JP5023703B2 - 可変分散補償器 - Google Patents

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Description

本発明は、可変分散補償器に係り、特に、光ファイバを用いた光伝送システムや、波長多重による光伝送方式を採用したシステムに適用して好適な光分散補償器に関する。
近年、光増幅器を中継器として用いる長距離光伝送システムの研究・実用化が盛んである。特に、インターネットを中心としたマルチメディアサービスに対応するために、波長の異なる複数信号光を通信伝送路である1本の光ファイバに多重化するWDM(Wavelength Division Multiplex)による大容量化が有効な技術と考えられている。このような長距離光伝送システムにおいては、光ファイバの波長分散という現象により伝送速度や伝送距離が大きく制限される。波長分散とは、波長の異なる光が光ファイバ中を異なる速度で伝播する現象である。高速で変調された光信号の光スペクトルは異なる波長成分を含むため、これらの成分は光ファイバを伝播する際に波長分散の影響により異なる時刻に受信機に到達する。この結果、ファイバ伝送後の光信号波形は歪みを生じることになる。このような分散による波形劣化を抑えるために、分散補償という技術が重要となる。分散補償とは、伝送路に用いられる光ファイバと逆の波長分散特性を持った光学素子を光送信機、受信機、あるいは中継器などに配置することで光ファイバの波長分散特性を打ち消し、波形劣化を防ぐ手法である。このような光学素子、すなわち分散補償器としては、分散補償ファイバや光ファイバグレーティングなどの逆分散特性を持つデバイスの研究や実用化が行われてきた。
分散耐力とは、ある基準の伝送品質を満たす残留分散(伝送路ファイバと分散補償器による分散量の総和)の範囲を示す。分散耐力は光信号のビットレートの2乗に反比例して小さくなるため、分散補償技術は伝送速度が上がるにつれて、より重要となる。例えば、10Gbit/sの伝送システムでは光信号の分散耐力はおよそ1000ps/nm程度であり、シングルモードファイバの分散量がおよそ17ps/nm/kmであることを考慮すると、分散補償技術を用いないと60km程度しか伝送できないことになる。さらに、40Gbit/s伝送における分散耐力は、この1/16の60ps/nm程度であり、シングルモードファイバ4km程度に相当する。現在、光中継器を用いた幹線系光ファイバ伝送の伝送距離は数十kmから数千km程度であるが、伝送距離に応じて分散補償器の分散量を変える必要がある。例えば10Gbit/sの伝送システムでは、分散耐力を考慮し100ps乃至数100ps程度の刻みで、あらかじめ固定補償量の分散補償器を用意しておき、伝送距離に応じインストール時に補償量を決定し、設置するなどの方法がとられてきた。この場合の分散補償器としては、伝送路と逆符号の波長分散を持つ分散補償ファイバを用いる方法が代表的である。次に、40Gbit/sの伝送システムでは、同様に10ps乃至数10ps程度の刻みで、補償分散量が変化できる分散補償器が必要と考えられる。しかも、この場合には伝送路ファイバの温度による波長分散量の変化が無視できなくなる。このため、分散量を可変に制御できる分散補償器が必要となる。
特開平10−221658号公報 特開2006-221075号公報
しかしながら、これら従来の分散補償器にも様々な問題がある。固定量の分散補償を行う場合、分散補償ファイバでは数km〜数100kmにもわたる長大な補償用ファイバが必要となるためファイバの収納スペースが大きくなる。また分散補償ファイバの損失を補償するために余分の光増幅器が必要となる可能性がある。さらに分散補償ファイバは一般にモードフィールド径が小さく、大きな光ファイバ非線型効果を生じ、伝送波形の歪みを引き起こす可能性がある。
光ファイバグレーティングの場合、透過特性や波長分散特性上に波長に対するリップルが存在するため、わずかな波長変化に対して補償特性が大きく変化する。従って、分散補償に用いた場合の伝送特性は分散補償ファイバに比べて劣ることが知られている。また、製造上の問題から分散量や波長帯域の大きなものは作りにくく、狭帯域のものは温度や波長の安定化が必要になるなどの問題点がある。また、分散補償ファイバでは原理的に、連続的に分散量を可変することができず、伝送路の分散量の変化に応じて連続的に分散量を変化させるような可変分散補償を実現することは難しい。
光ファイバグレーティングの場合、連続的な可変分散補償を実現する方法としては例えば、光ファイバグレーティングの長手方向に温度勾配を作ることにより、チャープトグレーティングを生成し、分散補償伝送を行う方式が報告されている。この場合、温度勾配を制御することにより可変量の分散補償を行うことが可能となる。しかしながら、この方式では均一な温度勾配を得ることが難しく、波長分散にリップルが発生するなど十分な性能の分散補償ができないなどの問題点があり、実用性に問題がある。なお、複数の小型ヒータによって温度勾配を設けて分散補償する公知例として、例えば、特許文献1があるが、微細加工を伴う構造あるいは複雑な制御方法が必要となる。
本発明の目的は、上記のような問題点を解決した広帯域で分散リップルが少なく、かつ損失および損失リップルの少ない可変分散補償器を提供することにある。
上記の目的は、第1の平面とこの平面に対向してなる第2の平面とを有する板状のエタロンと、第2の平面と、反射面を有するミラーの反射面とが、角度Δθで傾けられ、第2の平面と反射面との間から光ビームを入射する第1のコリメータと、
光ビームをエタロンとミラーとの間を交互に反射させ、自然数N回反射させた後、第2の平面と反射面との間から光ビームを出射させ、その出射光を受光する第2のコリメータとを有し、第1の平面と第2の平面に挟まれた板状部が、第1のコリメータからエタロンへの入射角θ、エタロン内の入射角をΘとしたとき、θがΘの2倍以上となる高屈折率で、かつ波長範囲1.2〜1.7μmで透明度が高い材料を用い、一つまたは波長の異なる複数の信号光に波長分散を与えるように構成されたことを特徴とする可変分散補償器によって達成できる。
さらに、エタロンに温度変化を与える温度調節手段をエタロンに近接して設けるか、又は近くに設けることによって達成できる。さらに、伝播部において、屈折率nが2以上である高屈折率ガラス材料、あるいは高屈折率透明セラミクスを用いることによって達成できる。さらに、この伝播部において、屈折率nが2以上である半導体材料、特にシリコンを用いることによって達成できる。
本発明の要旨の一つは次の通りである。
第1の平面と、前記第1の平面に対向する第2の平面とを有する板状部を構成するエタロンと、
反射面を有するミラーとを有し、
前記エタロンの前記第2の平面と前記ミラーの前記反射面との成す角度がΔθとなるように、前記エタロンと前記ミラーとが相対的な位置関係を保って固定され、
前記第2の平面と前記反射面との間には空間があり、前記空間の第1の側から前記空間内へ光ビームを入射させるための第1のコリメータと、
前記光ビームを前記エタロンと前記ミラーとの間を交互に反射させ、前記空間の第2の側から前記空間外へ光ビームを出射させ、その出射光を受光するための第2のコリメータとを有し、
前記第1の平面と前記第2の平面に挟まれた板状部を構成する材料の屈折率の値が2以上4以下であることを特徴とする可変分散補償器。
本発明の実施例により、波長多重伝送時に各信号光に対して一括で分散補償を行うことができ、伝送システムにおける伝送距離を拡張することができる。
本発明の実施例により、さらには、高次分散についても一括で分散補償を行うことができる。そして、本発明の実施例に係る分散補償器を用いることで、伝送特性の優れた簡易で安価な光通信システムを構築できる。
本発明により、従来よりも、低損失でかつ低損失リップルの特性のよい可変分散補償器を実現することが可能である。
以下、本発明の実施形態について図面を用いて詳細に説明する。まず、エタロンについて説明する。
図1にエタロンの構造を示す。エタロンとは、精度よく平行にした平面板10の両面に反射面11,12をコーティングしたものである。反射面には、反射率の高い金や銀などの金属膜、あるいは誘電体多層膜などが用いられる。特に、理想的には片側の反射率を100%としたエタロンを提案者GiresとTournoisの名前にちなみGTエタロンと呼ぶ。ただし、実際には100%の反射率を実現することは難しいので、90%程度以上の反射率を有する反射面を用いるということでも構わない。また、他方の反射率は、分散補償に用いる場合はさほど高い必要なく、後で具体的な数値を示すように90%を超えることはない。このようなGTエタロンにおいては、透過率は波長に対して一定となるためオールパスフィルタと呼ばれている。しかし、位相(群遅延時間)については波長依存性を有する。この時の群遅延時間τは次式で表される。
Figure 0005023703
ここで、rは振幅反射率、ωは光の角周波数、ΔTは平行平面板を1往復することによって生じる光学的な距離を示す。波長分散Dは、群遅延時間τを波長で微分したものである。
Figure 0005023703
しかし、高速信号、特に40Gbit/s長距離光伝送システムにおける分散補償器には、帯域が広いこと(40GHz以上)、大きな分散量の可変範囲をとれること、分散のリップルが小さいことが重要となる。そこで、分散補償器として所望の特性を得るためには、図2に示すように、ミラーを用いて複数回反射させる方法が有効である。図2の構成では、エタロン(10,11,12)に対して、ミラー(20,21)を平行あるいはわずかに角度をつけて配置する。後で具体的な数値を示すように、この角度は大体1度(degree)以下であれば、本発明による有効帯域拡大の効果が得られる。ここで、ミラー(20,21)はミラー基板20に高反射率の反射面21をコーティングすることによって構成される。コリメータ30から出射した光は、エタロン(10,11,12)とミラー(20,21)を交互に反射して、コリメータ31に入射する。コリメータとは、光ファイバを伝播する光を平行ビームとして空間に放射する光部品のことである。エタロン(10,11,12)は温度制御素子40によって温度を制御(その素子はそれ自身を冷却または/および加熱する機能を有し、その素子の温度を下げるか、上げる機能を有する。例えば、ペルチェ素子(Peltier device)とかヒータがある。)することができる。あるいは、後述するような反射面を圧電素子で動かすことにより、分散特性を波長に対してシフトさせることができる。温度を制御する方法においては、このとき、エタロンの熱分布を均一にするために温度制御素子40とエタロン(10,11,12)の間に伝熱剤41を介する。この伝熱剤としては、伝熱シートやサーマルグリースを用いる。
群遅延特性を数式によって説明するために、図3を用いて説明する。ミラー(20,21)とエタロン(10,11,12)の角度をΔθとすると、エタロンに対して入射角θ0で入射した光はミラーとi回反射した後θ=θ0+2iΔθの角度で再びエタロンに入射する。ミラーの全反射回数をkとすると,補償部全体の群遅延時間τtotalは,各反射時のエタロン群遅延時間τiを(k+1)回合計することで求められる。
Figure 0005023703
ここで、ΔTはエタロンの各反射において平行平面板を1往復することによって生じる光学的な距離である。さらに、入射角度を考慮するとΔTは以下の式で表される。
Figure 0005023703
Figure 0005023703
ここで,cは光速、Θはエタロン中での入射角、nは屈折率、Lはエタロン反射面間隔である。エタロン中での入射角Θとエタロン入射角θiの関係は数式(5)で表される。
エタロン(10,11,12)、ミラー(20,21)、コリメータ30、31を光学部品固定部材200によって制御して固定する方法を図4に示す。ここで、光学部品固定部材200は、熱膨張率の低い金属やガラスを用いて実現する。光学部品固定部材200は、中空になっている。この中空部分は、例えば、超音波ドリル等を用いて塊の部材をくり抜くように加工することで作成できる。光学部品固定部材200の上面図を図5に、斜め上から見た図を図6に示す。図5に示すように、光学部品固定部材200の中空穴は、ビームを通すための楕円状の穴と、コリメータ30,31を固定するための丸状の2つの穴を合わせたような形となっている。また、図6に示したように、部品固定部材200の上部を斜めに研磨することで、エタロン(10,11,12)とミラー(20,21)の角度Δθを精密に制御して固定することができる。また、コリメータ固定用の穴も同様に精密に加工することで、コリメータ30からエタロン(10,11,12)への入射角θを精密に制御して固定することが可能である。これらの光学部品は、光学部品用の接着剤等を用いて固定する。
温度制御を用いた分散量の可変方式について図7を用いて説明する。この可変分散補償器100は、入力ポート110、出力ポート120を持ち、内部はプラス側可変分散補償部130とマイナス側可変分散補償部140の2つの補償部から構成される。各々の補償部は、図2に示したエタロン(10,11,12)とミラー(20,21)を斜めあるいは平行に対向させ、コリメータ30から出射したレーザビームを斜めに複数回反射させる構成で実現される。プラス側可変分散補償部は、図に示すように分散と波長の関係が正の傾きを、マイナス側可変分散補償部は負の傾きを持つ1次関数となっている。エタロンの温度を変えると、エタロン基板の熱膨張により共振波長が変化する。このため、図7に示した分散特性は波長方向にシフトする。ここで、プラス側可変分散補償部130、マイナス側可変分散補償部140は、各々独立に温度制御できる構成とする。このとき、可変分散補償器全体の分散特性は2つの補償部の合計となる。正の傾きを持つ直線部分と負の傾きを持つ直線部分の重なりが大きければ、上側の平らな部分が広く低い形状となり(図7右上)、逆に重なりが小さければ、上側の平らな部分が狭く高い形状(図7右下)となる。このように、プラス側、マイナス側可変分散補償部に温度制御をかけることで、分散量を変化することができる。
本発明による可変分散補償器においては、エタロンに斜めに光を入射させ、ミラーとの間を数回往復させた後にコリメータで受光するため、エタロンでの各反射によって過剰な損失および損失リップルが生じる。この現象を図および数式を用いて説明する。
実験によって得られた波長分散と損失特性の主な例を、図8と図9に示す。両者では、コリメータの水平位置が異なっている。実験では、Δθ≒0とし、ミラーの全反射回数k=4とした。図8と図9では、分散の波長依存性についての違いはあまりないが、損失の波長依存性については大きく異なることがわかる。まず、図8と図9の分散特性についての状態を説明すると、波長に対して周期性を持っていることがわかる。この周期はFree Spectral Range(FSR)と呼ばれ、この図では、FSRが100GHz(約0.8nm)である。次に、図8と図9の損失特性の状態について説明する。図8においては、このFSRの範囲で二つの等しい高さの損失のピークを持つ、あるいは最大損失が最小となる状態である。また、図9において損失特性は、損失の少ない平坦部を持つ(以後、「トップフラットな状態」とよぶ。)が、大きな落ち込み(損失が極端に大きくなる部分。)がFSRの範囲で二つ存在する状態である。
この現象について数式を用いて説明する。図10に、本発明における可変分散補償器のエタロン中の多重反射を示す。この図に示すように、振幅Aiを持つ入射光は、エタロン中では多重反射によって、振幅B,B,B…を有する光線を生じていく。BとB,BとB,…における光の位相ずれ、すなわちエタロン内を一往復する光の位相ずれδは、
Figure 0005023703
と表される。ここで、Θはエタロン中での入射角、λは光の波長である。また、よく知られた近軸光線近似Θ<<1を適用できる場合のコリメータ結合効率の関係から、反射戻り光の、振幅B,B,B…は以下のように示される。
Figure 0005023703
ただし、ここでδθはコリメータと反射光との角度ずれ、ω,ωは二つのコリメータのビームウェストの半径、結合効率ηは、
Figure 0005023703
で示される。結合効率ηの式中のκとω(z)は、さらに
Figure 0005023703
と表される。これらの式より、エタロン1回反射時の戻り光全振幅Aは、最終的に次式で表される。
Figure 0005023703
この時、振幅反射率r1とB,B,…との関係であるが,図11に示すように、r1 が(3−√5)/2、r1が61.8%より大きい場合は、B>B,小さい場合は、B>Bとなる。コリメータの結合効率は水平位置および波長の関数であるため,受光側コリメータの水平位置を変化させると波長に対する結合効率も変化し,損失および損失リップルの特性が変化する。特にr1の大きさによってエタロン出射後の強度分布が変わるため,反射率に応じた最適な状態となるよう受光側コリメータの水平位置を決定する必要がある。以上の考察より,コリメータ水平位置が損失リップル最小となる最適な条件で,かつエタロン入射角θをなるべく小さくすることで,損失および損失リップルの抑制が可能となる。
本発明者は、この考え方を発展させ、本発明によるミラーとエタロンを対向させた構成で複数回反射したときの数式を導いた。すなわち、エタロンの多重反射を纏めて扱わずに、1つ1つの光線に分けて考え、その各々における結合効率を計算し、その合計をとる。これを図12を用いて説明する。尚、簡単のため、ミラー角度Δθは0とする。
Figure 0005023703
このようにして、求めた損失と波長の依存性を図13〜14に示す。図13では、コリメータの水平位置xを、0から1.0mmまで変化させた。この図より、xを大きくしていくと、最大結合効率が悪い(最小損失が0dBとならない)トップフラットな状態から、損失特性が二つの等しい高さのピークを持つ状態に移行し、さらに損失特性が反転した1つのへこんだピークを持つ状態に移行していることがわかる。
次に、図14に、エタロン入射角θを変化させた場合の損失特性の振る舞いを示す。この際、xも同時に変化させ、最大損失が最小(二つの等しい高さのピークを持つ状態)となるよう、損失リップルについて最小となる状態を選び、示してある。この結果、最適に選んだコリメータの水平位置xにおいて、エタロン入射角θをなるべく小さくすることで、損失リップルを著しく低減できることがわかった。
以上の数式を用いた検討結果から、本発明に至る重要なポイントが導かれた。すなわち、損失および損失リップルを低減するためには、一つ目に入射角θをなるべく小さくとることが重要である。具体的には、(1)隣接ビームが重ならない程度に、ミラーサイズを小さくする(これの詳細に関しては、図16の説明の欄で言及する。)、(2)コリメータ動作距離にほぼ等しくする、あるいはそれ以下で、ミラーとエタロン間の距離をとればよい。(これの詳細に関しては、数11の説明の欄で言及する。)このことを数式で示すと、2つのコリメータを動作距離がともにlWDで最小損失が得られるものとし、ミラーとエタロンの平均距離をh(ただし、ここで平均距離とは、ミラーの第1の端点からエタロン表面までの最短距離l1と、ミラーの第2の端点からエタロン表面までの最短距離l2との平均を示すものとする),1つ目のコリメータとエタロンの距離をa,2つ目のコリメータとエタロンの距離をa,エタロンでの反射回数をNとしたとき、
Figure 0005023703
の関係式で表されることになる。さらに、損失リップルを最低にする最適なコリメータ水平位置xが存在し、このために受光側コリメータ位置は、低反射エタロンによるビーム広がりを考慮し、受光部でのビーム重心位置になるよう水平にずらす。例えば、r=25%程度の時は、この位置は近似的に
(水平ずれ量)≒2 k L tan Θ
と表すことができる。さらに反射率の低い場合も考慮すると、水平ずれ量はその倍の量の4kL tan Θ までとればよいと言える。この水平位置の関係を図15に示す。
図15に示すように、コリメータから出射された光がエタロン反射面とミラー面との間を最短光学距離で反射して来た第一反射光の光軸に対して受光側コリメータの中心を合せると、先に述べたように振幅反射率r≦61.8%の場合には強度が最も強い光の光軸からずれ、損失劣化および損失リップルを発生する。そこで、この劣化を抑制するために第一反射光の光軸に対して受光側コリメータの中心を出射側コリメータから遠ざかる方向に所定の距離xだけ変位させる。この距離xは、図15で示すように、0から4kL tan Θ程度までの範囲がよいと考えられる。
本発明による可変分散補償器の構成と構成要素である光部品の位置関係とミラーの長さとの関係を図16に示す。ここで、コリメータから出射されたビームのミラーとの各反射における実効的なビーム径をωとする。このビーム径ωをミラーとの全ての反射する分だけ足し合わせた長さよりミラーの長さmが短い場合、ビームが重なることになる。その場合、エタロンでの反射回数が異なるビームが受光側コリメータに同時に入射することになるため、群遅延時間は(数3)で示した関係にはならない。よって、この状態を避けるため、ミラーの長さmはΣωと同じ(最もビーム同士を近づけた場合)、あるいは少しマージンをとってΣωよりも長くしなければならない。
さらに言えば、損失および損失リップルを抑制するためには、先に述べたようにコリメータからエタロンへの入射角をなるべく小さくする方がよいので、ミラーの長さmをなるべく小さく、すなわちΣωと同じとすることが好ましい。
以上のように、エタロンへの入射角を小さくする、コリメータの水平位置を最適位置にシフトさせることで、損失リップルを抑制することができる。本発明者らは、エタロン基板(平面板)の屈折率に着目して、さらに、損失リップルの抑制、および等価的に分散量を拡大する方法を発明したので説明する。
図17は、エタロンへの入射角を小さくするだけで損失リップルを抑制する場合の問題点を示した図である。ただし、以後の説明では図を見易くするため、ミラー21を省いた図で説明する。この図では、エタロンの屈折率n=1として(つまりエタロン部材の屈折率が1として)、光線を示している。
図17(a)では、エタロンの入射角を小さくするため、コリメータをエタロンに極力近づけて配置しようとすると、2つのコリメータがそれ自身の大きさによってぶつかってしまい、入射角をそれ以上小さくできなくなることを示している。ぶつかることを避けるためには、図17(b)に示すように、動作距離の長いコリメータを、エタロンから十分に距離をとって配置する方法が考えられる。しかし、この場合には、エタロンとコリメータ間の距離を大きくとるため、モジュール全体のサイズが大きくなってしまう。そのため、実用的な可変分散補償器の実現が難しくなる。
そこで、図18にエタロン内への入射角Θは図17と同じとして、平面板10の屈折率を約3とした場合の光線、およびコリメータとの位置関係を示す。すると、この場合には、コリメータとエタロンを伝播する光線の入射角θは、Θの約3倍となりコリメータ同士を水平方向に離して配置することが可能となる。
損失リップルは、エタロン内入射角Θに大きく依存するため、損失リップルを抑えつつ、モジュール全体のサイズを小さくすることができる。さらに、屈折率を大きくして同じFSRを作製する場合、エタロン基板(平面板10)の厚さは屈折率nに反比例するため、エタロンの厚さを薄くすることができる。よって、エタロン素子そのものを小型にすることが可能となる。
以上のように、平面板を構成する材料の屈折率値を従来よりも大きくすることによる装置の小型化の効果を示した。
次に屈折率の損失特性についての影響を説明する。
図19(a)に屈折率nを1.5、図19(b)に屈折率nを3とした場合の光線の位置関係を示す。コリメータから出射した光Aがエタロンに入射し、エタロン内で多重反射した光線が、B,B,B,…と出射する際の隣接ビーム間距離は、2L tanΘcosθと表される。ここで、Lはエタロンの厚さである。屈折率nをn’倍にすると、同じFSRではエタロンの厚さLは1/n’倍、エタロン内入射角Θも1/n’倍になる。すなわち、隣接ビーム間距離は、1/n’で短くなる。すなわち、エタロン内多重反射によるビーム広がりを2乗の効果で縮められるので、受光コリメータ31での結合効率を格段に向上することができる。
このようなエタロン基板(平面板10)の材料としては、高屈折率ガラス、透明セラミクス、半導体材料があげられる。高屈折率ガラスは、金属を含有させることで作製することが可能である。高屈折率ガラスを作製させるために含有させる金属として、かつては鉛(Pb),カドミウム(Cd),トリウム(Th)などが用いられていたが、環境問題に対する配慮から、これらの物質に代り、Nb,Ta,W,La,Y,Csなどの金属やTiO,Nb,WO,La,BaO,WO,Nb,Y,Gd,Taといった化合物が用いられている。高屈折率ガラスや透明セラミクスを用いることにより、屈折率2以上のエタロン基板を実現できる。
さらに高屈折率な材料としては、半導体材料がある。例えば、Ge,CdSe,Si,ZnSeなどが光学材料として用いられる。ここで、半導体にはバンドギャップがあり、このバンドギャップのエネルギーより高い光子エネルギーを持つ光が入射すると、その光を吸収して価電子帯から伝導帯への電子の遷移が起きる。エタロン基板には、透明性が高い材料であることが必要である。なぜなら、基板材料の吸収がわずかでも共振現象によって光学損失が大きくなり、共振波長での損失の増加、すなわち損失リップルが生じる。分散補償器に応用する場合には、この損失リップルは好ましくない。よって、バンドギャップによる吸収波長より長い波長で用いることが必要となる。例えば、Siの場合には、素材の内部吸収の少ない1.2〜6μmの赤外線波長帯域で用いることが好ましい。光通信で用いる約1.2〜1.7μmの波長におけるこれらの半導体材料の屈折率は、Ge 4.0,Si 3.5,ZnSe 2.5である。また、他の高屈折率な光学材料としては、Sb、CdTe,CdS、CeO、TiO、ZnS、Tzなどの化合物が考えられる。よって、このような高屈折率ガラスや半導体材料を用いることにより、2以上4以下のエタロンを実現できる。ここでいう透過率とは、ある板状材料に光を入射した時、通過もしくは反射した光の合計を考え、入射光と合計光のパワーの比とする。そこで、透過率が40%以上の透明度の高い材料を用いることによって、特性の良いエタロンを作成できる。
ここでいう透過率とは、ある板状材料に光を入射した時、通過もしくは反射した光の合計を考え、入射光と合計光のパワーの比とする。 次に、分散補償器の可変機構、すなわち各段の分散特性を波長方向にシフトさせる方法について説明する。まず、分散補償器の分散特性を温度で制御する場合、高屈折率ガラスや透明セラミクスをエタロン基板に用いると、熱膨張によって光学的な距離ΔTが変化し、分散特性をシフトすることができる。このとき、エタロン基板(平面板)の熱膨張係数が10−4以下10−6以上であることが共振波長を制御する上で望ましい。例えば、今回評価した条件では、光学ガラスとして広く使われている硼珪酸光学ガラスで、熱膨張係数が0.87×10−5/℃のものを基板として用いると、100GHz(光の波長で約0.8nm)分散特性をシフトさせるには60℃の温度変化が必要となる。可変分散補償器としては1段で10GHz程度以上の波長シフトが必要なので、温度制御範囲は5℃以上であることが好ましい。
次に、半導体材料を用いる場合には、温度変動によって屈折率も変化する。例えばSiの場合には、10−4のオーダーで屈折率が変化するため、前述のガラス材料に比べ、温度に対する光学的な距離ΔTの変化が1桁大きくなる。よって、可変制御のために必要な温度変化は1/10で済むため、温度制御のための消費電力を小さくすることができる。ただし、このことは同じ可変分散量の分解能を得るのに、1/10の温度安定性が必要であることも意味している。
次に、圧電素子を用いて、反射面の可変制御を行う方法も考えられる。図20にその概念図を示す。反射面14は、反射面移動手段15によって反射面12に対してほぼ平行な位置関係を保ったまま、移動することができる。この場合、反射面移動手段15は、ピエゾなどの材料を用いた電圧をかけることによって長さが変化する圧電素子を利用することで実現できる。尚、ピエゾ圧電素子では、電圧の変化に対してヒステリシスを持つため、センサによる高精度位置制御を行うことが好ましい。この場合にも、反射面12と14の間に、板状部として、高屈折率伝播部16を設けることは、損失リップル抑制のために極めて有効である。
尚、補足すると、図17,18において説明したように、小型の可変分散補償器を構築するため、エタロン入射角、コリメータ30,31がぶつからないように反射面21を台形状の反射面保持基板22で固定する方法もある(図21参照。)。ここで、台形状の反射面保持基板22の斜面の角度は45°±10°であることが好ましい。
以上の構成をもとに、前述のモデルでシミュレーションを行った結果を図22に示す。屈折率nを1,1.5,3.5とした場合に、横軸に可変分散量、縦軸に損失リップルをとったグラフを示す。この図よりわかるように、屈折率の増加とともに曲線は右側にシフトしている。すなわち、同じ損失リップルを許容する場合、可変分散量を大きくとれることがわかる。例えば、図中の太線矢印で示したように、損失リップル1dB以下の条件では、屈折率nを1.5から3.5に増加させる際、約2倍に分散量を拡大できることが示せた。
尚、図1で示したエタロンは、反射面11と反射面12に囲まれた1つの共振構造を持つシングルキャビティの構成であるが、これを図23に示す複数の共振構造を持つマルチキャビティエタロンに置き換えて分散補償器を構成しても構わない。図23に示すマルチキャビティエタロンにおいては、平面板10と反射面11を交互に何段も積層した構造となっており、各々の反射率を変えることでシングルキャビティエタロンに比べ自由度が増えるので、所望の分散特性を実現することが可能となる。マルチキャビティエタロンの温度制御については、部品数削減という意味では、1組の伝熱剤41と温度制御素子40を反射面12に張り合わせる構造がよい。しかし、微細に温度制御を行うという観点からすると、図23に示したようにマルチキャビティエタロンの層数Mに対し、M組の伝熱剤41と温度制御素子40を各々の平面板10に張り合わせる構造がよい。
この図では平面板10の端の部分に温度制御素子が接触しているが、さらに言えば、平面板10のまわりを取り囲むように温度制御素子が接触している方が好ましい。
以上に述べたように、本発明によって、損失リップルを抑制することができ、低損失、広帯域で、低分散リップル(あるいは低群遅延リップル)、かつ可変分散量が大きい特性良好な可変分散補償器が得られる。
なお、図面中の符号の説明は次の通りである。
10…平面板、20…ミラー(基板)、11,12,14,21…反射面、15…反射面移動手段、16…高屈折率伝播部(板状部)、22…反射面保持基板、30,31…コリメータ、40…温度制御素子、41…伝熱剤、100…可変分散補償器、110…入力ポート、120…出力ポート、130…プラス側可変分散補償部、140…マイナス側可変分散補償部、200…光学部品固定部材。
本発明の一実施例を説明するための図であって、本発明における可変分散補償器の基本素子であるエタロンを示す図。 本発明の一実施例を説明するための図であって、本発明における可変分散補償器の第一の構成を示す図。 本発明の一実施例を説明するための図であって、本発明における可変分散補償器の第一の構成を詳細に説明するための図。 本発明の一実施例を説明するための図であって、本発明における可変分散補償器の第一の構成を立体的に示した図。 本発明の一実施例を説明するための図であって、本発明における可変分散補償器の第一の構成における光学部品固定部材の上面図。 本発明の一実施例を説明するための図であって、本発明における可変分散補償器の第一の構成における光学部品固定部材の中空穴の構造を示す図。 本発明の一実施例を説明するための図であって、本発明における可変分散補償器の原理と構成を示す図。 本発明の一実施例を説明するための図であって、本発明における可変分散補償器のプラス側可変分散補償部の分散および損失の波長に対する第一の関係を示す図。 本発明の一実施例を説明するための図であって、本発明における可変分散補償器のプラス側可変分散補償部の分散および損失の波長に対する第二の関係を示す図。 本発明の一実施例を説明するための図であって、本発明における可変分散補償器のエタロン中の多重反射を示す図。 本発明の一実施例を説明するための図であって、(a)は本発明における可変分散補償器のエタロン多重反射による光強度を示す図。(b)はエタロン片側反射率r1との関係を示す図。 本発明の一実施例を説明するための図であって、本発明における可変分散補償器の対向するミラーとエタロンにおける多重反射を示す図。 本発明の一実施例を説明するための図であって、本発明における可変分散補償器でコリメータの水平位置を変化したときの損失の波長に対する関係を示す図。 本発明の一実施例を説明するための図であって、本発明における可変分散補償器の損失の波長に対するリップルが抑制された効果を示す図。 本発明の一実施例を説明するための図であって、本発明における可変分散補償器の原理の詳細を示す図。 本発明の一実施例を説明するための図であって、本発明における可変分散補償器の構成と構成要素である光部品の位置関係を詳細に示す図。 本発明の一実施例を説明するための図であって、屈折率が小さい場合に、(a)エタロン入射角を小さくするとコリメータが配置できない状態を示した図。(b)エタロンと距離をとってコリメータを配置した図。 本発明の一実施例を説明するための図であって、屈折率を大きくすることで、エタロン入射角を小さく、かつ全体のサイズも小さいままで、コリメータを配置した構成を示した図。 本発明の一実施例を説明するための図であって、(a)屈折率が約1.5の場合の光線の位置関係を示した図。(b)屈折率が約3.0の場合のエタロンのサイズと光線の位置関係を示した図。 本発明の一実施例を説明するための図であって、反射面移動手段による可変機構を設けた構成を示した図。 本発明の一実施例を説明するための図であって、反射面保持基板によって、エタロン入射角を小さく、かつ全体のサイズも小さいままで、コリメータを配置した構成を示した図。 本発明の一実施例を説明するための図であって、屈折率を変化させた場合の可変分散量と損失リップルの関係を示した図。 本発明の一実施例を説明するための図であって、本発明における可変分散補償器の基本素子であるマルチキャビティエタロンを示す図。
符号の説明
10…平面板、20…ミラー(基板)、11,12,14,21…反射面、15…反射面移動手段、16…高屈折率伝播部、22…反射面保持基板、30,31…コリメータ、40…温度制御素子、41…伝熱剤、100…可変分散補償器、110…入力ポート、120…出力ポート、130…プラス側可変分散補償部、140…マイナス側可変分散補償部、200…光学部品固定部材。

Claims (17)

  1. 第1の平面と、前記第1の平面に対向する第2の平面とを有し、板状部を構成するエタロンと、
    反射面を有するミラーとを有し、
    前記エタロンの前記第2の平面と前記ミラーの前記反射面との成す角度がΔθとなるように、前記エタロンと前記ミラーとが相対的な位置関係を保って固定され、
    前記第2の平面と前記反射面との間には空間があり、前記空間の第1の側から前記空間内へ光ビームを入射させるための第1のコリメータと、
    前記光ビームを前記エタロンと前記ミラーとの間を交互に反射させ、前記空間の第2の側から前記空間外へ光ビームを出射させ、その出射光を受光するための第2のコリメータとを有し、
    前記第1の平面と前記第2の平面に挟まれた板状部を構成する材料の屈折率の値が2以上4以下であることを特徴とする可変分散補償器。
  2. 前記エタロンに温度変化を与える温度制御手段が前記エタロンに近接して設けられていることを特徴とする請求項1記載の可変分散補償器。
  3. 前記第1のコリメータから前記エタロンへの入射角θ、前記エタロン内の入射角をΘとしたとき、前記板状部を構成する材料は、θがΘの倍以上となるような屈折率値であって、かつ、波長範囲1.2〜1.7μmにおいて透過率が40%以上の透明度が高い材料を用い、一つまたは波長の異なる複数の信号光に波長分散を与えるように構成されたことを特徴とする請求項1記載の可変分散補償器。
  4. 前記板状部を構成する材料は、前記θが、前記Θの3倍以上となる屈折率値を有することを特徴とする請求項1記載の可変分散補償器。
  5. 前記板状部の材料はシリコン、Ge、CdSe又はZnSeのいずれかであることを特徴とする請求項4記載の可変分散補償器。
  6. 前記ミラーはその断面形状が台形であり、前記台形形状の2つの斜面が第1および第2の反射面であることを特徴とする請求項1記載の可変分散補償器。
  7. 第1の平面と、前記第1の平面に対向する第2の平面とを有する板状部を構成するエタロンと、
    反射面を有するミラーとを有し、
    前記エタロンの前記第2の平面と前記ミラーの前記反射面との成す角度がΔθとなるように、前記エタロンと前記ミラーとが相対的な位置関係を保って固定され、
    前記第2の平面と前記反射面との間には空間があり、前記空間の第1の側から前記空間内へ光ビームを入射させるための第1のコリメータと、
    前記光ビームを前記エタロンと前記ミラーとの間を交互に反射させ、
    その交互反射のうち、前記エタロンでの反射回数を自然数Nとし、
    前記エタロンでの反射光を前記空間の第2の側から前記空間外へ光ビームを出射させ、
    その出射光を受光するための第2のコリメータとを有し、
    前記ミラーの幅をm(mm)、前記ミラーでk回目(但し、kは自然数である。)に反射する際の実効的なビーム径をωk(mm)としたとき、
    m ≧ Σωk
    の関係式で表され、前記コリメータから前記エタロンへの入射角θ、前記エタロン内の入射角をΘとしたとき、前記第2のコリメータの位置を、前記第2の平面を仮想的に全反射ミラーとしたとき最も損失が小さくなる位置を原点とし、
    そこから距離xだけ前記第1のコリメータから離れる側に水平移動し、
    前記距離xは、0より大きく、エタロンの厚さをLとしたとき、4NL tan(Θ) より小さく、
    前記第1の平面と前記第2の平面に挟まれた板状部を構成する材料の屈折率の値が2以上4以下であることを特徴とする可変分散補償器。
  8. 前記第1の平面と前記第1の平面に対向してなる第2の平面とを有する板状部を構成するエタロンに対して光ビームを出射する第1のコリメータと、
    前記第2の平面で1回反射させた後、その反射光を受光する第2のコリメータとを有し、前記第2のコリメータの位置を、前記第2の平面を仮想的に全反射ミラーとしたとき最も損失が小さくなる位置を原点とし、
    そこから距離xだけ前記第1のコリメータから離れる側に水平移動し、
    前記距離xは、0より大きく、エタロンの厚さをLとしたとき、4L tan(Θ) より小さく、
    一つまたは波長の異なる複数の信号光に波長分散を与えるように構成されたことを特徴とする請求項7記載の可変分散補償器。
  9. 前記距離xは、損失リップルを最小にするように設定されることを特徴とする請求項7記載の可変分散補償器。
  10. 前記エタロンに温度変化を与える温度調節手段が前記エタロンに近接して設けられていることを特徴とする請求項7記載の可変分散補償器。
  11. 前記エタロンはマルチキャビティエタロンであることを特徴とする請求項7記載の可変分散補償器。
  12. 前記角度Δθが0度以上1度以下であることを特徴とする請求項7記載の可変分散補償器。
  13. 前記板状部を構成する材料がシリコンであることを特徴とする請求項7記載の可変分散補償器。
  14. 第1の平面及び前記第1の平面に対向する第2の平面とを有する板状部を構成するエタロンと、
    所定の間隙を介し、かつ、前記第2の平面上に平行に位置する第1の反射面を有する第1の板材と、
    第2の反射面を有するミラーとを有し、
    前記エタロンの前記第2の平面と前記ミラーの前記第2の反射面との成す角度がΔθとなるように、前記エタロンと前記ミラーとが相対的な位置関係を保って固定され、
    前記第2の平面と前記反射面との間には空間があり、前記空間の第1の側から前記空間内へ光ビームを入射させるための第1のコリメータと、
    前記光ビームを前記エタロンと前記ミラーとの間を交互に反射させ、
    その交互反射のうち、前記エタロンでの反射回数を自然数Nとし、
    前記エタロンでの反射光を前記空間の第2の側から前記空間外へ光ビームを出射させ、
    その出射光を受光するための第2のコリメータとを有し、
    前記第1の平面と前記第2の平面に挟まれた板状部を構成する材料の屈折率の値が2以上4以下であり、
    前記エタロンの前記第2の平面と、前記第1の板材の前記第1の反射面とが平行な位置関係を維持しつつ、前記第2の平面と前記第1の反射面との間隔を変化させるための第1の手段を有することを特徴とする可変分散補償器。
  15. 前記第1の手段がピエゾ圧電素子を有することを特徴とする請求項14記載の可変分散補償器。
  16. 前記第1の手段が前記第2の平面と前記第1の反射面との距離を正確に測定するためのセンサ部を有することを特徴とする請求項14記載の可変分散補償器。
  17. 屈折率変化及び熱膨張による前記板状部の光学的距離ΔT変化の割合が、10−6/℃未満であることを特徴とする請求項14記載の可変分散補償器。
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