図1は、本発明の第1実施形態である現像装置10の構成を示す図である。図1(a)は、現像装置10における現像槽12の内部構造を示す上面図である。図1(b)は、現像装置10における第2現像剤攪拌領域部24の内部構造を示す第2現像剤攪拌領域部24側の端部から見た断面図である。また、図2は、本発明の実施の一形態である画像形成装置100の画像形成ユニット1の構成を示す断面図である。
現像装置10は、電子写真方式を利用して画像を形成する画像形成装置100の画像形成ユニット1に設けられて、トナーとキャリアとからなる二成分現像剤を用いて、感光体2表面の静電潜像を現像する装置である。
ここで、二成分現像剤を構成するトナーは、この分野でよく知られる製造方法、たとえば粉砕法、懸濁重合法、乳化重合法、溶液重合法、エステル伸張重合法などによって製造することができ、体積平均粒子径が6μm程度のトナーである。体積平均粒子径は、レーザ回折・散乱法を用いた測定装置であるコールターカウンター(商品名:TA−II、ベックマンコールター社製)によって測定することができる。
また、トナーの形状係数SF−1は100〜160およびトナーの形状係数SF−2は100〜150の範囲のトナーを用いることができるが、より好ましくはSF−1は110〜150、SF−2は110〜140である。形状係数SF−1が100より小さい場合は、トナーが球形に近いこともあり、感光体2から転写手段5へトナーを転写するときに、転写手段5上でトナーがスリップし転写画像が乱れる場合がある。形状係数SF−1が160を超える場合は、トナーの異形が大きくなりトナー表面の角ばった箇所が現像槽12内で撹拌されることによりトナー表面から離脱し、微粉となってトナー飛散やキャリア表面または現像スリーブ22表面に固着し、トナーとの充分な摩擦帯電を阻害する場合がある。
形状係数SF−2が100より小さい場合は、トナー表面の平滑に伴いSF−1が100より小さい場合と同様に、転写手段5上でトナーがスリップし転写画像が乱れる場合がある。形状係数SF−2が150を超える場合は、トナー表面の凹凸が大きくなり、トナー個々の帯電量にバラツキが生じ、画像濃度やカブリが安定しない場合がある。
ここで、トナーの形状係数SF−1は、トナー粒子の丸さの度合を示し、形状係数SF−2はトナー粒子の凹凸の度合を示す。このような形状係数は、電子顕微鏡(商品名:FE−SEM(S−800)、株式会社日立製作所製)を用いて倍率500倍に拡大したトナー像を100個無作為にサンプリングし、その画像情報を画像解析装置(商品名:LuzexIII、株式会社ニレコ製)で解析を行うことによって求めることができる。
キャリアは、体積平均粒子径が40μm程度のフェライト系樹脂コートキャリアを用いることができるが、これに限定されるものではなく、フェライト系樹脂コート無しキャリア、鉄粉型、バインダー型のキャリアでも用いることができる。
また、二成分現像剤において、キャリアによって電荷が付与されたときのトナーの帯電量は、−30μC/g程度である。このトナーの帯電量は、電気的にシールドされた筐体の中で金属メッシュ500メッシュ上に二成分現像剤を約200mg載せ、金属メッシュを介してエアーでトナーを吸引し、キャリアに残留する鏡像電荷を市販のクーロンメーターで測定することによって求めることができる。
画像形成装置100は、外部機器からの印刷指令に含まれる画像情報に応じて、記録紙などの記録媒体に画像を形成する。外部機器には、画像情報の形成または取得が可能であり、かつ画像形成装置100に有線や無線で接続可能な電気・電子機器を使用でき、たとえば、コンピュータ、デジタルカメラ、デジタルビデオカメラ、テレビジョン受像機器、ビデオレコーダ、DVD(Digital Versatile Disc)レコーダ、Blu-ray ディスクレコーダ、Blu-ray ディスクプレーヤー、ファクシミリ装置、携帯電話、携帯情報端末装置などが挙げられる。
また、有線や無線としては、たとえば、インターネット、イントラネット、エキストラネット、LAN、ISDN、VAN、CATV通信網、仮想専用網(virtual private
network)、電話回線網、移動体通信網、衛星通信網等が利用可能である。
さらに、通信ネットワークを構成する伝送媒体としては、特に限定されず、たとえば、IEEE1394、USB、電力線搬送、ケーブルTV回線、電話線、ADSL回線等の有線でも、IrDAやリモコンのような赤外線、Bluetooth(登録商標)、802.11無線、HDR、携帯電話網、衛星回線、地上波デジタル網、ワイヤレスUSB(UWB)等の無線でも利用可能である。
画像形成装置100の画像形成ユニット1は、感光体2と、帯電手段3と、露光手段4と、現像装置10と、転写手段5と、クリーニング手段6とを含む。
感光体2は、図示しない駆動手段によって軸線回りに回転駆動可能に支持され、その表面に静電潜像ひいてはトナー像が形成される感光膜を有するローラ状部材である。感光体2には、たとえば、図示しない導電性基体と、導電性基体表面に形成される図示しない感光膜とを含むものを使用できる。導電性基体には、円筒状、円柱状、シート状などの導電性基体を使用でき、その中でも円筒状導電性基体が好ましい。感光膜としては、有機感光膜、無機感光膜などが挙げられる。有機感光膜としては、電荷発生物質を含む樹脂層である電荷発生層と、電荷輸送物質を含む樹脂層である電荷輸送層との積層体、1つの樹脂層中に電荷発生物質と電荷輸送物質とを含む単層体などが挙げられる。無機感光膜としては、酸化亜鉛、セレン、アモルファスシリコンなどから選ばれる1種または2種以上を含む膜が挙げられる。導電性基体と感光膜との間には、下地膜を介在させてもよく、感光膜の表面には主に感光膜を保護するための表面膜(保護膜)を設けてもよい。
帯電手段3は、図示しない駆動手段によって軸線回りに回転駆動可能にかつ感光体2に当接するように設けられるローラ状部材である。帯電手段3には、図示しない電源が接続され、該電源から電圧の印加を受けて、感光体2表面を所定の極性および電位に帯電させる。なお、本実施の形態では、帯電手段3には、感光体2表面に接触下に電荷を付与する帯電ローラを用いるけれども、それに限定されず、たとえば、コロナ帯電器、ブラシ型帯電器、チャージャー型帯電器、イオン放出帯電器、磁気ブラシ帯電器などを使用できる。
露光手段4は、感光体2表面に画像情報に応じた信号光4aを照射し、画像情報に対応する静電潜像を形成する。画像情報は、画像形成装置100に入力される印刷指令に含まれる。本実施の形態では、露光手段4には、図示しないレーザスキャニングユニット(以下「LSU」とする)を使用する。LSUは、レーザ発射手段と、レーザ反射手段とを含む。レーザ発射手段は、画像情報に応じた信号光4aを出射する。レーザ発射手段には半導体レーザを使用するけれども、それに限定されず、エレクトロルミネッセンス(EL)素子、発光ダイオード(LED)素子などを使用できる。レーザ反射手段は、レーザ発射手段から出射される信号光4aを反射して感光体2表面に到達させる。これによって、感光体2表面に画像情報に応じた静電潜像が形成される。レーザ反射手段には反射ミラーなどを使用できる。
現像装置10は、詳細は後述するが、図1に示す本発明の現像装置であり、感光体2表面の静電潜像にトナーを供給してトナー像を形成する。また、画像形成装置100の画像形成ユニット1に備えられる現像装置としては、後述する本発明の別形態である現像装置60を使用してもよい。
転写手段5は、図示しない支持手段によって回転自在に支持されかつ図示しない駆動手段によって回転駆動可能に設けられ、かつ感光体2表面に圧接するように設けられるローラ状部材である。転写手段5と感光体2との圧接部が転写ニップ部である。転写手段5には、たとえば、直径8〜10mmの金属製芯金と、金属製芯金の表面に形成される導電性弾性層とを含むローラ状部材が用いられる。金属製芯金を形成する金属としては、ステンレス鋼、アルミニウムなどを使用できる。導電性弾性層としては、エチレン−プロピレンゴム(EPDM)、発泡EPDM、発泡ウレタンなどのゴム材料にカーボンブラックなどの導電材を配合したゴム材料を使用できる。
転写手段5には図示しない電源が接続され、感光体2表面のトナー像を記録媒体に転写する際に、転写手段5に転写バイアス電圧を印加する。転写バイアス電圧は、トナー像を構成するトナーの帯電極性とは逆極性の電圧である。転写バイアス電圧の印加によって、トナー像の記録媒体への転写が円滑に実行される。転写手段5においては、転写ニップ部に、感光体2の回転によってトナー像が搬送されるのに同期して、図示しない給紙トレイから図示しないピックアップローラおよびレジストローラを介して記録媒体が1枚ずつ供給される。記録媒体が転写ニップ部を通過することによって、感光体2表面のトナー像が記録媒体に転写される。転写手段5によれば、感光体2表面のトナー像が記録媒体に転写される。
また、本実施の形態では、転写画像の画像面積率100%の画像領域におけるトナー重量は、0.20〜0.40mg/cm2の範囲に調整されている。トナー重量が0.20mg/cm2より小さい場合は、充分な画像濃度が得られない。トナー重量が0.40mg/cm2を超える場合は、感光体2への現像トナー量が多量に必要となり、トナー消費量が多くなって、感光体2から転写手段5へトナーを転写するときに転写効率が低下する場合があり、余分な現像トナーを必要とする場合がある。また、プロセスブラック(イエロー、シアン、マゼンタの3色重ね合わせた状態のこと)の転写画像である場合には、転写画像の画像面積率100%の画像領域におけるトナー重量が、0.60〜1.2mg/cm2の範囲に調整されている。さらには、たとえばシアンおよびマゼンタと同一の色相で濃度がより薄い特性をもつライトシアン(LC)、ライトマゼンタ(Lm)、ブラックを加えた6色であっても良く、トナー重量は、1.2〜2.4mg/cm2の範囲に調整される。
クリーニング手段6は、クリーニングブレード6aと、トナー貯留槽6bとを含む。クリーニングブレード6aは、感光体2の長手方向に平行に延びかつその短手方向の一端が感光体2表面に当接するように設けられ、記録媒体にトナー像を転写した後に感光体2表面に残留するトナー、記録媒体由来の紙粉などを感光体2表面から取り除く板状部材である。トナー貯留槽6bは、内部空間を有する容器状部材であり、クリーニングブレード6aによって除去されるトナー(回収トナー52)を一時的に貯留する。トナー貯留槽6bに回収された回収トナー52は、紙粉や異物(たとえば、紙の繊維、カオリン、タルク、炭酸カルシウム、塵、埃、金属粉、樹脂粉、トナー塊)などを含むものとなる。
画像形成ユニット1を通過した記録媒体にはトナー像が転写されており、図示しない定着手段は、トナー像が転写された記録媒体を定着ニップ部に通過させ、トナー像を構成するトナーを溶融させるとともに記録媒体に押圧することによって、トナー像を記録媒体に定着させ、画像を印刷する。画像が印刷された記録媒体は、図示しない搬送手段によって、画像形成装置1の鉛直方向上面または鉛直方向側面に設けられる排紙トレイに排出され、積載される。
図1に示すように、本発明の現像装置10は、現像剤を担持する現像剤担持体である現像ローラ11と、現像剤を収容する現像剤収容部である現像槽12と、現像槽12の中で現像剤を撹拌搬送する撹拌搬送部材13と、現像槽12内の現像剤のトナー濃度を検出するトナーセンサ14を含む。
現像ローラ11は、本実施の形態では、磁石部材21を内包し、磁石部材21の外周に回転自在に設けられる現像スリーブ22を含む、ローラ状のいわゆるマグネットローラである。磁石部材21は、たとえば永久磁石片からなり、円周方向にN極とS極とが略交互に配されて、全体では円柱形状を成す。現像スリーブ22は、たとえばアルミニウムなどの非磁性材料からなる円筒形状の部材であり、磁石部材21のまわりで回転自在に設けられる。現像ローラ11は、感光体2を臨み、その軸線が感光体2の回転軸線と平行になるように配置され、現像装置10の装置本体のフレーム部に支持される。
現像ローラ11に担持される現像剤としては、トナーとキャリアとを含む二成分現像剤が用いられる。現像ローラ11は、トナーを担持するキャリアを磁石部材21の磁力で吸着し、現像スリーブ22の表面に現像剤が穂状に連なった磁気ブラシを形成する。このように、現像剤は、磁気ブラシの形で現像ローラ11に担持される。磁気ブラシを形成する現像剤中の電荷を有するトナーが、現像ローラ11と感光体2との電位差に応じて、現像ローラ11から感光体2に供給されて静電潜像を現像し、トナー像を形成する。
現像槽12は、たとえば硬質の合成樹脂などからなり、外観が略直方体形状を有する容器部材である。現像槽12は、現像ローラ11の軸線方向の長さL1を超える長さを有するように形成される。現像槽12は、現像ローラ11の軸線方向の長さL1にほぼ対応する長さ部分に設けられて、撹拌搬送された現像剤が現像ローラ11に供給される第1現像剤撹拌領域部23と、第1現像剤撹拌領域部23に連接するとともに現像ローラ11の軸線方向の長さL1を超える位置に設けられ、撹拌搬送された現像剤が第1現像剤撹拌領域部23に供給されるとともに、現像ローラ11に供給された残部の現像剤の一部が回収される第2現像剤撹拌領域部24とを含んで構成される。
本実施の形態では、第2現像剤撹拌領域部24の容積は、第1現像剤撹拌領域部23の容積に対して、15〜30%程度の割合となるように構成されている。15%未満では、詳細は後述するが、第2現像剤撹拌領域部24内における回収トナー52の撹拌を充分に行うことができず、回収トナー52がキャリアから充分な電荷を付与されない。また、30%を超えると、第2現像剤撹拌領域部24内で現像剤が撹拌されすぎて、現像剤に余分な負荷がかかり、かえって現像剤が劣化することになる。
また、現像槽12の内部には、現像ローラ11の軸線に対して垂直な方向に延びるように配されて、第1現像剤撹拌領域部23と第2現像剤撹拌領域部24とを仕切る平板状の仕切壁部材25が設けられている。この仕切壁部材25が、第1現像剤撹拌領域部23と第2現像剤撹拌領域部24との連接部分において、現像剤の搬送を阻止する阻止領域部となる。仕切壁部材25は、現像剤中のトナーから電荷を奪うことがなく、かつ電荷を蓄積することがないような材料からなり、たとえば、ABS樹脂(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合樹脂)やPOM樹脂(ポリアセタール樹脂)によって形成されている。
仕切壁部材25は、第1現像剤撹拌領域部23と第2現像剤撹拌領域部24とを仕切るけれども、第1現像剤撹拌領域部23と第2現像剤撹拌領域部24とをそれぞれ完全に封じきるように仕切るのではなく、現像槽12の短手方向両端側の2箇所において、第1現像剤撹拌領域部23と第2現像剤撹拌領域部24とを連通させる第1間隙26と第2間隙27とが形成される。この第1および第2間隙26,27が、第1現像剤撹拌領域部23と第2現像剤撹拌領域部24との連接部分において、現像剤が通過する通過領域部となる。このように、仕切壁部材25が、現像槽12を第1現像剤撹拌領域部23と第2現像剤撹拌領域部24とに仕切るけれども、第1および第2間隙26,27が形成されるので、現像槽12内に収容される現像剤は、その一部が第1現像剤撹拌領域部23から第2現像剤撹拌領域部24へ移動することが可能であり、また逆に、第2現像剤撹拌領域部24から第1現像剤撹拌領域部23へ移動可能である。
本実施の形態では、仕切壁部材25の面積は、第1現像剤撹拌領域部23と第2現像剤撹拌領域部24とが連接される連接面の面積に対して、45〜55%の割合となるように設定される。つまり、連接面の面積に対して残りの45〜55%に対応する部分が、第1現像剤撹拌領域部23と第2現像剤撹拌領域部24とが連通される第1間隙26および第2間隙27の間隙面積割合になる。ここで、本実施の形態では、第1間隙26と第2間隙27との間隙面積は同じに設定されている。仕切壁部材25の面積割合が、45%未満では、詳細は後述するが、第1現像剤撹拌領域部23内および第2現像剤撹拌領域部24内での現像剤の循環流が形成されない。また、仕切壁部材25の面積割合が55%を超えると、第1現像剤撹拌領域部23と第2現像剤撹拌領域部24との間の現像剤の移動がスムーズに行われなくなる。
次に、現像槽12内の現像剤を撹拌搬送する撹拌搬送部材13について説明する。撹拌搬送部材13は、第1撹拌搬送部材29と、第2撹拌搬送部材28とを有する。第1撹拌搬送部材29は、現像ローラ11を臨んで現像槽12に回転自在に支持され、第2撹拌搬送部材28は、第1撹拌搬送部材29を介して現像ローラ11に対向して現像槽12に回転自在に支持されている。
第2撹拌搬送部材28は、現像槽12の長手方向に対して平行に、第2現像剤撹拌領域部24から第1現像剤撹拌領域部23にわたって回転自在に設けられて、第2現像剤撹拌領域部24内の現像剤を第1現像剤撹拌領域部23に向けて撹拌して搬送し、現像剤を現像ローラ11へ向う方向に撹拌搬送する。
図3は、第2撹拌搬送部材28の形状を示す図である。第2撹拌搬送部材28は、軸部に所定のピッチ間隔でスクリュー羽根が形成された、いわゆるスクリュー部材であり、回転動作することによって、現像槽12内の現像剤を撹拌し、搬送する。このようなスクリュー部材である第2撹拌搬送部材28においては、スクリュー羽根の巻き方向、回転方向に応じて、現像剤は、搬送方向に向かって左右どちらかに傾斜して搬送される。たとえば、右上りの傾斜を持たせて現像剤を搬送させる場合には、現像槽12内の右側の壁面に、より多くの現像剤が接しながら搬送される。
図4は、第2撹拌搬送部材28における、スクリュー羽根28aのピッチ間隔Pの違いによる搬送速度と搬送量との関係を示すグラフである。図4においては、横軸が現像剤が搬送される搬送速度(m/min)であり、縦軸が搬送される現像剤の単位時間あたりの搬送量(g/min)である。
第2撹拌搬送部材28の回転速度を制御することによって、搬送速度を調整することができるが、その搬送速度に比例して、搬送量も増減する。つまり、第2撹拌搬送部材28の回転速度を制御することによって、現像剤の搬送量を調整することができる。また、スクリュー羽根28aのピッチ間隔Pが25mm、20mm、15mmと小さくなるにつれて、小さな搬送速度で大きな搬送量を得ることができる。つまり、スクリュー羽根28aのピッチ間隔Pを調整することによって、現像剤の搬送量を調整することができる。また、スクリュー部材である第2撹拌搬送部材28においては、スクリュー羽根28aの傾斜および外径、軸の太さなどを調整することでも、現像剤の搬送量を調整することができる。現像剤の種類や流動性によって、第2撹拌搬送部材28による現像剤の搬送効率は変化するが、前述したスクリュー羽根28aのピッチ間隔P、傾斜などを適宜選択して設定すればよい。
第2撹拌搬送部材28は、現像剤を、現像ローラ11の前記長さL1を超える延長方向であって、現像槽12の長手方向において現像ローラ11から遠い一端部39付近から、仕切壁部材25に向う矢符31方向に撹拌搬送するとともに、仕切壁部材25にあたった現像剤については第2現像剤撹拌領域部24内で仕切壁部材25に沿って矢符32方向へ撹拌搬送し、第1間隙26を通りぬけた現像剤については、第1現像剤撹拌領域部23内でさらに現像ローラ11へ向う矢符35方向へ撹拌搬送する。この現像槽12の一端部39付近から現像ローラ11へ向う現像剤の搬送方向を便宜上送り方向と呼ぶ。
また現像槽12には、現像ローラ11と第2撹拌搬送部材28との間、すなわち第2撹拌搬送部材28よりも現像ローラ11寄りに、現像槽12の長手方向に対して平行に、第1現像剤撹拌領域部23から第2現像剤撹拌領域部24にわたって、現像剤を現像ローラ11から遠ざかる方向に撹拌搬送する第1撹拌搬送部材29が、回転自在に設けられる。第1撹拌搬送部材29も、第2撹拌搬送部材28と同様に、いわゆるスクリュー部材であり、回転動作することによって、現像槽12内の現像剤を撹拌し、搬送する。
第1撹拌搬送部材29における現像剤の搬送能力を、第2撹拌搬送部材28と同一に設定することによって、スクリュー羽根、軸、軸受けなどの構成部品を、2つの撹拌搬送部材28,29で共通化することができコストダウンが図れる。一方、2つの撹拌搬送部材28,29の搬送能力を互いに異ならせることによって、流動性の異なる現像剤に対しても現像槽側で最適化が可能となる。
第1撹拌搬送部材29は、第2撹拌搬送部材28が現像槽12の長手方向他端部40付近に搬送した現像剤を、現像ローラ11に沿って仕切壁部材25に向う矢符37方向に搬送するとともに、仕切壁部材25にあたった現像剤については第1現像剤撹拌領域部23内で仕切壁部材25に沿って第2撹拌搬送部材28へ向う矢符38方向へ搬送し、第2間隙27を通りぬけた現像剤については、第2現像剤撹拌領域部24内でさらに一端部39付近へ向う矢符33方向へ搬送する。この現像槽12の他端部40付近から現像ローラ11に沿って一端部39付近へ向う現像剤の搬送方向を便宜上帰り方向と呼ぶ。
また、現像装置10では、第1現像剤撹拌領域部23内において、第2撹拌搬送部材28と第1撹拌搬送部材29との間には、第1撹拌中間壁部材41が設けられる。第1撹拌中間壁部材41は、たとえば合成樹脂などからなる平板状の部材であり、現像槽12の長手方向に延びて現像槽12の底部から立ち上がるようにして設けられる。ただし、第1撹拌中間壁部材41は、第1現像剤撹拌領域部23の長手方向の長さよりも短い長さになるように形成されるので、第1現像剤撹拌領域部23内において、他端部40付近では、第2撹拌搬送部材28から第1撹拌搬送部材29へ向う矢符36方向の現像剤の流れ、また仕切壁部材25付近では、第1撹拌搬送部材29から第2撹拌搬送部材28へ向う矢符38方向の現像剤の流れが形成される。
したがって、第1現像剤撹拌領域部23内では、第1および第2撹拌搬送部材28,29と、仕切壁部材25と、第1撹拌中間壁部材41とによって、前記送り方向から帰り方向に連なる現像剤の循環流、図1中では矢符35,36,37,38で示される現像剤の循環流が形成される。
また、第2現像剤撹拌領域部24内において、第2撹拌搬送部材28と第1撹拌搬送部材29との間には、第2撹拌中間壁部材42が設けられる。第2撹拌中間壁部材42は、たとえば合成樹脂などからなる平板状の部材であり、現像槽12の長手方向に延びて現像槽12の底部から立ち上がるようにして設けられる。ただし、第2撹拌中間壁部材42は、第2現像剤撹拌領域部24の長手方向の長さよりも短い長さになるように形成されるので、第2現像剤撹拌領域部24内において、仕切壁部材25付近では、第2撹拌搬送部材28から第1撹拌搬送部材29へ向う矢符32方向の現像剤の流れ、また一端部39付近では、第1撹拌搬送部材29から第2撹拌搬送部材28へ向う矢符34方向の現像剤の流れが形成される。
したがって、第2現像剤撹拌領域部24内では、第1および第2撹拌搬送部材28,29と、仕切壁部材25と、第2撹拌中間壁部材42とによって、前記送り方向から帰り方向に連なる現像剤の循環流、図1中では矢符31,32,33,34で示される現像剤の循環流が形成される。
また、現像装置10は、現像槽12内の現像剤のトナー濃度を検出するトナーセンサ14を含む。トナーセンサ14としては、透磁率センサが用いられ、キャリアとトナーとの配合比であるトナー濃度が検出される。
二成分現像剤のトナーには非磁性材料が用いられ、キャリアには鉄粉、フェライトなどの磁性材料が用いられる。そして、その透磁率、現像剤中の磁性材料の磁性を検出することによって、現像剤中の磁性材料と非磁性材料との混合比すなわち磁性材料の相対濃度の変化、また現像剤の透磁率を検出することによって、現像剤中の磁性材料であるキャリアの濃度、逆に現像剤中の非磁性材料であるトナーの濃度を検出することができる。
トナーセンサ14は、第1現像剤撹拌領域部23内で、現像ローラ11よりも現像剤の撹拌搬送方向上流側、すなわち現像槽12の他端部40付近で第2撹拌搬送部材28を臨んで第1現像剤撹拌領域部23の壁材に装着されて、トナー濃度を検出する。トナーセンサ14を上記のように設けることによって、トナーセンサ14は、現像ローラ11に供給される前、すなわち現像に供せられる前の現像剤のトナー濃度を測定することができる。そして、現像装置10では、トナーセンサ14によるトナー濃度の検出結果に基づいて、新規トナー50および回収トナー52の補給量、補給タイミングを制御して、現像に供せられる前の現像剤のトナー濃度が適正使用トナー濃度になるようにする。
本発明の現像装置10では、トナーセンサ14によるトナー濃度の検出出力値に応じ、制御部がトナーホッパ(図示せず)を動作させて、現像槽12内へ新しいトナーである新規トナー50を補給する。トナーホッパは、たとえば硬質合成樹脂などからなる容器部材であり、その内部空間に新規トナー50を収容し、制御部からの動作指令に応じて新規トナー補給ローラ49を駆動させて、現像槽12に対して新規トナー50を補給する。
前記新規トナー補給ローラ49は、第1現像剤撹拌領域部23内の第2撹拌搬送部材28の上方に配置されて、トナーホッパからの新規トナー50が現像槽12内に補給される開口となる新規トナー補給口49aに、その外周が摺接しながら回転可能なように設けられる。新規トナー補給ローラ49は、芯金のまわりに円筒状のたとえば発泡ウレタンなどの多孔性弾性部材が設けられたものであり、トナーホッパ内で新規トナー補給ローラ49の多孔性弾性部材に保持されるトナーが、新規トナー補給口49aと新規トナー補給ローラ49との摺擦で新規トナー補給ローラ49から脱落し、現像槽12へ補給される。
新規トナー50が現像槽12へ補給される開口である新規トナー補給口49aの位置は、第1現像剤撹拌領域部23内の第2撹拌搬送部材28の上方でかつ仕切壁部材25近傍であり、第1現像剤撹拌領域部23内において第2撹拌搬送部材28が現像剤を現像槽12の一端部39側から現像ローラ11へ向けて搬送する搬送方向の最上流側に対応する部分である。つまり、新規トナー補給口49aの位置は、第2撹拌搬送部材28と第1撹拌搬送部材29とによって現像槽12内で形成される撹拌搬送路で見た場合、第1現像剤撹拌領域部23内において現像ローラ11へ現像剤を供給する部位から最も遠い位置にあたる。したがって、新規トナー50が新規トナー補給口49aから補給されてから、現像ローラ11へ供給されるまでの間に、撹拌時間を充分に確保することができ、現像槽12内に貯留されている現像剤と補給された新規トナー50とが充分に撹拌されるので、トナー濃度が均一な現像剤として現像ローラ11に供給することができる。
また、画像形成装置100が有する前記クリーニング手段6のトナー貯留槽6bに回収された回収トナー52は、図示しない搬送経路によって、第2現像剤撹拌領域部24の近傍まで運ばれ、回収トナー補給ローラ51によって落下されて、回収トナー補給口51aから現像槽12内に供給される。
回収トナー52が現像槽12へ供給される開口である回収トナー補給口51aの位置は、第2現像剤撹拌領域部24内の第1撹拌搬送部材29の上方でかつ仕切壁部材25近傍であり、第2現像剤撹拌領域部24内において第1撹拌搬送部材29が現像剤を現像槽12の他端部40側から一端部39側へ向けて搬送する搬送方向の最上流側に対応する部分である。つまり、回収トナー補給口51aの位置は、第2撹拌搬送部材28と第1撹拌搬送部材29とによって現像槽12内で形成される撹拌搬送路で見た場合、第2現像剤撹拌領域部24内において現像ローラ11へ現像剤を供給する部位から最も遠い位置にあたる。したがって、回収トナー52が回収トナー補給口51aから供給されてから、現像ローラ11へ供給されるまでの間に、撹拌時間を充分に確保することができ、現像槽12内に貯留されている現像剤と供給された帯電性能の劣化した回収トナー52とが、第2現像剤撹拌領域部24内で充分に撹拌された後、さらに第1現像剤撹拌領域部23へと運ばれて撹拌されるので、回収トナー52が現像剤中のキャリアと充分に接触して電荷が付与されて、均一な帯電性能を有する現像剤として現像ローラ11に供給することができる。
図5は、現像槽内に回収トナーを供給したときの、供給後経過時間と、トナー帯電量およびトナー濃度との関係を示すグラフである。図5(a)は、現像槽が第1および第2現像剤撹拌領域部を有する本発明の現像装置を使用した場合における、現像ローラに供給されたトナーの帯電量の変化、トナーセンサが検出したトナー濃度の変化を示す。図5(b)は、現像槽における現像剤撹拌領域部が1つである現像装置を使用した場合における、現像ローラに供給されたトナーの帯電量の変化、トナーセンサが検出したトナー濃度の変化を示す。図5より、現像槽が第1および第2現像剤撹拌領域部を有する本発明の現像装置を使用した場合には、回収トナーを現像槽内に供給しても、経過時間にともなうトナー帯電量およびトナー濃度の変化幅が小さいことがわかる。これに対して、現像槽における現像剤撹拌領域部が1つである現像装置を使用した場合には、回収トナーを現像槽内に供給した後、経過時間にともなってトナー帯電量およびトナー濃度の変化幅が大きいことがわかる。
以上の結果から、現像装置10においては、現像槽12内の第2現像剤撹拌領域部24では、回収トナー52の劣化を回復させるための現像剤の循環流が形成され、第1現像剤撹拌領域部23では、比較的新規トナー50の割合が多い現像剤の循環流が形成され、第2現像剤撹拌領域部24と第1現像剤撹拌領域部23とを連通する仕切壁部材25の第1および第2間隙26,27を通じて、両循環流が最適な割合で混合されるので、現像槽12全体の撹拌効率が向上されてトナー濃度が均一となり、かつ回収トナー52の帯電性能などの劣化が回復された現像剤を現像ローラ11に供給することができる。
このことによって、現像装置10が搭載される画像形成装置が高速機であっても、第1および第2撹拌搬送部材28,29の回転速度を高速化することなく低速のままで、補給された新規トナー50および回収トナー52と、現像槽12内に貯留される現像剤とを充分に撹拌して均一化し、現像ローラ11へ供給することができるので、現像剤に与える負荷を低減し、現像剤の寿命を長くすることができる。
図6は、本発明の第2実施形態である現像装置60の構成を示す図である。図6(a)は、現像装置60における現像槽12の内部構造を示す上面図である。図6(b)は、現像装置60における第2現像剤攪拌領域部24の内部構造を示す第2現像剤攪拌領域部24側の端部から見た断面図である。第2実施形態である現像装置60は、第1実施形態の現像装置10に類似し、対応する部分については同一の参照符号を付して説明を省略する。
第2実施形態の現像装置60における特徴的な構成は、仕切壁部材25の一部に、メッシュ状の異物除去部材25aが設けられていることである。異物除去部材25aは、平板状の部材である。異物除去部材25aは、現像剤と接触する部材であるので、異物除去部材25aを構成する材料としては、現像剤中のトナーから電荷を奪うことがなく、かつ電荷を蓄積することがないような材料から選択するのが好ましい。さらに、異物除去部材25aは、後述するように、現像剤の搬送にともなって振動するように構成されることを考慮すると、比較的低密度の材料から選択するのが好ましい。具体的には、異物除去部材25aは、SUS(ステンレス)からなる平板状の部材であり、または表面を錫コバルト合金や金メッキした部材である。このような材料からなる異物除去部材25aは、さらに、耐湿性に優れ、錆が発生するのが防止され、現像剤に悪影響を与えることがない。
第2現像剤撹拌領域部24において回収トナー52が供給された現像剤は、その一部が、第2撹拌搬送部材28によって第1間隙26を通り第2現像剤撹拌領域部24から第1現像剤撹拌領域部23へ搬送されるけれども、その残部が、仕切壁部材25に衝突することになる。
異物除去部材25aは、仕切壁部材25における第2撹拌搬送部材28が配置されている側に設けられる。つまり、異物除去部材25aは、回収トナー補給口51aから第2現像剤撹拌領域部24内に供給された回収トナー52の搬送経路から見た場合には、第2現像剤撹拌領域部24における搬送方向最下流側に設けられている。また、異物除去部材25aは、そのメッシュ開口部の打ち抜き方向が、現像剤の搬送方向に向かって同方向となるように配置される。これによって、異物除去部材25aのメッシュ開口部を打ち抜きによって製造するときに形成される鋭利な部分(バリ)で現像剤が劣化するのを防止することができる。また、メッシュ開口部におけるバリの突出によって現像剤の通過が阻害されるのを防止することができ、また、バリが脱落するのを防止することができる。
ここで、現像剤の劣化とは、キャリア表面の被覆層の剥離、キャリア表面へのトナーの固着(スペント)などが生起した状態である。このようなキャリアは、トナーに正常な電荷を付与できないので、画像の画質低下を招く。
異物除去部材25aのメッシュ開口部を現像剤が通過するときに、現像剤中に含まれた回収トナー52由来の所定以上の大きさの紙粉や異物が捕捉される。また、現像剤中に、トナー粒子同士が付着して塊状となった凝集トナーがあった場合でも、その凝集トナーが異物除去部材25aのメッシュ開口部を通過するときに砕かれ、より現像剤と混合しやすくなる効果もある。異物除去部材25aのメッシュ開口部を通過できずに捕捉された紙粉や異物は、第2現像剤撹拌領域部24内における第1および第2撹拌搬送部材28,29による撹拌で、メッシュ開口部を通過できるようになるまで粉砕される。メッシュ開口部を通過可能になった紙粉や異物は、キャリアによりトナーと同極性に帯電されやすく、また、画像の白部に付着しても目立ちにくいため、地汚れの発生を防止することができる。
異物除去部材25aのメッシュ開口部の開口径は、現像剤を構成するトナーおよびキャリアがメッシュ開口部を通過可能であり、所定以上の大きさの紙粉や異物が捕捉可能となるように設定される。本実施の形態では、メッシュ開口部の開口径は、体積平均粒子径が6μm程度のトナーおよび体積平均粒子径が40μm程度のキャリアが通過可能であり、80μm以上の紙粉や異物の捕捉が可能となるように設定される。具体的には、メッシュ開口部の開口径は、粒度分布を有するキャリアの最大一次粒子径の2〜3倍程度に設定されている。
また、仕切壁部材25の一部に形成される異物除去部材25aの面積は、仕切壁部材25の面積に対して、20%以上の割合となるように設定される。20%未満では、異物除去部材25aによる紙粉や異物の充分な捕捉能力が得られない。
また、仕切壁部材25における第2撹拌搬送部材28が配置される側の一部に形成される異物除去部材25aでは、その仕切壁部材25表面に対する形成位置は、第2撹拌搬送部材28のスクリュー羽根28aの巻き方向、回転方向を考慮して設定するのが好ましい。具体的には、第2撹拌搬送部材28においては、前述したように、スクリュー羽根28aの巻き方向、回転方向に応じて、現像剤は、左右どちらかに傾斜して撹拌搬送される。この現像剤が傾斜して撹拌搬送される傾斜方向高い側に、異物除去部材25aを配置することによって、効率よく紙粉や異物を捕捉することができる。
また、平板状の異物除去部材25aは、1つの辺に対応する一端部のみが現像槽12の壁面に固定され、他端部が自由端となるように構成され、所定の厚みを有する。これによって、異物除去部材25aは、現像剤がメッシュ開口部を通過するときに、現像剤の撹拌搬送にともなう押圧力によって変位する。現像剤の撹拌搬送にともなう前記押圧力は、一定ではなく変動するものなので、異物除去部材25aの変位の大きさも変動する。したがって、異物除去部材25aは、現像剤がメッシュ開口部を通過するときに変位の大きさが変動して振動し、これによって、メッシュ開口部が凝集トナーによって目詰まりするのを防止することができるとともに、現像剤に余分な負荷がかからずに現像剤の劣化を防止することができる。
異物除去部材25aの厚みは、撹拌搬送される現像剤による押圧力によって変位して振動するように、第1および第2撹拌搬送部材28,29の現像剤に対する搬送能力(現像剤を撹拌搬送する搬送速度および搬送量)を考慮して設定される。本実施の形態では、第1および第2撹拌搬送部材28,29の現像剤に対する搬送能力が、搬送速度が6.2m/minで搬送量が1700g/minであるのに対して、異物除去部材25aの厚みは、0.08〜0.1mmに設定されている。
また、異物除去部材25aのメッシュ開口部を通過しなかった残りの現像剤は、仕切壁部材25に沿って第2現像剤撹拌領域部24内を撹拌搬送、循環されて、より撹拌がなされることになる。
図7および図8は、仕切壁部材25に形成される異物除去部材の他の例を示す図である。図7(a)は、異物除去部材25bが形成された仕切壁部材25を第2現像剤攪拌領域部24側の端部から見た断面図である。図7(b)は、異物除去部材25cの平面図である。図8(a)は、仕切壁部材25に形成される異物除去部材25dの側面図である。図8(b)は、仕切壁部材25に形成される異物除去部材25eの側面図である。
仕切壁部材25に形成される異物除去部材としては、図7(a)に示すように、仕切壁部材25における第2撹拌搬送部材28が配置されている側の全面(第2撹拌搬送部材28と接触する部分を除く)に対応する部分に、平板状でありメッシュ状の異物除去部材25bが形成されるようにしてもよい。また、図7(b)に示すように、仕切壁部材25の全面がメッシュ状となるようにして、異物除去部材25cとしてもよい。このように、第1現像剤撹拌領域部23と第2現像剤撹拌領域部24との連接部分に、全面がメッシュ状の異物除去部材25b,25cが形成されている場合には、メッシュ部分が現像剤の搬送を阻止する阻止領域部となり、メッシュ開口部が現像剤が通過する通過領域部となる。
メッシュ状の異物除去部材25bおよび25cは、いずれも前述した異物除去部材25aと同様に、一端部のみが現像槽12の壁面に固定され、他端部が自由端となるように構成されて、メッシュ開口部を通過できない所定以上の大きさの紙粉や異物を捕捉する。
また、図8(a)に示すように、仕切壁部材25の表面から第2現像剤撹拌領域部24の内方側に向けて突出する複数の凸形状の異物除去部材25dとしてもよい。また、図8(b)に示すように、仕切壁部材25の表面から第2現像剤撹拌領域部24の内方側に向けて突出する複数のかぎ形状の異物除去部材25eとしてもよい。仕切壁部材25表面から突出するように形成される異物除去部材25dおよび25eは、いずれも、仕切壁部材25表面に沿って撹拌搬送される現像剤中の紙粉や異物を、引っ掛けるようにして捕捉する。
また、第2現像剤撹拌領域部24内における紙粉や異物の捕捉能力を向上させるために、仕切壁部材25以外に、第2撹拌中間壁部材42の一部または全部をメッシュ状にしてもよい。また、第2撹拌中間壁部材42の表面から突出する凸形状またはかぎ状の異物除去部材を設けてもよい。また、第2現像剤撹拌領域部24の内壁面に、内方に向かって突出する凸形状またはかぎ状の異物除去部材を設けてもよい。
以上のように、現像装置10,60では、現像槽12全体の撹拌効率が向上されてトナー濃度が均一となり、かつ回収トナー52の帯電性能などの劣化が回復された現像剤を、現像ローラ11を介して感光体2に供給して静電潜像を現像することができる。したがって、このような現像装置10,60を備えた画像形成装置100は、均一な画像濃度でドット再現性に優れ、カブリが防止された高画質画像を長期にわたって形成することが可能である。
ここで、画像濃度は、ベタ画像濃度をポータブル分光測色濃度計(商品名:X−Rite 939、X−Rite社製)を用いて測定することができる。ドット再現性は、1ドット印字−3ドット分印字無しという孤立ドットを印字し、孤立ドットを含む領域の濃度をポータブル分光測色濃度計で測定することによって簡易的に評価することができる。カブリは、印字の無い部分の濃度と、印字工程を通っていない紙の濃度とを、ポータブル分光測色濃度計で測定し、測定値の差によって評価することができる。
なお、本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に開示した範囲で、種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。