JP5020338B2 - 初期値生成装置及び初期値生成方法 - Google Patents

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この発明は、原子力発電プラントなどの各種プラントシミュレータに適用される、初期値生成装置に関するものである。
原子力発電プラントなどの各種プラントの運転において、通常時・事故時に運転員が適切な対応操作ができるように、通常、実プラントの運転を模擬した運転訓練シミュレータ(プラントシミュレータ)を用いた運転訓練が行われる。初期値生成装置は、運転訓練を開始するプラントの初期状態として運転訓練シミュレータに与える初期値、例えば100%定常状態などのプラント安定状態の初期値を生成するための装置である。
従来の初期値生成装置として、特許文献1に開示されたものがある。特許文献1記載の初期値生成方法および装置は、プラントの配管内を流れる流体の熱流動シミュレーションを対象とする。そして、この初期値生成方法および装置は、設計データおよびこれらに付加したデータの正確さを表す信頼度データ用い、正確でないデータを修正することにより最適な初期値データを生成していた。
また、一般には、プラント構成要素を複数に分割したサブモデル単位で、固定境界条件で安定初期値を作成した後、これらを組合せて全体の安定初期値を作成する。例えば、原子力発電プラントシミュレータを例にとると、プロセスモデルのサブモデルとして1次冷却材系統、主蒸気系統、主給水系統などの安定初期値(安定化した初期値)を、特許文献1のような方法で作成し、これを暫定初期値とする。そして、これらプロセスモデルのサブモデルと制御系モデルとを接続して、暫定初期値からシミュレーションを開始し全体が安定状態になるまでシミュレーション(初期値安定化シミュレーション)を行う。
特開平11−305646号公報(図1、図6)
しかしながら、特許文献1記載の方法では、流体解析のみを対象としているため、プロセスモデルの初期値のみしか生成できない。制御系を含めたプラント全体の安定初期値を得るためには、プロセスモデルの初期値(暫定初期値)と、初期値エディタを用いて手動で設定する等の何らかの方法で生成した制御系の初期値(暫定初期値)を組合せて、上記のようにプラントシミュレータにて全体が安定状態になるまで初期値安定化シミュレーションを実行する必要がある。
このため、プロセスモデルに精度の良い暫定初期値を作成したとしても、制御系の暫定初期値が内部変数値を含め適切でない場合、特に積分要素など過去値を必要とする場合などには、初期値安定化シミュレーション開始直後に不適切な制御指令が発生してしまう。この結果、プロセスモデルが変動し、制御指令がさらに変動するため、安定化に時間がかかるという問題があった。
この発明は、プラントシミュレーションの初期における制御指令が過度に変動しない精度の高い制御系モデルの初期値を生成することを目的とする。
プラントの物理現象を模擬するプロセスモデルと、プラントの制御装置の制御ロジックを模擬し、プロセスモデルから入力された制御系入力に基づいてプロセスモデルへの制御指令である制御系出力を生成する制御系モデルと、制御系出力をプラントシミュレータに用いる初期値として記憶する初期値記憶手段と、を備える。制御系モデルは、生成した制御系出力と制御系出力のレファレンス値とを比較し、制御系出力安定性評価基準に基づいて安定性を評価する制御系出力安定性評価手段を有し、制御系出力安定性評価手段は、生成した制御系出力が安定である場合に当該制御系出力をプロセスモデルへ出力することを決定し、生成した制御系出力が安定でない場合にレファレンス値をプロセスモデルへ出力することを決定し、安定と評価された制御系出力は初期値記憶手段に記憶される。
この発明に係る初期値生成装置は、制御系モデルが生成した制御系出力を制御系出力安定性評価手段にて評価し、安定したと評価された場合に当該制御系出力を初期値として生成するので、精度の高い制御系モデルの初期値を生成することがでる。
この発明の実施の形態1における初期値生成装置の構成を示す図である。 プロセスモデルと制御系モデルの関係を説明する図である。 この発明の実施の形態2における初期値生成装置の構成を示す図である。 この発明の実施の形態3における初期値生成装置の構成を示す図である。
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1における初期値生成装置の構成を示す図である。図1の初期値生成装置30は、制御系モデル9、プロセスモデル10、シミュレータ安定性評価手段7、初期値記憶手段8から構成される。制御系モデル9は、制御系入力データ設定手段1、制御系モデル模擬手段2、制御系モデル変数値記憶手段3、制御系出力レファレンス値記憶手段4、制御系出力安定性評価基準設定手段5、制御系出力安定性評価手段6から構成される。
まず、各構成要素の説明に先立ち、以降の説明の理解を容易にすることを目的として、原子力発電プラントシミュレータを例に、「プロセスモデル」と「制御系モデル」の関係について簡単に説明する。なお、本発明において、初期値設定対象が制御系モデルかプロセスモデルかを明記せず、単に「初期値」と記載しているものについては、制御系モデルとプロセスモデルの両方に与える初期値を意味するものとする。
「プロセスモデル」では、配管や熱交換機を流れる水・蒸気の二相流熱流動解析、タービン・発電機などの機械的要素の模擬、電力系統の潮流計算、「制御系モデル」からの指令に従い動作する弁・ポンプ等の機器模擬などの、様々な物理現象を模擬する。原子力発電プラントのプラント構造は極めて複雑であるが、シミュレータでは各部の圧力・温度・水位・流量などを模擬対象プラントに合わせて忠実に模擬する必要がある。一般に、模擬精度の評価基準としてANSI/ANS3.5-1985が用いられ、定常解析では「主要パラメータが実機プラントデータとの誤差2%以内」といった精度が要求される。
「制御系モデル」では、実プラントでは制御装置(1プラントあたり数10台)により実現されている、プラント各部のパラメータを適正な値に維持するための制御ロジックを模擬する。
両者の関係は、例えば100ms周期で演算するシミュレーションでは、図2に示すよ
うな処理となる。図2は「プロセスモデル」と「制御系モデル」の関係を説明する図である。「プロセスモデル」から「制御系モデル」への矢印は制御系入力Di0、Di1、Di2、Di3を示し、「制御系モデル」から「プロセスモデル」への矢印は制御系出力(制御指令値)Do0、Do1、Do2、Do3を示す。
まず、「プロセスモデル」において、初期時刻0ms(0:00)から100ms経過した後のプラント各部の水・蒸気の圧力・流量などのプロセス値P1を、初期時刻0msでの「プロセスモデル」のプロセス値の初期値P0と、「制御系モデル」の初期値(制御指令値)C0をもとに演算する。
ただし、「制御系モデル」の初期値C0は、実際には、「プロセスモデル」への制御指令値だけでなく、「制御系モデル」自身が次の演算で必要な内部変数も含むが、ここでは説明を簡略化するため、「制御系モデル」の演算結果C0を制御指令値と記述するものとする。
同様に、「制御系モデル」において、初期時刻0msから100ms経過した後に「制御系モデル」から「プロセスモデル」に与える制御指令値C1(例えば弁開度)を、初期時刻0msの「プロセスモデル」の初期値P0と、「制御系モデル」の初期値C0をもとに演算する。このとき、「制御系モデル」は、「プロセスモデル」で模擬する制御対象の状態(圧力・流量などのプロセス値P)を正常範囲内で推移させるように、制御指令値Cを決定する。
次に、時刻100msで、「プロセスモデル」と「制御系モデル」との間で、相互に必要なプロセス値P1(制御系入力)と制御指令値C1(制御系出力)をデータ交換し、これらをそれぞれの次の演算に用いる。すなわち、時刻100msで、プロセス値P1と制御指令値C1をもとにして、「プロセスモデル」では時刻200ms時点でのプロセス値P2を演算し、「制御系モデル」では時刻200ms時点での制御指令値C2を演算する。
プラントシミュレーションは、この処理を繰り返すことにより進行し、初期値として定常状態を与えた場合には、この定常状態で安定している必要がある。より具体的に、原子力発電プラントの加圧器を例に説明する。
例えば、模擬対象プラントでは、加圧器の圧力は157.2気圧を維持するよう自動制御されるものとする。シミュレーション中、ある時間断面の「プロセスモデル」による加圧器の模擬結果が、圧力=158.0気圧であった場合、この圧力を157.2気圧に戻すために、次の時間断面では、加圧器スプレイを作動させ気相部分に水を吹きかけることにより圧力を下げるという制御を行う。これを実現するため、「制御系モデル」では、制御系入力データとして加圧器圧力を「プロセスモデル」から受け取り、スプレイを作動させるために必要な加圧器スプレイ弁の開度を計算する。そして、この弁開度を制御系出力データとして、「プロセスモデル」に渡す。
逆に、加圧器圧力が減少した場合には、加圧器比例ヒーターや加圧器後備ヒーターを作動させ、圧力を上昇させるという自動制御を行う。プラントシミュレーションにおける自動制御とは、「制御系モデル」の演算結果にしたがって模擬対象プラントを制御することである。
この間「プロセスモデル」では、現在の圧力(および温度やボイド率など)と、スプレイやヒーターの作動状況をもとに、100ms後の圧力(および温度やボイド率など)を演算する。
以上のように「プロセスモデル」と「制御系モデル」との間で、相互に必要なプロセス値P1(制御系入力)と制御指令値C1(制御系出力)をデータ交換し、これらをそれぞれの次の演算に用いることにより、シミュレータでは、実プラントと同じ現象を「プロセスモデル」と「制御モデル」により模擬することができる。
次に、実施の形態1の初期値生成装置30が安定初期値を生成する初期値安定化シミュレーションにおいて、実施の形態1の各構成要素がどのような機能を実現するかについて説明する。なお、本発明の各手段を構成するハードウェアは、CPU、メモリ、ハードディスクなどから構成される計算機である。
制御系入力データ設定手段1は、プロセスモデル10から制御系モデル9への入力データを、制御系モデル変数値記憶手段3に設定する手段である。例えば上記加圧器圧力の例では、「プロセスモデル10から制御系モデル9への入力データ」は加圧器圧力が相当する。
また、この制御系入力データ設定手段1を構成するハードウェアは、シミュレータ計算機上のCPUなどの処理装置である。ただし、プロセスモデル10と制御系モデル9が別々の計算機に実装されているような場合には、入力データを通信する装置としての、ネットワークカードやネットワークケーブルなども含めて、制御系入力データ設定手段1を構成することになる。
制御系モデル模擬手段2は、弁・ポンプなどの手動操作や自動制御に関連する制御ロジック演算を行う手段である。手動操作は、プラントシミュレータに備えられた操作端末により運転員が行う操作である。制御系モデル模擬手段2は、制御系入力データ設定手段1により制御系モデル変数値記憶手段3に設定された入力データと、自身の前回の演算結果などを用いて、AND、OR、タイマー、PID制御などの各種ロジック演算を実施し、その結果(内部変数値および制御系出力値)を制御系モデル変数値記憶手段3に設定する。
例えば上記加圧器圧力の例では、プロセスモデル10から受け取った加圧器圧力をもとに、次にプロセスモデル10に渡す加圧器スプレイ弁開度や、加圧器比例ヒーターの出力値指令や、加圧器後備ヒーターの作動信号を演算するロジック模擬が、制御系モデル模擬手段2に相当する。通常プラントシミュレータにおける制御ロジックは、実機制御システムと同一のロジック、またはシミュレータの模擬範囲に応じて簡略化したロジックを用いる。
また、この制御系モデル模擬手段2を構成するハードウェアは、シミュレータ計算機上のCPUなどの処理装置である。
制御系モデル変数値記憶手段3は、制御系入力データ設定手段1により制御系モデル模擬手段2に与える入力データや、制御系モデル模擬手段2での制御ロジック演算で用いられる内部データ、プロセスモデル10への制御系出力である制御指令を記憶する手段である。例えば上記加圧器圧力の例では、「制御系出力」は加圧器スプレイ弁開度や、加圧器比例ヒーターの出力値指令や、加圧器後備ヒーターの作動信号が相当する。また、この制御系モデル変数値記憶手段3を構成するハードウェアは、シミュレータ計算機上のメモリなどの記憶装置である。
制御系出力レファレンス値記憶手段4は、制御系モデル9からプロセスモデル10への制御指令(制御系出力)のレファレンス値を記憶する手段である。レファレンス値には、
通常プラント設計データや実プラントの実測データが用いられる。例えば上記加圧器圧力の例では、レファレンス値として、100%定常状態での加圧器スプレイ弁開度や、加圧器比例ヒーターの出力値指令や、加圧器後備ヒーターの作動信号が記憶される。また、この制御系出力レファレンス値記憶手段4を構成するハードウェアは、シミュレータ計算機上のハードディスクなどの記憶装置である。
制御系出力安定性評価基準設定手段5は、制御系出力の安定性評価基準を設定する手段である。制御系出力安定性評価基準としては、例えば以下のものを採用する。ON/OFF変数に関しては、レファレンス値と同一の出力が継続する時間を採用し、連続値変数に関しては、レファレンス値との許容誤差と、この許容誤差範囲内で出力が継続する時間とを評価基準として採用する。上記加圧器圧力の例では、ON/OFF変数は、加圧器後備ヒーターへの作動信号(デジタル値)である。また、連続値変数は、加圧器スプレイ弁開度(アナログ値)や、加圧器比例ヒーターの出力値指令(アナログ値)である。
この制御系出力安定性評価基準設定手段5を構成するハードウェアは、ディスプレイなどの表示装置や、キーボード・マウスなどの入力装置である。例えば、ディスプレイ上に表示されたGUI(Graphical User Interface)に対して、キーボード・マウス入力などにより、各パラメータの許容誤差範囲や安定確定までの時間などを設定する。
制御系出力安定性評価手段6は、制御系モデル変数値記憶手段3に記憶されている制御系出力と、制御系出力レファレンス値記憶手段4に記憶されているレファレンス値とを比較し、制御系出力安定性評価基準設定手段5で設定された制御系出力安定性評価基準を用いて安定性を判定し、プロセスモデル10への制御指令を決定する。この制御系出力安定性評価手段6を構成するハードウェアは、シミュレータ計算機上のCPUなどの処理装置である。
通常、初期値生成装置30における初期値安定化シミュレーション開始後しばらくは、制御系モデル変数値記憶手段3に記憶されている制御系モデル9の内部データの過去値(積分要素など)の中には適切でないものが存在するため、これらに関連する制御系モデル模擬手段2の演算結果は、制御系出力レファレンス値記憶手段4とは異なるものとなる。制御系出力安定性評価手段6では、このような制御系出力は安定な制御指令ではないと判定し、プロセスモデル10には、制御系出力レファレンス値記憶手段4に記憶されているレファレンス値を制御指令として与える。
制御系出力安定性評価手段6は、制御系モデル模擬手段2の演算結果が安定であると判定した場合は、制御系モデル変数値記憶手段3に記憶されている制御系出力を、プロセスモデル10に制御指令として与える。制御系出力安定性評価手段6の安定性判定方法は後述する。この後は、制御系モデル模擬手段2の演算結果を用いて自動制御(制御モデル9に組み込まれたロジックに従った制御)を継続し、シミュレータ安定性評価手段7により安定と判断されるのを待つ。
なお、一般に、プロセスモデル10は、制御指令に固定のレファレンス値を用いて、サブモデル単位で(例えば、1次系冷却材系統モデル、主蒸気モデル、復水モデルなどモデルごとに)事前に安定化した暫定初期値からシミュレーションを開始しているので、上記のようにレファレンス値を与えたときに、プロセスモデル10が大きく変動することはない。
プロセスモデル10は、熱流動解析等を行うモデルである。ここでは、エネルギー保存則や質量保存則などの微分方程式を解き、配管・タンク等の圧力・温度・流量等のプロセス値の計算などを行う。また、制御系出力安定性評価手段6からの制御指令に従い制御が
行われ、安定状態が保たれる。プロセス値の一部は、制御系入力データ設定手段1に渡され、次の制御系モデル模擬手段2の演算に用いられる。例えば上記加圧器圧力の例では、加圧器の圧力・水位・ボイド率計算などの熱流動解析などが相当する。また、このプロセスモデル10を構成するハードウェアは、シミュレータ計算機上のCPU、メモリ、ハードディスクなどである。
シミュレータ安定性評価手段7は、制御系出力安定性評価手段6の安定性評価結果と合わせて、プロセスモデル10の各種変数値が安定であるかどうかを判定する。シミュレータ安定性評価手段7は、プロセスモデル評価手段とシミュレータ評価手段を有する。シミュレータ評価手段は、制御系モデル9の安定性結果と、プロセスモデル評価手段によるプロセスモデル10の安定性結果が揃った場合に、シミュレータが安定したと判定する。プロセスモデル10の安定性判定方法については、後述する制御系モデル9に対する制御系出力安定性評価手段6と同様の考え方を採用できる。また、このシミュレータ安定性評価手段7を構成するハードウェアは、シミュレータ計算機上のCPUなどの処理装置である。
初期値記憶手段8は、シミュレータ安定性評価手段7の評価結果が安定である場合に、
制御系モデル変数値記憶手段3に記憶されている制御系モデル変数値とプロセスモデル10がもつプロセス値を初期値データとして保存する。また、この初期値記憶手段8を構成するハードウェアは、シミュレータ計算機上のハードディスクなどの記憶装置である。
制御系出力安定性評価手段6の安定性判定方法を説明する。初期値安定化シミュレーションである程度時間が経過すると、制御系モデル模擬手段2の演算結果は、制御系出力レファレンス値記憶手段4と近い、または同一の値をとるようになる。このとき、制御系出力が安定であるかどうかは、例えば制御系出力安定性評価基準設定手段5で設定した評価基準を用いて、以下のようにして判定する。ON/OFF変数に関しては、制御系出力安定性評価基準設定手段5で事前に設定した時間連続して、レファレンス値と同一であれば安定とみなす。連続値変数に関しては、制御系出力安定性評価基準設定手段5で事前に設定した時間連続して、レファレンス値との誤差が制御系出力安定性評価基準設定手段5で事前に設定した範囲内であれば、安定とみなす。
シミュレータ安定性評価手段7におけるプロセスモデル10の安定性判定方法を説明する。例えば、プロセスモデル10の主要な変数値に対するレファレンス値及びプロセスモデル安定性評価基準は図示しない記憶手段に記憶されている。プロセスモデル10の主要な変数値と、記憶手段に記憶されているレファレンス値とを比較し、記憶手段に記憶されているプロセスモデル安定性評価基準を用いて、制御系出力安定性評価手段6の安定性判定方法と同様に安定性を判定する。アナログ値については連続値変数と同様に判定し、デジタル値についてはON/OFF変数と同様に判定する。
初期値生成装置30における初期値安定化シミュレーションの方法について説明する。初めに、プロセスモデル10には、事前に暫定初期値が設定されており、制御系モデル変数値記憶手段3には、暫定初期値が記憶される。制御系出力レファレンス値記憶手段4には、初期値安定化シミュレーションの対象となる制御系出力レファレンス値が記憶される。初期値安定化シミュレーションが開始すると、制御系モデル9とプロセスモデル10とでデータ交換を行う(データ交換手順)。制御系入力データ設定手段1はプロセスモデル10から制御系モデル9への入力データを入手し、制御系モデル変数値記憶手段3に設定する。プロセスモデル10は、制御系モデル変数値記憶手段3記憶された制御指令を、制御系出力安定性評価手段6を介して入手する。なお、最初にプロセスモデル10が入手する制御指令は、制御系出力レファレンス値記憶手段4に記憶された制御指令のレファレンス値である。
制御系モデル模擬手段2は、制御系モデル変数値記憶手段3に設定された入力データと、自身の内部データなどを用いて制御ロジック演算を行い、その結果(内部変数値および制御系出力値)を制御系モデル変数値記憶手段3に設定する(制御系モデル演算手順)。
プロセスモデル10は、制御系出力安定性評価手段6を介して入手した制御指令と自身の内部データなどを用いて、配管・タンク等の圧力・温度・流量等のプロセス値を演算する(プロセスモデル演算手順)。
制御系出力安定性評価手段6は、制御系モデル変数値記憶手段3に記憶されている制御系出力と、制御系出力レファレンス値記憶手段4に記憶されているレファレンス値とを比較し、制御系出力安定性評価基準設定手段5で設定された制御系出力安定性評価基準を用いて安定性を判定し、プロセスモデル10への制御指令を決定する(制御系出力安定性評価手順)。
制御系出力安定性評価手段6は、制御系モデル模擬手段2の演算結果が安定であると判定した場合は、制御系モデル変数値記憶手段3に記憶されている制御系出力を、プロセスモデル10に制御指令として与える。逆に、制御系モデル模擬手段2の演算結果が安定でないと判定した場合は、制御系出力安定性評価手段6は、制御系出力レファレンス値記憶手段4に記憶されているレファレンス値を、プロセスモデル10に制御指令として与える。
シミュレータ安定性評価手段7は、制御系出力安定性評価手段6の安定性評価結果と合わせて、プロセスモデル10の各種変数値が安定であるかどうかを判定する(シミュレータ安定性評価手順)。シミュレータ安定性評価手順にて、評価結果が安定でない場合は、データ交換手順に戻り、初期値安定化シミュレーションを継続する。シミュレータ安定性評価手段7は、評価結果が安定である場合に、制御系モデル変数値記憶手段3に記憶されている制御系モデル変数値とプロセスモデル10がもつプロセス値を初期値データとして保存する(初期値データ記憶手順)。また初期値安定化シミュレーションを停止する。
なお、制御系出力安定性評価手段6が制御系モデル模擬手段2の演算結果が安定であると判定した場合は、安定であると評価された制御系モデル変数値(制御系出力)を初期値記憶手段8に保存しても構わない。また、制御系モデルは1つではなく、複数のサブモデルに分割し、安定したものから順に、プロセスモデルに制御系出力として制御系モデル模擬手段2の演算結果を与えてもよい。
実施の形態1の初期値生成装置30は、制御系モデル模擬手段2が生成した制御系出力を制御系出力安定性評価手段6にて評価し、安定したと評価された場合に当該制御系出力を初期値として生成するので、精度の高い制御系モデル9の初期値を生成することができる。
実施の形態1の初期値生成装置30は、制御系モデル9に積分要素などの過去値が必要なロジックがある場合などに発生する、初期値安定化シミュレーション初期段階での不適切な制御系出力をプロセスモデル10に渡すことを防ぐことができる。また、制御系モデル9の演算結果としての制御指令が安定状態に達した段階で、この制御指令をプロセスモデル10に渡すことにより、自動制御への以降がスムーズに行うことができる。この結果、初期値生成装置30において、初期値安定化シミュレーションでの制御系出力の変動とそれに伴うプロセスモデルの変動が抑えられるので、プラントシミュレータを用いた暫定初期値から開始する従来の初期値安定化シミュレーションとは異なり、初期値安定化シミュレーションに要する時間を短縮することができるという効果がある。
従来、制御系モデルのサブモデルの安定した暫定初期値を組み合わせて初期値安定化シミュレーションをする場合、1つの初期値作成に対し(通常代表的な安定初期値は20程度)、シミュレーション時間は1時間程度かかっていた。実施の形態1の初期値生成装置30を用いることで、安定初期値を生成するまでのシミュレーション時間を数分程度に短縮することができる。
また、初期値生成装置30を用いて初期値安定化シミュレーションを行い、制御系モデル9の安定化した初期値を生成する場合には、初期値安定化シミュレーションにおける初期段階での不適切な制御系出力をプロセスモデル10に渡すことを防ぐことができるので、初期値エディタを使用して暫定初期値を作成する場合、必要最小限の変数に対してのみ設定するだけでよい。初期値生成装置30を用いる制御系モデル9の暫定初期値を初期値エディタで作成する場合、必要最小限の変数に対してのみ設定するだけでよいため、従来数時間かかっていた設定時間を、数分程度に短縮することができる。
以上のように実施の形態1の初期値生成装置30によれば、プラントの物理現象を模擬するプロセスモデル10と、プラントの制御装置の制御ロジックを模擬し、プロセスモデル10から入力された制御系入力に基づいてプロセスモデル10への制御指令である制御系出力を生成する制御系モデル9と、制御系出力をプラントシミュレータに用いる初期値として記憶する初期値記憶手段8とを備え、制御系モデル9は、生成した制御系出力と制御系出力のレファレンス値とを比較し、制御系出力安定性評価基準に基づいて安定性を判定する制御系出力安定性評価手段6を有し、制御系出力安定性評価手段6は、生成した制御系出力が安定である場合に当該制御系出力をプロセスモデル10へ出力することを決定し、生成した制御系出力が安定でない場合にレファレンス値をプロセスモデル10へ出力することを決定し、安定と判定された制御系出力は初期値記憶手段に記憶されるので、精度の高い制御系モデルの初期値を生成することができる。
実施の形態1の初期値生成方法によれば、プラントの制御装置の制御ロジックを模擬し、プラントの物理現象を模擬するプロセスモデル10から入力された制御系入力に基づいてプロセスモデルへの制御指令である制御系出力を生成する制御系モデル演算手順と、制御系モデル演算手順で生成された制御系出力と制御系出力のレファレンス値とを比較し、制御系出力安定性評価基準に基づいて安定性を判定する制御系出力安定性評価手順と、制御系出力安定性評価手順にて、安定と判定された制御系出力を初期値記憶手段10に記憶する初期値データ記憶手順とを含み、制御系出力安定性評価手順にて、生成された制御系出力が安定である場合に当該制御系出力がプロセスモデルへ出力され、生成された制御系出力が安定でない場合にレファレンス値がプロセスモデルへ出力されるので、精度の高い制御系モデルの初期値を生成することができる。
実施の形態2.
図3はこの発明の実施の形態2における初期値生成装置の構成を示す図である。実施の形態2の初期値生成装置40は、実施の形態1とは、プロセスモデル10の機能を強化し、シミュレータ安定性評価手段7からシミュレータ評価機能に特化したシミュレータ安定性評価手段17に変更した点で異なる。以下では、プロセスモデル10とシミュレータ安定性評価手段17についてのみ説明する。
図3のプロセスモデル10は、制御系出力データ設定手段11、プロセスモデル模擬手段12、プロセスモデル変数値記憶手段13、プロセスモデルレファレンス値記憶手段14、プロセスモデル安定性評価基準設定手段15、プロセスモデル安定性評価手段16、から構成される。
制御系出力データ設定手段11は、制御系モデル9からプロセスモデル10への制御系出力(制御指令)を、プロセスモデル変数値記憶手段13に設定する手段である。この制御系出力データ設定手段11を構成するハードウェアは、シミュレータ計算機上のCPUなどの処理装置である。
プロセスモデル模擬手段12は、プラントの熱流動解析等を模擬する手段である。ここでは、エネルギー保存則や質量保存則など、微分方程式を解き、配管・タンク等の圧力・温度・流量等のプロセス値の計算などを行う。また、制御系出力データ設定手段11を介してプロセスモデル変数値記憶手段13に記憶されている制御系出力安定性評価手段6からの制御指令に従い制御が行われ、安定状態が保たれる。プロセス値の一部は、プロセスモデル変数値記憶手段13に記憶された後、制御系入力データ設定手段1に渡され、次の制御系モデル模擬手段2の演算に用いられる。このプロセスモデル模擬手段12を構成するハードウェアは、シミュレータ計算機上のCPUなどの処理装置である。
プロセスモデル変数値記憶手段13は、制御系出力データ設定手段11によりプロセスモデル模擬手段12に与える制御指令や、プロセスモデル模擬手段12での熱流動解析等で用いられる内部データ、制御系モデルへ渡すプロセス値(制御系入力)等を記憶する手段である。このプロセスモデル変数値記憶手段13を構成するハードウェアは、シミュレータ計算機上のメモリなどの記憶装置である。
プロセスモデルレファレンス値記憶手段14は、プロセスモデルの各種主要パラメータのプロセス値(制御系入力のレファレンス値)を記憶する手段である。レファレンス値には、通常プラント設計データや実プラントの実測データが用いられる。例えば原子力発電プラントシミュレータの場合には、原子炉出力・発電機出力や、加圧器の圧力・水位を始めとする、多数のデータが記憶される。このプロセスモデルレファレンス値記憶手段14を構成するハードウェアは、シミュレータ計算機上のハードディスクなどの記憶装置である。
プロセスモデル安定性評価基準設定手段15は、プロセスモデルの安定性評価基準を設定する手段である。このプロセスモデル安定性評価基準設定手段15を構成するハードウェアは、ディスプレイなどの表示装置や、キーボード・マウスなどの入力装置である。
プロセスモデル安定性評価基準としては、例えば以下のものを採用する。ON/OFF変数に関しては、レファレンス値と同一の出力が継続する時間を採用し、連続値変数に関しては、レファレンス値との許容誤差と、この許容誤差範囲内で出力が継続する時間とを評価基準として採用する。
プロセスモデル安定性評価手段16は、プロセスモデル変数値記憶手段13に記憶されているプロセス値が安定状態であるかを、プロセスモデルレファレンス値記憶手段14に記憶されているプロセス値のレファレンス値と比較し、プロセスモデル安定性評価基準設定手段15で設定されたプロセスモデル安定性評価基準を用いて判定する。このプロセスモデル安定性評価手段16を構成するハードウェアは、シミュレータ計算機上のCPUなどの処理装置である。
このとき、プロセスモデルが安定であるかどうかは、例えば以下のようにして判定する。ON/OFF変数に関しては、あらかじめ指定した時間連続して、レファレンス値と同一であれば安定とみなす。連続値変数に関しては、あらかじめ指定した時間連続して、レファレンス値との誤差があらかじめ指定した範囲内であれば、安定とみなす。これら安定性の評価基準は、プロセスモデル安定性評価基準設定手段15により設定する。
シミュレータ安定性評価手段17は、制御系モデル9の安定性結果と、プロセスモデル安定性評価手段16によるプロセスモデル10の安定性結果が揃った場合に、シミュレータが安定したと判定する。シミュレータ安定性評価手段17の評価結果が安定である場合
に、制御系モデル変数値記憶手段3に記憶されている制御系モデル変数値とプロセスモデル変数値記憶手段13に記憶されているプロセス値を、初期値記憶手段8に初期値データとして保存する。
初期値生成装置40における初期値安定化シミュレーションの方法について説明する。初めに、制御系モデル変数値記憶手段3には暫定初期値が記憶され、プロセスモデル変数値記憶手段13には暫定初期値が記憶される。制御系出力レファレンス値記憶手段4には、初期値安定化シミュレーションの対象となる制御系出力レファレンス値が記憶され、プロセスモデルレファレンス値記憶手段14には、初期値安定化シミュレーションの対象となるプロセスモデルレファレンス値が記憶される。
初期値安定化シミュレーションが開始すると、制御系モデル9とプロセスモデル10とでデータ交換を行う(データ交換手順)。制御系入力データ設定手段1は、プロセスモデル10のプロセスモデル変数値記憶手段13から制御系モデル9への入力データを入手し、制御系モデル変数値記憶手段3に設定する。制御系出力データ設定手段11は、制御系モデル変数値記憶手段3記憶された制御指令を、制御系出力安定性評価手段6を介して入手する。なお、最初にプロセスモデル10が入手する制御指令は、制御系出力レファレンス値記憶手段4に記憶された制御指令のレファレンス値である。
制御系モデル9のシミュレーション動作は実施の形態1で説明したので繰り返さず、プロセスモデル10のシミュレーション動作について説明する。プロセスモデル模擬手段12は、プロセスモデル変数値記憶手段13に設定された制御指令と、自身の内部データなどを用いて配管・タンク等の圧力・温度・流量等のプロセス値を演算し、その結果(プロセス値)をプロセスモデル変数値記憶手段13に設定する(プロセスモデル演算手順)。
プロセスモデル安定性評価手段16は、プロセスモデル変数値記憶手段13に記憶されているプロセス値と、プロセスモデルレファレンス値記憶手段14に記憶されているレファレンス値とを比較し、プロセスモデル安定性評価基準設定手段15で設定されたプロセスモデル安定性評価基準を用いて安定性を判定する(プロセスモデル安定性評価手順)。
プロセスモデル安定性評価手段16は、プロセスモデル模擬手段12の演算結果が安定であると判定した場合は、シミュレータ安定性評価手段17にプロセスモデル10の安定性結果を出力する。逆に、プロセスモデル模擬手段12の演算結果が安定でないと判定した場合は、シミュレータ安定性評価手段17にプロセスモデル10の安定性結果を出力しない。
シミュレータ安定性評価手段17は、制御系出力安定性評価手段6の安定性結果と、プロセスモデル安定性評価手段16の安定性結果が揃ったどうかを判定し、制御系モデル9及びプロセスモデル10が安定であるかどうかを判定する(シミュレータ安定性評価手順)。シミュレータ安定性評価手順にて、評価結果が安定でない場合は、データ交換手順に戻り、初期値安定化シミュレーションを継続する。シミュレータ安定性評価手段17は、評価結果が安定である場合に、制御系モデル変数値記憶手段3に記憶されている制御系モデル変数値と、プロセスモデル変数値記憶手段13に記憶されているプロセス値を初期値データとして保存する(初期値データ記憶手順)。また初期値安定化シミュレーションを停止する。
なお、制御系出力安定性評価手段6が制御系モデル模擬手段2の演算結果が安定であると判定した場合は、安定であると評価された制御系モデル変数値(制御系出力)を初期値記憶手段8に保存しても構わない。プロセスモデル安定性評価手段16がロセスモデル模擬手段12の演算結果が安定であると判定した場合は、安定であると評価されたプロセス値(制御系入力)を初期値記憶手段8に保存しても構わない。また、プロセスモデル10と制御系モデル9は1つではなく、それぞれ複数のサブモデルに分割し、安定したものから順に、プロセスモデル10に制御系モデル模擬手段2の演算結果を、制御系モデル9にプロセスモデル模擬手段12の演算結果を与えてもよい。
実施の形態2の初期値生成装置40は、プロセスモデル模擬手段12が演算したプロセス値をプロセスモデル安定性評価手段16にて評価し、安定したと判断された場合にプロセスモデル10の制御系モデル変数値を初期値として生成するので、精度の高いプロセスモデル10の初期値を生成することができる。したがって制御系モデルだけでなく、プロセスモデルの安定性の判定もレファレンス値を用いて自動的に行うことができ、精度の高いプロセスモデル10の初期値及び制御系モデル9の初期値を生成することができる。
実施の形態3.
図4はこの発明の実施の形態3における初期値生成装置の構成を示す図である。実施の形態3の初期値生成装置50は、実施の形態1及び2とは、プロセスモデルに接続することなく制御系モデルの初期値(暫定初期値)を生成する点で異なる。
図4の初期値生成装置50は、制御系モデル19と、初期値記憶手段である制御系暫定初期値記憶手段27から構成される。制御系モデル19は、制御系入力レファレンス値記憶手段20、制御系入力データ設定手段21、制御系モデル模擬手段22、制御系モデル変数値記憶手段23、制御系出力レファレンス値記憶手段24、制御系出力安定性評価基準設定手段25、制御系出力安定性評価手段26から構成される。
制御系入力レファレンス値記憶手段20は、制御系入力のレファレンス値を記憶する手段である。
制御系入力データ設定手段21は、制御系入力レファレンス値記憶手段20に記憶されている制御系モデルへの入力データのレファレンス値(初期値生成装置50への初期入力データの値)を、制御系モデル変数値記憶手段23に設定する手段である。制御系入力データ設定手段21は、実施の形態1の制御系入力データ設定手段1と同様である。
制御系モデル模擬手段22は、弁・ポンプなどの手動操作や自動制御に関連する制御ロジック演算を行う手段である。制御系入力データ設定手段21により制御系モデル変数値記憶手段23に設定された入力データと、自身の前回の演算結果などを用いて、AND、OR、タイマー、PID制御などの各種ロジック演算を実施し、その結果(内部変数値および制御系出力値)を制御系モデル変数値記憶手段23に設定する。この制御系モデル模擬手段22は、制御系出力安定性評価手段26により、制御系モデル変数値が安定であると判定されるまで制御系モデルを繰り返し模擬する。制御系モデル模擬手段22は、実施の形態1の制御系モデル模擬手段2と同様である。
制御系モデル変数値記憶手段23は、制御系入力データ設定手段21により制御系モデル模擬手段22に与える入力データや、制御系モデル模擬手段22での制御ロジック演算で用いられる内部データ等を記憶する手段である。制御系モデル変数値記憶手段23は、実施の形態1の制御系モデル変数値記憶手段3と同様である。
制御系出力レファレンス値記憶手段24は、制御系モデル19からプラントシミュレー
タのプロセスモデルへの制御指令のレファレンス値を記憶する手段である。レファレンス値には、通常プラント設計データや実プラントの実測データが用いられる。制御系出力レファレンス値記憶手段24は、実施の形態1の制御系出力レファレンス値記憶手段4と同様である。
制御系出力安定性評価基準設定手段25は、制御系出力の安定性評価基準を設定する手段である。制御系出力安定性評価基準設定手段25は、実施の形態1の制御系出力安定性評価基準設定手段5と同様である。
制御系出力安定性評価手段26は、制御系モデル変数値記憶手段23に記憶されている制御系出力が安定状態であるかを、制御系出力レファレンス値記憶手段24に記憶されている制御系出力のレファレンス値と比較し、制御系出力安定性評価基準設定手段25で設定された制御系出力安定性評価基準を用いて安定性を判定する。なお、安定性の評価基準は、実施の形態1で説明したものと同一であり、制御系出力安定性評価基準設定手段25で設定した評価基準に基づき行う。制御系出力安定性評価手段26は、実施の形態1の制御系出力安定性評価手段6と同様である。
制御系暫定初期値記憶手段27は、制御系出力安定性評価手段26による結果が安定となった場合に、制御系モデル変数値記憶手段23に記憶されている値をプラントシミュレータの制御系モデルの暫定初期値データとして保存する。制御系暫定初期値記憶手段27を構成するハードウェアは、シミュレータ計算機上のハードディスクなどの記憶装置である。
初期値生成装置50における初期値安定化シミュレーションの方法について説明する。初めに、制御系入力レファレンス値記憶手段20は、制御系入力のレファレンス値(制御系入力データ)が記憶される。制御系出力レファレンス値記憶手段24には、初期値安定化シミュレーションの対象となる制御系出力レファレンス値が記憶される。初期値安定化シミュレーションが開始すると、制御系モデル変数値記憶手段23に制御系入力のレファレンス値が設定される(データ設定手順)。制御系入力データ設定手段21は制御系入力レファレンス値記憶手段20から制御系入力データを入手し、制御系モデル変数値記憶手段23に設定する。
制御系モデル模擬手段22は、制御系モデル変数値記憶手段23に設定された入力データと、自身の内部データなどを用いて制御ロジック演算を行い、その結果(内部変数値および制御系出力値)を制御系モデル変数値記憶手段23に設定する(制御系モデル演算手順)。
制御系出力安定性評価手段26は、制御系モデル変数値記憶手段23に記憶されている制御系出力と、制御系出力レファレンス値記憶手段24に記憶されているレファレンス値とを比較し、制御系出力安定性評価基準設定手段25で設定された制御系出力安定性評価基準を用いて安定性を判定する(制御系出力安定性評価手順)。
制御系出力安定性評価手段26は、制御系モデル模擬手段22の演算結果が安定であると判定した場合は、制御系モデル模擬手段22に安定性結果を出力する。逆に、制御系モデル模擬手段22の演算結果が安定でないと判定した場合は、制御系出力安定性評価手段26は、制御系モデル模擬手段22に安定性結果を出力しない。
制御系出力安定性評価手段26は、制御系出力安定性評価手順にて、評価結果が安定でない場合は、制御系モデル演算手順に戻り、初期値安定化シミュレーションを継続する。制御系出力安定性評価手段26は、評価結果が安定である場合に、制御系モデル変数値記
憶手段23に記憶されている制御系モデル変数値を、制御系暫定初期値記憶手段27に暫定初期値データとして保存する(暫定初期値データ記憶手順)。また初期値安定化シミュレーションを停止する。
実施の形態3の初期値生成装置50は、初期値安定化シミュレーションに与える制御系モデルの暫定初期値を精度よく作成することができる。プラントシミュレータのプロセスモデルと接続前に、制御系モデル単体で安定な暫定初期値を生成することができる。この結果、プロセスモデルと接続直後の初期値安定化シミュレーションでの制御系出力の変動とそれに伴うプロセスモデルの変動が抑えられる。したがって、プラントシミュレータの初期値安定化シミュレーションに要する時間を短縮することができる。
実施の形態3で生成した高精度の制御系モデルの初期値(暫定初期値)を、実施の形態1の初期値生成装置30または実施の形態2の初期値生成装置40に制御系入力データ設定手段1から入力することもできる。実施の形態3で生成した高精度の制御系モデルの初期値(暫定初期値)を、初期値生成装置30または初期値生成装置40を入力し、初期値生成装置30または初期値生成装置40にて初期値安定化シミュレーションを行う場合には、実施の形態1や実施の形態2よりもさらに初期値安定化シミュレーションに要する時間を短縮することができる。
また、制御系出力安定性評価手段26により、制御系モデル変数値記憶手段23に記憶された制御系出力のいずれかがレファレンス値と合わない場合には、制御系モデル模擬手段22の制御ロジックが適切でないと判定することができる。すなわち、制御系モデル模擬手段22の制御ロジックに大きな誤りがないかの検証も同時に行うことができる。制御系モデル模擬手段22が、初期値生成装置30及び初期値生成装置40の制御系モデル模擬手段2の制御ロジックと同じ場合には、初期値生成装置30及び初期値生成装置40の制御ロジックに大きな誤りがないかの検証もできる。
この発明に係る初期値生成装置は、原子力発電プラントなどの各種プラントシミュレータに好適に利用できる。
6 制御系出力安定性評価手段 7 シミュレータ安定性評価手段
8 初期値記憶手段 9 制御系モデル
10 プロセスモデル 16 プロセスモデル安定性評価手段
17 シミュレータ安定性評価手段 30 初期値生成装置
40 初期値生成装置 50 初期値生成装置

Claims (7)

  1. プラントの運転を模擬するプラントシミュレータに用いる初期値を生成する初期値生成装置であって、
    前記プラントの物理現象を模擬するプロセスモデルと、
    前記プラントの制御装置の制御ロジックを模擬し、前記プロセスモデルから入力された制御系入力に基づいて前記プロセスモデルへの制御指令である制御系出力を生成する制御系モデルと、
    前記制御系出力を前記プラントシミュレータに用いる初期値として記憶する初期値記憶手段と、を備え、
    前記制御系モデルは、生成した制御系出力と制御系出力のレファレンス値とを比較し、制御系出力安定性評価基準に基づいて安定性を判定する制御系出力安定性評価手段を有し、前記制御系出力安定性評価手段は、前記生成した制御系出力が安定である場合に当該制御系出力を前記プロセスモデルへ出力することを決定し、前記生成した制御系出力が安定でない場合に前記レファレンス値を前記プロセスモデルへ出力することを決定し、安定と判定された制御系出力は前記初期値記憶手段に記憶されることを特徴とした初期値生成装置。
  2. 前記制御系入力及び前記制御系出力の安定性を判定するシミュレータ安定性評価手段を有し、
    前記シミュレータ安定性評価手段は、前記制御系出力安定性評価手段からの安定結果と合わせて、前記プロセスモデルにより生成された制御系入力が安定である場合に前記制御系入力及び前記制御系出力が安定であると判定し、前記プロセスモデルにより生成された制御系入力が安定でない場合に前記制御系入力及び前記制御系出力が安定でないと判定し、安定と判定された制御系入力及び制御系出力は前記初期値記憶手段に記憶されることを特徴とした請求項1記載の初期値生成装置。
  3. 前記プロセスモデルは、生成した制御系入力と制御系入力のレファレンス値とを比較し、プロセスモデル安定性評価基準に基づいて安定性を判定するプロセスモデル安定性評価手段を有し、
    前記プロセスモデル安定性評価手段により前記生成した制御系入力が安定であると判定された場合に当該制御系入力は前記初期値記憶手段に記憶されることを特徴とした請求項1記載の初期値生成装置。
  4. 前記制御系入力及び前記制御系出力の安定性を判定するシミュレータ安定性評価手段を有し、
    前記シミュレータ安定性評価手段は、前記制御系出力安定性評価手段からの安定結果及び前記プロセスモデル安定性評価手段からの安定結果がある場合に、前記制御系出力安定性評価手段により安定であると判定された制御系出力及び前記プロセスモデル安定性評価手段により安定であると判定された制御系入力は前記初期値記憶手段に記憶されることを特徴とした請求項3記載の初期値生成装置。
  5. プラントの運転を模擬するプラントシミュレータに用いる初期値を生成する初期値生成装置であって、
    前記プラントの制御装置の制御ロジックを模擬し、制御系入力のレファレンス値に基づいて前記プラントの物理現象を模擬するプロセスモデルへの制御指令である制御系出力を生成する制御系モデルと、
    前記制御系出力を前記プラントシミュレータに用いる初期値として記憶する初期値記憶手段と、を備え、
    前記制御系モデルは、生成した制御系出力と制御系出力のレファレンス値とを比較し、制
    御系出力安定性評価基準に基づいて安定性を判定する制御系出力安定性評価手段を有し、前記制御系出力安定性評価手段により前記生成した制御系出力が安定であると判定された場合に当該制御系出力は前記初期値記憶手段に記憶されることを特徴とした初期値生成装置。
  6. プラントの運転を模擬するプラントシミュレータに用いる初期値を生成する初期値生成方法であって、
    前記プラントの制御装置の制御ロジックを模擬し、前記プラントの物理現象を模擬するプロセスモデルから入力された制御系入力に基づいて前記プロセスモデルへの制御指令である制御系出力を生成する制御系モデル演算手順と、
    前記制御系モデル演算手順で生成された制御系出力と制御系出力のレファレンス値とを比較し、制御系出力安定性評価基準に基づいて安定性を判定する制御系出力安定性評価手順と、
    前記制御系出力安定性評価手順にて、安定と判定された制御系出力を初期値記憶手段に記憶する初期値データ記憶手順と、を含み、
    前記制御系出力安定性評価手順にて、前記生成された制御系出力が安定である場合に当該制御系出力が前記プロセスモデルへ出力され、前記生成された制御系出力が安定でない場合に前記レファレンス値が前記プロセスモデルへ出力されることを特徴とした初期値生成方法。
  7. プラントの運転を模擬するプラントシミュレータに用いる初期値を生成する初期値生成方法であって、
    前記プラントの制御装置の制御ロジックを模擬し、制御系入力のレファレンス値に基づいて前記プラントの物理現象を模擬するプロセスモデルへの制御指令である制御系出力を生成する制御系モデル演算手順と、
    前記制御系モデル演算手順で生成された制御系出力と制御系出力のレファレンス値とを比較し、制御系出力安定性評価基準に基づいて安定性を判定する制御系出力安定性評価手順と、
    前記制御系出力安定性評価手順にて、安定と判定された制御系出力を初期値記憶手段に記憶する初期値データ記憶手順と、を含むことを特徴とした初期値生成方法。
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