JP5023419B2 - 半導体量子ドット・デバイス - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、光通信や光インターコネクション等に使用される半導体レーザ、半導体増幅器、半導体光スイッチ、波長変換素子などの半導体光デバイスに関し、さらに言えば、量子ドットを含んでなる半導体量子ドット・デバイスに関する。
【0002】
【従来の技術】
伝導電子(以下、単に電子ともいう)を3次元的に閉じ込めることができる「量子ドット(quantum dot)」では、伝導電子の状態密度関数はデルタ関数的となるため、そのエネルギー準位は離散的になる。したがって、量子ドットに伝導電子が注入されると、その伝導電子の持つエネルギーは、それらの離散的エネルギー準位に集中する。その結果、量子ドット内において伝導電子がホールと発光再結合することにより得られる発光スペクトルは、エネルギーの広がりが非常に狭く、かつ光強度は大きいものとなる。これは、ホールについても同様のことが言える。
【0003】
このような特性を持つ量子ドットを半導体レーザの活性層に適用すると、半導体レーザの発振の閾電流値が低下してその温度特性が向上する。さらに、伝導電子やホール(つまりキャリア)の密度の変化に対する利得ピークの変化が非常に大きいことから、高速動作が可能となる。(以下、量子ドットを活性層に適用した半導体レーザを「量子ドット・レーザ」とも呼ぶ。)
【0004】
このような優れた特性を持つ量子ドット・レーザを実現するためには、結晶性の劣化を生じさせずに、かつ高密度で高均一に量子ドットを形成する必要がある。これを可能にする量子ドットの形成方法としては、リソグラフィーとドライエッチング等を使用する方法が知られている。しかしこの方法では、リソグラフィーやドライエッチングに起因する加工損傷が半導体結晶中に導入されるため、発光効率が著しく低下するという難点がある。
【0005】
そこで、近年では、このような難点が生じない方法として、結晶成長のみで量子ドットを形成する「自己形成法(あるいは自己組織法)」が開発され、また実際に使用されている。この自己形成法(あるいは自己組織法)は、半導体基板上にそれとは格子不整合な半導体層をその臨界膜厚を超えて結晶成長させる方法である。この方法では、臨界膜厚を超えるまでは半導体結晶は層状に成長し、臨界膜厚を超えると島状に成長する。その結果、量子ドットに適したサイズの島状の半導体結晶が半導体基板上に形成される。
【0006】
「自己形成法」は、レナードらによって1993年に報告された次のような知見に基づくものである。すなわち、GaAs基板上に格子不整合なInGaAsを成長させると、臨界膜厚を超えるまではInGaAsは層状に成長するが、臨界膜厚を超えるとInGaAsは島状に成長する。そして、こうして得られる島状のInGaAs結晶は、量子ドットに適した数十nmの大きさを持つ、というものである(アプライド・フィジックス・レターズ、1993年12月、第63巻、第23号、第3203頁〜第3205頁、D. Leonard et al., Applied Physics Letters, Vol. 63, No. 23, pp. 3203-3205, December 1993)。
【0007】
「自己形成法」は、その後、量子ドットの優れた形成法として評価が確立している。
【0008】
「自己形成法」によって形成した量子ドットの半導体レーザへの応用については、従来より多くの研究がなされている。例えば、この方法を用いて製作した量子ドット・レーザが、従来のバルク半導体や量子井戸構造を利用した活性層を持つ半導体レーザよりも低い注入電流密度で動作することは、リュウらによって実証されている(エレクトロニクス・レターズ、1999年7月8日、第35巻、第14号、第1163頁〜第1165頁、G. T. Liu et al., Electronics Letters, Vol. 35, No. 14, pp. 1163-1165, 8th July, 1999)。
【0009】
また、この方法を用いて製作した量子ドット・レーザの動作電流が温度に影響されないことは、チェンらによって実証されている(エレクトロニクス・レターズ、2000年9月28日、第36巻、第20号、第1703頁〜第1704頁、H. Chen et al., Electronics Letters, Vol. 36, No. 20, pp. 1703-1704, 28th September, 2000)。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、量子ドット・レーザの動作速度については、いまだバルク半導体や量子井戸構造を使用した活性層を持つ従来の半導体レーザを超えるものは得られていない。これは、以下に述べるような、量子ドットに特有の本質的な問題に起因する。
【0011】
すなわち、3次元的に量子化された量子ドットでは、パウリの排他律に従うと、伝導帯と価電子帯の最低エネルギー準位(基底準位)には、それぞれ、量子ドット1個に対して2個の伝導電子と2個のホールしか存在できない。このため、伝導帯と価電子帯の基底準位がこれら伝導電子やホール(すなわちキャリア)で満たされていると、これらの基底準位にさらに伝導電子やホールを注入することはできないのである。なお、このように、伝導帯と価電子帯の励起準位から伝導電子やホールがそれらの基底準位に遷移することは、「緩和」と呼ばれる。
【0012】
したがって、活性層に形成した複数の量子ドットに、多数のキャリア(つまり伝導電子とホール)を注入して発振させる量子ドット・レーザの場合には、伝導帯の励起準位(伝導帯の基底準位より高いエネルギー準位)から基底準位への伝導電子の緩和速度は、注入によって伝導電子の数が増加するにしたがって徐々に低下する。また、価電子帯の励起準位(すなわち価電子帯の基底準位より低いエネルギー準位)から基底準位へのホールの緩和速度は、注入によってホールの数が増加するにしたがって徐々に低下する。
【0013】
図10は、GaAs基板上に複数のInAs量子ドットを形成してなる半導体試料の発光(フォトルミネッセンス、PL)スペクトルを示す。この試料は、GaAs基板上に形成した複数のInAs量子ドットを含む。図10の発光スペクトルは、励起光を照射してその試料の内部にキャリアを生成させ、そのキャリアがInAs量子ドットにおいて発光再結合するときに生じる光を測定して得たものである。
【0014】
図11は、図10の発光スペクトルを得る際に用いた試料について、量子ドットの基底準位からの発光強度I1と励起準位からの発光強度I2の比(I2/I1)の励起強度(Excitation power)依存性を示したグラフである。
【0015】
図10と図11から分かるように、励起強度を増加していくと、初めは基底準位からの発光強度I1が増加して徐々に飽和していき、その後、励起準位からの発光強度I2が増加している。励起準位の発光強度I2の増加は、基底準位からの発光強度I1が完全に飽和する以前に徐々に発生し始めている。
【0016】
ここで、励起準位でのキャリア数の時間変化は、励起準位へのキャリアの熱励起を考慮した場合、次の数式(1)で与えられる。
【0017】
【数1】
【0018】
数式(1)において、N1とN2はそれぞれ基底準位と励起準位のキャリア数、τr1とτr2はそれぞれ基底準位と励起準位の発光再結合時間、τ2-1は励起準位から基底準位へのキャリアの緩和時間、ΔE2-1は励起準位と基底準位のエネルギー差、kはボルツマン定数、Tは絶対温度である。
【0019】
定常状態では、数式(1)の左辺が「0」となるから、励起準位の発光強度I2と基底準位の発光強度I1との比(I2/I1)は、次の数式(2)のようになる。
【0020】
【数2】
【0021】
数式(2)より明らかなように、発光強度比(I2/I1)は、絶対温度Tの関数となっている。
【0022】
上述した半導体試料(つまり、GaAs基板上にInAs量子ドットを形成したもの)では、ΔE2-1が73meV、τr1とτr2が室温(293K)でそれぞれ0.7nsと0.5nsであるとすると、図11に示した発光強度比(I2/I1)の変化から求められる励起準位から基底準位へのキャリアの緩和時間τ2-1の励起強度依存性は、図12のようになる。
【0023】
図12から分かるように、励起強度を増加していくと、量子ドットの励起準位から基底準位に遷移するキャリアの緩和時間τ2-1は、基底準位にキャリアが満たされていくにしたがって徐々に長くなり、基底準位や励起準位での発光再結合時間τr1とτr2(1ns程度)に近づいている。
【0024】
図12から分かるように、レーザ発振時と同等のキャリア密度が得られる励起強度=100W/cm2のときには、キャリア緩和時間t2-1は室温(293K)で0.2nsとなる。この場合、次の数式(3)で与えられる3dB変調帯域f3dBは、0.8GHzとなる。つまり、3dB変調帯域f3dBは0.8GHzに制限されることになる。
【0025】
【数3】
【0026】
以上の説明から明らかなように、量子ドット・レーザのような量子ドット・デバイスの動作は、量子ドットに固有な基底準位へのキャリアの緩和速度の低下(キャリア緩和時間t2-1の増加)という現象により、変調速度が低下し、その結果、現状の光通信システムに対して必要性の高い10GHz程度の変調帯域を実現することが困難である、という問題がある。
【0027】
本発明は、かかる問題を解消すべくなされたものであって、その目的とするところは、量子ドットの基底準位へのキャリアの緩和を促進し、もって変調帯域が拡大された量子ドット・デバイスを提供することにある。
【0028】
本発明の他の目的は、10GHz程度以上の広い変調帯域を実現できる量子ドット・デバイスを提供することにある。
【0029】
本発明のさらに他の目的は、10GHz程度以上の高速動作を実現できる量子ドット・デバイスを提供することにある。
【0030】
本発明のさらに他の目的は、以下の説明および添付図面から明らかになる。
【0031】
【課題を解決するための手段】
(1) 本発明の量子ドット・デバイスは、
複数の量子ドットを備えた半導体量子ドット・デバイスにおいて、
前記量子ドットがp型不純物を含んでおり、
前記p型不純物は、前記量子ドットの内部にホールを生成していて、それらホールは前記量子ドットの価電子帯の基底準位にあり、
前記p型不純物が前記量子ドットの内部に生成する前記ホールの数が、前記量子ドットの価電子帯の基底準位の状態数と同数以上となるように、前記p型不純物の濃度が設定されており、
前記量子ドットに接して形成されたp型不純物領域及びn型不純物領域が存在しないことを特徴とするものである。
【0032】
(2) 本発明の量子ドット・デバイスでは、前記量子ドットがp型不純物を含んでおり、また、前記p型不純物は、前記量子ドットの内部にホールを生成していて、それらホールは前記量子ドットの価電子帯の基底準位にある。しかも、前記p型不純物が前記量子ドットの内部に生成する前記ホールの数が、前記量子ドットの価電子帯の基底準位の状態数と同数以上となるように、前記p型不純物の濃度が設定されている。さらに、前記量子ドットに接して形成されたp型不純物領域及びn型不純物領域が存在しない構成となっている。このため、前記量子ドットの基底準位へのキャリアの緩和(キャリア注入)が促進され、前記量子ドットの基底準位へのキャリアの緩和時間の増加が抑制される。その結果、量子ドット・デバイスの変調帯域を拡大することができる。よって、10GHz程度以上の広い変調帯域や10GHz程度以上の高速動作を実現することができる。
【0033】
(3) 本発明の第1の量子ドット・デバイスでは、半導体レーザの機能や半導体光増幅器の機能を有するのが好ましい。
また、前記p型不純物が前記量子ドットの内部に生成する前記ホールの数が、前記量子ドットの価電子帯の基底準位の状態数と同数となるように、前記p型不純物の濃度が設定されるのが好ましい。
【0041】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の好適な実施の形態について説明する。しかし、本発明は、これら実施の形態に限定されないことは言うまでもない。
【0042】
(第1実施形態)
図1(a)は、本発明の第1実施形態の半導体量子ドット・デバイスの基本構成を示す概念図、図1(b)はそのエネルギー・バンド図である。
【0043】
図1(a)に示すように、アンドープの半導体より形成された複数の量子ドット1は、p型半導体障壁層3の表面に面密度5×1010cm-2で配置されている。p型半導体障壁層3にはp型不純物が導入されているため、p型半導体障壁層3の内部には多数のホール4が存在している。これらホール4の一部は、隣接する量子ドット1の内部に注入されている。つまり、量子ドット1には、p型不純物は注入されていない(つまりアンドープである)が、ホール4を含んでいるのである。そして、これらのホール4は、図1(b)に示すように、量子ドット1の価電子帯の基底準位8にあり、その基底準位8はホール4によって満たされている。
【0044】
複数の量子ドット1は、その上に形成されたアンドープ半導体障壁層2によって覆われている。
【0045】
スピンを考慮すると、各量子ドット1の価電子帯の基底準位8には2個の状態数が存在する。そこで、p型半導体障壁層3にドープされるp型不純物の量は、1×1011cm-2(=5×1010cm-2×2)の面密度でホール4が生成されるように設定してある。
【0046】
以上のように、量子ドット1中に予めホール4が注入されていて、それらホール4が量子ドット1の価電子帯の基底準位8にあるため、量子ドット1の伝導帯の励起準位6から基底準位7への伝導電子5の緩和過程10が促進される。換言すれば、量子ドット1の伝導電子5の緩和時間が短縮される。
【0047】
なお、図1(b)の符号「11」は、量子ドット1の伝導帯の基底準位7から、伝導電子5が価電子帯の基底準位8に遷移し、その基底準位8に存在していたホール4と再結合して発光する過程を示す。
【0048】
量子ドット1の伝導帯の励起準位6から基底準位7への伝導電子5の緩和過程10が促進される理由は、次の通りである。ここでは、本発明の量子ドット・デバイスを半導体レーザに適用した場合について説明するが、他の光デバイスに適用した場合も同様である。
【0049】
一般に、半導体レーザの直接変調を行う場合、レーザ発振した状態で半導体レーザへの注入キャリア(つまり注入電流)を増減させることにより、出射光の強度を変化させる。このとき、レーザ発振時には活性層のキャリア密度の閾値(閾キャリア密度)は不変であるから、キャリアの増減分だけ出射光の強度が変わる。したがって、活性層が量子ドット構造を含む量子ドット・レーザの場合、その動作(変調)速度を向上させるには、量子ドット構造を形成する量子ドットの基底準位の閾キャリア密度をできるだけ少なくし、それによって基底準位へのキャリアの緩和過程ができるだけ早く行われるようにすることが重要である。
【0050】
図1(b)に示すように、量子ドット1では、伝導帯中の伝導電子5はその基底準位6に注入され、価電子帯のホール4は基底準位8に注入される。ホール4の有効質量は、伝導電子5の有効質量に比べて一桁大きいため、価電子帯の基底準位8と励起準位9のエネルギー差が非常に小さく、したがってホール4は伝導電子5に比べて緩和しやすい。つまり、有効質量の大きいホール4は、有効質量の小さい電子に比べて、基底準位や励起準位などの量子準位に束縛されやすい、という性質がある。
【0051】
よって、有効質量の小さい伝導電子5の緩和し難さが、半導体レーザの高速変調を制限する支配要因となっていることが分かる。換言すれば、半導体レーザの高速変調特性を改善するには、伝導帯の励起準位6から基底準位7への伝導電子5の緩和過程10に要する時間(つまり緩和時間)をできるだけ短くすることが必要である。
【0052】
ところで、量子ドット1における伝導電子5あるいはホール4の状態密度(状態数)を、中心エネルギーE0と不均一広がりΔEをもつガウス関数で近似すると、量子ドット構造を持つ活性層の利得g(基底準位のみの利得)は、次の数式(4)で与えられる。
【0053】
【数4】
【0054】
数式(4)において、hはプランク定数、cは光速、Nは量子ドット1の面密度、nは屈折率、τspは自然放出光の寿命、fcは伝導帯中の電子5の占有確率で0≦fc≦1、またfvは価電子帯の電子の占有確率で0≦fv≦1である。
【0055】
数式(4)で与えられる利得gが量子ドット・レーザの共振器損失より大きいと、レーザ発振が生じる。レーザ構造が同じで共振器損失が一定の場合、レーザ動作中に伝導帯の基底準位7を電子5が占有する確率fcを下げるには、価電子帯の基底準位8を電子が占有する確率fvを「0」に近づけること、換言すれば、価電子帯の基底準位8に電子が存在しない確率(つまり、ホール4が占有する確率)を「1」に近づけることが有効である。こうすると、レーザ発振に必要となる伝導帯の電子の占有確率fcを小さくできるからである、換言すれば、量子ドット1の伝導帯の基底準位7に存在する電子の密度を低下できるからである。
【0056】
これを実現するには、ホール4を量子ドット1に注入して基底準位8を予めホール4により占有させておけばよい。これによって、量子ドット1の価電子帯の基底準位8を電子が占有する確率fvが低下するからである。
【0057】
価電子帯の基底準位8の電子の占有確率fvを「0」にするには、量子ドット1中に予め注入するホール4の量を、量子ドット1における基底準位8の状態数(状態密度)と等しくすればよい。
【0058】
ところで、通常の量子井戸構造やバルク半導体を活性層とした半導体レーザの場合は、その活性層中にホールを注入する構造を好適に設定することにより、レーザ発振時の電子密度を下げることは可能である。閾電子密度を下げることによって、基底準位から連続的に高エネルギー側に広がる伝導帯において、伝導電子の持つエネルギー広がりは狭くなる。したがって、利得のエネルギー広がりが小さくなる。その結果、注入電流によって注入される電子が増加することによる利得ピークの増加が大きくなり、レーザ出力の変調が早められる。この点は、ウオミらによって既に報告されている(ジャパニーズ・ジャーナル・オブ・アプライド・フィジックス、第29巻、第1号、第81頁〜第87頁、1990年1月、 K. Uomi et al., Japanese Journal of Applied Physics, Vol. 29, No. 1, pp. 81-87, January 1990)。
【0059】
しかし、本発明の量子ドット・デバイス(ここでは量子ドット・レーザー)では、上記のバルク半導体を活性層とした半導体レーザの場合とは全く異なる機構で高速変調が達成される。
【0060】
すなわち、量子ドット1は3次元すべての方向で量子化されているため、量子化されたエネルギー準位は離散的であり、またエネルギー広がりが非常に狭い。このため、キャリアの注入量に関わらず、利得のエネルギー広がりは一定であり、したがって量子ドット構造を持つ活性層の利得gのピーク値は電子密度に対して線形に変化する。その結果、量子井戸構造やバルク半導体を活性層とした半導体レーザについての上述した考えに従えば、変調速度は電子密度に依存せず一定となるはずである。
【0061】
しかしながら、本発明のような量子ドット・レーザでは、伝導帯の基底準位7が伝導電子5で満たされることにより、励起準位6にある伝導電子5の基底準位7への緩和過程10に要する時間(緩和時間)が長くなる、という量子ドット1に固有の現象がある。発明者の研究によれば、この伝導電子5の緩和時間が長くなることが、量子ドット・レーザの変調速度が低下する原因であることが判明した。これを回避するには、量子ドット1中の価電子帯の基底準位8にホール4を予め注入しておき、もって量子ドット1中の基底準位7の電子密度を低下させることが有効である。
【0062】
図3は、量子ドット1の中に予めホール4を注入していない、通常の構造を持つ量子ドット・レーザの3dB変調帯域f3dBの注入電流依存性を示すグラフである。このグラフは、量子ドット1の中に予めホール4を注入せずに、通常の構造を持つ量子ドット・レーザを製作し、その量子ドット・レーザを小信号で直接変調して周波数応答特性を測定し、その3dB変調帯域f3dB(応答が3dBだけ下がる周波数範囲)をプロットして得たものである。なお、Ithは、この量子ドット・レーザの発振閾電流である。
【0063】
図3より明らかなように、量子ドット1の中に予めホール4を注入していない量子ドット・レーザでは、バイアス電流Ibiasを増加すると、それに伴って3dB変調帯域f3dBが上昇しているが、その上限は約2.5GHzである。
【0064】
図4は、量子ドット1の中に予めホール4を注入した、本発明の構造を持つ量子ドット・レーザの3dB変調帯域f3dBの注入電流依存性を示すグラフである。このグラフは、量子ドット1の中に予めホール4を注入した以外は、図3の場合と同様にして得たものである。この量子ドット・レーザでは、p型半導体障壁層(p型不純物領域)3のp型不純物のドープ量を、量子ドット1の価電子帯の基底準位8の状態数の10倍に設定した。したがって、その基底準位8は完全にホール4で満たされている。また、p型半導体障壁層(p型不純物領域)3以外は、図3に関連して説明した通常構造の量子ドット・レーザの構造と同じである。
【0065】
図4から明らかなように、量子ドット1の中に予めホール4を注入した本発明の量子ドット・レーザでは、3dB変調帯域f3dBの上限が5GHzであり、通常構造の量子ドット・レーザのそれ(2.5GHz)に比べて2倍になっている。つまり、周波数帯域が2倍に伸びている。
【0066】
しかし、図4に示すように、本発明の量子ドット・レーザにおいても、3dB変調帯域f3dBの上限は10GHzに達していない。これは、p型半導体障壁層(p型不純物領域)3のp型不純物のドープ量を、量子ドット1の価電子帯の基底準位8の状態数の10倍に設定したこと、つまり、価電子帯の基底準位8をホール4で満たすために必要とされるp型不純物の量よりも過剰にドープしたことに起因する、と考えられる。なぜなら、量子ドット1の価電子帯の基底準位8に過剰にドープされたホール4が、吸収損失を引き起こすため、発振閾キャリア密度がわずかに増加するからである。
【0067】
したがって、p型半導体障壁層(p型不純物領域)3のp型不純物のドープ量を調整して、量子ドット1の価電子帯の基底準位8の状態数と等しくなるように、換言すれば、価電子帯の基底準位8の取りうる状態数のすべてをホール4で満たすようにすることが望ましい。こうすれば、10GHz程度の広い変調帯域を実現することができる。換言すれば、10GHz程度以上の高速動作を実現できる。
【0068】
なお、本発明の構造を持つ量子ドット・レーザでは、量子ドット1の基底準位7の伝導電子5の密度が小さくなるに従って、量子ドット1の伝導帯の励起準位6から基底準位7への電子5の緩和過程10が早められる。例えば、伝導帯の基底準位7の電子5の占有確率fcを0.1程度まで下げることができれば、その緩和過程10の緩和時間τ2-1は10ps程度となる。このとき、上述した数式(2)によると、3dB変調帯域f3dBは10GHzを超えることが分かる。
【0069】
(第2実施形態)
図2(a)は、本発明の第2実施形態の半導体量子ドット・デバイスの基本構成を示す概念図、図2(b)はそのエネルギー・バンド図である。
【0070】
第2実施形態の量子ドット・デバイスは、第1実施形態とは逆に、複数の量子ドット1の下にノンドープ半導体障壁層3aを配置し、量子ドット1の上にp型半導体障壁層(p型不純物領域)2aを配置したものである。第1実施形態とは異なり、量子ドット1の内部には、p型半導体障壁層2a中のp型不純物により生成されるホール4が導入されている。
【0071】
以上の構成を持つ第2実施形態の量子ドット・デバイスにおいても、第1実施形態のそれと同じ作用効果が得られることは明らかである。
【0072】
【実施例】
次に、本発明の好適な実施例について、添付図面を参照しながら詳細に説明する。
【0073】
(第1実施例)
図5は、本発明の第1実施例の半導体レーザ(量子ドット・レーザ)の構造を示す概略断面図である。
【0074】
この半導体レーザは、分子線エピタキシャル成長(Molecular Beam Epitaxy、MBE)装置を用いて次のようにして製作した。
【0075】
n型GaAs基板21の上に、n型AlGaAsクラッド層22(Al組成:0.3、厚さ:3μm、キャリア濃度:1×1018cm-3)、アンドープGaAs光閉じ込め層23(厚さ:0.15μm)、アンドープGaAs障壁層24(厚さ:20nm)をこの順に成長させた。
【0076】
その後、アンドープGaAs障壁層24の上に、基板温度(GaAs基板21の温度)490℃で、InAsを3原子層に相当する厚さとなるように量を調整して供給した。その際に、1〜2原子層に相当する厚さのアンドープInAs量子井戸層(ぬれ層とも呼ぶ)25を形成した後、p型不純物であるBeを併せて供給しながらInAsを歪みの臨界膜厚を超えて島状に成長させた。こうして、アンドープInAsぬれ層25の上に複数のp型InAs量子ドット26を形成した。得られたp型InAs量子ドット1は、平面形状が円形であり、その面密度は5×1010cm-2であった。各量子ドット1の大きさは、直径30nm、厚さ(高さ)8nmであった。
【0077】
この第1実施例では、InAs量子ドット1の成長時にInAsと共にp型不純物であるBeを併せて供給し、Beの面密度が1×1011cm-2となるようにBeの供給量を調整しながら、量子ドット1の内部にBeをドープさせた。Beの面密度1×1011cm-2は、量子ドット1の面密度5×1010cm-2の2倍に等しい。これによって、各量子ドット1の内部にBeがドープされ、その結果、各量子ドット1の内部にキャリアとしてのホールが導入される。このホールは、各量子ドット1の価電子帯の基底準位にある。
【0078】
続いて、同じMBE装置を用いて、量子ドット構造50の上に、アンドープGaAs障壁層27(厚さ:20nm)、アンドープGaAs光閉じ込め層28(厚さ:0.15μm)、p型AlGaAsクラッド層29(Al組成:0.3、厚さ:2μm、キャリア濃度:5×1017cm-3)、p型AlGaAsキャップ層30(Al組成:0.15、厚さ:0.5μm、キャリア濃度:5×1018cm-3)を順次、成長させた。こうして、図5に示す構成の半導体レーザを得た。
【0079】
図5に示すように、p型InAs量子ドット26はすべて、アンドープGaAs障壁層27で覆われている。アンドープInAs量子井戸層(ぬれ層)25と、その上に形成された複数のp型InAs量子ドット26は、量子ドット構造70を形成する。量子ドット構造70とその両側のアンドープGaAs障壁層24と27は、当該半導体レーザの活性層71を形成する。
【0080】
以上述べたように、第1実施例の半導体レーザでは、InAs量子ドット26に対してp型不純物Beがドープされているため、各量子ドット26に2個のホールが生成される。したがって、各量子ドット26の価電子帯の基底準位の二つの状態は、これら二つのホールによって満たされている。このため、発振時に、各量子ドット26の価電子帯の基底準位を電子は占有できず、その結果、量子ドット26中の伝導電子の密度が低下し、量子ドット26における伝導帯の励起準位から基底準位への電子の緩和過程10の速度が早くなる。
【0081】
第1実施例では、電子の緩和過程10の速度が10ps程度まで早くなった。これは、第1実施例の半導体レーザは、10GHz以上の高速で変調可能であることを意味するものである。
【0082】
なお、第1実施例では、GaAs基板21を使用したが、これをInP基板に代えてもよい。この場合は、クラッド層22、29と光閉じ込め層23、28と障壁層24、27をInAlGaAsで形成してもよいし、InGaAsPで形成してもよい。こうすると、p型InAs量子ドット26からの発光波長が1.3ミクロンを超えた。このため、長波長の光通信用の光源として好適である。
【0083】
(第2実施例)
図6は、本発明の第2実施例の半導体レーザ(量子ドット・レーザ)の構造を示す概略断面図である。この半導体レーザは、第1実施例のp型InAs量子ドット26とアンドープGaAs障壁層27とアンドープGaAs光閉じ込め層28に代えて、アンドープInAs量子ドット36とp型GaAs障壁層37とp型GaAs光閉じ込め層38をそれぞれ使用した以外は、第1実施例の半導体レーザと同じ構成である。よって、第1実施例と同じ構成には同じ符号を付してその詳細な説明は省略する。
【0084】
第2実施例の半導体レーザは、MBE装置を用いて次のようにして製作した。
【0085】
まず、第1実施例と同様にして、n型GaAs基板上21の上にn型AlGaAsクラッド層22、アンドープGaAs光閉じ込め層23、アンドープGaAs障壁層24、アンドープInAsぬれ層25を順に成長させた。
【0086】
次に、アンドープInAsぬれ層25の上に、複数のアンドープInAs量子ドット36(直径:30nm、厚さ:8nm、面密度:5×1010cm-2)を形成した。つまり、第1実施例とは異なり、InAs量子ドット36の成長の際にBeの供給を行わなかった。そして、アンドープInAs量子ドット36の上に、p型GaAs障壁層37(厚さ:20nm)とp型GaAs光閉じ込め層38(厚さ:0.15μm)を成長させた。
【0087】
続いて、第1実施例と同様にして、p型GaAs光閉じ込め層38の上に、p型AlGaAsクラッド層29とp型AlGaAsキャップ層30を成長させた。こうして、図6に示す構成の半導体レーザを得た。
【0088】
図6に示すように、アンドープInAs量子ドット36はすべて、p型GaAs障壁層37で覆われている。アンドープInAs量子井戸層(ぬれ層)25と、その上に形成された複数のアンドープInAs量子ドット36は、量子ドット構造70aを形成する。量子ドット構造70aとその両側のアンドープGaAs障壁層24と37は、当該半導体レーザの活性層71aを形成する。
【0089】
アンドープ量子ドット36の上にあるp型GaAs障壁層37とp型GaAs光閉じ込め層38の全体には、p型不純物Beが6×1015cm-3の濃度でドープしてある。したがって、これら二つの層37と38が「p型不純物領域」を形成する。
【0090】
p型GaAs障壁層37とp型GaAs光閉じ込め層38からホールが面密度1×1011cm-2で発生し、量子ドット36中に流れ込む。この時、量子ドット36の1個当たり2個のホールが注入される。このため、各量子ドット36の価電子帯の基底準位はこれらホールによって満たされる。その結果、発振時の量子ドット36の伝導帯の基底準位の電子密度が低下し、伝導帯の励起準位から基底準位への電子の緩和過程10が早くなる。第2実施例では、10ps程度まで早くなった。このため、当該半導体レーザを10GHz以上の高速で変調することができることが分かった。
【0091】
第1実施例では、InAs量子ドット26中に直接p型不純物のBeをドープしてp型としているが、発明者の試験によれば、そうすると量子ドット26に欠陥が導入され、発光効率が低下する、という難点があることが分かった。第2実施例では、この点を考慮して、量子ドット36には直接p型不純物Beをドープせず、その代わりに量子ドット36の周囲にある半導体層37と38にp型不純物をドープしている。そして、これら二つの半導体層37と38から面密度で1×1011cm-2だけのホールが生成されて量子ドット36に流れ込むようにしている。このため、第2実施例では、第1実施例と同じ効果に加えて、量子ドット36の発光効率を下げずに変調速度を上げることが可能となる、という利点がある。
【0092】
(第3実施例)
図7は、本発明の第3実施例の半導体レーザ(量子ドット・レーザ)の構造を示す概略断面図である。
【0093】
第3実施例の半導体レーザは、第1実施例のアンドープInAsぬれ層25に代えてp型InAsぬれ層45を使用し、第1実施例のp型InAs量子ドット26に代えて第2実施例のアンドープInAs量子ドット36を使用した以外は、第1実施例の半導体レーザと同じ構成である。よって、第1実施例と同じ構成には同じ符号を付してその詳細な説明は省略する。
【0094】
この半導体レーザは、MBE装置を用いて次のようにして製作した。
【0095】
まず、第1実施例と同様にして、n型GaAs基板上21の上にn型AlGaAsクラッド層22、アンドープGaAs光閉じ込め層23、アンドープGaAs障壁層24をこの順に成長させた。
【0096】
次に、アンドープGaAs障壁層24の上に、Beを供給しながらInAsを成長させ、p型InAsぬれ層45(厚さ:0.3nm)を形成した。そして、その上に、第2実施例と同様にして複数のアンドープInAs量子ドット36を形成した後、その上にアンドープGaAs障壁層27とアンドープGaAs光閉じ込め層28を成長させた。
【0097】
続いて、第1実施例と同様にして、アンドープGaAs光閉じ込め層28の上に、p型AlGaAsクラッド層29とp型AlGaAsキャップ層30を成長させた。こうして、図7に示す構成の半導体レーザを得た。
【0098】
図7に示すように、アンドープInAs量子ドット36はすべて、アンドープGaAs障壁層27で覆われている。p型InAs量子井戸層(ぬれ層)45と、その上に形成された複数のアンドープInAs量子ドット36は、量子ドット構造70bを形成する。量子ドット構造70bとその両側のアンドープGaAs障壁層24と27は、当該半導体レーザの活性層71bを形成する。
【0099】
この第3実施例の半導体レーザでは、エネルギー・バンド構造を考えると、アンドープGaAs障壁層27とアンドープGaAs光閉じ込め層28のエネルギー準位よりも、p型InAsぬれ層(量子井戸層)45のエネルギー準位の方が低い。また、p型InAsぬれ層45のエネルギー準位よりも、アンドープInAs量子ドット36のエネルギー準位の方が低い。伝導電子は、エネルギー準位の高い方から低い方に流れ込む性質があるので、伝導電子はGaAs層27と28からぬれ層45に流れ、また、ぬれ層45から量子ドット36に流れ込む。
【0100】
ホールについて見ると、GaAs障壁層27とInAsぬれ層45のヘテロ接合界面では、エネルギー・バンドが不連続であるから、「スパイク」や「ノッチ」と呼ばれるポテンシャル障壁が生じる。このポテンシャル障壁により、GaAs障壁層27からInAsぬれ層45へのホールの移動が妨げられる。したがって、InAs量子ドット36へホールを注入するための「p型不純物領域」としては、GaAs障壁層27よりもInAsぬれ層45の方が好ましい。より効率的にホールがInAs量子ドット36へ注入されるからである。
【0101】
この点を考慮して、第2実施例では、InAsぬれ層45をp型とし、GaAs障壁層27をアンドープとしている。このため、第1実施例と同じ効果に加えて、伝導電子の遷移を妨げることなく、p型InAsぬれ層45からホールをInAs量子ドット36に効率的に導入できる、という利点がある。
【0102】
(第4実施例)
図8は、本発明の第4実施例の半導体レーザ(量子ドット・レーザ)の構造を示す概略断面図である。第4実施例の半導体レーザは、第1実施例のp型InAs量子ドット26に代えて第2実施例のアンドープInAs量子ドット36を使用し、第1実施例のアンドープGaAs障壁層27に代えてp型GaAs障壁層51とアンドープAlGaAs埋め込み層52を使用した以外は、第1実施例の半導体レーザと同じ構成である。よって、第1実施例と同じ構成には同じ符号を付してその詳細な説明は省略する。
【0103】
この半導体レーザは、MBE装置を用いて次のようにして製作した。
【0104】
まず、第1実施例と同様にして、n型GaAs基板上21の上にn型AlGaAsクラッド層22、アンドープGaAs光閉じ込め層23、アンドープGaAs障壁層24、アンドープInAsぬれ層25を順に成長させた。
【0105】
次に、第2実施例と同様にして、アンドープInAsぬれ層25の上に、複数のアンドープInAs量子ドット36を形成した。さらに、アンドープInAsぬれ層25の上に、量子ドット36間の隙間を埋め込むように、アンドープAlGaAs埋め込み層51(厚さ:8nm)を選択的に成長させた。アンドープAlGaAs埋め込み層51の厚さは、量子ドット36の高さ(8nm)と同一にした。
【0106】
そして、量子ドット36とアンドープAlGaAs埋め込み層51の上に、p型GaAs障壁層51(厚さ:20nm、キャリア濃度:5×1016cm-3)を成長させてから、その上に、第1実施例と同様にして、アンドープGaAs光閉じ込め層28とp型AlGaAsクラッド層29とp型AlGaAsキャップ層30を順に成長させた。こうして、図8に示す構成の半導体レーザを得た。
【0107】
図8に示すように、アンドープInAs量子ドット36の上面以外はすべて、アンドープAlGaAs埋め込み層52で覆われている。アンドープInAs量子ドット36の上面は、p型GaAs障壁層51で覆われている。アンドープInAs量子井戸層(ぬれ層)25と、その上に形成された複数のアンドープInAs量子ドット36は、量子ドット構造70aを形成する。量子ドット構造70aと、その両側のアンドープGaAs障壁層24およびp型GaAs障壁層51と、アンドープAlGaAs埋め込み層52は、当該半導体レーザの活性層71cを形成する。
【0108】
第4実施例の半導体レーザでは、上述したように、アンドープInAs量子ドット36の側面を、GaAsよりエネルギー準位が高いAlGaAs埋め込み層52で埋め込むと共に、量子ドット36の上面に接触してp型GaAs障壁層51を形成している。したがって、InAs量子ドット36の上面のみがp型GaAs障壁層51に接している。
【0109】
ここで、アンドープ量子ドット36へのキャリアの流れ込みの経路を考える。キャリアは、アンドープInAsぬれ層25を通って、アンドープ量子ドット36内にその下方から流れ込む。量子ドット36の側面には、アンドープAlGaAs埋め込み層52が形成されているため、キャリアは量子ドット36内にその側面から流れ込むことはできない。量子ドット36の上方からは、量子ドット36の上面と接触しているp型GaAs障壁層51(AlGaAs埋め込み層52よりバンド・ギャップが小さい)からキャリアが流れ込むことができる。したがって、ホールは、p型GaAs障壁層51から直接、量子ドット36内に注入されて価電子帯の基底準位に入る。
【0110】
第4実施例の半導体レーザでは、動作時(発振時)にその外部から注入される伝導電子は、アンドープInAsぬれ層25を通ってアンドープ量子ドット36内に入るので、半導体レーザの外部から注入されるホールと量子ドット36の内部で発光再結合する。外部から注入された伝導電子は、ぬれ層25の内部で、予め導入されたホールと再結合することはない。したがって、第1実施例と同じ効果に加えて、量子ドット36での発光再結合効率をいっそう高めることが可能である、という利点がある。
【0111】
(第5実施例)
図9は、本発明の第5実施例の半導体光増幅器(量子ドット光増幅器)の構造を示す概略断面図である。この半導体光増幅器における半導体層の積層構造は、図6に示した第2実施例の半導体レーザのそれと同じであり、異なる点は積層構造の両端面に低反射膜61aと61bがそれぞれ塗布・形成されていることだけである。よって、その構成に関する説明は省略する。
【0112】
図9に示すように、積層構造(光導波路)の両端面に形成された低反射膜61aと61bにより、当該半導体光増幅器に導入された信号光は、量子ドット構造70aを持つ活性層71aにおける誘導放出によって増幅される。誘導放出によって失われる量子ドット36の基底準位での利得は、量子ドット36の伝導帯と価電子帯の基底準位への伝導電子とホールの緩和によって回復する。したがって、第2実施例の半導体レーザの場合と同様に、量子ドット36の価電子帯の基底準位に予めホールを注入しておくことにより、伝導電子の緩和過程10を促進することができる。その結果、10GHzを超えて高速変調された信号光に追従して光増幅を行うことが可能となる。
【0113】
(変形例)
上記第1〜第4実施例では、半導体レーザについて述べたが、本発明はこれに限定されない。量子ドットを使用した他の任意の光デバイスに適用できる。
【0114】
また、上記第5実施例では、半導体光増幅器について述べたが、本発明はこれに限定されるものではなく、信号光のスイッチングを行う半導体光スイッチ、信号光の波長を変換する半導体波長変換素子などの他の光デバイスについても適用できる。したがって、半導体光増幅器と同様の構造と原理で、高速に信号光をスイッチングしたり波長変換したりすることができる。
【0115】
上記第1〜第5実施例では、InAsぬれ層とInAs量子ドットを使用しているが、本発明はこれに限定されず、ぬれ層と量子ドットに対してInAs以外の半導体を使用してもよい。
【0116】
【発明の効果】
本発明の量子ドット・デバイスによれば、量子ドットの基底準位へのキャリアの緩和を促進し、もって変調帯域を拡大することができる。また、10GHz程度以上の広い変調帯域や10GHz程度以上の高速動作を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は、本発明の第1実施形態の半導体量子ドット・デバイスの基本構成を示す概念図、(b)はそのエネルギー・バンド図である。
【図2】(a)は、本発明の第2実施形態の半導体量子ドット・デバイスの基本構成を示す概念図、(b)はそのエネルギー・バンド図である。
【図3】量子ドットの中に予めホールを注入していない、通常の構造を持つ量子ドット・レーザの3dB変調帯域f3dBの注入電流依存性を示すグラフである。
【図4】量子ドットの中に予めホールを注入した、本発明の構造を持つ量子ドット・レーザの3dB変調帯域f3dBの注入電流依存性を示すグラフである。
【図5】本発明の第1実施例の半導体レーザ(量子ドット・レーザ)の構造を示す概略断面図である。
【図6】本発明の第2実施例の半導体レーザ(量子ドット・レーザ)の構造を示す概略断面図である。
【図7】本発明の第3実施例の半導体レーザ(量子ドット・レーザ)の構造を示す概略断面図である。
【図8】本発明の第4実施例の半導体レーザ(量子ドット・レーザ)の構造を示す概略断面図である。
【図9】本発明の第5実施例の半導体光増幅器(量子ドット光増幅器)の構造を示す概略断面図である。
【図10】GaAs基板上に複数のInAs量子ドットを形成してなる半導体試料の発光フォトルミネッセンス・スペクトルを示すグラフである。
【図11】図10の発光スペクトルを得る際に用いた試料について、量子ドットの基底準位からの発光強度I1と励起準位からの発光強度I2の比(I2/I1)の励起強度(Excitation power)依存性を示したグラフである。
【図12】図10の発光スペクトルを得る際に用いた試料について、励起準位から基底準位へのキャリアの緩和時間τ2-1の励起強度依存性を示すグラフである。
【符号の説明】
1 アンドープ量子ドット
2 アンドープ半導体障壁層
2a p型半導体障壁層(p型不純物領域)
3 p型半導体障壁層
3a アンドープ半導体障壁層
4 ホール
5 伝導電子
6 量子ドットの伝導帯の励起準位
7 量子ドットの伝導帯の基底準位
8 量子ドットの価電子帯の基底準位
9 量子ドットの価電子帯の励起準位
10 量子ドット内の励起準位から基底準位への緩和過程
11 量子ドット内の伝導電子とホールの発光再結合過程
21 n型GaAs基板
22 n型AlGaAsクラッド層
23 アンドープGaAs光閉じ込め層
24 アンドープGaAs障壁層
25 アンドープInAsぬれ層
26 p型InAs量子ドット
27 アンドープGaAs障壁層
28 アンドープGaAs光閉じ込め層
29 p型AlGaAsクラッド層
30 p型AlGaAsキャップ層
36 アンドープInAs量子ドット
37 p型GaAs障壁層
38 p型GaAs光閉じ込め層
45 p型InAsぬれ層
51 p型GaAs障壁層
52 アンドープAlGaAs埋め込み層
61a、61b 低反射膜
70、70a、70b 量子ドット構造
71、71a、71b、71c 活性層
Claims (4)
- 複数の量子ドットを備えた半導体量子ドット・デバイスにおいて、
前記量子ドットがp型不純物を含んでおり、
前記p型不純物は、前記量子ドットの内部にホールを生成していて、それらホールは前記量子ドットの価電子帯の基底準位にあり、
前記p型不純物が前記量子ドットの内部に生成する前記ホールの数が、前記量子ドットの価電子帯の基底準位の状態数と同数以上となるように、前記p型不純物の濃度が設定されており、
前記量子ドットに接して形成されたp型不純物領域及びn型不純物領域が存在しないことを特徴とする量子ドット・デバイス。 - 半導体レーザの機能を有する請求項1に記載の量子ドット・デバイス。
- 半導体光増幅器の機能を有する請求項1に記載の量子ドット・デバイス。
- 前記p型不純物が前記量子ドットの内部に生成する前記ホールの数が、前記量子ドットの価電子帯の基底準位の状態数と同数となるように、前記p型不純物の濃度が設定されている請求項1〜3のいずれかに記載の量子ドット・デバイス。
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