JP5015413B2 - ポリマーの分別方法 - Google Patents

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Description

本発明は、ポリマーの混合物を分別する方法、分別に使用する溶媒、およびこれによって得られる分別されたポリマーであって強誘電性ポリマーフィルムの形成に有用なポリマーに関する。
強誘電体は、外部電界を印加することによって永続的な電気分極を示すことができる誘電体の一分類である。強誘電材料をデータ処理デバイスに使用することがGudesenらの米国特許出願公開第2002/0044480号に記載されており、これはデータ伝送媒体として強誘電材料の薄膜を含む強誘電性データ処理デバイスに関する。該薄膜は無機材料、セラミック材料、ポリマーまたは液晶であり得る。しかし、Gudesenは強誘電性フィルムをどのようにして調製するかについては開示していない。データ処理デバイスにおける強誘電性ポリマーの使用もまた、例えば、Y.Tajitsuらによって「Investigation of Switching Characteristics of Vinylidene Fluoride/Trifluoroethylene Copolymers in Relation to Their Structures」(Japanese Journal of Applied Physics、Volume 26、pp.554−560、1987)に記載されている。
ある種のフッ化ビニリデンポリマーのみが強誘電性であり、強誘電性の存在は少なくとも一部分はフィルムの履歴、例えばフィルムの熱履歴およびフィルムを形成するのに使用された溶媒によることが知られている。例えば、Choによる文献Polymer、Volume 15、p.67(1991)のアブストラクトを参照せよ。最近、Tashiroらは Macromolecules、Volume 35、p.714(2002)において、種々のフッ化ビニリデンの結晶形態について詳細な構造分析を行った。フッ化ビニリデンポリマーは4種類の異なる結晶形態で生じ、その全ては単斜晶系である。理論によって束縛されるものではないが、I型はCF双極子がb結晶軸に沿って互いに対して平行している極性構造を形成する平面ジグザグ鎖を本質的に有する。これらの鎖は緊密にパッキングされており、大きな結晶を形成する傾向を持つ。II型においては、CF双極子はb軸に沿って反平行様式でパッキングされている。従って、II型は無極性であり、I型よりも緊密にパッキングされていない。III型もまた緊密にパッキングされた極性単位格子であり、ジメチルアセトアミドまたはジメチルホルムアミドなどの高極性溶媒(しかし必ずしも水素結合ではない)からキャスティングによって得られる。またIII型は、II型またはIV型を高温でアニーリングすることによっても得ることができる。最後に、IV型は、鎖が平行様式でパッキングされている極性構造である。また、IV型は、II型と相互転換することができるため強誘電特性の観点から望ましい型である。フッ化ビニリデンのコポリマーは同様の特徴を示す。
強誘電性のほかに、別の多数の特性が強誘電性ポリマーフィルムの機能および使用において重要であり、これには例えばヒステリシスに関連した諸特性〔例えば、飽和電位、保磁力(coercive field strength)および誘電率〕;信頼性〔例えば、疲労、老化、時間依存性絶縁破壊、インプリント(imprint)および弛緩〕;およびフィルムのキュリー転移温度などの熱力学的性質が挙げられる。多数の因子がこれらの特性に影響を及ぼす可能性があり、例えば強誘電性ポリマーの組成、および個々のフィルムに加えられた熱負荷などの履歴因子、フィルムを調製する方法、フィルムを調製するのに使用された溶媒、およびフィルムに加えられた機械的応力が挙げられる。フッ化ビニリデンフィルムを形成するのに使用する技術を改良する試みは幾つかなされたが、一方フッ化ビニリデンポリマーそれ自体の組成を制御することはあまり重要視されていなかった。
フッ化ビニリデンポリマーの典型的な合成方法は、前記の特性が異なるポリマーの混合物を生成する。例えば、Furukawaらは Adv.Colloid and Interface Sci.、Vol.71−72,p.183(1997)において、複数のフッ化ビニリデン−トリフルオロエチレンコポリマーのポリマー組成と、キュリー温度(すなわち強誘電状態と常誘電状態の間の転移が生じる温度)との間の関係を論じ、キュリー温度が組成に極めて影響されやすいということを見出している。さらに、Ambalangodageらによって、Appl.Surf.Sci/Vol.175−176、pg.386(2001)において論じられているように、組成は強誘電性フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレンコポリマーの分極においてフルスケールの変異に影響を及ぼす。
Kapplerの米国特許第4,946,913号は、ポリマーを形成するための反応条件(すなわち、加えるモノマーの添加の速度、時間、温度、圧力、「保護コロイド」および反応開始剤)の調節による強誘電性のフッ化ビニリデンとトリフルオロエチレンのコポリマーのモル組成および分子量の制御に関する。しかし、特に、強誘電性ポリマーの分子量分布を調節または最適化する方法については報告が見られない。
分子量分布を調節する一般的な方法としては、クロマトグラフ分離および混合溶媒分別などの方法が挙げられる。「Polymer Fractionation」、(Springer−Verlag、(1994)、Chapter 4、Francuskiewicz著)に記載されているように、混合溶媒分別においては、溶解したポリマーの溶液を、溶媒混和性のポリマー沈殿剤(非溶媒もしくは貧溶媒ともいう)で処理し、それによってポリマーの一部を前記溶液から分離する。次いで、この沈殿したポリマーの種々の画分を所望の結果に合わせて取り出すことができる。溶媒と沈殿剤の両方の選択において考慮すべき3つの因子として、溶媒の溶解力、沈殿剤の沈殿力、および溶媒と沈殿剤の混和性が挙げられる。Francuskiewiczによれば、溶媒も沈殿剤もあまり強すぎないものであるべきであり、溶媒−沈殿剤系は温度に対して高い感受性を示すべきであり、さらにこの系はポリマーよりも低い密度を有するべきである。しかし、本発明者らは、これらの因子単独では、得られる結果が狭い分子量分布および特定の組成であるようなフッ化ビニリデンポリマーの効果的な分別方法を提供するのに不十分であることを見出した。
Radoszに付与された米国特許第5,264,536号には、反応条件を単に制御することによって達成することができる分子量分布を越えてポリオレフィン類の分子量分布をさらに狭めるためのポリマー混合物の混合溶媒分別法の使用が開示されている。強誘電性ポリマーの分別は開示されていない。しかし、この方法は、実用的な制限を有する超臨界(supercritical)溶媒の使用を必要とする。また、方法がフッ化ビニリデンポリマー、特に強誘電性フッ化ビニリデンポリマーに適用できることは示されていない。従って、狭い分子量分布、特にフィルム、特に記憶デバイスとして使用するのに適したフィルムの製造を可能にする重量分布を有する強誘電性ポリマーの経済的で、高い再現性の製造方法に対する要求が依然として存在する。
米国特許出願公開第2002/0044480号明細書 米国特許第4,946,913号明細書 米国特許第5,264,536号明細書 Y.Tajitsuら著、「Investigation of Switching Characteristics of Vinylidene Fluoride/Trifluoroethylene Copolymers in Relation to Their Structures」、Japanese Journal of Applied Physics、Volume 26、pp.554−560、1987 Cho著、Polymer、Volume 15、p.67(1991) Tashiroら著、Macromolecules、Volume 35、p.714(2002) Furukawaら著、Adv.Colloid and Interface Sci.、Vol.71−72,p.183(1997) Ambalangodageら著、Appl.Surf.Sci/Vol.175−176、pg.386(2001) 「Polymer Fractionation」、(Springer−Verlag、(1994)、Chapter 4、Francuskiewicz著)
本発明の一つの態様において、フッ化ビニリデンポリマーの分別方法は、フッ化ビニリデンポリマーと溶媒とを含有する溶液に沈殿剤を加えて混合物を形成し(但し、溶媒は分極性官能基を少なくとも1つ有するものであり、沈殿剤は溶媒と相溶性であり、さらに沈殿剤はフッ化ビニリデンポリマーの分子量に基づいて第一の温度で前記混合物とフッ化ビニリデンポリマーの画分との間で固−液相分離を生じるのに十分な量で加えられるものとする);次いで重量分別されたフッ化ビニリデンポリマーを前記混合物から単離することを含む。
別の態様において、前記の方法によって製造されるフッ化ビニリデンポリマー、前記の方法によって製造されるフッ化ビニリデンポリマーを含むフィルム、前記の方法によって製造されるフッ化ビニリデンポリマーを含むフィルムの製造方法、および該フィルムを含むデータ処理デバイスであって該データ処理デバイスに使用されるフィルムが強誘電性であるデータ処理デバイスが提供される。
本発明の別の態様において、1.3未満の分子量分布比率を有するフッ化ビニリデンポリマーが提供される。
別の態様において、1.3未満の分子量分布比率を有するフッ化ビニリデンポリマーを含むフィルム、1.3未満の分子量分布比率を有するフッ化ビニリデンポリマーを含むフィルムの製造方法、および該フィルムを含むデータ処理デバイスであって該データ処理デバイスに使用されるフィルムが強誘電性であるデータ処理デバイスが提供される。
本発明のさらに別の態様において、強誘電性ポリマーと溶媒とを含有する溶液に沈殿剤を加えて混合物を形成し(但し、溶媒は分極性官能基を少なくとも1つ有するものであり、沈殿剤は溶媒と相溶性であり、さらに沈殿剤は強誘電性ポリマーの分子量に基づいて第一の温度で前記混合物と強誘電性ポリマーの画分との間で固−液相分離を生じるのに十分な量で加えられるものとする);次いで重量分別された強誘電性ポリマーを前記混合物から単離することを含む強誘電性ポリマーの分別方法が提供される。
別の態様において、前記の方法によって製造される強誘電性ポリマー、前記の方法によって製造される強誘電性ポリマーを含むフィルム、前記の方法によって製造される強誘電性ポリマーを含むフィルムの製造方法、および該フィルムを含むデータ処理デバイスが提供される。
本発明のさらに別の態様において、1.3未満の分子量分布比率を有する強誘電性ポリマーが提供される。
別の態様において、1.3未満の分子量分布比率を有する強誘電性ポリマーを含むフィルム、1.3未満の分子量分布比率を有する強誘電性ポリマーを含むフィルムの製造方法、および該フィルムを含むデータ処理デバイスが提供される。
強誘電性ポリマーの諸特性、例えば溶解度、皮膜形成特性、キャストフィルムの表面粗さ、および結晶化度などの、制御および改良は、前記ポリマーの分子量および分子量分布(多分散性)を制御することによって達成することができると意外にも知見された。かかる制御、特により低い多分散性は、混合溶媒分別法によって確実に且つ経済的に得ることができる。
さらに、混合溶媒分別法のための溶媒の選択がポリマー画分の分子量分布および組成に影響を及ぼすことが意外にも知見された。特に、溶媒はわずかにまたは中程度に極性であり且つ分極性を有するように選択される。分極性および低い極性乃至中程度の極性の組み合わせを有する溶媒の選択は、特定の特性、特に多分散性を有する強誘電性ポリマーの優れた分離をもたらす。
強誘電特性を示し、且つ強誘電性ポリマーフィルムの形成に適した有機ポリマーとしては、フッ化ビニリデン、トリフルオロエチレン、クロロトリフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロペン、塩化ビニリデン、フッ化ビニル、塩化ビニル、または前記のモノマーの少なくとも1つを含有する混合物から誘導されるポリマーが挙げられる。他の有機ポリマー、例えばある種のナイロン類もまた強誘電特性を有することが知られている。前記のように、これらのポリマーのある種の型のみが強誘電性であり得る。本明細書で使用する「強誘電性ポリマー」という用語は、強誘電特性を有するかまたは例えば加熱処理によって強誘電特性を有することができるポリマーを包含する。
フッ化ビニリデンポリマーが好ましい強誘電性ポリマーである。本明細書で使用するフッ化ビニリデンポリマーとは、フッ化ビニリデンから誘導されるホモポリマーをいうか、あるいはフッ化ビニリデンモノマー単位と、別の任意の共重合されるコモノマー単位、特にテトラフルオロエチレン、トリフルオロエチレン、クロロトリフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロペン、塩化ビニリデン、フッ化ビニル、塩化ビニル、または前記コモノマーの少なくとも1つを含有する混合物とから誘導されるコポリマーをいう。さらに、物品、例えばフィルムの形成の際にフッ化ビニリデンポリマーを形成するプレポリマーも包含される。
また別のコモノマー、例えばアクリロニトリル、アクリルアミド、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸オクチル、メタクリル酸、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸オクチル、アクリル酸2−ヒドロキシエチル、アクリル酸グリシジル、アクリル酸、無水マレイン酸、酢酸ビニル、スチレン、α−メチルスチレン、トリメトキシビニルシラン、トリエトキシビニルシラン、ノルボルネンおよびブタジエンを最終フィルムの性質を調節するために存在させることができる。
また、ポリフッ化ビニリデンおよびエチレン−テトラフルオロエチレン交互コポリマーなどのオリゴマーおよびプレポリマーを使用することができる。これらの重合性モノマーは、単独で使用することができる、または2以上のコモノマーの組み合わせとして、例えばターポリマーおよびテトラポリマーとして使用することができる。
前記のコモノマーは、ポリマー全体の50モル%以下の量、好ましくは30モル%以下の量で存在することができる。存在する場合、これらのコモノマーは、一般的にはポリマー全体の0.5モル%以上、好ましくは1モル%以上、さらに好ましくは2モル%以上の量で含有される。
好ましいポリマーはフッ化ビニリデンを含み、フッ化ビニリデンはトリフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレンまたはこの両方と共重合されていてもよい。従って、フッ化ビニリデンモノマーは、全ポリマー組成に基づいて、10〜100モルパーセント(モル%)の濃度で存在する。この範囲内において、50モル%以上のフッ化ビニリデンモノマー濃度を使用することができるが、70モル%以上が好ましい。また、この範囲内において、90モル%以下のフッ化ビニリデンモノマー濃度が好ましく、85モル%以下のフッ化ビニリデンモノマー濃度がさらに好ましい。
トリフルオロエチレンモノマーは、存在する場合、フッ化ビニリデンポリマー全体の90モル%までを構成する。この範囲内において、10モル%以上のトリフルオロエチレンモノマー濃度を使用することができるが、20モル%以上のトリフルオロエチレンモノマー濃度が好ましい。また、この範囲内において、50モル%以下のトリフルオロエチレン濃度が好ましいが、30モル%以下のトリフルオロエチレン濃度がさらに好ましい。ヘキサフルオロプロピレンモノマーは、存在する場合、フッ化ビニリデンポリマーの全重量の50モル%までを構成する。10モル%以上のヘキサフルオロプロピレンモノマー濃度を使用することができるが、15モル%以上のヘキサフルオロプロピレンモノマー濃度が好ましい。
フッ化ビニリデンポリマーを提供する重合条件はよく知られている。フッ化ビニリデンポリマーは、バルク重合、溶液重合、懸濁重合または乳化重合によって製造することができる。少量の開始剤、例えば有機ペルオキシドを存在させてもよい。重合がいったん起こると、未反応のモノマーは例えば、加熱によって、減圧下にポリマーを置くことによって、適当な溶媒で洗浄することによって、または前記の精製工程の少なくとも1つを含む組み合わせによって除去することができる。さらに、フッ化ビニリデンポリマーは商業的に入手可能であり、例えばコ−(フッ化ビニリデントリフルオロエチレン)は、Solvay Corporationから入手可能である。強誘電体フィルムの形成に適したフッ化ビニリデンポリマーは、5〜250キロダルトン(kDa)の分子量を有することが好ましい。この範囲内において、20kDa以上の分子量、好ましくは30kDaを超える分子量を使用することができ、80kDa以下の分子量が好ましく、60kDa以下の分子量がさらに好ましい。
本発明者らは、強誘電性ポリマーの諸特性、特に多分散性の制御および向上は本明細書に記載の溶媒の選択について追加のパラメーターを使用して、混合溶媒分別によって確実におよび経済的に得ることができると知見した。この分別方法は、ポリマーを溶媒に溶解することを含み、前記溶媒は僅かにまたは中程度に極性であって、分極性を有するかまたは分極性部分を有するように選択される。非極性と分極性との最適な組み合わせを有する溶媒の選択は、特有の特性、特に特有の多分散性を有する強誘電性ポリマーの優れた分離をもたらす。従って、強誘電性フィルムを形成するための前駆体として前記の分別された強誘電性ポリマーを使用することはそれを用いて製造される強誘電性フィルムの諸特性の制御を可能にする。
従って、好ましい溶媒は、低い極性乃至適度な極性を有し且つ分極性官能基を少なくとも1つ含有するものである。極性の一つの簡便な尺度は、極性溶解度パラメーター成分、δ、であり、これはBartonによって「Handbook of Solubility Parameters and Other Cohesion Parameters」、CRC Press、(1991)、Chapter 5に記載されている。22MPa1/2未満のδを有する溶媒は、低い極性乃至適度な極性を有すると考えられる。この範囲内において、約20MPa1/2以下の極性溶解度パラメーターが好ましい。
分極性は一般に分極性官能基が存在することに起因する。分極性官能基としては、例えばニトリル、ハロゲン、芳香族環、ニトロ基、アミン、アルデヒド、ケトン、エステル、アミド、スルホン、アルコールおよびこれらの官能基の組み合わせが挙げられる。さらに、溶媒分子は、エネルギー的に可能な互変異性体、例えばn、(n+2)ジケトン類、β−ケトエステル類、イミド類、エノール類などを生成する複合官能価基を含有することができる。加えて、前記の基のうちの一つとエーテル基との組み合わせも有用である。ある種のハロゲン化溶媒、例えばジクロロメタン、クロロベンゼンおよびo−ジクロロベンゼンは、フッ化ビニリデンポリマーおよびコポリマーを溶解しない。溶媒は4〜20立方オングストローム(Å)の分極性を有することが好ましい。
さらに、前記ポリマーは前記の溶媒に、好ましくは室温で溶解することが好ましい。ある種のハロゲン化溶媒、例えばジクロロメタン、クロロベンゼンおよびo−ジクロロベンゼンはフッ化ビニリデンポリマーおよびコポリマーを溶解しないので、これらのポリマーに使用するのに適していない。好ましい溶解性は2〜50重量パーセント(wt%)である。この範囲内において、約5wt%以上の溶解性が好ましい。製造の観点から溶媒は使用者に対して著しい健康および安全上の危険をもたらさないことが好ましく、例えば、溶媒は38℃(100°F)よりも高い引火点を有すること、非発癌性であること、生殖非毒性、非腐食性、非感作性、および非アレルゲンであることが好ましい。前記にもかかわらずに、環境上または毒性上の危険を示す溶媒は、作業者の暴露および/または環境への放出から守るために適切な予防措置がとられる場合には安全に使用することができる。
上記の特徴を有する適当な溶媒としては、例えば、アセトニトリル、ホルムアミド、ニトロメタン、ニトロエタン、ニトロプロパン、ニトロブタン、ニトロイソプロパン、ニトロイソブテン、ニトロ−tert−ブタン、アセトアルデヒド、ギ酸メチル、アセトアミド、N−メチルホルムアミド、ジメチルスルホン、プロピオニトリル、イソプロピオニトリル、ブチロニトリル、イソ−ブチロニトリル、tert−ブチロニトリル、ベンゾニトリル、N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、炭酸ジエチル、乳酸エチル、乳酸メチル、乳酸プロピル、乳酸ブチル、乳酸イソプロピル、乳酸イソブチル、乳酸tert−ブチル、2−メトキシプロピオン酸メチル、2−メトキシプロピオン酸エチル、2−メトキシプロピオン酸プロピル、2−メトキシプロピオン酸イソプロピル、2−メトキシプロピオン酸ブチル、2−メトキシプロピオン酸イソブチル、2−メトキシプロピオン酸tert−ブチル、ビアセチル、ペンタン−2,4−ジオン、ヘキサン−2,4−ジオン、ヘキサン−3,5−ジオン、ヘプタン−2,4−ジオン、ヘプタン−3,5−ジオン、ピリジン、2−メチルピリジン、3−メチルピリジン、4−メチルピリジン、3−オキソ−酪酸メチルエステル、3−オキソ−酪酸エチルエステル、3−オキソ−酪酸プロピルエステル、および前記溶媒の1以上を含有する混合物が挙げられる。アニソール、アセトン、エタノール、テトラヒドロフラン、ジオキサンおよびメタノールなどの溶媒はあまり好ましくない。
理論に束縛されるわけではないが、アセトニトリルまたはペンタン−2,4−ジオンなどの分極性溶媒が有効であると考えられる。その理由は、該溶媒がポリマーの比較的非極性の部分およびより極性の部分の両方を溶媒和するためである。おそらくは誘導された双極子相互作用によって、溶媒の非極性特性がポリマーの部分的に正に帯電した水素の多い帯域を溶媒和すると考えられ、これに対して溶媒の分極性官能基が部分的に負に帯電したフッ素の多い帯域を溶媒和すると考えられる。
分別は、沈殿化溶媒(「沈殿剤」)を強誘電性ポリマー溶液に加えて2つの相(例えば、固相と液相)を提供することによって生じる。フッ化ビニリデンポリマー画分は沈殿剤にあまり溶解しない一方で、沈殿剤は第一の溶媒と相溶性である。沈殿性非溶媒は、前記溶媒と相溶性であるように選択され、例えば水、メタノール、エタノール、線状、分岐および環状脂肪族炭化水素、芳香族炭化水素および置換芳香族炭化水素が挙げられる。
本発明で使用するのに適した溶媒−沈殿剤系としては、例えば、アセトニトリルと水の系、ブチロニトリルと水の系、ベンゾニトリルと水の系、およびペンタン−2,4−ジオンとC〜C15炭化水素、好ましくはヘキサンの系が挙げられる。
使用する沈殿剤の量は、ポリマーの種類、ポリマーの濃度、沈殿剤の種類、添加中の温度および同様の考慮すべき事項をはじめとする因子に依存する。例えば、沈殿剤を室温で溶液に固相が形成するまで加えて、それによって分子量に基づいてポリマーを分別することができる。より狭い分子量分布を有する画分が固相中に最も一般に認められるが、該画分は分別条件に応じて液相から単離することができると理解されるべきである。
一つの態様において、沈殿剤をポリマー−溶媒の溶液に固相が形成し始めるまで加え、次いで前記溶液の温度を固相(すなわち、沈殿)が前記溶液に再溶解する(すなわち、形成された混濁溶液が再度透明になる)ように高める。次いで、この混合物を制御した方法で冷却してポリマー画分を沈殿させる。溶液の冷却は、1時間当たりにつき10摂氏温度(℃/時間)未満の速度であることが好ましい。5℃/時間以下の冷却速度が好ましく、1℃/時間以下の冷却速度がさらに好ましく;さらに24〜72時間の全冷却時間の範囲であることが好ましい。
別の態様において、沈殿剤は、沈殿が実質的に形成しないように溶液の加熱と同時に加えられる。所定量の沈殿剤を加えた後に、溶液を前記のように制御された冷却に供してポリマー画分を沈殿させる。適当な量および温度はポリマー、溶媒および沈殿剤に依存し、当業者によって容易に決定される。
固体ポリマー画分が溶液からいったん沈殿すると、該固体ポリマー画分は当該技術分野において知られている方法、例えば濾過および遠心分離によって取り出すことができる。所望の画分を含有する相は、例えば固体を母液(すなわち、液相)から濾過することによって単離される。任意に第一の画分を取り出した母液を複数回分別して複数の画分を得ることができる。これらの画分の1以上の単離は、ポリマーの合成中に得られたものよりも狭い分子量分布、好ましくはより均一な組成を有するポリマーをもたらす。
分子量分布を狭めることができる量は、溶液に最初に溶解されるポリマーの分子量および組成、使用する溶媒、ポリマーを分別する回数などに依存する。分別されたポリマーの分子量分布は、最初の分子量分布よりも5〜90%まで狭めることができる。この範囲内において、分子量分布は、最初の分子量分布よりも10%以上、25%以上、好ましくは40%以上に狭めることができる。また、この範囲内において、前記分子量分布は最初の分子量分布よりも75%以下、60%以下、好ましくは50%以下に狭めることができる。
分別後に、ポリマー画分の分子量分布比率(M/M)(テトラヒドロフランを溶出液として使用し、蒸発光散乱検出器を使用するゲル透過クロマトグラフィーにより測定される)は1.01〜1.5であることが好ましい。この範囲内において、1.3以下の分子量分布比率が好ましく、1.2以下がさらに好ましい。
いったん分別されると、1以上の単離された画分は、フィルムなどの物品を形成するのに使用することができる。ポリマーは前記の処理中に強誘電特性を有してもよく、またはその後に例えば熱などで処理してポリマーを強誘電性にしてもよいと理解されるべきである。
分別されたポリマーのほかに、適当な皮膜形成性の前駆体組成物は、さらに当該技術分野において知られている添加剤、例えばコーティング特性を向上させる界面活性剤を含有することができる。界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレングリコールジラウレート、ポリオキシエチレングリコールジステアレート、並びに有機フルオロ界面活性剤、例えば商品名Megafax F171、F172、F173、F471、R−07、R−08(大日本インキ化学工業株式会社から入手可能である)、Fluorad FC171、FC430、FC431(3M Corprationから入手可能である)、ASAHI GUARD AG710、Surflon S−382、SC−101、SC−102、SC−103、SC−104、SC−105、SC−106(旭硝子株式会社から入手可能である)、KP341(信越化学工業株式会社から入手可能である)、Polyflow No.75、No.95(共栄社化学株式会社から入手可能である)、Silwet L−7604(Witco Chemical Corpから入手可能である)、およびNBX−7、NBX−8、NBX−15(株式会社NEOSから入手可能である)として商業的に入手可能な界面活性剤、並びに上記の界面活性剤の1以上を含有する混合物が挙げられる。
ポリマーフィルムは、前駆体組成物から湿式法によって、例えば溶媒およびディスパージョンを使用して形成することができる。前記の方法としては、例えばキャスティング、ブレードコーティング、ロールコーティング、スピンコーティング、浸漬およびスプレーコーティング、並びに印刷方法、例えば平板印刷法(lithography)、凸版印刷(relief printing)、凹版印刷(intaglio)、多孔板印刷(perforated plate printing)、スクリーン印刷および転写が挙げられる。フィルムを形成するさらに別の湿式法としては、電気化学的方法、例えば電着法、電気重合法、ミセル電解法(例えば、特開昭63−243298号参照)、および水の上で形成される単分子膜を使用するラングミュアブロージェット法が挙げられる。また、強誘電性ポリマー前駆体をフィルムに形成する方法としては、前記の種々の方法の少なくとも一つを包含する組み合わせを挙げることができるが、スピンコーティング法が好ましい。
フィルムを形成するための湿式法は、第二の溶媒組成物の使用を必要とし、これはその後に除去される。適当な溶媒組成物は、単一の溶媒を含有していてもよく、または相溶性溶媒の混合物を含有していてもよく、しかもポリマーを溶液中に溶解し、保持する溶媒であって、好ましくは前駆体組成物中に一連の濃度により存在することができる他の溶質を含む。好ましくは溶媒は、少なくとも4wt%、好ましくは8wt%よりも多く、さらに好ましくは10wt%よりも多くの前駆体組成物を含む溶液を提供するのに有効であって、ここでこれは例えば粒状無機充填剤などの不溶性であるべき成分を除く。溶媒はさらに、蒸発して平滑なフィルム、好ましくは欠陥のないフィルムを形成する溶媒であることができる。加えて、製造の観点から溶媒は、例えば38℃(100°F)よりも高い引火点を有することによって使用者に対して著しい健康および安全上の危険をもたらさないことが好ましい。
実際には、ポリマーフィルム前駆体組成物が溶媒組成物に溶解され、該フィルムは前記の皮膜形成方法の1以上の方法で形成される。例えば、スピンキャスティングにおいて、1〜10重量パーセント(wt%)の被膜形成性ポリマーおよび任意の添加剤を含有する溶液は、1分当たり500〜10,000回転(RPM)で回転する基体に15〜30℃の温度で適用することができる。スピンコートされたフィルムを次いで加熱することができ、例えば80〜145℃でホットプレート上でベークすることができる。
接着促進剤を任意にフィルムの製造に使用することができる。適当な接着促進剤としては、例えばヘキサメチルジシラザン、トリメチルシリルジエチルアミン、N−(n−ブチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、2−アミノエチルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−メチル−ガンマ−アミノ−プロピルトリメトキシシランおよびトリアミノ変性プロピル−トリメトキシシラン(例えば、商品名Dynasylan−Triamoとして入手可能な接着促進剤、Dynamit Nobel Chemieから商業的に入手可能である)、並びに前記の接着促進剤の1以上を含有する混合物が挙げられる。加えて、アクリル、ポリエステルおよびこれらの組み合わせをはじめとする接着層を使用して、活性強誘電層と基体並びに活性強誘電体と上部導体電極の間の接着を促進させることができる。従って、低分子量ポリメチルメタクリレート、ポリメタクリレート、ポリエチレンテレフタレートまたはこれらの組み合わせの溶液を使用して、例えばスピンコーティングによって接着促進層を堆積させることができる。
ポリマーフィルムは、最初に調製された形態で使用してもよいし、または追加の処理工程に供してもよい。例えばポリマーを強誘電性にするための加熱処理、架橋、5キロエレクトロンボルト(keV)を越えるエネルギーおよび0.5マイクロキュリー/平方センチメートル(C/cm)を越える線量を有する電子ビームを用いる照射、または20nm未満の波長および1ミリジュール平方センチメートル(mJ.cm)を越える線量を有するX線を用いる照射に供してもよい。フィルムをまた1以上の軸に沿って延伸し;例えば100℃〜130℃の温度で1分〜12時間アニールすることによって、加熱処理することができ;フィルムを導電性または半導電性保護層で被覆することができ、これには例えばコロイド状グラファイト、導電性ポリマー、例えば部分イオン化ポリチオフェン、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)−ポリ(スチレンスルホネート)(PEDOT−PSS、Bayer AGによって供給)、または部分イオン化ポリアニリン、あるいは蒸発させた2−アミノ−1H−イミダゾール−4,5−ジカルボニトリルなどの小分子および蒸発させたテトラチアフルバレン−テトラシアノキノジメタンなどのドナー−アクセプター複合体などが挙げられ、あるいはフィルムはインジウム−酸化スズなどの無機層を有していてもよい。また、追加のコンディショニング工程は、前記の処理の少なくとも一つを含む組み合わせを包含することができる。
ポリマーフィルムの厚みは最終用途に依存する。例えば、ポリマーフィルムをデータ処理デバイスに使用する場合、該フィルムは5〜350ナノメートル(nm)の厚みを有することが好ましい。この範囲内において、15nm以上の厚み、好ましくは20nm以上の厚みが好ましい。また、この範囲内において、50nm以下の厚みであることが好ましく、25nm以下の厚みがさらに好ましい。
分別されたポリマーまたはプレポリマーを用いて形成されたフィルムは改良された性質を有し、これは使用したポリマー画分および所望の最終用途に応じて調整することができる。フィルムは300オングストローム(Å)以下の平均粗さ(これは原子間力顕微鏡(AFM)を使用して平均二乗偏差として測定される)を有し得るが、150Å以下の平均粗さが好ましく、100Å以下の平均粗さがさらに好ましく、75Å以下の平均粗さが最も好ましい。前記の粗さは、データ処理デバイスにおける再現性、信頼性、軽減されたポーリング疲労、良好な電極接触および密度の高い実装(dense packing)に望ましい。
さらに、ポリマーフィルムは、1〜10ナノメートルの平均結晶ドメインサイズ(AFMによって測定される)を有する。この範囲内において、8ナノメートル以下の平均ドメインサイズが好ましく、6ナノメートル以下の平均ドメインサイズがさらに好ましく、2ナノメートル以下の平均ドメインサイズが最も好ましい。このようにフィルムは減少した平均ドメインサイズを有し、これはデータ処理デバイスにおける再現性、信頼性、軽減されたポーリング疲労、良好な電極接触、および密度の高い実装に望ましい。
多分散性、ヒステリシスに関連した特性(例えば、飽和電位、保磁力および誘電率)、信頼性(例えば、疲労、老化、時間依存絶縁破壊、インプリントおよび緩和);速度特性(例えば、スイッチング時間);および熱力学的特性(例えば、フィルムのキュリー転移温度)をはじめとするその他の種々のフィルム特性を調節することができる。
強誘電性ポリマーフィルムは、1.0〜3以下、好ましくは2以下の多分散性を有することができるが、1.5以下の多分散性がさらに好ましく、1.3以下の多分散性が最も好ましい。
ヒステリシスは、強誘電性ポリマーフィルムに作用する電界を前に誘導された状態から変化させた場合の分極効果に認められる遅れまたは遅延である。ヒステリシスループの形と大きさは、個々の強誘電性物質に特有である。ヒステリシスは、印加された電界(E)の大きさに対する観察された分極(P)のプロットで図示することができる。例えば、電界が増大するにつれて、フィルムの結晶ドメインは電界によって配向された状態になる。さらに再配向が生じ得ない場合には、曲線は平坦になる。ここでE=0での分極軸に対して外挿された線との交点での分極値が飽和分極である。ヒステリシスループ上のE=0での分極の大きさが残留分極である。
強誘電性ポリマーフィルムに関して、ポーリング疲労とは、所定の駆動振幅でのヒステリシス曲線の反復循環中の残留分極の低下をいう。例えば、100メガボルト/メートル(MV/m)の駆動振幅、すなわちフルスケール(50MV/mの保磁力、Ec)では、残留分極は、100サイクルにおいてそのアンポールド値(umpolled value)の80〜90%まで減少する可能性がある。好ましくは、残留分極の低下は、Ec=50MV/mで100サイクルにおいて70%以下であるべきである。0〜70%の範囲内において、60%以下の残留分極の低下がさらに好ましいが、50%以下の残留分極の低下が最も好ましい。
また、Fedosov(Electrical Properties of Ferroelectric Polymers During the Switching of Polarization,Sergiy Fedosov; http://www.tu−darmstadt.de/fb/ms/fg/em/Ferroelektrika.pdf参照)に従って測定される、強誘電性ポリマーフィルムの残留分極と飽和分極との間の差は、0.1〜70ミリクーロン/平方メートル(mC/m)である。この範囲内において、50mC/m以下の差が好ましく、25mC/m以下の差がさらに好ましい。保磁力はヒステリシスループの水平切片として定義される(Ecと命名する)。強誘電性ポリマーフィルムは、例えば、純粋なフッ化ビニリデンポリマーに比べてよりスクエアなヒステリシスループに合致した20〜80メガボルト/メートル(MV/m)の保磁力を有することが好ましい。また、強誘電性ポリマーフィルムは、20〜80MV/mの保磁力(Christieら、J.Polymer Sci.:Part B、Vol.35、p.2671、(1997)に従って測定される)を有することが好ましい。この範囲内において、30MV/m以上の保磁力が好ましく、40MV/m以上の保磁力がさらに好ましい。
強誘電性ポリマーフィルムの別の特性は微分誘電率であり、これは曲線の任意の位置で測定されるヒステリシスループの傾きである。Ecでの強誘電材料の微分誘電率は、0.5〜15ナノクーロン/メートル ボルト(nC/m*V)であることが好ましい。この範囲内において、1以上の微分誘電率が好ましく、2.5nC/m*V以上の微分誘電率がさらに好ましい。
知られているように、ポリマーフィルムの強誘電特性は、該ポリマーをその強誘電状態からその常誘電状態に変化させることによって消失され得る。これらの同じ特性は、強誘電状態に戻るポリマーのその後の転化時に再現させることができる。かかる熱力学的状態の変化は、例えば、温度の変化により生じさせることができる。キュリー転移温度(Tcと略記される場合が多い)は、この状態変化が生じる温度である。強誘電性ポリマーフィルムのキュリー転移温度は、90〜145℃であることが好ましい。この範囲内において、100℃以上のキュリー転移温度が好ましく、110℃以上のキュリー転移温度がさらに好ましい。
分別されたポリマーフィルム、例えば、より狭い分子量分布および/または1.3未満の分子量分布比率を有するフィルムは、強誘電性である場合、データ処理デバイスに使用することができ、これには例えばGudesenらの米国特許出願第2002/0044480号に記載されているメモリーセルを構成する論理エレメントが含まれる。前記のデバイスは、例えば強誘電性ポリマーフィルムが帯状電極の第一の電極構造物と第二の電極構造物の間の連続層またはシートとして配置されることが好ましいデータ記憶デバイスである。第一の電極構造物と第二の電極構造物は、必要な大きさにされ、位置決めされ、配置されて二次元x、y−マトリックスを形成する。ただし、例えば、x電極はマトリックスにおいて行(column)であり、y電極はマトリックスにおいて列(row)である。電極マトリックスのx電極とy電極の間の交点で強誘電性ポリマーフィルムの一部は、電極駆動および出力信号の検出のためのドライバーおよび制御回路それぞれに電気的に連結された論理素子を形成し、このようにしてデータ処理デバイスを形成する。
本発明を下記の非限定的な実施例によりさらに説明する。
ポリ(フッ化ビニリデン−co−トリフルオロエチレン)(78モル%/22モル%)を、Solvay Corporationから入手した。このポリマー約1重量%をアセトニトリルに溶解した。水を溶液に溶液が混濁するまで加えた。この溶液を次いで、混濁溶液が透明になるまで約45℃に加熱した。この加熱溶液を分液ろうとに移し、断熱チャンバー中で白熱電球と、温度を維持するための温度制御装置とを使用して室温よりも1〜3℃高い一定温度で一夜保持した。約14時間後に、濃厚な画分が分液ろうとの底に形成された。この画分を取り出し、透明画分(すなわち、母液)をさらに抽出するためにフラスコに移した。濃厚な分別されたポリマー部分を減圧下で乾燥し、得られた画分の分子量と分子量分布を、テトラヒドロフランを溶出液として使用し且つ蒸発光散乱検出を使用してゲル透過クロマトグラフィーにより測定した。この方法により得られた画分の分子量分布は1.07であった。
図1は、(a)分別されていないフッ化ビニリデンポリマー組成物;(b)テトラヒドロフランを用いて分別されたポリマー組成物;および(c)アセトニトリルを用いて分別されたポリマー組成物を表すクロマトグラムである。図1から認めることができるように、THFを用いた分別は分子量分布の顕著な向上をもたらさないが、これに対してアセトニトリルを用いた分別は明らかにより狭い分子量分布を有する組成物をもたらす。
図1は、(a)分別されていないポリマー組成物;(b)本発明によらない対照の溶媒組成物(テトラヒドロフラン)を用いて分別されたフッ化ビニリデンポリマー組成物;および(c)分極性官能基を少なくとも1つ有する溶媒(アセトニトリル)を用いて分別され且つ上記よりも狭い分子量分布を有するフッ化ビニリデンポリマー組成物を表すクロマトグラムである。

Claims (10)

  1. フッ化ビニリデンポリマーの分別方法であって、
    フッ化ビニリデンポリマーと溶媒とを含有する溶液に沈殿剤を加えて混合物を形成する工程
    (ここで、溶媒は分極性官能基を少なくとも1つ有するものであり、沈殿剤は溶媒と相溶性であり、さらに沈殿剤はフッ化ビニリデンポリマーの分子量に基づいて第一の温度で前記混合物とフッ化ビニリデンポリマーの画分との間で固−液相分離を生じるのに十分な量で加えられるものとする);および
    重量分別されたフッ化ビニリデンポリマーを前記混合物から単離する工程
    (ここで、単離された画分は前記溶液に溶解された最初のフッ化ビニリデンポリマーの分子量分布よりも狭い分子量分布を有し、および重量分別されたフッ化ビニリデンポリマーの分子量分布比率が1.3未満である。
    を含むフッ化ビニリデンポリマーの分別方法。
  2. フッ化ビニリデンポリマーが
    10〜90モル%のフッ化ビニリデン;および
    10〜90モル%のトリフルオロエチレン
    を含む請求項1記載の方法。
  3. フッ化ビニリデンポリマーが強誘電性である請求項1記載の方法。
  4. さらに前記混合物を単一相を形成するのに十分な第二の温度まで加熱する工程;および
    該混合物をフッ化ビニリデンポリマーの分子量に基づいて前記混合物とフッ化ビニリデンポリマーの画分との間で固−液相分離を生じるのに有効な第三の温度まで冷却する工程
    を含む請求項1記載の方法。
  5. 強誘電性ポリマーの分別方法であって、
    強誘電性ポリマーと溶媒とを含有する溶液に沈殿剤を加えて混合物を形成する工程
    (ここで、溶媒は分極性官能基を少なくとも1つ有するものであり、沈殿剤は溶媒と相溶性であり、さらに沈殿剤は強誘電性ポリマーの分子量に基づいて第一の温度で前記混合物と強誘電性ポリマーの画分との間で固−液相分離を生じるのに十分な量で加えられるものとする);および
    重量分別された強誘電性ポリマーを前記混合物から単離する工程
    (ここで、単離された画分は前記溶液に溶解された最初の強誘電性ポリマーの分子量分布よりも狭い分子量分布を有し、重量分別された強誘電性ポリマーの分子量分布比率が1.3未満であり、前記強誘電性ポリマーが、フッ化ビニリデンから誘導されるホモポリマーであるか、又はフッ化ビニリデンモノマー単位と、テトラフルオロエチレン、トリフルオロエチレン、クロロトリフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロペン、塩化ビニリデン、フッ化ビニル、塩化ビニル、アクリロニトリル、アクリルアミド、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸オクチル、メタクリル酸、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸オクチル、アクリル酸2−ヒドロキシエチル、アクリル酸グリシジル、アクリル酸、無水マレイン酸、酢酸ビニル、スチレン、α−メチルスチレン、トリメトキシビニルシラン、トリエトキシビニルシラン、ノルボルネンおよびブタジエンからなる群から選択される少なくとも1種のコモノマー単位とから誘導され、及びコモノマー単位がコポリマー全体の50モル%以下の量であるコポリマーであり、並びに前記強誘電性ポリマーは5〜250キロダルトン(kDa)の分子量を有する。
    を含む強誘電性ポリマーの分別方法。
  6. さらに前記混合物を単一相を形成するのに十分な第二の温度まで加熱する工程;および該混合物をポリマーの分子量に基づいて前記混合物と強誘電性ポリマーの画分との間で固−液相分離を生じるのに有効な第三の温度に冷却する工程
    を含む請求項記載の方法。
  7. 1.3未満の分子量分布比率を有する強誘電性ポリマーであって、該強誘電性ポリマーが、フッ化ビニリデンから誘導されるホモポリマーであるか、又はフッ化ビニリデンモノマー単位と、テトラフルオロエチレン、トリフルオロエチレン、クロロトリフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロペン、塩化ビニリデン、フッ化ビニル、塩化ビニル、アクリロニトリル、アクリルアミド、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸オクチル、メタクリル酸、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸オクチル、アクリル酸2−ヒドロキシエチル、アクリル酸グリシジル、アクリル酸、無水マレイン酸、酢酸ビニル、スチレン、α−メチルスチレン、トリメトキシビニルシラン、トリエトキシビニルシラン、ノルボルネンおよびブタジエンからなる群から選択される少なくとも1種のコモノマー単位とから誘導され、及びコモノマー単位がポリマー全体の50モル%以下の量であるコポリマーであり、並びに5〜250キロダルトン(kDa)の分子量を有する、強誘電性ポリマー。
  8. 請求項7記載の1.3未満の分子量分布比率を有する強誘電性ポリマーを含むフィルムであって、20〜150ナノメートルの厚みを有するフィルム。
  9. 請求項記載のフィルムを含むデータ処理デバイスであって、
    前記フィルムが第一の電極構造物および第二の電極構造物と接触する連続層であり、前記第一の電極構造物および第二の電極構造物はそれぞれ該電極構造物同士が相互に実質的に直角なx、yマトリックスを形成するような実質的に相互に平行な帯状電極を構成するものであり、さらに電極マトリックスのx電極とy電極の間の交点で強誘電性フッ化ビニリデンポリマーフィルムの一部がデータ処理デバイスを形成するために電気的に連結された論理素子を形成するものであるデータ処理デバイス。
  10. 請求項7記載の強誘電性ポリマーを含む物品。
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