JP5023067B2 - 連結ワイヤガイド - Google Patents

Description

本発明は概ね体内処置用のワイヤガイドに関し、より具体的には、近位側が蛇行する体内管内の介入処置において先に導入されたワイヤガイドに連結される補助用のワイヤガイド、または、血管形成術処置、ステント処置、および他の装置とそれらの関連装置の設置処置のためのより実質的なワイヤガイドとして使用される、ワイヤガイドの構造に関する。

脈管構造の近位側における蛇行は、アテレクトミー装置、血管形成装置、ステント送出装置、およびフィルタ送出装置などすべての医療カテーテル装置にとって、問題である。したがって、体内介入処置の際は通常、ワイヤガイドを用いて患者の脈管を案内させる。一旦ワイヤガイドが導入されると、１本または複数本の医療用カテーテル装置を導入するのに使用することができる。したがって、ほとんどのワイヤガイドは通常、直径が０．０１４インチ（０．０３６ｃｍ）であって、導入時の動きを向上させるために潤滑性被覆を備えている。０．０１４インチの柔軟な従来型のワイヤガイドは、蛇行性脈管を通って案内するのに十分な可撓性とトルク操作性を備えていなければならない。同時に、ワイヤガイドは、病変部を通過し、極度に蛇行する体内管をまっすぐにし、ワイヤガイドに沿わせて導入される医療用カテーテル装置をサポートするために、ある程度の剛性を備えていなければならない。

したがって、ワイヤガイドには潜在的に相容れない要件が課せられている。０．０１４インチの柔軟な従来型のワイヤガイドは通常、適度に蛇行する脈管内を案内するのには十分である。しかし、ワイヤガイドの先端が、装置を案内中の部位から逸脱する場合がある。たとえば、脈管内の近位側に蛇行がある場合のバルーン血管形成術は、従来型の柔軟なワイヤガイドでは病変部を通過できないことや、ワイヤガイドがバルーンカテーテルを十分にサポートしきれないことなどによる、急性の合併症や処置不全などの多数例と関連がある。他方で、耐久性のあるワイヤガイドは、一般的に、その剛性および導入中に体内管内部を傷つける可能性があるせいで、一次ワイヤガイドとしては適していない。

したがって、蛇行脈管の案内用には従来型のワイヤガイドを使用し、続いて、従来型のワイヤガイドを補助ワイヤガイドによって補剛することが望まれよう。補助ワイヤガイドは、体内管の曲部をまっすぐにし、ワイヤガイドの前進を容易にするであろう。さらに、補助ワイヤガイドは、柔軟な従来型のワイヤガイドと比較して、サポートを強化し、バルーン、ステント、ステント送出装置、アテレクトミー装置、および他の医療用カテーテル装置などの追跡能力（ｔｒａｃｋｉｎｇ）を高める。この技法は通常「バディーワイヤ」法とよばれ、その詳細は２００５年３月１６日出願の米国特許出願番号第１１／０８１，１４６号に開示されている。

しかし、第１のワイヤガイドと平行して補助ワイヤガイドに案内をさせることは、労力と時間のかかるプロセスであって、付随的な困難がつきまとう。たとえば、第２のワイヤガイドを第１のワイヤガイドの周りに螺旋状またはコイル状に巻きつけることができるが、このため第１のワイヤガイドの動きが阻害されたり、意図せぬ動きの原因となったりすることがあり、続いて補助ワイヤガイドおよび／または一次ワイヤガイドを引き戻して再挿入しなければならなくなることがある。さらに、補助ワイヤガイドを引き抜く必要性が生じると、２本のワイヤガイドのうちいずれかが汚染される可能性があり、全工程を滅菌具を用いて再開しなければならないことがある。このプロセスで費やした時間は、処置の成功を左右する可能性がある。さらに、患者の心臓、とくに心門を通して縦走させるとき、心臓の大開口スペースは補助ワイヤガイドを同様に設置することをいくぶん困難にする。

従って、容易かつ確実に脈管構造を通して、先に導入されたワイヤガイドの直近位置まで縦走させることのできる、経皮的介入処置のための支持ワイヤガイドを提供する必要性がある。
米国特許出願番号第１１／０８１，１４６号 米国特許第５，２４３，９９６号

本発明は、容易かつ確実に脈管構造を通して、先に導入されたワイヤガイドの直近位置まで縦走させることのできる、体内処置のための支持ワイヤガイドを提供する。支持ワイヤガイドは、先に導入されたワイヤガイドに摺動可能に連結されるように構成された連結ワイヤガイドである。本発明の教示に従って構成された一つの実施形態では、連結ワイヤガイドは一般的に遠位区分を有する本体を含む。遠位区分は、セフティワイヤに沿わせた外側ワイヤを含む。ループワイヤは、軸線方向に離間した２か所でセフティワイヤに連結されている。ループワイヤの少なくとも一部が外側ワイヤの外側に位置付けられ、先に導入されたワイヤガイドを受け入れる大きさのループ領域を画定する。

より詳細な態様によると、ループワイヤの長さはセフティワイヤに沿った軸線方向に離間した２か所の間の距離以上であることが好ましいが、最も好ましいのは、軸線方向に離間した２か所の間のセフティワイヤに沿った距離よりも長いか同等の距離に先に導入されたワイヤガイドの外周を加えた長さである。セフティワイヤは概して連結ワイヤガイドの遠位先端を画定するエンドキャップに連結され、エンドキャップはループワイヤが通って伸張する通路を含む。ループワイヤの近位端がコイル巻きされた外側ワイヤの隣接する巻き部分を通って突き出ている。ループワイヤがエンドキャップを通って伸張しない場合、ループワイヤは軸線方向位置に離間した２つの地点近傍の２か所でコイル巻きされたワイヤの隣接する巻き部分を通って突き出ている。本体は、マンドレル又はコイル巻きされたワイヤを含む多くの形態をとり得る。

ループワイヤは、セフティワイヤに連結された端部を有する他の個別に形成されたワイヤを備え得るし、又は代替として、セフティワイヤの遠位部分はそれ自体がループワイヤを形成してもよい。後者の場合、セフティワイヤの遠位部分は外側ワイヤの外に突き出て、近位に伸張し、外側ワイヤ内に戻る。セフティワイヤの遠位部分は、エンドキャップに形成される通路を通って伸張するのが好ましい。エンドキャップの通路はエンドキャップの側面に半径方向に開口するのが好ましい。外側ワイヤの外側に位置するセフティワイヤの部分は、本体と遠位区分が軸線方向に真っ直ぐ伸張できる寸法であり、同時に先に導入されたワイヤガイドを受け入れる寸法のループ領域を保持している。

本明細書に組み込まれその一部をなす添付図面は、本発明の複数の態様を図示し、詳細な説明と共に本発明の原理を説明する。

ここで図面を参照すると、図１と図２は本発明の教示に従って製作された連結ワイヤガイド２０を示している。連結ワイヤガイド２０は遠位区分２４を有する本体２２を含む。本体２２は、当業者には周知の構造のマンドレル２６として示してある。遠位区分２４の領域では、マンドレル２６が細くなってセフティワイヤ２８が構成され、その上に外側ワイヤ３０が配置される。具体的には、外側ワイヤ３０がセフティワイヤ２８上にコイル巻きされ、次にセフティワイヤ２８はエンドキャップ３２に連結されて連結ワイヤガイド２０の遠位先端３４を画定する。

連結ワイヤガイド２０は、コイル巻きされたワイヤ１０として図２に示す、先に導入されたワイヤガイドに連結するように構成されている。先に導入されたワイヤガイド１０は、連結ワイヤガイド２０の本体２２と同様、中実ワイヤ、管状ワイヤ、コイル巻きされたワイヤ、およびそれらの組み合わせを含む、当該技術で既知の多様な形状をとりうることが理解されよう。例えば、本体２２は、細長いセフティワイヤ２８上に配置されたコイル巻きされた外側ワイヤ３０を含んでいてもよい。同様に、先に導入されたワイヤガイド１０は、マンドレルのみを備えていてもよいし、そのすべてが参照により本明細書に組み込まれる米国特許第５，２４３，９６６号に開示されるようなマンドレルとコイル巻きされたワイヤの組み合わせであってもよい。種々のワイヤガイドが経皮的体内処置で頻繁に使用されるが、本発明のワイヤガイドは内視鏡的処置又は他の体内処置でも利用可能であることは、当業者に理解されよう。

連結ワイヤガイド２０の遠位区分２４はループワイヤ４０を含み、ループワイヤ４０は外側ワイヤ３０の外側に配置されて、先に導入されたワイヤガイド１０を受け入れる寸法のループ領域４２を画定する。この実施形態では、ループワイヤ４０はセフティワイヤ２８の遠位部分により形成される。連結ワイヤガイド２０の遠位先端３４において、エンドキャップ３２は、セフティワイヤ２８が貫通して伸張する通路３６を含む。エンドキャップ３２の通路３６は、エンドキャップ３２の側部で半径方向に開口しており、ここでセフティワイヤ２８はポイント５０から突き出て、ループワイヤ４０の遠位部分を形成している。ループワイヤ４０は、外側ワイヤ３０の外部に沿って所定の距離伸張している。ループワイヤ４０の近位端は、エンドキャップ３２とその通路３６から軸線方向（近位方向）に離間する位置５２で、ワイヤ３０の隣接するふたつの巻き部分の間を通って、外側ワイヤ３０を通過する。即ち、セフティワイヤ２８は、遠位先端３４から突き出てそこから離れ、外側ワイヤ３０の外側に位置しつつ近位側に伸張した後外側ワイヤ３０内に戻ってそれ自体（セフティワイヤ２８）と連結することにより、連結用ループ領域を確定する。ループワイヤ４０の端部４４は、通常ははんだ付け又は溶接によってセフティワイヤ２８に連結されるが、任意周知の連結方法又は材料を使用してもよい。セフティワイヤ２８はまた、例えばはんだ付け又は溶接などでエンドキャップ３２に固定的に取り付けてもよい。

先に導入されたワイヤガイド１０に連結した状態の連結ワイヤガイド２０を図２に示す。図１では連結ワイヤガイド２０の遠位区分２４が曲がった状態を示すが、先に導入されたワイヤガイド１０に沿って脈管構造を通って縦走する連結ワイヤガイド２０の形状をより詳しく示すために、図２では真っ直ぐな状態で示されている。したがって、ループワイヤ４０の距離は、セフティワイヤ２８に沿って軸線方向に離間させたループワイヤ４０の連結ポイント５０、５２の間の距離よりも長いか同じであることと、セフティワイヤ２８に沿って軸線方向に離間させたループワイヤ４０の連結ポイント５０、５２の間の距離に先に導入されたワイヤガイド１０の外周分を加えた距離よりも長いか同じであることが最も好ましいことが、理解されよう。これにより、連結ワイヤガイド２０は、先に導入されたワイヤガイド１０に概ね平行の、実質的な直線方向を保持することができる。更には、ループワイヤ４０の２つの連結ポイント５０、５２間の軸線方向の距離は、先に導入されたワイヤガイド１０の直径より大きいのが好ましい。このようにして、先に導入されたワイヤガイド１０は、直接、連結ワイヤガイド２０に当接することができる。ワイヤガイド１０とワイヤガイド２０は、先に導入されたワイヤガイド１０の近位端をループワイヤ４０が形成するループ領域４２を通して配置することによって連結される。次に、連結ワイヤガイド２０は通常の方法で脈管構造を通って縦走するが、先に導入されたワイヤガイド１０を適所に保持しながらが好ましい。ワイヤガイド１０とワイヤガイド２０の連結を外すには、両ワイヤガイドを互いに対して動かし、先に導入されたワイヤガイド１０の遠位端をループワイヤ４０のループ領域４２を近位に通過させ、同領域から取り外す。

従って、連結ワイヤガイド２０の遠位区分２４がループワイヤ４０によって容易かつ確実な、摺動可能な連結を、先に導入されたワイヤガイド１０に提供することを、当業者には理解されよう。ループ領域４２は、広い空間を提供するので、該空間を通してワイヤガイド１０とワイヤガイド２０が容易にかつ迅速に一体に連結可能である。ループワイヤ４０は比較的小さい直径を有しているので、ワイヤガイド２０は低い外形が保持される。更に、ループワイヤ４０はエンドキャップ３２の一側面で遠位先端３４から半径方向に突き出て離れるので、遠位先端３４の非外傷性が保持される。更にまた、連結ワイヤガイド２０は、脈管構造、特にねじれた経路を通ってかつ先に導入されたワイヤガイド１０に沿って縦走させるのに有用な可撓性を十分備えている。同時に、ワイヤガイド１０とワイヤガイド２０が固定的に連結され、遠位区分２４は、連結ワイヤガイド２０が先に導入されたワイヤガイド１０上で平行移動し、かつプラーク又は病変部を有する通路などの閉塞した通路を通過するのに十分な剛性を有する。代替の実施形態の連結ワイヤガイド１２０が図３に示してあり、本発明の教示により製作されている。先の実施形態のように、連結ワイヤガイド１２０は、マンドレル１２６によって画定される本体１２２と、コイル巻きされたワイヤ１３０によって画定される遠位区分１２４と、を含む。マンドレル１２６は細くなって、外側ワイヤ１３０上にコイル巻きされたセフティワイヤ１２８を画定する。セフティワイヤ１２８は遠位に伸張し、エンドキャップ１３２に連結され連結ワイヤガイド１２０の遠位先端１３４を画定する。

しかしながら、この実施形態では、ループワイヤ１４０はセフティワイヤ１２８とは別個に形成された構成部品である。ループワイヤ１４０は外側ワイヤ１３０の外側に大部分にわたって配置され、先に導入されたワイヤガイド１０（図２に示す）に連結するために広いループ領域１４２を画定する。ループワイヤ１４０の第１の端部１４４は第１の軸線方向位置１５２でセフティワイヤ１２８に連結され、一方、ループワイヤ１４０の第２の端部１４６は遠位先端１３４に近接する第２の軸線方向位置１５０でセフティワイヤ１２８に連結されている。ループワイヤ１４０の第２の端部１４６も又、先の実施形態で論じた例えばはんだ付け又は溶接によって、セフティワイヤ１２８とエンドキャップ１３２との相互連結と同様に、エンドキャップ１３２に連結されるのが好ましい。

ループワイヤ１４０が、２つの連結ポイント１５０、１５２近傍の２つの軸線方向位置で、コイル巻きされたワイヤ１３０の隣接する巻き部分を通って伸張していることが、図３で理解されよう。よって、遠位先端１３４の外部非外傷性形状が保持される。又、図１を参照して説明した先の実施形態では、ループワイヤ４０がセフティワイヤ２８でセフティワイヤと一体に形成されていて、セフティワイヤ２８はコイル巻きされた外側ワイヤ３０内でワイヤ３０から外に突き出る前に折り返すことができ、それによって、エンドキャップ３２で通路３６を形成する必要がなくなることも理解されよう。又、明らかにした実施形態に、例えばループワイヤ４０、１４０とループ領域４２、１４２を遠位に若しくは近位に動かすなど、他の種々の変形がなされ得ることも、理解されよう。同様に、ループワイヤ４０、１４０の長さが、セフティワイヤ２８、１２８との２つの連結ポイント間の距離よりかなり大きくてもよいし、ループワイヤ４０、１４０は、外側ワイヤ３０，１３０と連結ワイヤガイド２０、１２０の寸法によってのみ限定されるが、任意の大きさでもよい。

従って、当業者には、連結ワイヤガイドが、ループワイヤによって画定されるループ領域を提供することを通して、先に導入されたワイヤガイドとの容易で確実な連結を提供することが、理解されよう。同時に、連結ワイヤガイドの遠位区分は最小の変更で、所望の可撓性と剛性と強度とを保持するのが可能となる。このように、連結ワイヤガイドは脈管構造、特に蛇行経路をますます巧みに縦走する一方で、同時に種々の通路を真っ直ぐにするのに十分な剛性を有し、閉塞又は他の障害物を通過する。

本発明の種々の実施形態を図解し説明するために上述してきた。開示した詳細な実施形態で全てであるとかそれに本発明を限定するとかいう意図はない。多くの変更や変形が上記の教示に照らして可能である。説明した実施形態は本発明の原理とその実際の用途の最良の図解を提供するために、選択し、説明したものであり、それによって、当業者が、種々の実施形態及び思考された特別な利用に合うような種々の変更において、本発明を利用できるようにするものである。このような変更や変形はすべて、平等に、法的に、かつ公平に権利を与えられた幅によって解釈される、添付の特許請求の範囲で確定した本発明の範囲内である。

本発明の教示によって構成された連結ワイヤガイドの部分側面図である。 図１に示す連結ワイヤガイドの側面図で、先に導入されたワイヤガイドに連結された状態を示す。 図１に示す連結ワイヤガイドの代替の実施形態の部分側面図である。

Claims (8)

1. 体内処置中、先に導入されたワイヤガイドに連結するための連結ワイヤガイドであって、該連結ワイヤガイドは、
   近位区分と遠位区分を有し、遠位区分は当該連結ワイヤガイドの軸線方向に延びるセフティワイヤと、該セフティワイヤの外側でコイル巻きされた外側ワイヤとを有する本体と、
   該遠位区分の軸線方向に離間した遠位側及び近位側の２つのポイント間で、該遠位区分の外側を延び、該先に導入されたワイヤガイドを受け入れる寸法のループ領域を画定するループワイヤであって、少なくとも該近位側のポイントにおいて、該コイル巻きされた外側ワイヤの隣接する巻き部分を通り内部に入るようにされているループワイヤと、を備える、連結ワイヤガイド。
2. 該セフティワイヤの端部分が該ループワイヤを形成する、請求項１に記載の連結ワイヤガイド。
3. 該セフティワイヤの該端部分が該外側ワイヤから突き出て離れ、該外側ワイヤの外側に沿って近位に伸張し、該外側ワイヤ内に戻る、請求項２に記載の連結ワイヤガイド。
4. 該セフティワイヤは該連結ワイヤガイドの遠位先端を画定するエンドキャップに連結されている、請求項１乃至３のいずれかに記載の連結ワイヤガイド。
5. 該エンドキャップは該ループワイヤが通って伸張する通路を含む、請求項４に記載の連結ワイヤガイド。
6. 該本体の少なくとも一部分がマンドレルである、請求項１乃至５のいずれかに記載の連結ワイヤガイド。
7. 該マンドレルの遠位部分が細くなり該セフティワイヤを形成している、請求項６に記載の連結ワイヤガイド。
8. 該ループワイヤが、軸線方向に離間した２つのポイントで、該コイル巻きされた外側ワイヤの隣接する巻き部分を通るようにされている、請求項１乃至７のいずれかに記載の連結ワイヤガイド。

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