JP5013036B2 - ホルムアルデヒド含有ガスの浄化方法及びホルムアルデヒド含有ガスの浄化装置 - Google Patents

ホルムアルデヒド含有ガスの浄化方法及びホルムアルデヒド含有ガスの浄化装置 Download PDF

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本発明は、ホルムアルデヒド含有ガス(主成分は空気)を浄化処理するホルムアルデヒド含有ガスの浄化方法及びホルムアルデヒド含有ガスの浄化装置に関する。
従来から、食品容器製造工場(以下単に工場とも称する。)などでは、定期的に工場内の容器製造室など無菌室の滅菌のためにホルムアルデヒド薫蒸を行っている。このホルムアルデヒド薫蒸に使用するホルムアルデヒドは人体に有害あるため、ホルムアルデヒド薫蒸後、作業者が無菌室内に立ち入るには、その無菌室内のホルムアルデヒドの濃度を人体に無害な程度にまで下げる必要がある。このホルムアルデヒドの無害化には、従来は、図7に示す燃焼触媒装置が使用されている。
無菌室100内をホルムアルデヒド薫蒸した後、燃焼触媒装置10を稼動させると、矢印Aに示す方向から薫蒸後のガスが取り入れられ、浄化処理されたガスが矢印Bに示す方向に排出される。無菌室100内のホルムアルデヒドは、燃焼触媒装置10内を循環して除々に分解処理され、やがて無菌室100内のホルムアルデヒドの濃度は人体に無害な程度にまで低下する。
実用新案登録第3075587号公報 特開2004−163055号公報
しかしながら、上述した従来の燃焼触媒装置は、分解処理が進んで、無菌室内のホルムアルデヒドの濃度が低下するに伴い、ホルムアルデヒドの触媒への吸着効率が低下し、分解効率が悪くなる。このため、従来の装置では、人体に無害なホルムアルデヒド濃度にまで、ホルムアルデヒド含有ガスを浄化処理するのに時間がかかるという問題があった。例えば、無菌室の容積が約1800mである場合、浄化処理が終わるまでに、約24時間から48時間を要し、浄化処理のための時間が長いので、従来の装置では、工場の稼動率を上げることができないという問題がある。
本発明は上記事情に基づいてなされたものであり、ホルムアルデヒド含有ガスを短時間で浄化処理することができるホルムアルデヒド含有ガスの浄化方法及びホルムアルデヒド含有ガスの浄化装置を提供することを目的とするものである。
上記の目的を達成するための本発明にかかるホルムアルデヒド含有ガスの浄化方法は、電子ビームを最大出力の条件で使用するのが妥当であり、そのためには、密閉空間内をホルムアルデヒド薫蒸により滅菌処理した後に、密閉空間内に清浄外気を取り入れながら密閉空間内からホルムアルデヒド含有ガスを吸引し、吸引したホルムアルデヒド含有ガス中のホルムアルデヒドの濃度に応じて、前記濃度が高いときには少量の前記ホルムアルデヒド含有ガスを流し、またホルムアルデヒドの濃度が低いときには大量の前記ホルムアルデヒド含有ガスを流して電子線を照射することにより前記ホルムアルデヒド含有ガスを浄化処理することを特徴とする。
上記の目的を達成するための本発明にかかるホルムアルデヒド含有ガスの浄化装置は、密閉空間内をホルムアルデヒド薫蒸により滅菌処理した後に、密閉空間内に清浄外気を取り入れながら密閉空間からホルムアルデヒド含有ガスを吸引する吸引手段と、前記吸引手段が吸引する前記ホルムアルデヒド含有ガスに電子線を照射する電子線照射手段と、前記ホルムアルデヒド含有ガス中のホルムアルデヒドの濃度を検知する濃度検知手段と、前記濃度検知手段が検知した前記ホルムアルデヒドの濃度に応じて、前記濃度が高いときには少量の前記ホルムアルデヒド含有ガスを吸引するように、また前記濃度が低いときには大量の前記ホルムアルデヒド含有ガスを吸引するように前記吸引手段を制御する制御手段と、を具備することを特徴とする。
本発明によれば、電子線照射手段(例えば電子線照射装置。以下では、電子線照射装置と称する。これは加速した電子を空気に照射することにより空気中の有機物を分解する装置。なお、本特許では、照射に必要な照射容器も含めて電子線照射装置と呼ぶ。)の出力を最大(一定)にして、ホルムアルデヒド含有ガス中のホルムアルデヒドの濃度に応じて、それに流すホルムアルデヒド含有ガスの量を制御することにより、従来の装置に比べて、短時間にホルムアルデヒドを分解処理することができる。特に、清浄外気の流入装置及び、排気装置が設置されている無菌室等では、既存のガス流量コントロール装置を用いて、電子線照射装置を既存の配管内に敷設させるだけで、目標としている処理の短時間化を行うことができる。
以下に、図面を参照して、本願に係る発明を実施するための最良の形態について説明する。
[第1実施形態] 図1は本発明の第1実施形態であるホルムアルデヒド含有ガスの浄化装置の概略図である。図1に示すように本発明の第1実施形態であるホルムアルデヒド含有ガスの浄化装置1は、ホルムアルデヒド含有ガスに電子線を照射して浄化処理する電子線照射装置20と、密閉空間である食品容器製造工場内の無菌の製造室(以下、単に無菌室とも称する。)100内のホルムアルデヒド含有ガスを吸引して電子線照射装置20に流すと同時に、無菌室100内にフィルター101を介して外気を取入れるためのブロワ(吸引手段)40と、無菌室100内のホルムアルデヒドの濃度を検知するための濃度計50と、濃度計50からのホルムアルデヒドの濃度情報に応じてブロワ40の回転数を制御して、電子線照射装置20に流すホルムアルデヒド含有ガスの流量を調節する制御部60と、を備えている。なお、フィルター101は、塵埃や菌を除去するためのものであって、例えばヘパフィルターである。
電子線照射装置20は、ホルムアルデヒド含有ガスに電子線を照射する照射容器21と、電子線を発生する電子線発生装置22とを備えている。電子線照射装置20としては、流量線量積が約2.80×104[kGy・m3/h]となるもの、例えば、岩崎電気株式会社製の加速電圧300kV、最大電流値40mAの電子線発生装置(型式EC300/45/40mA)などが使用出来る。なお、照射容器21は、照射容器の深さが、電子の最大飛程とほぼ等しいものを使用する。
次に、本実施形態の工程について説明する。無菌室100内のホルムアルデヒド薫蒸が終わると、本実施形態の装置によるホルムアルデヒドの分解処理が開始される。まず、無菌室100内に設置された濃度計50により、無菌室100内のホルムアルデヒドの濃度を検出し、その結果が制御部60に送られる。制御部60は、濃度計50のホルムアルデヒドの濃度情報に応じて、濃度が高いときには、電子線照射装置20に少量のホルムアルデヒド含有ガスを流すように、また、ホルムアルデヒドの濃度が薄いときには、電子線照射装置20に大量のホルムアルデヒド含有ガスを流すように、ブロワ40のモータの回転数を制御する。
ホルマリンガスはホルムアルデヒドとメタノールが混在するガスのことであり、ホルムアルデヒド薫蒸に一般的に用いられている。薫蒸後、無菌室内部のホルムアルデヒド含有ガスを一定流量で取り出して浄化処理する場合、初期の段階では、ホルムアルデヒドの濃度は濃いが、処理が進むにしたがってホルムアルデヒドの濃度が薄くなる。この場合では、処理の最初から最後まで、同じ量のホルムアルデヒド含有ガスを電子線照射装置に流すと、分解処理の進行に伴って、分解処理効率に差が生じる。すなわち、最初の濃度を処理できる電子線照射装置の運転条件で処理を行うと、濃度が薄くなるにしたがい、過剰の電子線を照射することとなる。これに対して、本実施形態は、電子線照射装置を一定出力で稼動させ、ホルムアルデヒドの濃度に応じて、流すホルムアルデヒド含有ガスの量を制御する、具体的には、低濃度になるほど多くすることにより、必要最低限の電子線照射量を与えることができ、かつ有害なホルムアルデヒドを確実に一酸化炭素と二酸化炭素に分解処理して外部に排出することができる。すなわち、電子線照射装置の能力を最大限に活用して、短時間でホルムアルデヒドを分解除去して、外部に放出することができる。なお、電子線照射装置の出力を一定としたことにより、調整が不要で、電子線照射装置自体の制御が容易となる。
次に、本実施形態の装置について、ホルムアルデヒド含有ガスの浄化に要する処理時間を与える。後述する方程式の係数を算出するために、次の実験を行った。高濃度(ホルムアルデヒド濃度:約1200ppmv)と、低濃度(ホルムアルデヒド濃度:約500ppmv)のホルムアルデヒド含有ガスを調製し、10 L/minで電子線照射容器に導き照射することにより、電子線照射により与えられる吸収線量とホルムアルデヒド濃度の関係を調べた。その結果を図2に示す。図2では、横軸に吸収線量(kGy)を、縦軸にホルムアルデヒド濃度(ppmv)を示す。これより、濃度1232ppmvのホルムアルデヒドを10ppmvまで分解するのに約80kGyの吸収線量が必要であることが分かった。
また、濃度約1200ppmvのホルムアルデヒドを500、160、45、10ppmvにするのに必要な吸収線量がそれぞれ、実験結果より、10、20、40、77kGyであり、また、約500ppmvのホルムアルデヒドを250、160、80、10ppmvにするのに、それぞれ5、10、20、35kGy必要である。
無菌室100内のホルムアルデヒド濃度をCE、この濃度をCO-Terまで減少させるのに必要な吸収線量をDO-Ter とし、必要な吸収線量DO-Terと照射後のホルムアルデヒド濃度CO-Terとの関係式を求めると、
O-Ter (DO-Ter)=(3.18×DO-Ter/CE+0.03)-2.04-10 ・・・(A)
という近似式が得られた。
無菌室100内でホルムアルデヒド薫蒸を行った後、清浄外気を無菌室内に導きながら、ブロワ40で無菌室内のホルムアルデヒド含有ガスを吸引し、そのホルムアルデヒド含有ガスに電子線を照射するとする。
無菌室100内のホルムアルデヒド濃度が1500ppmvの場合は、10ppmvまで分解するのに必要な吸収線量は、式(A)よりDO-Ter =90kGyであるが、処理を始め、無菌室100内のホルムアルデヒド濃度が低下すると、10ppmvまで分解するのに必要な吸収線量も低下する。式(A)から分かるように、無菌室内のホルムアルデヒド濃度と分解に必要な吸収線量は比例の関係にある。
次に、電子線照射により与えられる吸収線量とガスの流量の関係について述べる。電子線照射装置の出力を一定の条件下では、吸収線量と照射容器に流すガスの流量は反比例の関係にある。
したがって、電子線照射装置の出力を一定にして、無菌室100内のホルムアルデヒドを分解する場合、無菌室内のホルムアルデヒド濃度とガスの流量は、反比例の関係となる。
しかし、照射容器に流すことが出来るガスの流量は、ブロワ40の最大吸引能力以下なので、ブロワ40の最大吸引能力及び分解処理後の濃度によっては、部屋内のホルムアルデヒドの濃度が低下しても、吸引するガスの流量を一定(=最大吸引能力)にして、処理を行う場合がある。つまり、ホルムアルデヒド濃度と流量の反比例の関係を維持できなくなる。
ガスの吸引流量が大きくなり、ブロワの最大能力となる瞬間、言い換えると濃度と流量の反比例を維持できる場合と維持できなくなる場合の境界を境界条件と呼ぶ。境界条件はブロワの最大能力等によって変化するが、このことを示すため、境界条件の濃度(=CB)を求め、次に処理時間(=tB)を、下記に定義するパラメータを使った形で表記する。
浄化処理開始前の無菌室100内のホルムアルデヒド濃度をCE[ppmv]、これをCO-Terまで減少させるのに必要な吸収線量をDO-Terとする。浄化処理時間t[h]におけるホルムアルデヒド濃度をC(t)[ppmv]、無菌室容積をV[m3]、ブロワの最大吸引流量をB[m3/h]、ある時間でのブロワの処理流量をF(t) [m3/h]、無菌室100内のホルムアルデヒド濃度をCEから人体に無害な程度の濃度CI-Terに減少させるまで、電子線照射による浄化処理を行うものとする。(C(t)、F(t)は、それぞれC、Fが時間の関数であることを表す。)
照射容器は、深さが、電子の最大飛程とほぼ等しいものを使用し、最大出力の条件で電子線照射装置を稼動させた場合に、流量線量積はW[kGy・m3/h]となる。
なお、浄化処理時間t[h]において、人体に無害な程度の濃度CI-Terに減少させるのに必要な線量を、D(t)[kGy]とする。式(A)から分かるように、無菌室内のホルムアルデヒド濃度と分解に必要な吸収線量は比例の関係にあり、定義から初期濃度のときのD(t)はDO-Terであるので、D(t)=DO-Ter×C(t)/CEである。
無菌室100内のホルムアルデヒド(以下、HCHOとも表記する。)の濃度変化量は、
(無菌室内から出て行くHCHO量)/(無菌室容積)であり、室内の濃度変化:dC(t)/dtは、あるときの無菌室100内のホルムアルデヒドの濃度がC(t)[ppmv],そのときの流量がF(t)[m3/h],無菌室容積がV[m3]であるので、
dC(t)/dt=-C(t)×F(t)/V (1)
となる。
電子線照射装置の出力を一定にして、無菌室100内のホルムアルデヒドを分解する場合、無菌室100内のホルムアルデヒド濃度C(t)とガスの吸引流量F(t)は、反比例の関係となるので、C(t)×F(t)は一定である。
これは、t=0のときにも成り立ち、t=0のときの流量をFEとすると
C(t)×F(t)=CE×FE=CE×W / DO-Ter (2)
ここでFEは、t=0のときの「流量線量積/吸収線量」で求められる。これを(1)に代入すると、
dC(t)/dt=−(CE×W) /(DO-Ter×V)
(上式の右辺は定数)
この微分方程式を解くと
C(t)=-{(CE×W)/(DO-Ter×V)}×t+CE (∵t=0のときC(t)= CE) (3)
ここで、境界条件のときの無菌室100内のホルムアルデヒド濃度CBを求める。
F(t)=Bを(2)に代入すると、
B×B=CE×W/DO-Ter
B=(CE×W)/(D0-Ter ×B)
(3)にC(t)= CBを代入すると、
B=(D0-Ter×B−W)×V/(W×B)
上記のように境界条件が求まったので、次に、ホルムアルデヒド含有ガスの
吸引流量F(t)がF(t)=W/D(t)またはF(t)=Bで表わされる関係式を
上記のパラメータによってもう一度表記し、ブロワの最大吸引能力によっては、場合分けが必要であることを示す。
無菌室100内のホルムアルデヒド濃度がCI-Ter(処理終了時)となったときの、時刻をt=tI-Terとすると、0≦tI-Ter≦tB=(D0-Ter×B−W)×V/(W×B)となる場合は(濃度CI-TerがCE≧CI-Ter≧CB =(CE×W)/(D0-Ter ×B)の場合は)、境界条件に到達する前に処理を終了することが出来、分解開始から分解を終了する時間まで常に、処理流量F(t)は、F(t)=W/D(t)=(CE×W)/(D0-Ter ×C(t))の条件でガスを吸引することが出来る。
処理途中で、境界条件に到達し、密閉空間内から吸引するガスの流量がブロワの最大吸引能力となり、途中からホルムアルデヒド濃度と流量の反比例の関係を維持できなくなる場合、0≦tB=(D0-Ter×B−W)×V/(W×B)≦tI-Ter(濃度CI-TerがCE≧CB =(CE×W)/(D0-Ter ×B)≧CI-Ter)を満たす。
境界条件に到達するまでは、時刻tは、0≦t≦tB=(D0-Ter×B−W)×V/(W×B)(濃度C(t)がCE≧C(t)≧CB =(CE×W)/(D0-Ter ×B)の範囲にあり、このとき吸引流量F(t)は、F(t)=(CE×W)/(D0-Ter ×C(t))となる。
境界条件に到達した後、時刻tは、0<tB=(D0-Ter×B−W)×V/(W×B) ≦t≦tI-Ter(濃度C(t)がCB =(CE×W)/(D0-Ter ×B)≧C(t)≧CI-Ter)の範囲にあり、吸引流量は、F(t)=Bとなる。
ここで、CI-TerとCB =(CE×W)/(D0-Ter ×B)を比較すると、ブロワの最大吸引能力Bの値が小さいと、境界条件CBの方がより大きくなってしまい、処理途中に境界条件に到達し、境界条件前後で流量の制御方法を変える必要があるということがわかる。
[シミュレーションの方法] 今、無菌室100内のホルムアルデヒドの初期濃度1500ppmv,無菌室の容積1800m3,電子線照射装置20を加速電圧300kV,最大電流値40mAの条件で、無菌室内に清浄な外気を入れながら1パス処理(電子線を一回照射する処理)を行いホルムアルデヒド濃度を10ppmvにして排出する。前述の通り、式(A)の関係から、分解処理前のホルムアルデヒド濃度CEが1500ppmv、分解処理後のホルムアルデヒド濃度CO-Terが10ppmvの場合、必要な吸収線量は、90kGyである。1500ppmvの無菌室100内の濃度を10ppmv(=CI-Ter)(99%分解)にするために必要な処理時間の推定を異なる最大吸引能力のブロワを用いた場合について、シミュレーションを行った。
このガスに電子線が必ず照射されるようにガスを流通させたとき、電子線照射装置の流量線量積は2.80×10[kGy・m3/h]とする。前記密閉空間内の前記ホルムアルデヒド含有ガスを最大吸引能力B[m3/h]の吸引手段により吸引すると共に前記密閉空間内に清浄な外気を取り入れ、ある処理時間t[h]のときの前記密閉空間内のホルムアルデヒドの濃度をC(t)[ppmv]とする。
上記の仮定をしたときに、境界条件に到達する前に処理が終了し、ホルムアルデヒド濃度と流量の反比例の関係を維持できる場合(a)と処理途中で境界条件に到達し、途中で反比例の関係を維持できなくなる場合(b)の、それぞれの流量範囲は、
(a)の場合の流量
F(t)は、(2)式の関係を用いて求めることが出来、
F(t)=(CE×W)/(D0-Ter ×C(t))≦BのW、DO-Ter、CEにW=2.80×10、DO-Ter=90、CE=1500を代入し、
F(t)=4.69×105 /C(t)≦B
(b)の場合の流量
F(t)=B
(a)ガスの処理流量がブロワの最大吸引能力未満の場合(F(t)=4.69×105/C(t)<B)
無菌室100内のホルムアルデヒド濃度は、
C(t)=-{CE×W/(DO-Ter×V)}×t+CE
(3)式のCE、W、DO-Ter、VにCE=1500、W=2.80×10、DO-Ter=90、V=1800を代入し、
C(t)=-260×t+1500
I-TerがF(t)=4.69×105/CI-Ter<Bを満たす場合は、無菌室内のホルムアルデヒド濃度が人体に無害な程度の濃度CI-Terに低下するまでの処理時間tを算出することができる。
(b)ガスの処理流量がブロワの最大吸引能力の場合(F(t)=B)
処理流量の計算値がブロワの最大吸引能力となった場合は、F(t)=B=一定(ブロワ最大吸引能力)より、上述の式dC(t)/dt=-C(t)×F(t)/Vは、
dC(t)/dt=-C(t)×B/Vとなり
(1/C(t))・(dC(t)/dt)=−B/V
(1/C(t))・dC(t)=(−B/V)・dt ・・・(4)
となる。この式(4)の両辺を積分すると、
Figure 0005013036
次に、この定数C2の値を求める。
式(5)は、境界条件でも成り立つ。
B、tBの値を求めるために、CE=1500、W=2.80×10、DO-Ter=90、V=1800を代入すると、
B=(CE×W)/(D0-Ter×B)=4.69×105/B
tB=(D0-Ter×B−W)×V/(W×B)=((90×B-2.80×104)×1800)/(2.80×104 ×B)
これらを式(5)に代入して、C2を求め、さらにC(t)を求めると、
Figure 0005013036
となる。
この式(6)により、CI-TerがF(t)=4.69×105/CI-Ter<Bを満たさない場合、言い換えるとホルムアルデヒド濃度と流量の反比例の関係を途中で維持できなくなる場合の無菌室内のホルムアルデヒド濃度が人体に無害な程度の濃度CI-Terに低下するまでの処理時間tを算出することができる。
(c)まとめ
上記(a),(b)に示すように、ホルムアルデヒドの濃度と流量の反比例の関係処が維持できる場合と維持できない場合で、濃度算出式が異なる。その算出式が変わる時はF(t)=Bの時点(境界条件)である。ブロワの能力によって、濃度と処理時間の関係は、以下の(1),(2)に分けられる。
(1)濃度C(t)がCE≧C(t)≧4.69×105/B≧10が成立する場合、すなわちガスの処理流量がブロワの最大吸引能力未満の場合は、
F(t)=4.69×105/C(t)
であり
C(t)=-260×t+1500
となる。
(2) 濃度C(t)がC(t)<4.69×105/Bのとき、すなわちガスの処理流量がブロワの最大吸引能力の場合は、
F(t)=Bとなり
C(t)は
Figure 0005013036
[シミュレーション計算結果] 上記計算式(3)及び(6)を用いて各ブロワの最大能力毎に処理時間tを算出した結果を図3の表1に示す。表1よりブロアの最大吸引能力が3000m3/hで処理した場合、従来の燃焼触媒方式に比べて4〜8倍の速さでホルムアルデヒド含有ガスを浄化処理することができる。
また、各ブロワの最大吸引能力別にホルムアルデヒド濃度と処理時間の関係を図4に示す。図4では、横軸に処理時間t[h]を、縦軸にホルムアルデヒド濃度C(t) [ppmv]を示している。また図4では、ブロワの最大吸引能力Bが1000m3/hと、2000m3/hと、3000m3/hの3つの場合について示している。例えば、ブロワの最大吸引能力Bが1000m3/hの場合(太い実線)、470ppmv付近でそれまで直線だったグラフが曲線に変わる点(これを境界点と呼ぶ。)Pが存在する。この境界点PがF(t)=Bとなる点である。ブロワの最大吸引能力Bが1000m3/hの場合、ホルムアルデヒド濃度C(t)が470ppmvより大きければ、(a)の式(3)、一方、ホルムアルデヒド濃度C(t)が470ppmv以下であるときには、(b)の式(6)を用いて処理時間tを算出する。ブロワの最大吸引能力Bが2000m3/hの場合(太い点線)や、ブロワの最大吸引能力Bが3000m3/hの場合(細い実線)も同様に、境界点の時よりホルムアルデヒド濃度が大きければ(a)の式(3)、小さい場合は、(b)の式(6)をそれぞれ用いて処理時間tを算出する。なお、ブロワの最大吸引能力Bが変わると、境界点Pの位置が変わる。
以上から、本実施形態によれば、電子線照射装置を最大出力の固定条件で運転しながら、薫蒸直後のホルムアルデヒドの濃度が高いときには、電子線照射装置に流すガスの量を小さくし、処理が進み、ホルムアルデヒドの濃度が低くなったときには、電子線照射装置に流すガスの量を増やすことにより、濃度が変化するホルムアルデヒドを常に一定量、効率よく短時間で分解することができる。またホルムアルデヒドの分解処理途中で、その濃度変化に追従させて電子線照射装置の出力を変える必要はないので、電子線照射装置自体の制御が容易となる。
さらに、上記の本実施形態によれば、ホルムアルデヒド含有ガスを電子線照射装置に一度通過させるだけで、ホルムアルデヒドを分解除去することができるので、ホルムアルデヒド含有ガスを複数回通過(循環)させて浄化処理する従来の燃焼触媒装置に比べて短時間でホルムアルデヒド含有ガスを浄化処理することができる。
[第2実施形態] 図5は、本発明の第2実施形態であるホルムアルデヒド含有ガスの浄化装置の概略図である。図5に示すように本発明の第2実施形態であるホルムアルデヒド含有ガスの浄化装置1aは、高濃度のホルムアルデヒド含有ガスを浄化処理するための循環式の燃焼触媒装置10と、燃焼触媒装置10により濃度が低下されたホルムアルデヒド含有ガスに電子線を照射して浄化処理する電子線照射装置20と、主として電子線の照射により生成された中間生成物である蟻酸等を水で除去するための水処理装置30と、密閉空間である無菌室100内のホルムアルデヒド含有ガスを吸引して電子線照射装置20に流すと同時に、無菌室100内に清浄外気を取り入れるためのブロワ(吸引手段)40と、無菌室100内のホルムアルデヒドの濃度を検知するための濃度計50と、濃度計50からのホルムアルデヒドの濃度情報に応じてブロワ40の回転数を制御して、電子線照射装置20に流すホルムアルデヒド含有ガスの流量を制御する制御部60と、を全て備えている。
本実施形態が第1実施形態と異なるのは、本実施形態では、密閉空間である無菌室100内に燃焼触媒装置10を設け、その無菌室100の後段に電子線照射装置20,水処理装置30の順に設けた点である。その他の点は、第1実施形態のものと同様である。したがって、第2実施形態において、第1実施形態のものと同一の機能を有するものには、同一の符号或いは対応する符号を付することにより、その詳細な説明を省略する。
燃焼触媒装置10としては、既知のものを使用することができる。したがって、この燃焼触媒装置10の詳細な説明は省略する。無菌室内のホルムアルデヒドが高濃度のときには、ホルムアルデヒドの触媒への吸着効率が高いので、燃焼触媒装置10により効率よくホルムアルデヒドを分解することができる。水処理装置30は、主として電子線の照射により生成された中間生成物である蟻酸等を水で除去するものである。
図6は、ホルムアルデヒド含有ガスに電子線を照射したときの吸収線量に対するホルムアルデヒドや中間生成物の濃度を示す図である。図6は、パラホルムアルデヒド( 純度99.8% )を気化させて、500ppmvのホルムアルデヒドを含む空気を調製し、これを流速10L/min、吸収線量5〜100kGyで1MeVの電子線照射を行った結果を示すものである。電子線照射によりホルムアルデヒドを分解する工程は、図6から分かるように、吸収線量が10kGyまでは、ホルムアルデヒドの濃度減少に伴って、蟻酸及び一酸化炭素の濃度が急激に増加し、それ以上の吸収線量では、ホルムアルデヒド及び蟻酸の濃度の減少と、それに伴う一酸化炭素及び二酸化炭素の濃度の増加という二段階反応となっている。この中間生成物のうち、蟻酸は刺激性の強い物質であるので、外部に排出することはできない。一方、蟻酸は、水に容易に溶解するので、電子線照射後のガスを、例えばシャワー状に水を散水する水処理装置30に通すことにより、効率よく蟻酸を除去することができる。
また、ホルムアルデヒド薫蒸を行うときの薬剤として用いられているホルマリン水溶液には、ホルムアルデヒドの他に安定剤としてメタノールも加えられている。このメタノールは電子線照射により分解できるが、ホルムアルデヒドほど効率よく分解することはできない。また、メタノールは、水に容易に溶解する。このため、水処理装置30で、メタノールを除去することもできる。なお、メタノールを除去するためだけであれば、水処理装置は電子線照射装置の前段に配置することも可能である。
次に、本実施形態の工程について説明する。本実施形態の工程は、基本的には、第1実施形態のものと同じである。したがって、ここでは、本実施形態に特有の工程について説明する。ホルムアルデヒド薫蒸後の無菌室100内のホルムアルデヒド含有ガスは、まず、高濃度のホルムアルデヒドの分解処理を得意とする燃焼触媒装置10に送られ、ここで触媒によりホルムアルデヒドを分解処理し、高濃度のホルムアルデヒド含有ガスを低濃度のホルムアルデヒド含有ガスとする。その後、ホルムアルデヒド含有ガスは、低濃度のホルムアルデヒド含有ガスを浄化するのが得意な電子線照射装置20に送られ、電子線によりホルムアルデヒドが分解除去される。更に、電子線照射装置20で電子線により浄化処理されたガスは、水処理装置30に送られ、ここで、蟻酸等の水溶性の物質が除去されて、外部に放出される。
上記の本実施形態によれば、高濃度のホルムアルデヒドを燃焼触媒装置で効率よく分解処理し、濃度が低くなったホルムアルデヒドを電子線の照射により効率よく分解処理し、さらに蟻酸等の水溶性の物質を水処理装置で除去することにより、各装置の長所を生かして薫蒸後のホルムアルデヒド含有ガスの浄化処理を、従来の装置より短時間で行うことができる。しかも、無菌室内に燃焼触媒装置及び電子線照射装置の後段に水処理装置を併設することにより、電子線照射装置だけでホルムアルデヒドを分解処理する第1実施形態のものに比べて、電子線照射装置を小型化することができる。その他の作用・効果は、第1実施形態のものと同様である。
尚、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内において種々の変形が可能である。例えば、上記の実施形態では、水処理装置を電子線照射装置の後段に配置する場合について説明したが、本発明は、これに限定されるものではなく、水処理装置は、電子線照射装置の前段に配置してもよい。
また、上記の本実施形態では、電子線照射装置として、流量線量積が2.80×104[kGy・m3/h]のものを使用するとしたが、本発明は、これに限定されるものではない。
また、上記の本実施形態では、密閉空間が食品容器製造工場の無菌室である場合について説明したが、密閉空間は研究所の無菌室等であってもよい。
また、上記の本実施形態では、薫蒸後のホルムアルデヒド含有ガスを浄化処理する場合について説明したが、本発明は処理対象として空気を主成分とするホルムアルデヒドを含むガスであればよく、薫蒸後のホルムアルデヒド含有ガスの分解に限定されるものではない。
また、上記の本実施形態では、電子線照射装置を無菌室外に設置する場合について説明したが、電子線照射装置は無菌室内に配置するようにしてもよい。
以上説明したように、本発明のホルムアルデヒド含有ガスの浄化方法及び分解装置によれば、ホルムアルデヒドの濃度に応じて、電子線照射装置に流すガスの量を制御することにより、電子線照射装置を最大出力の固定条件で使用して、従来の装置に比べて、極めて短時間でホルムアルデヒドを分解処理することができる。したがって、本発明は、食品容器製造工場の無菌室等におけるホルムアルデヒド薫蒸後のホルムアルデヒドを分解する分解装置等に適用することができる。
図1は本発明の第1実施形態であるホルムアルデヒド含有ガスの浄化装置の概略図である。 図2は高濃度(ホルムアルデヒド濃度:約1200ppmv)及び、低濃度(ホルムアルデヒド濃度:約500ppmv)のホルムアルデヒドガスを用いて、電子線の照射による吸収線量と分解率の関係を調べた結果を示す図である。 図3は各ブロアの最大吸引能力毎に処理時間tを算出した結果を示す表である。 図4は各ブロアの最大吸引能力別に処理時間tとホルムアルデヒド濃度C(t)の関係を示す図である。 図5は本発明の第2実施形態であるホルムアルデヒド含有ガスの浄化装置の概略図である。 図6はホルムアルデヒド含有ガスに電子線を照射したときの吸収線量に対するホルムアルデヒドや中間生成物の濃度を示す図である。 図7はホルムアルデヒド含有ガスを浄化処理する従来の燃焼触媒装置を説明するための概略図である。
符号の説明
1,1a ホルムアルデヒド含有ガスの浄化装置
10 燃焼触媒装置
20 電子線照射装置
30 水処理装置
40 ブロワ
50 濃度計
60 制御部
100 無菌室

Claims (11)

  1. 密閉空間内をホルムアルデヒド薫蒸により滅菌処理した後に、前記密閉空間内に清浄外気を取り入れながら前記密閉空間内からホルムアルデヒド含有ガスを吸引し、吸引したホルムアルデヒド含有ガス中のホルムアルデヒドの濃度に応じて、前記濃度が高いときには少量の前記ホルムアルデヒド含有ガスを流し、またホルムアルデヒドの濃度が低いときには大量の前記ホルムアルデヒド含有ガスを流して電子線を照射することにより前記ホルムアルデヒド含有ガスを浄化処理することを特徴とするホルムアルデヒド含有ガスの浄化方法。
  2. 請求項1に記載の発明において、前記ホルムアルデヒド含有ガスに照射する電子線の照射量を一定とし、電子線を照射される前記ホルムアルデヒド含有ガスの流量m3/h]と吸収線量[kGy]の積を流量線量積W[kGy・m3/h]とし、
    前記密閉空間内の前記ホルムアルデヒド含有ガスを前記吸引手段により吸引しながら、前記密閉空間内に清浄な外気を取り入れ、ある処理時間t[h]のときの前記密閉空間内のホルムアルデヒドの濃度C(t)を人体に無害な程度まで低減するのに必要な吸収線量をD(t)[kGy]とすると、前記吸引手段により前記密閉空間から吸引する前記ホルムアルデヒド含有ガスの流量F(t) [m3/h]をF(t)=W/D(t)、
    ただし、D(t)は、浄化処理開始前の前記密閉空間内のホルムアルデヒドの濃度をCE、この濃度を人体に無害な程度まで低減するのに必要な吸収線量をDO-Ter[kGy]とすると、D(t)=DO-Ter×C(t)/CE
    とすることを特徴とするホルムアルデヒド含有ガスの浄化方法。
  3. 請求項2に記載の発明において、前記吸引手段の最大吸引能力が低いか、または前記必要な吸収線量D(t)[kGy]が低く、前記流量F(t)でガスを吸引することが出来ないときには、吸引流量が大きくなり前記吸引手段の最大吸引能力となる瞬間を境界条件とし、前記境界条件到達後は、前記吸引手段の最大吸引流量をB[m3/h]とすると、前記吸引手段により前記密閉空間から吸引する前記ホルムアルデヒド含有ガスの流量F(t)をF(t)=Bとすること特徴とするホルムアルデヒド含有ガスの浄化方法。
  4. 請求項1乃至3の何れかに記載の発明において、前記密閉空間内をホルムアルデヒド薫蒸により滅菌処理した後に、前記密閉空間内で燃焼触媒を用いた循環式の分解装置を稼動させると共に、前記密閉空間内に清浄外気を取り入れながら前記密閉空間内から吸引したホルムアルデヒド含有ガスに電子線を照射することを特徴とするホルムアルデヒド含有ガスの浄化方法。
  5. 請求項1乃至4の何れかに記載の発明において、前記電子線を照射する工程の後に、電子線照射後のガスに含まれる中間生成物を水で除去するための水処理工程を設けたことを特徴とするホルムアルデヒド含有ガスの浄化方法。
  6. 密閉空間内をホルムアルデヒド薫蒸により滅菌処理した後に、前記密閉空間内に清浄外気を取り入れながら前記密閉空間からホルムアルデヒド含有ガスを吸引する吸引手段と、前記吸引手段が吸引する前記ホルムアルデヒド含有ガスに電子線を照射する電子線照射手段と、前記ホルムアルデヒド含有ガス中のホルムアルデヒドの濃度を検知する濃度検知手段と、前記濃度検知手段が検知した前記ホルムアルデヒドの濃度に応じて、前記濃度が高いときには少量の前記ホルムアルデヒド含有ガスを吸引するように、また前記ホルムアルデヒドの濃度が低いときには大量の前記ホルムアルデヒド含有ガスを吸引するように前記吸引手段を制御する制御手段と、を具備することを特徴とするホルムアルデヒド含有ガスの浄化装置。
  7. 請求項6に記載の発明において、前記ホルムアルデヒド含有ガスに照射する電子線の照射量を一定とし、電子線を照射される前記ホルムアルデヒド含有ガスの流量m3/h]と吸収線量[kGy]の積を流量線量積W[kGy・m3/h]とし、
    前記密閉空間内の前記ホルムアルデヒド含有ガスを前記吸引手段により吸引しながら、前記密閉空間内に清浄な外気を取り入れ、ある処理時間t[h]のときの前記密閉空間内のホルムアルデヒドの濃度C(t)を人体に無害な程度まで低減するのに必要な吸収線量をD(t)[kGy]とすると、前記吸引手段により前記密閉空間から吸引する前記ホルムアルデヒド含有ガスの流量F(t) [m3/h]をF(t)=W/D(t)、
    ただし、D(t)は、浄化処理開始前の前記密閉空間内のホルムアルデヒドの濃度をCE、この濃度を人体に無害な程度まで低減するのに必要な吸収線量をDO-Ter[kGy]とすると、D(t)=DO-Ter×C(t)/CE
    とすることを特徴とするホルムアルデヒド含有ガスの浄化装置。
  8. 請求項7に記載の発明において、前記吸引手段の最大吸引能力が低いか、または前記必要な吸収線量D(t)[kGy]が低く、前記流量F(t)でガスを吸引することが出来ないときには、吸引流量が大きくなり前記吸引手段の最大吸引能力となる瞬間を境界条件とし、前記境界条件到達後は、前記吸引手段の最大吸引流量をB[m3/h]とすると、前記吸引手段により前記密閉空間から吸引する前記ホルムアルデヒド含有ガスの流量F(t)をF(t)=Bとすること特徴とするホルムアルデヒド含有ガスの浄化装置。
  9. 請求項6乃至8の何れかに記載の発明において、前記密閉空間内に燃焼触媒を用いた循環式の分解装置を配置し、前記密閉空間内をホルムアルデヒド薫蒸により滅菌処理した後に、前記燃焼触媒を用いた循環式の分解装置を稼動させると共に、前記密閉空間内に清浄外気を取り入れながら前記密閉空間内から吸引したホルムアルデヒド含有ガスに電子線を照射することを特徴とするホルムアルデヒド含有ガスの浄化装置。
  10. 請求項6乃至9の何れかに記載の発明において、前記ホルムアルデヒド含有ガス中にメタノールが共存する場合には、前記電子線照射手段の前段又は後段に、前記ホルムアルデヒド含有ガス中にホルムアルデヒドと共存するメタノールを水で除去するための水処理装置を設けたことを特徴とするホルムアルデヒド含有ガスの浄化装置。
  11. 請求項6乃至10の何れかに記載の発明において、前記電子線照射手段の後段に、電子線照射後のガスに含まれる中間生成物を水で除去するための水処理装置を設けたことを特徴とするホルムアルデヒド含有ガスの浄化装置。
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