本実施例では、遊技機の一例として弾球遊技機の一種であるパチンコ機、特に、第1種パチンコ遊技機を用いて説明する。なお、本発明を第3種パチンコ遊技機(権利物とも呼ばれる)や、コイン遊技機、スロットマシン等の他の遊技機に用いることは、当然に可能である。
図1は、第1実施例のパチンコ機の概略正面図であり、図2はパチンコ機の遊技盤の概略正面図であり、図3は本第1実施例のパチンコ機の電気的接続を例示するブロック図である。本第1実施例のパチンコ機Pは、図1に示すように、遊技盤1と、球を貯留する上受け皿2および下受け皿3と、球を遊技盤1へ発射するための発射ハンドル4と、パチンコ機P全体を制御するメイン制御装置70(図3参照)とを備えている。遊技盤1は、前面枠1aに嵌め込まれたガラス製の透明板1bに覆われている。
図2に示すように、遊技盤1は、この遊技盤1の中央の上部に配置された普通図柄表示装置32と、遊技盤1の左右部に各々配置されて球の通過を検知する普通図柄始動口スイッチ36a,36bを有する普通図柄表示装置作動ゲート34a,34bと、普通図柄表示装置32の下側に配置された特別図柄表示装置40と、この特別図柄表示装置40の下側に配置されて球の入賞を検知する特別図柄始動口スイッチ44を有する始動口42と、この始動口42に取り付けられて開閉可能なチューリップ式の普通電動役物46と、始動口42の下側に配置されて開閉可能な大入賞口50と、遊技盤1の左右下部に計4個配置された普通入賞口60a〜60dと、いずれの入賞口にも入らなかった球を回収する回収口としてのアウトロ69とを備えている。
普通図柄表示装置32は、背後に設けられたランプ(図示省略)の点灯を切り換えることにより変動表示される「○」および「×」の図柄32a,32bと、この「○」および「×」の図柄32a,32bの上側に配置された4個の普通図柄変動保留ランプ33a〜33dとを備えている。「○」および「×」の図柄32a,32bは、球が普通図柄表示装置作動ゲート34a,34bを通過したのを検知したときに変動表示の開始がなされ、所定時間変動表示後に「○」および「×」の図柄32a,32bのいずれかを点灯した状態で変動表示を終了する。普通図柄変動保留ランプ33a〜33dは、普通図柄表示装置32による「○」および「×」の図柄32a,32bの変動表示の最中に球が普通図柄表示装置作動ゲート34a,34bを通過するごとに左側から順に一つずつ点灯され、普通図柄表示装置32による「○」および「×」の図柄32a,32bの変動表示が開始されるごとに点灯とは逆の順に消灯されることにより、変動表示の最中に普通図柄表示装置作動ゲート34a,34bを通過した回数を最大4回まで保留球数として示す。
始動口42に設けられたチューリップ式の普通電動役物46は、普通図柄表示装置32による変動表示が「○」の図柄32aで停止したときに当りとしてそのチューリップを図2の二点鎖線で示すように所定時間(例えば0.3秒間)開くものとして構成されている。
特別図柄表示装置40は、液晶ディスプレイなどの表示装置として構成されており、図3に示す表示用制御装置90により表示内容が制御されている。特別図柄表示装置40は、図4に示すように、左列L、中列M、右列Rの3列で構成され、各列ごとに上から順に上図柄、中図柄、下図柄の3個の図柄を表示し、上から下へ垂直方向に変動表示を行う。表示用制御装置90は、球が始動口42に入賞するのを検知したときに左列L、中列M、右列Rのそれぞれに一連の図柄を変動表示させる。一連の図柄は、主図柄(例えば麻雀牌)と、副図柄(例えばサイコロ)とにより構成され、周期性を持って主図柄と副図柄が上から下へと変動表示される。この一連の図柄の表示順序は、中列Mおよび右列Rにおいては、麻雀牌の「一萬」からなる主図柄、サイコロからなる副図柄、麻雀牌の「二萬」からなる主図柄、サイコロからなる副図柄、麻雀牌の「三萬」からなる主図柄、サイコロからなる副図柄、麻雀牌の「四萬」からなる主図柄、サイコロからなる副図柄、麻雀牌の「五萬」からなる主図柄、サイコロからなる副図柄、麻雀牌の「六萬」からなる主図柄、サイコロからなる副図柄、麻雀牌の「七萬」からなる主図柄、サイコロからなる副図柄、麻雀牌の「八萬」からなる主図柄、サイコロからなる副図柄、麻雀牌の「九萬」からなる主図柄、サイコロからなる副図柄、麻雀牌に龍を付した主図柄、サイコロからなる副図柄、麻雀牌の「發」からなる主図柄、サイコロからなる副図柄、麻雀牌の「中」からなる主図柄、サイコロからなる副図柄の順つまり昇順であり、この後再び麻雀牌の「一萬」からなる主図柄に戻る。一方、左列Lにおいては、同様の一連の図柄が表示されるが、表示順序は昇順ではなく降順である。そして、左列L、右列R、中列Mの順に変動表示を停止させ、横上行L1、横中央行L2、横下行L3、斜め右上列L4、斜め左上列L5のいずれかのラインで主図柄が揃ったときに大当たりとして特別遊技動画を表示させる。
遊技盤1には、普通図柄表示装置32と特別図柄表示装置40との間に4個の特別図柄変動保留ランプ41a〜41dが設けられている。この特別図柄変動保留ランプ41a〜41dは、特別図柄表示装置40による左列L、中列M、右列Rの変動表示の最中や特別遊技動画を表示している最中に球が始動口42に入賞するごとに左側から順に一つずつ点灯され、特別図柄表示装置40による左列L、中列M、右列Rの変動表示が開始されるごとに点灯とは逆の順に消灯されることにより、変動表示の最中や特別遊技動画を表示している最中に始動口42に入賞した球数を最大4個まで保留球数として示す。
大入賞口50は、通常は球を受け入れない閉状態とされており、大当りのときに、図3に示す大入賞口駆動装置52によって球を受け入れやすい開状態と通常の閉状態とが所定の条件に基づいて繰り返されるように駆動される。大入賞口50には、球の入賞をカウントする10カウントスイッチ54(図3参照)や、大入賞口50の右部に設けられたVゾーン56に球が入賞したのを検出するVカウントスイッチ58(図3参照)が取り付けられている。
遊技盤1には、この他、発射された球を円弧上に導くレール62と、遊技盤1の中央部に導く左右の肩部に配置されたランプ風車64a,64bと、普通図柄表示装置作動ゲート34a,34bの近傍に配置された風車66a,66bと、特別図柄表示装置40の両横等に取り付けられた複数個のインジケータ68a,68bなども取り付けられている。なお、図1,図2では、球をガイドしたり弾いたりしてその遊技性を高める複数個の釘についての図示を省略している。
図3に示すように、メイン制御装置70は、ワンチップマイコン71と、このワンチップマイコン71に電源供給する電源回路73とを備えている。このワンチップマイコン71は、演算処理を行うCPU72と、各種の処理プログラムを記憶するROM74と、データを一時的に記憶するRAM76と、所定周波数の矩形波を出力するクロック回路78とが、1チップ内に収められたものである。CPU72とROM74とRAM76とクロック回路78とは、バス82によって入出力処理回路80と接続されている。メイン制御装置70には、普通図柄始動口スイッチ36a,36bからの通過信号と、特別図柄始動口スイッチ44からの始動信号と、10カウントスイッチ54からのカウント信号と、Vカウントスイッチ58からのV信号と、普通入賞スイッチや賞球カウントスイッチなどの他の入力装置88からの入力信号となどが入出力処理回路80を介して入力されている。また、メイン制御装置70からは、普通図柄表示装置32への駆動信号と、大入賞口駆動装置52への駆動信号と、普通図柄変動保留ランプ33a〜33dや特別図柄変動保留ランプ41a〜41dへの点灯信号と、普通電動役物46への駆動信号と、スピーカ86が接続された音声用制御装置84への制御信号と、特別図柄表示装置40の表示制御を司る表示用制御装置90への制御信号などが入出力処理回路80を介して出力されている。
ここで、本発明の特徴部分の1つである構成について、図5,図6も用いて以下に説明する。図5は第1実施例の効果音合成出力装置100の構成を示すブロック図であり、図6は正弦波による第1の旋律と矩形波による第2の旋律とを説明するための図である。図3に示すように、本第1実施例のパチンコ機Pは、メイン制御装置70からの指示に基づいて、遊技演出に関する効果音をスピーカ86から再生出力するための音声用制御装置84を備えている。遊技演出に関する効果音としては、音声、音楽またはそれらを組み合わせたものなど、種々の音が挙げられる。
図5に示すように、音声用制御装置84は、正弦波による第1の旋律ML1と、この第1の旋律ML1と同じ旋律であり矩形波による第2の旋律ML2とを、同期させて合成して効果音Kを生成出力する効果音合成出力装置100を備えている。
この効果音合成出力装置100は、正弦波を用いて第1の旋律ML1を生成するADPCM(Adaptive Differential Pulse Code Modulation )音源102と、矩形波を用いて第1の旋律ML1と同じ旋律である第2の旋律ML2を生成するSSG(シンセサイズド・サウンド・ジェネレータ)音源110と、ADPCM音源102からの第1の旋律ML1とSSG音源110からの第2の旋律ML2とを同期させて合成して効果音Kを生成して出力する合成出力部120とを備えている。
なお、図6に示すように、正弦波による第1の旋律ML1は、例えば、「ドレミファソ」という旋律(メロディ)であるとし、各音は4分音符であるとする。また、矩形波による第2の旋律ML2は、例えば、第1の旋律ML1と同一の「ドレミファソ」という旋律(メロディ)であるとする。
ADPCM音源102は、正弦波による第1の旋律ML1を予め記憶する記憶部としてのメモリ104からこの第1の旋律ML1を再生する、つまり、正弦波による第1の旋律ML1を再生音形式で予め録音しておき発音指令を受けるとこれを読み出して再生出力するという録音タイプの音源である。また、SSG音源110は、矩形波を用いて第2の旋律ML2を生成する、つまり、矩形波による第2の旋律ML2を再生音形式で予め録音しておき発音指令を受けるとこれを読み出して再生出力するという録音タイプの音源ではなく、発音指令を受けると第2の旋律ML2を矩形波を用いて発音するタイプのものである。したがって、第2の旋律ML2を予め再生音形式で録音記録するための録音容量はゼロである。
なお、このADPCM音源102は、管楽器や弦楽器などサンプリングした種々の音を高品位に再生することができる音源である。このSSG音源110は、いわゆる電子音(ピコピコ音)を生成することができる音源である。
図5に戻って、合成出力部120は、ADPCM音源102からの第1の旋律ML1とSSG音源110からの第2の旋律ML2との音量合成比率を変更する合成比率変更部130を備えている。合成比率変更部130は、ADPCM音源102からの第1の旋律ML1の音量を調節する音量調整部132と、SSG音源110からの第2の旋律ML2の音量を調節する音量調整部134とを備えている。
さらに、合成出力部120は、音量調整部132で音量を調節されたADPCM音源102からの第1の旋律ML1と、音量調整部134で音量を調節されたSSG音源110からの第2の旋律ML2とを合成するミキサー140を備えている。図6に示すように、ADPCM音源102からの第1の旋律ML1である上述の「ドレミファソ」と、SSG音源110からの第2の旋律ML2である上述の「ドレミファソ」とが同期してミキサー140に入力され、それらがこのミキサー140で合成され、ADPCM音源102による音とSSG音源110による音とが合成された「ドレミファソ」がミキサー140から出力されてスピーカ86から再生出力される。
合成比率変更部130は、例えば、ADPCM音源102からの第1の旋律ML1の音量を100%とした場合に、SSG音源110からの第2の旋律ML2の音量をn%(但し、0<n≦100%)として音量合成比率を変更することができる。具体的には、ADPCM音源102側の音量調整部132により、ADPCM音源102からの第1の旋律ML1の音量を所定の音量に設定される。つまり、この状態がADPCM音源102からの第1の旋律ML1の音量が100%とされた状態でもある。そして、SSG音源110側の音量調整部134により、SSG音源110からの第2の旋律ML2の音量をn%(但し、0<n≦100%)とする。
例えば、ADPCM音源102からの第1の旋律ML1の音量を100%とし、SSG音源110からの第2の旋律ML2の音量を100%近くとした場合には、ADPCM音源102からの第1の旋律ML1の印象(綺麗な音としての印象)が大幅に小さくなってしまい、SSG音源110からの第2の旋律ML2の印象(ハッキリとした音としての印象)が第1の旋律ML1の印象の倍ほどついた音になる。また、ADPCM音源102からの第1の旋律ML1の音量を100%とし、SSG音源110からの第2の旋律ML2の音量を0%近くとした場合には、SSG音源110からの第2の旋律ML2の印象(ハッキリとした音としての印象)が殆ど失われてしまい、ADPCM音源102からの第1の旋律ML1の印象(綺麗な音としての印象)が大幅に大きくなった音になる。
このことから好適には、ADPCM音源102からの第1の旋律ML1の音量を100%とし、SSG音源110からの第2の旋律ML2の音量をn%(但し、0<n≦60%)とするのが好ましい。SSG音源110からの第2の旋律ML2の音量を上げていくほど、ADPCM音源102からの第1の旋律ML1の印象(綺麗な音としての印象)が薄れていくとともに、SSG音源110からの第2の旋律ML2の印象(ハッキリとした音としての印象)が目立っていくことになる。
また、合成比率変更部130は、遊技演出の種類に応じて音量合成比率を変更する。この第1実施例では、例えば、遊技演出として、ノーマルリーチとスーパーリーチとの2種類を例に挙げて説明するものとする。なお、このノーマルリーチとスーパーリーチとは、ともに同一の旋律を用い、後述するように音量合成比率のみが異なる効果音Kを採用しているとする。
まず、ノーマルリーチの場合には、例えば、ADPCM音源102からの第1の旋律ML1の音量を100%とし、SSG音源110からの第2の旋律ML2の音量をn=20%)とすると、ADPCM音源102からの第1の旋律ML1の印象(綺麗な音としての印象)がやや強く、なおかつ、SSG音源110からの第2の旋律ML2の印象(ハッキリとした音としての印象)がやや弱いという効果音Kが得られる。
スーパーリーチの場合には、例えば、ADPCM音源102からの第1の旋律ML1の音量を100%とし、SSG音源110からの第2の旋律ML2の音量をn=40%)とすると、ADPCM音源102からの第1の旋律ML1の印象(綺麗な音としての印象)がやや弱く、なおかつ、SSG音源110からの第2の旋律ML2の印象(ハッキリとした音としての印象)がやや強いという効果音Kが得られる。
したがって、遊技演出の種類に応じて音量合成比率を変更した効果音Kを生成することができる。つまり、同一の旋律でありながら印象のことなる種々の効果音Kを、遊技演出の種類に応じて生成することができる。これらの効果音Kには矩形波が合成されているので、遊技者は、印象の異なるこれらの効果音Kをホールの雑音環境下においても良好に聴き取ることができ、さらに印象の異なるこれらの効果音Kによって遊技演出の種類が異なる、つまり、ノーマルリーチあるいはスーパーリーチのいずれであるのかを聴覚からも知ることができ、より一層遊技に面白味を感じる。
なお、上述した効果音合成出力装置100が本発明における効果音合成出力手段に相当し、上述したADPCM音源102が本発明における第1音源部に相当し、上述したSSG音源110が本発明における第2音源部に相当し、上述した合成比率変更部130が本発明における合成比率変更手段に相当する。
ここで、本発明の1つの特徴部分である効果音合成出力装置100によって、パチンコ機Pの状態(例えば、上述のノーマルリーチおよびスーパーリーチ)に応じた効果音Kを生成する処理について、図7を用いて説明する。図7は本第1実施例のパチンコ機Pの状態に応じた効果音Kを効果音合成出力装置100で生成する処理を示すフローチャートである。なおここでは、パチンコ機Pの状態として、図6を用いて上述したノーマルリーチおよびスーパーリーチの2つの状態を例に挙げて説明するものとする。このノーマルリーチとスーパーリーチでの効果音Kは、上述したように、両者とも「ドレミファソ」という旋律の効果音であって、音量合成比率のみが異なるものとする。
(ステップS1)メイン制御装置70からの制御情報を受信
音声用制御装置84は、メイン制御装置70からの、パチンコ機Pの状態に応じた制御情報(コマンド)、例えば、メイン制御装置70からノーマルリーチの制御情報を受信する。
(ステップS2)制御情報により効果音合成出力装置100を制御
音声用制御装置84は、このノーマルリーチの制御情報に基づいて効果音合成出力装置100を制御し、スピーカ86から、ノーマルリーチの制御情報に応じた効果音Kを出力させる。
具体的には、効果音合成出力装置100は、音声用制御装置84からのノーマルリーチの制御情報に基づいて、ADPCM音源102、SSG音源110および合成比率変更部130を制御する。このノーマルリーチの制御情報には、ノーマルリーチ時についての、ADPCM音源102およびSSG音源110のシーケンスデータと、合成比率変更部130の音量合成比率のデータなどが含まれる。このノーマルリーチのシーケンスデータは、ノーマルリーチ時についての、ADPCM音源102の再生するチャンネル番号(ch番号)および再生時間と、SSG音源110の再生するチャンネル番号(ch番号)および再生時間とを有している。効果音合成出力装置100は、ノーマルリーチのシーケンスデータに基づいて、ADPCM音源102の再生するチャンネル番号(ch番号)および再生時間と、SSG音源110の再生するチャンネル番号(ch番号)および再生時間とを制御するとともに、ノーマルリーチ時についての音量合成比率(正弦波100%:矩形波20%)のデータに基づいて合成比率変更部130の各音量調整部132,134の音量を制御し、ノーマルリーチ時の効果音Kをスピーカ86から再生出力する。
したがって、ノーマルリーチ時には、ADPCM音源102からの第1の旋律ML1の音量を100%とし、SSG音源110からの第2の旋律ML2の音量をn=20%として合成された効果音K、すなわち、ADPCM音源102からの第1の旋律ML1の印象(綺麗な音としての印象)がやや強く、なおかつ、SSG音源110からの第2の旋律ML2の印象(ハッキリとした音としての印象)がやや弱いという効果音がスピーカ86から再生出力される。
なお、スピーカ86から再生出力されるノーマルリーチ時の効果音Kは、特別図柄表示装置40に表示されるノーマルリーチ用の画像情報に合うように再生出力され、ノーマルリーチについての演出効果が高められる。
(ステップS3)メイン制御装置70からの制御情報を受信
音声用制御装置84は、メイン制御装置70から、パチンコ機Pの状態に応じた制御情報(コマンド)として、スーパーリーチの制御情報を受信する。
(ステップS4)制御情報により効果音合成出力装置100を制御
音声用制御装置84は、このスーパーリーチの制御情報に基づいて効果音合成出力装置100を制御し、スピーカ86から、スーパーリーチの制御情報に応じた効果音Kを出力させる。
具体的には、効果音合成出力装置100は、音声用制御装置84からのスーパーリーチの制御情報に基づいて、ADPCM音源102、SSG音源110および合成比率変更部130を制御する。このスーパーリーチの制御情報には、スーパーリーチ時についての、ADPCM音源102およびSSG音源110のシーケンスデータと、合成比率変更部130の音量合成比率のデータなどが含まれる。このスーパーリーチのシーケンスデータは、スーパーリーチ時についての、ADPCM音源102の再生するチャンネル番号(ch番号)および再生時間と、SSG音源110の再生するチャンネル番号(ch番号)および再生時間とを有している。効果音合成出力装置100は、スーパーリーチのシーケンスデータに基づいて、ADPCM音源102の再生するチャンネル番号(ch番号)および再生時間と、SSG音源110の再生するチャンネル番号(ch番号)および再生時間とを制御するとともに、スーパーリーチ時についての音量合成比率(正弦波100%:矩形波40%)のデータに基づいて合成比率変更部130の各音量調整部132,134の音量を制御し、スーパーリーチ時の効果音Kをスピーカ86から再生出力する。
したがって、スーパーリーチ時には、ADPCM音源102からの第1の旋律ML1の音量を100%とし、SSG音源110からの第2の旋律ML2の音量をn=40%)として合成された効果音K、すなわち、ADPCM音源102からの第1の旋律ML1の印象(綺麗な音としての印象)がやや弱く、なおかつ、SSG音源110からの第2の旋律ML2の印象(ハッキリとした音としての印象)がやや強いという効果音がスピーカ86から再生出力される。
なお、スピーカ86から再生出力されるスーパーリーチ時の効果音Kは、特別図柄表示装置40に表示されるスーパーリーチ用の画像情報に合うように再生出力され、スーパーリーチについての演出効果が高められる。
上述したように本第1実施例のパチンコ機Pによれば、効果音合成出力装置100は、正弦波による第1の旋律ML1と、矩形波による、第1の旋律ML1と同一の第2の旋律ML2とを、同期させて合成して効果音Kを生成出力するので、正弦波による第1の旋律ML1と矩形波による第2の旋律ML2とを合成した効果音Kを生成出力することができる。かかる効果音Kは、正弦波のみによる音(綺麗な音としての印象のみを受ける音)でもなく、矩形波のみによる音(雑音にかき消されない音いわゆる電子音)でもなく、中間的ではっきりした音になる、つまり、綺麗な音としての印象を残しつつ、はっきりとした音としての印象が残る音となる。したがって、遊技者は、遊技機を設置する遊技場いわゆるホールの雑音環境の中でも、効果音Kを綺麗ではっきりと聴き取ることができ、かかる効果音Kによって遊技演出をさらに面白味を持たせることができ、より興趣性を向上させることができる。その結果、遊技者の興味を引く興趣性に優れたパチンコ機Pを提供できる。
また、ADPCM音源102は、正弦波による第1の旋律ML1を再生音形式で予め録音しておき発音指令を受けるとこれを読み出して再生出力するという録音タイプの音源である。SSG音源110は、矩形波を用いて第2の旋律ML2を生成する、つまり、矩形波による第2の旋律ML2を再生音形式で予め録音しておき発音指令を受けるとこれを読み出して再生出力するという録音タイプの音源ではなく、発音指令を受けると第2の旋律ML2を矩形波を用いて発音するタイプのものである。したがって、第2の旋律ML2を予め再生音形式で録音記録するという録音容量をゼロとすることができる。
また、合成出力部120は、ADPCM音源102からの第1の旋律ML1とSSG音源110からの第2の旋律ML2との音量合成比率を変更する合成比率変更部130を備えているので、正弦波による第1の旋律ML1と矩形波による第2の旋律ML2との音量合成比率を変更することができ、上述の中間的ではっきりした効果音Kを得ることができるのみならず、同一の旋律でありながら印象のことなる種々の効果音Kを生成することができる。つまり、正弦波による音に対して矩形波による音の音量合成比率を小さくして合成された効果音K(綺麗な音としての印象を大きく残しつつ、はっきりとした音としての印象を小さくした音)から、正弦波による音に対して矩形波による音の音量合成比率を大きくして合成された効果音K(綺麗な音としての印象が小さくなり、はっきりとした音としての印象が大きくなった音)まで、種々の効果音Kを生成できる。その結果、同一の旋律でありながら印象のことなる種々の効果音Kを遊技状態に応じて使い分けることができ、効果音Kによる演出効果を向上させることができ、興趣性の高いパチンコ機Pを得ることができる。
また、合成比率変更部130は、ADPCM音源102からの第1の旋律ML1の音量を100%とした場合に、SSG音源110からの第2の旋律ML2の音量をn%(0<n≦100%)として音量合成比率を変更するので、正弦波による音に対して矩形波による音の音量合成比率を小さくして合成された効果音K(綺麗な音としての印象を大きく残しつつ、はっきりとした音としての印象を小さくした音)から、正弦波による音に対して矩形波による音の音量合成比率を大きくして合成された効果音K(綺麗な音としての印象が小さくなり、はっきりとした音としての印象が大きくなった音)まで、種々の効果音Kを生成できる。
また、合成比率変更部130は遊技演出の種類(例えば、ノーマルリーチやスーパーリーチなど)に応じて音量合成比率を変更するので、遊技演出の種類に応じて音量合成比率を変更した効果音Kを生成することができる。つまり、同一の旋律でありながら印象のことなる種々の効果音Kを、遊技演出の種類に応じて生成することができる。したがって、より演出効果を高めた効果音Kを生成することができ、興趣性の高いパチンコ機Pを得ることができる。
次に、本発明の第2実施例のパチンコ機Pについて図8を用いて説明する。図8は第2実施例の効果音合成出力装置200の構成を示すブロック図である。第2実施例のパチンコ機Pは、前述した第1実施例の効果音合成出力装置100とは種類の異なる効果音合成出力装置200、いわゆる完全録音タイプのものを採用している点が大きく異なる。
この第2実施例のパチンコ機の効果音合成出力装置200は、図8に示すように、正弦波による第1の旋律ML1を予め記憶する第1記憶部としての第1メモリ210からこの第1の旋律ML1を再生する第1音源部としての第1再生部220、および、矩形波による、前記第1の旋律ML1と同一の旋律である第2の旋律ML2を予め記憶する第2記憶部としての第2メモリ230からこの第2の旋律ML2を再生する第2音源部としての第2再生部240を備えるADPCM音源250と、第1再生部220からの第1の旋律ML1と第2再生部240からの第2の旋律ML2とを同期させて合成して効果音Kを生成して出力する合成出力部120とを備えている。
第1再生部220は、正弦波による第1の旋律ML1が予め記憶された第1メモリ210からこの第1の旋律ML1を読み出して再生出力する、つまり、正弦波による第1の旋律ML1を再生音形式で予め録音しておき発音指令を受けるとこれを読み出して再生出力するという録音タイプの音源である。
第2再生部240は、矩形波による第2の旋律ML2が予め記憶された第2メモリ230からこの第2の旋律ML2を読み出して再生出力する、つまり、矩形波による第2の旋律ML2を再生音形式で予め録音しておき発音指令を受けるとこれを読み出して再生出力するという録音タイプの音源である。
この第2実施例の効果音合成出力装置(いわゆる完全録音タイプのもの)200では、正弦波による第1の旋律ML1を予め再生音形式で録音記録するための録音容量と、矩形波による第2の旋律ML2を予め再生音形式で録音記録するための録音容量とが必要になる。
ここで、本第2実施例の効果音合成出力装置200によって、パチンコ機Pの状態(例えば、上述のノーマルリーチおよびスーパーリーチ)に応じた効果音Kを生成する処理について、図9を用いて説明する。図9は本第2実施例のパチンコ機Pの状態に応じた効果音Kを効果音合成出力装置200で生成する処理を示すフローチャートである。なおここでも上述の第1実施例と同様に、パチンコ機Pの状態として、図6を用いて上述したノーマルリーチおよびスーパーリーチの2つの状態を例に挙げて説明するものとする。このノーマルリーチとスーパーリーチでの効果音Kは、上述したように、両者とも「ドレミファソ」という旋律の効果音であって、音量合成比率のみが異なるものとする。
(ステップS11)メイン制御装置70からの制御情報を受信
音声用制御装置84は、メイン制御装置70からの、パチンコ機Pの状態に応じた制御情報(コマンド)、例えば、メイン制御装置70からノーマルリーチの制御情報を受信する。
(ステップS12)制御情報により効果音合成出力装置200を制御
音声用制御装置84は、このノーマルリーチの制御情報に基づいて効果音合成出力装置200を制御し、スピーカ86から、ノーマルリーチの制御情報に応じた効果音Kを出力させる。
具体的には、効果音合成出力装置200は、音声用制御装置84からのノーマルリーチの制御情報に基づいて、ADPCM音源250および合成比率変更部130を制御する。このノーマルリーチの制御情報には、ノーマルリーチ時についての、ADPCM音源250の2つ(2チャンネル分)のシーケンスデータおよび合成比率変更部130の音量合成比率のデータなどが含まれる。このノーマルリーチのシーケンスデータは、ノーマルリーチ時についての、ADPCM音源250の再生する2つのチャンネル番号(第1再生部220に相当する正弦波用のch番号と、第2再生部240に相当する矩形波用のch番号)とそれらの再生時間とを有している。効果音合成出力装置200は、ノーマルリーチのシーケンスデータに基づいて、ADPCM音源250の再生する2つのチャンネル番号(第1再生部220に相当する正弦波用のch番号と、第2再生部240に相当する矩形波用のch番号)とそれらの再生時間とを制御するとともに、ノーマルリーチ時についての音量合成比率(正弦波100%:矩形波20%)のデータに基づいて合成比率変更部130の各音量調整部132,134の音量を制御し、ノーマルリーチ時の効果音Kをスピーカ86から再生出力する。
したがって、ノーマルリーチ時には、ADPCM音源250の第1再生部220からの正弦波による第1の旋律ML1の音量を100%とし、ADPCM音源250の第2再生部240からの矩形波による第2の旋律ML2の音量をn=20%として合成された効果音K、すなわち、ADPCM音源250の第1再生部220からの正弦波による第1の旋律ML1の印象(綺麗な音としての印象)がやや強く、なおかつ、ADPCM音源250の第2再生部240からの矩形波による第2の旋律ML2の印象(ハッキリとした音としての印象)がやや弱いという効果音がスピーカ86から再生出力される。
なお、スピーカ86から再生出力されるノーマルリーチ時の効果音Kは、特別図柄表示装置40に表示されるノーマルリーチ用の画像情報に合うように再生出力され、ノーマルリーチについての演出効果が高められる。
(ステップS13)メイン制御装置70からの制御情報を受信
音声用制御装置84は、メイン制御装置70から、パチンコ機Pの状態に応じた制御情報(コマンド)として、スーパーリーチの制御情報を受信する。
(ステップS14)制御情報により効果音合成出力装置200を制御
音声用制御装置84は、このスーパーリーチの制御情報に基づいて効果音合成出力装置200を制御し、スピーカ86から、スーパーリーチの制御情報に応じた効果音Kを出力させる。
具体的には、効果音合成出力装置200は、音声用制御装置84からのスーパーリーチの制御情報に基づいて、ADPCM音源250および合成比率変更部130を制御する。このスーパーリーチの制御情報には、スーパーリーチ時についての、ADPCM音源250の2つ(2チャンネル分)のシーケンスデータおよび合成比率変更部130の音量合成比率のデータなどが含まれる。このスーパーリーチのシーケンスデータは、スーパーリーチ時についての、ADPCM音源250の再生する2つのチャンネル番号(第1再生部220に相当する正弦波用のch番号と、第2再生部240に相当する矩形波用のch番号)とそれらの再生時間とを有している。効果音合成出力装置200は、スーパーリーチのシーケンスデータに基づいて、ADPCM音源250の再生する2つのチャンネル番号(第1再生部220に相当する正弦波用のch番号と、第2再生部240に相当する矩形波用のch番号)とそれらの再生時間とを制御するとともに、スーパーリーチ時についての音量合成比率(正弦波100%:矩形波40%)のデータに基づいて合成比率変更部130の各音量調整部132,134の音量を制御し、スーパーリーチ時の効果音Kをスピーカ86から再生出力する。
したがって、スーパーリーチ時には、ADPCM音源250の第1再生部220からの正弦波による第1の旋律ML1の音量を100%とし、ADPCM音源250の第2再生部240からの矩形波による第2の旋律ML2の音量をn=40%)として合成された効果音K、すなわち、ADPCM音源250の第1再生部220からの正弦波による第1の旋律ML1の印象(綺麗な音としての印象)がやや弱く、なおかつ、ADPCM音源250の第2再生部240からの矩形波による第2の旋律ML2の印象(ハッキリとした音としての印象)がやや強いという効果音がスピーカ86から再生出力される。
なお、スピーカ86から再生出力されるスーパーリーチ時の効果音Kは、特別図柄表示装置40に表示されるスーパーリーチ用の画像情報に合うように再生出力され、スーパーリーチについての演出効果が高められる。
上述したように本第2実施例のパチンコ機Pによれば、効果音合成出力装置200は、正弦波による第1の旋律ML1を予め記憶する第1メモリ210からこの第1の旋律ML1を再生する第1再生部220と、矩形波による、前記第1の旋律ML1と同一の旋律である第2の旋律ML2を予め記憶する第2メモリ230からこの第2の旋律ML2を再生する第2再生部240と、第1再生部220からの第1の旋律ML1と第2再生部240からの第2の旋律ML2とを同期させて合成して効果音Kを生成して出力する合成出力部120とを備えている。第1再生部220は、正弦波による第1の旋律ML1が予め記憶された第1メモリ210からこの第1の旋律ML1を読み出して再生出力する、つまり、正弦波による第1の旋律ML1を再生音形式で予め録音しておき発音指令を受けるとこれを読み出して再生出力するという録音タイプの音源である。第2再生部240は、矩形波による第2の旋律ML2が予め記憶された第2メモリ230からこの第2の旋律ML2を読み出して再生出力する、つまり、矩形波による第2の旋律ML2を再生音形式で予め録音しておき発音指令を受けるとこれを読み出して再生出力するという録音タイプの音源である。このように、第1,第2音源部として録音形式の音源を採用した場合(完全録音タイプの音源)であっても、上述の中間的ではっきりした効果音Kを得ることができる。遊技者は、いわゆるホールの雑音環境の中でも、効果音Kを綺麗ではっきりと聴き取ることができ、かかる効果音Kによって遊技演出をさらに面白味を持たせることができ、より興趣性を向上させることができる。その結果、遊技者の興味を引く興趣性に優れたパチンコ機Pを提供できる。
本発明は、上記実施形態に限られることはなく、下記のように変形実施することができる。
<1>上述の各実施例では、第1音源部としてADPCM音源を採用しているが、PCM音源、AMM音源、DAC音源、MP3音源などその他の種類の音源あるいは方式などを採用してもよい。
<2>上述の各実施例では、メイン制御装置70は、音声用制御装置84および表示用制御装置90にそれぞれの制御信号を出力するようにしているが、メイン制御装置70から表示用制御装置90に制御信号を出力し、音声用制御装置84にかかる制御信号をこの表示用制御装置90から音声用制御装置84に出力するようにしてもよい。
<3>上述の各実施例では、正弦波による第1の旋律ML1の音量を100%とした場合に、矩形波による第2の旋律ML2の音量をn%(0<n≦100%)として音量合成比率を変更するようにしているが、矩形波による第2の旋律ML2の音量を100%とした場合に、正弦波による第1の旋律ML1の音量をn%(0<n≦100%)として音量合成比率を変更してもよい。この場合には、矩形波による音に対して正弦波による音の音量合成比率を大きくして合成された効果音(綺麗な音としての印象が薄れ、はっきりとした音としての印象を大きくした音)から、矩形波による音に対して正弦波による音の音量合成比率を小さくして合成された効果音(綺麗な音としての印象が殆ど無く、はっきりとした音としての印象のみが大きくなった音)まで、種々の効果音を生成できる。
<4>上述の各実施例では、ミキサー140により、正弦波による第1の旋律ML1と矩形波による第2の旋律ML2とを所定の音量合成比率で音量合成しているが、正弦波による第1の旋律ML1と矩形波による第2の旋律ML2とを所定の音量合成比率で音量合成したものを例えば複数種類予め録音などしておいてそれを再生するようにしてもよい。この場合には、ミキサー140を不要にできる。
<5>上述の各実施例では、矩形波による第2の旋律ML2を、正弦波による第1の旋律ML1と同一の旋律としているが、正弦波による第1の旋律ML1の少なくとも一部の旋律としてもよい。例えば、上述の各実施例では、正弦波による第1の旋律ML1を「ドレミファソ」とし、矩形波による第2の旋律ML2も第1の旋律ML1と同一の旋律である「ドレミファソ」としているが、正弦波による第1の旋律ML1を「ドレミファソ」とし、矩形波による第2の旋律ML2を第1の旋律ML1の少なくとも一部の旋律である「ドレミ」や「ミファソ」などとしてもよい。この場合は、当然、正弦波による第1の旋律ML1と矩形波による第2の旋律ML2とが合成された部分の旋律について、中間的ではっきりした効果音Kを得ることができる。
<6>上述の各実施例では、矩形波による第2の旋律ML2を、正弦波による第1の旋律ML1と同一の旋律としているが、矩形波による第2の旋律ML2を、正弦波による第1の旋律ML1をオクターブ高低させた旋律のうちの少なくとも一部としてもよい。この場合には、正弦波による第1の旋律ML1と、この第1の旋律ML1をオクターブ高低させた旋律のうちの少なくとも一部であって矩形波による第2の旋律ML2とを合成した効果音Kを生成出力することができる。かかる効果音Kは、正弦波のみによる音(綺麗な音としての印象のみを受ける音)でもなく、矩形波のみによる音(雑音にかき消されない音いわゆる電子音)でもなく、中間的ではっきりとしたオープンボイシングな音になる、つまり、綺麗な音としての印象を残しつつ、はっきりとした広がりのある音としての印象が残る音となる。したがって、遊技者は、遊技機を設置する遊技場いわゆるホールの雑音環境の中でも、効果音Kを綺麗ではっきりと聴き取ることができ、かかる効果音Kによって遊技演出をさらに面白味を持たせることができ、より興趣性を向上させることができる。その結果、遊技者の興味を引く興趣性に優れた遊技機を提供できる。
<7>上述した各実施例では、合成比率変更部130は、正弦波による第1の旋律ML1と矩形波による第2の旋律ML2とを合成する際にその音量合成比率を一定としているが、正弦波による第1の旋律ML1と矩形波による第2の旋律ML2とを合成する際にその音量合成比率を変更していくようにしてもよい。この場合には、正弦波による音と矩形波による音とを合成して生成された効果音Kをその途中から異なる印象を受ける音に変化させることができ、より演出効果を高めた効果音Kを生成することができ、興趣性の高い遊技機を得ることができる。
<8>本発明を上記各実施例とは異なるタイプのパチンコ機等に実施してもよい。例えば、一度大当たりすると、それを含めて複数回(例えば2回、3回)大当たり状態が発生するまで、大当たり期待値が高められるようなパチンコ機(通称、2回権利物、3回権利物と称される。)として実施してもよい。また、大当たり図柄が表示された後に、所定の領域に球を入賞されることを必要条件として特別遊技状態となるパチンコ機として実施してもよい。また、球が所定の入賞口に入ることで特別遊技状態となるパチンコ機として実施してもよい。さらに、パチンコ機以外にも、スロットマシン、アレンジボール型パチンコ、雀球、いわゆるパチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機等の各種遊技機として実施するようにしてもよい。
なお、スロットマシンは、例えばコインを投入して図柄有効ラインを決定させた状態で操作レバーを操作することにより図柄が変動され、ストップボタンを操作することにより図柄が停止されて確定されるものである。従って、スロットマシンの基本概念としては、「複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して図柄の変動が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、あるいは、所定時間経過することにより、図柄の変動が停止され、その停止時の確定図柄が特定図柄であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備えたスロットマシン」となり、この場合、遊技用媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
なお、パチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機の具体例としては、複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄を確定表示する可変表示手段を備えており、球打出用のハンドルを備えていないものが挙げられる。この場合、所定の操作(ボタン操作)に基づく所定量の球の投入の後、例えば操作レバーの操作に起因して図柄の変動が開始され、例えばストップボタンの操作に起因して、あるいは、所定時間経過することにより、図柄の変動が停止され、その停止時の確定図柄がいわゆる大当たり図柄であることを必要条件として遊技者に有利な大当たり状態が発生させられ、遊技者には、下部の受け皿に多量の球が払い出されるものである。
なお、本明細書は、次のような遊技機に係る発明も開示している。
(0)遊技演出に関する効果音を再生出力する遊技機において、
正弦波による第1の旋律と、前記第1の旋律の少なくとも一部であって矩形波による第2の旋律とを、同期させて合成して効果音を生成出力する効果音合成出力手段
を備えていることを特徴とする遊技機。
前記(0)に記載の発明によれば、効果音合成出力手段は、正弦波による第1の旋律と、この第1の旋律の少なくとも一部であって矩形波による第2の旋律とを、同期させて合成して効果音を生成出力するので、正弦波による第1の旋律と矩形波による第2の旋律とを合成した効果音を生成出力することができる。かかる効果音は、正弦波のみによる音(綺麗な音としての印象のみを受ける音)でもなく、矩形波のみによる音(雑音にかき消されない音いわゆる電子音)でもなく、中間的ではっきりした音になる、つまり、綺麗な音としての印象を残しつつ、はっきりとした音としての印象が残る音となる。したがって、遊技者は、遊技機を設置する遊技場いわゆるホールの雑音環境の中でも、効果音を綺麗ではっきりと聴き取ることができ、かかる効果音によって遊技演出をさらに面白味を持たせることができ、より興趣性を向上させることができる。その結果、遊技者の興味を引く興趣性に優れた遊技機を提供できる。
なお、本明細書で言う「遊技演出に関する効果音」とは、遊技機の待機状態,使用状態(通常,リーチ,大当り状態など)において発せられる音や音楽やそれらを組み合わせたもの等からなる種々の音が挙げられる。また、本明細書で言う「正弦波による第1の旋律」とは、第1の旋律として最終生成された音色波形が矩形波以外の波形である種々のもの(例えば、管弦楽器、鍵盤楽器などのような波形)をいい、「矩形波による第2の旋律」とは、最終生成された音色波形が矩形波の波形であるものをいう。
(1) 前記(0)に記載の遊技機において、
前記第2の旋律は、前記第1の旋律をオクターブ高低させた旋律のうちの少なくとも一部であって矩形波によるものであることを特徴とする遊技機。
前記(1)に記載の発明によれば、第2の旋律は、前記第1の旋律をオクターブ高低させた旋律のうちの少なくとも一部であって矩形波によるものとしているので、正弦波による第1の旋律と、この第1の旋律をオクターブ高低させた旋律のうちの少なくとも一部であって矩形波による第2の旋律とを合成した効果音を生成出力することができる。かかる効果音は、正弦波のみによる音(綺麗な音としての印象のみを受ける音)でもなく、矩形波のみによる音(雑音にかき消されない音いわゆる電子音)でもなく、中間的ではっきりとしたオープンボイシングな音になる、つまり、綺麗な音としての印象を残しつつ、はっきりとした広がりのある音としての印象が残る音となる。したがって、遊技者は、遊技機を設置する遊技場いわゆるホールの雑音環境の中でも、効果音を綺麗ではっきりと聴き取ることができ、かかる効果音によって遊技演出をさらに面白味を持たせることができ、より興趣性を向上させることができる。その結果、遊技者の興味を引く興趣性に優れた遊技機を提供できる。
(2) 前記(0)に記載の遊技機、または、前記(1)に記載の遊技機において、
前記効果音合成出力手段は、正弦波による第1の旋律を予め記憶する記憶部からこの第1の旋律を再生する第1音源部と、矩形波を用いて前記第1の旋律の少なくとも一部である第2の旋律を生成する第2音源部と、前記第1音源部からの第1の旋律と前記第2音源部からの第2の旋律とを同期させて合成して効果音を生成して出力する合成出力部とを備えていることを特徴とする遊技機。
前記(2)に記載の発明によれば、効果音合成出力手段は、正弦波による第1の旋律を予め記憶する記憶部からこの第1の旋律を再生する第1音源部と、矩形波を用いて第1の旋律の少なくとも一部である第2の旋律を生成する第2音源部と、第1音源部からの第1の旋律と第2音源部からの第2の旋律とを同期させて合成して効果音を生成して出力する合成出力部とを備えている。したがって、上述したような効果を得ることができる。また、第1音源部は、正弦波による第1の旋律を再生音形式で予め録音しておき発音指令を受けるとこれを読み出して再生出力するという録音タイプの音源である。第2音源部は、矩形波を用いて第2の旋律を生成する、つまり、矩形波による第2の旋律を再生音形式で予め録音しておき発音指令を受けるとこれを読み出して再生出力するという録音タイプの音源ではなく、発音指令を受けると第2の旋律を矩形波を用いて発音するタイプのものである。したがって、第2の旋律を予め再生音形式で録音記録するという録音容量をゼロとすることができる。
(3) 前記(0)に記載の遊技機、または、前記(1)に記載の遊技機において、
前記効果音合成出力手段は、正弦波による第1の旋律を予め記憶する第1記憶部からこの第1の旋律を再生する第1音源部と、矩形波による、前記第1の旋律の少なくとも一部である第2の旋律を予め記憶する第2記憶部からこの第2の旋律を再生する第2音源部と、前記第1音源部からの第1の旋律と前記第2音源部からの第2の旋律とを同期させて合成して効果音を生成して出力する合成出力部とを備えていることを特徴とする遊技機。
前記(3)に記載の発明によれば、効果音合成出力手段は、正弦波による第1の旋律を予め記憶する第1記憶部からこの第1の旋律を再生する第1音源部と、矩形波による、第1の旋律の少なくとも一部である第2の旋律を予め記憶する第2記憶部からこの第2の旋律を再生する第2音源部と、第1音源部からの第1の旋律と第2音源部からの第2の旋律とを同期させて合成して効果音を生成して出力する合成出力部とを備えている。第1音源部は、正弦波による第1の旋律が予め記憶された第1記憶部からこの第1の旋律を読み出して再生出力する、つまり、正弦波による第1の旋律を再生音形式で予め録音しておき発音指令を受けるとこれを読み出して再生出力するという録音タイプの音源である。第2音源部は、矩形波による第2の旋律が予め記憶された第2記憶部からこの第2の旋律を読み出して再生出力する、つまり、矩形波による第2の旋律を再生音形式で予め録音しておき発音指令を受けるとこれを読み出して再生出力するという録音タイプの音源である。このように、第1,第2音源部として録音形式の音源を採用した場合(完全録音タイプの音源)であっても、上述の中間的ではっきりした効果音を得ることができる。遊技者は、いわゆるホールの雑音環境の中でも、効果音を綺麗ではっきりと聴き取ることができ、かかる効果音によって遊技演出をさらに面白味を持たせることができ、より興趣性を向上させることができる。その結果、遊技者の興味を引く興趣性に優れた遊技機を提供できる。
(4) 前記(0)に記載の遊技機、または、前記(1)から(3)のいずれかに記載の遊技機において、
前記合成出力部は、前記第1音源部からの第1の旋律と前記第2音源部からの第2の旋律との音量合成比率を変更する合成比率変更手段を備えていることを特徴とする遊技機。
前記(4)に記載の発明によれば、合成出力部は、第1音源部からの第1の旋律と第2音源部からの第2の旋律との音量合成比率を変更する合成比率変更手段を備えているので、正弦波による第1の旋律と矩形波による第2の旋律との音量合成比率を変更することができ、上述の中間的ではっきりした効果音を得ることができるのみならず、同一の旋律でありながら印象のことなる種々の効果音を生成することができる。つまり、正弦波による音に対して矩形波による音の音量合成比率を小さくして合成された効果音(綺麗な音としての印象を大きく残しつつ、はっきりとした音としての印象を小さくした音)から、正弦波による音に対して矩形波による音の音量合成比率を大きくして合成された効果音(綺麗な音としての印象が小さくなり、はっきりとした音としての印象が大きくなった音)まで、種々の効果音を生成できる。その結果、同一の旋律でありながら印象のことなる種々の効果音を遊技状態に応じて使い分けることができ、効果音による演出効果を向上させることができ、興趣性の高い遊技機を得ることができる。
(5) 前記(4)に記載の遊技機において、
前記合成比率変更手段は、前記第1音源部からの第1の旋律の音量を100%とした場合に、前記第2音源部からの第2の旋律の音量をn%(0<n≦100%)として音量合成比率を変更することを特徴とする遊技機。
前記(5)に記載の発明によれば、合成比率変更手段は、第1音源部からの第1の旋律の音量を100%とした場合に、第2音源部からの第2の旋律の音量をn%(0<n≦100%)として音量合成比率を変更するので、正弦波による音に対して矩形波による音の音量合成比率を小さくして合成された効果音(綺麗な音としての印象を大きく残しつつ、はっきりとした音としての印象を小さくした音)から、正弦波による音に対して矩形波による音の音量合成比率を大きくして合成された効果音(綺麗な音としての印象が小さくなり、はっきりとした音としての印象が大きくなった音)まで、種々の効果音を生成できる。
(6) 前記(4)に記載の遊技機において、
前記合成比率変更手段は、前記第2音源部からの第2の旋律の音量を100%とした場合に、前記第1音源部からの第1の旋律の音量をn%(0<n≦100%)として音量合成比率を変更することを特徴とする遊技機。
前記(6)に記載の発明によれば、合成比率変更手段は、第2音源部からの第2の旋律の音量を100%とした場合に、第1音源部からの第1の旋律の音量をn%(0<n≦100%)として音量合成比率を変更するので、矩形波による音に対して正弦波による音の音量合成比率を大きくして合成された効果音(綺麗な音としての印象が薄れ、はっきりとした音としての印象を大きくした音)から、矩形波による音に対して正弦波による音の音量合成比率を小さくして合成された効果音(綺麗な音としての印象が殆ど無く、はっきりとした音としての印象のみが大きくなった音)まで、種々の効果音を生成できる。
(7) 前記(4)から(6)のいずれかに記載の遊技機において、
前記合成比率変更手段は、前記第1音源部からの第1の旋律と前記第2音源部からの第2の旋律とを合成する際にその音量合成比率を変更していくことを特徴とする遊技機。
前記(7)に記載の発明によれば、合成比率変更手段は、第1音源部からの第1の旋律と第2音源部からの第2の旋律とを合成する際にその音量合成比率を変更していくので、正弦波による音と矩形波による音とを合成して生成された効果音をその途中から異なる印象を受ける音に変化させることができ、より演出効果を高めた効果音を生成することができ、興趣性の高い遊技機を得ることができる。
(8) 前記(4)から(6)のいずれかに記載の遊技機において、
前記合成比率変更手段は遊技演出の種類に応じて音量合成比率を変更することを特徴とする遊技機。
前記(8)に記載の発明によれば、合成比率変更手段は遊技演出の種類に応じて音量合成比率を変更するので、遊技演出の種類に応じて音量合成比率を変更した効果音を生成することができる。つまり、同一の旋律でありながら印象のことなる種々の効果音を、遊技演出の種類に応じて生成することができる。したがって、より演出効果を高めた効果音を生成することができ、興趣性の高い遊技機を得ることができる。
(9)前記(0)に記載の遊技機、または、前記(1)から(8)のいずれかに記載の遊技機において、
前記遊技機はパチンコ機であることを特徴とする遊技機。
前記(9)に記載の遊技機によれば、ホールの雑音環境の中でも効果音を遊技者に綺麗ではっきりと聴き取らせることができ、遊技者の興味を引く興趣性に優れたパチンコ機を提供できる。なお、パチンコ機の基本構成としては操作ハンドルを備え、その操作ハンドルの操作に応じて遊技用媒体としての球を所定の遊技領域発射し、球が遊技領域内の所定の位置に配設された作動口に入賞(または作動ゲートを通過)することを必要条件として、表示装置において動的表示されている識別情報(図柄等)が所定時間後に確定停止されるものが挙げられる。また、特別遊技状態の発生時には、遊技領域内の所定の位置に配設された可変入賞手段(特定入賞口)が所定の態様で開放されて球を入賞可能とし、その入賞個数に応じた有価価値(景品球のみならず、磁気カードへ書き込まれるデータ等も含む)が付与されるものが挙げられる。
(10)前記(0)に記載の遊技機、または、前記(1)から(8)のいずれかに記載の遊技機において、
前記遊技機はスロットマシンであることを特徴とする遊技機。
前記(10)に記載の遊技機によれば、ホールの雑音環境の中でも効果音を遊技者に綺麗ではっきりと聴き取らせることができ、遊技者の興味を引く興趣性に優れたスロットマシンを提供できる。なお、スロットマシンの基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の動的表示が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、あるいは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備えた遊技機」となる。この場合、遊技用媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
(11)前記(0)に記載の遊技機、または、前記(1)から(8)のいずれかに記載の遊技機において、
前記遊技機はパチンコ機とスロットマシンとを融合させたものであることを特徴とする遊技機。
前記(11)に記載の遊技機によれば、ホールの雑音環境の中でも効果音を遊技者に綺麗ではっきりと聴き取らせることができ、遊技者の興味を引く興趣性に優れた、パチンコ機とスロットマシンとを融合させたものを提供できる。なお、この融合させたものの基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する識別情報変動表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の動的表示が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、あるいは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備え、遊技用媒体として球を使用するとともに、前記識別情報の動的表示の開始に際しては所定数の球を必要とし、特別遊技状態の発生に際しては多くの球が払い出されるように構成されている遊技機」となる。