤、エマルション型消泡剤、粉末型消泡剤及び固形型消泡剤等が挙げられ、この中でも、自己乳化型消泡剤及びエマルション型消泡剤が好ましい。消泡剤の配合量は特に限定されないが、組成物の全質量をベースとして、0.05ppm〜0.5質量%とすることができ、さらに好ましくは0.5ppm〜0.03質量%とすることができる。
本発明の仕上げ剤組成物には、本発明の効果を妨げない範囲で、通常の家庭用仕上げ剤に使用されている添加剤などを使用することができる。そのような添加剤として、具体的には、カチオン性界面活性剤、流動パラフィン、高級アルコールなどの油剤、尿素、炭化水素、非イオン性セルロース誘導体、紫外線吸収剤、蛍光増白剤、後述するpH調整剤等が挙げられる。なお、アニオン性界面活性剤、アニオン性高分子化合物は、配合する場合には、シリコーン化合物の吸着効果を考慮して、(A)成分のカチオン性を有する水溶性高分子化合物の含有量よりも低い量で配合するのがよい。
[任意成分:pH調整剤]
本発明の繊維製品用液体仕上げ剤組成物のpHは特に限定されないが、2〜10の範囲であることが好ましく、3〜7の範囲であることがより好ましい。必要に応じて、塩酸、硫酸、リン酸、アルキル硫酸、安息香酸、パラトルエンスルホン酸、クエン酸、リンゴ酸、コハク酸、乳酸、グリコール酸、ヒドロキシエタンジホスホン酸、フィチン酸、エチレンジアミン四酢酸、トリエタノールアミン、ジエタノールアミン、ジメチルアミン、N−メチルエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン等の短鎖アミン化合物、水酸化ナトリウム等のアルカリ金属水酸化物、アルカリ金属炭酸塩、アルカリ金属珪酸塩などのpH調整剤を用いることができる。
本発明の繊維製品用液体仕上げ剤組成物は、上記(A)〜(D)成分及び場合により任意成分を含有し、通常、残部は水である。本発明の繊維製品用液体仕上げ剤組成物の製造は、上記各成分を容器に充填し、これを十分に撹拌した後に水を添加して均一になるまで十分に撹拌することにより行うことができる。
以下に実施例及び比較例で使用した成分を示す。









Figure 0005028663
Figure 0005028663
B-1;シリコーン化合物の実験室合成方法
(CH3)3SiO(CH3CH3SiO)210(CH3HSiO)9Si(CH3)3で表されるハイドロジェンシロキサン828g、平均組成CH2=CHCH2O(CH2CH2O)9Hで表されるアリル化ポリエーテル210g、エチルアルコール726g及び塩化白金酸のClを中和したものを白金がアリル化ポリエーテルに対して重量で5ppmとなるように秤量して、反応温度80℃で攪拌し、5時間反応させた。反応終了後、減圧留去することにより、ポリエーテル変性シリコーンを得た。
Figure 0005028663



Figure 0005028663
水溶性の判定は、25℃のイオン交換水100mLに1.0gのサンプルを溶解させることにより行い、サンプルが完全に溶解したものを○とした。
Figure 0005028663
[C-4の化合物名]
2,2'-Stilbenedisulfonic acid,4,4'-bis((4-amilino-6-bis(2-hydroxyethyl)amino-s-triazin-2-yl);amino)-,disodium salt
[C-5の構造式]








Figure 0005028663
Figure 0005028663
[共通成分]
下記の成分は、表内に示した量(有姿での配合量)を添加した。























Figure 0005028663















Figure 0005028663
[液体柔軟剤組成物の調製]
(B)、(D)および共通成分1−A、1−B、1−Cのいずれかを、500mlビーカーに充填し、撹拌羽根を用いて十分に撹拌した。次に、撹拌しながら、イオン交換水を添加し、さらに撹拌しながら、(A)、(C)および残りの共通成分2−A、2−B又は2−Cのいずれかを添加し撹拌後、均一になるまで十分に撹拌して、400gの実施例及び比較例の液体柔軟剤組成物を調製した。
このようにして調製した液体柔軟剤組成物を用い、以下の手順に従って黄ばみ改善及び保存安定性を評価した。結果を表7に示す。
〔黄ばみ改善評価〕
<前処理条件>
生成タオル(フェイスタオル、ライブコットン(株)製)、綿タオル(東進(株)製)を、電気洗濯機(三菱電機(株)製CW-C30A1-H)の標準コースにて洗浄(「リキッドトップ」標準使用量、水温50℃、15分、浴比30倍)を2回行った後、流水すすぎを15分間×5回行った。(各洗浄、すすぎ間には全て5分間脱水した。)
<柔軟剤処理>
前処理洗浄した生成タオル(フェイスタオル、ライブコットン(株)製)1枚と綿タオル(東進(株)製)とをあわせて1.0kgを市販洗剤「リキッドトップ」(ライオン(株)製)の標準量を使用し、電気洗濯機(三菱電機(株)製CW-C30A1-H)の標準コース、25℃の水道水30L(浴比30倍)にて、10分間洗浄した。3分間のすすぎに続いて、すすぎ2回目に水道水20L(浴比20倍)で、柔軟剤組成物を7mL添加して、3分間衣料の柔軟仕上げ処理を行った。洗浄、すすぎの各工程間で脱水を1分間行った。その後、20℃、45%RHの恒温調湿室で乾燥させた。この工程を3回繰り返した。また、市販柔軟剤「ふんわりソフラン」(ライオン(株)製)7mLを水道水20L中に溶解して同様に処理した生成タオルを標準品として作成した。標準品を対照にして、パネラー5人の官能による一対比較評価を行い、供試柔軟剤組成物の黄ばみ改善効果を評価した。
下記評価基準に従って評価したパネラー5人の評価点数を平均し、1未満を×、1以上1.5未満を○、1.5以上を◎とした。商品価値上、○以上が合格である。
[評価基準]
標準品と同等である……0(点)
標準品よりやや白い……1(点)
標準品より白い…………2(点)
標準品よりかなり白い…3(点)
〔保存安定性の評価〕
<色調安定性評価>
組成物を5本の軽量PSガラスビン(PS−No.11、田沼硝子工業所製)に100mLずつ入れて密閉し、50℃の恒温室に入れ、8週間保存した。保存後、25℃に冷却して、以下の項目について評価を行った。
組成物の色を5人の訓練したパネラーにより下記に示す基準に基づき、目視評価し平均点を求めた。平均点が1未満を◎、1以上1.5未満を○、1.5以上を×とした。商品価値上、○以上を合格とした。
[評価基準]
保存前の試料と同等…………0(点)
やや黄色に変色している……1(点)
黄色に変色している…………2(点)
著しい変色が認められる……3(点)
<凍結復元性評価>
組成物を広口規格ビン(PS No.11)に100ml入れたもの5本を−20℃の恒温槽に入れ、1日間貯蔵した。保存後の組成物を12時間かけて解凍したのち、その外観を5人の訓練したパネラーにより下記に示す基準で評価し平均点を求めた。平均点が1未満を◎、1以上1.5未満を○、1.5以上を×とした。商品価値上、○以上が合格である。
[評価基準]
保存前と同等 ………………0
やや外観に変化がみられる……1
析出、分離が見られる…………2
著しく析出、分離が見られる…3











































Figure 0005028663

Claims (4)

  1. 下記(A)〜(D)を含有する液体柔軟剤組成物。
    (A)カチオン性を有する水溶性高分子化合物、
    (B)シリコーン化合物、
    (C)水溶性蛍光増白剤として、ビススチリルビフェニル誘導体、及び
    (D)炭素数2〜6の一価アルコール、炭素数2〜6の多価アルコール、及び下記式(D-I)又は(D-II)で表わされるグリコールエーテルからなる群から選択される水溶性溶剤:
    1−O−(R2O)m−H (D-I)
    (式中、R1は、炭素数2〜6のアルキル基又はフェニル基であり、R2は、炭素数2又は3のアルキレン基であり、mは、平均付加モル数を表し、2〜3の数である。)
    3−O−(R2O)n−R4 (D-II)
    (式中、R3及びR4は、それぞれ独立して炭素数1又は2のアルキル基であり、R2は、炭素数2又は3のアルキレン基であり、nは平均付加モル数を表し、1〜3の数である。)
  2. ビススチリルビフェニル誘導体が、下記式(2)で表される請求項1記載の液体柔軟剤組成物。
    Figure 0005028663
    式中、R 3 は、水素原子、SO 3 M、ORa、CN、Cl、COO−Ra又はCON−(Ra) 2 であり、Raは炭素数1〜4のアルキル基であり
    Mは、水素原子、Na、K、Ca、Mg、アンモニウム、モノ−、ジ−、トリ−又はテトラ−アルキル(炭素数1〜4)アンモニウム、モノ−、ジ−又はトリ−ヒドロキシアルキル(炭素数1〜4)アンモニウム又は炭素数1〜4のアルキル基と炭素数1〜4のヒドロキシアルキル基との混合によってジ置換又はトリ置換されたアンモニウムであり
    nは、0又は1である。
  3. (B)シリコーン化合物が、ポリエーテル変性シリコーンである請求項1又は2記載の液体柔軟剤組成物。
  4. (A)カチオン性を有する水溶性高分子化合物が、重量平均分子量1000〜500万の塩化ジメチルジアリルアンモニウムポリマーである請求項1〜3のいずれか1項記載の液体柔軟剤組成物。
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