JP5012657B2 - 運動指令生成装置 - Google Patents

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Description

この発明は、運動する機械を駆動する駆動制御装置に対して、機械を運動させる運動指令値を生成して、生成した運動指令値を与える運動指令生成装置に関するものである。
従来の運動指令生成装置では、機械駆動時の運動パターンを複数の時間パラメータt1〜t4で表される複数の区間に分割して表現し、それぞれの区間幅t1〜t4を最大加々速度、最大加速度、指令速度、移動距離等を用いて計算し、運動パターンを求め、指令値としていた(例えば特許文献1)。
また、モータの位置と負荷の位置をそれぞれ高次の時間多項式で表し、境界条件と運動方程式から時間多項式の係数を計算し、指令値を求めていた(例えば、特許文献2)。
特開平8−6628号公報(1頁、図4) 特開2002−91570号公報(図3)
従来の運動指令生成装置では、モータ等のアクチュエータにおける最大加々速度、最大加速度、移動距離等は設定できるものの、区間単位で計算するため、初期および終端で0でない速度を持たせる制約条件には適用できないという問題があった。
また、従来の運動指令生成装置では、指令値を時間多項式として表すために、モータの加速度等、様々な制約条件を考慮できず、制約条件を満たさない指令値が生成される可能性があるという問題点があった。
この発明は、上述のような問題を解決するためになされたもので、初期および終端における位置、速度の境界条件、および、加速度、速度の取り得る範囲の制約条件を含む複雑な動作条件を満足する指令値をリアルタイムで計算できる指令値生成装置を得るものである。
この発明に係る運動指令生成装置は、運動指令値を基本関数の重み付き線形和として表し、基本関数の重み係数を線形計画問題により求め、運動指令値を算出する。
この発明は、運動指令値を基本関数の重み付き線形和として表し、基本関数の重み係数を線形計画問題により求めて、運動指令値を算出することによって、線形計画問題を解くので計算上の困難を生じることなく、複雑な動作条件を満足する指令値をリアルタイムで計算できる。
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1による運動指令生成装置を適用した駆動制御システムの構成を示すブロック図である。図において、本実施の形態による運動指令生成装置1は、入力部(図示せず)において各種動作条件が入力として与えられると、制御のための目標値となる運動指令値を生成し、駆動制御装置2へ運動指令値を出力する。駆動制御装置2は、制御対象3の運動が、入力部で与えられた運動指令値に一致、または追従するように、制御を行う。ここで、動作条件とは、制御対象3の動作を規定する条件であり、位置、角度などの状態値と、その時間微分値に対する線形の条件式によって表現され、例えば、位置、速度、加速度等の技術的性質を用いて条件付けられるものを言う。
駆動制御装置2としては、例えば、生成した指令値のみから駆動力等を定めるフィードフォワード制御や、指令値と制御対象3の状態とを比較する制御ループを組んだフィードバック制御、あるいはこれらを組み合わせた2自由度制御系を用いることもできる。
制御対象3としては、工作機械やロボット、回転するアンテナ等、様々なものが考えられるが、指令値に応じて位置、速度等を変化させるような制御を必要とするものであれば、何に適用してもよい。
ここで、本実施の形態および後述の他の実施の形態においては、動作条件として、制御対象3の運動を、位置、速度、加速度等と、並進運動の技術的性質を用いて表現する。なお、制御対象3の運動は、これらのパラメータに限られるものではなく、例えば、回転するアンテナのように、制御対象3の運動が回転運動であるような場合には、位置にあたる角度を基本に、角度、角速度、角加速度等と、回転運動の技術的性質に読みかえることができる。
入力部から入力される動作条件は、位置、速度、加速度等の技術的性質の初期値、終端値、各時刻における上限値、下限値によって表現される。具体的な入力情報は、テキスト情報を電子化した伝送によるものでも良いし、各技術的性質について伝送線を設けて、各伝送線の電圧値で表現するものでも良い。
図1に示すように、本実施の形態による運動指令生成装置1は、線形計画問題設定部11と、重み係数算出部12と、指令値算出部13とを備える。詳細には、制御対象3の動作条件が入力される入力部と、入力された動作条件に応じて運動指令値を基本関数の重み付き線形和として表し、未知の重み係数を含む最適化変数に対する線形の等式及び不等式によって制約条件及び評価指標を表した線形計画問題を作成して、線形計画問題情報として記憶する線形計画問題設定部11と、線形計画問題情報が表す線形計画問題を解くことによって、重み係数を求める重み係数算出部12と、基本関数に重み係数算出部12で求めた重み係数を乗じて足し合わせた重み付き線形和によって運動指令値を算出する指令値算出部13とを備える。ここで、最適化変数とは、最適化問題である線形計画問題における変数である。
線形計画問題設定部11は、運動指令値を基本関数に未知の重み係数を乗じて足し合わせた重み付き線形和で表した線形和情報を作成し、線形和情報を記憶装置に記憶する。また、線形計画問題設定部11は、未知の重み変数を含む最適化変数に対する線形の等式及び不等式で表される制約条件式及び評価指標を、入力された動作条件に応じて設定し、線形計画問題情報として記憶する。重み係数算出部12は、線形計画問題情報が表す線形計画問題を解くことによって、重み係数を求める。指令値算出部13は、線形和情報を用いて求めた重み係数と基本関数に乗じて足し合わせた重み付き線形和によって運動指令値を求める。
以下、具体的な処理について説明する。
運動指令生成装置1には、動作条件として、駆動時間t、位置の初期条件θ、速度の初期条件v、加速度の初期条件a、位置の終端条件θ、速度の終端条件v、加速度の終端条件a、位置の下限θmin(t)、位置の上限θmax(t)、速度の下限vmin(t)、速度の上限vmax(t)、加速度の下限amin(t)、加速度の上限amax(t)、加々速度の下限jmin(t)、加々速度の上限jmax(t)が与えられる。
すなわち、駆動時間として、tが与えられる。また、初期条件、終端条件、位置制約条件、速度制約条件、加速度制約条件、および加々速度制約条件として、数式を用いて表現すると、それぞれ、
Figure 0005012657
Figure 0005012657
Figure 0005012657
Figure 0005012657
Figure 0005012657
Figure 0005012657
が与えられる。
ここで、式(1)では、時刻t(0≦t≦t)における位置をθ(t)、位置のn階時間微分をθ(n)(t)で表す(nは、自然数である。)。したがって、式(1)のθ(1)(t)は、時刻tにおける速度であり、θ(2)(t)は、時刻tにおける加速度であり、時刻t=0のときの位置がθ0、速度がvであり、加速度がaであることを表している。
同様に、式(2)は、終端位置がθであり、終端速度がv、終端加速度がaであることが終端条件であること表している。また、式(3)では、時刻t(0≦t≦t)における位置の下限が、θmin(t)であり、位置の上限が、θmax(t)であることが与えられている。
また、式(4),(5),および(6)では、時刻t(0≦t≦t)における速度の下限vmin(t)、速度の上限vmax(t)、加速度の下限amin(t)、加速度の上限amax(t)、加々速度の下限jmin(t)、加々速度の上限jmax(t)によって、それぞれ速度θ(1)(t)、加速度θ(2)(t)、加々速度θ(3)(t)の各時刻における下限および上限が条件づけられている。
初期条件および終端条件(以下、初期条件と終端条件とを合わせて「境界条件」と呼ぶ。)θ、v、a、θ、v、aは、全ての値が与えられる場合もあるが、一部が与えられず、制約条件がない場合も考えられる。その場合には、以下の定式化において、対応する条件式(式(1),(2)などに対応した後述の式(20)の一部)を省くことができる。式(3)から式(6)の制約条件についても同様である。また、式(3)から式(6)の制約条件では、位置から加々速度の上下限を、時間tに依存する関数として与えているが、これらは当然、時刻tに依存しない、定数である場合も含んでいる。例えば、制御対象3をモータにより駆動する場合には、モータトルクおよび回転数の上限から、式(4)および式(5)における速度、加速度の上下限が、一定値として与えられる。
本実施の形態による運動指令生成装置1は、これら全ての動作条件を満たす制御対象3の目標運動(すなわち、運動指令値)における加速度の時間履歴を、基本関数α(t)の重み付き線形和によって表現する。すなわち、
Figure 0005012657

とする。ここで、Kは、適当な自然数である。Kは、対象をいくつの基本関数で表現するかを定める数である。例えば、K=20と与える。wは未知の重み係数である。本実施の形態による運動指令生成装置1においては、基本関数α(t)を、以下のような、t=tck(0≦tck≦t)に中心を持つ、幅が2Δtの三角波として与える。
Figure 0005012657
ckおよびΔtの設定としては、例えば、tckをt=0からtをK等分した点とし、その時間間隔をΔtに設定する。すなわち、以下の式のように設定する。
Figure 0005012657
α(t)を時間tに関して1回微分したものをξ(t)、時刻−∞から時刻tまで積分したものをβ(t)、β(t)をさらに時刻−∞から時刻tまで積分したものをγ(t)と表す。すなわち、ξ(t)、β(t)、γ(t)を以下の式により定義する。
Figure 0005012657
Figure 0005012657
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これらを用いると、加々速度、速度、位置の時間履歴が、式(7)と同様に重み付き線形和の形で以下のように表される。
Figure 0005012657
Figure 0005012657
Figure 0005012657
以下での記述の簡単化のため、式(7)および式(13)〜(15)を以下のようにベクトル表現で表す。
Figure 0005012657
Figure 0005012657
Figure 0005012657
Figure 0005012657
ここで、Vを付加した、Vα(t)、Vξ(t)、Vβ(t)、Vγ(t)、およびVwは、それぞれ、α(t)、ξ(t)、β(t)−β(0)、γ(t)−γ(0)−β(0)t、wをk番目の要素とするK次元縦ベクトルを表す。また、上付きのTはベクトルの転置を表す。
本実施の形態による運動指令生成装置1では、上述のように運動パターンについて、三角波を基本関数とする重み付き線形和によって表現することで、最適な重み係数を線形計画問題によって求め、動作条件を満たす運動指令値を生成する。
次に、本実施の形態による運動指令生成装置1を構成する各部の働きについて説明する。
線形計画問題設定部11においては、前述の動作条件をもとに、未知変数である重み係数wに対する線形の制約条件および評価指標を設定する。
まず、境界条件式(1)、(2)に式(16)、(18)、(19)を適用し、以下の4個の線形等式制約条件を得る。
Figure 0005012657
ここで、初期条件式(1)のうち、速度の初期条件と位置の初期条件は上述のVβ(t)、Vγ(t)の定義により自動的に満たされるため、省略した。
次に、線形計画問題設定部11では、制約条件式(3)〜(6)に対応した重み係数wに対する制約条件式を、それぞれ以下のように設定する。
Figure 0005012657
Figure 0005012657
Figure 0005012657
Figure 0005012657
ここで、tPi(i=1,・・・,N)、tVi(i=1,・・・,N)、tAi(i=1,・・・,N)、tJi(i=1,・・・,N)は、それぞれの制約条件を設定する離散的な時刻である。例えば、基本関数の三角波の中心時刻tckと同一の時刻列としてもよいし、tckの間をさらに細かく等分した時刻列としてもよい。また、式(21)〜(24)でそれぞれ異なる時刻列を用いているが、これらは同一としてもよい。制約条件をこのように離散的な時刻のみで設定することで、それら離散時刻の中間では、厳密には各制約条件を満たさない運動指令値となる可能性がある。しかし、これら時刻列を適当に細かく設定することで、十分な精度で制約条件を満たす運動指令値が求められる。
次に、線形計画問題設定部11における評価指標に関わる設定について説明する。運動指令値生成における評価指標としては様々なものが考えられるが、駆動モータ等のトルクを考慮すると、運動パターンにおける加速度がより小さいことが望ましい場合が考えられる。そこで、以下では加速度最大値を最小化するような設定を行う。
まず、新たなスカラー変数aを導入し、線形計画問題設定部11において、重み係数wに対する追加の制約条件式を、以下のように設定する。
Figure 0005012657
また、以下のような評価指標を設定する。
Figure 0005012657
ここで、式(26)は、aを最小化するという意味である。制約条件式(25)により、新たに導入した変数aは加速度の絶対値の最大値という意味を持ち、評価指標式(26)により、それを最小化することで、加速度がより小さくなるような運動指令値を生成できる。なお、式(25)を設定したことで、式(23)は不要となるため、この制約条件は、以下の処理で省いても良い。
以上、線形計画問題設定部11により、未知変数であるK個の重み係数wと、追加した1個の未知変数aの合計K+1個の未知変数に対して、等式制約条件式(20)、不等式制約条件式(21)〜(25)、そして、評価指標式(26)が設定された。これら制約条件および評価指標は全て未知変数に対して線形となっており、全体として線形計画問題を成す。
線形計画問題に関しては、汎用的なアルゴリズムが多数知られており、最適解を効率的に求めることができる。そこで、次に、重み係数算出部12では、そのようなアルゴリズムを利用し、線形計画問題を解くことで、K個の重み係数wを求める。最後に、指令値算出部13において、得られた重み係数wを式(16)〜(19)(または、これらの式うちのいくつかのみ)に代入することで、運動指令値を求め、駆動制御装置2へ出力する。
なお、上記では、加速度最大値を最小化するという設定を行ったが、加速度の代わりに速度や加々速度の最大値を最小化するという設定も、全く同様の手順で行える。また、式(25)の制約を、時刻tAiごとに独立なN個の変数ami(i=1,・・・,N)によって与え、式(26)の評価指標をこれら変数amiの平均値に設定することで、平均的な加速度を最小化するような設定も可能である。さらには、これら複数の異なる評価指標を適当な重みをかけて足し合わせたものを評価指標に設定することで、例えば、加速度最大値を最小化しつつ、平均的な加々速度を小さくすることも可能となる。
図2は、本実施の形態における、運動指令生成装置1による運動指令値の計算例である。図において、実線で示したのが、位置、速度、加速度の時間履歴であり、速度と加速度のグラフにおいて破線で示したのがそれぞれの上下限制約である。ここで、上下限の制約は時間によらない一定値としている。また、加速度のグラフにおいては、得られた各重み係数をかけた三角波α(t)wが点線で示されている。本計算例では、評価指標として式(26)を用いているが、図より、与えられた制約を満たしつつ、加速度を抑えるような運動指令値が生成できていることがわかる。また、別の動作条件による計算例を図3に示す。これは、速度の境界条件が0でない場合の例であるが、このような場合にも適切に運動指令値を生成できていることがわかる。
このように、本実施の形態によれば、運動指令値を三角波の重み付き線形和として表し、動作条件をもとに、それら重み係数に対する線形計画問題を設定し、線形計画問題を解いて運動指令値を求めることによって、様々な動作条件に応じた運動指令値を容易に生成できる効果がある。
また、本実施の形態によれば、線形計画問題として定式化したので、効率的に運動指令値を求めることができ、計算回数が発散することもないため、実装上の困難も生じない効果がある。
また、従来の運動指令生成装置では、指令値を時間多項式として表すために、計算された指令値がどのような形状になるかは計算前に予測できず、想定外の値をとってしまう可能性があるという問題点があったが、本発明によれば、動作条件として指令値等の上下限を設定できるため、指令値等が想定外の値をとることがないという効果がある。
実施の形態2.
本発明が適用の対象とするような駆動制御システムにおいては、制御対象3に含まれる低剛性要素に起因して、駆動により、望ましくない振動が励起し、駆動後にも振動が残ってしまう場合がある。本実施の形態においては、そのような振動を励起させないような運動指令値を生成するための運動指令生成装置1について説明する。
本実施の形態による運動指令生成装置1の構成は、前記実施の形態1と同一であり、線形計画問題設定部11の働きの一部のみが異なる。
柔軟要素を含む場合の最も単純な運動モデルは、その柔軟要素の位置をφとおくと、以下のように与えられる。
Figure 0005012657
上式は、柔軟要素のある一つの振動モードの運動モデルととらえることができ、ωはその振動モードの振動数である。より一般には、式(27)を速度に比例した減衰項を持つモデルとすることもできるが、ここでは説明の簡単化のために省略する。q(t)=φ(t)−θ(t)と書き直すと、以下のようになる。
Figure 0005012657
上式に(式16)を代入し、振動モードの振幅q(t)と振幅速度q(1)(t)を求めると、以下のようになる。
Figure 0005012657
Figure 0005012657
ここで、Vを付加したVS(t)、VC(t)は、そのk番目の要素をS(t)−S(0)、C(t)−C(0)とするK次元縦ベクトルであり、S(t)、C(t)はそれぞれ以下のように与えられる。
Figure 0005012657
Figure 0005012657
本実施の形態による運動指令生成装置1では、駆動終了後の振動を抑制するために、線形計画問題設定部11において、重み係数wに対する以下のような制約条件を設定する。
Figure 0005012657
Figure 0005012657
ここで、ε、εは駆動終了時の振動の振幅q(t)および振幅速度q(1)(t)を小さく抑えるための微小量であり、例えば、ε=ε=1/10000等と設定する。また、ε=ε=0とすれば完全に0に抑えることになる。式(33)および(34)は重み係数wに対して線形であり、等式制約条件式(20)、不等式制約条件式(21)〜(25)、そして、評価指標式(26)と合わせて、線形計画問題を成す。よって、実施の形態1と同様にして、重み係数算出部12において重み係数を求め、指令値算出部13において運動指令値を求めることができる。
図4は、前記図2の計算例に対して、式(28)の微分方程式を積分計算して、振動モード座標qの時間履歴を求めたものである。図では、駆動終了時刻(t=t=10)からしばらく後までの履歴を示している。ここで、振動数ω=6としている。これに対し、前記図2と同様の動作条件の場合に、本実施の形態による運動指令生成装置1を用いて運動指令値を生成した結果を図5に示す。また、その場合の振動モード座標qの時間履歴を図6に示す。設定された動作条件を満たしつつ、駆動後の振動を抑制するような運動指令値が生成できていることがわかる。
従来の運動指令生成装置は、加々々速度に制限を持つ指令値を生成することで、非剛性要素により発生する振動等を抑制することができるという効果が記述されているが、この効果は始動時および停止時の動作を滑らかにすることによる間接的なものであり、直接的な制約ではないために、駆動後の振動を抑制できる保証がなく、さらには動作を滑らかにするために駆動時間を長くする必要があるという問題点があった。
以上のように、本実施の形態によれば、制御対象3に含まれる振動モードの振動数が既知の場合に、その振幅および振幅速度が駆動後に小さい値となるような制約を追加することで、駆動後の振動を抑制するような運動指令値を生成できる効果がある。
実施の形態3.
実施の形態2では、対象とする振動モードの振動数ωが既知(ほぼ完全にわかっている)であることを前提として、駆動終了後の振動を抑えるような指令値を生成した。しかし、実際にはωとしては、ある程度の不確定性を含んだ推定値を用いるしかない場合も多い。図7に、前記図5の運動指令値に対して、振動数ωに誤差がない場合、および、10%、20%の誤差がある場合の振動モード座標qの時間履歴を重ねて示す。図において、0%として示した実線が、誤差のない場合であり、これは図6の時間履歴と同じものである。この図が示すように、振動数ωに誤差がある場合には、駆動終了時の振幅に制約を課すのみでは、振動が大きくなってしまう場合がある。
そこで、本実施の形態による運動指令生成装置1では、線形計画問題設定部11において、新たな未知変数qを用い、以下のような制約条件を設定する。
Figure 0005012657
ここで、tQiは、制約条件を設定する離散的な時刻であり、実施の形態1で説明したtPiなどと同様に、適当に細かい時刻列を設定する。そして、次のような評価指標を設定する。
Figure 0005012657
あるいは、式(35)と(36)の代わりに、新たな未知変数qvmを用い、制約条件
Figure 0005012657
および、評価指標
Figure 0005012657
を設定する。また、式(35)と式(37)の両方の制約条件を設定し、評価指標をqとqvmに適当な係数をかけて足し合わせたものとしてもよい。
いずれの場合も、これら制約条件と、等式制約条件式(20)、不等式制約条件式(21)〜(24)、そして、評価指標式(36)あるいは式(38)とを合わせて、線形計画問題を成す。よって、実施の形態1と同様にして、重み係数算出部12において重み係数を求め、指令値算出部13において運動指令値を求めることができる。
また、上記の場合は振動抑制のための式(36)あるいは式(38)のみを評価指標としたが、さらに式(25)の制約条件を追加して、評価指標を式(26)と式(36)等の組み合わせとして、加速度最大値を抑え、かつ振動も抑制する、といったことも可能である。また、本実施の形態により構成される線形計画問題に、実施の形態2における制約条件式(33)および式(34)を加えても、振動抑制に効果的である。
図8は、前記図2の計算例と同様の動作条件の場合に、本実施の形態による本発明の運動指令生成装置1を用いて運動指令値を生成した結果である。また、その場合の振動モード座標qの時間履歴を図9に示す。ここで、振動抑制のための制約条件としては式(35)を用い、評価指標としては、式(36)と式(26)の組み合わせ、すなわち、aとqの重み付きの和を用いた。ただし、その重みはqの方を大きくしている。さらに、制約条件式(33)および式(34)も設定した。図8、図9より、動作条件を満たすが、振動数ωに誤差がある場合にも、振動の励起を抑えられるような運動指令値が、適切に生成できていることがわかる。
以上のように、本実施の形態によれば、制御対象3に含まれる振動モードの振幅および振幅速度が駆動中に小さい値となるような制約および評価指標を設定することで、その振動数に不確定性があるような場合であっても、振動を抑制するような運動指令値を生成できる効果がある。
本発明の実施の形態1の構成を示すブロック図である。 本発明の実施の形態1による運動指令値の計算例を示すグラフの図である。 本発明の実施の形態1による運動指令値の計算例を示すグラフの図である。 本発明の実施の形態1の運動指令値による振動モード座標の時間履歴を示すグラフの図である。 本発明の実施の形態2による運動指令値の計算例を示すグラフの図である。 本発明の実施の形態2の運動指令値による振動モード座標の時間履歴を示すグラフの図である。 本発明の実施の形態3の運動指令値による振動モード座標の時間履歴を示すグラフの図である。 本発明の実施の形態3による運動指令値の計算例を示すグラフの図である。 本発明の実施の形態3の運動指令値による振動モード座標の時間履歴を示すグラフの図である。
符号の説明
1 運動指令生成装置、2 駆動制御装置、3 制御対象、11 線形計画問題設定部、12 重み係数算出部、13 指令値算出部。

Claims (5)

  1. 制御対象を運動させる運動指令値を生成する運動指令生成装置において、
    前記制御対象の動作条件が入力される入力部と、
    時間に依存した関数である複数の基本関数と前記複数の基本関数毎に未知の重み係数を乗じて足し合わせた重み付き線形和によって前記運動指令値を表した線形和情報を作成し、前記動作条件に応じて前記重み係数を含む最適化変数に対する線形の等式及び不等式によって制約条件及び評価指標を表した線形計画問題を作成して線形計画問題情報として記憶する線形計画問題設定部と、
    前記線形計画問題情報が表す前記線形計画問題を解くことによって、前記重み係数を求める重み係数算出部と、
    前記線形和情報に基づき前記基本関数も前記重み係数算出部で求めた重み係数を乗じて足し合わせた重み付き線形和によって前記運動指令値を算出する指令値算出部とを備えた運動指令生成装置。
  2. 基本関数は、三角波であることを特徴とする請求項1に記載の運動指令生成装置。
  3. 最適化変数は、制御対象の位置の3階以下の時間の微係数の上下限値を含み、
    評価指標は、前記上下限値の線形関数であることを特徴とする請求項1または2に記載の運動指令生成装置。
  4. 重み係数に関する制約条件は、制御対象の振動モードの振幅、または前記振動モードの振幅の3階以下の微係数の取り得る範囲を表す線形不等式を含むことを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の運動指令生成装置。
  5. 最適化変数は、制御対象の振動モードの振幅、または前記振動モードの振幅の3階以下の微係数の上下限値を含み、
    評価指標は、前記上下限値の線形関数であることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の運動指令生成装置。
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