JP5015245B2 - 信号判定装置及び信号判定方法 - Google Patents
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Description
無線LANでは無線通信機器のケーブル接続が不要であることから、無線LANはバッテリ駆動による携帯型の無線通信機器による無線通信に適している。このようなバッテリ駆動による無線通信機器はより長時間の継続使用できることが望まれており、その低消費電力化が重要な課題となっている。
また、隣接する複数の周波数チャネルを結合して無線通信に用いるチャネル帯域を広げることによって、無線LANにおける伝送速度の更なる高速化を図る他の手法も提案されている。
11n規格では、既存の11a規格と同じOFDM(Orthogonal Frequency DivisionMultiplexing)方式が採用されている。
このように、2つの送信信号に付加する時間差が11aパートと11nパートとで異なるために、空間で多重された信号の振幅及び位相の特性は11aパートと11nパートとの間で異なることになる。このため、11aパートの先頭で行われたゲイン調整、周波数同期及びシンボル同期などが11nパートで最適とは限らず、11nパートの先頭で再度ゲイン、周波数同期及びシンボル同期などの調整を行うことが望ましい。
上記判定を行う技術として、例えば、SIGに続くシンボルがHTSIGであるか否かを判定することによって、受信信号が11aフォーマットの信号か11nフォーマットの信号かの種別を判定する従来技術がある(例えば、特許文献1参照。)
上記の従来技術では、11n端末は、LTSに基づいて伝送路の伝送路特性を推定し、LTSに続くシンボルを構成するパイロットキャリアを伝送路特性の推定値に基づいて等化し、等化結果をデマッピングして送信データを復元する。そして、11n端末は、復元結果がHTSIGのパイロットキャリアに関する既知のパターンと一致するか否かを判定することによって、SIGに続くシンボルがHTSIGか否かを判定する。11n端末は、SIGに続くシンボルがHTSIGであれば受信信号が11nフォーマットの信号であると判定し、そうでなければ受信信号が11aフォーマットの信号であると判定する。
しかしながら、上記の従来技術では、受信信号の種別の判定がパイロットキャリアに対する等化処理、デマッピング処理及び既知のパターンとの比較処理によって行われる。このため、受信信号の種別の特定がHTSIG受信後短時間のうちに終了するとは必ずしも言えない。
上記の信号判定装置において、前記第1信号点配置の2つの信号点はQ軸上にあり、前記第2信号点配置の2つの信号点はI軸上にあることでもよい。
上記の信号判定装置において、前記種別判定部は、前記パイロットキャリアと前記データキャリアとに基づいて、前記パイロットキャリアと前記データキャリアとの位相差に係る位相差情報を検出する位相差情報検出部と、前記位相差情報検出部によって検出される位相差情報が、受信時の前記所定の種類の信号のパイロットキャリアとデータキャリアとの位相差が満たすものとして予め定められた位相差の範囲に基づく所定の位相差条件を満たすか否かを判定することによって、前記受信信号が前記所定の種類の信号であるか否かを判定する判定部と、を備えてもよい。
上記の信号判定装置において、前記位相差情報検出部は、前記位相差情報の検出に、前記パイロットキャリアと当該パイロットキャリアに隣接するデータキャリアのうちの少なくとも一方のデータキャリアとを用いるようにしてもよい。
このことから、位相差情報の検出にパイロットキャリアと当該パイロットキャリアに隣接するデータキャリアとを用いることによって、送信時のパイロットキャリアとデータキャリアとの位相差に係る位相差情報と差異が小さい位相差情報の検出が可能になる。
従って、上記の信号判定装置によれば、受信信号の種別の判定を高い精度で行うことが可能になる。
上記の信号判定装置において、前記位相差情報検出部は、前記M本の前記パイロットキャリアの各々と当該パイロットキャリアに隣接するデータキャリアのうちの少なくとも一方のデータキャリアとを用いて前記位相差情報の検出を行うようにしてもよい。
このことから、位相差情報の検出にパイロットキャリアと当該パイロットキャリアに隣接するデータキャリアとを用いることによって、送信時のパイロットキャリアとデータキャリアとの位相差に係る位相差情報と差異が小さい位相差情報の検出が可能になる。
従って、上記の信号判定装置によれば、受信信号の種別の判定を高い精度で行うことが可能になる。
上記の信号判定装置において、前記サブキャリア分離部からまず前記種別判定部による前記判定に用いられる前記パイロットキャリアと前記データキャリアとを読み出す読出制御部を更に備えるようにしてもよい。
但し、本実施の形態では、11n規格において必須の2つのフレームフォーマットを対象として説明する。なお、一つのフレームフォーマットは、レガシーモード(既存の11a端末対応のレガシーモード)のフレームフォーマットである。もう一つは、ミックスドモード(11a端末と11n端末とが混在するモード)のフレームフォーマットである。
本実施の形態の無線通信機器が無線通信に用いる11n規格のフレームフォーマットについて図1を参照しつつ説明する。図1は11n規格のフレームフォーマットの一例を示す図である。
<レガシーモードのフレームフォーマット>
図1(a)に示すフレームフォーマットは、レガシーモードのフレームフォーマット(11aフォーマット)である。
STSは、信号の検出、自動ゲイン制御、キャリア周波数誤差の粗調整及びシンボルタイミングの検出などに利用される。
LTSは、キャリア周波数誤差の微調整及び伝送路特性の推定(基準振幅及び基準位相の推定)などに用いられる。
<ミックスドモードのフレームフォーマット>
図1(b)に示すフレームフォーマットは、ミックスドモードのフレームフォーマット(11nフォーマット)である。
11nフォーマット20には、11a端末用のSTSの格納フィールド21、LTSの格納フィールド22及びSIGの格納フィールド23がある。但し、11nフォーマットにおけるSIGでは、制御情報に含まれる伝送速度の値は変調方式がBPSKで符号化率が1/2に対応した伝送速度の値である。
HTSIGは、MIMO多重されたストリーム数、パケット長及び伝送速度などの制御情報を持つ。
HTLTSは、キャリア周波数誤差の微調整及び伝送路特性の推定などに用いられる。
なお、HTSTS以降の部分はMIMO多重やチャネル結合によって高速化が図られており、11n端末はHTSTS以降の部分を復調できるが、11a端末はHTSTS以降の部分を復調することができない。しかし、11nフォーマットの信号を受信した11a端末は、STS及びLTSの検出によって復調を開始し、SIGを復調することによってパケット長を特定できる。このため、11a端末は、HTSTS以降の部分を復調できなくても復調誤りを起こした信号として処理可能である。このように、11a規格の通信プロトコルと11n規格の通信プロトコルとは共存可能な通信プロトコルになっている。
SIG、HTSIG及びDATAを構成するサブキャリアの概要を説明した後に、SIG、HTSIG及びDATAを構成するサブキャリアに割り当てられる信号点配置の詳細について説明する。
<サブキャリアの概要>
SIG、HTSIG及びDATAの電力スペクトラムの一例を図2に示す。
また、各サブキャリアの区別を容易にするために、周波数の低いサブキャリアから順番にサブキャリア番号としてSC−15,SC−14,SC−13,・・・,SC−2,SC−1,SC1,SC2,・・・,SC13,SC14,SC15を付与する。
本実施の形態では、サブキャリアSC−13,SC−5,SC5,SC13をパイロットキャリアとし、周波数の低いパイロットキャリアから順番にパイロットキャリア番号としてPC1,PC2,PC3,PC4を付与する。なお、11a規格及び11n規格ではSIGなどを構成するパイロットキャリアの本数が4本であることから、本実施の形態ではパイロットキャリアの本数を4本としている。
本実施の形態では、特に、パイロットキャリアPC1,PC2,PC3,PC4に隣接するデータキャリアのうち周波数の低い方のデータキャリアであるサブキャリアSC−14,SC−6,SC4,S12を「隣接キャリア」と呼ぶことにする。そして、周波数の低い隣接キャリアから順番に隣接キャリア番号としてAC1,AC2,AC3,AC4を付与する。
以下、SIG、HTSIG及びDATAの信号点配置について図3及び図4を参照しつつ説明する。図3(a),(b)及び図4(a),(b),(c)はIQ平面における信号点配置を示し、各図において、横軸は同相(In Phase)成分に関するI軸であり、縦軸は直交((Quadrature)成分に関するQ軸である。なお、信号点の値は(I軸の値,Q軸の値)として記述する。
図3(b)の信号点配置はBPSKに対応し、その信号点配置では信号点として(0,+1)と(0,−1)とがある。
図4(a)の信号点配置はQPSKに対応し、図4(b)の信号点配置は16QAMに対応し、図4(c)の信号点配置は64QAMに対応する。
SIGでは、パイロットキャリアとデータキャリアとに係わらず、パイロットキャリアとデータキャリアとに対する振幅と位相との割り当てに図3(a)の信号点配置が利用される。
なお、SIGの4本のパイロットキャリアPC1,PC2,PC3,PC4には、例えば、信号点(+1,0),(+1,0),(+1,0),(−1,0)が割り当てられる。
HTSIGでは、パイロットキャリアに対する振幅と位相との割り当てに図3(a)の信号点配置が利用され、データキャリアに対する振幅と位相との割り当てに図3(b)の信号点配置が利用される。
[DATAの信号点配置]
DATAでは、パイロットキャリアに対する振幅と位相との割り当てに図3(a)の信号点配置が利用される。
パイロットキャリアの変調に関して、SIG、HTSIG及びDATAの何れの場合も、同じ信号点配置、つまり、図3(a)に示す信号点配置が用いられる。
データキャリアの変調に関して、HTSIGでは、図3(b)に示すQ軸上にのみ信号点が配置された信号点配置が用いられる。
以下では、説明の便宜上、位相差を0度以上360度未満の値で表示する。
HTSIGの場合、パイロットキャリアの変調に図3(a)の信号点配置が用いられ、データキャリアの変調に図3(b)の信号点配置が用いられるため、変調時のパイロットキャリアとデータキャリアとの位相差は90度又は270度である。
変調方式がBPSKのDATAの場合、パイロットキャリア及びデータキャリアの双方の変調に図3(a)の信号点配置が用いられるので、変調時のパイロットキャリアとデータキャリアとの位相差は0度又は180度である。
従って、パイロットキャリアとデータキャリアとの位相差を検出し、検出した位相差を用いることによって、シンボルがHTSIGか、それ以外のシンボル(SIG、DATA)かの種別の判定を行うことが可能である。
なお、シンボルの種別の判定において、HTSIGを適宜「第1種シンボル」と言い、HTSIG以外のシンボル(SIG,DATA)を適宜「第2種シンボル」と言う。
以下、無線通信機器の構成について図5を参照しつつ説明する。図5は本実施の形態の無線通信機器の装置構成図である。
無線通信機器100は、アンテナ110と、GCA(Gain Control Amp)部120と、周波数変換部130と、AGC(Auto Gain Control)部140と、AFC(Auto FrequencyControl)部150と、タイミング検出部160と、FFT部170と、読出制御部180と、種別判定部190と、等化部200と、デマップ部210とを備える。
GCA部120は、AGC部140によってゲインが制御され、アンテナ110によって受信されたOFDM信号をゲインに応じて増幅し、増幅後のOFDM信号を周波数変換部130へ出力する。
<周波数変換部130>
周波数変換部130は、GCA部120から入力される増幅後のOFDM信号を信号処理に適した周波数帯のOFDM信号に変換し、変換により得られたOFDM信号をAFC部150へ出力する。但し、信号処理に適した周波数帯として、IF(Intermediate Frequency)帯及びベースバンド帯などが挙げられる。
AGC部140は、周波数変換部130から出力されるOFDM信号に含まれるSTS又はHTSTSに基づいてGCA部120のゲインを制御する。
<AFC部150>
AFC部150は、周波数変換部130から出力されるOFDM信号に含まれるSTS又はHTSTSに基づいてキャリア周波数誤差の粗調整を行う。
<タイミング検出部160>
タイミング検出部160は、AFC部150によってキャリア周波数誤差の粗調整が施されたOFDM信号に含まれるSTS又はHTSTSに基づいてシンボルタイミング(FFT部170がフーリエ変換するタイミング)を検出する。そして、タイミング検出部160は、検出したシンボルタイミングをFFT部170へ出力する。
FFT部170は、タイミング検出部160によって検出されたシンボルタイミングに従って、AFC部150から入力されるOFDM信号をシンボル単位でフーリエ変換することによって複数のサブキャリアに分離する。
但し、FFT部170によってフーリエ変換されるシンボルは、LTS、HTLTS、SIG、HTSIG及びDATAである。
以下、読出制御部180によって読み出し制御が行われる対象のシンボルを適宜「読出シンボル」と言う。また、LTS及びHTLTSを適宜「トレーニングシンボル」と言い、SIG、HTSIG及びDATAを適宜「情報シンボル」と言う。
読出制御部180は、FFT部170によりフーリエ変換された読出シンボルの種類(トレーニングシンボル、情報シンボル)に応じて、FFT部170によるフーリエ変換の結果得られた複数のサブキャリアをFFT部170から読み出す順番を制御する。
[LTS、HTLTSに関するサブキャリアの読出制御]
読出シンボルがトレーニングシンボル(LTS,HTLTS)の場合、読出制御部180は、周波数の低い順にFFT部170からサブキャリアを読み出す。
読出シンボルがトレーニングシンボルの場合に上記のようにして複数のサブキャリアの読み出しを行うのは、次の理由による。
また、複数のサブキャリアを周波数順に読み出すことによって、周波数方向のフィルタ処理を容易に複数のサブキャリアに施すことが可能になる。
但し、読出制御部180は、周波数の高い順にFFT部170からサブキャリアを読み出すようにしてもよく、この場合も周波数方向のフィルタ処理を容易に行うことが可能である。
[SIG、HTSIG、DATAに関するサブキャリアの読出制御]
読出シンボルが情報シンボル(SIG、HTSIG及びDATA)の場合、読出制御部180は、FFT部170からの複数のサブキャリアを次のようにして行う。
具体例で記載すると、図7に示すように、読出制御部180は、まず、4本のパイロットキャリアPC1〜PC4を周波数の低い順にFFT部170から読み出す。
読出制御部180は、隣接キャリアAC1〜AC4の全ての読み出しを終了し、隣接キャリアAC4を読み出してから所定時間空けた後、サブキャリアSC−15〜SC15を周波数の低い順にFFT部170から読み出す。
読出シンボルが情報シンボルの場合に上記のようにしてパイロットキャリア等の読み出しを行うのは、次の理由による。
また、例えばHTSIGに続くHTSTSを自動ゲイン制御などに有効活用するためには、情報シンボルがフーリエ変換された後できるだけ早期に情報シンボルの種別の判定処理を終了して、情報シンボルがHTSIGであると特定できることが望ましい。
<種別判定部190>
種別判定部190は、情報シンボルを構成するパイロットキャリアPC1〜PC4と隣接キャリアAC1〜AC4とを用いて、情報シンボルの種別の判定処理を行うものである。
[パイロットキャリア抽出部191]
パイロットキャリア抽出部191は、読出シンボルが情報シンボルである場合、読出制御部180による読出制御によってFFT部170から出力される出力キャリアの中からパイロットキャリアPC1〜PC4を抽出し、抽出したパイロットキャリアPC1〜PC4を保持する。
隣接キャリア抽出部192は、読出シンボルが情報シンボルである場合、読出制御部180による読出制御によってFFT部170から出力される出力キャリアの中から隣接キャリアAC1〜AC4を抽出し、抽出した隣接キャリアAC1〜AC4を保持する。
[位相差検出部193]
位相差検出部193は、パイロットキャリア抽出部191からパイロットキャリアPC1を取得し、隣接キャリア抽出部192から隣接キャリアAC1を取得する。そして、位相差検出部193は、パイロットキャリアPC1と隣接キャリアAC1との位相差Δθ1を検出し、検出した位相差Δθ1を判定部194へ出力する。
位相差検出部193は、パイロットキャリア抽出部191からパイロットキャリアPC3を取得し、隣接キャリア抽出部192から隣接キャリアAC3を取得する。そして、位相差検出部193は、パイロットキャリアPC3と隣接キャリアAC3との位相差Δθ3を検出し、検出した位相差Δθ3を判定部194へ出力する。
ここで、位相差検出部193による位相差の検出処理の一例について説明する。
隣接するサブキャリア間では伝送路の周波数特性の変化が小さい。このため、受信時のパイロットキャリアと隣接キャリアとの位相差は、送信時のパイロットキャリアと隣接キャリアとの位相差が支配的となって、伝送路の影響があったとしても送信時の位相差との差異が小さいと考えられる。このことを踏まえ、位相差の検出にパイロットキャリアと当該パイロットキャリアに隣接する隣接キャリアとを用いるようにしている。
判定部194は、位相差検出部193から入力される位相差Δθ1,Δθ2,Δθ3,Δθ4に基づいて、情報シンボルが第1種シンボル(HTSIG)であるか、第2種シンボル(SIG、DATA)であるかを判定する。
具体的には、判定部194は、位相差Δθ1,Δθ2,Δθ3,Δθ4の夫々が位相差条件を満たすか否かを判定する。但し、位相差条件は、受信時の第1種シンボルのパイロットキャリアとデータキャリアとの位相差が満たすものとして予め定められた位相差の範囲に基づく所定の条件である。なお、位相差条件の一例について図8を参照して後述する。
「位相差条件の一例」
判定部194が情報シンボルの種別の判定処理において用いる位相差条件の一例について図8を参照しつつ説明する。図8は、判定部194が情報シンボルの種別の判定処理において用いる位相差条件の一例を説明するための図である。但し、図8では、パイロットキャリアと位相差が0度である軸(以下、「同相軸」と言う。)を横軸に、パイロットキャリアと位相差が90度である軸(以下、「直交軸」と言う。)を縦軸に表している。
以下において、第2種シンボルのデータキャリアの振幅及び位相に割り当てられる可能性がある信号点のうち、信号点のQ軸の値の絶対値を当該信号点のI軸の値の絶対値で除算した値が最大となる信号点を、「基準点」と言う。
図8中の位相差θ1,θ2,θ3,θ4は、信号点P10,P20,P30,P40の何れかに従って振幅及び位相が割り当てられた隣接キャリアのパイロットキャリアに対する位相差を示す。なお、例えば、信号点(1,0)が割り当てられたパイロットキャリアと信号点P10が割り当てられた隣接キャリアとの位相差、及び信号点(−1,0)が割り当てられたパイロットキャリアと信号点P30が割り当てられた隣接キャリアとの位相差は、位相差θ1である。
但し、閾値θTH1はθ1より大きく90度以下、閾値θTH2は90度以上θ2未満、閾値θTH3はθ3より大きく270度以下、閾値θTH4は270度以上θ4未満である。
上記の場合において、受信時の情報シンボルのパイロットキャリアと隣接キャリアとの位相差が閾値θTH1以上閾値θTH2以下の第1位相差範囲と当該位相差が閾値θTH3以上閾値θTH4以下の第2位相差範囲とからなる位相差範囲に含まれる場合に、情報シンボルが第1種シンボルであると判定されるように、位相差条件は定められる。
読出シンボルがトレーニングシンボル(LTS,HTLTS)の場合、等化部200は、読出制御部180による読出制御によってFFT部170から周波数の低い順に読み出された各サブキャリアSC−15〜SC15毎に当該サブキャリアに係る伝送路特性を推定する。なお、等化部200は、周波数方向のフィルタ処理を複数のサブキャリアに施してから、伝送路特性の推定を行うようにしてもよい。
デマップ部210は、等化部200から入力される振幅と位相とを既知の信号点配置に従ってデマッピングを行い、これによって送信データを再生する。なお、再生された送信データはデマップ部210の後段の復号部(不図示)によって誤り訂正処理がなされる。
ここで、判定部194から入力された種別情報が第1種シンボルを示す場合、デマップ処理の対象はHTSIGなので、デマップ部210はデマップ処理に図3(b)の信号点配置を用いる。
QPSK、16QAM及び64QAMに対応した伝送速度を制御情報に持つSIGに続くシンボルである場合、デマップ部210はデマップ処理にSIGに含まれる制御情報を基に決まる図4(a),(b),(c)の信号点配置を用いる。
<ゲイン調整、周波数同期及びシンボル同期>
図5の無線通信機器100が行うゲイン調整、周波数同期及びシンボル同期の流れについて図9を参照しつつ説明する。図9は図5の無線通信機器100が行うゲイン調整、周波数同期及びシンボル同期の流れを示すフローチャートである。
再調整指示信号が入力された場合(S102:YES)、無線通信機器100は、HTSTS及びHTLTSに基づく処理を開始する。無線通信機器100では、OFDM信号に含まれるHTSTSに基づいて、AGC部140によってGCA部120のゲイン制御が行われ、AFC部150によってキャリア周波数誤差の粗調整が施され、タイミング検出部160によってシンボルタイミングの検出が行われる。続いて、無線通信機器100では、OFDM信号に含まれるHTLTSに基づいて、AFC部150によってキャリア周波数誤差の微調整が施される(ステップS103)。
再調整指示信号が入力されていない場合(S102:NO)、無線通信機器100は、受信信号の受信が終了したか否かを判定する(ステップS105)。受信信号の受信が終了していなければ(S105:NO)、ステップS102の処理が行われる。一方、受信信号の受信が終了していれば(S105:YES)、無線通信機器100は次の信号の受信に備える。
以下、図5の無線通信機器100が行うシンボルの種別の判定処理及び復調処理の流れについて図10を参照しつつ説明する。図10は図5の無線通信機器100が行うシンボルの種別の判定処理及び復調処理の流れを示すフローチャートである。
FFT部170は、入力されるシンボルをフーリエ変換することによって複数のサブキャリアに分離する(ステップS201)。
なお、SIGに続くシンボル(HTSIG及びDATAの何れか)までは11aフォーマットか11nフォーマットかに係わらず、FFT部170に入力されるシンボルの順番はトレーニングシンボル(LTS)、情報シンボル(SIG)、情報シンボル(HTSIG,DATAの何れか)の順番である。また、HTSTSはFFT部170に入力されないとした場合、SIGに続くシンボルがHTSIGであった場合、HTSIGに続いてFFT部170に入力されるシンボルの順番はトレーニングシンボル(HTLTS)、情報シンボル(DATA)の順番である。これを用いることによって、読出制御部180は読出シンボルが情報シンボルであるか否かの判定を行うことができる。
読出制御部180はFFT部170から隣接キャリアAC1〜AC4を読み出し、隣接キャリア抽出部192はFFT部170から読み出された隣接キャリアAC1〜AC4を抽出して保持する(ステップS206)。
判定部194は、位相差検出部193によって検出された各位相差Δθ1〜Δθ4が位相差条件を満たすか判定する。そして、判定部194は、位相差条件を満たす位相差の数が閾値TH以上あるか否かを判定することによって読出シンボルが第1種シンボル(HTSIG)であるか否かを判定する(ステップS208)。
読出制御部180は全ての隣接キャリアAC1〜AC4を読み出してから所定時間が経過したかを判定する(ステップS210)。所定時間が経過していなければ(S210:NO)、ステップS210の処理が継続して行われる。一方、所定時間が経過していれば(S210:YES)、読出制御部180はFFT部170からサブキャリアキャリアSC−15〜SC15を読み出す(ステップS211)。
≪補足≫
本発明は、上記の実施の形態に限られるものではなく、例えば、次のようなものであってもよい。
なお、格納フィールド12,22,32に続く格納フィールドに格納されたシンボルが情報シンボルの種別の判定処理において第1種シンボル(HTSIG)であると判定された場合にHTフォーマットと判定でき、HTSIG以外のシンボルと判定された場合に11aフォーマット及び11nフォーマットの何れかであると判定できる。
例えば、パイロットキャリアと隣接キャリアとの関係として、パイロットキャリアの複素共役と隣接キャリアとの乗算値の虚部を当該乗算値の実部で除算した除算値を用いてもよく、パイロットキャリアと隣接キャリアとの位相差を表すベクトル(以下、「位相差ベクトル」と言う。)を用いてもよい。なお、これらは、パイロットキャリアと隣接キャリアとの位相差に係る位相差情報と見ることもできる。
位相差の検出にパイロットキャリアに隣接するデータキャリアのうち周波数が高い方のデータキャリアを用いてもよく、隣接するデータキャリアの双方を用いてもよい。但し、位相差の検出にパイロットキャリアに隣接するデータキャリアの双方(以下、一方を「第1隣接キャリア」、他方を「第2隣接キャリア」と言う。)を用いる場合、例えば、位相差検出部193はパイロットキャリアと第1隣接キャリアとの位相差を検出し、パイロットキャリアと第2隣接キャリアとの位相差を検出し、2つの位相差の平均値(以下、「平均位相差」と言う。)を情報シンボルの種別の判定に用いる位相差として算出する。そして、判定部194は、平均位相差が位相差条件を満たすか否かを判定するようにすればよい。或いは、位相差検出部193は第1隣接キャリアと第2隣接キャリアとの平均値(以下、「平均隣接キャリア」と言う。)を求め、情報シンボルの種別の判定に用いる位相差としてパイロットキャリアと平均隣接キャリアとの位相差を検出するようにすればよい。
さらに、位相差の検出にパイロットキャリアに隣接するデータキャリアの少なくとも一方を含む複数のデータキャリアを用いてもよく、パイロットキャリアに隣接するデータキャリアを含まない複数のデータキャリアを用いてもよい。
情報シンボルに含まれるパイロットキャリアの本数がN(Nは2以上の整数)の場合、種別判定部190は情報シンボルの種別の判定処理にM(Mは2以上N以下の整数)本のパイロットキャリアを用いるようにしてもよい。この場合、例えば、位相差検出部193は、M本のパイロットキャリアの各々と当該パイロットキャリアに隣接する隣接キャリアとの位相差を検出する。そして、判定部194はM個の位相差の夫々について位相差が位相差条件を満たすか否かを判定し、位相差条件を満たす位相差の数が所定の閾値(閾値は0より大きくM以下の値であり、例えばM/2)以上あるかを判定することによって、情報シンボルが第1種シンボル(HTSIG)であるか否かの判定を行う。
(6)上記の実施の形態では、情報シンボルを構成するサブキャリアに含まれるパイロットキャリアの本数が4本の場合を例に挙げて説明したが、これに限られるものではなく、情報シンボルを構成するサブキャリアに含まれるパイロットキャリアの本数が1本〜3本又は5本以上あってもよい。
判定部194は、位相差検出部193によって検出された位相差Δθ1〜Δθ4の平均値を求め、平均値が位相差条件を満たすか否かを判定する。そして、判定部194は、平均値が位相差条件を満たす場合に情報シンボルが第1種シンボル(HTSIG)と判定し、平均値が位相差条件を満たさない場合に情報シンボルが第2種シンボル(SIG、DATA)と判定する。
例えば、本実施の形態の情報シンボルの種別の判定処理は、変調時の第1種シンボルのパイロットキャリアとデータキャリアとの位相差と、変調時の第2種シンボルのパイロットキャリアとデータキャリアとの位相差とが一致しない関係にある第1種シンボルと第2種シンボルとであれば適用可能である。
(10)上記の実施の形態では、読出制御部180はFFT部170からパイロットキャリアPC1〜PC4を全て読み出した後に隣接キャリアAC1〜AC4を読み出しているが、これに限られるものではなく、例えば、FFT部170からパイロットキャリアPC1〜PC4と隣接キャリアAC1〜AC4とを交互に読み出すようにしてもよい。
パイロットキャリア抽出部191は抽出したパイロットキャリアPC1〜PC4を保持する。そして、隣接キャリア抽出部192は隣接キャリアAC1〜AC4を抽出する毎に抽出した隣接キャリアを保持することなく位相差検出部193へ出力すると共に、抽出した隣接キャリアに対応するパイロットキャリアをパイロットキャリア抽出部191から読み出して、位相差検出部193へ出力するようにしてもよい。
(14)上記の実施の形態では、受信信号がOFDM信号の場合を例に挙げて説明しているが、これに限られるものではなく、受信信号がOFDM信号以外の周波数分割多重した信号であってもよい。
(16)上記の各実施の形態の無線通信機器は、典型的には集積回路であるLSI(Large ScaleIntegration)として実現されてよい。各回路を個別に1チップとしてもよいし、全ての回路又は一部の回路を含むように1チップ化されてもよい。
また、集積回路化の手法はLSIに限るものではなく、専用回路又は汎用プロセッサで実現してもよい。LSI製造後にプログラム化することが可能なFPGA(Field Programmable Gate Array)、LSI内部の回路セルの接続や設定を再構成可能なリコンフィギュラブル・プロセッサを利用してもよい。
110 アンテナ
120 GCA部
130 周波数変換部
140 AGC部
150 AFC部
160 タイミング検出部
170 FFT部
180 読出制御部
190 種別判定部
191 パイロットキャリア抽出部
192 隣接キャリア抽出部
193 位相差検出部
194 判定部
200 等化部
210 デマップ部
Claims (10)
- 複数のサブキャリアを周波数分割多重した受信信号の種別を判定する信号判定装置であって、
前記受信信号をパイロットキャリアとデータキャリアとからなる前記複数のサブキャリアに分離するサブキャリア分離部と、
前記受信信号が第1信号点配置に従って変調されたパイロットキャリアと当該第1信号点配置と所定の関係にある第2信号点配置に従って変調されたデータキャリアとを周波数分割多重した所定の種類の信号であるか否かの判定を、前記サブキャリア分離部の分離の結果得られるパイロットキャリアとデータキャリアとの関係に基づいて行う種別判定部と、
を備えることを特徴とする信号判定装置。 - 前記第1信号点配置及び前記第2信号点配置は夫々IQ平面上に2つの信号点を有し、
前記所定の関係は、前記第1信号点配置の2つの信号点を結ぶ直線と前記第2信号点配置の2つの信号点を結ぶ直線とが直交することである
ことを特徴とする請求項1記載の信号判定装置。 - 前記第1信号点配置の2つの信号点はQ軸上にあり、前記第2信号点配置の2つの信号点はI軸上にある
ことを特徴とする請求項2記載の信号判定装置。 - 前記種別判定部は、
前記パイロットキャリアと前記データキャリアとに基づいて、前記パイロットキャリアと前記データキャリアとの位相差に係る位相差情報を検出する位相差情報検出部と、
前記位相差情報検出部によって検出される位相差情報が、受信時の前記所定の種類の信号のパイロットキャリアとデータキャリアとの位相差が満たすものとして予め定められた位相差の範囲に基づく所定の位相差条件を満たすか否かを判定することによって、前記受信信号が前記所定の種類の信号であるか否かを判定する判定部と、
を備えることを特徴とする請求項1記載の信号判定装置。 - 前記位相差情報検出部は、前記位相差情報の検出に、前記パイロットキャリアと当該パイロットキャリアに隣接するデータキャリアのうちの少なくとも一方のデータキャリアとを用いる
ことを特徴とする請求項4記載の信号判定装置。 - 前記パイロットキャリアがN(Nは2以上の整数)本ある場合に、
前記位相差情報検出部は、M(2以上N以下の整数)本の前記パイロットキャリアの各々に対して前記位相差情報を検出し、
前記判定部は、前記受信信号が前記所定の種類の信号であるか否かの判定を、前記位相差情報検出部によって検出される前記M個の位相差情報に基づいて行う
ことを特徴とする請求項4記載の信号判定装置。 - 前記位相差情報検出部は、前記M本の前記パイロットキャリアの各々と当該パイロットキャリアに隣接するデータキャリアのうちの少なくとも一方のデータキャリアとを用いて前記位相差情報の検出を行う
ことを特徴とする請求項6記載の信号判定装置。 - 前記パイロットキャリアがN(Nは2以上の整数)本ある場合に、
前記位相差情報検出部は、1本の前記パイロットキャリアに対して前記位相差情報を検出し、
前記判定部は、前記受信信号が前記所定の種類の信号であるか否かの判定を、前記位相差情報検出部によって検出される1個の位相差情報に基づいて行う
ことを特徴とする請求項4記載の信号判定装置。 - 前記サブキャリア分離部からまず前記種別判定部による前記判定に用いられる前記パイロットキャリアと前記データキャリアとを読み出す読出制御部
を更に備えることを特徴とする請求項1記載の信号判定装置。 - 複数のサブキャリアを周波数分割多重した受信信号の種別を判定する信号判定方法であって、
前記受信信号をパイロットキャリアとデータキャリアとからなる前記複数のサブキャリアに分離するサブキャリア分離ステップと、
前記受信信号が第1信号点配置に従って変調されたパイロットキャリアと当該第1信号点配置と所定の関係にある第2信号点配置に従って変調されたデータキャリアとを周波数分割多重した所定の種類の信号であるか否かの判定を、前記サブキャリア分離ステップにおける分離の結果得られるパイロットキャリアとデータキャリアとの関係に基づいて行う種別判定ステップと、
を有することを特徴とする信号判定方法。
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