JP5015486B2 - 被転写体に模様を転写する転写方法とこの方法に使用する転写用シート - Google Patents

被転写体に模様を転写する転写方法とこの方法に使用する転写用シート Download PDF

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Description

本発明は、圧力差を利用して転写用シートの模様を、ステアリングホイール等の立体的な被転写体の表面に転写する方法と、この方法に使用する転写用シートに関する。
高級車には、木製のステアリングホイールが使用される。木製のステアリングホイールは、高級な木材を円形に加工して内部に金属製の芯材を埋設している。この構造のステアリングホイールは、天然木に独特の美しい木目柄の模様を表面に装飾する。天然木として、メープルやウォールナットを使用している。これ等の天然木は、美しい木目柄のものとそうでないものとがある。極めて美しい木目柄である一級品の天然木を使用して製作されるステアリングホイールと、三級品の天然木を使用して製作されるステアリングホイールでは、製造工程は同じであっても、ステアリングホイールとしての商品価値は著しく異なる。三級品の天然木を使用して、一級品のステアリングホイールとするために、天然木の表面に、美しい木目柄を転写する転写方法が提案されている。
転写方法として、水圧転写法で模様を付着する方法(特許文献1参照)と、転写用シートを使用して表面に木目柄を転写する真空成形法とが開発されている。
特開2001-27790号公報
水圧転写法は、水面にインクを木目柄に浮かせてこれをステアリングホイール表面に付着させる。この方法は、転写フィルムのようにシワによる模様の品質低下がない。ただ、この方法はステアリングホイールの表面に綺麗に木目柄を付着するのは極めて難しい。また、この方法は、転写フィルムに比較して木目柄を安定して付着するのが難しく、剥がれないように綺麗に木目柄を転写するのが難しい。このため、能率よく高級なステアリングホイールを安価に量産できない欠点がある。
また、水圧転写法の最大の欠点は、転写環境に水を使用するので、水濡れを嫌う素材には使用できない。たとえば、木材の表面に模様を水圧転写すると木材が吸湿して綺麗な模様にできない欠点がある。
これに対して、転写用シートを使用する真空成形法は、水を使用しないで模様を転写できる。模様を転写する従来の転写用シートは、基材シートとして、塩化ビニル系樹脂やポリオレフイン系樹脂、ポリエステル系樹脂シートを使用している。基材シートの表面には、アクリル系等の離型層を介してインク層を印刷している。この転写用シートを使用して、例えばステアリングホイールに模様を転写すると、転写用シートを円形ステアリングホイールの全周に密着できず、ステアリングホイール表面の一部にしか模様を転写できない。さらに、この転写用シートは、ステアリングホイールに広い面積で接触させると、一部でシワができ、模様が不連続になって綺麗な模様を転写できない。このため、従来の転写用シートは、ステアリングホイールのように円柱状の被転写体の表面に、綺麗に模様を転写できない。
本発明の第1の目的は、この欠点を解決すること、すなわち、ステアリングホイール等のように、立体形状の被転写体の表面に広い面積で密着されて、綺麗に模様を転写できる転写方法と転写用シートを提供することにある。
さらに、ステアリングホイールのように、著しく伸縮して模様を転写する転写用シートは、基材シートに印刷してインク層を積層し、また積層したインク層を伸縮する基材シートから剥離させるのが極めて難しい。とくに、基材シートに伸縮できるウレタンエラストマーシートを使用し、離型層にシリコンやアクリル樹脂を使用すると、離型層が伸縮に追従できない。また、伸縮性に追従できるように、離型層にオイルワックスにウレタン樹脂を積層した層を使用すると、経時的に剥離できなくなる欠点がある。したがって、従来の転写用シートは、基材シートに伸縮性のあるウレタンエラストマーシートを使用しても、インク層の模様を綺麗に被転写体の表面に転写できない欠点がある。
本発明の第2の目的は、基材シートを伸縮させながら被転写体の表面に綺麗に模様を転写できる転写方法と転写用シートを提供することにある。
本発明の被転写体に模様を転写する転写方法は、真空成形法により転写用シート2の被転写体1側を減圧することで、被転写体1の表面に転写用シート2を密着させて、転写用シート2のインク層24を被転写体1に転写する。この転写方法は、転写用シート2として、破断時伸度を30%以上として弾性回復率を10%以下とするウレタンエラストマーシートからなる基材シート21の表面に、ビニル系の離型層22を介して、ウレタン系のインク層24を設けてなる転写用シート2を使用し、転写用シート2として、離型層22とウレタンエラストマーシートからなる基材シート21との間に、アクリル樹脂とメラミン樹脂とポリエステルポリオール樹脂とシリコン樹脂の少なくともひとつを含む離型処理層23を設けているシートを使用する。転写方法は、この転写用シート2を被転写体1の表面に密着させる状態で、転写用シート2を加熱して、インク層24を被転写体1の表面に転写し、ウレタンエラストマーシートからなる基材シート21と離型層22との界面で剥離して、インク層24と離型層22を被転写体1の表面に積層してウレタンエラストマーシートの基材シート21を除去する。
本発明の被転写体に模様を転写する転写方法は、被転写体1の表面に密着する転写用シート2を80〜120℃に加熱して、インク層24を被転写体1に転写することができる。
本発明の被転写体の表面に模様を転写する転写方法は、ビニル系の樹脂である離型層22に、ウレタン樹脂を混合することができる。
本発明の被転写体に模様を転写する転写方法は、転写用シート2に設けている離型層22の膜厚を、0.1μm以上であって、20μm以下とすることができる。
本発明の被転写体に模様を転写する転写方法は、転写用シート2に設けているインク層24の膜厚を、0.1μm以上であって、100μm以下とすることができる。
本発明の被転写体に模様を転写する転写方法は、転写用シート2に設けている離型処理層23の膜厚を、0.1μm以上であって、20μm以下とすることができる。
本発明の被転写体に模様を転写する転写用シートは、真空成形法により被転写体1側を減圧することで、被転写体1の表面に圧力差で密着させて、離型層22を介して表面に設けているインク層24を被転写体1の表面に転写する。転写用シートは、破断時伸度が30%以上であって弾性回復率が10%以下であるウレタンエラストマーシートからなる基材シート21の表面に、ビニル系の離型層22を介して、ウレタン系のインク層24を設け、離型層22とウレタンエラストマーシートからなる基材シート21との間に、アクリル樹脂とメラミン樹脂とポリエステルポリオール樹脂とシリコン樹脂の少なくともひとつを含む離型処理層23を設けている。転写用シートは、被転写体1の表面に密着される状態で加熱されて、インク層24が被転写体1の表面に転写される。さらに、転写用シートは、ウレタンエラストマーシートからなる基材シート21と離型層22との界面で剥離されて、インク層24と離型層22を被転写体1の表面に積層してウレタンエラストマーシートの基材シート21を除去する。
本発明の被転写体に模様を転写する転写用シートは、ビニル系の樹脂である離型層22に、ウレタン樹脂を混合することができる。
本発明の被転写体に模様を転写する転写用シートは、離型層22の膜厚を、0.1μm以上であって、20μm以下とすることができる。
本発明の被転写体に模様を転写する転写用シートは、インク層24の膜厚を、0.1μm以上であって、100μm以下とすることができる。
本発明の被転写体に模様を転写する転写用シートは、離型処理層23の膜厚を、0.1μm以上であって、20μm以下とすることができる。
本発明の請求項1の転写方法と請求項6の転写用シートは、たとえばステアリングホイール等の立体形状の被転写体の表面に、広い面積で密着して、綺麗に模様を転写できる特徴がある。それは、本発明が、転写用シートとして、破断時伸度を30%以上として弾性回復率を10%以下とするウレタンエラストマーシートからなる基材シートの表面に、ビニル系の離型層を介して、ウレタン系のインク層を設けているために、ウレタンエラストマーシートの基材シートとウレタン系のインク層を伸縮させて、ステアリングホイール等の被転写体の表面に広い面積で密着でき、さらに、ビニル系の離型層を介してウレタン系のインク層を基材シートのウレタンエラストマーシートに積層しているために、インク層を簡単かつ容易に、しかもスムーズに綺麗に基材シートのウレタンエラストマーシートから剥離できるからである。とくに、ウレタンエラストマーシートの基材シート表面に、ビニル系の離型層を介してウレタン系のインク層を設けているので、離型層の伸縮追従性と離型安定性と耐久性を著しく向上できる。このため、基材シートのウレタンエラストマーシートを大きく伸縮させる状態でインク層のウレタンエラストマーシートからの剥がれを防止でき、転写する状態ではインク層を安定して綺麗に被転写体に転写でき、さらに転写用シートの離型性の経時的な劣化を防止して、製造後に時間が経過しても、模様を安定して転写できる特徴がある。また、ビニル系の離型層にウレタン系のインク層を積層しているので、インク層を印刷する安定性にも優れ、模様を高品質な状態でウレタンエラストマーシートの基材シートに印刷し、さらに印刷された模様を綺麗に被転写体の表面に転写できる特徴がある。
さらに、請求項1の転写方法と請求項6の転写用シートは、基材シートを伸縮性の優れたウレタンエラストマーシートとするので、ステアリングホイールのように大きく伸縮できるものしか広い面積で密着できない被転写体の表面にも、広い面積で密着して、模様を綺麗に転写できる。とくに、この転写方法と転写用シートは、基材シートとインク層の両方をウレタン系とするので、両方の伸縮性を向上して、ステアリングホイール等の被転写体に広い面積で転写できる。また、基材シートとインク層の両方をウレタン系とする転写用シートは、インク層と基材シートの表面エネルギーが大きくなって接着力が強くなり、スムーズな剥離を著しく難しくするが、本発明は、ウレタンエラストマーシートの基材シートとウレタン系のインク層との間に、ビニル系の離型層を配設して、基材シートのウレタンエラストマーシートをインク層からスムーズに剥離する。このため、基材シートのウレタンエラストマーシートを簡単に剥離しながら、転写用シートをステアリングホイール等の被転写体に広い面積で転写できる極めて優れた特徴を実現する。
本発明の請求項2の転写方法は、被転写体の表面に密着する転写用シートを80〜120℃に加熱して、インク層を被転写体に転写するので、インク層を転写する状態で、ウレタンエラストマーシートの基材シートをよりスムーズに被転写体から剥離できる特徴がある。
本発明の請求項3の転写方法と請求項7の転写用シートは、ビニル系の樹脂である離型層22に、ウレタン系樹脂を混合している。この転写用シートは、ビニル系の樹脂とウレタン樹脂の混合比率を調整して、離型層の伸縮追従性と、インク層の剥離安定性と、耐久性を最適な状態に調整できる。
さらに本発明の請求項1の転写方法と請求項6の転写用シートは、ビニル系の離型層と基材シートのウレタンエラストマーシートとの間に、アクリル樹脂とメラミン樹脂とポリエステルポリオール樹脂とシリコン樹脂の少なくともひとつを含む離型処理層を設けているので、この離型処理層によって、ウレタンエラストマーシートの基材シートをよりスムーズに剥離できる特徴がある。
以下、本発明の実施例を面に基づいて説明する。ただし、以下に示す実施例は、本発明の技術思想を具体化するための被転写体に模様を転写する転写方法とこの方法に使用する転写用シートを例示するものであって、本発明は転写方法と転写用シートを以下のものに特定しない。
さらに、この明細書は、特許請求の範囲を理解しやすいように、実施例に示される部材に対応する番号を、「特許請求の範囲」および「課題を解決するための手段の欄」に示される部材に付記している。ただ、特許請求の範囲に示される部材を、実施例の部材に特定するものでは決してない。
図1は転写用シート2の断面図を示す。この図の転写用シート2は、図において上から順番に、ウレタンエラストマーシートの基材シート21/離型処理層23/離型層22/インク層24/接着剤層25を積層して設けている。
基材シート21は、転写時の加熱で溶融せず、破断時伸度が常温で30%以上、好ましくは130%以上で、かつ弾性回復率が10%以下のウレタンエラストマーシートとする。基材シート21のウレタンエラストマーシートには、好ましくは日本マタイ株式会社製の「エスマーURS」を使用する。このウレタンエラストマーシートの基材シートは、転写時の加熱で溶融せず、常温で真空成形される際、局部的な伸延に対して、耐屈曲性や引き裂き性に優れた特性がある。
基材シートであるウレタンエラストマーシート21の破断時伸度を30%以上とするのは、破断時伸度がこれより小さいと、ステアリングホイールのような円柱状の被転写体の全面にインク層24を転写できないからである。また、基材シートのウレタンエラストマーシートは、単に破断時伸度が大きいのみのものは好ましくない。それは、凹凸のあるステアリングホイール等の被転写体が、伸長する部分では充分に延びて被転写体の立体曲面に密着するが、たとえばステアリングホイールのように円柱状の被転写体にあっては、その裏面のように、収縮させる部分では収縮しないでシワになって、綺麗な模様を転写できないからである。したがって、基材シート21のウレタンエラストマーシートは、破断時伸度のみでなく、弾性回復率を10%以下とすることも大切である。このウレタンエラストマーシートからなる基材シートは、破断時伸度と弾性回復率を前述の範囲とするものであれば、必ずしも前述のウレタンエラストマーシートとする必要はなく、転写時の加熱で溶融せず、破断時伸度が常温で30%以上で、かつ弾性回復率が10%以下とする他のウレタンエラストマーシートも使用できる。
離型処理層23は、ウレタンエラストマーシートの基材シート21と離型層22との間に設けられる。この離型処理層23は、基材シート21であるウレタンエラストマーシートの表面エネルギーを低くして剥離しやすくする。とくに、基材シートのウレタンエラストマーシートは表面エネルギーが大きく、ウレタン系のインク層24との接着力が極めて強くなって、スムーズな剥離を難しくする性質がある。ウレタン系のインク層24の表面に離型層22を設けて、さらに、この離型層22と基材シート21であるウレタンエラストマーシートとの間に、基材シートであるウレタンエラストマーシートの表面エネルギーを低下させる離型処理層23を設ける転写用シート2は、離型処理層23と離型層22の2層でもって、インク層24の剥離を簡単かつ容易に、しかもスムーズにできるようにする。ただ、転写用シート2は、ウレタンエラストマーシートからなる基材シート21と離型層22との間に、必ずしも離型処理層23を設ける必要はない。とくに、製造されてから使用されるまでの期間が短い転写用シートは、ウレタンエラストマーシートからなる基材シートとインク層の間に離型処理層を設けることなく、被転写体に密着して離型層と基材シートのウレタンエラストマーシートとの界面を剥離できる。
転写用シート2の離型処理層23は、熱硬化アクリル変性樹脂である。ただ、この離型処理層には、メラミン樹脂、ポリエステルポリオール樹脂、シリコン樹脂等も使用できる。離型処理層23は、原料樹脂を有機溶媒で希釈して、ロールコーターでウレタンエラストマーシートからなる基材シート21の表面に塗布される。塗布した後、加熱乾燥して基材シート21の表面に離型処理層23が積層して設けられる。ただし、離型処理層は、有機溶媒で希釈された原料樹脂を、基材シートであるウレタンエラストマーシートの表面にグラビア塗工して設けることもできる。
離型処理層23を設ける転写用シート2は、離型処理層23の膜厚を0.1μm以上、好ましくは0.5μm以上、さらに好ましくは1μm以上とする。離型処理層23の膜厚が薄すぎると、基材シート21であるウレタンエラストマーシートの表面エネルギーを低下させる作用が弱くなるからである。さらに、離型処理層23の膜厚は、20μm以下、好ましくは10μm以下、さらに好ましくは5μm以下とする。離型処理層23が厚すぎると、転写用シート2の製造コストが高くなることに加えて、被転写体の表面に密着させるとき転写用シート2を伸長させると、離型処理層23が割れやすくなるからである。
離型層22は、ウレタン系のインク層24を剥離しやすくするもので、ビニル系の樹脂が使用される。ただし、離型層は、ビニル系の樹脂に他の樹脂を混合できる。ビニル系の樹脂に混合される樹脂は、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、ポリアミド樹脂、ニトロセルロース、シリコン樹脂、ワックス系樹脂等のひとつ又は複数である。ビニル系の樹脂に他の樹脂を混合する離型層は、ビニル樹脂の混合量を、40重量%以上、好ましくは50重量%以上、さらに好ましくは60重量%以上とする。
離型層は、好ましくは、ビニル系の樹脂にウレタン樹脂を混合する。この離型層は、混合するウレタン樹脂の混合比率で、伸縮追従性と、剥離安定性と、耐久性を調整できる。ビニル系の樹脂の混合比率を高くすると、剥離性が向上し、ウレタン樹脂の混合比率を高くして、伸縮追従性と、耐久性を向上できる。したがって、離型層は、剥離性を理想的な状態とするように、ビニル樹脂の混合量を、たとえば40重量%以上、好ましくは50重量%以上、さらに好ましくは60重量%以上とし、伸縮追従性と耐久性を理想的な状態とするために、ウレタン樹脂の混合量を10重量%以上、好ましくは20重量%以上、さらに好ましくは30重量%以上とする。
離型層22は、離型処理層23と同じように、原料樹脂を有機溶媒で希釈して、ロールコーターで離型処理層23の表面に、あるいは離型処理層のない転写用シートにあっては、基材シート21であるウレタンエラストマーシートの表面に塗布される。塗布した後、加熱乾燥してビニル系の離型層22が設けられる。ただ、離型層は、有機溶媒で希釈された原料樹脂を、離型処理層や基材シートのウレタンエラストマーシートの表面にグラビア塗工して設けることもできる。
離型層22は、その膜厚を0.1μm以上、好ましくは0.5μm以上、さらに好ましくは1μm以上とする。離型層22の膜厚が薄すぎると、スムーズに剥離できなくなるからである。さらに、離型層22の膜厚は、たとえば20μm以下、好ましくは10μm以下、さらに好ましくは5μm以下とする。離型層22が厚すぎると、転写用シート2の製造コストが高くなることに加えて、被転写体の表面に密着させるとき転写用シート2を伸長させると、離型層22が割れやすくなるからである。
インク層24は、離型層22の表面にグラビア印刷して設けられる。グラビア印刷は、6色以上のインクドットでフルカラーの模様を表現する。ただし、インク層は、5色以下のインクドットのカラー模様とすることもできる。インクドットでカラー模様を表現するインク層24は、コンピュータ処理した文様データで銅製で表面をクロームメッキしてなる版胴を作り、ウレタン系のインクを使用して、グラビア印刷して解像度の高い微細な模様が印刷される。ただ、インク層24は、グラビア印刷に代わって、オフセット印刷、スクリーン印刷して、あるいはインクジェットプリンターで設けることもできる。インク層24は、各々のカラーのインクドットを特定の配列で離型層22の表面に塗布して、カラー模様とする。インクドットの間には、インクドットの付着されないドット間隙間ができ、あるいはインクドットがほとんど付着されないドット間薄膜ができる。
スクリーン印刷されたインク層24は、カラードットをスクリーンメッシュに配列するので、スクリーンメッシュの間にドット間隙間やドット間薄膜ができる。ドット間隙間やドット間薄膜のあるインク層24は、転写用シート2を伸長しても模様に亀裂や割れが発生しない。ドット間隙間が延びて広くなるからである。また、仮に微細なインクドットに亀裂や割れが発生しても、これが模様の品質を低下することがない。インク層24のインクドットが微細なために、インクドットの集合として模様を表現するからである。
転写用シート2のインク層24は、真空成形法で転写用シート2をステアリングホイール等の被転写体の表面に密着して転写される。インク層24の転写は、破断時伸度の大きいウレタンエラストマーシートの基材シート21を、転写前に加熱軟化させることなく真空ポンプ等で減圧して、立体曲面の被転写体の表面に被覆させる。この状態で、転写用シート2は、被転写体であるステアリングホイールの円形リング全周を被覆せず、約240度程度まで被覆する。その後、ホットエアーを供給すると共に、加熱ランプ等で赤外線を照射する。この状態で、ステアリングホイールと転写用シート2は急速に加熱され、ウレタンエラストマーシートの基材シート21の伸延度が上昇される。伸びやすくなったウレタンエラストマーシートの基材シート21は、ホットエアーと真空ポンプの減圧力の差圧により、ステアリングホイール21のより広い面積に密着する。さらにこの状態で、伸びた転写用シート2は弾性回復力により、元に戻ろうとしてステアリングホイールの下部に沿う部分で収縮する。したがって、転写用シート2は、ステアリングホイールの下部の裏面まで、しわがよることなく密着される。ホットエアーと加熱ランプで加熱されて、インク層24の表面に、あるいはステアリングホイールの表面に設けている接着剤層25が接着力を発現し、インク層24をステアリングホイールに接着する。その後、冷却してステアリングホイールからウレタンエラストマーシートの基材シート21を剥がせば、離型層22と離型処理層23との界面で剥離されて、インク層24と離型層22が被転写体の表面に転写される。このように転写用シート2の基材シート21に常温での伸度が高く、かつ弾性回復性が高いウレタンエラストマーシートを使用することで、立体曲面の表から裏面まで全面にわたってしわや亀裂を起こさずに転写用シート2のインク層24のインクドットによる絵柄を転写できる。
また、ステアリングホイールに転写されるインクドットは、転写されてドット間隙間を減少し、スクリーンメッシュ等が目だたなくなる。このため、ステアリングホイールの表面に転写されたカラーの木目模様は、インクドットのドット間隙間が見えなくなって、本物の木目模様と見間違う高品質な仕上がりとなる。
図の転写用シート2は、インク層24の表面に着剤層25を設けているが、この接着剤層25は、被転写体であるステアリングホイールの表面に塗布して設けることもできる。接着剤層25は、加熱されて接着力を発現してインク層24をステアリングホイールの表面に付着させる。したがって、この接着剤層25には、例えば熱賦括型のアクリル系接着剤やエポキシ系接着剤、ホットメルト系接着剤が使用される。
以上の転写用シート2は、エンボス加工面のような凸凹面でもきれいに密着、転写できる。また、転写用シート2は、真空ポンプを運転して、下面を減圧する圧力差のみで、ステアリングホイールのほぼ全面に密着できるが、ホットエアーや加熱ランプで加熱して、基材シート21のウレタンエラストマーシートの伸延度をさらに上昇して、ステアリングホイールの全面に密着できる。加熱時間を保持することによって、接着剤層25の接着力を発現できる。その後、冷却し、ステアリングホイールから基材シート21のウレタンエラストマーシートを剥がせばインク層24だけを転写できる。
以上の転写用シート2は、図2ないし図4に示す転写装置で被転写体1の表面に転写される。これ等の図に示す転写装置は、被転写体1をステアリングホイール30として、ステアリングホイール30の全周にインク層を転写する。この明細書において、ステアリングホイールの全周とは、ステアリングホイールを半径方向に切断した円柱断面の全周を意味する。
図に示す転写装置は、転写用シート2を、裏面側と表面側の圧力差を利用して、ステアリングホイール表面の全周に密着させる。この装置は、図2に示すように、ステアリングホイール30の上方に転写用シート2を配設し、これを図3に示すように圧力差でステアリングホイール30に密着させる。この転写用シート2は、ステアリングホイール30の外形よりも大きくする。
また、図3に示すように、ステアリングホイール30の上面に転写用シート2を配設して圧力差で密着させる装置は、転写用シート2の伸縮がステアリングホイール30の表面で部分的に異なる。転写用シート2は大きく伸長させる部分ではインク層を転写して設けられる模様の薄い色となり、伸縮の少ない部分では模様の色が濃くなって濃淡ができる。また、転写用シートをステアリングホイール30の全周に密着させるのに高度な技術を要し、ステアリングホイール30にインク層の転写されない部分を目だたない程度に小さくするのが難しい。
図5ないし図7の転写装置は、さらに改良した装置であって、これ等の転写装置が、ステアリングホイール30の表面に木目模様等を転写する具体例を以下に示す。ただ、図5ないし図7に示す装置と、図2ないし図4に示す装置において、同じ番号を付している部材は、同じ働きをして転写用シートをステアリングホイールに転写する。
図の被転写体1であるステアリングホイール30は、細長い円柱をリング状に連結してなる円形リング31と、この円形リング31に連結しているスポーク32と、このスポーク32を介して中心に連結しているボス33を備える。ステアリングホイール30は、円形リング31の全周、すなわち円形リング31の断面の360度に木目等の模様転写するのは極めて難しい。図5ないし図7において、ステアリングホイール30は、下縁部分の転写が難しい。全周に転写用シート2を密着させるのが難しいからである。ステアリングホイール30の全周に模様を転写できる方法は、極めて複雑な立体曲面をなす被転写体の表面に美しい模様を転写できる。
図5ないし図7に示す転写装置は、転写用シート2の裏面側を真空に減圧する。裏面側の圧力が低下した転写用シート2は、大気圧である表面側の圧力で押圧されて、ステアリングホイール30の表面に密着される。これ等の図は、真空成形法で転写用シート2をステアリングホイール30の表面に転写する。
以上の転写装置は、ステアリングホイール30をセットするセット台3と、このセット台3を内部に配置している本体ケース4と、この本体ケース4のセット台3にセットする転写用シート2で気密チャンバを設ける蓋ケース5と、本体ケース4の気密チャンバ内を減圧する真空ポンプ6と、セット台3にセットしている転写用シート2を加熱する加熱ランプ7と、気密チャンバを開閉する開閉機構8とを備える。
セット台3は、ステアリングホイール30を脱着できるように水平な姿勢でセットする。図のセット台3は、ステアリングホイール30の中心のボス33をネジ止めして固定している。このボス33は、円形リング31の内側に保護カバー34を設けている。保護カバー34は、外径をステアリングホイール30の内形よりも小さい円盤状として、ステアリングホイール30のボス33とスポーク32の中心部分をカバーしている。この保護カバー34は、ステアリングホイール30の内側に、転写用シート2が無理に吸い込まれて破損するのを防止する。
図のセット台3は、上下機構9を介して本体ケース4に連結している。上下機構9は、セット台3を上下に往復運動させる。図のセット台3は中心に上下軸10を固定し、この上下軸10を上下方向に往復運動できるように本体ケース4に連結している。さらに、この上下軸10は、下端にシリンダー等の往復運動機構11を連結している。往復運動機構11は、上下軸10を介してセット台3を上下に往復運動させて、転写用シート2をより広い面積でステアリングホイール30に密着させる。
本体ケース4は、上方を開口する箱形で、周囲に周壁4Aを突出して設けている。周壁4Aは上面を転写用シート2の密着面としている。この本体ケース4は、周壁4A上面の密着面に転写用シート2を隙間なく密着させて、周壁4Aと転写用シート2とで囲まれる内側を気密チャンバとしている。さらに、本体ケース4は、気密チャンバの空気を排気して減圧するために、ステアリングホイール30の円形リング31の下縁から内側に遍在する位置に沿って吸入開口12を設けている。吸入開口12は真空ポンプ6に連結される。図の本体ケース4は、ステアリングホイール30の円形リング31の下面と内周面との間に沿う形状のスリット状としている。
蓋ケース5は、下方を開口している箱形で、周囲には下方に突出して凸条5Aを設けている。凸条5Aは、その下面を本体ケース4の周壁4Aの上面に密着する。したがって、蓋ケース5の凸条5Aと本体ケース4の周壁4Aは、同じ平面形状として、蓋ケース5で本体ケース4の開口部を気密に密閉する。凸条5Aは、その下面を、周壁4Aの密着面に沿う平滑な平面としている。
さらに、図の蓋ケース5は、天板5Bの内面に、転写用シート2を加熱する加熱ランプ7を固定している。加熱ランプ7は、転写用シート2に上面から赤外線を放射して、転写用シート2を短時間で設定温度に加熱する。
蓋ケース5は、開閉機構8を連結している。図の開閉機構8は、図5に示すように蓋ケース5を上昇させて、蓋ケース5の凸条5Aと本体ケース4の周壁4Aを離して開口する。この状態で、ステアリングホイール30がセット台3に脱着され、また転写用シート2がセットされる。蓋ケース5を降下させて、転写用シート2をステアリングホイール30に密着して転写する。降下した蓋ケース5は、本体ケース4の開口部を閉塞して、気密チャンバを密着する。
以上の転写装置は、図5ないし図7に示すようにして、以下の工程で転写用シート2の模様をステアリングホイール30に転写する。
(1) 図5に示すように、開閉機構8が蓋ケース5を上昇して、凸条5Aを周壁4Aから離して本体ケース4の上方開口部を開口する。
(2) セット台3にステアリングホイール30がセットされる。図のステアリングホイール30は、ボス33をネジ止して、セット台3にセットされる。このとき、セット台3は上昇位置にある。
(3) 図8に示すように、転写用シート2が、ステアリングホイール30の外周に沿ってU曲される状態でセットされる。
(4) その後、開閉機構8が蓋ケース5を降下させる。降下する蓋ケース5は、凸条5Aを周壁4Aに密着させて、本体ケース4の内部を密閉された気密チャンバとし、気密チャンバ内にステアリングホイール30を配設する。
(5) 真空ポンプ6が気密チャンバ内の空気を排気する。気密チャンバが減圧されると、図6に示すように、転写用シート2がステアリングホイール30の表面に沿って密着される。
(6) 加熱ランプ7で転写用シート2を加熱すると共に、蓋ケース5の内部に加熱されたホットエアーを供給する。加熱された転写用シート2はより柔軟で伸長しやすくなり、ステアリングホイール30の表面に広い面積で密着される。さらに、図7に示すように、セット台3を上下に往復運動させて、転写用シート2をステアリングホイール30の下面まで密着させる。この状態で、真空ポンプ6はさらに気密チャンバの空気を排気する。気密チャンバが減圧される状態で、セット台3が上下に移動されて、加熱された転写用シート2はステアリングホイール30の全周に密着される。この状態でステアリングホイール30に密着される転写用シート2は、非転写部が極減されて、全周に密着される。
(7) 加熱状態にある転写用シート2は、ステアリングホイール30の全周に密着されて、表面の模様をステアリングホイール30の表面に転写する。転写用シート2は、図9に示すように、加熱されて熱溶融するインクドット模様のインク層24を設けている。この転写用シート2は、加熱状態でステアリングホイール30の表面に押圧して密着させるので、図10に示すように、インクドット24Aが溶融、拡大して、ドット間隙間24Bを減少する状態でステアリングホイール30に模様を転写する。ただし、転写用シートは、加熱されてインクドットを溶融することなくステアリングホイール30に転写できるもの、たとえば、熱賦活性のある接着剤からなるインクドットのものも使用できる。
(8) 模様が転写された後、真空ポンプ6の運転を停止して気密チャンバを大気圧とする。この状態になると、転写用シート2はステアリングホイール30に密着しなくなる。この状態で、セット台3が上昇され、また開閉機構8が蓋ケース5を上昇して、蓋ケース5を本体ケース4から離して、本体ケース4の上を開口する。
(9) 模様を転写した転写用シート2を除去して、ステアリングホイール30をセット台3から外して、本体ケース4から取り出す。
以下の実施例は、被転写体1をステアリングホイール30とする。ステアリングホイール30は、全周にインク層を転写するのが極めて難しい立体形状をしている。したがって、ステアリングホイール30の全周にインク層を転写できる転写方法と転写用シートは、他のあらゆる立体形状の被転写体にインク層を転写できる。したがって、以下の実施例は、転写がもっとも難しいステアリングホイール30を被転写体1として、木目模様のインク層を転写する。
転写用シート2は、基材シート21のウレタンエラストマーシートの表面に、順番に離型処理層23、離型層22、インク層24を設けている。基材シート21はウレタンエラストマーシート(エスマーURS:日本マタイ株式会社製、厚さ50μm、破断時伸度680%、弾性回復率10%)である。このウレタンエラストマーシートからなる基材シート21の表面に、熱硬化アクリル変性樹脂の離型処理層23を設ける。離型処理層23は、有機溶媒に希釈して、グラビア塗工でウレタンエラストマーシートの基材シート21表面に塗布し、その後加熱乾燥して設けられる。この離型処理層23の膜厚は、1μmである。さらに、離型処理層23の上に、ビニル樹脂の離型層22を設ける。離型層22は、離型処理層23と同じように、有機溶媒で希釈した樹脂原料を、グラビア塗工で離型処理層23の表面に塗布し、その後加熱乾燥して設けられる。離型層22の膜厚は、0.5μmである。さらに、この離型層22の表面に、ウレタン樹脂に顔料を添加しているインクを使用し、グラビア印刷して木目模様のインク層24を設ける。インク層24を設けた転写用シート2を10cm幅に裁断する。
ステアリングホイール30として、ウレタン発砲成型品のステアリングホイール30を使用する。あらかじめ、ポリウレタン系エマルジョン接着剤(三木理研製、E−05−039)を、ステアリングホイール30の表面にスプレーコーティングして設けている。
図5に示すように、ステアリングホイール30をセット台3の定位置にセットした後、吸入開口12がステアリングホイール30の背面となるように、吸引用カバー治具をセットする。その後、転写用シート2を、そのインク層24をステアリングホイール30に向けて、ステアリングホイール30の外周に沿ってセットする。転写用シート2は、ステアリングホイール30に沿う細長い形状であって、図8に示すように、転写するステアリングホイール30の転写部分36をカバーする幅を有する。転写用シート2は、幅を10cmとする細長い帯状で、長さをステアリングホイール30の転写部分36の全長より長く裁断している。この転写用シート2は、約10%伸びるようにテンションをかけながら、ステアリングホイール30の外側にU曲して巻き付けられる。巻き付けられた転写用シート2は、図8に示すように、両端部をクリップ等の仮止具35でステアリングホイール30にセットされる。クリップは転写部分36の外側で転写用シート2をステアリングホイール30に仮止めする。
その後、図6に示すように、蓋ケース5を降下させた後、真空ポンプ6で気密チャンバの空気を排気する。空気は、吸引用カバー治具を介して排気される。吸引用カバー治具は、ステアリングホイール30の形状に合わせたスリットの吸入開口12を有し、この吸入開口12から空気を排気する。テンションをかけて、弾性的に伸長している転写用シート2は、弾性回復力で復元しようとする力と、減圧力の両方で、ステアリングホイール30の裏面まで密着する。この状態において、気密チャンバは、真空度を約60トールとして排気される。この状態で、転写用シート2は、図6に示すように、ステアリングホイール30の円形リング31の約240度に沿う程度まで密着する。
その後、蓋ケース5の内部に、110℃に加熱して5気圧に加圧したホットエアーの圧縮空気が供給される。さらに加熱ランプ7が赤外線を放射して、釜内温度を80℃とし、この状態を3分間保持する。この状態で接着剤は硬化される。ホットエアーの圧縮空気は、加熱して伸びやすくなった転写用シート2の上面をステアリングホイール30の表面に押圧する。この状態で、転写用シート2は、ステアリングホイール30の円形リング31の裏面まで、全周の360度にしわや空気溜まりを発生させずに密着する。
その後、冷却して、ウレタンエラストマーシートの基材シート21をステアリングホイール30から剥すと、インク層24と離型層22とをステアリングホイール30の表面に残して、離型層22と離型処理層23の界面からスムーズに剥離される。転写用シート2に設けたインク層24の木目文様は、柄伸びや色が薄くなることもなく、ステアリングホイール30の裏面まで1本の木を曲げたように、同心円状に柾目模様が綺麗に揃っており、つなぎ目もわからず、本物と見間違う高品質な仕上がりとなる。また、インク層24のインクドット24Aは溶融して拡開され、ドット間隙間24Bが減少してなくなり、印刷ドットが識別できない、本物の木目と見間違う高品質な仕上がりとなる。
以下の工程で、ステアリングホイール30に木目模様を転写する。
転写用シート2の離型処理層23を、実施例1の熱硬化アクリル変性樹脂からメラミン樹脂に変更する以外、実施例1と同様にして転写用シート2を製作し、この転写用シート2を使用して、被転写体1のステアリングホイール30にインク層24を転写する。インク層24は、6色カラーのカエデ縮れ杢(カーリー杢)文様の木目模様とする。
ステアリングホイール30として、ウレタン発泡成型品(全周タイプ)のステアリングホイールを使用する。あらかじめ、ウレタン発泡成形部分の表面に接着剤層25を設ける。接着剤層25は、ポリウレタン系エマルジョン接着剤(三木理研製、E−05−039)をスプレーコーティングして設ける。
図5に示すように、ステアリングホイール30をセット台3の定位置にセットした後、吸引用カバー治具を取り付ける。吸引用カバー治具は、吸入開口12をステアリングホイール30の背面とするようにセットする。
その後、転写用シート2を、そのインク層24をステアリングホイール30に向けて、ステアリングホイール30の外周に沿ってセットする。転写用シート2は、ステアリングホイール30に沿う細長い形状であって転写するステアリングホイール30の全周をカバーする幅を有する。転写用シート2は、幅を8cmとする細長い帯状としている。転写用シート2の長さは、ステアリングホイール30の全周より長く裁断されている。この転写用シート2は、弾性的に約10%伸びるように、テンションをかけながら、ステアリングホイール30の外側にU曲して巻き付られる。巻き付けた転写用シート2は両端部をクリップ等の仮止具でステアリングホイール30にセットする。
その後、図6に示すように、蓋ケース5を降下させた後、真空ポンプ6で気密チャンバの空気を排気する。空気は、吸引用カバー治具を介して排気される。吸引用カバー治具は、ステアリングホイール30の形状に合わせたスリットの吸入開口12を有し、この吸入開口12から空気を排気する。テンションをかけて、弾性的に伸長している転写用シート2は、弾性回復力で復元しようとする力と、減圧力の両方で、ステアリングホイール30の裏面まで密着する。この状態において、気密チャンバは、真空度を約60トールとして排気される。この状態で、転写用シート2は、図6に示すように、ステアリングホイール30の円形リング31の約240度に沿う程度まで密着する。
さらに続いて、蓋ケース5の内部に、110℃に加熱して5気圧に加圧したホットエアーの圧縮空気を供給し、加熱ランプ7で赤外線を放射して、釜内温度を80℃とし、この状態を3分間保持する。この状態で接着剤は硬化される。ホットエアーの圧縮空気は、加熱して伸びやすくなった転写用シート2の上面をステアリングホイール30の表面に押圧する。この状態で、転写用シート2は、ステアリングホイール30の円形リング31の裏面まで、全周の360度にしわや空気溜まりを発生させずに密着する。
その後、冷却して、ウレタンエラストマーシートの基材シート21をステアリングホイール30から剥すと、インク層24と離型層22とをステアリングホイール30の表面に残して、離型層22と離型処理層23の界面からスムーズに剥離される。転写用シート2に設けたインク層24の木目文様は、ステアリングホイール30の全周にわたって、柄伸びや色が薄くなることもなく、裏面まで縮れ杢模様が放射状にきれいにそろっており、つなぎ目もわからず、本物と見間違う仕上がりが得られる。
比較例1
水圧転写して、ステアリングホイールの表面にカエデ縮れ杢(カーリー杢)柄の木目模様を転写する。この方法で製造されたステアリングホイールは、正面部分の木目模様を少ない歪で転写できる。ただ、裏面のつなぎ目においては、カエデ縮れ杢(カーリー杢)柄がつながらない不連続な木目模様となり、一目で天然木ではない印刷による木目と区別される。
比較例2
従来の転写用シートを使用して、木目模様をステアリングホイールの表面に転写する。転写用シートは、PETフィルムからなる基材シートの表面に、シリコーン樹脂からなる離型処理層を設け、さらにこの離型処理層の上にアクリル樹脂からなる離型層を介して、ウレタン系のインク層を設けている。インク層は、実施例と同じように、カエデ縮れ杢(カーリー杢)柄の木目模様とする。
この転写用シートは、伸縮性に欠けるのでステアリングホイールの広い面積に密着できない。無理に引っ張って、ステアリングホイールの半周以上の広い面積に密着させると、基材シートが破損して、綺麗にインク層を転写できなくなる。また、ステアリングホイールの裏面側には転写用シートを密着できず、ステアリングホイールの一部にしか木目模様を転写できない。
比較例3
転写用シートの伸縮性を向上させるために、基材シートをCCPフィルムとし、この基材シートの表面に、離型処理層としてオイルワックスの離型処理層を積層する。オイルワックスの離型処理層は、インクを塗工できず、またインク層に移行するので、この弊害を防止するために、離型処理層の表面にウレタン樹脂の離型層を積層する。ウレタン樹脂の離型層は、基材シートの伸縮に追従すると共に、表面にインク層の塗工を可能にする。ウレタン樹脂の離型層にビニル樹脂のインク層を積層して転写用シートとする。この転写用シートを使用して、木目模様をステアリングホイールの表面に転写する。インク層は、実施例と同じように、カエデ縮れ杢(カーリー杢)柄の木目模様とする。
この転写用シートは、綺麗な模様のインク層が実現できず、ステアリングホイールの表面に高品質な木目模様等を転写できない。また、転写用シートを製造して時間が経過すると、インク層の離型が難しくなり、スムーズに転写できなくなる。また、転写用シートの伸縮性が充分でなく、ステアリングホイールの裏面側まで木目模様を転写できない。
比較例4
転写用シートの伸縮性を向上させるために、基材シートをウレタンフィルムとし、この基材シートの表面に、離型特性の優れた離型処理層としてポリエステルポリオール樹脂の離型処理層を積層する。ポリエステルポリオール樹脂の離型処理層は、優れた離型性があるが、時間が経過するとインク層を剥離できなくなるので、この弊害を防止するために、ポリエステルポリオール樹脂の離型処理層の表面にポリアミド樹脂の離型層を積層する。この離型層の表面にウレタン樹脂のインク層の印刷する。この転写用シートを使用して、木目模様をステアリングホイールの表面に転写する。インク層は、実施例と同じように、カエデ縮れ杢(カーリー杢)柄の木目模様とする。
この転写用シートは、ウレタン樹脂のインク層を離型層の表面には綺麗に印刷できるが、ステアリングホイールに沿って転写用シートを伸縮させると、離型層のポアミド樹脂の伸縮追従性が悪く、この層に亀裂が発生して、綺麗な木目模様の状態で被転写体のステアリングホイールに転写できない。また、経時的にインク層の転写特性も低下し、転写用シートを製造して時間が経過すると、インク層をステアリングホイールの表面にスムーズに転写できなくなる。
以上は、被転写体をステアリングホイールとする実施例を詳述したが、本発明
の転写方法と転写用シートは、図11に示すように、アンダーカット状の被転写体1の表面にも模様を転写できる。アンダーカット状の被転写体1も、転写用シートの一部を伸長し、また一部を収縮させて、表面に転写用シートを密着して転写するからである。
本発明の一実施例に転写用シートの拡大断面図である。 本発明の転写方法に使用する転写装置の一例を示す概略断面図である。 図2に示す転写装置でステアリングホイールに模様を転写する工程を示す概略断面図である。 図2に示す転写装置がステアリングホイールに模様を転写する工程を示す概略断面図である。 本発明の転写方法に使用する転写装置の他の一例を示す概略断面図である。 図5に示す転写装置がステアリングホイールに模様を転写する工程を示す概略断面図である。 図5に示す転写装置がステアリングホイールに模様を転写する工程を示す概略断面図である。 ステアリングホイールに転写用シートをセットする状態を示す平面図である。 本発明の一実施例にかかる転写用シートの拡大断面図である。 図9に示す転写用シートでステアリングホイールに模様を転写した状態を示す拡大断面図である。 アンダーカット状の被転写体に模様を転写する状態を示す断面図である。
符号の説明
S…合せ目
1…被転写体
2…転写用シート
3…セット台
4…本体ケース 4A…周壁
5…蓋ケース 5A…凸条
5B…天板
6…真空ポンプ
7…加熱ランプ
8…開閉機構
9…上下機構
10…上下軸
11…往復運動機構
12…吸入開口
21…基材シート
22…離型層
23…離型処理層
24…インク層 24A…インクドット
24B…ドット間隙間
25…接着剤層
30…ステアリングホイール
31…円形リング
32…スポーク
33…ボス
34…保護カバー
35…仮止具
36…転写部分

Claims (9)

  1. 真空成形法により転写用シート(2)の被転写体(1)側を減圧することで、被転写体(1)の表面に転写用シート(2)を密着させて、転写用シート(2)のインク層(24)を被転写体(1)に転写する方法であって、
    転写用シート(2)として、破断時伸度を30%以上として弾性回復率を10%以下とするウレタンエラストマーシートからなる基材シート(21)の表面に、ビニル系の離型層(22)を介して、ウレタン系のインク層(24)を設けてなる転写用シート(2)を使用し、
    転写用シート(2)として、離型層(22)とウレタンエラストマーシートからなる基材シート(21)との間に、アクリル樹脂とメラミン樹脂とポリエステルポリオール樹脂とシリコン樹脂の少なくともひとつを含む離型処理層(23)を設けているシートを使用し、
    この転写用シート(2)を被転写体(1)の表面に密着させる状態で、転写用シート(2)を加熱して、インク層(24)を被転写体(1)の表面に転写し、ウレタンエラストマーシート(21)と離型層(22)との界面で剥離して、インク層(24)と離型層(22)を被転写体(1)の表面に積層してウレタンエラストマーシートからなる基材シート(21)を除去する被転写体に模様を転写する転写方法。
  2. 被転写体(1)の表面に密着する転写用シート(2)を80〜120℃に加熱して、インク層(24)を被転写体(1)に転写する請求項1に記載される被転写体に模様を転写する転写方法。
  3. 転写用シート(2)の離型層(22)がビニル系の樹脂にウレタン系樹脂を混合している請求項1に記載される被転写体に模様を転写する転写方法。
  4. 転写用シート(2)に設けている離型層(22)の膜厚を、0.1μm以上であって20μm以下とし、インク層(24)の膜厚を、0.1μm以上であって100μm以下とする請求項1に記載される被転写体に模様を転写する転写方法。
  5. 転写用シート(2)に設けている離型処理層(23)の膜厚が、0.1μm以上であって、20μm以下である請求項1に記載される被転写体に模様を転写する転写方法。
  6. 真空成形法により被転写体(1)側を減圧することで、被転写体(1)の表面に圧力差で密着されて、離型層(22)を介して表面に設けているインク層(24)を被転写体(1)の表面に転写する転写用シートであって、
    破断時伸度が30%以上であって弾性回復率が10%以下であるウレタンエラストマーシートからなる基材シート(21)の表面に、ビニル系の離型層(22)を介して、ウレタン系のインク層(24)を設けており、
    離型層(22)とウレタンエラストマーシートからなる基材シート(21)との間に、アクリル樹脂とメラミン樹脂とポリエステルポリオール樹脂とシリコン樹脂の少なくともひとつを含む離型処理層(23)を設けており、
    被転写体(1)の表面に密着される状態で加熱されて、インク層(24)が被転写体(1)の表面に転写されて、ウレタンエラストマーシートからなる基材シート(21)と離型層(22)との界面で剥離されて、インク層(24)と離型層(22)を被転写体(1)の表面に積層してウレタンエラストマーシートの基材シート(21)が除去されるようにしてなる被転写体に模様を転写する転写用シート。
  7. 転写用シート(2)の離型層(22)がビニル系の樹脂にウレタン系樹脂を混合している請求項6に記載される被転写体に模様を転写する転写用シート。
  8. 離型層(22)の膜厚を、0.1μm以上であって20μm以下とし、インク層(24)の膜厚を、0.1μm以上であって、100μm以下とする請求項6に記載される被転写体に模様を転写する転写用シート。
  9. 離型処理層(23)の膜厚が、0.1μm以上であって、20μm以下である請求項6に記載される被転写体に模様を転写する転写用シート。
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