JP5025026B2 - 車両用シート - Google Patents
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また、公知例は単に背凭シートを後方移動させるため、頭部の支持ができずむち打ち症の発症原因となることがあるという課題がある。
本願は、車両用シートと車体との間に設けられるスライドレールの構成を工夫することにより、車両用シート全体を後方移動させ、この後方移動により衝撃を吸収しようとし、あわせて、頭部の支持できるようにしたものである。
請求項2の発明は、車体6に設けた粘性体ダンパー41のシリンダ42と、該シリンダ42に嵌合させたピストン43のピストンロッド44に摺動方向に複数の係合溝45を形成した係合移動体46と、該係合移動体46の係合溝45に継脱する係合フック47とを有する緩衝装置40を設け、車体6にスライドレール5を介して車両用シート1を前後位置調節可能に取付け、前記スライドレール5のロック装置10は、通常の操作レバー13の操作によるシート位置調節では所望位置にて前記車両用シート1を所望位置で位置固定するが、所定の荷重が掛かると、自動的にロックを解除して、前記車両用シート1の後方移動を許容するように構成し、前記車体6の所定位置に設けた予測システムSが後方からの衝突を事前に察知した衝突予測信号によりアクチュエータ20を作動させてスライドレール5のロック装置10のメインロック片12を係合孔11から退避させ、該ロック装置10は前記メインロック片12によるロックを解除して自動アンロック状態とし、メインロック片12の係合孔11から退避と連動して前記アクチュエータ20により係合移動体46の係合溝45に係合フック47を係合させ、前記メインロック片12によるロック装置10の自動アンロック状態であってもサブロック片28が係合孔11に係合し、実際の後突まで車両用シート1をロック装置10により所定位置に保持し、車体6が実際の後突を受けることにより車両用シート1の後方移動の荷重が所定荷重を越えると、サブロック片28を係合孔11から退避させて、車両用シート1の後方移動を自由にする構成とし、通常のシート位置調節では前記メインロック片12およびサブロック片28は連動して係合孔11から継脱するように構成し、車両用シート1の後方移動の開始により緩衝装置40を作動させて車両用シート1の後方移動の衝撃を緩和する構成とした車両用シートとしたものである。
請求項3の発明は、前記ロック装置10がアンロック状態になって、前記車両用シート1が後方移動すると、該車両用シート1の後方移動の荷重を伝達してヘッドレスト4を前方移動させる車両用シートとしたものである。
請求項4の発明は、スライドレール5の操作レバー13の回転ロッド13Aにメインロック片12を回転自在に取付け、メインロック片12には前記アクチュエータ20に連結した作動アーム16の基部を固定し、前記サブロック片28には、回転ロッド13Aに固定すると共に、サブロック片28には所定以上の荷重が掛かると、係合孔11に当接してサブロック片28を係合孔11から退避させる傾斜面29を形成した車両用シートとしたものである。
請求項5の発明は、前記メインロック片12の前後両端に一対の軸筒部14を形成し、該軸筒部14に前記回転ロッド13Aを回転自在に挿通し、前記サブロック片28は前記メインロック片12の軸筒部14と軸筒部14の間の前記回転ロッド13Aにメインロック片12のアンロック回動方向の後側に固定した車両用シートとしたものである。
請求項6の発明は、前記サブロック片28の前記係合孔11からの退避および前記係合フック47の係合溝45への係合は、前記アクチュエータ20により行うように構成した車両用シートとしたものである。
請求項7の発明は、前記アクチュエータ20と前記サブロック片28との間に係合孔11からサブロック片28を退避させるスライドロック解除用リンク機構21を設け、該スライドロック解除用リンク機構21の取付軸23に前記係合フック47を設けた車両用シートとしたものである。
請求項3の発明では、車両用シート1の前後位置調節可能にしつつ、ヘッドレスト4が前方回動して頭部を支持でき、衝撃緩和効果と共にむち打ち症防止効果も期待できる。
請求項4の発明では、車両用シート1の前後位置調節可能にしつつ、後突時の車両用シート1全体の後方移動の作動の確実性を向上させることができる。
請求項5の発明では、合理的な構成にでき、作動を確実にし、製造コストを低くできる。
請求項6の発明では、サブロック片28と係合フック47の作動を同じアクチュエータ20により行うことができ、作動を確実にし、製造コストを低くできる。
請求項7の発明では、係合フック47の作動機構を簡素に構成でき、作動を確実にできる。
即ち、予測システムSにより後突が予測されると、スライドレール5のロック装置10はアンロックになってアッパーレール8は後動自在となり、他方、アッパーレール8は係合フック47が係合移動体46の係合溝45に係合し、係合フック47は取付軸23に対して摺動して相対的にワイヤー51がリンク機構50を介してヘッドレスト4を前方回動させ、これによりヘッドレスト4が頭部を支持し、また、係合フック47が摺動して伝達アーム24の基部に当たると、係合フック47は係合移動体46を粘性体ダンパー41から牽引し、車両用シート1と共に係合移動体46を介してピストンロッド44を後方移動させ、ピストンロッド44はピストン43をシリンダ42内の粘性流体または粘性弾性体Dとの接触抵抗に抗して後方移動させ、この粘性流体または粘性弾性体Dの抵抗により車両用シート1の後方移動の速度を低下させ、衝撃を緩和する。
この場合、側面視横取付軸60中心に偏心軸部62とアーム64の先端とが相対回転し、アーム64が牽引されると、ヘッドレスト4が前方回動するように構成しており、この構成に限定されず、車両用シート1の後方移動の荷重をヘッドレスト4の前方回動に変換させられればよい。
(前後調節モード)
ロック装置10の操作レバー13を操作すると、操作レバー13と共にサブロック片28が下方回動し、これに連動してメインロック片12も下方回動させ、サブロック片28とメインロック片12がロワーレール7の係合孔11から離脱させ、ロック装置10は、アンロック状態になる。
車体所望位置に設けたレーダー等により後方からの衝突を予測システムSが事前に察知すると、予測システムSは衝突予測信号を送出し、これによりアクチュエータ20が作動し、アクチュエータ20の作動子25が伝達アーム24を押して回動させ、伝達アーム24は取付軸23を回転させてアーム22を回動させ、アーム22は作動杆17を牽引し、作動杆17は作動アーム16を回動させて、メインロック片12を係合孔11より退避させ、ロック装置10は自動アンロック状態となる。
Claims (7)
- 操作レバー13の操作によりスライドレール5の係合孔11から退避してロック装置10をアンロック状態とするメインロック片12およびサブロック片28を設け、車体6に設けた粘性体ダンパー41のシリンダ42と、該シリンダ42に嵌合させたピストン43のピストンロッド44に摺動方向に複数の係合溝45を形成した係合移動体46と、該係合移動体46の係合溝45に継脱する係合フック47とを有する緩衝装置40を設け、車体6の所定位置に設けた予測システムSが後方からの衝突を事前に察知した衝突予測信号によりアクチュエータ20を作動させてスライドレール5のロック装置10のメインロック片12を係合孔11から退避させ、該ロック装置10は前記メインロック片12によるロックを解除して自動アンロック状態とし、メインロック片12の係合孔11から退避と連動して前記アクチュエータ20により係合移動体46の係合溝45に係合フック47を係合させ、前記メインロック片12によるロック装置10の自動アンロック状態であってもサブロック片28が係合孔11に係合し、実際の後突まで車両用シート1をロック装置10により所定位置に保持し、車体6が実際の後突を受けることにより車両用シート1の後方移動の荷重が所定荷重を越えると、サブロック片28を係合孔11から退避させて、車両用シート1の後方移動を自由にする構成とし、車両用シート1の後方移動の開始により緩衝装置40を作動させて車両用シート1の後方移動の衝撃を緩和する構成とした車両用シート。
- 車体6に設けた粘性体ダンパー41のシリンダ42と、該シリンダ42に嵌合させたピストン43のピストンロッド44に摺動方向に複数の係合溝45を形成した係合移動体46と、該係合移動体46の係合溝45に継脱する係合フック47とを有する緩衝装置40を設け、車体6にスライドレール5を介して車両用シート1を前後位置調節可能に取付け、前記スライドレール5のロック装置10は、通常の操作レバー13の操作によるシート位置調節では所望位置にて前記車両用シート1を所望位置で位置固定するが、所定の荷重が掛かると、自動的にロックを解除して、前記車両用シート1の後方移動を許容するように構成し、前記車体6の所定位置に設けた予測システムSが後方からの衝突を事前に察知した衝突予測信号によりアクチュエータ20を作動させてスライドレール5のロック装置10のメインロック片12を係合孔11から退避させ、該ロック装置10は前記メインロック片12によるロックを解除して自動アンロック状態とし、メインロック片12の係合孔11から退避と連動して前記アクチュエータ20により係合移動体46の係合溝45に係合フック47を係合させ、前記メインロック片12によるロック装置10の自動アンロック状態であってもサブロック片28が係合孔11に係合し、実際の後突まで車両用シート1をロック装置10により所定位置に保持し、車体6が実際の後突を受けることにより車両用シート1の後方移動の荷重が所定荷重を越えると、サブロック片28を係合孔11から退避させて、車両用シート1の後方移動を自由にする構成とし、通常のシート位置調節では前記メインロック片12およびサブロック片28は連動して係合孔11から継脱するように構成し、車両用シート1の後方移動の開始により緩衝装置40を作動させて車両用シート1の後方移動の衝撃を緩和する構成とした車両用シート。
- 請求項1または請求項2において、前記ロック装置10がアンロック状態になって、前記車両用シート1が後方移動すると、該車両用シート1の後方移動の荷重を伝達してヘッドレスト4を前方移動させる車両用シート。
- 請求項1または請求項2または請求項3において、スライドレール5の操作レバー13の回転ロッド13Aにメインロック片12を回転自在に取付け、メインロック片12には前記アクチュエータ20に連結した作動アーム16の基部を固定し、前記サブロック片28には、回転ロッド13Aに固定すると共に、サブロック片28には所定以上の荷重が掛かると、係合孔11に当接してサブロック片28を係合孔11から退避させる傾斜面29を形成した車両用シート。
- 請求項1または請求項2または請求項3または請求項4において、前記メインロック片12の前後両端に一対の軸筒部14を形成し、該軸筒部14に前記回転ロッド13Aを回転自在に挿通し、前記サブロック片28は前記メインロック片12の軸筒部14と軸筒部14の間の前記回転ロッド13Aにメインロック片12のアンロック回動方向の後側に固定した車両用シート。
- 請求項4または請求項5において、前記サブロック片28の前記係合孔11からの退避および前記係合フック47の係合溝45への係合は、前記アクチュエータ20により行うように構成した車両用シート。
- 請求項4または請求項5または請求項6において、前記アクチュエータ20と前記サブロック片28との間に係合孔11からサブロック片28を退避させるスライドロック解除用リンク機構21を設け、該スライドロック解除用リンク機構21の取付軸23に前記係合フック47を設けた車両用シート。
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