JP5022926B2 - 圧電磁器組成物,及び圧電素子 - Google Patents

圧電磁器組成物,及び圧電素子 Download PDF

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本発明は,組成物中に鉛を含有しない圧電磁器組成物,並びに該圧電磁器組成物を有する圧電素子に関する。
従来より、圧電磁器組成物としては、鉛を含んだPZT(PbTiO3−PbZrO3
成分系磁器が用いられてきた。上記PZTは、大きな圧電性を示し、かつ高い機械的品質係数を有しており、センサ、アクチュエータ、フィルター等の各用途に要求される様々な特性の材料を容易に作製できるからである。
また、上記PZTは高い比誘電率を有するためコンデンサ等としても利用することができる。
ところが、上記PZTからなる圧電磁器組成物は、優れた特性を有する一方で、その構成元素に鉛を含んでいるため、PZTを含んだ製品の産業廃棄物から有害な鉛が溶出し、環境汚染を引き起こすおそれがあった。そして、近年の環境問題に対する意識の高まりは、PZTのように環境汚染の原因となりうる製品の製造を困難にしてきた。そのため、組成物中に鉛を含有しない圧電磁器組成物の開発が求められ、一般式(K1-xNax)NbO3(但し、0<x<1)で表される圧電磁器組成物(非特許文献1参照)が注目されてきた。
しかしながら、上記一般式(K1-xNax)NbO3(但し、0<x<1)で表される圧電磁器組成物は、圧電d31定数、電気機械結合係数Kp、圧電g31定数、機械的品質係数Qm等の圧電特性が低いという問題があった。そのため、例えば高い圧電d31定数を必要とする圧電アクチュエータ、圧電フィルター、圧電振動子、圧電トランス、圧電超音波モータ、圧電ジャイロセンサ、ノックセンサ、ヨーレートセンサ、エアバッグセンサ、バックソナー、コーナーソナー、圧電ブザー、圧電スピーカー、圧電着火器等の圧電素子への適用が困難であった。
また、上記一般式で表される圧電磁器組成物は、比誘電率ε33T/ε0及び誘電損失tanδ等の誘電特性が低いため、コンデンサ等の誘電素子への適用が困難であるという問題があった。
"Journal of the American Ceramic Society"、米国、1962、Vol.45、No.5、p.209
本発明は,かかる従来の問題点に鑑みてなされたもので,鉛を含まず,高い圧電特性及び誘電特性を有し,特に圧電d31定数,比誘電率,誘電損失,及びキュリー温度Tcのいずれか一つ以上に優れた圧電磁器組成物,並びに該圧電磁器組成物を利用した圧電素子を提供しようとするものである。
第1の発明は,一般式{Lix(K1-yNay1-xa(Nb1-z-wTazSbwb3で表され,かつx,y,z,w,a,bがそれぞれ0<x≦0.2,0.05≦y≦0.75,0<z≦0.4,0<w≦0.2,0.95≦a,b≦1.05の組成範囲にある化合物を主成分とする圧電磁器組成物であって,
該圧電磁器組成物は,Agを添加元素として含有してなり,
上記添加元素の含有量は,上記一般式で表される化合物1molに対して,0.001mol〜0.15molであることを特徴とする圧電磁器組成物にある(請求項1)。
次に、本発明の作用効果につき説明する。
本発明の圧電磁器組成物は、その組成中に鉛を含有していない。
そのため、上記圧電磁器組成物は、その廃棄物等から有害な鉛が自然界に流出することがなく、安全である。
また,上記圧電磁器組成物は,上記一般式で表される化合物を含有してなり,かつ上記一般式におけるx,y,z,wがそれぞれ上記の範囲にある。
そのため,上記圧電磁器組成物は,圧電d31定数,電気機械結合係数Kp,圧電g31定数等の圧電特性,比誘電率ε33T/ε0,誘電損失tanδ等の誘電特性,またキュリー温度Tcに優れている。
なお,上記添加元素を含有しておらず,上記一般式{Lix(K1-yNay1-xa(Nb1-z-wTazSbwb3で表される組成を,以下適宜,「基本組成」という。
さらに、上記圧電磁器組成物は、上記一般式で表される基本組成の化合物に加えて、Agを添加元素として、上記含有量の範囲で含有している。そのため、本発明の圧電磁器組成物は、圧電d31定数、圧電g31定数、電気機械結合係数Kp、比誘電率ε33T/ε0、誘電損失tanδ、及びキュリー温度Tcのいずれか一つ以上の特性が一層向上しており、上記一般式で表される、上記添加元素を含有しない圧電磁器組成物に比べてもより一層優れたものとなる。
なお、上記圧電磁器組成物において、上記添加元素は、上記一般式で表される化合物に対して置換添加により含有されていてもよく、また、上記一般式で表される化合物に対して外添加により含有されていてもよい。
このように、本発明の圧電磁器組成物は、鉛を含有していないため環境に対して安全であり、また優れた圧電特性を有するため、高性能な圧電素子として利用することができる。
また、上記圧電磁器組成物は、上記圧電特性に加えて比誘電率及び誘電損失等の誘電特性にも優れている。そのため、高性能な誘電素子としても利用することができる。即ち、上記第1の発明における圧電磁器組成物は、圧電特性を有する圧電磁器組成物に限らず、誘電特性を有する誘電磁器組成物をも含む概念である。
第2の発明は,上記第1の発明の圧電磁器組成物を有することを特徴とする圧電素子にある(請求項8)。
上記第2の発明の圧電素子は,上記第1の発明(請求項1)の圧電磁器組成物を有している。そのため,上記圧電素子は,鉛を含有せず,環境に対して安全である。
また,上記圧電素子は,上記圧電磁器組成物が有する,圧電d31定数等の圧電特性が優れるという性質をそのまま利用することができる。そのため,上記圧電素子は,感度の高い圧電センサ素子,高い電気機械エネルギー変換効率を有する圧電振動子及びアクチュエータ素子等として利用することができる。
上記第1の発明において,上記一般式{Lix(K1-yNay1-xa(Nb1-z-wTazSbwb3で表される化合物は,x,y,z,wの範囲がそれぞれ0x≦0.2,0.05≦y≦0.75,0<z≦0.4,0<w≦0.2にある。
ここで,x>0.2,z>0.4,w>0.2,z=0,又はw=0の場合には,圧電d31定数などの圧電特性及び誘電特性が低下し,所望の特性の圧電磁器組成物を得ることができないおそれがある。
また,上記一般式{Lix(K1-yNay1-xa(Nb1-z-wTazSbwb3で表される化合物において,yの範囲は0.05≦y≦0.75であること好ましい。この場合には,上記圧電磁器組成物の圧電d31定数及び電気機械結合係数Kpを一層向上させることができる。さらに一層好ましくは,0.05≦y<0.75がよく,さらには0.35≦y≦0.65がよく,さらには0.35≦y<0.65がより好ましい。また,最も好ましくは,0.42≦y≦0.60がよい。
上記圧電磁器組成物は、上記のごとく、ペロブスカイト構造(ABO3)の化合物を主成分としている。本発明において、上記ペロブスカイト構造(ABO3)におけるAサイトの元素構成は、K、Na乃至はK、Na、Liに相当し、Bサイトの元素構成は、Nb、Ta、Sbに相当する。このペロブスカイト構造の組成式においては、Aサイトを構成する原子とBサイト構成する原子が1:1となる化学量論比のとき、完全なペロブスカイト構造となるが、上記圧電磁器組成物の場合には、特にK、Na、Li、Sbが焼成工程等で数%、具体的には3%程度揮発したり、また全構成元素が混合粉砕や造粒工程等にて数%、具体的には3%程度変動することがある。即ち、製法のバラツキにより、化学量論組成からの変動が起こる場合がある。
このような製造工程上の組成変動への対応として、意図的に配合組成比を変えることにより、焼成後の圧電磁器組成物の組成比を、±数%、より具体的には±3〜5%程度変動させることができる。このことは、例えば従来のチタン酸ジルコン酸塩(PZT)の場合でも同様であり、焼成時の鉛の蒸発や、粉砕メディアであるジルコニアボールからのジルコニアの混入を考慮して配合比を調整することができる。
本発明の圧電磁器組成物においては,上記のように意図的に配合組成比を変えても,圧電特性等の電気的特性は大きく変化しない。
したがって,本発明においては,上記一般式{Lix(K1-yNay1-xa(Nb1-z-wTazSbwb3で表される化合物は,これをペロブスカイト構造の組成式ABO3にあてはめたときに,Aサイト原子とBサイト原子の構成比を1:1に対してそれぞれ±5モル%程度までずれた構成比とすることができる。なお,構成される結晶中の格子欠陥をより少なくし,高い電気的特性を得るためには,好ましくは±3%程度までの組成がよい。
即ち,上記圧電磁器組成物の主成分としての上記一般式で表される化合物は,[Lix(K1-yNay1-xa(Nb1-z-wTazSbwb3(0x≦0.2,0.05≦y≦0.75,0<z≦0.4,0<w≦0.2,0.95≦a,b≦1.05)となる範囲を含むものである。また,上述のごとく,上記の式において,a及びbの範囲は0.97≦a,b≦1.03であることが好ましい。
また,上記一般式{Lix(K1-yNay1-xa(Nb1-z-wTazSbwb3におけるxの範囲は,0<x≦0.2であることが好ましい。
この場合には,Liが必須成分となるので,上記圧電磁器組成物は,その作製時の焼成を一層容易に行うことができると共に,圧電特性をより向上させ,キュリー温度Tcを一層高くすることができる。これはLiを上記の範囲内において必須成分とすることにより,焼成温度が低下すると共に,Liが焼成助剤の役割を果たし,空孔の少ない焼成を可能とするからである。
また、上記第1の発明において、上記圧電磁器組成物は、Agを添加元素として含有してなり、上記添加元素の含有量は、上記一般式で表される化合物1molに対して、0.001mol〜0.15molである。
上記含有量が0.001mol未満の場合、又は0.15molを超える場合には、上記圧電磁器組成物の圧電d31定数等が低下し、所望の圧電特性を有する圧電磁器組成物を得ることができないおそれがある。
なお、上記添加元素の含有量は、Agのモル数である。
また,上記添加元素は,上記一般式{Lix(K1-yNay1-xa(Nb1-z-wTazSbwb3で表される化合物のLi,K,Na,Nb,Ta,Sbの少なくとも一部を,Agに置換して配置する形態や,Ag又はこれを含む酸化物乃至はペロブスカイト構造化合物等の化合物の状態で上記圧電磁器組成物の粒内乃至は粒界中に存在する形態をとることができる。
特に、Ag、Pd、Au等の+1又は+2価になりうる金属元素については、上記一般式で表される化合物のLi、K、Naの少なくとも一部を置換して配置することができる。一方、Pd、Ru、Rh、Re、Os、Ir、Pt等の+3〜+6価になりうる金属元素については、上記一般式で表される化合物のNb、Ta、Sbの少なくとも一部を置換して配置することもできる。そして、このような置換固溶の形態をとることにより、圧電d31定数等の特性を更に一層向上させることができる。
次に,上記圧電磁器組成物の圧電d31定数は,上記一般式で表され,上記添加元素を含有していない圧電磁器組成物の圧電d31定数よりも大きいことが好ましい。
上記一般式で表され,上記添加元素を含有していない圧電磁器組成物(以下適宜基本圧電磁器組成物という)の圧電d31定数よりも大きい場合には,上記添加元素の効果を充分に得ることができ,圧電アクチュエータ,圧電フィルター,圧電振動子,圧電トランス,圧電超音波モータ,圧電ジャイロセンサ,ノックセンサ,ヨーレートセンサ,エアバッグセンサ,バックソナー,コーナーソナー,圧電ブザー,圧電スピーカー,圧電着火器等の圧電素子への適用がより容易になる。
上述の「上記一般式で表され、上記添加元素を含有していない圧電磁器組成物の圧電d31定数よりも大きい」とは、上記添加元素を含有する圧電磁器組成物の圧電d31定数が、この圧電磁器組成物の基本組成を有し上記添加元素を含有していない基本圧電磁器組成物に比べて、大きいことを意味するものであり、後述する電気機械結合係数Kp、圧電g31定数、比誘電率、誘電損失、キュリー温度Tcについても同様である。
次に,上記圧電磁器組成物の電気機械結合係数Kpは,上記一般式で表され,上記添加元素を含有していない圧電磁器組成物の電気機械結合係数Kpよりも大きいことが好ましい。
上記一般式で表され,上記添加元素を含有していない圧電磁器組成物(基本圧電磁器組成物)の電気機械結合係数Kpよりも大きい場合には,上記添加元素の効果を充分に得ることができ,圧電アクチュエータ,圧電フィルター,圧電振動子,圧電トランス,圧電超音波モータ,圧電ジャイロセンサ,ノックセンサ,ヨーレートセンサ,エアバッグセンサ,バックソナー,コーナーソナー,圧電ブザー,圧電スピーカー,圧電着火器等の圧電素子への適用がより容易になる。
次に,上記圧電磁器組成物の圧電g31定数は,上記一般式で表され,上記添加元素を含有していない圧電磁器組成物の圧電g31定数よりも大きいことが好ましい。
上記一般式で表され,上記添加元素を含有していない圧電磁器組成物(基本圧電磁器組成物)の圧電g31定数よりも大きい場合には,上記添加元素の効果を充分に得ることができ,圧電アクチュエータ,圧電フィルター,圧電振動子,圧電トランス,圧電超音波モータ,圧電ジャイロセンサ,ノックセンサ,ヨーレートセンサ,エアバッグセンサ,バックソナー,コーナーソナー,圧電ブザー,圧電スピーカー,圧電着火器等の圧電素子への適用がより容易になる。
次に,上記圧電磁器組成物の比誘電率は,上記一般式で表され,上記添加元素を含有していない圧電磁器組成物の比誘電率よりも大きいことが好ましい。
上記一般式で表され,上記添加元素を含有していない圧電磁器組成物(基本圧電磁器組成物)の比誘電率よりも大きい場合には,上記添加元素の効果を充分に得ることができ,コンデンサ等の誘電素子への適用がより容易になる。
次に,上記圧電磁器組成物の誘電損失は,上記一般式で表され,上記添加元素を含有していない圧電磁器組成物の誘電損失よりも小さいことが好ましい。
上記一般式で表され,上記添加元素を含有していない圧電磁器組成物(基本圧電磁器組成物)の誘電損失よりも小さい場合には,上記添加元素の効果を充分に得ることができ,コンデンサ等の誘電素子への適用がより容易になる。
次に,上記圧電磁器組成物のキュリー温度Tcは,上記一般式で表され,上記添加元素を含有していない圧電磁器組成物のキュリー温度Tcよりも大きいことが好ましい。
上記一般式で表され,上記添加元素を含有していない圧電磁器組成物(基本圧電磁器組成物)のキュリー温度よりも大きい場合には,上記添加元素の効果を充分に得ることができ,例えば自動車のエンジン付近等のように100℃を超える高温度の環境下における利用がより容易になる。
次に,上記圧電磁器組成物は,圧電d31定数が30pm/V以上であることが好ましい(請求項2)。
この場合には,30pm/V以上という高い圧電d31定数を生かして,上記圧電磁器組成物を,圧電アクチュエータ,圧電フィルター,圧電振動子,圧電トランス,圧電超音波モータ,圧電ジャイロセンサ,ノックセンサ,ヨーレートセンサ,エアバッグセンサ,バックソナー,コーナーソナー,圧電ブザー,圧電スピーカー,圧電着火器等として利用することができる。
上記圧電d31定数が30pm/V未満の場合には,実用に充分耐えうる特性の圧電素子として利用できないおそれがある。
また、より感度に優れた圧電センサ特性又はより大きな圧電アクチュエータ特性を得るために、上記圧電d31定数は40pm/V以上であることがより好ましい。更に好ましくは80pm/V以上がよい。さらに一層好ましくは、100pm/V以上がよい。
次に,上記圧電磁器組成物は,電気機械結合係数Kpが0.30以上であることが好ましい。
この場合には,0.30以上という高い電気機械結合係数Kpを生かして,上記圧電磁器組成物を機械エネルギーと電気エネルギーの変換効率に優れた圧電アクチュエータ,圧電フィルター,圧電振動子,圧電トランス,圧電超音波モータ,圧電ジャイロセンサ,ノックセンサ,ヨーレートセンサ,エアバッグセンサ,バックソナー,コーナーソナー,圧電ブザー,圧電スピーカー,圧電着火器等として利用することができる。
上記電気機械結合係数Kpが0.30未満の場合には、上記圧電磁器組成物を、上記機械エネルギーと電気エネルギーの優れた変換効率を必要とする圧電素子に利用することができなくなるおそれがある。
また、機械エネルギーと電気エネルギーの変換効率がより一層優れたものを得るためには、上記電気機械結合係数Kpは0.34以上であることがより好ましい。さらに好ましくは0.4以上がよい。さらに一層好ましくは、0.5以上がよい。
次に,上記圧電磁器組成物は,圧電g31定数が7×10-3Vm/N以上であることが好ましい(請求項3)。
この場合には,上記7×10-3Vm/N以上という高い圧電g31定数を活かして,上記圧電磁器組成物を昇圧比の優れた圧電トランス,超音波モータ素子,センサ素子等として利用することができる。
上記圧電g31定数が7×10-3Vm/N未満の場合には、上記圧電磁器組成物を優れた昇圧比を必要とする圧電素子に利用することができないおそれがある。
また、さらに昇圧比の優れたものを得るために、上記圧電g31定数は、8×10-3Vm/N以上であることがより好ましい。
次に,上記圧電磁器組成物は,比誘電率が400以上であることが好ましい。
この場合には,400以上という高い比誘電率を活かして,上記圧電磁器組成物を静電容量の大きなコンデンサなどの誘電素子として利用することができる。
上記比誘電率が400未満の場合には、静電容量が低下し、上記圧電磁器組成物をコンデンサ等の誘電素子等として利用することができないおそれがある。
また、上記比誘電率は、430以上であることが好ましい。さらに好ましくは、600以上がよい。
次に,上記圧電磁器組成物は,誘電損失が0.09以下であることが好ましい。
この場合には,0.09以下という低い誘電損失を生かして,上記圧電磁器組成物をコンデンサ等の誘電素子,圧電アクチュエータ,圧電フィルター,圧電振動子,圧電トランス,圧電超音波モータ,圧電ジャイロセンサ,ノックセンサ,ヨーレートセンサ,エアバッグセンサ,バックソナー,コーナーソナー,圧電ブザー,圧電スピーカー,圧電着火器等として利用することができる。
上記誘電損失が0.09を超える場合には、上記圧電磁器組成物を上記コンデンサ等の誘電素子、圧電トランス素子、超音波モータ素子等として利用することができないおそれがある。そのため、より好ましくは、上記誘電損失は0.035以下がよい。更に好ましくは、0.025以下がよい。
次に,上記圧電磁器組成物は,キュリー温度Tcが200℃以上であることが好ましい(請求項4)。
この場合には,200℃以上という高いキュリー温度Tcを活かして,上記圧電磁器組成物を,例えば自動車のエンジン付近等のように100℃を超える高温度の環境下にて利用することができる。
上記キュリー温度Tcが200℃未満の場合には,上記圧電磁器組成物を例えば自動車のエンジン付近のように高温の場所に用いると,その圧電d31定数や電気機械結合係数Kp等の特性が低下するおそれがある。そのため,より好ましくは,上記キュリー温度Tcは250℃以上であることがよい。
次に,上記圧電磁器組成物は,圧電d31定数が30pm/V以上で,かつキュリー温度Tcが200℃以上であることが好ましい(請求項5)。
この場合には,温度100℃を超える高温度環境下において,上記圧電磁器組成物を感度の高いセンサ素子,超音波モータ素子,アクチュエータ素子,圧電トランス素子,圧電振動子等として利用することができる。
また,より感度の優れた圧電センサ特性又はより大きな圧電アクチュエータ特性を得るために,上記圧電d31定数は40pm/V以上であることが好ましい。さらに好ましくは80pm/V以上がよい。さらに一層好ましくは,上記圧電d31定数は100pm/V以上がよい。
また,上記キュリー温度Tcは250℃以上であることがより好ましい。
次に,上記圧電磁器組成物は,圧電g31定数が7×10-3Vm/N以上で,かつキュリー温度Tcが200℃以上であることが好ましい(請求項6)。
この場合には,温度100℃を超える高温度環境下において,上記圧電磁器組成物を昇圧比の優れた圧電トランス,超音波モータ素子,センサ素子等として利用することができる。
また,さらに昇圧比の優れたものを得るために,上記圧電g31定数は8×10-3Vm/N以上であることがより好ましい。
また,上記キュリー温度Tcは250℃以上であることがより好ましい。
次に,上記圧電磁器組成物は,電気機械結合係数Kpが0.3以上で,かつキュリー温度Tcが200℃以上であることが好ましい。
この場合には,温度100℃を超える高温度環境下において,上記圧電磁器組成物を機械エネルギーと電気エネルギーの変換効率に優れた圧電アクチュエータ素子,圧電振動子,センサ素子,圧電トランス素子,超音波モータ素子等として利用することができる。
また,機械エネルギーと電気エネルギーの変換効率がより一層優れたものを得るためには,上記電気機械結合係数Kpは0.34以上であることがより好ましい。さらに好ましくは,0.4以上がよい。
また,上記キュリー温度Tcは250℃以上であることがより好ましい。
次に,上記圧電磁器組成物は,誘電損失が0.09以下で,かつキュリー温度Tcが200℃以上であることが好ましい。
この場合には,温度100℃を超える高温度環境下において,上記圧電磁器組成物をコンデンサ等の誘電素子,圧電トランス素子,超音波モータ素子,センサ素子等として利用することができる。
また,上記誘電損失は0.035以下であることがより好ましい。更に好ましくは,0.02以下がよい。
また,上記キュリー温度Tcは250℃以上であることがより好ましい。
次に,上記圧電磁器組成物は,圧電d31定数が30pm/V以上で,かつ電気機械結合係数Kpが0.3以上で,かつキュリー温度Tcが200℃以上であることが好ましい(請求項7)。
この場合には,上記圧電磁器組成物を,温度100℃を超える高温度環境下において使用することができ,感度及び機械エネルギーと電気エネルギーの変換効率に優れたものとすることができる。
また,より感度の優れた圧電センサ特性,又はより大きな圧電アクチュエータ特性を得るために,上記圧電d31定数は40pm/V以上であることがより好ましい。また,上記電気機械結合係数Kpは,0.34以上であることがより好ましい。
また,上記圧電磁器組成物は,例えば上記一般式{Lix(K1-yNay1-xa(Nb1-z-wTazSbwb3で表され,かつx,y,z,w,a,bがそれぞれ0x≦0.2,0.05≦y≦0.75,0<z≦0.4,0<w≦0.2,0.95≦a,b≦1.05の組成範囲にある化合物と,Agを含む添加物とを上記一般式で表される化合物1molに対するg元素量が0.001mol〜0.15molとなるように混合し,焼成することにより製造することができる。このとき,上記一般式で表される化合物に対して,上記のAgを置換添加させてもよく,また外添加させてもよい。また,上記焼成後に得られる上記圧電磁器組成物においては,上記添加物が添加された結果,上記一般式で表される化合物のLi,K,Na,Nb,Ta,Sbのいずれか1種以上の少なくとも一部を,Agが置換して含有されたり,Ag又はこれを含む酸化物乃至はペロブスカイト構造化合物として上記圧電磁器組成物中の粒内乃至は粒界に含有されたりする。なお,本明細書における「添加物を含有する」は,すべて上記の意味である。
また,上記圧電磁器組成物は,例えばLiを含有する化合物と,Naを含有する化合物と,Kを含有する化合物と,Nbを含有する化合物と,Taを含有する化合物と,Sbを含有する化合物とを,焼成後に一般式{Lix(K1-yNay1-xa(Nb1-z-wTazSbwb3で表され,かつx,y,z,w,a,bがそれぞれ0x≦0.2,0.05≦y≦0.75,0<z≦0.4,0<w≦0.2,0.95≦a,b≦1.05の組成範囲にある化合物となるような化学量論比にて,又は下記の添加物に含有されるAgによる置換を考慮した化学量論比にて混合し,さらに,Agを含む添加物を上記一般式で表される化合物1molに対する上記Ag元素量が0.001mol〜0.15molとなるように混合し,焼成することにより製造することができる。
このとき,Liを含有する化合物と,Naを含有する化合物と,Kを含有する化合物と,Nbを含有する化合物と,Taを含有する化合物と,Sbを含有する化合物と,上記添加物とを,該添加物に含有されるAgによる置換を考慮した化学量論比にて混合した場合には,上記一般式で表される化合物中のLi,Na,K,Nb,Ta,及びSbのいずれか1種以上の少なくとも一部を,上記添加物が含有するAgに積極的に置換させることができる。
上記の「添加物に含有されるAgによる置換を考慮した化学量論比にて混合」は,例えば上記一般式で表される化合物のLiに,上記添加物のAgを置換させる場合には,Liを含む化合物の量を減らし,その減らした分だけ上記添加物を添加して混合すると共に,全体としては,焼成後に一般式{Lix(K1-yNay1-xa(Nb1-z-wTazSbwb3で表される化合物が合成されるような化学量論比にて混合すること等により,実現することができる。上記一般式中の,K,Na,Nb,Ta,Sbという他の原子に置換させる場合にもこれらを含む化合物の量を減らし,その分だけ置換させたい金属元素を含む添加物を添加すること等により実現することができる。例えばAgを置換添加する場合は,{Lix(K1-yNay1-x-uAgua(Nb1-z-wTazSbwb3のようになる。
一方,焼成後に上記一般式{Lix(K1-yNay1-xa(Nb1-z-wTazSbwb3で表される化合物となるような化学量論比にて,Liを含有する化合物と,Naを含有する化合物と,Kを含有する化合物と,Nbを含有する化合物と,Taを含有する化合物と,Sbを含有する化合物とを混合し,ここに上記添加物をさらに混合し,これを焼成することにより,上記Ag又はこれを含む酸化物乃至はペロブスカイト構造化合物等として上記添加物を含有する圧電磁器組成物を積極的に作製することができる。
上記添加物としては,Ag又はこれを含む化合物等がある。
上記添加物を添加した結果,その添加物に含まれるAgは添加元素として,上記焼成後に一般式{Lix(K1-yNay1-xa(Nb1-z-wTazSbwb3で表される化合物のLi,K,Na,Nb,Ta,及びSbの少なくとも一部に置換して,圧電磁器組成物中に含有される場合がある。また,上記金属元素又は該金属元素を含む酸化物乃至はペロブスカイト構造化合物等の化合物として,上記圧電磁器組成物中の粒内乃至は粒界に含有される場合もある。
また,上記リチウムを含有する化合物としては,例えばLi2CO3,Li2O,LiNO3,LiOH等がある。また,上記ナトリウムを含有する化合物としては,Na2CO3,NaHCO3,NaNO3等がある。
また、上記カリウムを含有する化合物としては、K2CO3、KNO3、KNbO3、KTaO3等がある。また、上記ニオブを含有する化合物としては、例えばNb25、Nb23、NbO2等がある。また、上記タンタルを含有する化合物としては、Ta25等がある。また、上記アンチモンを含有する化合物としては、例えばSb25、Sb23、Sb24等がある。
次に,上記Liを含有する化合物としてはLi2CO3,上記Naを含有する化合物としてはNa2CO3,上記Kを含有する化合物としてはK2CO3,上記Nbを含有する化合物としてはNb25,上記Taを含有する化合物としてはTa25,上記Sbを含有する化合物としてはSb25又はSb23を用い,上記添加物としては,PdO2,Ag2O,Au,Au2O,Ru2O,RhO,Re25,OsO2,IrO2,及びPtO2から選ばれるいずれか一種以上を用いることが好ましい。
この場合には,上記圧電磁器組成物を容易に作製することができる。
次に,上記第2(請求項8)の発明において,上記圧電素子としては,例えば圧電アクチュエータ,圧電フィルター,圧電振動子,圧電トランス,圧電超音波モータ,圧電ジャイロセンサ,ノックセンサ,ヨーレートセンサ,エアバッグセンサ,バックソナー,コーナーソナー,圧電ブザー,圧電スピーカー,圧電着火器等がある。
次に,上記誘電素子としては,例えばコンデンサ,積層コンデンサ等がある。
(実施例1)
次に,本発明の実施例にかかる圧電磁器組成物について説明する。
本例では,上記圧電磁器組成物を製造し,その特性を測定する。
本例の圧電磁器組成物は,一般式{Lix(K1-yNay1-x}(Nb1-z-wTazSbw)O3で表され,かつx,y,z,wがそれぞれ0x≦0.2,0.05≦y≦0.75,0<z≦0.4,0<w≦0.2の組成範囲にある化合物を主成分とする圧電磁器組成物である。該圧電磁器組成物は,Pd,Ag,Au,Ru,Rh,Re,Os,Ir,Ptから選ばれるいずれか1種以上の金属元素を添加元素として含有してなる。そして,上記添加元素の含有量の合計は,上記一般式で表される化合物1molに対して,0.001mol〜0.15molである。
本例の圧電磁器組成物の製造方法は、Liを含有する化合物と、Naを含有する化合物と、Kを含有する化合物と、Nbを含有する化合物と、Taを含有する化合物と、Sbを含有する化合物とを、焼成後に一般式{Lix(K1-yNay1-x}(Nb1-z-wTazSbw)O3で表され、かつx、y、z、wがそれぞれ0≦x≦0.2、0≦y≦1、0<z≦0.4、0<w≦0.2の組成範囲にある化合物となるような化学量論比にて混合し、さらにPd、Ag、Au、Ru、Rh、Re、Os、Ir、Ptから選ばれるいずれか1種以上の金属元素を含む添加物を混合し、焼成する。
以下、本例の圧電磁器組成物の製造方法につき、詳細に説明する。
まず、圧電磁器組成物の基本組成の原料として、純度99%以上の高純度のLi2CO3、Na2CO3、K2CO3、Nb25、Ta25、Sb25、及び上記添加物としてのPdO2、Ag2O、Au、RuO2、Re27、IrO2、PtO2を準備した。
これらの原料のうち、Li2CO3、Na2CO3、K2CO3、Nb25、Ta25、Sb25を、上記一般式{Lix(K1-yNay1-x}(Nb1-z-wTazSbw)O3において、x、y、z、wがそれぞれx=0.04、y=0.5、z=0.1、w=0.04となるような化学量論比、即ち上記一般式が{Li0.04(K0.5Na0.50.96}(Nb0.86Ta0.1Sb0.04)O3となるような化学量論比にて配合し、さらに上記添加物としてのPdO2、Ag2O、Au、RuO2、Re27、IrO2、又はPtO2をそれぞれ配合して、7種類の配合物を得た。
上記添加物の配合量については、上記化学量論比にて配合して得られると予想される化合物{Li0.04(K0.5Na0.50.96}(Nb0.86Ta0.1Sb0.04)O31molに対して、上記添加物としてのPdO2、Ag2O、Au、RuO2、Re27、IrO2又はPtO2をそれぞれ0.01mol、0.005mol、0.01mol、0.01mol、0.005mol、0.01mol、0.01mol配合した。即ち、各添加物中に含まれる金属元素が0.01mol配合されるようにした。
そして、上記の各配合物をそれぞれボールミルによりアセトン中で24時間混合して混合物を作製した。
次に、各混合物をそれぞれ750℃にて5時間仮焼し、続いてこの仮焼後の各混合物をそれぞれボールミルにて24時間粉砕した。続いて、バインダーとしてポリビニールブチラールを添加し、造粒した。
造粒後の各粉体を圧力2ton/cm2にて、直径13mm、厚さ2mmの円盤状に加圧成形し、得られる成形体を温度1000〜1300℃にて1時間焼成し、焼成体を作製した。なお、このときの具体的な焼成温度は、上記の1000℃〜1300℃という温度範囲のうち、1時間の焼成によって最大密度の焼成体が得られる温度を選定した。そしてこのとき、上記焼成体は、すべて相対密度98%以上に緻密化されていた。
次に、各焼成体の両面を平行研磨し、円形研磨した後、この円盤試料の両面にスパッタ法により金電極を設けた。そして、100℃のシリコーンオイル中にて1〜5kV/mmの直流電圧を10分間電極間に印加し、厚み方向に分極を施して圧電磁器組成物とした。
このようにして、7種類の圧電磁器組成物(試料E1〜E7)を作製した。各試料における原料及び添加物の配合比を表1に示す。表1における各試料は、上記添加物中の各金属元素を外添加する方法で作製されたものである。
なお、本例の製造方法と異なる方法として、上記{Li0.04(K0.5Na0.50.96}(Nb0.86Ta0.1Sb0.04)O3で表される化合物を焼成により作製し、これを粉砕して上記添加物と混合し、その後本例の製造方法と同様に、仮焼、造粒、成形、焼成を行っても、上記試料E1〜E7と同様の圧電磁器組成物を作製することができる。
また、本例の試料E1〜E7において、上記添加物としてのPdO2、Ag2O、Au、RuO2、Re27、IrO2又はPtO2は、一部がそのままの形、乃至は基本組成構成元素であるLi、Na、K、Nb、Ta、及びSbのいずれか1種以上とペロブスカイト構造化合物等の化合物を形成しその形態で、各圧電磁器組成物の粒内乃至は粒界に含まれ、また一部は、上記{Li0.04(K0.5Na0.50.96}(Nb0.86Ta0.1Sb0.04)O3で表される化合物のLi、K、Na、Nb、Ta、Sbの少なくとも一部に、各添加物中のPd、Ag、Au、Ru、Re、Ir、又はPt原子を置換した状態で含まれていると考えられる。特に、Ag、Pd、Au等の+1又は+2価となりうる金属元素は、上記化合物のLi、K、Naの少なくとも一部に置換され易い。また、Pd、Ru、Rh、Re、Os、Ir、Pt等の+3〜+6価となりうる金属元素は、上記化合物のNb、Ta、Sbの少なくとも一部に置換され易い。
次に、本例では、上記圧電磁器組成物の優れた特性を明らかにするため、以下のようにして比較品(試料C1及び試料C2)を作製した。
まず、比較品の原料として、純度99%以上の高純度のLi2CO3、Na2CO3、K2CO3、Nb25、Ta25、及びSb25を準備した。
これらの原料うちK2CO3、Na2CO3、及びNb25を、上記一般式{Lix(K1-yNay1-x}(Nb1-z-wTazSbw)O3において、x=z=w=0及びy=0.5とな
るような化学量論比、即ち上記一般式が(K0.5Na0.5)NbO3となるような化学量論比にて、配合し、ボールミルによりアセトン中で24時間混合して混合物を得た。
この混合物を上記試料E1〜E7と同様にして、仮焼、造粒、成形、焼成し、分極を施して、比較品としての圧電磁器組成物(試料C1)を作製した。
試料C1は、(K0.5Na0.5)NbO3を含有してなる圧電磁器組成物である。
次に、以下のようにして試料C2を作製する。
まず、上記にて準備した原料のLi2CO3、Na2CO3、K2CO3、Nb25、Ta25、及びSb25を、焼成後に上記一般式{Lix(K1-yNay1-x}(Nb1-z-wTazSbw)O3において、x=0.04、y=0.5、z=0.1、及びw=0.04となるような化学量論比、即ち上記一般式が{Li0.04(K0.5Na0.50.96}(Nb0.86Ta0.1Sb0.04)O3で表される化合物となるような化学量論比にて、混合し、ボールミルによりアセトン中で24時間混合して混合物を得た。
この混合物を上記試料E1〜E7と同様にして、仮焼、造粒、成形、焼成し、分極を施して、比較品としての圧電磁器組成物(試料C2)を作製した。
試料C2は、上記試料E1〜E7と同様に化合物{Li0.04(K0.5Na0.50.96}(Nb0.86Ta0.1Sb0.04)O3を主成分として含有するが、その一方で上記添加元素を含有してない圧電磁器組成物である。
上記試料C1及び試料C2の組成比を表1に示す。
Figure 0005022926
次に、上記試料E1〜E7、試料C1及び試料C2について、圧電d31定数、電気機械結合係数Kp、圧電g31定数、比誘電率ε33T/ε0、誘電損失tanδ、及びキュリー温度Tcをそれぞれ測定した。
上記圧電d31定数、圧電g31定数及び電気機械結合係数Kpは、インピーダンスアナライザー(Agilent社製のプレシジョンインピ−ダンスアナライザ4294A)を用いて共振−反共振法により測定した。
また、上記誘電損失tanδ及び比誘電率ε33T/ε0は、上記と同様のインピーダンスアナライザーを用いて、測定周波数1kHzにて測定した。
また、キュリー温度Tcは、比誘電率ε33T/ε0が最も高いときの温度をもってキュリー温度Tcとした。
その結果を表2に示す。
Figure 0005022926
表2より知られるごとく、上記試料E1〜試料E7は、その圧電d31定数、電気機械結合係数Kp、比誘電率ε33T/ε0、及び誘電損失tanδにおいて、上記した従来の圧電磁器組成物である試料C1よりも優れた特性を有していた。
また、上記試料E1〜試料E7は、試料C2に比較しても、圧電d31定数、電気機械結合係数Kp、圧電g31定数、比誘電率ε33T/ε0、誘電損失tanδ、キュリー温度Tcにおいて、同程度以上の優れた特性を有していた。
特に、圧電d31定数、電気解決合計数Kp、及び比誘電率ε33T/ε0については、試料E1〜E7のほとんどが試料C1及び試料C2よりも優れており、また誘電損失tanδについては、試料E1〜E7のすべてが試料C1及び試料C2よりも優れていた。
ここで、圧電d31定数に注目すると、表2より知られるごとく、試料E2の圧電d31定数が、122.4pm/Vというもっとも高い値を示した。
電荷検出型回路或いは電流検出型回路を用いた場合には、一般に上記圧電d31定数は、
加速度センサ、加重センサ、衝撃センサ及びノックセンサ等の圧電型センサの出力電圧に比例する。その点からみると、圧電d31定数が高い圧電磁器組成物ほど電荷センサ出力の大きなセンサ素子を作ることができる。そして、比較品としての試料C1と同等以上の特性を有するセンサ素子を作製するには、少なくとも30pm/V以上の圧電d31定数を有することが好ましいといえる。さらに信号雑音比(SN比)及び出力電圧を高めて高感度なセンサ素子を作製するためには、上記圧電d31定数は80pm/V以上のものがよい。さらに好ましくは100pm/V以上のものがよい。
また、アクチュエータとして使用する場合には、一般に上記圧電d31定数は圧電アクチュエータの発生歪或いは変位量に比例する。その点からみると、圧電d31定数が高い圧電磁器組成物ほど発生歪或いは変位量の大きなアクチュエータ素子を作ることができる。そして比較品と同等以上の特性を有するアクチュエータ素子を作製するには、少なくとも30pm/V以上の圧電d31定数を有することが好ましいといえる。より好ましくは40pm/V以上がよい。さらに変位量の大きなアクチュエータを作製するためには、上記圧電d31定数は80pm/V以上のものがよい。さらに好ましくは100pm/V以上のものがよい。
また、電気機械結合係数Kpに注目すると、表2より知られるごとく、試料E2の電気機械結合係数Kpが、0.531というもっとも高い値を示した。
一般に、上記電気機械結合係数Kpは、圧電トランス素子、超音波モータ素子、アクチュエータ素子、又は超音波振動子等の電気機械エネルギー変換効率に比例する。その点からみると、電気機械結合係数Kpが高い圧電磁器組成物ほど電気機械エネルギー変換効率の高い圧電トランス素子、超音波モータ素子、アクチュエータ素子、又は超音波振動子を作ることができる。そして、比較品である試料C1と同等以上の特性を有する圧電トランス素子、超音波モータ素子、アクチュエータ素子、又は超音波振動子を作製するには、少なくとも0.3以上の電気機械結合係数Kpを有することが好ましいといえる。より好ましくは0.34以上がよい。さらに好ましくは、0.4以上がよい。また、さらに一層好ましくは0.5以上がよい。
また、キュリー温度Tcに注目すると、上記試料E1〜E7のキュリー温度Tcは、すべて200℃以上という高い値をとっている。そのため、本例の圧電磁器組成物(試料E1〜E7)は、例えば自動車のエンジン付近等の高温度部においても長時間安定に使用することができるノックセンサ等の高温用のセンサ部品、アクチュエータ部品、超音波モータ部品等として利用することができる。
また、上記高温用のセンサ部品、アクチュエータ部品、超音波モータ部品等としてさらに長時間安定に使用するためには、上記キュリー温度Tcは、200℃以上であることが好ましい。さらに好ましくは、250℃以上のものがよい。
また、圧電g31定数に注目すると、表2より知られるごとく、試料E7の圧電g31定数
は、8.94×10-3Vm/Nというもっとも高い値を示した。
圧電g31定数は、上記圧電d31定数と同様に、圧電型センサ、圧電トランス素子、超音
波モータ素子等の出力電圧に比例する。そのため、圧電g31定数が高い圧電磁器組成物ほ
ど電圧センサ出力の大きなセンサを作ることができる。そして、比較品と同等以上の特性を有するセンサを作製するには、少なくとも7×10-3Vm/N以上の圧電g31定数を有することが好ましいといえる。さらに好ましくは、8×10-3Vm/N以上のものがよい。
また、比誘電率ε33T/ε0に注目すると、試料E1〜E7の比誘電率ε33T/ε0は、1300以上という非常に高い値をとっている。
上記比誘電率ε33T/ε0は、一般に積層コンデンサ部品等のコンデンサの静電容量に比例する。その点からみると、上記比誘電率が高い圧電磁器組成物ほど静電容量の大きなコンデンサを作ることができる。コンデンサを作製するためには、少なくとも400以上の比誘電率を有することが好ましいといえる。また、より好ましくは、430以上のものがよい。さらに好ましくは、600以上のものがよい。
また、誘電損失tanδに注目すると、試料E1〜E7の誘電損失tanδは、0.023以下という非常に低い値をとっている。
上記誘電損失は、コンデンサ部品等のコンデンサ、圧電超音波モータ、圧電アクチュエータ、圧電トランス等の部品に交流電圧を印加した際に、該部品が損失する熱エネルギーに比例する。その点からみると、上記誘電損失が小さい圧電磁器組成物ほどエネルギー損失の少ないコンデンサ及び発熱の少ない圧電超音波モータ、圧電アクチュエータ、圧電トランスを作製することができる。そして、エネルギー損失の少ない上記部品を作製するためには、0.09以下の誘電損失を有することが好ましい。より好ましくは、0.035以下のものがよい。さらに好ましくは0.025以下がよい。
以上のごとく、本例の圧電磁器組成物(試料E1〜試料E7)は、組成中に鉛を含有せず、上記のように優れた圧電特性及び誘電特性を有している。そのため、環境に対して安全で、かつ高性能な圧電素子及び誘電素子に利用することができる。
(実施例2)
本例は、上記添加物の含有量の臨界域を決定するために、上記一般式{Lix(K1-yNay1-x}(Nb1-z-wTazSbw)O3で表される化合物に、上記添加物としてのAg2Oを、その量を変化させて含有させた例である。
まず、圧電磁器組成物の原料として、純度99%以上の高純度のLi2CO3、Na2CO3、K2CO3、Nb25、Ta25、Sb25、及び上記添加物としてのAg2Oを準備
した。
これらの原料のうち、Li2CO3、Na2CO3、K2CO3、Nb25、Ta25、Sb
25を焼成後に上記一般式{Lix(K1-yNay1-x}(Nb1-z-wTazSbw)O3にお
いて、x、y、z、wがそれぞれx=0.04、y=0.5、z=0.1、w=0.06となるような化学量論比にて配合し、さらに上記添加物としてのAg2Oを、その添加量
を変えて配合し16種類の配合物を得た。
Ag2Oの配合量については、上記化学量論比にて配合して焼成後に得られると予想される化合物{Li0.04(K0.5Na0.50.96}(Nb0.84Ta0.1Sb0.06)O31molに対して、上記添加物としてのAg2Oを0.0005mol〜0.25mol配合した。即ち、Agが0.001〜0.5mol配合されるようにした。
そして、上記の各配合物をそれぞれボールミルによりアセトン中で24時間混合して混合物を作製した。
次に、実施例1の試料E1〜試料E7と同様にして、各混合物を仮焼、造粒、成形、焼成し、分極を施して、16種類の圧電磁器組成物を作製し、これらを試料X1〜試料X16とした。各試料における原料及び添加物の配合比を表3に示す。
ここで得られた試料X1〜X16において、上記添加物としてのAg2Oは、一部がそのままの形、乃至は基本組成の構成元素であるLi、Na、K、Nb、Ta、及びSbのいずれか一種以上とペロブスカイト構造化合物等の化合物を形成し、その形態で各圧電磁器組成物の粒内乃至は粒界に含まれ、また一部は、上記{Li0.04(K0.5Na0.50.96}(Nb0.84Ta0.1Sb0.06)O3で表される化合物のLi、K、Naの少なくとも一部に、Ag2O中のAgを置換した状態で含まれていると考えられる。特に、Ag2Oの添加量が、上記{Li0.04(K0.5Na0.50.96}(Nb0.84Ta0.1Sb0.06)O3で表される化合物1molに対して、0.1molを超えるとき、即ち金属元素Agの含有量が0.2molを超えるとき、上記添加物としてのAg2Oは、圧電磁器組成物の粒界にAg又は/及びAg2O乃至はAgを含む化合物の形態で析出し易くなる。
本例では、Agを添加したときの効果を明らかにする目的で、{Li0.04(K0.5Na0.50.96}(Nb0.84Ta0.1Sb0.06)O3で表される化合物中のK及びNaに対してAgが置換添加される添加方法で各試料を作製した。即ち、例えば試料X8においては、その組成が{Li0.04(K0.5Na0.50.86Ag1.0}(Nb0.84Ta0.1Sb0.06)O3となるようにした。
また、本例では、Ag2Oの配合による効果を明らかにするため、上記添加物としてのAg2Oを含有しない試料を準備した。
具体的には、まず純度99%以上の高純度のLi2CO3、Na2CO3、K2CO3、Nb25、Ta25、及びSb25を準備し、これらの原料を、焼成後にLi0.04(K0.5Na0.50.96}(Nb0.84Ta0.1Sb0.06)O3で表される化合物となるような化学量論比にて、混合し、ボールミルによりアセトン中で24時間混合して混合物を得た。続いて、この混合物を実施例1の試料E1〜試料E7と同様にして、仮焼、造粒、成形、焼成し、分極を施して、圧電磁器組成物(試料Y1)を得た。試料Y1の組成比を表3に示す。
Figure 0005022926
次に、上記試料X1〜X16及び試料Y1について、圧電d31定数、電気機械結合係数Kp、圧電g31定数、比誘電率ε33T/ε0、誘電損失tanδ、及びキュリー温度Tcを、実施例1と同様にしてそれぞれ測定した。その結果を表4に示す。なお、表4には、比較のため、上記実施例1にて作製した試料C1の結果も併記した。
Figure 0005022926
表4より知られるごとく、試料X1〜X9は、いずれも、試料Y1及び試料C1よりも高い圧電d31定数、比誘電率ε33T/ε0を有していた。また、誘電損失tanδも試料Y1及び試料C1よりも小さく、優れていた。
すなわち、表3及び表4より知られるごとく、添加物としてのAg2Oの添加量が、上記一般式で表される化合物1molに対して、添加元素Agの含有量で、0.001mol〜0.15molであるとき、上記圧電磁器組成物は、圧電d31定数、比誘電率ε33T/ε0、誘電損失tanδに特に優れることがわかる。
また、表4により知られるごとく、上記試料X1〜X9は、その電気機械結合係数Kp、圧電g31定数、及びキュリー温度Tcにおいても、試料Y1と同程度の優れた特性を示した。
一方、試料X10〜X16、即ち、上記添加物としてのAg2Oの添加量が、添加元素Agの含有量で、0.15molを超える場合には、圧電d31定数をはじめ、電気機械結合係数Kp、圧電g31定数、比誘電率ε33T/ε0、誘電損失tanδ、及びキュリー温度Tcのすべての特性において、試料Y1よりも低い値を示した。
このように、本例によれば、上記添加元素の含有量は、0.001mol〜0.15molのとき、最も顕著に圧電磁器組成物の特性を向上させることがわかる。なお、表中には示していないが、他の金属元素についても本例と同様の結果が得られた。
また、本例においては、具体的には明示していないが、上記添加元素による特性の向上は、置換添加であっても外添加であっても良いことを確認している。また、本例において用いた圧電磁器組成物の主成分は選択可能な組成物の一組成に過ぎず、他の組成でも同様に、特性が向上することを確認している。

Claims (8)

  1. 一般式{Lix(K1-yNay1-xa(Nb1-z-wTazSbwb3で表され,かつx,y,z,w,a,bがそれぞれ0<x≦0.2,0.05≦y≦0.75,0<z≦0.4,0<w≦0.2,0.95≦a,b≦1.05の組成範囲にある化合物を主成分とする圧電磁器組成物であって,
    該圧電磁器組成物は,Agを添加元素として含有してなり,
    上記添加元素の含有量は,上記一般式で表される化合物1molに対して,0.001mol〜0.15molであることを特徴とする圧電磁器組成物。
  2. 請求項1において,上記圧電磁器組成物は,圧電d31定数が30pm/V以上であることを特徴とする圧電磁器組成物。
  3. 請求項1又は2において,上記圧電磁器組成物は,圧電g31定数が7×10-3Vm/N以上であることを特徴とする圧電磁器組成物。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項において,上記圧電磁器組成物は,キュリー温度Tcが200℃以上であることを特徴とする圧電磁器組成物。
  5. 請求項1において,上記圧電磁器組成物は,圧電d31定数が30pm/V以上で,かつキュリー温度Tcが200℃以上であることを特徴とする圧電磁器組成物。
  6. 請求項1において,上記圧電磁器組成物は,圧電g31定数が7×10-3Vm/Nで,かつキュリー温度Tcが200℃以上であることを特徴とする圧電磁器組成物。
  7. 請求項1において,上記圧電磁器組成物は,圧電d31定数が30pm/V以上で,かつ電気機械結合係数Kpが0.3以上で,かつキュリー温度Tcが200℃以上であることを特徴とする圧電磁器組成物。
  8. 請求項1〜7のいずれか一項に記載の圧電磁器組成物を有することを特徴とする圧電素子。
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