JP5022468B2 - 場内拡声装置 - Google Patents
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Description
<スピーカ・マイクロホン一体型通話装置43>
ここで、参考文献1記載のスピーカ・マイクロホン一体型通話装置43は、常設の必要がなく、手軽に持ち運ぶことができる遠隔通信用の装置として知られている。
[参考文献1]中川、羽田、山森、“全指向性を持つスピーカ・マイクロホン一体型通話装置構成法”、NTT R&D、2001、Vol.50、No.4、pp.240-245
図5及び図6を用いて実施例1に係る場内拡声装置100−pを説明する。場内拡声装置100−pは、遠隔地にある他地点と自地点の間での通信会議等に用いられる。特に、自地点の場内が広く、一つのスピーカでは他地点及び自地点の話者の発話を参加者全員に対して伝えることができない場合、及び、一つのマイクロホンでは自地点の話者全員の発話を収音できない場合に有効である。但し、Pは場内に設置される場内拡声装置の個数であり、p=1,2,…,Pである。場内拡声装置100−pは、自地点の場内において、縦続接続(カスケード接続)される。
マイクロホン3−pを用いて収音し、スピーカ4−pを用いて拡声する。マイクロホン3−pとスピーカ4−pは一体型であってもよいし、別個でもよい。また、図6において、スピーカ・マイクロホン一体型装置は1つのマイクロホンと1つのスピーカにより構成しているが、参考文献1記載のスピーカ・マイクロホン一体型装置43と同様の構成としてもよいし(つまり、4つの指向性マイクロホン、ミキサー及び1つの無指向性スピーカで構成してもよいし)、他の従来技術により構成してもよい。
下り入力端子111−pは、他地点からの受話信号x(n)を少なくとも含む下り信号x−(p−1)(n)を入力するための端子である。例えば、縦続接続において最もネットワーク70に近い場内拡声装置100−1は受話信号x(n)を入力とする。それ以外の場内拡声装置100−pは縦続接続において自装置よりも1つネットワーク70に近い他の場内拡声装置の後述する下り出力端子の出力である下り信号x−(p−1)(n)を入力とする。
上り入力端子121−pは、自地点の他装置からの上り信号r−(p+1)(n)を入力するための端子である。例えば、場内拡声装置100−pは縦続接続において自装置よりも1つネットワーク70から遠い他の場内拡声装置の上り出力端子の出力である上り信号r−(p+1)(n)を入力とする。
第1加算器102−pは、下り入力端子111−pを介して入力される下り信号x−(p−1)(n)と、上り入力端子121−pに入力された自地点の他装置からの上り信号r−(p+1)(n)とを入力とし、これを加算してスピーカ4−pへ供給する。
エコーキャンセラ21−pは、第1加算器102−pの出力信号と自装置のマイクロホンで収音した収音信号z−p(n)が入力され、収音信号z−p(n)に含まれるエコー成分を抑圧し、誤差信号e−p(n)を出力する。エコーキャンセラ21−pは、特許文献1と同様の構成であってもよいし、他の従来技術であってもよい。
ハウリングキャンセラ48−pは、エコーキャンセラ21−pの入力側(図6中、破線で示す)または出力側に直列に挿入される。ハウリングキャンセラ48−pは、ハウリングを生じやすい特定の周波数帯域だけを非常に低いレベルに減衰させるノッチフィルタや、ある周波数成分を他の周波数成分に変調する周波数変調器や、自動イコライゼーション装置等により構成される。
第2加算器104−pは、収音信号と、下り信号x−(p−1)(n)とを入力とし、これを加算して、自装置下り信号x−p(n)を求め、下り出力端子112−pに出力する。
下り出力端子112−pは、下り入力端子111−pから入力された下り信号x−(p−1)(n)と収音信号とを加えた自装置下り信号x−p(n)(つまり、第2加算器104−pの出力信号)を自地点の他装置に向けて出力するための端子である。例えば、場内拡声装置100−pは縦続接続において自装置よりも1つネットワーク70から遠い他の場内拡声装置へ自装置下り信号x−p(n)を出力する。
第3加算器106−pは、収音信号と上り信号r−(p+1)(n)とを入力とし、これを加算して、自装置上り信号r−p(n)を求め、上り出力端子122−pに出力する。
上り出力端子122−pは、上り入力端子121−pから入力された上り信号r−(p+1)(n)と収音信号とを加えた自装置上り信号r−p(n)(つまり、第3加算器106−pの出力信号)を他地点側に向けて出力するための端子である。例えば、場内拡声装置100−pは縦続接続において自装置よりも1つネットワーク70に近い他の場内拡声装置へ自装置下り信号r−p(n)を出力する。但し、縦続接続において最もネットワーク70に近い場内拡声装置100−1は、上り出力端子から自装置上り信号r−1(n)を送話信号として、送話端1に出力する。
このような構成とすることによって、各場内拡声装置100−pの収音信号は、それぞれ第3加算器106−pで集約されて、最もネットワークに近い場内拡声装置100−1から送話信号r−1(n)として、ネットワーク70を介して相手側(他地点)に送出される。また、下り信号には、少なくとも受話信号が含まれるため、各場内拡声装置100−pのスピーカで他地点の参加者の発話が再生される。
それぞれの場内拡声装置100−pのマイクロホン3−pで収音した収音信号を、自装置100−p以外の場内拡声装置のスピーカから再生することにより自分側(自地点)の同一室内の各エリアで拡声する。なお、自装置100−pのマイクロホン3−pで収音した音声を自装置のスピーカ4−pでは拡声しない。これは、同じ場内拡声装置100−p内に具備されたスピーカ4−pとマイクロホン3−pは、その距離が近くハウリングを発生させる帰還(フィードバック)量が多いからである。さらに、収音する場内拡声装置100−pの周辺にいる参加者は話者と近いため、話者の発話(音声)が十分に届くからである。例えば、特許文献1では、マイクロホン(例えば3−1)で収音された発話は、話者の近傍に設置されるスピーカ(例えば4−1)からも再生されるため、話者には自分の発話が聞こえ、話しづらいという問題がある(図2参照)。また、話者近傍にいる参加者は、話者とスピーカのどちらからも発話が聞こえ、聞き取りづらいという問題がある。仮に特許文献1において、話者の近傍に設置されるスピーカからは再生しないように制御すると、その構成が複雑になると考えられる。一方、本実施例では、自地点の他装置で収音した発話は再生するが、自装置で収音した発話は再生しないので、話者は自分の発話を気にせずに話すことができ、話者近傍の参加者は話者の発話を聞き取りやすくなるという効果を奏する。
遠隔通信時に同時に場内拡声を行う場合、特許文献1では、システムが大規模になり、音響機器などを常設できる専用の会議室も必要であった。また、参考文献1では自地点の発話を同一室内に場内拡声することはできなかった。
また、図7に示すように、場内拡声装置100’−pは、必ずしも上述の上り入力端子121−p、上り出力端子122−p及び第1加算器102−pを有さなくともよい。下り入力端子111−pは実施例1と同様に、他地点からの受話信号x(n)を少なくとも含む下り信号x−(p−1)を入力するための端子である。スピーカ4−pは、下り入力端子111−pから入力された(少なくとも受話信号x(n)を含む)下り信号x−(p−1)であって、自装置のマイクロホンで収音した収音信号が加えられていない信号を、再生する。このとき、第1加算器102−pを用いず、上り入力端子61−pから入力される上り信号r−(p+1)が再生されない点が、実施例1とは異なる。そして、下り出力端子112−pは実施例1と同様に下り入力端子111−pから入力された下り信号x−(p−1)(n)と収音信号とを(第2加算器104−pにおいて)加えた自装置下り信号x−p(n)を自地点の他装置に向けて出力するための端子である。上り出力端子62−pは、上り入力端子61−pから入力された上り信号r−(p+1)(n)と収音信号とを(第3加算器106−pにおいて)加えた自装置上り信号r−p(n)を他地点側に向けて出力する。
また、図8に示すように、場内拡声装置100”−pは、必ずしも上述の下り入力端子111−p、下り出力端子112−p及び第2加算器104−pを有さなくともよい。この場合、下り入力端子51−pには(他の場内拡声装置の収音信号を含まない)受話信号x(n)のみが入力され、下り出力端子52−pからそのまま受話信号x(n)を出力する。スピーカ4−pは、上り入力端子121−pから入力された上り信号r−(p+1)に受話信号x(n)を加えた信号であって、自装置のマイクロホンで収音した収音信号が加えられていない信号を、再生する。上り出力端子122−pは、実施例1と同様に、上り入力端子121−pから入力された上り信号r−(p+1)と収音信号とを(第3加算器106−pにおいて)加えた自装置上り信号r−p(n)を他地点側に向けて出力する。
なお、場内拡声装置100−pは、必ずしもエコーキャンセラ21−p及びハウリングキャンセラ48−pを備えなくともよい。その場合にも、遠隔通信と場内拡声を手軽に実現することができる。また、自地点にある場内拡声装置のマイクロホンで収音した音声を同じ場内拡声装置のスピーカでは拡声せず、自地点にある他の場内拡声装置のスピーカのみで拡声することにより、ハウリングを避けることができる。
1 送話端
2 受話端
3−p マイクロホン
4−p スピーカ
21−p エコーキャンセラ
48−p ハウリングキャンセラ
70 ネットワーク
102−p 第1加算器
104−p 第2加算器
106−p 第3加算器
111−p 下り入力端子
112−p 下り出力端子
121−p 上り入力端子
122−p 上り出力端子
Claims (3)
- 自地点において複数台が縦続接続される場内拡声装置であって、
他地点からの受話信号を少なくとも含む下り信号を入力するための下り入力端子と、
自地点の他装置からの上り信号を入力するための上り入力端子と、
前記下り入力端子から入力された下り信号と前記上り入力端子から入力された上り信号とを加えた信号であって、自装置のマイクロホンで収音した収音信号が加えられていない信号を再生するスピーカと、
前記下り入力端子から入力された下り信号と前記上り入力端子から入力された上り信号とを加えた前記信号を用いて、自装置のマイクロホンで収音した収音信号に含まれるエコー成分を抑圧するエコーキャンセラと、
(1)線形フィルタで構成され、前記エコーキャンセラの入力側に挿入される、または、(2)線形フィルタで構成されず、前記エコーキャンセラの出力側に挿入されるハウリングキャンセラと、
前記下り入力端子から入力された下り信号と前記収音信号とを加えた自装置下り信号を自地点の他装置に向けて出力するための下り出力端子と、
前記上り入力端子から入力された上り信号と前記収音信号とを加えた自装置上り信号を他地点側に向けて出力するための上り出力端子と、
を有する場内拡声装置。 - 自地点において複数台が縦続接続される場内拡声装置であって、
他地点からの受話信号を少なくとも含む下り信号を入力するための下り入力端子と、
前記下り入力端子から入力された下り信号であって、自装置のマイクロホンで収音した収音信号が加えられていない信号を再生するスピーカと、
前記下り入力端子から入力された下り信号と前記上り入力端子から入力された上り信号とを加えた前記信号を用いて、自装置のマイクロホンで収音した収音信号に含まれるエコー成分を抑圧するエコーキャンセラと、
(1)線形フィルタで構成され、前記エコーキャンセラの入力側に挿入される、または、(2)線形フィルタで構成されず、前記エコーキャンセラの出力側に挿入されるハウリングキャンセラと、
前記下り入力端子から入力された下り信号と前記収音信号とを加えた自装置下り信号を自地点の他装置に向けて出力するための下り出力端子と、
を有する場内拡声装置。 - 自地点において複数台が縦続接続される場内拡声装置であって、
自地点の他装置からの上り信号を入力するための上り入力端子と、
前記上り入力端子から入力された上り信号であって、自装置のマイクロホンで収音した収音信号が加えられていない信号を再生するスピーカと、
前記下り入力端子から入力された下り信号と前記上り入力端子から入力された上り信号とを加えた前記信号を用いて、自装置のマイクロホンで収音した収音信号に含まれるエコー成分を抑圧するエコーキャンセラと、
(1)線形フィルタで構成され、前記エコーキャンセラの入力側に挿入される、または、(2)線形フィルタで構成されず、前記エコーキャンセラの出力側に挿入されるハウリングキャンセラと、
前記上り入力端子から入力された上り信号と前記収音信号とを加えた自装置上り信号を他地点側に向けて出力するための上り出力端子と、
を有する場内拡声装置。
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