JP5025423B2 - カテーテル挿入案内システムおよび該システムを組み込んだ医用画像診断装置 - Google Patents

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Description

本発明は、被検体にカテーテルを挿入して検査、治療を行うにあたって、カテーテル挿入の案内を行うカテーテル挿入案内システムおよび該システムを組み込んだ医用画像診断装置に関する。
近年、X線画像を用いた診断は、例えば、循環器の分野を中心としてカテーテルの利用技術が向上したこともあり進歩を遂げている。循環器疾患を診断するX線画像診断装置では、X線透視下で血管内の目的部位までカテーテルを進めて診断や治療が行われる。
その際、血管内を進めるカテーテルの操作を簡便にするために、例えば、透視ロードマップ法が用いられる。この透視ロードマップ法では、まず、診断、治療の対象となる被検体に対して造影剤を投与した状態で所定方向から第1のX線画像データを収集する。そして、診断・治療時にこの被検体の略同一方向においてリアルタイムで得られる第2のX線画像データと第1のX線画像データとを並列配置或いは合成することによって術者に表示する。この透視ロードマップ法を利用するにはこのように第1及び第2のX線画像データを使用するが、両者の画像データの撮影方向が異なることもあり、必ずしも診断、治療効率の向上には寄与していなかった。
そこで、以下の特許文献1には、第2のX線画像データの撮影方向に略合致する第1のX線画像データを画像データ群の中から選択して用いることにより、上述したような不都合を回避する発明が開示されている。
特開2005−87633号公報
しかしながら、上記特許文献1において開示される構成においては、次の点について配慮がなされていない。すなわち、例えば、冠動脈カテーテルインターベンションにおいては、血管狭窄部位の把握が非常に大切になる。なぜならば特にこの血管狭窄部位がソフトプラークである場合には破裂する危険が高く、カテーテル先端と血管狭窄部位との接触を避けなければならないからである。また、接触によりソフトプラークが剥離し、他の場所に堆積することによってさらに別のソフトプラークの発生を誘発することにもなりかねない。
特許文献1にて開示される構成を含む従来の透視ロードマップ法では、術者は二次元のX線透視画像を見てカテーテルが挿入される血管内の位置を把握しなければならない。これでは特に表示される画像の奥行き方向の前後関係を理解して把握するのは困難である。このためカテーテル手技の精度が良くなかったり、それがために術式に時間がかかるといった弊害も招来していた。
本発明は上記課題を解決するためになされたものであり、本発明の目的は、カテーテル先端と血管狭窄部位との正確な位置関係を表示させることによって、術者に対して血管内におけるカテーテルの進行方向を示し、カテーテル先端と血管狭窄部位との接触を回避することのできるカテーテル挿入案内システムおよび該システムを組み込んだ医用画像診断装置を提供することである。
本発明の実施の形態に係る第1の特徴は、カテーテル挿入案内システムにおいて、予め撮影され再構成された被検体に関する三次元画像に基づき血管及び血管芯線を抽出する血管芯線抽出手段と、カテーテル先端の位置を示す位置情報を基に被検体の位置と対応する三次元画像の位置との位置合わせを行うキャリブレーション手段と、血管芯線抽出手段、キャリブレーション手段からの情報、並びに術中に得られる被検体についての透視画像、心電図情報及びカテーテル位置情報に基づいて、対象となる血管について三次元画像及び透視画像の位置合わせを行うとともに、対象となる血管内において血管芯線から血管内壁までの距離が最短となる方向を算出する画像位置合わせ手段と、画像位置合わせ手段からの情報に基づいて対象となる血管内を移動するカテーテルをガイドする表示画像を生成する画像生成手段とを備える。
本発明の実施の形態に係る第2の特徴は、医用画像診断装置において、予め撮影され再構成された被検体に関する三次元画像に基づき血管及び血管芯線を抽出する血管芯線抽出手段と、カテーテル先端の位置を示す位置情報を基に被検体の位置と対応する三次元画像の位置との位置合わせを行うキャリブレーション手段と、血管芯線抽出手段、キャリブレーション手段からの情報、並びに術中に得られる被検体についての透視画像、心電図情報及びカテーテル位置情報に基づいて、対象となる血管について三次元画像及び透視画像の位置合わせを行うとともに、対象となる血管内において血管芯線から血管内壁までの距離が最短となる方向を算出する画像位置合わせ手段と、画像位置合わせ手段からの情報に基づいて対象となる血管内を移動するカテーテルをガイドする表示画像を生成する画像生成手段と、を備えることを特徴とするカテーテル挿入案内システムと、対象となる血管において、方向を表示可能とする範囲を指定する入力手段と、画像生成手段において生成されたガイド表示を表示する表示手段とを備える。
本発明によれば、カテーテル先端と血管狭窄部位との正確な位置関係を表示させることによって、術者に対して血管内におけるカテーテルの進行方向を示し、カテーテル先端と血管狭窄部位との接触を回避することのできるカテーテル挿入案内システムおよび該システムを組み込んだ医用画像診断装置を提供することができる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明の実施の形態における医用画像診断装置1の内部構成を示すブロック図である。医用画像診断装置1は、医療機関内に設置されており、カテーテルを利用して診断、治療を行うことから、例えば、X線診断装置やCT(computed tomography:コンピュータ断層撮影)装置が該当する。本発明の実施の形態においては、医用画像診断装置1に後述するカテーテル挿入案内システム10を実装した場合を例に挙げて以下、説明を行う。なお、以下、カテーテル挿入案内システム10を用いて被検体に対してカテーテルを挿入する医師を「術者」と表わす。
医用画像診断装置1は、CPU(Central Processing Unit)1aと、ROM(Read Only Memory)1bと、RAM(Random Access Memory)1c及び入出力インターフェイス1dがバス1eを介して接続されている。入出力インターフェイス1dには、入力手段1fと、表示手段1gと、通信制御手段1hと、記憶手段1iと、リムーバブルディスク1jと、駆動部制御手段1kとが接続されており、駆動部制御手段1kによって医用画像診断装置1の各駆動部1lが制御される。
CPU1aは、入力手段1fからの入力信号に基づいてROM1bから医用画像診断装置1を起動するためのブートプログラムを読み出して実行し、記憶手段1iに格納されている各種オペレーティングシステムを読み出す。またCPU1aは、入力手段1fや入出力インターフェイス1dを介して、図1において図示していないカテーテル等その他の外部機器からの入力信号に基づいて各種装置の制御を行う。さらにCPU1aは、RAM1cや記憶手段1i等に記憶されたプログラム及びデータを読み出してRAM1cにロードするとともに、RAM1cから読み出されたプログラムのコマンドに基づいて、データの計算または画像の加工等、一連の処理を実現する処理装置である。
入力手段1fは、医用画像診断装置1の操作者が各種の操作を入力するキーボード、ダイヤル等の入力デバイスにより構成されており、操作者の操作に基づいて入力信号を作成しバス1eを介してCPU1aに送信される。また、医用画像診断装置1には、キーボード等だけでなく専用の操作パネルが設けられていても良く、その操作パネル上の入力デバイスを介して操作画面に対する操作を行うこともできる。表示手段1gは、例えば液晶ディスプレイであり、例えばCPU1aからバス1eを介して出力信号を受信し、術式の最中にカテーテルの進む方向等を示すガイド表示等、CPU1aの処理結果を表示する手段である。
通信制御手段1hは、LANカードやモデム等の手段であり、医用画像診断装置1をインターネットやLAN等の通信ネットワークに接続することを可能とする手段である。通信制御手段1hを介して通信ネットワークと送受信したデータは入力信号または出力信号として、入出力インターフェイス1d及びバス1eを介してCPU1aに送受信される。例えば、被検体についての撮影画像を記憶しておくサーバと通信ネットワークを介して接続されていることによって、カテーテルのガイドを行うに必要な三次元画像を読み込むことができる。
記憶手段1iは、半導体や磁気ディスクで構成されており、CPU1aで実行されるプログラムやデータが記憶されている。リムーバブルディスク1jは、光ディスクやフレキシブルディスクのことであり、ディスクドライブによって読み書きされた信号は、入出力インターフェイス1d及びバス1eを介してCPU1aに送受信される。
なお、本発明の実施の形態における医用画像診断装置1では、カテーテル挿入案内プログラムが記憶手段1i、或いはリムーバブルディスク1jに格納されており、CPU1aに読み込まれ実行されることにより、カテーテル挿入案内システム10が医用画像診断装置1に実装されることになる。
図2は、カテーテル挿入案内システム10が医用画像診断装置1に実装された場合の構成を示すブロック図である。カテーテル挿入案内システム10は、受信手段11と、画像位置合わせ手段12と、画像情報入手手段13と、血管芯線抽出手段14と、キャリブレーション手段15と、画像生成手段16と、送信手段17とから構成される。以下、カテーテル挿入案内システム10による術者に対する案内の流れについて図3に示すフローチャートや表示される画面例を示す模式図等を利用しつつ説明を行う。
例えば、カテーテルCを利用した冠動脈カテーテルインターベンションが行われるためには、予めX線CT装置によって被検体の撮影がなされている必要がある(ST1)。この撮像によって取得されたボリュームデータから被検体についての三次元画像が生成され保存される(ST2)。この三次元画像の保存場所は、医用画像診断装置1の記憶手段1iであっても、或いは、医用画像診断装置1が接続されるネットワーク上に置かれる、例えば、画像保存サーバ等に記憶されていても良い。また、保存される三次元画像には、被検体ごとに割り振られる識別子が付けられ、三次元画像を検索する際にはこの識別子を基に検索が行われる。
冠動脈カテーテルインターベーションが行われる際には、被検体をリアルタイムで撮影しつつカテーテルの挿入が行われる。そこで、冠動脈カテーテルインターベーションが開始されると、画像位置合わせ手段12は、被検体をリアルタイムに撮影する透視画像を受信手段11を介して入手する(ST3)。同時に、カテーテルCの挿入対象とされる被検体に関する三次元画像を該当する三次元画像が保存されている場所から入手するよう、画像情報入手手段13に指示をする。
重要なのは、被検体のどの部分に血管狭窄部位が存在するかと認識し、その部位と挿入したカテーテルが接触しないように被検体にカテーテルCを挿入することである。カテーテル挿入案内システム10は、術者にカテーテルCの挿入をするのに必要な案内(ガイド)をすることである。従って、カテーテル挿入案内システム10では、予め撮影されて保存されている被検体に関する三次元画像とその被検体をリアルタイムで撮影して得られる透視画像との位置合わせを行って術者をガイドする。
本発明の実施の形態においては、心臓の拡張末期における画像を用いて術者にガイドを行う。そのため、心電計から被検体の心臓の動きに関するタイミング情報を取得して(ST3)リアルタイムで撮影される透視画像のうち拡張末期における画像を表示させるとともに、画像位置合わせ手段12は、この透視画像に合致する三次元画像を画像情報入手手段13を介して検索する(ST4)。
検索された三次元画像は血管芯線抽出手段14によってその三次元画像に映し出されている血管及び血管芯線を抽出するために用いられる(ST5)。血管は、例えば、三次元画像から血管の壁面を検出することによって抽出する。また、血管芯線は、細線化等の技術を利用することによって抽出することができる。この血管芯線は、例えば、管状の血管中央部の点を繋いで表わしたものと言うことができ、カテーテルCの挿入経路を決定するために用いられる。また、血管の内壁において出っ張っている部位が血管狭窄部位に該当すると言える。そのため、血管の内壁において血管芯線から最も近い部分がこの血管狭窄部位に該当する。そこで血管芯線は、血管狭窄部位の方向を表示させるためにも利用される。
抽出される血管及び血管芯線は、三次元画像内に複数出てくる場合もあることから、術者が冠動脈カテーテルインターベーションの開始点と治療対象となる血管狭窄部位の位置を入力することによって、抽出された血管及び血管芯線の中からカテーテルCを挿入する血管等が選択され、その血管芯線に基づいて予定進行経路が決定される。
さらに、カテーテルCが被検体に挿入される前にカテーテル先端部に設けられているセンサを用いて、カテーテル先端部の位置と向きの検出を行う(ST6)。この検出は、例えば、被検体の体表面の複数箇所にカテーテルCの先端部を押し当てることによって行われる。そして、検出されたカテーテル先端部の位置に関する情報(以下、「カテーテル位置情報」という。)を基に被検体の位置と該当する三次元画像との位置を合わせる(ST7)。この両者の位置あわせはキャリブレーション手段15が行い、得られた情報を画像位置合わせ手段12へと送る。なお、このカテーテルCの先端部に設けられているセンサは、カテーテルCが血管内に挿入された際にもリアルタイムにカテーテルCの位置を検出してカテーテル位置情報を画像位置合わせ手段12に送る。
リアルタイムに取得される透視画像とカテーテルCの位置を示す情報とは被検体の撮影を開始するときには既にその位置合わせが終了し、血管中を進むカテーテルCの正確な位置が透視画像に示される。上述したように、カテーテル位置情報から、キャリブレーション手段15がカテーテルCの位置と三次元画像におけるカテーテルの位置とを合わせている。このような位置合わせをそれぞれ行うことによって三次元画像と透視画像との位置合わせも行うことができる(ST8)。
画像位置合わせ手段12は、さらに、血管芯線から血管の内壁までの距離が最短となる方向を算出する(ST9)。これは、三次元画像上において血管狭窄部位を表示させるためであり、表示画面上では血管狭窄部位における三次元画像の断面を表示させることになる。詳しくは、血管芯線抽出手段14によって抽出された血管及び血管芯線を用いて、血管芯線に沿って、かつ血管の内壁までの距離が最短となる(血管の内径が最小となる)方向を一定距離ごとに算出する。
術者は、血管狭窄部位に該当する領域をどのように表示させるか、表示領域を指定する(ST10)。上述したように、従来の透視ロードマップ法では、術者は二次元のX線透視画像を見てカテーテルCが挿入される血管内の位置を把握しなければならない。そこで、血管狭窄部位の位置を血管芯線からの方向として示すとともに、カテーテルCが進む方向の一定領域を、三次元画像上において画像奥行き方向の前後関係として表示させることにより、血管狭窄部位の位置を正確に把握できるようにしている。
そして、画像生成手段16はこれらの情報を全て利用した上で三次元画像を加工するとともに透視画像と合わせて画面の割り振りをして表示画像を生成する(ST11)。生成された画像は、送信手段17から表示手段1gに送られて表示される(ST12)。
図4は、表示手段1gに表示された画面の一例を示す模式図である。この画面例は一例に過ぎず、レイアウトや表示方法については任意に設定することが可能である。
図4に示される画面例では、大きく左右に画面が分かれ、左側に被検体をリアルタイムで撮影した透視画像が表示されている。この透視画像にはカテーテルCが挿入される血管が映し出されている。
一方、右側には三次元画像が表示され、さらに上下に2分割されている。上側の領域には、対象となる血管Vを血管芯線VCに沿って切断した断面を示しており、ここでは、Curved MPR(Curved Multiple Plane Reconstruction:局面任意断面再構成)という手法を用いて表示させている。ここには血管外壁VOと血管内壁VIとが表示されており、血管内壁VIの中心に血管芯線VCが点線で示されている。血管芯線VC上には、カテーテルCを示す矢印(図4では太い実線で表示)とその先にカテーテルCが進む経路を示す矢印(図4では一点鎖線で表示)が表示されている。太い実線の矢印の頂点がカテーテルCの先端部に該当する。また、一点鎖線で示されるカテーテルCが進む経路を示す矢印は同時にカテーテルCの進む血管内の奥行き方向を示す。
この上側の領域に示される三次元画像においては、血管内壁VIに血管芯線VCに向かって突出した部位があり、これが血管狭窄部位Aに該当する(図4では細い実線の矢印で表示)。また、カテーテルCの先端部から血管狭窄部位Aの位置までの予定進行経路上における距離Lも示されている。この距離Lは、血管V内における画像奥行き方向の距離を示すものである。距離Lの表示態様は任意に設定することが可能である。例えば、カテーテルCの先端部を始点とする距離Lは、血管狭窄部位Aの位置を終点とし、その位置を固定して示すことも可能である。このように設定することで、カテーテルCが血管内を進むにつれて距離Lの値は小さくなっていき、血管狭窄部位Aに近づいていることが表示される。
三次元画像が表示される下側の領域には、血管狭窄部位Aの位置で血管Vを切った断面が表示されている。この三次元画像では、カテーテルCは画面手前から奥に向かって血管V内を進む状態、すなわち、例えて言うならばカテーテルCの先端部から血管芯線VCに沿って血管Vの内部を見た状態をFlythroughとい手法を用いて示している。この断面図が表示されることによって血管芯線VCから血管狭窄部位Aまでの距離及び方向が術者に適切に示される。
また、この領域には、さらに表示される血管Vの断面がどの位置にあり、どのような向きを持っているかを示すガイド表示が示されている。このガイド表示Gは、血管Vの断面図の左上に2つの矢印(破線と二点鎖線)によって示され、さらに、透視画像においても表示されている。すなわち、図4の左側に示されている透視画像において、カテーテルCを示す太い実線の矢印とカテーテルCが進む経路を一点鎖線で示す矢印との間に表示される平行四辺形で表わされている。
さらに、このガイド表示Gについては、透視画像上でどの向きに表示されているかをも区別することができる。すなわち、三次元画像を表示する右側下の画面では常に血管Vの手前から奥に向かってカテーテルCが進む方向に見えるようにその断面が示される。但し、このような表示は二次元で表示される透視画像上ではなされないため、術中に主に透視画像を見てカテーテルCを血管V内に進める術者にとっては血管Vの向きがわかり難い。
例えば、湾曲した血管Vの内部をカテーテルCが進んでいく場合、図5の説明図に示すように、例えば、血管Vが湾曲している状態がわかるように透視画像上で表示されている場合には(仮に平面からみた状態を示すものとする)、カテーテルCがどの方向に向かって血管V内を進むかは容易に理解することができる。図5において矢印はカテーテルCが進む経路を示すものであり、G1及びG2で表わされるのはガイド表示Gである。
一方、このように湾曲した血管Vを例えば、図5に示すような血管Vを平面に見た状態に合わせて血管Vを正面から見ると、血管Vが湾曲した状態は表示されない。このような状態でカテーテルCが進む方向を矢印で示したとしても術者は適切にカテーテルCを血管V内を進めることができない。そこで、図6に示すように、ガイド表示Gとして矢印とともにその矢印によって構成される面(画面例右側下に表示される断面)を平行四辺形で表して同時に表示することによって、二次元の画像としてしか表示されない透視画像においてもその血管Vの向きが容易に理解することができるようになる。
本発明の実施の形態においては、さらに透視画像上で表示される平行四辺形が表裏どちらの面を示しているかも表示することを可能としている。すなわち、画面例右側下に表示される断面(カテーテルCの先端部から血管Vの内部を見る方向に表わされる面)を表面とし、その断面を逆に血管Vの内部からカテーテルCの方向に表わされる面を裏面として表示方法を変えて画面上に表示することとしている。例えば、図6に示すように、図5で示す湾曲した血管Vを正面から見ることによってその湾曲していることが画面上表示されないような状態にあっても、カテーテルCが進む方向を矢印で示すだけではなく併せてガイド表示Gをも表示させることによって、術者に表示される血管Vの向きを知らせることができる。
図6では、図5に合わせて、左側のガイド表示G1はその裏面が術者に見えるように表示されている。従って、透視画像は二次元の表示でその湾曲までは表示されていないが、表示される血管Vは術者に向かってくるように(すなわち、術者は血管Vの内部からカテーテルCの先端部を見るように)理解することができる。一方、右側のガイド表示G2は、その表面が術者に見えるように表示されている。従って、ガイド表示Gの表示が裏面から表面に変わったこと及び、カテーテルCが進む方向を示す矢印が左から右に向かっていることを考慮すると、血管Vは一旦術者に向かって伸び、その後術者から離れる向きに伸びていること、すなわち大きく湾曲していることが理解できる。
上述したように、本発明の実施の形態においては、心臓の拡張末期における画像を用いて術者にガイドを行うため、心電計から被検体の心臓の動きに関するタイミング情報を取得している。従って、例えば、心臓の拡張末期が生ずるたびに画像位置合わせ手段12において透視画像と三次元画像との位置合わせを行い、併せてガイド表示の更新を行うようにすると適切な表示がなされる(ST13)。そのため、改めてカテーテルC先端部の位置と向きを検出して(ST6)一連の画像の位置合わせを行う。例えば、術中に被験者が動くこともあることから、血管芯線とリアルタイムに取得されているカテーテルCの位置情報から把握できるカテーテルCの先端部の軌跡の形状の相互関係を取る。画像位置合わせ手段12は、血管芯線の位置をカテーテルCの先端部の軌跡に合わせることにより、三次元画像を移動、回転させて透視画像との間の位置合わせを行う。
このように、被検体をリアルタイムで撮影して示す透視画像とカテーテル先端とその血管狭窄部位との位置が明確に現われるように加工して血管狭窄部位を含む領域を示す三次元画像とを同時に表示させることによって、カテーテル先端と血管狭窄部位との正確な位置関係を表示させることによって、術者に対して血管内におけるカテーテルの進行方向を示し、カテーテル先端と血管狭窄部位との接触を回避することのできるカテーテル挿入案内システムおよび該システムを組み込んだ医用画像診断装置を提供することができる。
また、カテーテル先端と血管狭窄部位との正確な位置関係を表示させることによって、カテーテル先端と血管狭窄部位とが接触することが少なくなるため、結果として被験体に対するカテーテルの挿入時間が短くなり、併せてX線透視時間の軽減にもつながることから、被検体にとっても身体的負担が減る。
この発明は、上記実施の形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。例えば、上述した実施の形態においてはカテーテル挿入案内システムを医用画像診断装置に搭載した場合を例に挙げて説明したが、その他に、例えば、病院情報管理システム(HIS:Hospital Information System)、放射線部門情報管理システム(RIS:Radiological Information System)、医用画像管理システム(PACS:Picture Archiving Communication System)といった医療機関内に構築された各種管理システムと組み合わせて、医用画像診断装置に提供するように用いても良い。
また、上述した実施の形態においては、位置合わせを行う画像として収縮末期の画像のみを用いていたが、位置合わせのタイミングをこのような単時相に限らず、複数時相の画像を利用して位置合わせを行うことによって、さらに正確に血管狭窄部位を表示させることができるようになる。
さらに、説明の都合上、図4に示した画面上では各種矢印を線種を変えて示したが、例えば、色を変える等、より術者の視覚に訴えるような表示を行うようにしても良い。
上記実施の形態に開示されている複数の構成要素を適宜組み合わせることにより種々の発明を形成できる。例えば、実施の形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。更に、異なる実施の形態に亘る構成要素を適宜組み合わせてもよい。
本発明の実施の形態における医用画像診断装置の内部構成を示すブロック図である。 本発明の実施の形態におけるカテーテル挿入案内システムの内部構成を示すブロック図である。 本発明の実施の形態におけるカテーテル挿入案内システムを利用してカテーテルの挿入案内を行う流れを示すフローチャートである。 本発明の実施の形態におけるカテーテルの挿入案内を行う際に表示手段に表示される画面の一例を示す画面例である。 ガイド表示の説明に用いる説明図である。 ガイド表示の説明に用いる説明図である。
符号の説明
1 医用画像診断装置
10 カテーテル挿入案内システム
11 受信手段
12 画像位置合わせ手段
13 画像情報入手手段
14 血管芯線抽出手段
15 キャリブレーション手段
16 画像生成手段
17 送信手段

Claims (4)

  1. 予め撮影され再構成された被検体に関する三次元画像に基づき血管及び血管芯線を抽出する血管芯線抽出手段と、
    カテーテル先端の位置を示す位置情報を基に前記被検体の位置と対応する前記三次元画像の位置との位置合わせを行うキャリブレーション手段と、
    前記血管芯線抽出手段、前記キャリブレーション手段からの情報、並びに術中に得られる前記被検体についての透視画像、心電図情報及び前記カテーテル位置情報に基づいて、対象となる血管について前記三次元画像及び前記透視画像の位置合わせを行うとともに、前記対象となる血管内において前記血管芯線から血管内壁までの距離が最短となる方向を算出する画像位置合わせ手段と、
    前記画像位置合わせ手段からの情報に基づいて前記対象となる血管内を移動するカテーテルをガイドする表示画像を生成する画像生成手段と、
    を備えることを特徴とするカテーテル挿入案内システム。
  2. 前記画像位置合わせ手段は、特定の単一の時相における前記三次元画像及び前記透視画像とを基に位置合わせを行うことを特徴とする請求項1に記載のカテーテル挿入案内システム。
  3. 前記画像位置合わせ手段は、複数の時相における前記三次元画像及び前記透視画像とを基にそれぞれの時相ごとに位置合わせを行うことを特徴とする請求項1に記載のカテーテル挿入案内システム。
  4. 予め撮影され再構成された被検体に関する三次元画像に基づき血管及び血管芯線を抽出する血管芯線抽出手段と、カテーテル先端の位置を示す位置情報を基に前記被検体の位置と対応する前記三次元画像の位置との位置合わせを行うキャリブレーション手段と、前記血管芯線抽出手段、前記キャリブレーション手段からの情報、並びに術中に得られる前記被検体についての透視画像、心電図情報及び前記カテーテル位置情報に基づいて、対象となる血管について前記三次元画像及び前記透視画像の位置合わせを行うとともに、前記対象となる血管内において前記血管芯線から血管内壁までの距離が最短となる方向を算出する画像位置合わせ手段と、前記画像位置合わせ手段からの情報に基づいて前記対象となる血管内を移動するカテーテルをガイドする表示画像を生成する画像生成手段と、を備えることを特徴とするカテーテル挿入案内システムと、
    前記対象となる血管において、前記方向を表示可能とする範囲を指定する入力手段と、
    前記画像生成手段において生成されたガイド表示を表示する表示手段と、
    を備えることを特徴とする医用画像診断装置。
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