JP5016777B2 - スピカマイシン誘導体を用いての疼痛の低減または予防法 - Google Patents

スピカマイシン誘導体を用いての疼痛の低減または予防法 Download PDF

Info

Publication number
JP5016777B2
JP5016777B2 JP2002528183A JP2002528183A JP5016777B2 JP 5016777 B2 JP5016777 B2 JP 5016777B2 JP 2002528183 A JP2002528183 A JP 2002528183A JP 2002528183 A JP2002528183 A JP 2002528183A JP 5016777 B2 JP5016777 B2 JP 5016777B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
pain
composition according
compound
salt
reducing
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2002528183A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2004537494A5 (ja
JP2004537494A (ja
Inventor
デビッド ボルスーク
Original Assignee
ザ ジェネラル ホスピタル コーポレイション
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by ザ ジェネラル ホスピタル コーポレイション filed Critical ザ ジェネラル ホスピタル コーポレイション
Publication of JP2004537494A publication Critical patent/JP2004537494A/ja
Publication of JP2004537494A5 publication Critical patent/JP2004537494A5/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5016777B2 publication Critical patent/JP5016777B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K31/00Medicinal preparations containing organic active ingredients
    • A61K31/70Carbohydrates; Sugars; Derivatives thereof
    • A61K31/7042Compounds having saccharide radicals and heterocyclic rings
    • A61K31/7052Compounds having saccharide radicals and heterocyclic rings having nitrogen as a ring hetero atom, e.g. nucleosides, nucleotides
    • A61K31/706Compounds having saccharide radicals and heterocyclic rings having nitrogen as a ring hetero atom, e.g. nucleosides, nucleotides containing six-membered rings with nitrogen as a ring hetero atom
    • A61K31/7064Compounds having saccharide radicals and heterocyclic rings having nitrogen as a ring hetero atom, e.g. nucleosides, nucleotides containing six-membered rings with nitrogen as a ring hetero atom containing condensed or non-condensed pyrimidines
    • A61K31/7076Compounds having saccharide radicals and heterocyclic rings having nitrogen as a ring hetero atom, e.g. nucleosides, nucleotides containing six-membered rings with nitrogen as a ring hetero atom containing condensed or non-condensed pyrimidines containing purines, e.g. adenosine, adenylic acid
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P25/00Drugs for disorders of the nervous system
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P25/00Drugs for disorders of the nervous system
    • A61P25/02Drugs for disorders of the nervous system for peripheral neuropathies
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P29/00Non-central analgesic, antipyretic or antiinflammatory agents, e.g. antirheumatic agents; Non-steroidal antiinflammatory drugs [NSAID]
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P35/00Antineoplastic agents
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N2500/00Screening for compounds of potential therapeutic value

Landscapes

  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Animal Behavior & Ethology (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Veterinary Medicine (AREA)
  • Public Health (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Pharmacology & Pharmacy (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Nuclear Medicine, Radiotherapy & Molecular Imaging (AREA)
  • General Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Bioinformatics & Cheminformatics (AREA)
  • Neurology (AREA)
  • Neurosurgery (AREA)
  • Epidemiology (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Molecular Biology (AREA)
  • Biomedical Technology (AREA)
  • Rheumatology (AREA)
  • Pain & Pain Management (AREA)
  • Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)
  • Saccharide Compounds (AREA)
  • Medicinal Preparation (AREA)
  • Medicines That Contain Protein Lipid Enzymes And Other Medicines (AREA)
  • Investigating Or Analysing Biological Materials (AREA)

Description

【0001】
関連出願への相互参照
本出願は、2000年9月20日出願の米国特許仮出願第60/234,382号の恩典を主張する。
【0002】
発明の背景
スピカマイシン(SPM)は、細菌ストレプトマイセス・アラノシニカス(Streptomyces alanosinicus) 879-MT3(ハヤカワ(Hayakawa)ら、Agric. Biol. Chem. 49:2685〜2691、1985)によって産生される抗腫瘍抗生物質である。スピカマイシンおよびその誘導体は、疼痛軽減のためにも用いられる(米国特許第5,905,069号)。天然SPMは、脂肪酸部分においてのみ変動する下記の一般構造を有している:
【化6】
Figure 0005016777
I :スピカマイシン
スピカマイシンの合成変種およびそれらの抗腫瘍物質としての使用は、オタケ(Otake)ら、米国特許第5,461,036号および第5,631,238号に記載されている。
【0003】
発明の概要
本発明は、スピカマイシン誘導体のサブクラスにおいて脂肪酸部分を実質的に除去することにより、疼痛の治療に特に有用な薬物が得られるという予想外の発見に基づいている。このスピカマイシン誘導体のサブクラスは、脂肪酸を含む誘導体に比べて高い水溶性を示し、したがって、ヒトへの投与に適した調合物(例えば、生理的緩衝液を含む調合物)への許容性がより高い。加えて、このスピカマイシン誘導体のサブクラスを含む薬学的調合物は、活性成分を可溶化するために有毒な親油性担体を必要としないため、可能性のある毒性を低下させることができる。
【0004】
したがって、本発明は、疼痛軽減を必要とする対象(例えば、ヒト、イヌ、ネコ、またはウマなどの哺乳類)を同定すること;および対象における著しい疼痛軽減を提供するのに有効な式IIの化合物の一定量を対象に投与することにより、疼痛軽減を提供する方法を特徴とする。
【化7】
Figure 0005016777
R1およびR2は互いに異なり、-Hまたは-OHを表し、かつRは(1)一つもしくは二つの炭素原子(すなわち、二つ以下の炭素原子)を有する置換もしくは無置換アルキル、または(2)-Hを表す。例えば、Rはアミノ基(例えば、一級アミノ基)、カルボニル基または両方を含みうる。Rが-COCH2NH2であり、R1が-Hであり、かつR2が-OHである場合、化合物は4’-N-グリシルスピカマイシンアミノヌクレオシド(SAN-Gly)として公知である。Rが-Hである場合、化合物はSANとして公知である。例えば、カミショウハラ(Kamishohara)ら、Oncology Res. 6:383〜390、1994を参照されたい。式IIの化合物の塩も、本発明の方法において用いることができる。
【0005】
本明細書の方法において有用な式IIの化合物(およびその塩)は、R1およびR2が独立にHまたはOHで、ただしR1およびR2は同時に同じではなく、かつ:
各R基は独立にH、または1個から3個の独立のR3もしくはR4で置換された1から5個(例えば、1個から2個、1個から3個、1個から4個)の炭素原子を有するアルキル基であってもよく;
各R3は独立に、いずれも1個〜3個の独立のR5で選択的に置換されたヘテロシクリルまたはヘテロアリールであり;
各R4は独立にハロゲン、酸素、硫黄、CF3、SR6、OR6、OC(O)R6、NR6R6、NR6R7、COOR6、C(O)R6、またはC(O)NR6R6であり;
各R5は独立にC1〜C10アルキル;ハロ;ハロアルキル;SR6;OR6;NR6R6;COOR6;NO2;CN;C(O)R6;C(O)NR6R6;OC(O)R6;S(O)2R6;S(O)2NR6R6;NR6C(O)NR6R6;NR6C(O)R6;NR6(COOR6);NR6C(O)R8;NR6S(O)2NR6R6;NR6S(O)2R6;NR6S(O)2R8;またはR4もしくはR8で置換されたC1〜C10アルキルであり;
各R6は独立にH、C1〜C10アルキル;C2〜C10アルケニル;C2〜C10アルキニル;C3〜C10シクロアルキル;R8;またはR8で置換されたC1〜C10アルキルであり;
各R7は独立にCOOR9、C(O)NR9R9、S(O)2R9;またはS(O)2NR9R9であり;
各R8は独立にアリール、ヘテロアリール、またはヘテロシクリルであり;
各R9は独立にH、C1〜C10アルキル、アリール、ヘテロアリール、またはヘテロシクリルである化合物でもある。
【0006】
「アルキル」という用語は、炭素原子を含む直鎖もしくは分枝炭化水素鎖または環状炭化水素部分を意味する。これらのアルキル基は一つまたは複数の二重結合または三重結合を含んでいてもよい。「置換アルキル」とは、アルキルの原子が、例えば、炭素、窒素、硫黄、酸素、もしくはハロゲン原子で、または窒素、硫黄、酸素、もしくはハロゲン原子で置換されているアルキルを意味する。
【0007】
「置換アルキル」におけるアルキル基の任意の原子に結合されうる置換基の例には、ヘテロシクリル基;ヘテロアリール基、アミノ基、アミド基、アルコキシ基、アシルオキシ基、チオアルコキシ基、アシルチオアルコキシ基、ハロゲン基、スルホネート基、スルホンアミド基、エステル基、カルボン酸、酸素(例えば、カルボニル基)および硫黄(例えば、チオカルボニル基)が含まれる。置換基には分子の水溶性を改善するいかなる化学官能基(例えば、カルボン酸、カルボン酸エステル、カルボキサミド、モルホリノ、ピペラジニル、イミダゾリル、チオモルホリノ、またはテトラゾリル基;置換および無置換の両方)も含まれる。
【0008】
「ハロ」および「ハロゲン」なる用語は、フッ素、塩素、臭素またはヨウ素のいかなる基も意味する。「環」および「環構造」なる用語は、表示の数の原子を含み、該原子は炭素、または示されている場合には窒素、酸素もしくは硫黄などのヘテロ原子である環を意味する。環自体、ならびにその上の任意の置換基が、安定な化合物の形成を可能にする任意の原子に結合されていてもよい。
【0009】
「アリール」なる用語は、6-炭素単環式または10-炭素二環式芳香環構造であって、ここで各環の0、1、2または3個の原子は置換基で置換されていてもよい環構造を意味する。アリール基の例にはフェニル、ナフチルなどが含まれる。
【0010】
「ヘテロアリール」なる用語は、芳香族の5員〜8員単環式、8員〜12員二環式、または11員〜14員三環式環構造であって、単環式であれば1個〜3個のヘテロ原子、二環式であれば1個〜6個のヘテロ原子、または三環式であれば1個〜9個のヘテロ原子を含み、該ヘテロ原子はO、N、またはSから選択され、各環の0、1、2または3個の原子は置換基で置換されていてもよい環構造を意味する。ヘテロアリール基の例には、ピリジル、フリルまたはフラニル、イミダゾリル、ベンズイミダゾリル、ピリミジニル、チオフェニルまたはチエニル、キノリニル、インドリル、チアゾリルなどが含まれる。
【0011】
「ヘテロシクリル」なる用語は、非芳香族の5員〜8員単環式、8員〜12員二環式、または11員〜14員三環式環構造であって、単環式であれば1個〜3個のヘテロ原子、二環式であれば1〜6個のヘテロ原子、または三環式であれば1個〜9個のヘテロ原子を含み、該ヘテロ原子はO、N、またはSから選択され、各環の0、1、2または3個の原子は置換基で置換されていてもよい環構造を意味する。ヘテロシクリル基の例には、ピペリジニル、ピロリジニル、ジオキサニル、モルホリニル、テトラヒドロフラニルなどが含まれる。
【0012】
本発明によって企図される置換基および変量の組み合わせは、結果として安定な化合物を形成するものだけである。本明細書において用いられる「安定な」なる用語は、製造を可能にするのに十分な安定性を有し、かつ本明細書において詳述される目的(例えば、対象への治療的もしくは予防的投与、または防腐薬、創傷包帯含浸、滅菌剤、もしくは消毒剤への適用)のために有用たるに十分な期間、化合物の完全性を維持する化合物を意味する。
【0013】
「疼痛軽減を必要とする対象」は、必ずしも現在疼痛を経験しているわけではなく、「疼痛軽減」は100%未満の疼痛低減を含む。例えば、本発明は、いかなる原因による神経障害性疼痛、例えば、ヘルペス後神経痛、幻肢痛または切断端痛、糖尿病性神経障害、後天性免疫不全症候群神経障害、背痛、および内臓痛(例えば慢性膵炎)に対しても、ヒト患者、イヌ、ネコ、またはウマを含む哺乳類を治療するために用いることができる。「神経障害性疼痛」とは、末梢神経系への損傷または末梢神経系の障害によって生じる疼痛を意味する。
【0014】
化合物は局所または全身、例えば、インプラント(例えば、遅延放出のため)を介して、または静脈内大量注射もしくは塊状注入により投与することができる。「インプラント」とは、皮膚よりも深部の組織内にある任意の装置であって、その組織内で装置は化合物を制御放出または持続放出する。そのような装置は薬物送達の分野では公知である(例えば、米国特許第6,013,853号参照)。例えば、式IIの化合物を、マイクロカプセル送達系を含む、制御放出調合物などの体内からの急速な排出から化合物を保護する担体と共に調製することができる。エチレン酢酸ビニル、ポリ無水物、ポリグリコール酸、コラーゲン、ポリオルトエステル、およびポリ乳酸などの生物分解性、生物適合性ポリマーを用いることができる。そのような調合物の調製法は、当業者には明らかであると思われる。この物質は、アルザ社(Alza Corporation)およびノバ ファーマシューティカルズ社(Nova Pharmaceuticals, Inc.)からも市販されている。リポソーム懸濁液も、薬学的に許容される担体として用いることができる。これらは、例えば米国特許第4,522,811号に記載のとおり、当業者には公知の方法に従って調製することができる。一回で投与される化合物の量は、体表面積1m2あたり約1ngから4mg(例えば、体表面積1m2あたり80ngから1mg)であってもよく、化合物は薬学的に許容される担体を選択的に含む水溶液に調合することができる。他の適当な用量は、体重1kgあたり約1mgから1000mg(例えば、体重1kgあたり約10mgから500mg、または約100mg)を含む。
【0015】
本発明に従った治療は、現在の疼痛が、オピオイド薬物の使用などの他の疼痛軽減法に抵抗性である患者で、疼痛の軽減をもたらす。本発明は、疼痛を予防するために、疼痛を予測して用いることもできる。
【0016】
本発明はさらに、選択的に急性侵害受容性疼痛よりも神経障害性疼痛を選択的に阻害、治療、または予防する方法であって、疼痛軽減を必要とする対象を同定する段階、および式IIのものを含む、本明細書に示されている任意の式の化合物(または組成物)を投与する段階を含む方法に関する。もう一つの局面において、その方法は選択的に侵害受容性疼痛よりも神経障害性疼痛を選択的に阻害、治療、または予防することを含み、疼痛軽減を必要とする対象を同定する段階、および本明細書に示されている任意の式の化合物(または組成物)を投与する段階を含む。これらの方法の一つの局面において、選択的にとは、侵害受容性疼痛よりも神経障害性疼痛をより強く阻害することを意味する。これらの方法のもう一つの局面において、選択的にとは、1999年5月18日発行のボルスーク(Borsook)ら、米国特許第5,905,069号(およびその中で引用されている参考文献)、およびアブディ(Abdi)ら、Anesth. Analg. 91、955〜999(2000)に記載のものを含む、標準疼痛モデルによって決定されるとおり、侵害受容性疼痛よりも神経障害性疼痛を少なくとも50%強く(例えば、>100%強く、>200%強く、500%強く)阻害することを意味する。
【0017】
本発明は、神経障害性疼痛治療を含む、疼痛仲介に関与する受容体として、遺伝子(またはそれらの遺伝子によってコードされるポリペプチド)を査定、同定、または有効性確認する方法にも関する。この方法は、本明細書における任意の式の化合物を被験ポリペプチドと接触させる段階、およびその化合物と被験ポリペプチドとの結合親和性を測定する段階を含む。化合物に対してより大きい親和性を有するポリペプチド(およびそれらをコードする遺伝子)が、疼痛仲介、特に神経障害性疼痛の仲介に直接関与する可能性がより大きい候補である。したがって、これらは、疼痛の治療または予防のための、疼痛仲介の新しい機構およびリガンド(例えば、ペプチドまたは小分子薬物)による阻害の標的についての調査および開発研究の興味深い標的であると考えられる。化合物と受容体との結合親和性の解析は、化合物、標的、もしくは既知のペプチド-リガンド相互作用を仲介する他のリガンドを検出するための標識(放射性標識、蛍光)研究を含む、薬物スクリーニング/設計、ゲノム科学、および医薬品化学分野において公知のアッセイ法、方法、および技術を用いて実施することができるか、または間接的読出し(例えば、その放出または生成が化合物と被験ポリペプチドとの結合相互作用に依存しているマーカーの存在を測定する)を含むこともできる。
【0018】
本発明はさらに、疼痛薬として可能性があるもの(例えば、ペプチド、化学的実体、小分子)の効力を査定する方法にも関する。本明細書における式の化合物は神経障害性疼痛の仲介において有効であるため、これらは新しい疼痛薬として可能性があるものを査定することができる「標準」としても有用である。そのような方法は、被験化合物(例えば、疼痛薬として可能性があるもの)および式IIの化合物を含む本明細書における任意の式の化合物(すなわち標準)を、被験化合物および本明細書における任意の式の化合物の、疼痛仲介または疼痛の機構調節における有効性の尺度または査定を提供する対象または媒体(例えば、患者、動物モデル、細胞培養、インビトロアッセイ法)に供することにより、被験化合物を本明細書における任意の式の化合物に対して評価する段階を含む。この方法は、被験化合物の疼痛薬としての有効性を査定するために、化合物試験の結果を評価する段階をさらに含んでいてもよい。これらの方法における化合物の有効性の測定または査定は、当技術分野において公知で、かつ容易に利用可能な任意の数の適当な技術およびプロトコルによって実施することができる。
【0019】
本発明は、疼痛仲介に関与する新しい遺伝子、受容体、またはペプチドを同定する方法にも関する。これらの方法は、式IIの化合物を含む、本明細書における任意の式の化合物によって引き出される、疼痛仲介に関与する効果を含む代謝効果を調べるための、これらの化合物の使用を含む。そのような方法は、本明細書における任意の式の化合物を、対象または媒体(例えば、患者、動物モデル、細胞培養、インビトロアッセイ法、組織)に投与する段階、対象または媒体から組織(例えば、背根神経節、神経組織、脊髄組織、または中枢神経系(CNS)組織)を採取する段階、および公知または新規の遺伝子、受容体、またはペプチドの効果について組織を評価する(例えば、誘導、抑制、間接的応答、マーカー産生を同定および/または定量する)段階を含む。公知または新規の遺伝子、受容体、またはペプチドは、疼痛を仲介する新しい薬物のための興味深い標的であり、新しい疼痛仲介、治療、または予防法のための新しい情報および新規な標的を提供する。これらの方法における評価は、遺伝子、受容体、またはペプチドを測定、検出、および同定するための、当技術分野において公知で、かつ容易に利用可能な任意の数の適当な技術およびプロトコルを用いて実施することができる。
【0020】
別に定義されていない限り、本明細書において用いられるすべての科学・技術用語は、本発明が属する分野の当業者によって一般に理解されているものと同じ意味を持つ。適当な方法および材料が以下に記載されているが、本発明の実施または試験において、本明細書に記載のものと類似または同等の方法および材料を用いることもできる。本明細書において言及されるすべての刊行物、特許出願、特許、および他の参考文献は、その全体が参照として本明細書に組み入れられる。抵触がある場合には、定義を含む本明細書により規制される。加えて、材料、方法、および実施例は単なる例示であって、限定するためのものではない。
【0021】
本発明の他の特徴および利点は、下記の詳細な説明および特許請求の範囲から明らかになると思われる。
【0022】
詳細な説明
本発明は、対象に疼痛を低減または予防するのに十分な量の水溶性スピカマイシン誘導体(式II)を投与することにより、疼痛を低減または予防する方法に関する。したがって、本発明の化合物は、任意の適当な経路、例えば、静脈内、動脈内、局所、鼻腔内、吸入により肺内、腹腔内、胸膜内、経口、皮下、筋肉内、舌下、表皮内、腟内、または直腸内により投与することができる。化合物は液剤、懸濁剤、坐剤、錠剤、顆粒剤、散剤、カプセル剤、軟膏、またはクリーム剤として調合することができる。溶媒(例えば、水または生理食塩水)、可溶化剤(例えば、エタノール、ポリソルベート、またはクレモフォア EL7(Cremophor EL7:登録商標)、等張化剤、保存剤、抗酸化剤、賦形剤(例えば、乳糖、デンプン、結晶性セルロース、マンニトール、麦芽糖、リン酸水素カルシウム、軽質無水ケイ酸、または炭酸カルシウム)、結合剤、(例えば、デンプン、ポリビニルピロリドン、ヒドロキシプロピルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、またはアラビアガム)、滑沢剤(例えば、ステアリン酸マグネシウム、タルク、または硬化油)、または安定化剤(例えば、乳糖、マンニトール、麦芽糖、ポリソルベート、マクロゲル、またはポリオキシエチレン硬化ヒマシ油)などの様々な添加剤をこれらの調合物に加えることもできる。適当であれば、下記の化合物も加えることができる:グリセリン、ジメチルアセトアミド、乳酸ナトリウム、界面活性剤、または水酸化ナトリウム、エチレンジアミン、エタノールアミン、重炭酸ナトリウム、アルギニン、メグルミン、もしくはトリスアミノメタンなどの塩基性物質。前述のとおり、式IIの化合物を含む薬学的調合物に有機溶媒(例えば、エタノール)は必要ではない。しかし、疎水性材料(例えば、第二の鎮痛剤)が調合物に含まれる場合、または調合物の薬物動態特性を調節すべき場合には、前掲の可溶化剤および有機物質を用いることができる。液剤、錠剤、顆粒剤、またはカプセル剤などの薬学的調製物を、これらの成分などと共に形成することができる。
【0023】
本発明の化合物の用量は、動物実験の結果および様々な条件を考慮して決定される。例えば、いかなる疼痛軽減候補化合物も、下記の実施例に記載の動物モデルで試験することができる。より具体的な用量は明らかに、投与法や、年令、体重、性別、感受性、摂取した食事、投与間隔、組み合わせて投与された薬剤、ならびに疼痛の原因、重症度、および程度などの対象の条件に応じて変動する。所与の条件下での最適用量および投与頻度は、前述の指針に基づいて、医療専門家の適当な用量試験によって決定しなければならない。
【0024】
SANおよびSAN-Glyなどの、水溶性、非毒性、または低毒性のスピカマイシン誘導体は、当技術分野において公知の方法を用いて調製することができる。例えば、一般的合成方法は米国特許第5,461,036号および第5,631,238号に記載されている。これらの戦略を適合させて、式IIに示すとおり、一つまたは二つの炭素を含む任意のR基を糖基に結合することができる。SANおよびSAN-Glyを調製するための具体的な半合成戦略は、カミショウハラ(Kamishohara)ら、J. Antibiotics 46:1439〜1446、1993;カミショウハラ(Kamishohara)ら、Oncology Res. 6:383〜390、1994;ならびに米国特許第5,461,036号および第5,631,238号に記載されている。本明細書に記載の阻害剤化合物を合成する際に有用な合成化学的変換および保護基方法論(保護と脱保護)は当技術分野において公知であり、例えば、R.ラロック(R. Larock)、「総合有機変換(Comprehensive Organic Transformations)」、VCH Publishers(1989);T.W.グリーン(T.W. Greene)およびP.G.M.ビュッツ(P.G.M. Wuts)、「有機合成における保護基(Protective Groups in Organic Synthesis)」、第2版、John Wiley and Sons(1991);L.フィーザー(L. Fieser)およびM. フィーザー(M. Fieser)、「フィーザーおよびフィーザーの有機合成用試薬(Fieser and Fieser's Reagents for Organic Synthesis)」、John Wiley and Sons(1994);およびL. パケット(L. Paquette)編、「有機合成用試薬百科事典(Encyclopedia of Reagents for Organic Synthesis)」、John Wiley and Sons(1995)、ならびにそれぞれその後の版に記載のものなどが含まれる。
【0025】
本発明の化合物はそのすべての塩を含む。そのような塩の例には、薬学的に許容される無機および有機酸および塩基由来のものが含まれる。適当な酸性塩の例には、酢酸塩、アジピン酸塩、アルギン酸塩、アスパラギン酸塩、安息香酸塩、酪酸塩、クエン酸塩、フマル酸塩、グリコール酸塩、ヘミ硫酸塩、ヘプタン酸塩、ヘキサン酸塩、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、2-ヒドロキシエタンスルホン酸塩、乳酸塩、マレイン酸塩、マロン酸塩、メタンスルホン酸塩、ニコチン酸塩、硝酸塩、シュウ酸塩、パルモ酸塩、ペクチン酸塩、過硫酸塩、ピクリン酸塩、ピバル酸塩、プロピオン酸塩、サリチル酸塩、コハク酸塩、硫酸塩、酒石酸塩、チオシアン酸塩、トシル酸塩およびウンデカン酸塩が含まれる。シュウ酸などの他の酸は、それ自体では薬学的に許容されないが、本発明の化合物およびそれらの薬学的に許容される酸付加塩を得る際の中間体として有用な塩の調製において用いることができる。適当な塩基由来の塩には、アルカリ金属(例えばナトリウム、カリウム)、アルカリ土類金属(例えばマグネシウム)、アンモニウムおよびN-(アルキル)4 塩が含まれる。本明細書における式の化合物には、その中の任意の塩基性窒素含有基の四級化を有するものが含まれる。本発明の化合物は一つまたは複数の不斉中心を含んでいてもよく、したがってラセミ体およびラセミ混合物、単一の鏡像異性体、個々のジアステレオマーならびにジアステレオマー混合物として出現する。これらの化合物のそのような異性体はすべて明らかに本発明に含まれる。
【0026】
神経障害性疼痛とは、末梢神経系の損傷または障害由来の疼痛である(ウールフ(Woolf)、Acta Neurochir. 58:125〜130、1993、およびベネット(Bennett)、「疼痛教本(Textbook of Pain)」における「神経障害性疼痛(Neuropathic Pain)」 、P.D.ウォール(P.D. Wall)およびR.マルザック(R. Malzack)編、201〜224、Churchill Livingstone、エジンバラ(1994)に総説掲載)。神経障害性疼痛を有する患者は典型的には、持続的熱傷もしくは灼熱痛、感覚の部分的消失、触覚もしくは寒冷異痛症、または反復刺激に対する痛覚過敏を含む、原因に無関係の特徴的な一連の感覚障害を示す。末梢神経障害性疼痛にはいくつかの異なる状態が含まれ、そのうち最も一般的であるのは、三叉神経痛、ヘルペス後神経痛、有痛性糖尿病神経障害、ならびに灼熱痛、単神経障害、および末梢神経損傷を含む反射交感神経ジストロフィである。
【0027】
侵害受容性疼痛とは、神経系外の損傷または疾患が原因の疼痛である。これは神経障害性疼痛に特徴的な鋭い、外傷様の疼痛ではなく、むしろ進行中の鈍い痛みまたは圧迫であることが多い。侵害受容性疼痛の例には、癌または関節炎、捻挫、骨折、熱傷、こぶ、挫傷による疼痛が含まれる。急性疼痛では、疼痛の重症度は組織損傷の程度に直接相関する。これにより、鋭利または熱い物にふれた場合、ただちに手を動かす反射などの防衛反射が起こる。この型の疼痛は損傷または患部組織の症状であるため、根元的問題が治癒すれば疼痛も消失する。慢性疼痛では、疼痛は防衛または他の生物学的機能を果たしていないため、急性疼痛とは異なる。むしろ、神経は持続的組織損傷がなくても、脳に痛みのメッセージを送り続ける。
【0028】
疼痛の機構および型が異なるため、選択的に侵害受容性疼痛よりも神経障害性疼痛を選択的に治療または予防することが有益でありうる。別の場合には、疼痛または疼痛症状は神経障害性と侵害受容性の両方の組み合わせであることもあり、そのような場合、両方の型の疼痛の治療が適当でありうる。
【0029】
オピオイド薬物に抵抗性の無能化疼痛を有する患者に対し、非外科的代替法はほとんどない。本発明の方法は、そのような患者に代替の水溶性疼痛軽減剤を提供する。水溶性が高くなれば、対象に経口投与した場合に、全身循環への吸収が高まり、それによって薬物の生物学的利用能が高まりうる。
【0030】
加えて、SAN-Glyなどの水溶性スピカマイシン誘導体は、KRN5500(カミショウハラ(Kamishohara)ら、Oncology Res. 6:383〜390、1994)などの水不溶性スピカマイシン誘導体よりも細胞毒性が低い。このことは、水溶性スピカマイシン誘導体は、慢性疼痛を治療するために必要となりうる反復投与を受ける患者にとって、より安全である。
【0031】
本発明は、水溶性スピカマイシン誘導体および第二の鎮痛剤または抗炎症剤などの薬物(例えば、アスピリン、アセトアミノフェン、イブプロフェン、ナプロキセン、ジクロフェナク、セレコキシブ、NSAIDS、COX-1阻害剤、COX-2阻害剤、ステロイド、ステロイド誘導体、グルココルチコイド)を含む組み合わせ調合物も企図する。
【0032】
これ以上詳細な記載がなくとも、当業者であれば前述の開示および以下の説明に基づき、本発明を完全に利用することができると考えられる。以下の実施例は、当業者がいかにして本発明を実施しうるかを単に例示するためのものと解釈されるべきであり、開示の他の部分をいかなる様式でも制限するものではない。本開示に引用されるすべての特許および刊行物は、参照として本明細書に組み入れられる。
【0033】
実施例 1
比較的水溶性で、低毒性のスピカマイシン誘導体が疼痛軽減に有用であるかどうかを調べるために、化合物SAN-Glyを、米国特許第5,631,238号に記載のとおり半合成的に調製した。次いで、SAN-Glyを食塩水中で調合した。
【0034】
体重150g〜200gの雄Sprague-Dawleyラット(Charles River Laboratories)を用いて、SAN-Gly調合物の鎮痛性を評価した。ラットを3匹の群で、軟らかい床敷きを備えたプラスチックケージ内で、12時間の明暗サイクルで飼育した。飼料および水は自由に与えた。1週間の実験室条件への馴化後、基準の機械的異痛症を確立するため、すべてのラットを試験した。
【0035】
異なる動物疼痛モデルは異なる実験結果を生じうるため、SAN-Glyを二つのラットモデルを用いて試験した。すべての実験は一重盲検様式、すなわち実験者はどのラットが対照食塩水の投与を受け、どのラットがSAN-Gly調合物の投与を受けるか知らない状態で実施した。
【0036】
用いた一つのラットモデルは、実験的に誘発した分節脊髄神経損傷(キム(Kim)ら、Pain 50:355〜363、1992)に基づいていた。実験室条件への馴化の1週間後、基準測定を記録し、キムら、上記に記載のとおりに手術を行った。ラットを酸素中のハロタンで麻酔し、腹臥位に置いた。L4〜S2での正中線皮膚切開を行い、L4〜S2領域で傍脊柱筋を棘突起から分離した。左L5およびL6脊髄神経を同定し、6-O絹糸できつく結紮した。次いで、創傷を縫合した。手術終了時、麻酔を中止し、ラットをケージに戻して、飼料ペレットおよび水を自由に与えた。ラットは約10分以内に麻酔から回復した。
【0037】
ラットを、少なくとも1週間、手術から回復させた。手術の10日から12日後、ホンフライ毛(VFF)による刺激に対する過敏性をモニターすることにより、ラットの異痛症を試験した。ラットを網の床に置き、底の開いた透明なプラスチックの箱で覆いをした。較正したVFF(3.61、3.84、4.08、4.31、4.56、4.74、4.93、および5.16)を左後足の足底皮膚に上げ下げ法を用いて適用し、50%の足の引っ込めを疼痛閾値とした。各VFFをラットの下から、網の床を通して挿入し、毛がちょうど曲がるまで足の第二、第三、および第四指に適用することにより試験した(チャプラン(Chaplan)ら、J. Neurosci. Methods 53:55〜63、1994)。試験はVFF適用を4回反復して行った(10秒〜15秒に1回の頻度)。次いで、ラットを二群に分け、一群には食塩水を投与し、もう一群にはSAN-Gly調合物(体重1kgあたり100mg;尾静脈に一回の大量注入)を投与した。次いで、両群を手術後の様々な時点で異痛症についてモニターした。
【0038】
他のラットモデルは、実験的に誘発した慢性締め付け神経損傷(chronic constriction nerve injury)(ベネット(Bennett)ら、Pain 33:87〜107、1988)に基づいていた。ベネットら、上記に記載のとおりに、ラットで末梢単神経障害を引き起こした。ハロタン麻酔下でラットに手術を行い、総坐骨神経を露出した。次いで、神経を緩く結紮し、創傷を縫合し、ラットを少なくとも1週間回復させた。次いで、ラットの異痛症を試験し、二群に分け、前述のとおりに再度試験した。
【0039】
両方の動物モデルを用いた結果を合わせ、図1に概要を示している。SAN-Glyの単回注入により、基準疼痛行動への60%の回復が得られ、この疼痛耐容性上昇は手術後少なくとも7日間持続した。したがって、SAN-Glyは二つの動物疼痛モデルで鎮痛剤として有用であることが判明した。
【0040】
実施例2
95% O2および5% CO2飽和氷冷クレブス液(NaCl 117mM、KCl 3.6mM、CaCl2 2.5mM、MgCl2 1.2mM、NaH2PO4 1.2mM、NaHCO3 25mMおよびグルコース11mM)で灌流したL4背根付きの、厚さ650μmの腰髄横断切片(残存神経損傷(spared-nerve injury)動物から)で電気生理学的記録を行った。II層からの一次求心線維誘発性の興奮性シナプス後電流(EPSC)を記録するために、全細胞をパッチクランプし、次いで-70mVで電位固定した。L4背根の順方向性刺激を、定電流刺激装置に接続された吸引電極で実施し、異なる求心線維群(Aβ、Aδ、およびC線維)を漸増するのに十分な段階的強度の刺激を用いた。パッチピペットの抵抗はCs2SO4 110mM、CaCl2 0.5mM、MgCl2 2mM、EGTA 5mM、HEPES 5mM、TEA 5mM、ATP-Mg塩 5mMで充填した場合に5MW〜10MWであった。電流を増幅し(Axopatch 200A)、2kHzでフィルターにかけ、5kHzでデジタル化し、pCLAMP6(Axon Instruments)を用いて解析した。SAN-Glyを二段階の濃度(10mMおよび100mM)で氷冷クレブス液に溶解し、氷浴を適用した。5つの細胞のうちの3つで、100mMのSAN-GlyがEPSCの潜時を増大させ、振幅を減少させることが観察され、この化合物が後角のシナプス伝達阻害において役割を果たしているとの仮説と一致した。この効果は薬物の洗浄によって逆転した。加えて、予想通り、同じ濃度のSANはまったく効果がなかった。この実施例は、SAN-Glyおよびその誘導体が神経障害性疼痛を治療する際に有用であることを示している。
【0041】
他の態様
本発明はその詳細な説明に関して記載されているが、前述の説明は例示のためのもので、本発明の範囲を限定するものではなく、本発明は添付の特許請求の範囲によって規定されることが理解されるべきである。他の局面、利点、および変更は本発明の範囲内である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 未治療ラットおよびSAN-Glyで治療したラットでの、試験時間に対する力(グラム)(高い力は高い疼痛閾値に相関する)の棒グラフである。誤差バーは1つの標準偏差を示す。
【図2】 未治療ラットならびに100mg/Kg、200mg/Kg、および300mg/KgのSAN-Glyで治療したラットでの、試験時間に対する力(グラム)(高い力は高い疼痛閾値に相関する)の棒グラフである。誤差バーは1つの標準偏差を示す。

Claims (18)

  1. 下記式II:
    Figure 0005016777
    (式中、R1およびR2は互いに異なり、-Hまたは-OHを表し、かつRは(1)一つもしくは二つの炭素原子を有す無置換アルキル、または(2)-Hを表す。)で表される化合物またはその塩を含有する、対象における疼痛軽減用組成物。
  2. Rが二つの炭素原子を有する、請求項1に記載の疼痛軽減用組成物。
  3. 下記式II:
    Figure 0005016777
    (式中、R1およびR2は互いに異なり、-Hまたは-OHを表し、かつRが-COCH2NH2である。)で表される化合物またはその塩を含有する、対象における疼痛軽減用組成物。
  4. R1が-Hであり、かつR2が-OHである、請求項1またはに記載の疼痛軽減用組成物。
  5. 疼痛が神経障害性疼痛である、請求項1またはに記載の疼痛軽減用組成物。
  6. 疼痛がヘルペス後神経痛、幻肢もしくは切断端痛、糖尿病性神経障害、後天性免疫不全症候群神経障害、背痛、内臓痛、または慢性膵炎性神経障害である、請求項に記載の疼痛軽減用組成物。
  7. 疼痛がオピオイド抵抗性である、請求項1またはに記載の疼痛軽減用組成物。
  8. 対象が哺乳類である、請求項1またはに記載の疼痛軽減用組成物。
  9. 対象がヒトである、請求項1またはに記載の疼痛軽減用組成物。
  10. 身投与対象の疼痛部位への投与インプラントを介し投与または、静脈内投与のための、請求項1またはに記載の疼痛軽減用組成物。
  11. 化合物またはその塩の遅延放出を提供するインプラントを介し投与のための、請求項10に記載の疼痛軽減用組成物。
  12. 表面積1m2あた1ngから4mgの量の該化合物またはその塩が投与されるための、請求項1またはに記載の疼痛軽減用組成物。
  13. 表面積1m2あた80ngから1mgの量の該化合物またはその塩が投与されるための、請求項1またはに記載の疼痛軽減用組成物。
  14. 重1kgあた10mgから100mgの量の該化合物またはその塩が投与されるための、請求項1またはに記載の疼痛軽減用組成物。
  15. 溶液で投与のための、請求項1またはに記載の疼痛軽減用組成物。
  16. 侵害受容性疼痛よりも神経障害性疼痛が選択的に軽減される、請求項1またはに記載の疼痛軽減用組成物。
  17. 疼痛軽減用組成物が、式IIで表される化合物またはその塩と、第2の鎮痛剤または薬物と組合せてなる組成物である、請求項1またはに記載の疼痛軽減用組成物。
  18. 第2の鎮痛剤または薬物が、抗炎症剤である、請求項17に記載の疼痛軽減用組成物。
JP2002528183A 2000-09-20 2001-09-20 スピカマイシン誘導体を用いての疼痛の低減または予防法 Expired - Fee Related JP5016777B2 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US23438200P 2000-09-20 2000-09-20
US60/234,382 2000-09-20
PCT/US2001/029371 WO2002024146A2 (en) 2000-09-20 2001-09-20 Methods of decreasing or preventing pain using spicamycin derivatives

Publications (3)

Publication Number Publication Date
JP2004537494A JP2004537494A (ja) 2004-12-16
JP2004537494A5 JP2004537494A5 (ja) 2012-06-14
JP5016777B2 true JP5016777B2 (ja) 2012-09-05

Family

ID=22881151

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002528183A Expired - Fee Related JP5016777B2 (ja) 2000-09-20 2001-09-20 スピカマイシン誘導体を用いての疼痛の低減または予防法

Country Status (9)

Country Link
US (3) US7196071B2 (ja)
EP (2) EP2305264A1 (ja)
JP (1) JP5016777B2 (ja)
AT (1) ATE504302T1 (ja)
AU (1) AU2001291133A1 (ja)
CA (1) CA2425172C (ja)
DE (1) DE60144383D1 (ja)
ES (1) ES2365473T3 (ja)
WO (1) WO2002024146A2 (ja)

Families Citing this family (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
AU2001291133A1 (en) * 2000-09-20 2002-04-02 The General Hospital Corporation Methods of decreasing or preventing pain using spicamycin derivatives
EP1538200B1 (en) * 2002-05-22 2017-04-05 Matsutani Chemical Industry Co., Ltd. Method of utilizing physiological activity of rare saccharide and compositions containing rare saccharide
US7860552B2 (en) * 2004-10-01 2010-12-28 The Mclean Hospital Corporation CNS assay for prediction of therapeutic efficacy for neuropathic pain and other functional illnesses
JP5116071B2 (ja) 2005-07-20 2013-01-09 帝國製薬株式会社 D−アロースおよびd−プシコースの抗神経因性疼痛効果の利用
JP5753784B2 (ja) * 2008-10-10 2015-07-22 ダラ・バイオサイエンシズ,インコーポレイテッド スピカマイシン誘導体を用いて疼痛を治療又は予防する方法
CN104822369A (zh) 2012-08-09 2015-08-05 达拉生物科学公司 包含穗霉素衍生物的组合物及其使用方法
US10262107B1 (en) * 2013-03-15 2019-04-16 Bao Tran Pharmacogenetic drug interaction management system
WO2015061481A1 (en) 2013-10-23 2015-04-30 Dara Biosciences, Inc. Methods of treating liquid tumors using compositions comprising spicamycin derivatives
US10732507B2 (en) 2015-10-26 2020-08-04 Esko-Graphics Imaging Gmbh Process and apparatus for controlled exposure of flexographic printing plates and adjusting the floor thereof

Family Cites Families (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4522811A (en) 1982-07-08 1985-06-11 Syntex (U.S.A.) Inc. Serial injection of muramyldipeptides and liposomes enhances the anti-infective activity of muramyldipeptides
US5252463A (en) 1990-06-22 1993-10-12 The Du Pont Merck Pharmaceutical Company Clipsin, a chymotrypsin-like protease and method of using same
JP2783722B2 (ja) 1991-07-12 1998-08-06 麒麟麦酒株式会社 スピカマイシン誘導体およびそれを含む抗腫瘍剤
US5824645A (en) 1991-12-30 1998-10-20 Neurex Corporation Method of treating inflammation
US6013853A (en) 1992-02-14 2000-01-11 The University Of Texas System Continuous release polymeric implant carrier
US5905069A (en) * 1998-01-26 1999-05-18 The General Hospital Corporation Methods of decreasing or preventing pain using spicamycin or derivatives thereof
AU2001291133A1 (en) * 2000-09-20 2002-04-02 The General Hospital Corporation Methods of decreasing or preventing pain using spicamycin derivatives

Also Published As

Publication number Publication date
ES2365473T3 (es) 2011-10-06
DE60144383D1 (de) 2011-05-19
EP1328236B1 (en) 2011-04-06
WO2002024146A2 (en) 2002-03-28
WO2002024146A9 (en) 2004-05-13
EP2305264A1 (en) 2011-04-06
US20040038927A1 (en) 2004-02-26
US20070161597A1 (en) 2007-07-12
ATE504302T1 (de) 2011-04-15
CA2425172C (en) 2011-02-01
WO2002024146A3 (en) 2003-05-22
US7196071B2 (en) 2007-03-27
US7375094B2 (en) 2008-05-20
AU2001291133A1 (en) 2002-04-02
US7632825B2 (en) 2009-12-15
US20080207557A1 (en) 2008-08-28
EP1328236A2 (en) 2003-07-23
CA2425172A1 (en) 2002-03-28
JP2004537494A (ja) 2004-12-16
EP1328236A4 (en) 2005-10-26

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7632825B2 (en) Methods of decreasing or preventing pain using spicamycin derivatives
Ibhazehiebo et al. A novel metabolism-based phenotypic drug discovery platform in zebrafish uncovers HDACs 1 and 3 as a potential combined anti-seizure drug target
Franklin et al. Techniques for assessing the effects of drugs on nociceptive responses
Steiner et al. Nonthermal activation of transient receptor potential vanilloid-1 channels in abdominal viscera tonically inhibits autonomic cold-defense effectors
Stark et al. Nitric oxide mediates inhibitory nerve input in human and canine jejunum
Willie et al. Modafinil more effectively induces wakefulness in orexin-null mice than in wild-type littermates
US20140241990A1 (en) Methods of using adenosine a1 receptor activation for treating depression
Westlund et al. A rat knockout model implicates TRPC4 in visceral pain sensation
ES2649492T3 (es) (S)-pirlindol o sus sales farmacéuticamente aceptables para uso en medicina
ES2385138T3 (es) Modelo de roedor de enfermedad para dolor muscular crónico
CN112218650A (zh) 肽及其用途
Chaulk et al. Intracerebroventricular norepinephrine potentiation of the perforant path-evoked potential in dentate gyrus of anesthetized and awake rats: a role for both α-and β-adrenoceptor activation
Fernandes et al. Nitric oxide in the dorsal periaqueductal gray mediates the panic-like escape response evoked by exposure to hypoxia
JP2019517536A (ja) 神経障害性疼痛の治療のための低用量flt3受容体阻害剤
JP2004537494A5 (ja)
Linden et al. Spinal neurokinin3 receptors mediate thermal but not mechanical hyperalgesia via nitric oxide
Van Hoogmoed et al. In vitro evaluation of the effect of the opioid antagonist N‐methylnaltrexone on motility of the equine jejunum and pelvic flexure
US20160120858A1 (en) Pharmaceutical composition containing clioquinol for treating autism spectrum disorders
ES2808667T3 (es) Derivados de diarilmetilideno piperidina y su uso como agonistas del receptor opioide delta
RU2559777C2 (ru) Средство для терапии боли и воспаления при нейродегенеративных заболеваниях
JP5714572B2 (ja) 精神障害およびその症状の治療のためのkcnqカリウムチャネル活性の調節方法
Mokrushin Regulation of ionotropic glutamatergic mechanisms following treatment with chlorpromazine
Korimová et al. Protective effects of glucosamine-kynurenic acid after compression-induced spinal cord injury in the rat
Jiménez-Vargas MOPr agonists. NFEPP has been described. 2 Fentanyl citrate was from Sandoz.[D-Ala2, N-Me-Phe4, Gly-ol5]-enkephalin (DAMGO) was from Sigma Aldrich (St Louis, MO). Dextran sodium sulphate (DSS)-induced colitis. Acute colitis was induced by the administration of 2.5%(w/v) DSS (Cat J14489-22, LOT 178017, Thermo Fisher Scientific) to mice in drinking water for 5 days. Mice were studied after 2-5 days recovery.
Wilson et al. Peripheral administration of selective GlyT2 inhibitor, oleoyl-D-lysine, is analgesic in neuropathic but not acute or inflammatory pain models in mice

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20080911

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20080911

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20080911

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20080911

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20080911

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20080911

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20111020

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20120117

A602 Written permission of extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A602

Effective date: 20120124

A524 Written submission of copy of amendment under article 19 pct

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A524

Effective date: 20120418

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120420

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20120517

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20120611

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150615

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees