JP5023813B2 - コンバインの伝動装置 - Google Patents
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Description
即ち、請求項1記載の発明は、左右の走行クローラ(2,2)と、該左右の走行クローラ(2,2)及び刈取搬送部(7)を駆動するHST(23)と、該HST(23)からの動力伝達を受けて前記左右の走行クローラ(2,2)に伝達する走行動力伝達装置の内装されているミッションケース(22)と、前記HST(23)の変速操作用の主変速レバー(15)を設け、前記ミッションケース(22)の走行動力伝動装置には、左右の走行クローラ(2,2)へ走行動力を伝達する左右のサイドクラッチ(38L,38R)と左右の走行クローラ(2,2)を略同速度で駆動させる直進クラッチ(51)と差動歯車機構(45)を介して左右の走行クローラ(2,2)を異なった速度で駆動させる旋回クラッチ(52)を設け、操縦部(3)に設けた掻込操作具(18)の操作に基づいて左右のサイドクラッチ(38L,38R)と直進クラッチ(51)及び旋回クラッチ(52)を伝動遮断状態に切り換える構成とし、前記掻込操作具(18)の操作に基づいて左右のサイドクラッチ(38L,38R)と直進クラッチ(51)及び旋回クラッチ(52)が伝動遮断状態に切り換えられているときに、前記主変速レバー(15)を中立位置に操作した状態で、前記掻込操作具(18)を所定の第1操作位置(β)まで戻し操作することで、前記左右のサイドクラッチ(38L,38R)と直進クラッチ(51)とが伝動接続状態に切り換わり、前記主変速レバー(15)を中立位置以外の低速域に操作した状態では、前記掻込操作具(18)を前記第1操作位置(β)よりも戻し側の位置に設定した第2操作位置(α)まで戻し操作することで、前記左右のサイドクラッチ(38L,38R)と直進クラッチ(51)とが伝動接続状態に切り換わる構成としたコンバインの伝動装置とする。
請求項2記載の発明は、前記主変速レバー(15)が中立位置以外の位置に操作され、掻込操作具(18)が前記左右のサイドクラッチ(38L,38R)と直進クラッチ(51)及び旋回クラッチ(52)を伝動遮断状態に切換える側に前記第2操作位置(α)を超えて操作された状態において、掻込操作具(18)の戻し操作が検出された場合に、前記走行クローラ(2,2)及び刈取搬送部(7)に駆動力を供給するエンジンの回転速度を低下させるか、又は、エンジンを停止させる構成とした請求項1記載のコンバインの伝動装置とする。
請求項3記載の発明は、前記刈取搬送部(7)への伝動を接続及び遮断操作する刈取・脱穀クラッチレバー(17)が遮断操作されている場合には、掻込操作具(18)の戻し操作が検出されても左右のサイドクラッチ(38L,38R)と直進クラッチ(51)とを伝動遮断状態に維持する構成とした請求項1又は請求項2記載のコンバインの伝動装置とする。
即ち、主変速レバー(15)が中立以外の位置に操作されている場合に、掻込操作具(18)が第1操作位置(β)よりも戻し側の位置に設定した第2操作位置(α)まで戻し操作されることで、左右のサイドクラッチ(38L,38R)及び直進クラッチ(51)が伝動接続状態に切り換わるため、走行クローラ(2,2)が急に駆動されることによる機体の急発進を防止でき、安全性を向上させることができる。
請求項2記載の発明によると、上記請求項1記載の発明による効果に加えて、掻込操作具(18)の戻し操作により、左右のサイドクラッチ(38L,38R)と直進クラッチ(51)とが伝動接続状態に切り換わるタイミングを早くしながら、機体の急発進を防止することができる。
請求項3記載の発明によると、上記請求項1又は請求項2記載の発明による効果に加えて、刈取・脱穀クラッチレバー(17)が遮断操作されている場合に、掻込操作具(18)が操作されて走行クローラ(2,2)への伝動が遮断された後に、掻込操作具(18)の戻し操作によって再び走行クローラ(2,2)への伝動が接続されることを防止できる。
まず、図1により本発明を備えたコンバインの全体構成について説明する。図1にはコンバインの全体側面図が図示されている。コンバインの走行車体1の下方には左右走行クローラ2,2を配設し、走行車体1上には、右側前部に座席付きの操縦部3を、その後方にはエンジン(図示省略)及び穀粒収納用のグレンタンク4を配設し、走行車体1の左側部に脱穀選別部5を搭載し、走行車体1の前側部には刈取搬送部7を昇降自在に設けている。また、脱穀選別部5及びグレンタンク4の後方に排稾処理装置8を設け、脱穀選別部5で脱穀された排稾を排稾搬送装置9により排稾処理装置8に送り、細断処理をして機外に排出するように構成している。
操縦部3の操縦席3aの前側部には、フロント操作ボックス3bを、左側部にはサイド操作ボックス3cを設けている。フロント操作ボックス3bの右側端部にステアリングレバー11を、正面部にモニタ表示器12を設け、フロント操作ボックス3bの底部には、左右のサイドクラッチギヤ38L,38Rを同時に入切する掻込ぺダル(掻込操作具)18、駐車ブレーキぺダル19を設けている。サイド操作ボックス3cには、前側から後側にかけてスイッチの入切を表示するスイッチパネル13、エンジンの燃料噴射量を調節するアクセルレバー14、エンジンからの走行動力及び作業動力を無段変速する無段変速装置(図示省略)変速用の主変速レバー15、副変速装置(図示省略)変速用の副変速レバー16、刈取搬送部7及び脱穀選別部6への動力入切用の刈取脱穀クラッチレバー17を配設している。
操縦部3の下方にエンジン(図示省略)を配設し、走行ミッションケース22の上部に迂回伝動ケース24を取り付け、エンジン(図示省略)の回転動力がベルト伝動装置(図示省略)を経て、迂回伝動ケース24の上部に設けたHST(静油圧式無段変速装置)23の入力軸23aに伝達され、次いで、HST23により正逆切替及び無段変速された動力が、出力軸23b、迂回伝動ケース24内の減速伝動装置24aを経由して、走行ミッションケース22上部のミッション入力軸27に伝動される。
また、右旋回選択時には、サイドクラッチ38Rを切りにすると、前記左旋回と逆の作動が行われて右旋回する。
コントローラ71の入力側には各種検出手段が接続されている。刈取・脱穀クラッチレバー17の操作位置検出用の刈取・脱穀クラッチスイッチSW1の検出情報はデジタル信号入力処理回路を経由して入力され、掻込ぺダル18操作位置検出用の掻込ぺダルセンサSE1、主変速レバー15の操作位置検出用の主変速レバーセンサSE2、アクセルレバー14の操作位置検出用のアクセルレバーセンサSE3の検出情報はアナログ信号入力処理回路を経由して入力され、また、エンジン回転数センサSE4、車速検出センサSE5の検出情報はパルス信号入力回路を経由して入力される構成である。
この実施形態は、掻込ぺダル18を操作して左右のサイドクラッチ及び直進クラッチの切断解除あるいは切断可能に構成し、掻込ぺダル18の操作位置を掻込ぺダルセンサSE1で検出し、コントローラ71から直進クラッチ51あるいは旋回クラッチ52の制御出力をし、左右走行クローラ2,2を走行あるいは停止させるコンバインにおいて、主変速レバー15が前進操作位置あるいは後進操作位置にあるにもかかわらず、車速センサ5が停止あるいは所定値以下の低速走行を検出するときには、掻込ぺダル18をサイドクラッチ及び直進クラッチの切断位置に操作しても、サイドクラッチ及び直進クラッチの切断解除出力を継続し、また、掻込ぺダル18の操作位置がサイドクラッチ及び直進クラッチの切断解除位置から所定範囲内で、主変速レバー15の操作位置の中立位置検出時には、左右のサイドクラッチ及び直進クラッチの切断解除をするように制御し、また、主変速レバー15が中立位置に移動し、その状態が所定時間以上経過すると、左右のサイドクラッチ及び直進クラッチの切断解除し走行状態に戻すように制御し、また、刈取・脱穀クラッチレバー17が切り状態で、掻込ぺダル18がサイドクラッチ及び直進走行クラッチの切断位置に操作した場合には、左右のサイドクラッチ及び直進クラッチの切断解除をしないように制御し、また、刈取・脱穀クラッチレバー17がクラッチ切り状態で、掻込ぺダル18がサイドクラッチ及び直進クラッチの切断状態を検出すると、操作異常と判定して警報するように制御し、走行クローラ2,2の急発進を防止し安全を確保しようとするものである。
また、図9のように制御をしてもよい。本制御が開始されると、所定のタイマーカウントを処理し(ステップS31)、掻込ぺダル18の操作位置を検出し(ステップS32)、掻込ぺダル18の危険操作中を記憶したか否かを判定する(ステップS33)。Yesのときには、サイドクラッチ及び直進クラッチの切り出力をし(ステップS34)、また、Noのときには、掻込ぺダル18の操作中を記憶したか否かの判定をし(ステップS35)、Noのときには、掻込ぺダル18の操作位置がサイドクラッチ及び直進クラッチの切断解除位置から所定範囲か否かを判定し(ステップS36)、Noのときには、前記ステップS1に戻る。
次に、図10に示すように構成してもよい。この制御は、掻込ぺダル18の操作状態で、主変速レバー15を前後進操作しているときに、警報ブザー及び警報ランプを断続的に鳴らし、安全を確保しようとするものである。
また、図11に示すように、警報ブザーを断続的に鳴らす(ステップS56)と共に、各種操作具に並設されているモニタランプを点灯させる(ステップS57a)ようにしてもよい。
2 左右走行クローラ
3 操縦部
7 作業部(刈取搬送部)
15 主変速レバー
18 掻込操作具(掻込ぺダル)
22 ミッションケース
23 HST
38L 左のサイドクラッチ(サイドクラッチ装置)
38R 右のサイドクラッチ(サイドクラッチ装置)
45 差動歯車機構
51 直進クラッチ
52 旋回クラッチ
Claims (3)
- 左右の走行クローラ(2,2)と、該左右の走行クローラ(2,2)及び刈取搬送部(7)を駆動するHST(23)と、該HST(23)からの動力伝達を受けて前記左右の走行クローラ(2,2)に伝達する走行動力伝達装置の内装されているミッションケース(22)と、前記HST(23)の変速操作用の主変速レバー(15)を設け、前記ミッションケース(22)の走行動力伝動装置には、左右の走行クローラ(2,2)へ走行動力を伝達する左右のサイドクラッチ(38L,38R)と左右の走行クローラ(2,2)を略同速度で駆動させる直進クラッチ(51)と差動歯車機構(45)を介して左右の走行クローラ(2,2)を異なった速度で駆動させる旋回クラッチ(52)を設け、操縦部(3)に設けた掻込操作具(18)の操作に基づいて左右のサイドクラッチ(38L,38R)と直進クラッチ(51)及び旋回クラッチ(52)を伝動遮断状態に切り換える構成とし、前記掻込操作具(18)の操作に基づいて左右のサイドクラッチ(38L,38R)と直進クラッチ(51)及び旋回クラッチ(52)が伝動遮断状態に切り換えられているときに、前記主変速レバー(15)を中立位置に操作した状態で、前記掻込操作具(18)を所定の第1操作位置(β)まで戻し操作することで、前記左右のサイドクラッチ(38L,38R)と直進クラッチ(51)とが伝動接続状態に切り換わり、前記主変速レバー(15)を中立位置以外の低速域に操作した状態では、前記掻込操作具(18)を前記第1操作位置(β)よりも戻し側の位置に設定した第2操作位置(α)まで戻し操作することで、前記左右のサイドクラッチ(38L,38R)と直進クラッチ(51)とが伝動接続状態に切り換わる構成としたコンバインの伝動装置。
- 前記主変速レバー(15)が中立位置以外の位置に操作され、掻込操作具(18)が前記左右のサイドクラッチ(38L,38R)と直進クラッチ(51)及び旋回クラッチ(52)を伝動遮断状態に切換える側に前記第2操作位置(α)を超えて操作された状態において、掻込操作具(18)の戻し操作が検出された場合に、前記走行クローラ(2,2)及び刈取搬送部(7)に駆動力を供給するエンジンの回転速度を低下させるか、又は、エンジンを停止させる構成とした請求項1記載のコンバインの伝動装置。
- 前記刈取搬送部(7)への伝動を接続及び遮断操作する刈取・脱穀クラッチレバー(17)が遮断操作されている場合には、掻込操作具(18)の戻し操作が検出されても左右のサイドクラッチ(38L,38R)と直進クラッチ(51)とを伝動遮断状態に維持する構成とした請求項1又は請求項2記載のコンバインの伝動装置。
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