JP5432072B2 - 導波路型光分散補償器 - Google Patents

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Description

本発明は、光通信ネットワークにおける分散補償回路に関する。
図10に従来の反射型アレイ導波路回折格子(AWG)を用いた光分散補償器500の構成を示す。この光分散補償器の動作原理は非特許文献1に示されている。光分散補償器500は、図10(a)に示すように、入出力導波路501、第1のスラブ導波路502、第1のアレイ導波路503、第2のスラブ導波路504、空間位相変調器505、第2のアレイ導波路506、およびミラー507を備える。これら導波路は、図10(b)に示すように、クラッド509およびコア510から構成され、ともに石英からなる。なお、第2のスラブ導波路504は、入力光が周波数展開されるスペクトル面508の前後で前半部分504aと後半部分504bとに分けられる。
この分散補償器の動作について簡単に説明する。図10(a)に見られるように、3つの波長について、正分散の場合の軌跡を矢印で示している。説明上、入出力導波路501、第1のスラブ導波路502、第1のアレイ導波路503、第2のスラブ導波路の前半部分504aからなるAWGをAWG1とする。また、第2のスラブ導波路の後半部分504b、第2のアレイ導波路506、ミラー507、第2のアレイ導波路506、第2のスラブ導波路の後半部分504bからなる反射型AWGをAWG2とする。
まず、入力導波路501から入力される光パルスはAWG1により周波数展開される。次に、各周波数成分の位相は、空間位相変調器505によりシフトされ、伝播方向が制御される。各周波数成分は、その後AWG2を通過する。その際、第2のアレイ導波路506への光の入射位置は、周波数ごとに異なるため、各周波数成分に与えられる遅延が異なり、分散が発生する。AWG2は、光がミラー507で折り返されるため、AWG1の2倍の回折角度を与えるから、復路でスペクトル面508上に結ばれる明点は往路のときと同じ位置である。そして、各周波数成分は再びAWG1を通ることで合波され、最終的に分散が補償された光パルスが入出力導波路501より得られる。
C. R. Doerr et al, "Four-Stage Mach-Zehnder-Type Tunable Optical Dispersion Compensator With Single-Knob Control," IEEE Photon. Technol. Lett., VOL. 17, NO. 12, Dec. 2005. Takanori Suzuki et al, "Dispersion compensator using a compact arrayed-waveguide grating with a dispersion adjusting structure", IEICE Electron. Express, VOL. 3, NO. 3, pp. 58-63, Feb. 2006 Y. Ikuma and H. Tsuda, "AWG-Based Tunable Optical Dispersion Compensator With Multiple Lens Structure," J. Lightwave. Technol., Vol. 27, No. 22, pp. 5202 - 5207, Nov. 2009.
しかしながら、この従来型の構成では、出力導波路は入力導波路と同一である。従って、この素子を使用する際には入射光と反射光を分離するためのサーキュレータ511が必要不可欠である。これはコスト増をもたらすだけでなく、他の導波路型機能素子と回路上で集積することができないことを意味し、光素子の集積性が阻害される。また、AWG1とAWG2の中心周波数が異なると、入力導波路に光が戻らなくなり、動作しなくなる。
本発明は、このような問題に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、集積化が容易な光分散補償器を提供することにある。また、本発明は、入力導波路と出力導波路を別々に構成することができる光分散補償器を提供することにある。さらに、本発明は、中心周波数の調整が可能な光分散補償器を提供することにある。
本発明は、このような目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、導波路型の光分散補償器であって、光信号が入力される入力導波路と、前記入力導波路と接続された第1のスラブ導波路と、前記第1のスラブ導波路と接続された第1のアレイ導波路と、前記第1のアレイ導波路と接続された第2のスラブ導波路と、前記第2のスラブ導波路内にある空間位相変調器であって、前記入力導波路に入力された光信号が周波数展開されるスペクトル面上に形成された空間位相変調器と、前記第2のスラブ導波路と接続された第2のアレイ導波路と、前記第2のアレイ導波路と接続された反射器と、前記第1のスラブ導波路と接続された出力導波路であって、前記入力導波路に入力された光信号の分散が補償された光信号を出力する出力導波路とを備え、前記入力導波路から前記第1のスラブ導波路への光信号の入射角を−β、前記第1のスラブ導波路から前記出力導波路への光信号の出射角をβ+φとし、前記第1のアレイ導波路の隣接導波路の光路長差をΔL、前記第2のアレイ導波路の隣接導波路の光路長差をΔL’、前記第2のアレイ導波路のピッチをd、前記第2のスラブ導波路の実効屈折率をn s 、前記第2のアレイ導波路の群屈折率をn g として、ΔL’=ΔL+(φdn s )/(2n g )となるように構成されたことを特徴とする。
また、請求項2に記載の発明は、光分散補償器であって、光信号が入力される入力導波路と、前記入力導波路と接続された第1のスラブ導波路と、前記第1のスラブ導波路と接続された第1のアレイ導波路と、前記第1のアレイ導波路と接続された第2のスラブ導波路と、前記第2のスラブ導波路内にある空間位相変調器であって、前記入力導波路に入力された光信号が周波数展開されるスペクトル面上に形成された空間位相変調器と、前記第2のスラブ導波路と接続された第2のアレイ導波路と、前記第2のアレイ導波路と接続された反射器と、前記第1のスラブ導波路と接続された出力導波路であって、前記入力導波路に入力された光信号の分散が補償された光信号を出力する出力導波路とを備え、前記入力導波路から前記第1のスラブ導波路への光信号の入射角を−β、前記第1のスラブ導波路から前記出力導波路への光信号の出射角をβ+φとし、前記第1のアレイ導波路の隣接導波路の光路長差および前記第2のアレイ導波路の隣接導波路の光路長差をΔL、前記第2のアレイ導波路の導波路数をN、前記第2のアレイ導波路のピッチをd、前記第2のスラブ導波路の実効屈折率をn s 、前記第2のアレイ導波路の群屈折率をn g 、第2のアレイ導波路の実効屈折率をn c とし、前記プリズムの屈折率と前記第2のスラブ導波路のコアの屈折率との差をΔn r 、前記プリズムの前記第2のアレイ導波路の最長光路長の導波路に対応する幅と最短光路長の導波路に対応する幅の差をwとして、w=(N−1)(φdn s c )/(2n g Δn r )となるように構成されたことを特徴とする
また、請求項に記載の発明は、請求項1又は2に記載の光分散補償器であって、前記第1のアレイ導波路の実効屈折率を制御する第1の温度制御素子と、前記第2のアレイ導波路の実効屈折率を制御する第2の温度制御素子とをさらに備え、前記第1および第2の温度制御素子による導波路の温度調整により、前記第1のスラブ導波路に接続された複数の導波路から前記入力導波路および出力導波路を選択、もしくは、前記ΔL、ΔL'の作製誤差を補償できるように構成されたことを特徴とする。
本発明によれば、代表例として次のような効果を得ることができるが、これらに限定されない。
(1) 従来型構成からサーキュレータを排することができ、コストが削減される。
(2) 入力導波路と出力導波路が別であるため、他素子との集積可能性が生まれる。
(3) 中心波長を補償することで、製造誤差の問題を回避できる。
なお、本発明においては、シリコン基板上の石英ガラス導波路からなる構造を採用したが、本発明はこの材料系に限定されるものではなく、同様の概念に基づき、他の導波路材料で作製しても同じ効果が得られる。
本発明の第1の実施形態に係る導波路型光分散補償器の構成例を示す図であり、図1(a)は、平面図であり、図1(b)は、第1のスラブ導波路の中心線での断面図である。 図1の光分散補償器の部分を拡大した図であり、図2(a)は、第1のスラブ導波路の部分を拡大した図であり、図2(b)は、第2のスラブ導波路の部分を拡大した図である。 図1の空間位相変調器の近傍にヒータを設けた可変分散補償器において、ヒータに印加した電力と得られた分散量を測定した結果を示す図である。 本発明の第2の実施形態に係る導波路型光分散補償器の構成例を示す図であり、図4(a)は、平面図であり、図4(b)は、第1のスラブ導波路の中心線での断面図である。 図4の光分散補償器の部分を拡大した図であり、図5(a)は、第1のスラブ導波路の部分を拡大した図であり、図5(b)は、第2のスラブ導波路の部分を拡大した図である。 本発明の第3の実施形態に係る導波路型光分散補償器の構成例を示す図であり、図6(a)は、平面図であり、図6(b)は、第1のスラブ導波路の中心線での断面図である。 図6の第2のスラブ導波路と第2のアレイ導波路の接続部付近を拡大した図である。 本発明の第4の実施形態に係る導波路型光分散補償器の構成例を示す図であり、図8(a)は、平面図であり、図8(b)は、第1のスラブ導波路の中心線での断面図である。 図8の第1のスラブ導波路の部分を拡大した図である。 従来の反射型アレイ導波路回折格子(AWG)を用いた分散補償器の構成例を示す図である。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。なお、実施の形態を説明するための全図において、同一の機能を有するものは同一符号を付け、その繰り返しの説明は省略する。
(第1の実施形態)
図1に本発明の第1の実施形態に係る導波路型光分散補償器100を示す。光分散補償器100は、図1(a)に示すように、入力導波路101a、出力導波路101b、第1のスラブ導波路102、第1のアレイ導波路103、第2のスラブ導波路104、空間位相変調器105、第2のアレイ導波路106、および反射器107を備える。これらの導波路は、図1(b)に示すように、クラッド109およびコア110から構成され、ともに石英(SiO2)をベースとしたガラスからなる。アレイ導波路103および106は同じ隣接導波路長差ΔLを持つ。また、第1のアレイ導波路103からの回折光が第2のスラブ導波路104において集光する焦点を通る直線は、入力光が周波数展開されるスペクトル面108である。なお、第2のスラブ導波路104は、スペクトル面108の前後で前半部分104aと後半部分104bとに分けられる。
本実施形態では、入力導波路101aと出力導波路101bが第1のスラブ導波路102の中心線に対して対称な位置に接続されている。空間位相変調器105は、基板に深く掘ったレンズ型の溝に、導波路とは異なる屈折率を持つ光学樹脂を充填して作ることができる(例えば、非特許文献2参照)。光が樹脂部分を通り抜ける長さが場所によって異なるため、空間位相変調器として働く。反射器107としては、誘電体多層膜によるミラー、あるいはチップ側面に蒸着した金属膜によるミラーなどが利用できる。
図2(a)は、第1のスラブ導波路102の部分を拡大した図であり、図2(b)は、第2のスラブ導波路104の部分を拡大した図である。図2(a)および(b)には、AWGの中心波長をλ0として、分散が0の場合の、λ=λ0+Δλの波長の光の伝播を矢印で示している。図2において、実線は往路であり、破線は復路である。伝播角度は、往路では水平右向きを0、復路では水平左向きを0として反時計回りを正、時計回りを負とすることとする。
以下、図2を参照して、光の伝播を追うことにより、動作原理を説明する。説明上、入力導波路101a、第1のスラブ導波路102、第1のアレイ導波路103、第2のスラブ導波路の前半部分104aからなるAWGをAWG1とし、第2のスラブ導波路の後半部分104b、第2のアレイ導波路106、反射器107、第2のアレイ導波路106、第2のスラブ導波路の後半部分104bからなる反射型AWGをAWG2とする。
AWG1のスラブの焦点距離がfであるとし、入射角度が−αであるとする(α>0)。すなわち、入力導波路101aが第1のスラブ導波路102に接続される位置は中心線からfαの位置にある。光パルスはまず第1のスラブ導波路102、第1のアレイ導波路103、第2のスラブ導波路の前半部分104aからなるAWG1によってスペクトル面108に周波数展開される。AWG1の、波長Δλに対する回折角をΔθとすると、図2(b)に示されるように、波長λの光の伝播角度は、−α−Δθである。すなわち、スペクトル面108上で明点の位置は中心線からf(−α−Δθ)である。
次に各波長成分の位相は、空間位相変調器105によりシフトされ、伝播方向が制御される。図2(b)では分散が0の場合を描いているが、空間位相変調器105の空間位相変調量を変えることで、正負の分散を付加することができる。すなわち、次の第2のアレイ導波路106への光の入射位置が波長ごとに異なるため、各波長成分に付加される遅延が異なり、分散が発生することになる。
各波長成分は、空間位相変調器105を通過した後、第2のスラブ導波路の後半部分104b、第2のアレイ導波路106、反射器107、第2のアレイ導波路106、第2のスラブ導波路の後半部分104bからなる反射型AWG(AWG2)を伝播する。往路で第2のスラブ導波路の後半部分104b内を伝播して第2のアレイ導波路106の中心へ向かう光の伝播角度はα+Δθである。AWG2は、AWG1に比べて2倍の隣接導波路長差を持つから、AWG2の、波長Δλに対する回折角は2Δθとなる。ゆえに、復路における第2のスラブ導波路の後半部分104b内での伝播角度は、α+Δθ−2Δθ=α−Δθを前後反転した、−α+Δθとなる。したがって、復路においてスペクトル面108上に結ばれる明点の位置は−f(−α+Δθ)である。空間位相変調器105を通過した後、第2のスラブ導波路の前半部分104aを伝播して第1のアレイ導波路103の中心へ向かう光の伝播角度はα−Δθとなる。第1のアレイ導波路103を伝播したときに付加される回折角度はΔθであるから、第1のスラブ導波路102内での復路の伝播角度はα−Δθ+Δθ=αとなる。すなわち、出力光の出射位置は中心線から−fαとなり、出力導波路101bから出力光が得られる。
先述の空間位相変調器105は、寸法設計によって所望の形状とすれば、このデバイスは補償量一定の固定分散補償器となる。あるいは、空間位相変調器105の近傍にヒータを配置して樹脂を加熱する構造とすれば、ヒータ制御により補償量を自在に変更可能な可変分散補償器とすることができる。また、図では簡単のため、空間位相変調器105を1つのレンズ形状の溝に充填した構造としたが、溝内における回折損失の低減のため、小さなレンズ形状の溝を多数並べる構成としてもよい(非特許文献3参照)。
図3は、空間位相変調器105の近傍にヒータを設けた可変分散補償器において、ヒータに印加した電力と得られた分散量を測定した結果である。電力を0〜7.2Wまで変化することで、±870ps/nmの範囲の分散を発生できることを確認した。なお、AWGの設計パラメータは、光路長差ΔL=2060.1272μm、焦点距離f=2368.737μm、溝の最大幅は453μmである。また、導波路は石英ガラスからなり、Geがドープされたコアとクラッドの比屈折率差は1.5%のものを利用した。
(第2の実施形態)
図4に本発明の第2の実施形態に係る導波路型光分散補償器200を示す。第2の実施形態では、第1の実施形態の場合と異なり、図4(a)に示すように、入力導波路201aおよび出力導波路201bが第1のスラブ導波路102の中心線に対して非対称な位置に配置されている。また、第2のアレイ導波路202は、第1の実施形態の場合と異なり、第1のアレイ導波路103と異なる隣接導波路長差ΔL’を持つ。
図5(a)は、第1のスラブ導波路102の部分を拡大した図であり、図5(b)は、第2のスラブ導波路104の部分を拡大した図である。図5(a)および(b)を参照して、光の伝播を追うことにより、入力導波路201aから出力導波路201bへ光が導かれる過程を説明する。入力導波路201aから第1のスラブ導波路102へ出射する光の角度を−βとし、第1のスラブ導波路102から出力導波路201bに入射する光の角度をβ+φとする。すなわち、入力導波路201aが第1のスラブ導波路102に接続される位置は中心線からfβの位置にあり、出力導波路201bが第1のスラブ導波路102に接続される位置は中心線から−f(β+φ)の位置にあるとする。
入力導波路201aから出力導波路201bへ光を導くためには、スペクトル面108上における中心波長の明点位置が、往路においては−fβになり、復路においてはf(β+φ)になっていればよい。これは第2のアレイ導波路202によって実現される。具体的には、第2のアレイ導波路202の隣接導波路長差は、ΔL’=ΔL+(φdns)/(2ng)とする。ここに、dは第2のアレイ導波路202のピッチ、nsは第2のスラブ導波路104の実効屈折率、ngは第2のアレイ導波路202のチャネル導波路の群屈折率である。なお、チャネル導波路は、アレイ導波路を構成する個々の導波路を指す。
このように設計すると、往路で第2のスラブ導波路の後半部分104b内を角度βで伝播した中心波長の光を、復路においては角度−β−φで伝播させることができる。すなわち、復路におけるスペクトル面108上の中心波長の明点位置を所望のf(β+φ)の位置にすることができ、最終的に出力導波路201bから出力光を得ることができる。なお、第1の実施形態と比較して、本実施形態では、図4の出力導波路201bの位置が図1の出力導波路101bと36μm異なることと、ΔLとΔL’が0.107μm異なるが、その他の点は共通であり、実験した結果、図3と同様の結果が得られた。
(第3の実施形態)
図6に本発明の第3の実施形態に係る導波路型光分散補償器300を示す。第2の実施形態では、入力導波路201aから出力導波路201bに光を導くために、第2のアレイ導波路202の隣接導波路長差を第1のアレイ導波路103のそれと異なる長さにしたが、本実施形態ではその代わりに、図6(a)に示すように、プリズム301を第2のスラブ導波路104の終端付近に配置している。このようにプリズム301を配置することで、等価的に第2のアレイ導波路106の隣接導波路長差を延伸するのと同じ効果を得ることができる。プリズム301は、空間位相変調器105と同様に、図6(b)に示すように、基板に深く彫った溝に、透明樹脂を充填することで作製することができる。以下にプリズムの設計例を示す。
図7は、第2のスラブ導波路104と第2のアレイ導波路106の接続部付近を拡大した図である。第2のアレイ導波路106の最短導波路の開口付近のプリズム厚みをw1とし、最長導波路の開口付近のプリズム厚みをw2とし、その差w2−w1をwとする。プリズム材料と石英(スラブ導波路の実効屈折率)との屈折率差をΔnrとすると、プリズム両端間の光学長差はΔnrwである。
第2の実施形態では、隣接導波路長を(φdns)/(2ng)だけ変えたので、第2のアレイ導波路106に導波路がN本あった場合、最短導波路と最長導波路の長さの差は(N−1)×(φdns)/(2ng)となり、光学長に変換すれば(N−1)×nc×(φdns)/(2ng)である。これと先のΔnrwが等しくなれば良いので、結局w=(N−1)(φdnsc)/(2ngΔnr)と計算される。ここに、ncはチャネル導波路の実効屈折率である。溝幅の製造誤差は、プリズム材料の屈折率を微調整することで補償可能である。なお、第1の実施形態と比較して、本実施形態では、導波路201bの位置が導波路101bと36μm異なることと、プリズム(最大幅43μm、樹脂屈折率1.399)が配置されていることが異なるが、その他の点は共通であり、実験した結果、図3と同様の結果が得られた。
(第4の実施形態)
図8に本発明の第4の実施形態に係る導波路型光分散補償器400を示す。光分散補償器400は、図8(a)に示すように、任意の位置に配置された複数の入出力導波路401を備えている。本実施形態においては、そのうち任意の1本を入力導波路401aとし、別の任意の1本を出力導波路401bとして用いる。また、光分散補償器400は、図8(b)に示すように、AWG1の直下に配置された温度制御素子402およびAWG2の直下に配置された温度制御素子403を備えている。
第1および第2の実施形態においては、ΔL、あるいはΔL’を精度良く作製することが必要であるが、一般的なプロセス技術のみでこれを達成するのは困難な場合がある。本実施形態では、温度制御素子402、403を用いて製造後に誤差を補償することができる。これにより、製造時の誤差や素子のばらつきを許容することができる。
温度制御素子402、403には例えばペルチェ素子が用いられる。石英導波路110の屈折率は温度依存性をもつため、温度制御素子402は第1のアレイ導波路103の実効屈折率を、温度制御素子403は第2のアレイ導波路106の実効屈折率を変えることができる。すなわち、アレイ導波路103、106の実効的な隣接導波路長差を制御できる。この制御により、入力導波路401a、出力導波路401bを、第1の実施形態のような対称配置でも、第2の実施形態のような非対称配置でも入出力導波路401のなかから任意に選ぶことができる。
たとえば、図9に示すように、入力導波路401aから第1のアレイ導波路103の中心を臨む角度を−γとし、第1のアレイ導波路103の中心から出力導波路402bを臨む角度をδとすると、光の伝播は第2の実施形態のβをγに、φをδ−γに読み替えて同様に説明できる。このとき、第2のアレイ導波路106の隣接導波路長差ΔLの実効長を((δ−γ)dns)/(2ng)だけ長くする必要がある。必要な温度制御の数値例を示せば、ΔL=2000μm、δ−γ=0.01rad、d=14μm、ns=1.457、ng=1.488、nc=1.455、ncTO=10-5とすると、温度制御素子403の温度を温度制御素子402に比べ約5℃高くする必要があると計算される。ただし、ncはチャネル導波路の実効屈折率、ncTOはチャネル導波路の熱光学係数である。
実際に本実施形態に従い、分散補償器を設計(基本設計パラメータは第1の実施形態と同じ)および作製して評価したところ、第1の実施形態と同様の分散が得られた。さらに、温度制御素子402と403の温度差を変化させて、出力が得られる導波路を調べたところ、温度差3.7度ごとに、入出力導波路群401において出力される導波路が1つづつ変化するのを確認した。
なお、入力導波路401aと出力導波路401bを別の導波路にする場合について説明したが、適当な温度設定により、従来型と同様に入出力導波路を同一とし、入力導波路401aに光を戻す動作も可能である。
以上、本発明について、具体的にいくつかの実施形態について説明したが、本発明の原理を適用できる多くの実施可能な形態に鑑みて、ここに記載した実施形態は、単に例示に過ぎず、本発明の範囲を限定するものではない。例えば、図において、第1のスラブ導波路の中心線が第2のスラブ導波路の中心線と一致するように描かれているが、これらの中心線は必ずしも一致させる必要はない。また、図において、光分散補償器は、1つの基板上に集積されるように描かれているが、複数の基板から構成されるようにしてもよい。このように、ここに例示した実施形態は、本発明の趣旨から逸脱することなくその構成と詳細を変更することができる。さらに、説明のための構成要素および手順は、本発明の趣旨から逸脱することなく変更、補足、またはその順序を変えてもよい。
100 光分散補償器
101a 入力導波路
101b 出力導波路
102 第1のスラブ導波路
103 第1のアレイ導波路
104a 第2のスラブ導波路の前半部分
104b 第2のスラブ導波路の後半部分
105 空間位相変調器
106 第2のアレイ導波路
107 反射器
108 スペクトル面
109 クラッド
110 導波路コア
111 シリコン基板
200 光分散補償器
201a 入力導波路
201b 出力導波路
202 第2のアレイ導波路
300 光分散補償器
301 プリズム
400 光分散補償器
401 入出力導波路
401a 入力導波路
401b 出力導波路
402 第1の温度制御器
403 第2の温度制御器
500 光分散補償器
501 入力導波路
502 第1のスラブ導波路
503 第1のアレイ導波路
504a 第2のスラブ導波路の前半部分
504b 第2のスラブ導波路の後半部分
505 空間位相変調器
506 第2のアレイ導波路
507 反射器
508 スペクトル面
509 クラッド
510 導波路コア
511 サーキュレータ

Claims (3)

  1. 導波路型の光分散補償器であって、
    光信号が入力される入力導波路と、
    前記入力導波路と接続された第1のスラブ導波路と、
    前記第1のスラブ導波路と接続された第1のアレイ導波路と、
    前記第1のアレイ導波路と接続された第2のスラブ導波路と、
    前記第2のスラブ導波路内にある空間位相変調器であって、前記入力導波路に入力された光信号が周波数展開されるスペクトル面上に形成された空間位相変調器と、
    前記第2のスラブ導波路と接続された第2のアレイ導波路と、
    前記第2のアレイ導波路と接続された反射器と、
    前記第1のスラブ導波路と接続された出力導波路であって、前記入力導波路に入力された光信号の分散が補償された光信号を出力する出力導波路と
    を備え
    前記入力導波路から前記第1のスラブ導波路への光信号の入射角を−β、前記第1のスラブ導波路から前記出力導波路への光信号の出射角をβ+φとし、
    前記第1のアレイ導波路の隣接導波路の光路長差をΔL、前記第2のアレイ導波路の隣接導波路の光路長差をΔL’、前記第2のアレイ導波路のピッチをd、前記第2のスラブ導波路の実効屈折率をn s 、前記第2のアレイ導波路の群屈折率をn g として、
    ΔL’=ΔL+(φdn s )/(2n g
    となるように構成されたことを特徴とする光分散補償器。
  2. 導波路型の光分散補償器であって、
    光信号が入力される入力導波路と、
    前記入力導波路と接続された第1のスラブ導波路と、
    前記第1のスラブ導波路と接続された第1のアレイ導波路と、
    前記第1のアレイ導波路と接続された第2のスラブ導波路と、
    前記第2のスラブ導波路内にある空間位相変調器であって、前記入力導波路に入力された光信号が周波数展開されるスペクトル面上に形成された空間位相変調器と、
    前記第2のスラブ導波路と接続された第2のアレイ導波路と、
    前記第2のアレイ導波路と接続された反射器と、
    前記第1のスラブ導波路と接続された出力導波路であって、前記入力導波路に入力された光信号の分散が補償された光信号を出力する出力導波路と、
    前記第2のスラブ導波路の前記第2のアレイ導波路側に形成されたプリズムと、
    を備え、
    前記入力導波路から前記第1のスラブ導波路への光信号の入射角を−β、前記第1のスラブ導波路から前記出力導波路への光信号の出射角をβ+φとし、
    前記第1のアレイ導波路の隣接導波路の光路長差および前記第2のアレイ導波路の隣接導波路の光路長差をΔL、前記第2のアレイ導波路の導波路数をN、前記第2のアレイ導波路のピッチをd、前記第2のスラブ導波路の実効屈折率をn s 、前記第2のアレイ導波路の群屈折率をn g 、第2のアレイ導波路の実効屈折率をn c とし、
    前記プリズムの屈折率と前記第2のスラブ導波路のコアの屈折率との差をΔn r 、前記プリズムの前記第2のアレイ導波路の最長光路長の導波路に対応する幅と最短光路長の導波路に対応する幅の差をwとして、
    w=(N−1)(φdn s c )/(2n g Δn r
    となるように構成されたことを特徴とする光分散補償器。
  3. 請求項1又は2に記載の光分散補償器であって、
    前記第1のアレイ導波路の実効屈折率を制御する第1の温度制御素子と、
    前記第2のアレイ導波路の実効屈折率を制御する第2の温度制御素子とをさらに備え、
    前記第1および第2の温度制御素子による導波路の温度調整により、前記第1のスラブ導波路に接続された複数の導波路から前記入力導波路および出力導波路を選択、もしくは、前記ΔL、ΔL'の作製誤差を補償できるように構成されたことを特徴とする光分散補償器。
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