JP5014042B2 - 電解コンデンサ駆動用電解液及び電解コンデンサ - Google Patents

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Description

本発明は、電解コンデンサ用電解液とそれを使用した電解コンデンサに関する。さらに詳しく述べると、本発明は、低インピーダンス特性を有し、低温条件下でも良好な周波数特性を維持し、また高温条件下でも電解液と電極箔との反応が長時間にわたって抑制され、特性の経時変化が少なく、さらに耐食性の向上をもたらし、極めて安定なコンデンサ特性及び優れた寿命特性を示すことができる電解コンデンサ駆動用電解液と、それを使用した電解コンデンサに関する。本発明の電解コンデンサは、アルミニウム電解コンデンサやその他の電解コンデンサとして有用である。
コンデンサは、一般的な電気部品の一つであり、種々の電気製品、電子製品において、主として電源回路やディジタル回路のノイズフィルター用に広く使用されている。コンデンサは、電解コンデンサとその他のコンデンサ(例えば、セラミック、フィルムコンデンサ等)に大別される。
現在、使用されている電解コンデンサにはいろいろな種類のものがあり、その一例を示すと、アルミニウム電解コンデンサ、湿式タンタル電解コンデンサなどである。なお、本発明は、どのような種類の電解コンデンサに適用しても顕著な効果を得ることができるのであるが、特に優れた効果を期待できるものはアルミニウム電解コンデンサである。したがって、以下においては特に、この種の電解コンデンサを参照して本発明を説明することにする。
従来のアルミニウム電解コンデンサは、典型的には、高純度アルミニウム箔をエッチングしてその表面積を増加させた後、そのアルミニウム箔の表面に陽極酸化によって皮膜を形成した陽極箔と、表面をエッチングした陰極箔を使用することによって製造することができる。次いで、得られた陽極箔と陰極箔とを対向して配置し、さらにそれらの箔の中間にセパレータを介在させて巻回した構造の素子となし、この構造の素子に電解液を含浸する。電解液含浸後の素子をケース(一般的にはアルミニウム製)に収容し、そして弾性封口体で密封して電解コンデンサが完成する。アルミニウム電解コンデンサの製造方法は、例えば特許文献1に記載されているので、これを参照されたい。なお、電解コンデンサには、このような巻回構造以外のものもある。
上述のような電解コンデンサにおいては、電解液の特性が電解コンデンサの特性を決定する大きな要因をなす。特に近年の電解コンデンサの小型化に伴い、陽極箔あるいは陰極箔はエッチング倍率の高いものが使用されるようになり、コンデンサ本体の抵抗率が大きくなっていることから、これに用いる電解液としては、抵抗率(比抵抗)の小さな高導電性のものが常に要求される。
これまでの電解コンデンサの電解液は、エチレングリコールを主溶媒としてこれに水を30質量%程度まで加えて構成した溶媒に、電解質としてアジピン酸、安息香酸等のカルボン酸又はそのアンモニウム塩を溶解したものが一般的である。このような電解液では、比抵抗は60Ωcm程度である。
一方、電解コンデンサにおいては、その性能を十分に発揮するため、インピーダンス(Z)を低下させることが絶えず求められている。インピーダンスは、種々の要因により決定されるものであり、例えば、コンデンサの電極面積が増加すればするほど低下し、そのため、大型コンデンサになればなるほど、自ずと低インピーダンス化が図られる。また、セパレータを改良することで低インピーダンス化を図るアプローチもある。とは言え、特に小型のコンデンサにおいては、電解液の比抵抗がインピーダンスの大きな支配因子となっている。
また、アルミニウム電解コンデンサは、電解液を使用するために低温特性が悪く、100kHzにおける−40℃でのインピーダンスと20℃でのインピーダンスとの比、Z(−40℃)/Z(20℃)は約40と、かなり大きいのが実情である。このような現状に鑑みて、現在、低インピーダンスで、低い等価直列抵抗(E.S.R.)を有し、低温特性に優れかつ高温条件下でも特性の経時変化が小さいアルミニウム電解コンデンサを提供することが望まれている。
さらに、電解コンデンサにおいて溶媒の一部として用いられる水の量を増加させることで電解液の比抵抗を下げる方法も提案されている(例えば、特許文献2を参照されたい)。しかしながら、この方法に従って水の量を増加させた場合、使用する水は、陽極箔や陰極箔を構成するアルミニウムにとって化学的に活性な物質であり、したがって、陽極箔や陰極箔と反応してコンデンサの特性を著しく低下させたり、反応の際に発生する水素ガスによって、コンデンサ内部の圧力が増大し、外観異常を引き起こしたりする。
また、水の濃度が高い電解液は、化学的に活性で、アルミニウム電極やセパレータなど、電解液以外のコンデンサ構成要素(本願明細書では、このような構成要素を「コンデンサ素子」と呼ぶ)に対して、電解液中のイオンの攻撃が著しく大きくなるため、高温条件下ではコンデンサの安定性が著しく損なわれるという問題を抱えている。
特開平6−310388(特許請求の範囲) 特開2004−186188(特許請求の範囲)
上述のような問題点は、本発明者らの研究によれば、ポリアクリルアミド又はその誘導体を電解液に含ませることによって解決することができる(例えば、特開2001−291643号公報及び特開2004−200718号公報を参照されたい)。しかし、さらなる低温域での特性安定性、高温域での特性劣化抑制及びそれに伴う長寿命化について本発明者らがさらに検討を重ねたところ、下記のような問題が内在されることが判明した。
従来のポリアクリルアミドを含有した電解液では、電解液中のイオンがポリアクリルアミドに吸着される場合があった。これは、ポリアクリルアミドの疎水性部位や、分子鎖に結合している官能基や合成によって生じた開始剤端末基などが影響しており、ポリアクリルアミド含有の電解液に必要な特性に対して様々な弊害をもたらすことが判った。例えば低温域では、電解液中においてポリアクリルアミドの分散性が低下して析出してしまうため、電解液の取扱が難しくなるばかりか、ポリアクリルアミドによる電解液中の水と電極箔との反応抑制効果が小さくなってしまうという問題があった。また、ポリアクリルアミドが電解液中のイオンや特性安定化に寄与するインヒビターを吸着することにより、電解液特性が長期間維持できない場合があった。
このような問題を解決するために、ポリアクリルアミドの分子量を小さくしたものを検討した。これにより低温域における分散の安定性は確保され、電解液中のイオンやインヒビターの吸着を抑制することができたが、開始剤の末端基(例えばSO3)により腐食が発生し、電解コンデンサの特性が劣化するという新たな問題が発生した。
本発明は、かかる問題点を解決することを目的としたもので、その第一の目的は、低インピーダンス、低E.S.R.でかつ低温条件でもこれらの特性の変化が少なく、また高温条件下でも経時変化が少なく特性が非常に安定で、さらには耐食性に優れた電解コンデンサ駆動用電解液を提供することにある。
また、本発明のもう一つの目的は、本発明の電解液を使用した電解コンデンサ、特にアルミニウム電解コンデンサを提供することにある。
本発明のこれらの目的やその他の目的は、以下の詳細な説明から容易に理解することができるであろう。
本発明は、その1つの面において、有機溶媒からなるかもしくは水と有機溶媒の混合物からなる溶媒と、カルボン酸又はその塩、無機酸又はその塩及びそれらの混合物からなる群から選ばれる少なくとも1種類の電解質とを少なくとも含む電解液であって、
前記電解液が、置換もしくは非置換のアミド基を含有するエチレン性不飽和単量体を含む単量体組成物からレドックス系ラジカル重合によって形成された水溶性樹脂をさらに含むことを特徴とする電解コンデンサ駆動用電解液にある。
また、本発明は、そのもう1つの面において、本発明の電解液を含んでなる電解コンデンサにある。
本発明者らの知見によると、本発明の電解コンデンサ駆動用電解液において添加剤として使用される水溶性樹脂の役割は、以下のとおりである。
アルミニウム電極箔と溶媒中に含まれる水との水和反応により、発生した水素ガスは、コンデンサ内部の圧力を増大させ、外部への電解液の飛散を助長したり、防爆弁を作動させたり、あるいは腐食を発生させたりしてコンデンサ特性を著しく低下させる様々な現象を引き起こす。ここで、本発明の水溶性樹脂の役割は、電極箔と水との反応を抑制することにある。
従来の水溶性樹脂でも充分に電極箔と水との反応を抑制することは可能である。しかし、より長時間にわたり寿命特性を持続させようとした場合には、水溶性樹脂が他の添加剤の働きを阻害してはいけないし、水溶性樹脂が均一に電極箔上に分散していなければならない。
ここで、本発明で使用する水溶性樹脂は、重合開始剤として過酸化水素もしくはtert−ブチルヒドロパーオキシドを用い、かつ還元剤として、アスコルビン酸、酒石酸及びエリソンビン酸から選ばれる少なくとも1種類の還元剤を用いて、水溶媒中で、置換もしくは非置換のアミド基を含有するエチレン性不飽和単量体(以下、「アミド基含有エチレン性不飽和単量体」という)を含む単量体組成物をレドックス系ラジカル重合することによって得られたものであり、非常にマイルドな末端基を有するので、電極箔等の腐食を抑制しつつ、電極箔と水との反応を抑制することができる。さらに、電解液中のイオン性添加剤やインヒビターが水溶性樹脂に吸着されることがないので、各インヒビター及びイオン性添加剤の効果を長期間持続させることができる。
また、本発明で使用する水溶性樹脂は、分子量が小さいので低温域における水溶性樹脂の析出もなく、分散の安定性が確保されるので、広い温度範囲において電極箔と水との反応を抑制することができる。
さらに、本発明で使用する水溶性樹脂は、電解液中の分散が安定であること、さらに非常にマイルドな末端基を有するので電解液の火花電圧を向上させることができ、従来よりも高電圧のコンデンサに使用することができる。
以上により、本発明で使用する水溶性樹脂は、広い温度範囲にわたり、かつ長時間、電解コンデンサの特性劣化を抑制することができるとともに、電解液の火花電圧を向上させることができるのである。
本発明は、したがって、上記したような水溶性樹脂を添加剤として含む電解液及びそれを使用した電解コンデンサの他に、水溶性樹脂そのもの、そしてその製造方法も提案することができる。
本発明の好適な態様では、置換もしくは非置換のアミド基を含有するエチレン性不飽和単量体を含む単量体組成物からレドックス系ラジカル重合によって形成されたものであり、約1000〜200,000の重量平均分子量を有していることを特徴とする水溶性樹脂を用いる。
さらに、本発明では、約1000〜200,000の重量平均分子量を有している水溶性アクリルアミド樹脂を製造する方法であって、水媒体中で、アミド基含有エチレン性不飽和単量体を含む単量体組成物を有機過酸化物からなるレドックス系重合開始剤及び有機系還元剤の存在下においてレドックス系ラジカル重合する工程を含んでなることを方法で製造された水溶性樹脂を用いることが好適である。
先の説明や以下の詳細な説明から理解されるように、本発明の電解液を使用すると、電解液中のイオン性添加剤やインヒビターが水溶性樹脂に吸着されることなく、低温領域でも電解液中に均一に分散することができる。さらに、電解液中の水と電極箔との反応を長期間抑制するとともに、腐食の発生を抑えることができ、特性変化が小さく長寿命である電解コンデンサ、特にアルミニウム電解コンデンサを提供することができる。
本発明による電解液及び電解コンデンサは、それぞれ、いろいろな形態で有利に実施することができる。以下、本発明の典型的に好ましい形態について説明するが、本発明は、これらの形態のみに限定されるものではない。
本発明は、その1つの面において、特に電解コンデンサを駆動するための電解液にある。本発明の電解液は、電解質と、添加剤と、溶媒とを少なくとも含有する。電解質及び添加剤を溶解するための溶媒として、好ましくは、有機溶媒を単独で使用するか、さもなければ、水−有機溶媒系の溶媒、すなわち有機溶媒と水との混合物を使用することができる。特に、水分濃度の高い水−有機溶媒系の溶媒を有利に使用することができる。
有機溶媒としては、プロトン系溶媒又は非プロトン系溶媒をそれぞれ単独であるいは2種以上を混合して使用することができる。必要に応じて、プロトン系溶媒の1種以上と非プロトン系溶媒の1種以上を任意に組合わせて使用してもよい。適当なプロトン系溶媒として、例えば、アルコール化合物を挙げることができる。また、ここで有利に使用することのできるアルコール化合物の具体的な例としては、以下に列挙するものに限定されるわけではないけれども、メチルアルコール、エチルアルコール、プロピルアルコール、ブチルアルコール等の一価アルコール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール等の二価アルコール(グリコール)、グリセリン等の三価アルコールを挙げることができる。また、適当な非プロトン系溶媒としては、以下に列挙するものに限定されるわけではないけれども、γ―ブチロラクトン等のラクトン化合物、プロピレンカーボネート、テトラヒドロフラン、アセトニトリル、ジメチルホルムアミド、ニトロベンゼン、その他の分子内分極性化合物を挙げることができる。
プロトン系溶媒及び非プロトン系溶媒はそれぞれ、単独で使用してもよく、必要に応じて2種もしくはそれ以上を任意に組合せて使用してもよい。
本発明の電解液では、上記したように有機溶媒の単独使用をする代わりに、水−有機溶媒系の溶媒を使用することもできる。特に本発明の電解液では多量の水を使用する。このような水−有機溶媒系の溶媒を使用することで、溶媒の凝固点を低下させ、それにより低温での電解液の比抵抗特性を改善して、低温と常温での比抵抗の差が小さいことで示される良好な低温特性を実現することができる。
さらに詳しく説明すると、有機溶媒としてエチレングリコールを使用した場合を例に挙げると、このプロトン系有機溶媒は沸点が198℃、融点は約−13℃である。コンデンサに要求される温度範囲は、一般的に−40℃〜105℃であることから、この溶媒を使用した電解液は、高温では特性に余裕があるが、低温では電解液の粘性の増大や凝固によって電気特性が著しく低下する。
本発明においては、電解液において、温度特性の優れた有機溶媒を単独あるいは複数種の混合で使用する一方、凝固点が比較的高い有機溶媒を使用する場合には、水を添加して水−有機溶媒系の溶媒を使用することで、溶媒の凝固点を低下させて低温での電気特性を確保することができる。この水−有機溶媒系の電解液は、電解質の溶解能とイオンの移動度が非常に大きいので、従来の電解液より、遥かに低い比抵抗が実現できる。また低温においては、溶媒の特性が改善されているので、低温と常温での比抵抗の差が小さい、という従来にはない画期的な特性を有する電解液となる。したがって、このような電解液を使用した電解コンデンサは、当然ながら、電解液の特性を反映して、良好な温度特性を有することができる。
溶媒中の水の含有量は、約30〜90質量%(wt%)の範囲にあるのが好適であり、残部が有機溶媒である。水の含有量が少ない場合にも、90質量%を超える場合にも、電解液の凝固点の度合いは不十分となり、電解コンデンサの良好な低温特性を得るのが困難となる。電解液に溶媒中における好適な水の含有量は、約40〜90質量%、より好適な水の含有量は、約45〜90質量%の範囲であり、最も好適な水の含有量は、約65〜90質量%の範囲である。溶媒において有機溶媒の量は水の残量である。
本発明の電解液では、それを上述のような有機溶媒もしくは水−有機溶媒系の溶媒を使用して調製するとともに、置換もしくは非置換のアミド基を含有するエチレン性不飽和単量体を含む単量体組成物からレドックス系ラジカル重合によって形成された水溶性樹脂を添加することが必須である。添加される水溶性樹脂について、以下に説明する。
本発明で用いる水溶性樹脂は、その出発原料として、アミド基もしくは置換アミド基を分子中に含有するエチレン性不飽和単量体を含む単量体組成物を使用し、かつこの単量体組成物をレドックス系ラジカル重合に供することによって形成されたものであることを特徴とする。レドックス系ラジカル重合は、水媒体中で、レドックス系重合開始剤及び有機系還元剤の存在下において有利に実施することができる。
置換もしくは非置換のアミド基を含有するエチレン性不飽和単量体を含む単量体組成物からレドックス系ラジカル重合によって形成された水溶性樹脂は、次のような一般式によって表すことができる。
Figure 0005014042
上式において、Rは、同一もしくは異なっていてもよく、水素原子を表すかもしくは置換もしくは非置換の、1〜4個の炭素原子を有する低級アルキル基、例えばメチル基などを表し、そしてnは、正の整数であり、好ましくは、約1,000〜200,000の重量平均分子量を与えるのに必要な整数である。式中の−NH基の水素原子は、必要に応じて、置換されていてもよい。式中のRがすべて水素原子であるのが好ましい。
本発明においてアミド基含有エチレン性不飽和単量体を含む単量体組成物のレドックス系ラジカル重合を行う際、レドックス系重合開始剤として、好ましくは、有機過酸化物を使用することができる。
重合開始剤として有用な有機過酸化物の例としては、以下に列挙するものに限定されないが、メチルエチルケトンパーオキシド、アセチルアセトンパーオキシド等のケトンパーオキシド類、過酸化水素、tert−ブチルヒドロパーオキシド、クメンヒドロパーオキシド等のヒドロパーオキシド類、ジtert−ブチルパーオキシド等のジアルキルパーオキシド類、tert−ブチルパーオキシアセテート等のパーオキシエステル類、アセチルパーオキシド、ベンゾイルパーオキシド等のジアシルパーオキシド類を挙げることができる。なかんずく、ラジカル重合中の溶媒である水に対する溶解度が比較的高いヒドロパーオキシド類が好ましく、さらには過酸化水素もしくはtert−ブチルヒドロパーオキシドがより好ましい。これらの有機過酸化物は、単独で使用してもよく、2種以上を併用して使用してもよい。
本発明の実施において重合開始剤とともに使用される還元剤は、好ましくは有機系還元剤である。有機系還元剤の例としては、グルコース、デキストロース等の糖類、モノエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアミン類、グリオキザール類、アスコルビン酸、酒石酸、エリソンビン酸、エルソルビン酸、アスパラギン酸、シュウ酸、グルタミン酸の有機酸類が挙げられる。なかんずく、還元効果の大きいアスコルビン酸、酒石酸、エリソンビン酸が好ましい。これらの有機系還元剤は、単独で使用してもよく、2種以上を併用して使用してもよい。
水溶性樹脂の重合において出発物質として使用されるアミド基含有エチレン性不飽和単量体としては、以下に列挙するものに限定されないが、(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−メチル(メタ)アクリルアミドやN−イソプロピル(メタ)アクリルアミド等のN−アルキル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド等のN,N−ジアルキル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリルアミドやN,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド等のN,N−ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリルアミド、N−メトキシメチル(メタ)アクリルアミド等のN−アルコキシアルキル(メタ)アクリルアミド、ダイアセトン(メタ)アクリルアミド等を挙げることができる。単量体及び単量体重合物の水に対する溶解性の観点から、なかんずく、(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミドが好ましく、さらにはアクリルアミドが好ましい。
本発明で使用されるアミド基含有エチレン性不飽和単量体は、単量体組成物を水溶媒中でレドックス系ラジカル重合することで得られる重合物の水に対する溶解性の観点から、約25〜100質量%の範囲で使用することが好ましく、さらには約50〜100質量%の範囲が好ましい。
本発明の実施において、アミド基含有エチレン性不飽和単量体の使用は必須の構成要件であるが、本発明の効果を損なわない範囲で、他のエチレン性不飽和単量体を併用することができる。このような単量体としては、少なくとも1個の重合可能なビニル基を有している単量体を挙げることができる。適当な単量体として、以下に列挙するものに限定されないが、例えば、メチル(メタ)アクリレートやエチル(メタ)アクリレート等の直鎖状、分岐鎖状もしくは環状のアルキル鎖を有する(メタ)アクリル酸エステル類、スチレン、α−メチルスチレン等の芳香族ビニル化合物、ビニルピロリドン等の複素環式ビニル化合物、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート等のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、グリコールジ(メタ)アクリレート類、アルキルアミノ(メタ)アクリレート、酢酸ビニルやアルカン酸ビニルに代表されるビニルエステル類、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸等のα,β−不飽和モノあるいはジカルボン酸、カルボキシル基含有ビニル化合物、アクリロニトリル等のシアン化ビニル化合物、アクロレイン、ビニルメチルケトン等のカルボニル基含有エチレン性不飽和単量体、p−トルエンスルホン酸等のスルホン酸基含有エチレン性不飽和単量体を挙げることガできる。なかんずく、単量体重合物の水に対する溶解性の観点から、メチル(メタ)アクリレート、エチルアクリレート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、酢酸ビニル、アクリロニトリルが好ましい。
また、必要に応じて、架橋性エチレン性不飽和単量体を使用してもよい。適当な単量体として、以下に列挙するものに限定されないが、例えば、グリシジルメタアクリレート等のエポキシ基含有α,β−エチレン性不飽和単量体、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン等の加水分解性アルコキシシリル基含有α,β−エチレン性不飽和単量体、ジビニルベンゼン、ジアリルフタレート等の多官能ビニル化合物を挙げることができる。
本発明に従いアミド基含有エチレン性不飽和単量体を含む単量体組成物のレドックス系ラジカル重合を行う場合に、使用される重合開始剤の量は、通常、単量体組成物100重量部に対して約0.05〜10重量部が好ましく、さらには約0.1〜5重量部が好ましい。重合開始剤の使用量が0.05重量部より少ない場合、単量体組成物の重合率が低く、残存しやすい。重合開始剤の使用量が10重量部より多いと、高分子量の単量体重合物が得られにくい。一方、使用される還元剤の量は、通常、約0.05〜10重量部が好ましく、さらには約0.1〜5重量部が好ましい。還元剤の使用量が0.05重量部より少ない場合は、還元作用が低いため重合開始剤の分解が遅く、ラジカル重合に時間がかかる。一方、10重量部より多いと、逆に重合開始剤の分解が速すぎてラジカル濃度が低下し、単量体組成物が残存しやすい。
本発明において、アミド基含有エチレン性不飽和単量体を含む単量体組成物のレドックス系ラジカル重合は、酸素によるラジカルの失活を抑制するため、不活性ガス雰囲気下、好ましくは窒素雰囲気下で行うことが好ましい。ラジカル重合時の反応温度は特に制限されないが、通常、約30〜80℃の範囲で行うことが好ましい。
上述のような出発物質の使用に由来して製造される本発明の水溶性樹脂は、水酸基(−OH)、カルボキシル基(−COOH)、シアノ基(−C≡N)、アミノ基(−NH)、メチロール基(−CH−OH)及びカルボニル基(>C=O)からなる群から選択される少なくとも1種類の官能基をその分子中に含有している。
また、本発明の水溶性樹脂は、通常、約1,000〜200,000の重量平均分子量を有していることが好ましい。すなわち、本発明で使用される水溶性樹脂は、従来の水溶性樹脂よりも低分子量のものを使用することを特徴とする。低分子量の水溶性樹脂は、上述のように、低温領域での分散性の低下及び析出、あるいは水溶性樹脂が電解液中のイオンや特性安定化に寄与するインヒビターを吸着するという問題点を解決することができる。水溶性樹脂の重量平均分子量、より好ましくは約1,000〜150,000であり、さらに好ましくは約1,000〜100,000であり、最も好ましくは約1,000〜50,000である。
さらに、電解液に対する本発明の水溶性樹脂の添加量は、所望する効果などに応じて広く変更することができるというものの、通常、電解液の溶媒の全量を基準にして約0.05〜5.0質量%の範囲であることが好ましく、さらに好ましくは、約0.1〜2.0質量%の範囲である。なお、10.0質量%程度の添加量は、電解液のゲル化を引き起こしたりするので、好ましくない。
電解液に本発明の水溶性樹脂を含ませる場合、本発明の実施において適用される方法は、特に限定されるものではなく、所期の効果が得られる限りにおいていろいろな方法を採用することができる。以下に、好適な方法のいくつかを説明する。
1.水溶性樹脂の直接添加
水溶性樹脂を電解液に直接添加する。水−有機溶媒系の溶媒を使用し、使用する溶媒中の水の比率が高いような場合には、固体の水溶性樹脂を電解液に添加して、攪拌しながら溶解してもよい。
2.水溶性樹脂の水溶液での添加
多くの場合、本発明の水溶性樹脂を予め水に溶解して数%〜数十%の水溶液とした後、その水溶液を電解液に添加する。この方法は、水溶性樹脂を取り扱う場合の最も容易でかつ外部汚染や誤差を少なくする方法である。
3.水溶性樹脂のその他の添加方法
水溶性樹脂を、電解液を含浸する前のコンデンサ素子に予め含浸させるか、それに塗布する。さもなければ、コンデンサ素子を構成するセパレータ、電極箔、リード端子などの材料、素子を固定する接着剤に水溶性樹脂を塗布したり、浸漬させたりしてもよい。いずれの方法を採用しても、上記のようなコンデンサ素子や材料などと電解液との接触部から、水溶性樹脂が徐々に電解液中に移動(マイグレーション)することが可能である。
本発明の電解液では、電解液質がさらに使用される。電解質としては、有機酸、特に好ましくはカルボン酸又はその塩、あるいは無機酸又はその塩が用いられる。これらの電解質成分は、単独で使用してもよく、2種類以上の電解質成分を任意に組合わせて使用してもよい。電解質成分として、カルボン酸又はその塩に無機酸又はその塩を併用すると、電解液の凝固点降下が期待でき、そのため電解液の低温特性の更なる向上に寄与することができる。
電解質成分として使用可能なカルボン酸の例としては、以下に列挙するものに限定されないが、蟻酸、安息香酸に代表されるモノカルボン酸や、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、アゼライン酸に代表されるジカルボン酸などを挙げることができる。また、セバシン酸、クエン酸のような、ヒドロキシル基等を含有するカルボン酸も使用可能である。もちろん、必要に応じて、このようなカルボン酸の誘導体を使用してもよい。
また、同じく電解質成分として使用可能な無機酸の例としては、以下に列挙するものに限定されないが、リン酸、亜リン酸、次亜リン酸等などを挙げることができる。また、必要に応じて、このような無機酸の誘導体を使用してもよい。
さらに、上記したカルボン酸又は無機酸の塩として、いろいろな一般的に知られた塩を使用することができる。適当な塩の例としては、以下に列挙するものに限定されないが、アンモニウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩、アミン塩、アルキルアンモニウム塩等が含まれる。このような塩のなかでも、アンモニウム塩を用いるのがより好ましい。
さらに加えて、本発明の実施において電解質成分として無機酸又はその塩を使用すると、電解液の凝固点降下を期待でき、電解液の低温特性の改良に寄与することができる。また、無機酸又はその塩を使用するときに、添加剤としてニトロ化合物を使用した場合には、ニトロ化合物に由来する水素ガス吸収能力を長期間にわたって維持することができる。
また、本発明者らの研究によると、このような無機酸又はその塩のような電解質成分を前記したカルボン酸又はその塩のような電解質成分に組合わせて使用することにより、カルボン酸又はその塩を単独で使用した場合に比較して、電解コンデンサの寿命を顕著に延長することができる。
本発明の電解液において、それに含まれる電解質の量は、電解液に要求される特性、使用する溶媒の種類、使用する電解質の種類等の条件に応じて適宜決定することができる。一般的に言って、例えばカルボン酸又はその塩を電解質として使用する場合に、その量は、電解液の全重量の3〜30質量%程度であるのがよい。かかる電解質の量が3質量%に満たない場合には所望の電導度を充分確保することができず、30質量%を超えると効果が飽和してくる上に、溶媒に溶けにくくなる。
無機酸又はその塩を電解質として使用する場合に、その量は、電解液の全量の0.1〜15質量%程度であるのがよい。かかる電解質の量が0.1質量%に満たない場合には所望の電導度を充分確保できず、15質量%を超えると効果が飽和してくる上に、溶媒に溶けにくくなる。カルボン酸又はその塩と無機酸又はその塩を併用する場合にも、上述の範囲内で使用することができる。
さらに、本発明の電解液には、(1)キレート化合物、(2)糖アルコール、(3)グルコン酸及び(又は)グルコノラクトン、(4)ニトロ化合物などの添加剤を必要に応じて添加するのが好ましい。これらの添加剤は、単独で使用してもよく、2種類以上の添加剤を任意に組み合わせて使用してもよい。以下、それぞれの添加剤について、説明する。
(1)キレート化合物
キレート化合物、例えばエチレンジアミン四酢酸(EDTA)、トランス−1,2−ジアミノシクロヘキサン−N,N,N’,N’,N’−四酢酸−水和物(CyDTA)、ジヒドロキシエチルグリシン(DHEG)、エチレンジアミンテトラキス(メチレンホスホン酸)(EDTPO)、ジエチレントリアミン−N,N,N’,N’’,N’’−五酢酸(DTPA)、ジアミノプロパノール四酢酸(DPTA−OH)、エチレンジアミンニ酢酸(EDDA)、エチレンジアミン−N,N’−ビス(メチレンホスホン酸)1/2水和物(EDDPO)、グリコールエーテルジアミン四酢酸(GEDTA)、ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸(EDTA−OH)等。キレート化合物は、一般的に、0.01〜3質量%の範囲で添加するのが好ましい。このようなキレート化合物は、低インピーダンスコンデンサのアルミニウム(Al)電極箔の水和反応の抑制によるコンデンサの長寿命化、電解コンデンサの低温特性の改善(溶媒が不凍状態に近い組成なので、常温と低温でのインピーダンスの変化が小さくなる)、耐食性の向上などの効果をもたらすことができる。
(2)糖アルコール
糖アルコール、例えば、グルコース、フルクトース、キシロース、ガラクトース、マンニット、ソルビット、キシリット等。糖類は一般的に0.01〜5質量%の範囲で添加することが好ましい。このような糖アルコールは、低インピーダンスコンデンサの電極箔の水和反応の抑制によるコンデンサの長寿命化、糖アルコールの添加による電解質、例えばカルボン酸の分解や活性化の抑制、電解コンデンサの低温特性の改善(溶媒が不凍状態に近い組成なので、常温と低温でのインピーダンス変化が小さくなる)などの効果をもたらすことができる。
(3)グルコン酸及び(又は)グルコノラクトン
本発明の電解液は、必要に応じて、グルコン酸やグルコノラクトン等を単独もしくは組合せて含有することができる。この種の添加剤は、一般的に、0.01〜5質量%の範囲で添加することが好ましい。グルコン酸やグルコノラクトンは、それを本発明の電解液に追加して含ませた場合、電解コンデンサの長寿命化や低温特性の向上、そして優れた水素ガス吸収効果などという本発明の効果に追加して、耐蝕性の向上といった顕著な効果をさらにもたらすことができる。
(4)ニトロ化合物
本発明の電解液が、必要に応じて、ニトロフェノール、例えばp−ニトロフェノール、ニトロ安息香酸、例えばp−ニトロ安息香酸、ジニトロ安息香酸、ニトロアセトフェノン、例えばp−ニトロアセトフェノン、ニトロアニソールなどの化合物群から選択される少なくとも1種のニトロ化合物を含有することができる。
本発明の電解液では、上記したようなニトロ化合物を使用したときに特に顕著な水素ガス吸収効果とハロゲンイオンによる腐食を抑制する作用(換言すると、ハロゲン捕捉作用)を合わせて有することができる。上記したニトロ化合物は、それを本発明の電解液に添加する場合、その電解液自体に本発明の効果に有効な特定の組成が採用されているので、単独で使用しても満足し得る水素ガス吸収効果、ハロゲン捕捉作用などを奏することができるけれども、2種もしくはそれ以上のニトロ化合物を混合して使用した方がさらに好ましい効果を期待することができる。また、ニトロ化合物は、通常、電解液の全量を基準にして0.01〜5質量%の量で添加して使用するのが好ましい。ニトロ化合物の添加量が0.01質量%を下回ると、所期の効果をほとんど得ることができず、反対に5質量%を上回っても、所期の効果の更なる向上を期待することができず、場合によっては他の特性に対して悪影響が出ることも考えられる。
ニトロ化合物の使用についてさらに説明すると、アルミニウムと水の反応時に発生する水素ガスの吸収は、ニトロ化合物を単独で使用したのでは、使用する溶媒中の水の含有量が増加するにつれて吸収効果が低下する傾向にあり、また、この吸収効果の低下傾向は、電解液が高温環境下におかれた場合において顕著になる。ところが、このようなニトロ化合物の単独使用に由来して発生する問題は、2種もしくはそれ以上のニトロ化合物を組合せて使用することにより、解消することができる。
また、水素ガス吸収における本発明の優れた効果は、一緒に使用する電解質との関係においても確認することができた。従来の電解液では、1種類のニトロ化合物のみをカルボン酸系の電解質だけに、あるいは1種類のニトロ化合物のみを無機酸系の電解質だけに、それぞれ添加する手法が採用されてきた。しかし、溶媒中の水の含有量が多い場合、上記のような手法では満足し得る水素ガス吸収効果を得ることができず、また、カルボン酸系の電解質と無機酸系の電解質が混在するような電解液でも同様であったが、本発明の電解液の場合(1種類のニトロ化合物のみを使用)、驚くべきことに、このようなカルボン酸系/無機酸系混在電解液においても、従来の単独使用よりもはるかに長期間にわたって水素ガス吸収能力を維持することができた。
さらにまた、本発明の電解液は、上記した添加剤の他にも、アルミニウム電解コンデンサあるいはその他の電解コンデンサの分野で常用の添加剤をさらに含有してもよい。適当な添加剤としては、例えばシランカップリング剤、高分子電解質などを挙げることができる。
本発明の電解液は、上記したような各種の成分を任意の順序で混合し、溶解することによって調製することができ、また、基本的には、電解液の調製において、従来の技法をそのままあるいは変更して使用することができる。例えば、有機溶媒と水との混合物である水分濃度が高い溶媒を調製した後、得られた溶媒に電解質、水溶性樹脂及び必要に応じて任意の添加剤を溶解することで簡単に調製することができる。また、水溶性樹脂は、前記したように、いろいろな方法を使用して電解液に導入することが可能であるので、本発明の実施は大きな自由度を有していることになる。
本発明は、また、本発明の電解液を含んでなる電解コンデンサ、特にアルミニウム電解コンデンサにある。また、本発明の電解液は、電解コンデンサにおける使用に限定されるものではなく、本発明の電解液のもつ優れた特性に依存して、その他の物品においても電解液として有利に使用することができる。適当な物品として、電子部品、例えば、電気二重層コンデンサ、電池などを挙げることができる。
本発明のアルミニウム電解コンデンサは、好ましくは、エッチングが施されたアルミニウム箔の表面が陽極酸化された陽極箔と、エッチングが施されたアルミニウム箔から成る陰極箔とを、両者の表面が隔離紙を介して対向するように卷回して形成したコンデンサ素子と電解液とがケース内に収容され、かつ前記コンデンサ素子が収容されたケースの開口部が弾性封口体で密封されているように構成される。図1は、本発明の電解コンデンサの一例を示した断面図であり、また、図2は、図1に示した電解コンデンサのコンデンサ素子を、特に一部を厚さ方向に拡大して示した斜視図である。なお、図示の例は巻回構造を備えた電解コンデンサであるが、本発明の電解コンデンサは、本発明の範囲内においていかなる変更や改良も可能である。例えば、本発明の電解コンデンサは、それを構成している電極箔の両方に酸化膜を有するタイプの電解コンデンサ、表面にシランカップリング剤などの機能性物質を付した電極箔を有するタイプの電解コンデンサであってもよい。また、ここで言うまでもなく、巻回構造以外の電解コンデンサも包含する。
図示の電解コンデンサ10は、アルミニウム電解コンデンサであり、電解液を含浸したコンデンサ素子1を金属製のケース4に収納し、さらにケース4の開口部を封口体3で閉塞した構造を有する。また、金属製のケースに収納されたコンデンサ素子1は、巻き取られたシート状積層体20の形をしている。積層体20は、図示のように、表面全体にアルミニウム酸化膜22を有するアルミニウム箔(陽極)21と、アルミニウム箔(陰極)23と、これらの電極の間に挟まれた第1のセパレータ(隔離紙)24と、第2のセパレータ(隔離紙)25とからなる。第1のセパレータ24と第2のセパレータ25は同一もしくは異なっていてもよい。コンデンサ素子1には電解液が含浸せしめられている。
本発明による電解コンデンサについてさらに説明すると、陽極箔及び陰極箔として用いられるアルミニウム箔は、好ましくは、純度99%以上の高純度のアルミニウム箔である。陽極箔は、好ましくは、アルミニウム箔を電気化学的にエッチング処理した後、陽極酸化して表面に酸化皮膜を形成し、次いで、電極引き出し用リードタブを取り付けて形成することができる。また、陰極箔は、アルミニウム箔にエッチング処理を施した後、電極引き出し用リードタブを取り付けて形成することができる。
上記のようにして形成した陽極箔と陰極箔とを、両者の表面を上記したような隔離紙を介して対向させつつ卷回することによって、コンデンサ素子を得ることができる。コンデンサ素子の作製に使用する隔離紙は、特に限定されないというものの、好ましくは、天然に産出するセルロース材料、例えばマニラ麻や草木のパルプなどを原料として用い、この原料パルプを除塵工程、洗浄工程、叩解工程、抄紙工程等を経て製造された隔離紙を有利に使用することができる。なお、化学合成繊維等に由来する紙の使用も可能である。
本発明の電解コンデンサにおいて用いられる封口体は、その材料が硬度が高くて適度のゴム弾性を有し、電解液不透過性であり、そして封口体としての気密性が良好である限り、いろいろな常用の材料から形成することができる。適当な封口体材料としては、例えば、天然ゴム(NR)、スチレン・ブタジエンゴム(SBR)、エチレン・プロピレンターポリマー(EPT)、イソブチレン・イソプレンゴム(IIR)等の弾性ゴムを挙げることができる。また、気密性が高く、電解液が蒸気として透過してしまうようなことがないので、イソブチレン・イソプレンゴム(IIR)を使用することも好ましい。特に、より優れた耐熱性を有するIIR、例えば、イオウ加硫、キノイド加硫、樹脂加硫、過酸化物加硫等のIIRを使用することがさらに好ましい。
さらに、本発明の実施に当たっては、上記したような封口体材料に代えて、気密性があり強度も十分に高い樹脂材料板(例えば、PTFE板などのようなフッ素樹脂板)と弾性ゴムを貼り合わせたハイブリッド材料も有利に使用することができる。
次に、本発明を実施例により更に説明する。言うまでもなく、ここに掲げる実施例は本発明を例示するためのものであり、本発明を限定しようとするものではない。なお、「部」及び「%」は「重量部」及び「重量%」をそれぞれ示す。
調製例1
本発明の水溶性樹脂(R1)の合成
攪拌装置、温度計、還流冷却器を備えた四つ口フラスコにイオン交換水236部、エチレングリコール50部を仕込み、窒素置換後65℃に昇温した。50%アクリルアミド100部と80%アクリル酸62.5部を混合したもの、35%過酸化水素水11.5部をイオン交換水25部に溶解したもの、アスコルビン酸3.5部をイオン交換水25部に溶解したものをそれぞれ2時間かけて滴下した。なお、反応装置内の温度は約70℃に保った。滴下終了後、約70℃で1時間保持し、冷却した後、反応装置から取り出した。得られたアクリルアミド骨格を含有する水溶性樹脂は、不揮発分26.9%、粘度70mPa・s、pH2.4、重量平均分子量9.2万であった。
調製例2
本発明の水溶性樹脂(R2)の合成
攪拌装置、温度計、還流冷却器を備えた四つ口フラスコにイオン交換水228部、エチレングリコール50部を仕込み、窒素置換後65℃に昇温した。50%アクリルアミド100部とヒドロキシエチルアクリレート50部を混合したもの、35%過酸化水素水11.5部をイオン交換水25部に溶解したもの、アスコルビン酸3.5部をイオン交換水25部に溶解したものをそれぞれ2時間かけて滴下した。なお、反応装置内の温度は約70℃に保った。滴下終了後、約70℃で1時間保持し、冷却した後、反応装置から取り出した。得られたアクリルアミド骨格を含有する水溶性樹脂は、不揮発分24.6%、粘度31mPa・s、pH2.7、重量平均分子量4.5万であった。
調製例3
本発明の水溶性樹脂(R3)の合成
攪拌装置、温度計、還流冷却器を備えた四つ口フラスコにイオン交換水223部、エチレングリコール50部を仕込み、窒素置換後65℃に昇温した。50%アクリルアミド150部とアクリロニトリル25部を混合したもの、35%過酸化水素水11.5部をイオン交換水25部に溶解したもの、アスコルビン酸3.5部をイオン交換水25部に溶解したものをそれぞれ2時間かけて滴下した。なお、反応装置内の温度は約70℃に保った。滴下終了後、約70℃で1時間保持し、冷却した後、反応装置から取り出した。得られたアクリルアミド骨格を含有する水溶性樹脂は、不揮発分26.2%、粘度76mPa・s、pH2.8、重量平均分子量4.8万であった。
調製例4
本発明の水溶性樹脂(R4)の合成
攪拌装置、温度計、還流冷却器を備えた四つ口フラスコにイオン交換水148部、エチレングリコール50部を仕込み、窒素置換後65℃に昇温した。50%アクリルアミド100部、ダイアセトンアクリルアミド50部とイオン交換水100部を混合したもの、35%過酸化水素水11.5部をイオン交換水25部に溶解したもの、アスコルビン酸3.5部をイオン交換水25部に溶解したものをそれぞれ2時間かけて滴下した。なお、反応装置内の温度は約70℃に保った。滴下終了後、約70℃で1時間保持し、冷却した後、反応装置から取り出した。得られたアクリルアミド骨格を含有する水溶性樹脂は、不揮発分23.7%、粘度36mPa・s、pH2.8、重量平均分子量1.4万であった。
調製例5
本発明の水溶性樹脂(R5)の合成
攪拌装置、温度計、還流冷却器を備えた四つ口フラスコにイオン交換水233部、イソプロピルアルコール15部を仕込み、窒素置換後65℃に昇温した。50%アクリルアミド200部、35%過酸化水素水1.3部をイオン交換水25部に溶解したもの、アスコルビン酸0.4部をイオン交換水25部に溶解したものをそれぞれ2時間かけて滴下した。なお、反応装置内の温度は約70℃に保った。滴下終了後、約70℃で1時間保持し、冷却した後、反応装置から取り出した。得られたアクリルアマイドの水溶性樹脂は、不揮発分21.5%、粘度200mPa・s、pH4.2、重量平均分子量12万であった。
比較調製例1
従来の水溶性樹脂(CR1)の合成
攪拌装置、温度計、還流冷却器を備えた四つ口フラスコにイオン交換水248部を仕込み、窒素置換後75℃に昇温した。50%アクリルアミド200部、過硫酸アンモニウム1.0部をイオン交換水52部に溶解したものをそれぞれ2時間かけて滴下した。なお、反応装置内の温度は約80℃に保った。滴下終了後、約80℃で1時間保持し、冷却した後、反応装置から取り出した。得られた水溶性樹脂は、不揮発分21.2%、粘度3900mPa・s、pH3.1、重量平均分子量64万であった。
比較調製例2
従来の水溶性樹脂(CR2)の合成
攪拌装置、温度計、還流冷却器を備えた四つ口フラスコにイオン交換水238部、イソプロピルアルコール10部を仕込み、窒素置換後65℃に昇温した。50%アクリルアミド200部、35%過酸化水素水1.3部をイオン交換水25部に溶解したもの、亜硫酸水素ナトリウム0.4部をイオン交換水25部に溶解したものをそれぞれ2時間かけて滴下した。なお、反応装置内の温度は約70℃に保った。滴下終了後、約70℃で1時間保持し、冷却した後、反応装置から取り出した。得られた水溶性樹脂は、不揮発分21.1%、粘度236000mPa・s、pH2.3、重量平均分子量155万であった。
比較調製例3
従来の水溶性樹脂(CR3)の合成(アゾ系重合開始剤を使用)
攪拌装置、温度計、還流冷却器を備えた四つ口フラスコにイオン交換水280部を仕込み、窒素置換後75℃に昇温した。50%アクリルアミド200部、2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)ジハイドロクロリド1.0部をイオン交換水20部に溶解したものをそれぞれ2時間かけて滴下した。なお、反応装置内の温度は約80℃に保った。滴下終了後、約80℃で1時間保持し、冷却した後、反応装置から取り出した。得られた水溶性樹脂は、不揮発分21.9%、粘度3500mPa・s、pH9.3、重量平均分子量22.1万であった。
試験例1
前記調製例1〜5及び比較調製例1〜3のそれぞれにおいて調製した水溶性樹脂に関して、下記の手法にしたがって、重量平均分子量ならびに硫酸イオン量、亜硫酸イオン量及び塩化物イオン量を測定したところ、下記の第1表に記載のような測定結果が得られた。
〔重量平均分子量の測定〕
得られた水溶性樹脂を0.1M硝酸ナトリウム水溶液で0.1重量%に調整し、以下の条件で測定した。
使用機器:ゲルパーミテーションクロマトグラフィー
カラム:昭和電工株式会社製OHPak SB−806M HQ
標準試料:プルラン(昭和電工株式会社製 P−82)
キャリア:0.1M硝酸ナトリウム水溶液
流量:1mL/分
〔水溶性樹脂中の硫酸イオン量、亜硫酸イオン量及び塩化物イオン量の測定〕
水溶性樹脂中の硫酸イオン量、亜硫酸イオン量及び塩化物イオン量をイオンクロマトグラフィーで測定した。なお、本測定による検出限界は1ppmであった。
Figure 0005014042
実施例1
本例では、巻回構造のアルミニウム電解コンデンサを下記の手順に従って製造した。
まず、アルミニウム箔を電気化学的にエッチング処理し、表面に酸化皮膜を形成し、その後電極引出し用リードタブを取り付けてアルミニウム陽極箔を作った。次に、別のアルミニウム箔に電気化学的にエッチング処理を施した後、電極引出し用リードタブを取り付けてアルミニウム陰極箔を作った。続いて、陽極箔と陰極箔間にセパレータ(隔離紙)を挟んで巻回することにより、コンデンサ素子を作製した。一方、下記の第2表に示した組成表をもとに、一定の容器中に溶媒成分と電解質成分を順次加えた後に攪拌溶解させて電解液を調合した。
コンデンサ素子に上記調合方法により製造した電解液を含浸してから、有底アルミニウムケースに電極引出し用リードタブがケースの外に出るようにして収容し、このケースの開口を弾性封口体で密封した後エージング処理を行い、巻回構造の電解コンデンサ(10WV−1000μF)を作製した。
次いで、電解コンデンサの寿命特性を評価するため、容量、Tanδ、漏れ電流(L.C.、定格電圧10Vを印加して1分後の電流値)及び等価直列抵抗値(E.S.R.100kHzで測定)のそれぞれについて、初期特性(コンデンサの作製直後の特性値)と、負荷試験(105℃で定格電圧10Vを印加して5000時間)後の特性値の測定を一定温度環境(25℃)で行った。なお、容量及びTanδはそれぞれ周波数:120Hzで測定した。下記の第2表に記載のような測定値が得られた。
実施例2〜6
前記実施例1に記載の手法を繰り返したが、本例の場合、使用する電解液の組成を下記の第2表に記載のように変更した。特性試験によって得られた結果を下記の第2表に記載する。
Figure 0005014042
実施例7
前記実施例1に記載の手法を繰り返したが、本例の場合、調製例2で合成した水溶性樹脂R2の1.5%水溶液に浸漬させ、乾燥したセパレータを陽極箔と陰極箔に介在させ、コンデンサ素子を巻回した。セパレータ中の水溶性樹脂の量はおよそ1.5g/個であった。下記の第3表に記載の結果が得られた。
Figure 0005014042
比較例1〜5
前記実施例1に記載の手法を繰返したが、本例の場合、比較のため、使用する電解液の組成を下記の第4表に記載のように変更した。特性試験によって得られた結果を下記の第4表に記載する。
Figure 0005014042
〔考察〕
上記した第2表〜第4表に記載の試験結果から理解されるように、従来の水溶性樹脂用いた比較例2〜4あるいは水溶性樹脂を含んでいない比較例1及び5は、105℃、5000時間後において特性異常、弁作動、腐食を起こしているのに対して、本発明の水溶性樹脂を含んだ電解液を使用した実施例1〜6は特性が非常に安定しており、Tanδ及びE.S.R.変化が小さく良好な特性を維持することができた。これは、水溶性樹脂の種類、特に水溶性樹脂の末端基が影響しているものと考えられる。また、重合開始剤にアゾ系化合物を使用した従来樹脂CR3が含まれている比較例4は105℃、5000時間後に特性異常となっているが、これは、従来樹脂CR3の末端基に含まれるClが電解液を著しく劣化させたことによるものと考えられる。
また、重合開始剤に過硫酸カリウムを使用した従来樹脂CR1、亜硫酸水素ナトリウムを使用した従来樹脂CR2を使用した比較例2及び3は腐食による特性異常となったのに対して、本発明の水溶性樹脂R2、R3を使用した実施例2及び3は、105℃で5000時間後も良好な特性を維持していた。これは、従来樹脂CR1、CR2の末端基に含まれている硫酸基が電極箔と反応して腐食を起こし、コンデンサが特性異常となったものと考えられる。
さらに、実施例5及び6はポリアクリルアミドの分子量が違っており、分子量の小さいポリアクリルアミドを使用した実施例5の方が、特性変化が小さい結果となった。分子量が小さいことにより電解液中に均一に分散することができたため、長期間にわたり特性を維持することができたものと考えられる。
実施例7は、本発明の水溶性樹脂をセパレータに染み込ませた場合の効果について検証した結果である。本発明の樹脂R2を浸漬させた後、乾燥させたセパレータを用いた実施例7は、105℃、5000時間後も良好な特性を維持していたが、水溶性樹脂を用いていない比較例5は、105℃、2000〜2500時間で特性異常となった。また、本発明の樹脂R2を電解液に含んだ実施例5と実施例7は、同等の特性を維持しており、水溶性樹脂をセパレータに浸漬した場合も電解液に含んだ場合と同等の効果が得られることが判った。
本発明による電解コンデンサの一例を示した断面図である。 図1の電解コンデンサのコンデンサ素子の構成を示した斜視図である。
符号の説明
1 コンデンサ素子
2 リード線
3 封口体
4 ケース
10 電解コンデンサ
13 円筒状突起
14 カール

Claims (15)

  1. 有機溶媒からなるかもしくは水と有機溶媒の混合物からなる溶媒と、カルボン酸又はその塩、無機酸又はその塩及びそれらの混合物からなる群から選ばれる少なくとも1種類の電解質とを少なくとも含む電解液であって、
    前記電解液が、水媒体中で、置換もしくは非置換のアミド基を含有するエチレン性不飽和単量体(以下、アミド基含有エチレン性不飽和単量体という。)を含む単量体組成物から、有機過酸化物からなるレドックス系重合開始剤及び有機系還元剤の存在下において、レドックス系ラジカル重合によって形成された水溶性アクリルアミド樹脂をさらに含み、そして
    前記水溶性アクリルアミド樹脂が、1000〜200,000の重量平均分子量を有しており、
    水酸基(−OH)、カルボキシル基(−COOH)、シアノ基(−C≡N)、アミノ基(−NH )、メチロール基(−CH −OH)及びカルボニル基(>C=O)からなる群から選ばれる少なくとも1種類の官能基を有しており、かつ
    電解液の溶媒の全量を基準にして、0.05〜5.0質量%の量で含まれることを特徴とする電解コンデンサ駆動用電解液。
  2. 前記有機過酸化物が、過酸化水素又はtert−ブチルヒドロパーオキシドであることを特徴とする請求項に記載の電解コンデンサ駆動用電解液。
  3. 前記有機系還元剤が、アスコルビン酸、酒石酸及びエリソンビン酸からなる群から選ばれる少なくとも1種類の化合物であることを特徴とする請求項又はに記載の電解コンデンサ駆動用電解液。
  4. 前記アミド基含有エチレン性不飽和単量体が、前記単量体組成物の全量を基準にして、25〜100質量%の範囲であることを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の電解コンデンサ駆動用電解液。
  5. 前記アミド基含有エチレン性不飽和単量体が、(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−アルキル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジアルキル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリルアミド、N−アルコキシアルキル(メタ)アクリルアミド及びダイアセトン(メタ)アクリルアミドからなる群から選ばれることを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の電解コンデンサ駆動用電解液。
  6. 前記N−アルキル(メタ)アクリルアミドが、N−メチル(メタ)アクリルアミド又はN−イソプロピル(メタ)アクリルアミドであることを特徴とする請求項に記載の電解コンデンサ駆動用電解液。
  7. 前記N,N−ジアルキル(メタ)アクリルアミドが、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミドであることを特徴とする請求項に記載の電解コンデンサ駆動用電解液。
  8. 前記N,N−ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリルアミドが、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド又はN,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミドであることを特徴とする請求項に記載の電解コンデンサ駆動用電解液。
  9. 前記N−アルコキシアルキル(メタ)アクリルアミドが、N−メトキシメチル(メタ)アクリルアミドであることを特徴とする請求項記載の電解コンデンサ駆動用電解液。
  10. 前記アミド基含有エチレン性不飽和単量体がアクリルアミドであることを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の電解コンデンサ駆動用電解液。
  11. 前記電解液の溶媒中の水の含有率が、30〜95質量%であり、かつカルボン酸又はその塩の少なくとも1種類が、前記電解液の全量を基準にして5〜30質量%の量で添加されており、さらに前記電解液の30℃における比抵抗が、5Ω・cm〜60Ω・cmであることを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載の電解コンデンサ駆動用電解液。
  12. 前記カルボン酸又はその塩が、蟻酸、安息香酸,アジピン酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アゼライン酸、セバシン酸,クエン酸とそれらの誘導体からなる酸,ならびにそれらのアンモニウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩、アミン塩及びアルキルアンモニウム塩からなる群から選ばれることを特徴とする請求項1〜11のいずれか1項に記載の電解コンデンサ駆動用電解液。
  13. 前記電解液中に、リン酸又はその塩、亜リン酸、次亜リン酸又はその塩、キレート化剤、ニトロ化合物及び糖アルコールからなる群から選ばれる少なくとも1種類の添加剤がさらに含まれることを特徴とする請求項1〜12のいずれか1項に記載の電解コンデンサ駆動用電解液。
  14. 前記電解液の溶媒中の水の含有率が70〜90質量%であり、かつ、蟻酸又はその塩ならびにリン酸又はその塩が添加されており、さらにニトロ化合物が含まれていることを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載の電解コンデンサ駆動用電解液。
  15. 請求項1〜14のいずれか1項に記載の電解液を含んでなることを特徴とする電解コンデンサ。
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