JP5012143B2 - ホログラム記録媒体の作成方法 - Google Patents

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Description

本発明は、ホログラム記録媒体の作成方法に関し、特に、計算機を用いた演算によって、隣接した2つの画像がその境界部分で滑らかに融合した状態を表現することが可能なホログラム記録媒体の作成方法に関する。
金券やクレジットカードについての偽造防止の用途として、ホログラムが広く利用されている。通常は、偽造防止対策を施す対象となる媒体上の一部に、ホログラムを記録する領域を設け、この領域内に立体像などがホログラムの形で記録される。
従来、商業的に利用されているホログラムの多くは、光学的な手法により、原画像を媒体上に干渉縞として記録したものであったが、最近では、計算機を用いた演算により記録面上に干渉縞を形成させてホログラムを作成する手法も知られている。このような手法で作成されたホログラムは、一般に「計算機合成ホログラム(CGH:Computer Generated Hologram )」、あるいは単に「計算機ホログラム」と呼ばれている。この計算機ホログラムは、いわば光学的な干渉縞の生成プロセスをコンピュータ上でシミュレーションすることにより得られるものであり、干渉縞パターンを生成する過程は、すべてコンピュータ上の演算として行われる。このような演算によって干渉縞パターンの画像データが得られたら、この画像データに基いて、実際の媒体上に物理的な干渉縞が形成される。具体的には、たとえば、コンピュータによって作成された干渉縞パターンの画像データを電子線描画装置に与え、媒体上で電子線を走査することにより物理的な干渉縞を形成する方法が実用化されている。
コンピュータグラフィックス技術の発展により、印刷業界では、種々の画像をコンピュータ上で取り扱うことが一般化しつつある。したがって、ホログラムに記録すべき原画像も、コンピュータを利用して得られた画像データとして用意することができれば便利である。このような要求に応えるためにも、計算機ホログラムを作成する技術は重要な技術になってきており、将来は光学的なホログラム作成手法に取って代わる技術になるであろうと期待されている。このような計算機ホログラムに関する種々の技術は、たとえば、下記の特許文献1〜3に開示されている。
また、「ホログラム」とは、本来、立体像を再生することが可能な光学的干渉縞パターンを意味するものであるが、最近では、光学的干渉縞パターンの代わりに、回折格子パターンを形成した「疑似ホログラム」と呼ばれる媒体も普及している。たとえば、下記の特許文献4〜6には、様々な種類の回折格子パターンを画素として配列することにより所定のモチーフを表現した「疑似ホログラム」をコンピュータを用いて作成する方法が開示されており、下記の特許文献7には、このような「疑似ホログラム」と「本来のホログラム」とを同一媒体上に記録する方法が開示されている。また、下記の特許文献8,9には、回折格子パターンの代わりに、散乱構造パターンを用いた疑似ホログラムの例が開示されている。
なお、上述したとおり、本来の「ホログラム」とは、物体光と参照光との光学的な干渉縞を媒体上に記録したものを指すが、最近では、回折格子パターンや散乱構造パターンによって様々なモチーフが表現されている媒体についても、一般に「ホログラム」と呼称されるようになってきている。そこで、本願では、「ホログラム」という文言を、光学的干渉縞パターンからなる本来のホログラムだけでなく、回折格子パターンからなる疑似ホログラム(回折格子記録媒体)や散乱構造パターンからなる疑似ホログラム(散乱構造記録媒体)をも含む広い概念として用いることにする。
特開平11−024539号公報 特開2001−109362号公報 特開2003−186376号公報 特開平06−337622号公報 特開平07−146635号公報 特開平07−146637号公報 特開2001−083866号公報 特開2002−328639号公報 特開2002−333854号公報
金券やクレジットカード用ホログラムには、会社のロゴマークや社名を示す文字列など、用途に応じて様々なモチーフが記録される。このため、同一のホログラム記録媒体上に複数のモチーフを重畳して記録する方法が提案されている。光学的干渉縞パターンが記録された本来のホログラムも、回折格子パターンが記録された疑似ホログラムも、光の回折現象を利用して特定の方向に向かう再生光を生成する機能を有しているため、第1の方向から観察すると第1のモチーフが観察され、第2の方向から観察すると第2のモチーフが観察されるように、2つのモチーフを重畳して記録することが可能になる。たとえば、前掲の特許文献2,3には、複数の原画像の情報を同一の記録媒体上に重畳記録する方法が開示されており、前掲の特許文献4には、2つの異なるアルファベットを示すための回折格子パターンを重畳記録する方法が開示されている。
このように、2つのモチーフを重畳して記録することができれば、第1の方向から観察すると社名を示す文字列からなるモチーフが観察され、第2の方向から観察すると会社のロゴマークからなるモチーフが観察される、というように、2つのモチーフを観察方向によって切り換えて提示することが可能になる。しかしながら、用途によっては、このような観察方向による切り換え手法が必ずしも適切でない場合もある。たとえば、社名を示す文字列とロゴマークとを並べて同時に表示した方が好ましい場合もある。
このような場合、従来は、単に2つのモチーフを隣接して配置することによって対応していた。たとえば、前掲の特許文献7には、第1のモチーフを光学的干渉縞パターンとして媒体の中央の領域に記録し、第2のモチーフを回折格子パターンとして媒体の周囲の領域に配置する技術が開示されている。しかしながら、このように複数のモチーフを単に隣接配置した場合、モチーフ相互間の融合性が乏しくなり、意匠性に欠けるという問題がある。
そこで本発明は、隣接した2つの画像を境界部分で滑らかに融合した状態で記録することが可能なホログラム記録媒体の作成方法を提供することを目的とする。
(1) 本発明の第1の態様は、ホログラム記録媒体の作成方法において、
記録対象となる第1の原画像および第2の原画像をデータとして用意する原画像準備段階と、
ホログラム記録面上に、互いに空間的に離隔して配置された第1の主領域と第2の主領域とを定義し、更に、第1の主領域と第2の主領域との間に配置され、第1の主領域と第2の主領域との双方に接する中間主領域を定義する主領域定義段階と、
中間主領域を分割することにより、第1の主領域と中間主領域との境界に位置する第1の境界線もしくは中間主領域と第2の主領域との境界に位置する第2の境界線にほぼ沿った方向に伸びる複数の帯状領域を定義する帯状領域定義段階と、
第1の主領域には第1の記録属性を付与し、第2の主領域には第2の記録属性を付与し、中間主領域には個々の帯状領域ごとにそれぞれ第1の記録属性および第2の記録属性のいずれか一方を付与する属性付与段階と、
第1の記録属性が付与された領域については、第1の原画像に基づく干渉縞パターン・回折格子パターン・散乱構造パターンを求め、第2の記録属性が付与された領域については、第2の原画像に基づく干渉縞パターン・回折格子パターン・散乱構造パターンを求めることにより、記録面上に形成される所定の記録パターンを示すデータを作成する記録パターン作成段階と、
記録パターンを物理的な媒体上に形成する媒体形成段階と、
を行い、
帯状領域定義段階において、第1の主領域に接する第1番目の帯状領域と、第i番目の帯状領域に接する第(i+1)番目の帯状領域と(但し、i=1〜2n−2、nは2以上の整数)、第(2n−1)番目の帯状領域と第2の主領域とに接する第2n番目の帯状領域と、からなる合計2n個の帯状領域を、以下の(a),(b),(c)のいずれかの条件が満足されるように定義し、
(a) 奇数番目の帯状領域の幅が第1の主領域から第2の主領域へ向かうに従って徐々に増加し、偶数番目の帯状領域の幅が第1の主領域から第2の主領域へ向かうに従って徐々に減少する、
(b) 奇数番目の帯状領域の幅が第1の主領域から第2の主領域へ向かうに従って徐々に増加し、偶数番目の帯状領域の幅はほぼ一定を維持する、
(c) 偶数番目の帯状領域の幅が第1の主領域から第2の主領域へ向かうに従って徐々に減少し、奇数番目の帯状領域の幅はほぼ一定を維持する、
属性付与段階において、奇数番目の帯状領域には第2の記録属性を付与し、偶数番目の帯状領域には第1の記録属性を付与するようにしたものである。
(2) 本発明の第2の態様は、上述の第1の態様に係るホログラム記録媒体の作成方法において、
帯状領域定義段階で、
第1番目の帯状領域の一方の側方輪郭線は第1の主領域に接し、他方の側方輪郭線は第2番目の帯状領域に接し、
1<i<2nの範囲内のiについて、第i番目の帯状領域の一方の側方輪郭線は第(i−1)番目の帯状領域に接し、他方の側方輪郭線は第(i+1)番目の帯状領域に接し、
第2n番目の帯状領域の一方の側方輪郭線は第(2n−1)番目の帯状領域に接し、他方の側方輪郭線は第2の主領域に接するように、
各帯状領域の定義を行うようにしたものである。
(3) 本発明の第3の態様は、上述の第2の態様に係るホログラム記録媒体の作成方法において、
主領域定義段階で、第1の境界線および第2の境界線が平行移動によって相互に重なるように同一形状の線から構成されるように、各主領域の定義を行い、
帯状領域定義段階で、第1の境界線および第2の境界線に対して平行移動によって重なる同一形状の線からなる2辺を側方輪郭線とする帯状領域の定義を行い、帯状領域の両輪郭線間の所定軸方向に関する距離を当該帯状領域の幅としたときに、(a),(b),(c)のいずれかの条件が満足されるような定義を行うようにしたものである。
(4) 本発明の第4の態様は、上述の第3の態様に係るホログラム記録媒体の作成方法において、
主領域定義段階で、第1の境界線および第2の境界線が互いに平行な直線になるように、各主領域の定義を行い、
帯状領域定義段階で、第1の境界線および第2の境界線に対して平行な2辺を側方輪郭線とする帯状領域の定義を行うようにしたものである。
(5) 本発明の第5の態様は、上述の第4の態様に係るホログラム記録媒体の作成方法において、
主領域定義段階で、横方向に隣接配置された3つの矩形領域によって、それぞれ第1の主領域、中間主領域、第2の主領域を定義し、
帯状領域定義段階で、中間主領域を構成する矩形を横方向に2n分割して縦長の帯状領域の定義を行うようにしたものである。
(6) 本発明の第6の態様は、上述の第3〜第5の態様に係るホログラム記録媒体の作成方法において、
帯状領域定義段階で、以下の数列a,数列b,数列cのいずれかを定義し、
<数列a>:奇数番目の数が単調増加してゆき、偶数番目の数が単調減少してゆく2n個の数Gi(但し、i=1〜2n、nは2以上の整数)からなる数列、
<数列b>:奇数番目の数が単調増加してゆき、偶数番目の数が同一値をとる2n個の数Gi(但し、i=1〜2n、nは2以上の整数)からなる数列、
<数列c>:偶数番目の数が単調減少してゆき、奇数番目の数が同一値をとる2n個の数Gi(但し、i=1〜2n、nは2以上の整数)からなる数列、
中間主領域の全幅をLmとし、定義した数列を構成する数の総和をSUMとしたときに、第i番目の帯状領域の幅Wiが、Wi=Lm×Gi/SUMとなるように、帯状領域の定義を行うようにしたものである。
(7) 本発明の第7の態様は、上述の第2の態様に係るホログラム記録媒体の作成方法において、
主領域定義段階で、所定の基準点を端点とする第1の境界用半直線および第2の境界用半直線を定義し、第1の境界用半直線の一部分の区間が第1の境界線となり、第2の境界用半直線の一部分の区間が第2の境界線となるように、各主領域の定義を行い、
帯状領域定義段階で、基準点を端点とし、第1の境界用半直線と第2の境界用半直線との間に位置する(2n−1)本の分割用半直線を定義し、個々の分割用半直線により中間主領域を分割して帯状領域の定義を行い、各帯状領域の側方輪郭線を構成する半直線の交差角を当該帯状領域の幅としたときに、(a),(b),(c)のいずれかの条件が満足されるような定義を行うようにしたものである。
(8) 本発明の第8の態様は、上述の第2の態様に係るホログラム記録媒体の作成方法において、
主領域定義段階で、所定の半直線を基準として形状および位置が定まる特定形状線を定義し、所定の基準点を端点とする第1の境界用半直線および第2の境界用半直線を定義し、第1の境界用半直線を基準とする特定形状線の一部分の区間が第1の境界線となり、第2の境界用半直線を基準とする特定形状線の一部分の区間が第2の境界線となるように、各主領域の定義を行い、
帯状領域定義段階で、基準点を端点とし、第1の境界用半直線と第2の境界用半直線との間に位置する(2n−1)本の分割用半直線を定義し、個々の分割用半直線を基準とする特定形状線により中間主領域を分割して帯状領域の定義を行い、各帯状領域について、両側の輪郭線を含む一対の特定形状線の元になった一対の半直線の交差角を当該帯状領域の幅としたときに、(a),(b),(c)のいずれかの条件が満足されるような定義を行うようにしたものである。
(9) 本発明の第9の態様は、上述の第7または第8の態様に係るホログラム記録媒体の作成方法において、
帯状領域定義段階で、以下の数列a,数列b,数列cのいずれかを定義し、
<数列a>:奇数番目の数が単調増加してゆき、偶数番目の数が単調減少してゆく2n個の数Gi(但し、i=1〜2n、nは2以上の整数)からなる数列、
<数列b>:奇数番目の数が単調増加してゆき、偶数番目の数が同一値をとる2n個の数Gi(但し、i=1〜2n、nは2以上の整数)からなる数列、
<数列c>:偶数番目の数が単調減少してゆき、奇数番目の数が同一値をとる2n個の数Gi(但し、i=1〜2n、nは2以上の整数)からなる数列、
第1の境界用半直線と第2の境界用半直線との交差角をφとし、定義した数列を構成する数の総和をSUMとしたときに、第i番目の帯状領域の幅θiが、θi=φ×Gi/SUMとなるように、帯状領域の定義を行うようにしたものである。
(10) 本発明の第10の態様は、上述の第1の態様に係るホログラム記録媒体の作成方法において、
主領域定義段階で、第1の主領域の周囲を取り囲むように中間主領域を定義し、この中間主領域の周囲を取り囲むように第2の主領域を定義し、
帯状領域定義段階で、第1の主領域の周囲を取り囲むように第1番目の環状の帯状領域を定義し、第i番目の環状の帯状領域の周囲を取り囲むように第(i+1)番目の環状の帯状領域を定義し(但し、i=1〜2n−1、nは2以上の整数)、第2の主領域が第2n番目の環状の帯状領域の周囲を取り囲むようにしたものである。
(11) 本発明の第11の態様は、上述の第10の態様に係るホログラム記録媒体の作成方法において、
主領域定義段階で、閉じた輪郭線をもったサンプル図形と、このサンプル図形の内部もしくは輪郭線上に位置する基準点とを定義し、サンプル図形をα倍して得られる第1の基本図形およびこれに対応する基準点と、サンプル図形をβ倍(但し、α<β)して得られる第2の基本図形およびこれに対応する基準点とを求め、第1の基本図形と第2の基本図形とをそれぞれの基準点が重なるように重ね合わせ、第1の基本図形の内側領域もしくはその一部を第1の主領域と定義し、第2の基本図形の外側領域もしくはその一部を第2の主領域と定義し、第1の基本図形の外側かつ第2の基本図形の内側に位置する領域もしくはその一部を中間主領域と定義するようにしたものである。
(12) 本発明の第12の態様は、上述の第11の態様に係るホログラム記録媒体の作成方法において、
帯状領域定義段階で、α<γ(1)<γ(2)<γ(3)<,…,<γ(2n−1)<βなる条件を満たす合計(2n−1)個の倍率パラメータγ(i)(但し、i=1〜2n−1、nは2以上の整数)を定義し、サンプル図形をそれぞれγ(i)倍して得られる合計(2n−1)個の中間図形を求め、これらの各中間図形を、それぞれの基準点が第1の基本図形および第2の基本図形の基準点に重なるように重ね合わせ、第1の基本図形の輪郭線と第1番目の中間図形の輪郭線とで挟まれた環状の領域を第1番目の帯状領域と定義し、第i番目の中間図形の輪郭線と第(i+1)番目の中間図形の輪郭線とで挟まれた環状の領域を第(i+1)番目の帯状領域と定義し(但し、i=1〜2n−2、nは2以上の整数)、第(2n−1)番目の中間図形の輪郭線と第2の基本図形の輪郭線とで挟まれた環状の領域を第2n番目の帯状領域と定義するようにしたものである。
(13) 本発明の第13の態様は、上述の第12の態様に係るホログラム記録媒体の作成方法において、
帯状領域定義段階で、以下の数列a,数列b,数列cのいずれかを定義し、
<数列a>:奇数番目の数が単調増加してゆき、偶数番目の数が単調減少してゆく2n個の数Gi(但し、i=1〜2n、nは2以上の整数)からなる数列、
<数列b>:奇数番目の数が単調増加してゆき、偶数番目の数が同一値をとる2n個の数Gi(但し、i=1〜2n、nは2以上の整数)からなる数列、
<数列c>:偶数番目の数が単調減少してゆき、奇数番目の数が同一値をとる2n個の数Gi(但し、i=1〜2n、nは2以上の整数)からなる数列、
δ=β−αとし、定義した数列を構成する数の総和をSUMとし、定義した数列の第1番目の数G1から第i番目の数Giまでの和をSiとしたときに、第i番目の倍率パラメータγ(i)が、γ(i)=α+(Si/SUM)δとなるように、帯状領域の定義を行うようにしたものである。
(14) 本発明の第14の態様は、上述の第11〜第13の態様に係るホログラム記録媒体の作成方法において、
サンプル図形についての基準点を、当該サンプル図形の重心点位置に定義するようにしたものである。
(15) 本発明の第15の態様は、上述の第10の態様に係るホログラム記録媒体の作成方法において、
主領域定義段階で、閉じた輪郭線をもった第1の基本図形と、閉じた輪郭線をもち第1の基本図形を包含する第2の基本図形とを定義し、第1の基本図形の内側領域もしくはその一部を第1の主領域と定義し、第2の基本図形の外側領域もしくはその一部を第2の主領域と定義し、第1の基本図形の外側かつ第2の基本図形の内側に位置する領域もしくはその一部を中間主領域と定義するようにしたものである。
(16) 本発明の第16の態様は、上述の第15の態様に係るホログラム記録媒体の作成方法において、
帯状領域定義段階で、
第1の基本図形の内部に基準点を定義し、この第1の基本図形の輪郭線上に複数m個の第1指標点を定義し、
基準点を端点とし、m個の第1指標点を通るm本の半直線を定義し、このm本の半直線と第2の基本図形の輪郭線との交点にそれぞれ第2指標点を定義し、
各帯状領域の内側輪郭線と外側輪郭線との間の半直線に沿った距離を当該半直線上での当該帯状領域の幅としたときに、m本の半直線上のいずれについても、(a),(b),(c)のいずれかの条件が満足されるような定義を行うようにしたものである。
(17) 本発明の第17の態様は、上述の第16の態様に係るホログラム記録媒体の作成方法において、
帯状領域定義段階で、以下の数列a,数列b,数列cのいずれかを定義し、
<数列a>:奇数番目の数が単調増加してゆき、偶数番目の数が単調減少してゆく2n個の数Gi(但し、i=1〜2n、nは2以上の整数)からなる数列、
<数列b>:奇数番目の数が単調増加してゆき、偶数番目の数が同一値をとる2n個の数Gi(但し、i=1〜2n、nは2以上の整数)からなる数列、
<数列c>:偶数番目の数が単調減少してゆき、奇数番目の数が同一値をとる2n個の数Gi(但し、i=1〜2n、nは2以上の整数)からなる数列、
各半直線について、第1指標点と第2指標点との距離をΔとし、定義した数列を構成する数の総和をSUMとしたときに、当該半直線上での第i番目の帯状領域の幅Wiが、Wi=Δ×Gi/SUMとなるように、帯状領域の定義を行うようにしたものである。
(18) 本発明の第18の態様は、上述の第17の態様に係るホログラム記録媒体の作成方法において、
帯状領域定義段階で、各半直線上に、個々の帯状領域の内側輪郭線および外側輪郭線との交点となるべき点をプロットし、プロットした各点間を直線もしくは滑らかな曲線によって結ぶことにより、個々の帯状領域の内側輪郭線および外側輪郭線を定義するようにしたものである。
(19) 本発明の第19の態様は、上述の第16〜第18の態様に係るホログラム記録媒体の作成方法において、
帯状領域定義段階で、第1の基本図形についての基準点を、その重心点位置に定義するようにしたものである。
(20) 本発明の第20の態様は、上述の第16〜第19の態様に係るホログラム記録媒体の作成方法において、
主領域定義段階で、第1の基本図形として多角形を定義し、
帯状領域定義段階で、多角形の個々の頂点を第1指標点とするようにしたものである。
(21) 本発明の第21の態様は、上述の第16〜第19の態様に係るホログラム記録媒体の作成方法において、
帯状領域定義段階で、第1の基本図形の輪郭線上に始点を定め、この始点から輪郭線に沿って所定の基準間隔で周期的にプロットした点として第1指標点を定義するようにしたものである。
(22) 本発明の第22の態様は、上述の第16〜第19の態様に係るホログラム記録媒体の作成方法において、
帯状領域定義段階で、第1の基本図形の輪郭線の全長を複数m等分する分割点を求め、これら分割点を第1指標点とするようにしたものである。
(23) 本発明の第23の態様は、上述の第16〜第19の態様に係るホログラム記録媒体の作成方法において、
帯状領域定義段階で、2以上の整数mについて、360°/mなる角度を隔てて、基準点を端点とするm本の半直線を定義し、このm本の半直線と第1の基本図形の輪郭線との交点に第1指標点を定義するようにしたものである。
(24) 本発明の第24の態様は、上述の第1〜第23の態様に係るホログラム記録媒体の作成方法において、
原画像準備段階で、二次元画像もしくは三次元画像を示すデジタルデータを原画像として用意するようにしたものである。
(25) 本発明の第25の態様は、上述の第1〜第24の態様に係るホログラム記録媒体の作成方法において、
原画像準備段階で、実体のない空画像を原画像のひとつとして用意し、空画像の記録属性が付与された領域については、干渉縞パターン・回折格子パターン・散乱構造パターンのいずれも形成しないようにしたものである。
(26) 本発明の第26の態様は、上述の第1〜第25の態様に係るホログラム記録媒体の作成方法において、
記録パターン作成段階で、各領域について原画像に基づく干渉縞パターンを求める際に、原画像および記録面を三次元空間上に配置し、所定の参照光を定義し、原画像からの物体光と参照光とによって各領域内に形成される干渉縞パターンを演算によって求めるようにしたものである。
(27) 本発明の第27の態様は、上述の第1〜第25の態様に係るホログラム記録媒体の作成方法において、
記録パターン作成段階で、各領域について原画像に基づく回折格子パターンもしくは散乱構造パターンを求める際に、各領域内に複数の画素を定義し、この画素について原画像上の対応画素を求め、当該対応画素の画素値に基づいて、個々の画素内の回折格子パターンもしくは散乱構造パターンを決定するようにしたものである。
(28) 本発明の第28の態様は、上述の第1〜第25の態様に係るホログラム記録媒体の作成方法において、
記録パターン作成段階で、第1の原画像、第2の原画像、記録面を三次元空間上に配置し、所定の参照光を定義し、第1の記録属性が付与された領域については、第1の原画像からの物体光と参照光との干渉縞パターンを演算によって求め、第2の記録属性が付与された領域については、第2の原画像からの物体光と参照光との干渉縞パターンを演算によって求めるようにしたものである。
(29) 本発明の第29の態様は、上述の第1〜第25の態様に係るホログラム記録媒体の作成方法において、
記録パターン作成段階で、第1の記録属性が付与された領域については、第1の原画像および記録面を三次元空間上に配置し、所定の参照光を定義し、第1の原画像からの物体光と参照光との干渉縞パターンを演算によって求め、第2の記録属性が付与された領域については、当該領域内に複数の画素を定義し、この画素について第2の原画像上の対応画素を求め、当該対応画素の画素値に基づいて、個々の画素内の回折格子パターンもしくは散乱構造パターンを決定するようにしたものである。
(30) 本発明の第30の態様は、上述の第1〜第25の態様に係るホログラム記録媒体の作成方法において、
記録パターン作成段階で、第1の記録属性が付与された領域については、当該領域内に複数の画素を定義し、この画素について第1の原画像上の対応画素を求め、当該対応画素の画素値に基づいて、個々の画素内の回折格子パターンもしくは散乱構造パターンを決定し、第2の記録属性が付与された領域については、当該領域内に複数の画素を定義し、この画素について第2の原画像上の対応画素を求め、当該対応画素の画素値に基づいて、個々の画素内の回折格子パターンもしくは散乱構造パターンを決定するようにしたものである。
(31) 本発明の第31の態様は、上述の第1〜第30の態様に係るホログラム記録媒体の作成方法における原画像準備段階で用意された原画像を示すデジタルデータと、
上述の第1〜第30の態様に係るホログラム記録媒体の作成方法における主領域定義段階で定義された主領域を示すデジタルデータと、
に基づいて、上述の第1〜第30の態様に係るホログラム記録媒体の作成方法における帯状領域定義段階の処理、属性付与段階の処理および記録パターン作成段階の処理を実行する機能をもったコンピュータプログラムを用意し、これをコンピュータに実行させるようにしたものである。
(32) 本発明の第32の態様は、上述の第1〜第30の態様に係るホログラム記録媒体の作成方法を用いて、ホログラム記録媒体の作成を行うようにしたものである。
(33) 本発明の第33の態様は、ホログラム記録媒体を作成する装置において、
記録対象となる第1の原画像および第2の原画像をデータとして格納する原画像格納部と、
ホログラム記録面上に定義された、互いに空間的に離隔して配置された第1の主領域と第2の主領域と、第1の主領域と第2の主領域との間に配置され、第1の主領域と第2の主領域との双方に接する中間主領域と、を示すデータを格納する主領域データ格納部と、
中間主領域を分割することにより、第1の主領域と中間主領域との境界に位置する第1の境界線もしくは中間主領域と第2の主領域との境界に位置する第2の境界線にほぼ沿った方向に伸びる複数の帯状領域を定義する帯状領域定義部と、
第1の主領域には第1の記録属性を付与し、第2の主領域には第2の記録属性を付与し、中間主領域には個々の帯状領域ごとにそれぞれ第1の記録属性および第2の記録属性のいずれか一方を付与する属性付与部と、
第1の記録属性が付与された領域については、第1の原画像に基づく干渉縞パターン・回折格子パターン・散乱構造パターンを求め、第2の記録属性が付与された領域については、第2の原画像に基づく干渉縞パターン・回折格子パターン・散乱構造パターンを求めることにより、記録面上に形成される所定の記録パターンを示すデータを作成する記録パターン作成部と、
を設け、
帯状領域定義部には、第1の主領域に接する第1番目の帯状領域と、第i番目の帯状領域に接する第(i+1)番目の帯状領域と(但し、i=1〜2n−2、nは2以上の整数)、第(2n−1)番目の帯状領域と第2の主領域とに接する第2n番目の帯状領域と、からなる合計2n個の帯状領域を、以下の(a),(b),(c)のいずれかの条件が満足されるように定義する機能をもたせ、
(a) 奇数番目の帯状領域の幅が第1の主領域から第2の主領域へ向かうに従って徐々に増加し、偶数番目の帯状領域の幅が第1の主領域から第2の主領域へ向かうに従って徐々に減少する、
(b) 奇数番目の帯状領域の幅が第1の主領域から第2の主領域へ向かうに従って徐々に増加し、偶数番目の帯状領域の幅はほぼ一定を維持する、
(c) 偶数番目の帯状領域の幅が第1の主領域から第2の主領域へ向かうに従って徐々に減少し、奇数番目の帯状領域の幅はほぼ一定を維持する、
属性付与部には、奇数番目の帯状領域に第2の記録属性を付与し、偶数番目の帯状領域に第1の記録属性を付与する機能をもたせたものである。
(34) 本発明の第34の態様は、ホログラム記録媒体に、
互いに空間的に離隔して配置された第1の主領域と第2の主領域と、第1の主領域と第2の主領域との間に配置され、第1の主領域と第2の主領域との双方に接する中間主領域とを形成し、
中間主領域は、第1の主領域と中間主領域との境界に位置する第1の境界線もしくは中間主領域と第2の主領域との境界に位置する第2の境界線にほぼ沿った方向に伸びる複数の帯状領域に分割されており、
複数の帯状領域は、第1の主領域に接する第1番目の帯状領域と、第i番目の帯状領域に接する第(i+1)番目の帯状領域と(但し、i=1〜2n−2、nは2以上の整数)、第(2n−1)番目の帯状領域と第2の主領域とに接する第2n番目の帯状領域と、の合計2n個の帯状領域からなり、
2n個の帯状領域の幅は、以下の(a),(b),(c)のいずれかの条件が満足されるように設定されており、
(a) 奇数番目の帯状領域の幅が第1の主領域から第2の主領域へ向かうに従って徐々に増加し、偶数番目の帯状領域の幅が第1の主領域から第2の主領域へ向かうに従って徐々に減少する、
(b) 奇数番目の帯状領域の幅が第1の主領域から第2の主領域へ向かうに従って徐々に増加し、偶数番目の帯状領域の幅はほぼ一定を維持する、
(c) 偶数番目の帯状領域の幅が第1の主領域から第2の主領域へ向かうに従って徐々に減少し、奇数番目の帯状領域の幅はほぼ一定を維持する、
第1の主領域および偶数番目の帯状領域には、第1の原画像に基づく干渉縞パターン・回折格子パターン・散乱構造パターンが記録されており、第2の主領域および奇数番目の帯状領域には、第2の原画像に基づく干渉縞パターン・回折格子パターン・散乱構造パターンが記録されているようにしたものである。
(35) 本発明の第35の態様は、ホログラム記録媒体に、
互いに空間的に離隔して配置された第1の主領域と第2の主領域と、第1の主領域と第2の主領域との間に配置され、第1の主領域と第2の主領域との双方に接する中間主領域とを形成し、
中間主領域は、第1の主領域と中間主領域との境界に位置する第1の境界線もしくは中間主領域と第2の主領域との境界に位置する第2の境界線にほぼ沿った方向に伸びる複数の帯状領域に分割されており、
複数の帯状領域は、第1の主領域に接する第1番目の帯状領域と、第i番目の帯状領域に接する第(i+1)番目の帯状領域と(但し、i=1〜2n−2、nは2以上の整数)、第(2n−1)番目の帯状領域と第2の主領域とに接する第2n番目の帯状領域と、の合計2n個の帯状領域からなり、
2n個の帯状領域の幅は、以下の(a),(b),(c)のいずれかの条件が満足されるように設定されており、
(a) 奇数番目の帯状領域の幅が第1の主領域から第2の主領域へ向かうに従って徐々に増加し、偶数番目の帯状領域の幅が第1の主領域から第2の主領域へ向かうに従って徐々に減少する、
(b) 奇数番目の帯状領域の幅が第1の主領域から第2の主領域へ向かうに従って徐々に増加し、偶数番目の帯状領域の幅はほぼ一定を維持する、
(c) 偶数番目の帯状領域の幅が第1の主領域から第2の主領域へ向かうに従って徐々に減少し、奇数番目の帯状領域の幅はほぼ一定を維持する、
第1の主領域および偶数番目の帯状領域には、原画像からの物体光と参照光との干渉縞パターンが記録されており、第2の主領域および奇数番目の帯状領域には、複数の画素が配置され、個々の画素内には表現すべき画像の画素に応じた回折格子パターンもしくは散乱構造パターンが記録されているようにしたものである。
本発明に係るホログラム記録媒体の作成方法では、第1の原画像を記録する第1の主領域と第2の原画像を記録する第2の主領域との間に中間主領域が設けられる。そして、この中間主領域内に、第1の原画像を記録する帯状領域と第2の原画像を記録する帯状領域とを交互に配置し、各帯状領域の幅を徐々に変えるようにしたため、この中間主領域において、第1の原画像から第2の原画像へと、空間的な切り替えを滑らかに行うことができる。したがって、隣接した2つの画像を境界部分で滑らかに融合した状態で記録することが可能になる。
以下、本発明を図示する実施形態に基づいて説明する。
<<< §1. 基本的な実施形態 >>>
はじめに、本発明の基本概念を説明する。図1は、2つのモチーフを隣接配置して表現した従来のホログラム記録媒体の一例を示す平面図である。ホログラム記録媒体の横幅Lの半分ほどの位置に境界線Cが設けられており、左半分には自動車のモチーフ、右半分には「PAT」なる立体文字のモチーフが記録されている。この記録媒体は、結局、自動車のモチーフを記録した左半分の媒体と、立体文字のモチーフを記録した右半分の媒体とを境界線Cを挟んで並べて配置して構成されるものである。このような記録媒体は、従来の一般的なホログラム記録媒体の作成方法で作成することができる。従来、たとえば、会社のロゴマークと社名を示す文字列とをそれぞれモチーフとして左右に並べて記録したい場合、このように2つのモチーフを輪郭線Cによって分けて記録する方法が採られていた。
しかしながら、このように複数のモチーフを単に隣接配置した場合、モチーフ相互間の融合性が乏しくなり、意匠性に欠けるという問題があることは既に述べたとおりである。本発明は、隣接した2つの画像(モチーフ)を境界部分で滑らかに融合した状態で記録することにより、記録されたモチーフに融合性を確保し、意匠性を向上させる新規な方法を提案するものである。
図2は、本発明に係る方法によって、2つのモチーフを境界部分で滑らかに融合した状態で記録したホログラム記録媒体の観察態様の一例を示す平面図である。もっとも、この図2は、実際の観察態様を正確に示す図ではなく、2つのモチーフが、その境界部分で滑らかに融合して観察されるイメージを平面図として示したものである。ホログラム記録媒体の実際の観察態様は、平面図として示すことはできないが、観察者から見たイメージは、図2に示すような形態に近いものになる。
この図2に示す記録媒体には、図1に示す記録媒体と同様に、自動車のモチーフと「PAT」なる立体文字のモチーフとが記録されているが、両モチーフの境界は明確ではなく、中央付近で両者が融合するように表現されている。これは、この媒体の中央付近において、自動車のモチーフの右側部分と、立体文字のモチーフの左側部分とが融合するような表現が行われているためである。図2に示す本発明に係る記録媒体を、図1に示す従来の記録媒体と比べてみれば、前者では2つのモチーフが溶け込むように交じり合い、両モチーフに融合性が確保され、全体としてまとまりのある意匠デザインを構成していることがわかるであろう。
一般的な画像(干渉縞パターンや回折格子パターンとしての記録を行わない画像)の場合、図2に示すように、2つのモチーフにグラデーションをかけながら徐々に融合させる画像処理の技術は古くから行われている。2枚のデジタル画像データを融合させる場合、一般にαブレンドと呼ばれる手法が用いられる。これは、2枚の画像を重ねたときに、互いに重なり合う位置にくる画素の画素値を、「α:(1−α)」(但し、0≦α≦1)の比率で合成して求める手法である。たとえば、画像Aの画素値Paと画像Bの画素値Pbとを合成して、新たな合成画素値を求める場合、新たな画素値Pcは、「Pc=α・Pa+(1−α)・Pb」なる式で求められる。αの値を空間的に徐々に変えてゆけば、図2に示すように、2つの画像を融合させることができる。
しかしながら、ホログラム記録媒体の場合、このような一般的な平面画像についてのαブレンドの手法をそのまま適用するわけにはゆかない。これは、一般的な平面画像が、個々の画素のもつ濃度もしくは輝度の分布として観察されるのに対し、ホログラム記録媒体の場合、媒体上に記録されている干渉縞パターンもしくは回折格子パターンによって回折した、視点方向に向かう回折光により再生像が観察されるためである。実際、画像Aと画像Bとの合成画像をホログラムとして媒体上に記録する場合に、両画像についての干渉縞パターンもしくは回折格子パターンを単純に重ねて記録するような手法を採っても、実用上、鮮明な再生像が得られる記録を行うことはできない。
本発明は、ホログラム記録媒体上において、2つの画像が境界部分で滑らかに融合した表現を行うことを可能にする新規な方法を提案するものである。以下、本発明の基本的な実施形態に係るホログラム記録媒体の作成方法の手順を、図3の流れ図を参照しながら説明する。この図3に示す基本手順は、原画像準備段階(S10),主領域定義段階(S20),帯状領域定義段階(S30),属性付与段階(S40),記録パターン作成段階(S50),媒体形成段階(S60)によって構成されている。以下、これら各段階の具体的な処理内容を、図2に示す記録媒体を作成する例に即して説明する。
図2に示す記録媒体には、上述したとおり、2種類のモチーフが記録されている。そこで、まず、ステップS10「原画像準備段階」において、記録対象となる第1の原画像および第2の原画像をデータとして用意する。これら2つの原画像データは、各モチーフに対応するものである。図4(a) には、自動車のモチーフを表現するための第1の原画像Pic(A)が示されており(図には正面図が示されているが、実際は、自動車の形状をした三次元画像である)、図4(b) には、「PAT」なる立体文字を表現するための第2の原画像Pic(B)が示されている。これらの原画像を示すデータは、いずれもデジタルデータとして用意される。ここでは、XYZ三次元座標系上に定義された三次元物体のデータとして、各原画像Pic(A),Pic(B)が用意されているものとする。三次元物体は、通常、多数のポリゴンの集合体を示す形式のデータとして表現されるが、もちろん、ここで用意する原画像データのデータ形式は、どのようなものであってもかまわない。
続いて、ステップS20「主領域定義段階」が行われる。すなわち、ホログラム記録面上に、第1の主領域M1、第2の主領域M2、中間主領域Mmという3つの主領域が定義される。ここで、第1の主領域M1および第2の主領域M2は、互いに空間的に離隔して配置された領域であり、中間主領域Mmは、この第1の主領域M1と第2の主領域M2との間に配置され、かつ、第1の主領域M1と第2の主領域M2との双方に接する領域である。
図4(c) には、ホログラム記録面Rec上に、3つの主領域M1,Mm,M2を定義した例が示されている。具体的には、矩形状のホログラム記録面Recを、横幅L1,Lm,L2をもつ3つの矩形領域に分割し、それぞれを第1の主領域M1、中間主領域Mm、第2の主領域M2としている。第1の主領域M1と中間主領域Mmとは、第1の境界線C1を隔てて接しており、中間主領域Mmと第2の主領域M2とは、第2の境界線C2を隔てて接している。第1の主領域M1は、図4(a) に示す第1の原画像Pic(A)を記録するための領域であり、第2の主領域M2は、図4(b) に示す第2の原画像Pic(B)を記録するための領域である。また、中間主領域Mmは、これら両原画像を滑らかに融合した状態で記録するための領域である。
次に、ステップS30「帯状領域定義段階」が行われる。ここで定義される帯状領域は、中間主領域Mmを分割することにより得られ、主領域に対して副領域というべき領域である。図5は、図4(c) に示す記録面Recにおける中間主領域Mmを、複数の帯状領域f1〜f6に分割した状態を示す平面図である。各帯状領域f1〜f6は、いずれも細長い矩形領域であり、その長手方向は、いずれも垂直方向となっている。別言すれば、個々の帯状領域f1〜f6は、いずれも細長い帯状の領域であり、しかもその長手方向が、第1の境界線C1もしくは第2の境界線C2に沿った方向になっている。このように、本発明において定義される帯状領域は、中間主領域Mmを分割することにより得られる細長い帯状の領域であって、第1の主領域M1と中間主領域Mmとの境界に位置する第1の境界線C1もしくは中間主領域Mmと第2の主領域M2との境界に位置する第2の境界線C2にほぼ沿った方向に伸びるという特徴を有する。また、各帯状領域の配置および幅に関しても重要な特徴を有しているが、これについては後述する。
なお、第1の主領域M1,第2の主領域M2,個々の帯状領域f1〜f6には、後述するように、干渉縞パターン・回折格子パターン・散乱構造パターンのいずれかを記録することになる。したがって、上記各領域は、これらの各パターンを記録するのに十分な面積を有している必要がある。また、ステップS20,S30において各領域が定義されたホログラムの記録面Recは、この段階では、まだ概念上の幾何学的な記録面にすぎない。図3に示されている各ステップのうち、ステップS50「記録パターン作成段階」までは、実際には、コンピュータの内部で行われる処理であり、ステップS20における主領域定義段階の処理や、ステップS30における帯状領域定義段階の処理も、実際には、コンピュータ上での概念的な記録面上に、個々の領域を設定する処理ということになる。
次に、ステップS40「属性付与段階」が行われる。この段階では、第1の主領域M1には第1の記録属性Aを付与し、第2の主領域M2には第2の記録属性Bを付与し、中間主領域Mmには個々の帯状領域f1〜f6ごとにそれぞれ第1の記録属性Aおよび第2の記録属性Bのいずれか一方を付与する処理が行われる。ここで、記録属性とは、ステップS10「原画像準備段階」で準備された第1の原画像Pic(A)と第2の原画像Pic(B)とのいずれを記録するかを示すパラメータである。第1の記録属性Aは、第1の原画像Pic(A)を記録すべき領域であることを示し、第2の記録属性Bは、第2の原画像Pic(B)を記録すべき領域であることを示している。
図6は、図5に示す記録面Recの各領域に対して2通りの記録属性A,Bのいずれかを付与した状態を示す平面図である。図において、斜線によるハッチングを施した領域は、第1の記録属性Aが付与された領域であり、ドットによるハッチングを施した領域は、第2の記録属性Bが付与された領域である。第1の主領域M1には第1の記録属性A(斜線によるハッチングで示す)を付与し、第2の主領域M2には第2の記録属性B(ドットによるハッチングで示す)を付与することは既に述べたとおりである。そして、中間主領域Mmについては、これを構成する個々の帯状領域について、第1の記録属性Aと第2の記録属性Bとを交互に付与している。より具体的には、第1の主領域M1に接している帯状領域f1から、第2の主領域M2に接している帯状領域f6へ向かって、各帯状領域を順番に数えたときに、奇数番目の帯状領域f1,f3,f5には第2の記録属性Bを付与し、偶数番目の帯状領域f2,f4,f6には第1の記録属性Aを付与するようにすればよい。
さて、こうして各領域に対する属性付与の処理が完了したら、図3の流れ図に示されているステップS50「記録パターン作成段階」が実行される。この段階では、第1の記録属性Aが付与された領域については、第1の原画像Pic(A)に基づく干渉縞パターン・回折格子パターン・散乱構造パターンを求め、第2の記録属性Bが付与された領域については、第2の原画像Pic(B)に基づく干渉縞パターン・回折格子パターン・散乱構造パターンを求め、最終的に、記録面Rec上に形成される所定の記録パターンを示すデータを作成する処理が実行される。
図3の最後のステップS60「媒体形成段階」では、ステップS50で作成された記録面Rec上の記録パターンデータに基づいて、当該記録パターンを物理的な媒体上に形成する処理が行われる。前述したとおり、ステップS50までの手順は、コンピュータ上で行われる処理であるが、ステップS60の手順は、このコンピュータ上の処理で作成された記録パターンデータを用いて、実際の物理的な媒体上に、干渉縞パターンや回折格子パターンを形成する処理手順ということになる。具体的には、作成された記録パターンデータを電子線描画装置などに送信し、物理的な媒体を作成する工程が実行される。このような物理的なホログラム記録媒体を形成するための具体的な方法は、既に公知の技術であるので、ここでは詳しい説明は省略する。
図7は、図5に示す記録面の個々の領域に、図4(a) ,(b) に示す原画像を記録したホログラム記録媒体において、個々の領域上に再生される原画像の一例を示す平面図である。前述したとおり、第1の主領域M1および偶数番目の帯状領域f2,f4,f6には第1の記録属性Aが付与されているため、図4(a) に示す自動車のモチーフからなる第1の原画像Pic(A)が記録されることになり、これらの各領域からは、自動車のモチーフが再生される。これに対して、第2の主領域M2および奇数番目の帯状領域f1,f3,f5には第2の記録属性Bが付与されているため、図4(b) に示す立体文字のモチーフからなる第2の原画像Pic(B)が記録されることになり、これらの各領域からは、立体文字「PAT」のモチーフが再生される。
以上、図3の流れ図を参照しながら、本発明に係るホログラム記録媒体の作成方法の基本手順を説明した。ここで、ステップS30「帯状領域定義段階」における帯状領域の定義方法は非常に重要であり、定義された帯状領域f1〜f6の配置および幅は、重要な特徴を有している。この重要な特徴を、§2以降で説明する。
<<< §2. 各帯状領域の構成 >>>
ここでは、図5に示す中間主領域Mmを構成する帯状領域f1〜f6の特徴を考えてみよう。図5に示すとおり、記録面Rec上には、第1の主領域M1,中間主領域Mm,第2の主領域M2が横方向にこの順に並んで配置されている。そして、各帯状領域f1〜f6は、中間主領域Mmを縦方向に分割することにより得られる縦方向に細長い帯状の領域であり、第1の境界線C1もしくは第2の境界線C2に沿った方向に伸びている。
また、第1番目の帯状領域f1の左側の輪郭線(境界線C1に重なる)は、第1の主領域M1のみに接し、右側の輪郭線は第2番目の帯状領域f2のみに接している。そして、第2番目の帯状領域f2の左側の輪郭線は、第1番目の帯状領域f1のみに接しており、同様に、第3番目の帯状領域f3の左側の輪郭線は、第2番目の帯状領域f2のみに接しており、......というように、各帯状領域が順に並んでいる。すなわち、帯状領域の総数を2n個とすると(図示の例では、n=3だが、nは2以上の整数であればよい)、1<i<2nの範囲内のiについて、第i番目の帯状領域の左側の輪郭線は第(i−1)番目の帯状領域のみに接し、右側の輪郭線は第(i+1)番目の帯状領域のみに接する状態となっている。また、第2n番目の帯状領域f6の左側の輪郭線は第(2n−1)番目の帯状領域f5のみに接し、右側の輪郭線は第2の主領域M2のみに接している。要するに、第1の主領域M1側から、第2の主領域M2側に向かって、個々の帯状領域が1つずつ順に連結されるように配置されている。
結局、本発明では、中間主領域Mmは、第1の主領域M1に接する第1番目の帯状領域と、第i番目の帯状領域に接する第(i+1)番目の帯状領域と(但し、i=1〜2n−2、nは2以上の整数)、第(2n−1)番目の帯状領域と第2の主領域M2とに接する第2n番目の帯状領域と、からなる合計2n個の帯状領域に分割されることになる。図5は、n=3に設定した例である。
ここで、各帯状領域f1〜f6の幅に着目してみる。図8は、図5に示す各帯状領域f1〜f6の幅に関する特徴を示す平面図である。図8に示す幅W1〜W6は、それぞれ帯状領域f1〜f6の幅を示している。そこで、まず、奇数番目の帯状領域f1,f3,f5の幅W1,W3,W5に着目すると、右へゆくほど幅が徐々に大きくなっていることがわかる。これに対して、偶数番目の帯状領域f2,f4,f6の幅W2,W4,W6に着目すると、右へゆくほど徐々に幅が小さくなっていることがわかる。このように、本発明における帯状領域の幅に関する条件を一般論として定義すれば、次のような条件(a)を定義することができる。
条件(a) :奇数番目の帯状領域の幅が第1の主領域M1から第2の主領域M2へ向かうに従って徐々に増加し、偶数番目の帯状領域の幅が第1の主領域M1から第2の主領域M2へ向かうに従って徐々に減少する。
ステップS30「帯状領域定義段階」において、上記条件(a) を満たすように、各帯状領域を定義すると、最終的に得られるホログラム記録媒体の中間主領域Mmによって、2つの原画像を滑らかに融合させる再生効果が得られる。
図7には、図5に示す記録面の個々の領域に、図4(a) ,(b) に示す原画像を記録したホログラム記録媒体において、個々の領域上に再生される原画像の一例を示した。本願出願書類の図面上には、ホログラム記録媒体を表現することはできないので、この図7は、実際のホログラム記録媒体の観察態様を示すものではない。したがって、図7を見る限り、隣接した2つの画像、すなわち、自動車のモチーフと立体文字「PAT」のモチーフとが、境界部分(中間主領域Mm)で滑らかに融合した状態には見えない。しかしながら、実際のホログラム記録媒体では、両モチーフがその境界部分で滑らかに融合したように観察される。すなわち、左から右へゆくにしたがって、第1のモチーフ(自動車)から第2のモチーフ(立体文字)へと徐々に変化してゆくような自然な表現が可能になる。
本発明のユニークな点は、通常の画像(干渉縞パターン・回折格子パターン・散乱構造パターンといったホログラムの形式ではない画像)を図7に示す態様で物理的な媒体に記録しても、十分な融合効果は得られないが、ホログラム画像(干渉縞パターン・回折格子パターン・散乱構造パターンで記録された画像)を図7に示す態様で物理的な媒体に記録すると、極めて顕著な視覚的融合効果が得られる、という事実に着眼した点である。中間主領域Mmにおいて両モチーフが滑らかに融合する効果は、各帯状領域の幅を狭く設定した方が顕著に現われるが、各帯状領域の幅がある程度広くても、本発明ではホログラム画像を記録するため、通常の画像を記録した場合に比べて十分な融合効果が得られるのである。本願発明者は、記録領域のサイズが28mm×28mmのサンプル媒体を用いて、2つのモチーフをそれぞれ干渉縞パターンによるホログラム画像として記録する実験を行ったが、帯状領域の最大幅が3mm程度までなら、中間主領域における十分な融合効果が認められた。
ホログラム画像を図7に示す態様で記録した場合、観察者のイメージとしては、図2に示すように、左側に配置された自動車のモチーフから、右側に配置された立体文字「PAT」のモチーフへと、空間的に徐々に変化してゆくように見えるのである。観察者の感覚として、通常の画像の場合は図7のように観察され、ホログラム画像の場合は図2のように観察される理由についての詳しい解析は、現段階ではなされていないが、後者の場合は、記録媒体表面において光の干渉、回折、散乱現象が生じることになり、これらの光学現象が観察者の観察態様に特有の効果を生じさせ、両モチーフが境界部分において滑らかに融合するような視覚効果が生まれるのではないかと、本願発明者は考えている。たとえば、図7における帯状領域f2,f4,f6に、自動車のモチーフが三次元ホログラム像として記録されていた場合、図7では帯状領域f1,f3,f5で隠されてしまっているように見える自動車の一部分も、実際の両眼による観察環境では、視点の左右方向への移動等により視認することができる。本発明では、このような現象が生じることにより、両モチーフが滑らかに融合するような視覚効果が生まれるものと考えられる。
本願発明者が行った実験によると、このような融合効果を生じさせるための帯状領域の幅に関する条件は、上述した条件(a) だけではないことが判明した。具体的には、次のような条件(b) または(c) を満足するような幅設定を行った場合にも、両モチーフが滑らかに融合するような視覚効果を得ることができた。
条件(b) 奇数番目の帯状領域の幅が第1の主領域から第2の主領域へ向かうに従って徐々に増加し、偶数番目の帯状領域の幅はほぼ一定を維持する。
条件(c) 偶数番目の帯状領域の幅が第1の主領域から第2の主領域へ向かうに従って徐々に減少し、奇数番目の帯状領域の幅はほぼ一定を維持する。
図9は、中間主領域Mmを構成する帯状領域f1〜f6の幅に関して条件(b) を適用した例を示す平面図であり、図10は、条件(c) を適用した例を示す平面図である。図9の例では、偶数番目の帯状領域f2,f4,f6の幅W2,W4,W6は等しく設定されているため、自動車のモチーフが記録される帯状領域はすべて同じ幅を有することになるが、奇数番目の帯状領域f1,f3,f5の幅W1,W3,W5が徐々に増加する設定になっているため、立体文字のモチーフが記録される帯状領域の幅が徐々に増加し、結果的に、滑らかに融合するような視覚効果が生まれることになる。
一方、図10の例では、奇数番目の帯状領域f1,f3,f5の幅W1,W3,W5は等しく設定されているため、立体文字のモチーフが記録される帯状領域はすべて同じ幅を有することになるが、偶数番目の帯状領域f2,f4,f6の幅W2,W4,W6が徐々に減少する設定になっているため、自動車のモチーフが記録される帯状領域の幅が徐々に減少し、結果的に、滑らかに融合するような視覚効果が生まれることになる。
結局、図3の流れ図のステップS30「帯状領域定義段階」では、上述した条件(a),(b),(c)のいずれかが満足されるように、個々の帯状領域の幅を設定すればよいことになる。
なお、これまで述べた例では、図5に示すように、ステップS20「主領域定義段階」で、横方向に隣接配置された3つの矩形領域によって、それぞれ第1の主領域M1、中間主領域Mm、第2の主領域M2を定義し、ステップS30「帯状領域定義段階」で、中間主領域Mmを構成する矩形を横方向に2n分割して(図示の例では、n=3)、縦長の帯状領域の定義を行っていた。このように、ステップS20「主領域定義段階」で、第1の境界線C1および第2の境界線C2が互いに平行な直線になるように、各主領域M1,M2,Mmの定義を行った場合は、ステップS30「帯状領域定義段階」で、第1の境界線C1および第2の境界線C2に対して平行な2辺を側方輪郭線とする帯状領域の定義を行えばよい。
もっとも、本発明を実施する上で、各主領域M1,M2,Mmの境界線C1,C2や、各帯状領域の輪郭線は、必ずしも直線である必要はない。第1の主領域M1と第2の主領域M2とは、互いに空間的に離隔して配置された領域となり、中間主領域Mmは、これらの間に配置され、両者に接する領域となっていれば足り、また、各帯状領域は、この中間主領域を分割して得られる領域であり、境界線C1もしくはC2にほぼ沿った方向に伸びる細長い領域になっていれば足りる。
図11は、記録面Rec上に定義する3つの主領域M1,Mm,M2の境界線C1,C2に曲線を用いた例を示す平面図である。ここで、第1の境界線C1と第2の境界線C2とは、平行移動によって相互に重なるように同一形状の線から構成されている。ステップS20「主領域定義段階」において、図11に示すような境界線C1,C2によって、3つの主領域M1,Mm,M2を定義した場合は、ステップS30「帯状領域定義段階」では、第1の境界線C1および第2の境界線C2に対して平行移動によって重なる同一形状の線からなる2辺を側方輪郭線とする帯状領域の定義を行えばよい。図示の例では、記録面Recの横方向に座標軸Xを定義し、任意曲線からなる第1の境界線C1を定義した後、この第1の境界線C1を座標軸Xに沿って所定距離だけ右方向へ平行移動することにより、第2の境界線C2の定義を行っている。
図12は、図11に示す記録面Recにおける中間主領域Mmを複数の帯状領域f1〜f6に分割し、各領域に対して2通りの記録属性のいずれかを付与した状態を示す平面図である。斜線によるハッチング領域が第1の記録属性Aが付与された領域を示し、ドットによるハッチング領域が第2の記録属性Bが付与された領域を示す。各帯状領域f1〜f6の側方輪郭線は、いずれも図11に示す第1の境界線C1(あるいは、第2の境界線C2でもよい)を、X軸方向に所定距離だけ平行移動することにより得られる線であり、第1の境界線C1および第2の境界線C2と同一形状の線である。
ここで、各帯状領域f1〜f6の幅は、前述した条件(a) を満足するような設定がなされている。具体的には、各帯状領域f1〜f6の側方輪郭線間のX軸方向に関する距離を当該帯状領域の幅としたときに、前述した条件(a) が満足されるような設定がなされている。こうして定義された各帯状領域f1〜f6は、曲線からなる輪郭線を有する領域であるが、境界線C1もしくはC2にほぼ沿った方向に伸びる細長い領域になっており、しかも幅に関して条件(a) が満たされている。したがって、付与された各記録属性に基づいて原画像の選択的な記録を行えば、図7に示す実施形態と同様に、両モチーフが境界部分において滑らかに融合するような視覚効果を生じさせることができる。なお、幅に関する条件としては、前述した条件(b) や条件(c) を用いてもかまわない。
続いて、図4(c) に示す中間主領域Mmを分割して、図5に示すような複数の帯状領域f1〜f6を定義したり、図11に示す中間主領域Mmを分割して、図12に示す複数の帯状領域f1〜f6を定義するための具体的な一手法を例示しておく。
この手法では、まず、特定の特徴をもった数列を定義し、その数列を構成する個々の数値を利用して、各帯状領域の幅を定義する。図13は、図8に示す条件(a) に応じた帯状領域の寸法を設定するために用いる数列aおよび各帯状領域の幅W1〜W6を算出する式を示す図である。数列aは、奇数番目の数が単調増加してゆき、偶数番目の数が単調減少してゆく2n個の数Gi(但し、i=1〜2n、nは2以上の整数)からなる数列であり、図示の例では、「3,11,6,6,11,3」という6個の数(n=3の例に対応)からなる数列が例示されている。
この数列aの奇数番目の数は、「3,6,11」と単調増加しており、偶数番目の数は、「11,6,3」と単調減少している。図示の例の場合、奇数番目の数も偶数番目の数も、いずれも「3,6,11」という3つの数字から構成されているが、必ずしも奇数番目の数の構成と偶数番目の数の構成とを同じにする必要はない。また、増加や減少の幅も、必ずしも均一にする必要はなく、部分的に増加や減少の幅が0になる部分が含まれていてもかまわない。
このような数列が定義されたら、この数列を構成する数の総和をSUMとしたときに、第i番目の帯状領域の幅Wiが、Wi=Lm×Gi/SUMとなるように、各帯状領域を定義すればよい。ここで、Lmは、全帯状領域の幅の総和となるべき寸法値であり、中間主領域Mmの幅に相当する。たとえば、第1番目の帯状領域f1の幅W1は、図13に記載されているとおり、W1=Lm×G1/SUMで求めることができる。図示の数列aの場合、G1=3,SUM=40であるから、W1=Lm×3/40で求まる。幅W2〜W6についても同様である。図8に示す各幅W1〜W6(条件(a) を満たす幅)は、このような演算によって求めることができる。
一方、図14に示す数列bは、図9に示す各幅W1〜W6(条件(b) を満たす幅)を求めるための数列であり、奇数番目の数が「3,6,11」と単調増加してゆき、偶数番目の数が同一値「7」をとる2n個の数Gi(但し、i=1〜2n、nは2以上の整数:図示の例では、n=3)からなる数列になっている。同様に、図14に示す数列cは、図10に示す各幅W1〜W6(条件(c) を満たす幅)を求めるための数列であり、偶数番目の数が「11,6,3」と単調減少してゆき、奇数番目の数が同一値「7」をとる2n個の数Gi(但し、i=1〜2n、nは2以上の整数:図示の例では、n=3)からなる数列になっている。
このように、数列を利用して各帯状領域の幅を定義する場合には、結局、ステップS30「帯状領域定義段階」で、以下の数列a,数列b,数列cのいずれかを定義し、
<数列a>:奇数番目の数が単調増加してゆき、偶数番目の数が単調減少してゆく2n個の数Gi(但し、i=1〜2n、nは2以上の整数)からなる数列、
<数列b>:奇数番目の数が単調増加してゆき、偶数番目の数が同一値をとる2n個の数Gi(但し、i=1〜2n、nは2以上の整数)からなる数列、
<数列c>:偶数番目の数が単調減少してゆき、奇数番目の数が同一値をとる2n個の数Gi(但し、i=1〜2n、nは2以上の整数)からなる数列、
中間主領域の全幅をLmとし、定義した数列を構成する数の総和をSUMとしたときに、第i番目の帯状領域の幅Wiが、Wi=Lm×Gi/SUMとなるように、帯状領域の定義を行うようにすればよい。たとえば、1画素の幅を10μmに設定し、n=5、Lm=129画素×10μm=1.29mmとし、各帯状領域の幅Wiを、画素数×10μmで表現したとすると、
W1=5×10μm=0.05mm、W2=14×10μm=0.14mm
W3=12×10μm=0.12mm、W4=10×10μm=0.1mm
W5=17×10μm=0.17mm、W6=7×10μm=0.07mm
W7=24×10μm=0.24mm、W8=7×10μm=0.07mm
W9=27×10μm=0.27mm、W10=6×10μm=0.06mm
のような寸法設定を行った結果、本発明の実施例として良好な結果が得られた。
<<< §3. 角度による帯状領域幅の定義 >>>
§2で述べた実施形態は、個々の帯状領域の幅Wを所定の寸法値として与えた例であるが、本発明において、帯状領域の幅は、必ずしも寸法値として与える必要はなく、角度として与えることも可能である。また、帯状領域の形状も、矩形に限定されるわけではない。以下に、帯状領域の幅を角度として与える実施形態を例示する。
図15は、記録面Rec上に第1の主領域M1,第2の主領域M2,中間主領域Mmを定義した実施形態の平面図である。この実施形態では、まず、ステップS20「主領域定義段階」において、所定の基準点Qを端点とする第1の境界用半直線H1および第2の境界用半直線H2を定義し、第1の境界用半直線H1の一部分の区間が第1の境界線C1となり、第2の境界用半直線H2の一部分の区間が第2の境界線C2となるように、各主領域の定義を行う。図示の例では、第1の境界用半直線H1と第2の境界用半直線H2とは、基準点Qにおいて角度φをなしており、その結果、第1の境界線C1と第2の境界線C2とは、その延長線が角度φで交わる直線となっている。
この場合、ステップS30「帯状領域定義段階」では、基準点Qを端点とし、第1の境界用半直線H1と第2の境界用半直線H2との間に位置する(2n−1)本の分割用半直線を定義し、個々の分割用半直線により中間主領域Mmを分割して2n個の帯状領域の定義を行うようにすればよい。図16は、図15に示す記録面Recにおける中間主領域Mmを6個(n=3に相当)の帯状領域f1〜f6に分割し、各領域に対して2通りの記録属性のいずれかを付与した状態を示す平面図である。やはり斜線によるハッチング領域が第1の記録属性Aが付与された領域を示し、ドットによるハッチング領域が第2の記録属性Bが付与された領域を示す。
図16に示されている5本の半直線h1〜h5は、中間主領域Mmを6分割するための分割用半直線であり、いずれも基準点Qを端点としている。第1の境界用半直線H1と第2の境界用半直線H2との間に、この分割用半直線h1〜h5を定義することにより、中間主領域Mmは6個の帯状領域f1〜f6に分割される。このような方法で定義された帯状領域f1〜f6の形状は、矩形にはならないが、第1の境界線C1もしくは第2の境界線C2にほぼ沿った方向に伸びる細長い形状になり、その幅は、各帯状領域f1〜f6の側方輪郭線を構成する半直線の交差角θ1〜θ6として定義することができる。たとえば、帯状領域f1の幅は、第1の境界用半直線H1と分割用半直線h1との交差角θ1として定義することができ、帯状領域f2の幅は、分割用半直線h1と分割用半直線h2との交差角θ2として定義することができる。
本願発明者が行った実験によると、このように角度として帯状領域の幅を定義する実施形態においても、前述した条件(a),(b),(c)のいずれかの条件が満足されるような設定を行えば、両モチーフが滑らかに融合するような視覚効果を得ることができた。たとえば、図16に示す例は、条件(a) を満たすような幅(角度)の設定を行うことにより、6個の帯状領域f1〜f6を定義した例である。この例の場合、奇数番目の帯状領域f1,f3,f5の幅、すなわち角度θ1,θ3,θ5は、第1の主領域M1から第2の主領域M2へ向かうに従って徐々に増加し、偶数番目の帯状領域f2,f4,f6の幅、すなわち角度θ2,θ4,θ6は、第1の主領域M1から第2の主領域M2へ向かうに従って徐々に減少している。
なお、角度として帯状領域の幅を定義する実施形態を採る場合、第1の境界線C1や第2の境界線C2、そして各帯状領域の側方輪郭線は、必ずしも直線にする必要はなく、曲線からなる任意形状にすることも可能である。以下に、その具体的な実施形態を説明する。
この実施形態では、まず、ステップS20「主領域定義段階」で、所定の半直線を基準として形状および位置が定まる特定形状線を定義する。図17は、半直線Hを基準として形状および位置が定まる特定形状線Uの一例を示す平面図である。このような特定形状線Uは、たとえば、正弦波曲線のように数式で定義してもよいし、半直線Hを基準として特定の座標値をもつ点の集合体として定義してもよい。
続いて、図15に示すように、所定の基準点Qを端点として、記録面Recを通る第1の境界用半直線H1および第2の境界用半直線H2を定義し、第1の境界用半直線H1を基準とする特定形状線Uの一部分の区間が第1の境界線C1となり、第2の境界用半直線H2を基準とする特定形状線Uの一部分の区間が第2の境界線C2となるように、各主領域の定義を行う。別言すれば、図15に示す半直線H1上に、図17に示す半直線Hを、基準点Qが一致するように重ね合わせ、そのときの記録面Rec上の特定形状線Uを第1の境界線C1と定義し、同様に、図15に示す半直線H2上に、図17に示す半直線Hを、基準点Qが一致するように重ね合わせ、そのときの記録面Rec上の特定形状線Uを第2の境界線C2と定義するのである。
一方、ステップS30「帯状領域定義段階」では、基準点Qを端点とし、第1の境界用半直線H1と第2の境界用半直線H2との間に位置する(2n−1)本の分割用半直線を定義し(図16に示す分割用半直線h1〜h5と同じ)、個々の分割用半直線を基準とする特定形状線Uにより中間主領域Mmを分割して帯状領域の定義を行うようにする。図18は、図16に示す記録面Recにおける各領域間の境界線として、図17に示す特定形状線Uを用いた例を示す平面図である。要するに、図16に示す分割用半直線h1〜h5の上に、図17に示す半直線Hを、基準点Qが一致するように重ね合わせ、そのときの記録面Rec上の特定形状線Uを、各帯状領域f1〜f6の輪郭線と定義するのである。
このときも、各帯状領域f1〜f6について、両側の輪郭線を含む一対の特定形状線Uの元になった一対の半直線の交差角を当該帯状領域の幅としたときに、前述した条件(a),(b),(c)のいずれかの条件が満足されるような設定を行うようにする。たとえば、図18に示す領域f1の両側の輪郭線を含む一対の特定形状線Uの元になった一対の半直線は、図16に示す半直線H1とh1であるから、これら両半直線の交差角θ1が、領域f1の幅を示すパラメータということになる。同様に、図18に示す帯状領域f2〜f6の幅は、図16に示す交差角θ2〜θ6によって示される。したがって、奇数番目の帯状領域f1,f3,f5の幅、すなわち角度θ1,θ3,θ5は、第1の主領域M1から第2の主領域M2へ向かうに従って徐々に増加し、偶数番目の帯状領域f2,f4,f6の幅、すなわち角度θ2,θ4,θ6は、第1の主領域M1から第2の主領域M2へ向かうに従って徐々に減少するように設定すれば、前述した条件(a) が満たされることになる。図18は、このような設定を行った例であり、このような帯状領域の設定を行った場合も、両モチーフが滑らかに融合するような視覚効果を得ることができる。
なお、角度により帯状領域の幅の定義を行う場合も、数列を利用して各帯状領域の幅を定義することができる。すなわち、ステップS30「帯状領域定義段階」で、以下の数列a,数列b,数列cのいずれかを定義し、
<数列a>:奇数番目の数が単調増加してゆき、偶数番目の数が単調減少してゆく2n個の数Gi(但し、i=1〜2n、nは2以上の整数)からなる数列、
<数列b>:奇数番目の数が単調増加してゆき、偶数番目の数が同一値をとる2n個の数Gi(但し、i=1〜2n、nは2以上の整数)からなる数列、
<数列c>:偶数番目の数が単調減少してゆき、奇数番目の数が同一値をとる2n個の数Gi(但し、i=1〜2n、nは2以上の整数)からなる数列、
第1の境界用半直線と第2の境界用半直線との交差角をφとし、定義した数列を構成する数の総和をSUMとしたときに、第i番目の帯状領域の幅θiが、θi=φ×Gi/SUMとなるように、帯状領域の定義を行うようにすればよい。
<<< §4. 包含相似図形による帯状領域の定義 >>>
これまで述べてきた実施形態では、記録面Recの左方に第1の主領域M1を配置し、記録面Recの右方に第2の主領域M2を配置し、その中間に、中間主領域を配置していた。この§4および後続する§5では、ステップS20「主領域定義段階」で、第1の主領域M1の周囲を取り囲むように中間主領域Mmを定義し、この中間主領域Mmの周囲を取り囲むように第2の主領域M2を定義する形態を述べる。いわば、互いに包含関係にある図形を用いて、3つの主領域M1,Mm,M2の定義を行うことになる。
この場合、ステップS30「帯状領域定義段階」では、第1の主領域M1の周囲を取り囲むように第1番目の環状の帯状領域を定義し、第i番目の環状の帯状領域の周囲を取り囲むように第(i+1)番目の環状の帯状領域を定義し(但し、i=1〜2n−1、nは2以上の整数)、第2の主領域M2が第2n番目の環状の帯状領域の周囲を取り囲むようにすればよい。いわば、互いに包含関係にある入れ子構造の図形を用いて、それぞれの環状の帯状領域が定義されることになる。
この§4では、このような包含関係にある入れ子構造の図形を用いる例のうち、すべての図形に相似図形を用いた実施形態を説明する。まず、最も単純な例として、円を入れ子構造にした例を述べる。
図19は、記録面Rec上に2つの同心円を配置することにより、3つの主領域を定義した実施形態の平面図である。すなわち、内側の円(第1の境界線C1)の内部の領域が第1の主領域M1となり、外側の円(第2の境界線C2)の外部の領域が第2の主領域M2となり、両円の間のワッシャ状の領域が中間主領域Mmとなる。したがって、この実施形態の場合、ステップS20「主領域定義段階」は、記録面Rec上に2つの大きさの異なる同心円を配置する作業により実行される。
一方、ステップS30「帯状領域定義段階」では、図19に示す中間主領域Mmを複数の環状の帯状領域に分割する作業が行われるが、この作業も、記録面Rec上に大きさの異なる複数の同心円を配置する作業により実行される。図20は、このような作業により、中間主領域Mmを6個の環状の帯状領域f1〜f6に分割した状態を示す平面図である。各帯状領域f1〜f6は、いずれもワッシャ状の円環状領域であり、内側輪郭線も外側輪郭線も円形をしており、これら各円は同心円となっている。図21は、図20に示す記録面Recの各領域に対して2通りの記録属性のいずれかを付与した状態を示す平面図である。黒い領域は第1の記録属性Aが付与された領域であり、白い領域は第2の記録属性Bが付与された領域である。
図21には、6個の帯状領域f1〜f6(黒または白で塗りつぶしてある)の形状が明瞭に示されている。各帯状領域f1〜f6は、図19に示す第1の境界線C1もしくは第2の境界線C2に沿った方向に伸びる細長い領域を構成している。しかも、各帯状領域f1〜f6の幅(隣接する同心円の半径方向の幅の差)に着目すると、前述した条件(a) を満たしている。具体的には、各帯状領域f1〜f6の幅をW1〜W6とすれば、W1:W2:W3:W4:W5:W6=3:11:6:6:11:3になっており、図13に示す数列aに基づいて設定された幅になっている。
図22は、図21に示す記録面Rec上の円形輪郭線を正方形輪郭線に変更した例を示す平面図である。この場合、個々の帯状領域は、いずれも額縁状の方環状領域になり、記録面Rec上に大きさの異なる複数の正方形を、その中心位置を重ねて配置することにより構成することができる。このように、本願における「環状」とは、必ずしも「円環状」に限定されず、「方環状」や「任意形状の輪」も含むものである。
図21の例や図22の例において、第1の記録属性Aが付与された領域(黒い領域)には、第1の原画像のモチーフが記録され、第2の記録属性Bが付与された領域(白い領域)には、第2の原画像のモチーフが記録される点は、§3までに述べた実施形態と全く同様である。
以上、円もしくは正方形を入れ子構造とすることにより、記録面Rec上に各領域を形成した例を述べたが、入れ子構造とする図形は、円や正方形に限定されるものではなく、任意形状の図形を用いることができる。そこで、以下、一般例として、ハート型図形を用いた例を述べる。
いま、図23に示すようなハート型図形Sを定義し、その内部に基準点Qを定義する。ここでは、このハート型図形をサンプル図形Sと呼ぶことにする。ここでは、ハート型のサンプル図形Sを用いた例を示すが、サンプル図形Sは閉じた輪郭線をもった図形であれば、どのような図形であってもかまわない。また、基準点Qは、このサンプル図形Sの内部もしくは輪郭線上に位置する任意の点として定義すればよい。実用上は、サンプル図形Sについての基準点Qを、当該サンプル図形Sの重心点位置に定義するのが好ましい。
ステップS20「主領域定義段階」では、このようなサンプル図形Sと基準点Qとを定義した上で、3つの主領域の定義を行う。図24は、図23に示すサンプル図形Sを利用して、記録面Rec上に包含関係を有する3つの主領域M1,Mm,M2を定義した実施形態の平面図である。このような定義を行うためには、まず、図23に示すサンプル図形Sをα倍して得られる第1の基本図形Sαおよびこれに対応する基準点Qを求め、更に、同じサンプル図形Sをβ倍(但し、α<β)して得られる第2の基本図形Sβおよびこれに対応する基準点Qを求める。なお、ここで言う「倍率」は、一次元方向に関する寸法の倍率である(面積の倍率は、その2乗になる)。そして、第1の基本図形Sαと第2の基本図形Sβとをそれぞれの基準点Qが重なるように、記録面Rec上で重ね合わせればよい。そうすれば、図24に示すように、第1の基本図形Sαの内側領域を第1の主領域M1とし、第2の基本図形Sβの外側領域を第2の主領域M2とし、第1の基本図形Sαの外側かつ第2の基本図形Sβの内側に位置する領域を中間主領域Mmとすることができる。
なお、第1の基本図形Sαの内側領域全体を第1の主領域M1とする代わりに、その一部を第1の主領域M1とすることもできる。同様に、第2の基本図形Sβの外側領域全体を第2の主領域M2とする代わりに、その一部を第2の主領域M2とすることもできる。また、第1の基本図形Sαの外側かつ第2の基本図形Sβの内側に位置する領域全体を中間主領域Mmとする代わりに、その一部を中間主領域Mmとすることもできる。たとえば、図24に示す例において、基準点Qを通る垂直な線により記録面Recを左右に二分割し、図示の記録面Rec全体の代わりに、その右側半分だけを記録面として利用するような形態も可能である。この場合、第1の基本図形Sαの内側領域の右半分が第1の主領域M1となり、第2の基本図形Sβの外側領域の右半分が第2の主領域M2となり、第1の基本図形Sαの外側かつ第2の基本図形Sβの内側に位置する領域の右半分が中間主領域Mmとなる。あるいは、図24に示す例において、基準点Qを中心とする小さな円を第1の基本図形Sαの内部に描き、この円内は、各主領域M1,M2,Mmのいずれにも所属しない領域とするような運用も可能である。この場合、第1の基本図形Sαの内側領域の一部分(上記円内を除く部分)が第1の主領域M1となる。この円内には、いずれの原画像も記録されないので、たとえば、物理的な媒体上では、この円内をくり貫いて円形開口窓として利用するような形態も可能である。もちろん、このような円を、第2の主領域M2内や中間主領域Mm内に配置することもできる。
一方、ステップS30「帯状領域定義段階」では、次のような手順で、個々の帯状領域を定義することができる。まず、α<γ(1)<γ(2)<γ(3)<,…,<γ(2n−1)<βなる条件を満たす合計(2n−1)個の倍率パラメータγ(i)(但し、i=1〜2n−1、nは2以上の整数)を定義し、サンプル図形をそれぞれγ(i)倍して得られる合計(2n−1)個の中間図形を求める。そして、これらの各中間図形を、それぞれの基準点が第1の基本図形Sαおよび第2の基本図形Sβの基準点Qに重なるように重ね合わせ、第1の基本図形Sαの輪郭線と第1番目の中間図形の輪郭線とで挟まれた環状の領域を第1番目の帯状領域と定義し、第i番目の中間図形の輪郭線と第(i+1)番目の中間図形の輪郭線とで挟まれた環状の領域を第(i+1)番目の帯状領域と定義し(但し、i=1〜2n−2、nは2以上の整数)、第(2n−1)番目の中間図形の輪郭線と第2の基本図形Sβの輪郭線とで挟まれた環状の領域を第2n番目の帯状領域と定義すればよい。
たとえば、n=3という具体的な場合を考えてみよう。この場合、α<γ(1)<γ(2)<γ(3)<γ(4)<γ(5)<βなる条件を満たす合計5個の倍率パラメータγ(1),γ(2),γ(3),γ(4),γ(5)を定義する。そして、図23に示すサンプル図形Sをそれぞれγ(1)倍,γ(2)倍,γ(3)倍,γ(4)倍,γ(5)倍して得られる合計5個の中間図形Sγ(1),Sγ(2),Sγ(3),Sγ(4),Sγ(5)を求める。図25は、このようにして求めた5個の中間図形を、第1の基本図形Sα,第2の基本図形Sβとともに示す平面図である。結局、5個の中間図形Sγ(1),Sγ(2),Sγ(3),Sγ(4),Sγ(5)は、第1の基本図形Sαと第2の基本図形Sβとの中間的なサイズの図形ということになる。なお、基準点Qの位置もそれぞれ相似形としての対応位置に求められる。
最後に、これら5個の中間図形を、それぞれの基準点Qが第1の基本図形Sαおよび第2の基本図形Sβの基準点Qに重なるように、記録面Rec上に重ね合わせ、第1の基本図形Sαの輪郭線と第1番目の中間図形Sγ(1)の輪郭線とで挟まれた環状の領域を第1番目の帯状領域f1とし、第1番目の中間図形Sγ(1)の輪郭線と第2番目の中間図形Sγ(2)の輪郭線とで挟まれた環状の領域を第2番目の帯状領域f2とし、第2番目の中間図形Sγ(2)の輪郭線と第3番目の中間図形Sγ(3)の輪郭線とで挟まれた環状の領域を第3番目の帯状領域f3とし、第3番目の中間図形Sγ(3)の輪郭線と第4番目の中間図形Sγ(4)の輪郭線とで挟まれた環状の領域を第4番目の帯状領域f4とし、第4番目の中間図形Sγ(4)の輪郭線と第5番目の中間図形Sγ(5)の輪郭線とで挟まれた環状の領域を第5番目の帯状領域f5とし、第5番目の中間図形Sγ(5)の輪郭線と第2の基本図形Sβの輪郭線とで挟まれた環状の領域を第6番目の帯状領域f6と定義すればよい。
図26は、図24に示す記録面Rec上に、図25に示す5個の中間図形を配置することにより、中間主領域Mmを6個の環状の帯状領域に分割し、各領域に対して2通りの記録属性のいずれかを付与した状態を示す平面図である。黒い領域は第1の記録属性Aが付与された領域であり、白い領域は第2の記録属性Bが付与された領域である。個々の帯状領域はハート型の輪郭に沿った形状をしており、いずれも図24に示す第1の基本図形Sαの輪郭線(第1の境界線C1)もしくは第2の基本図形Sβの輪郭線(第2の境界線C2)にほぼ沿った方向に伸びる細長い領域を形成していることになる。
ところで、このような帯状領域の定義を行う場合も、2つのモチーフを記録した媒体を観察したときに、両モチーフが中間主領域Mmにおいて滑らかに融合するような視覚効果を奏するためには、やはり各帯状領域f1〜f6の幅について、前述した条件(a) ,(b) 、(c) のいずれかが満足されるような設定を行う必要がある。
このような各帯状領域の幅の設定は、やはり数列を利用して行うことができる。すなわち、ステップS30「帯状領域定義段階」で、以下の数列a,数列b,数列cのいずれかを定義し、
<数列a>:奇数番目の数が単調増加してゆき、偶数番目の数が単調減少してゆく2n個の数Gi(但し、i=1〜2n、nは2以上の整数)からなる数列、
<数列b>:奇数番目の数が単調増加してゆき、偶数番目の数が同一値をとる2n個の数Gi(但し、i=1〜2n、nは2以上の整数)からなる数列、
<数列c>:偶数番目の数が単調減少してゆき、奇数番目の数が同一値をとる2n個の数Gi(但し、i=1〜2n、nは2以上の整数)からなる数列、
更に、δ=β−αとし、定義した数列を構成する数の総和をSUMとし、定義した数列の第1番目の数G1から第i番目の数Giまでの和をSiとしたときに、第i番目の倍率パラメータγ(i)が、γ(i)=α+(Si/SUM)δとなるような設定を行えばよい。
たとえば、n=3の場合に、数列aとして、図13に示すような数列「3,11,6,6,11,3」を定義した場合を考えよう。ここでは、倍率パラメータα=1、β=1.4なる値が設定されていたものとしよう(すなわち、図24に示す第1の基本図形Sαは、図23に示すサンプル図形Sと同じサイズ、図24に示す第2の基本図形Sβは、図23に示すサンプル図形Sの1.4倍のサイズということになる)。この場合、δ=1.4−1=0.4であり、SUM=40であるから、第1番目の倍率パラメータγ(1)は、γ(1)=α+(G1/SUM)δ=1+(3/40)×0.4=1.03になる。また、第2番目の倍率パラメータγ(2)は、γ(2)=α+((G1+G2)/SUM)δ=1+(14/40)×0.4=1.14になる。同様の計算で、γ(3)=1.20,γ(4)=1.26,γ(5)=1.37となるので、結局、図25において、第1の基本図形Sαがサンプル図形Sの1倍、第2の基本図形Sβがサンプル図形Sの1.4倍であったとすると、5個の中間図形Sγ(1),Sγ(2),Sγ(3),Sγ(4),Sγ(5)は、サンプル図形Sの1.03倍,1.14倍,1.20倍,1.26倍,1.37倍ということになる。
前述したとおり、ここで言う倍率とは一次元に関する倍率であるから、結局、第1番目の帯状領域f1〜第6番目の帯状領域f6の幅の比は、数列a「3,11,6,6,11,3」に示すとおりの比となり、各幅は条件(a) を満足することになる。もちろん、条件(b) や(c) を満足するような設定を行ってもかまわない。
<<< §5. 異なる包含図形による帯状領域の定義 >>>
§4では、入れ子構造の図形を用いる例のうち、すべての図形に相似図形を用いた実施形態を説明した。ここでは、異なる図形を入れ子構造にして、帯状領域の定義を行う例を説明する。
まず、ステップS20「主領域定義段階」では、閉じた輪郭線をもった第1の基本図形Saと、閉じた輪郭線をもち第1の基本図形Saを包含する第2の基本図形Sbとを定義し、第1の基本図形Saの内側領域を第1の主領域M1とし、第2の基本図形Sbの外側領域を第2の主領域M2とし、第1の基本図形Saの外側かつ第2の基本図形Sbの内側に位置する領域を中間主領域Mmとする。
図27は、このような方法で、記録面Rec上に3つの主領域M1,Mm,M2を定義した具体例を示す平面図である。この例では、第1の基本図形Saは星形多角形であるのに対して、第2の基本図形Sbは円になっている。なお、図24の例でも説明したように、第1の基本図形Saの内側領域全体を第1の主領域M1とする代わりに、その一部を第1の主領域M1とすることもできる。同様に、第2の基本図形Sbの外側領域全体を第2の主領域M2とする代わりに、その一部を第2の主領域M2とすることもできる。また、第1の基本図形Saの外側かつ第2の基本図形Sbの内側に位置する領域全体を中間主領域Mmとする代わりに、その一部を中間主領域Mmとすることもできる。
さて、図24に示す例のように、第1の基本図形Sαと第2の基本図形Sβとが相似形の場合は、各帯状領域の輪郭線も同じ相似形の図形によって構成することが可能である。ところが、図27に示す例のように、第1の基本図形Saと第2の基本図形Sbとが異なる図形の場合は、単なる相似形の図形によって各帯状領域の輪郭線を構成することはできない。
そこで、ステップS30「帯状領域定義段階」では、まず、第1の基本図形Saの内部に基準点Qを定義し、第1の基本図形Saの輪郭線上に複数m個の第1指標点を定義する。図28は、図27に示す基本図形Saについて、基準点Qおよび第1指標点e1〜e12を定義した状態を示す平面図である。基準点Qは、第1の基本図形Saの内部であれば、どの位置に定義してもかまわないが、実用上は、第1の基本図形Saの重心点位置に定義するのが好ましい。
また、図示の例の場合、第1の基本図形Saを構成する星形多角形の個々の頂点を第1指標点e1〜e12としている。このように、第1の基本図形Saとして多角形を用いる場合には、この多角形の個々の頂点を第1指標点とすることにより、簡単な方法で第1指標点を定義することができる。もっとも、第1指標点を定めるためには、この他にも様々な方法を採ることが可能である。以下に、その方法のいくつかを例示する。これらの方法は、第1の基本図形Saが多角形の場合に限定されず、任意の形状の場合に広く適用可能である。
第1の方法は、第1の基本図形Saの輪郭線上に始点を定め、この始点から輪郭線に沿って所定の基準間隔で周期的にプロットした点として第1指標点を定義する方法である。たとえば、「5mm間隔でプロットした点」というように予め定めておけば、輪郭線に沿って5mm間隔で第1指標点をプロットすることができる。
第2の方法は、第1の基本図形Saの輪郭線の全長を複数m等分する分割点を求め、これら分割点を第1指標点とする方法である。たとえば、幾何学的な手法で、輪郭線の全長がZであることが認識できれば、これをm等分した長さはZ/mとなるから、上述した第1の方法と同様に、所定の始点から輪郭線に沿って、Z/mの間隔で周期的にプロットした点として第1指標点を定義すればよい。この第2の方法によれば、第1指標点の間隔は、すべてZ/mの間隔に統一される。
第3の方法は、角度で分割する方法である。すなわち、2以上の整数mについて、360°/mなる角度を隔てて、基準点を端点とするm本の半直線を定義し、このm本の半直線と第1の基本図形Saの輪郭線との交点にそれぞれ第1指標点を定義すればよい。たとえば、m=36に設定すれば、基準点を端点として、互いに10°ずつ隔たった36本の半直線を定義することができるので、これら36本の半直線と第1の基本図形Saの輪郭線との交点として、36個の第1指標点を定義することができる。
さて、こうしてm個の第1指標点の定義が完了したら、基準点Qを端点とし、m個の第1指標点を通るm本の半直線を定義し、このm本の半直線と第2の基本図形Sbの輪郭線との交点にそれぞれ第2指標点を定義する。図29は、図28に示す基準点Qおよび第1指標点e4を用いて、基本図形Sb上に第2指標点E4を定義する方法を示す平面図である。図示のとおり、基準点Qを端点とし、第1指標点e4を通る半直線h4が定義され、この半直線h4と第2の基本図形Sbの輪郭線との交点に第2指標点E4が定義されている。同様の方法で、図28に示す12個の第1指標点e1〜e12のすべてについて、それぞれ対応する第2指標点を求めるようにすれば、図30に示すように、第2の基本図形Sbの輪郭線上に12個の第2指標点E1〜E12を求めることができる。
各帯状領域は、これら第1指標点e1〜e12と第2指標点E1〜E12とを通る各半直線(基準点Qを端点とする半直線)上での幅が、前述した条件(a),(b),(c)のいずれかの条件を満足するように設定される。すなわち、各帯状領域の内側輪郭線と外側輪郭線との間の「上記半直線に沿った距離」を当該半直線上での当該帯状領域の幅としたときに、12本の半直線上のいずれについても、(a),(b),(c)のいずれかの条件が満足されるような定義を行えばよい。
たとえば、図31に示す例の場合、第1指標点e4と第2指標点E4とを通り、基準点Qを端点とする半直線h4上での幅が、前述した条件(a)を満足するような設定がなされている。図示のとおり、半直線h4上に、点q1〜q5をプロットし、点e4/q1間の距離をW1、点q1/q2間の距離をW2、点q2/q3間の距離をW3、点q3/q4間の距離をW4、点q4/q5間の距離をW5、点q5/E4間の距離をW6とした場合、条件(a)を満足するような設定を行うのであれば、奇数番目の距離W1,W3,W5が徐々に増加し、偶数番目の距離W2,W4,W6が徐々に減少するように、各点q1〜q5をプロットすればよい。もちろん、条件(a) の代わりに、条件(b) や条件(c) を満足するような設定も可能である。
各点q1〜q5をプロットすべき位置は、やはり数列を利用して定めることができる。すなわち、ステップS30「帯状領域定義段階」で、以下の数列a,数列b,数列cのいずれかを定義し、
<数列a>:奇数番目の数が単調増加してゆき、偶数番目の数が単調減少してゆく2n個の数Gi(但し、i=1〜2n、nは2以上の整数)からなる数列、
<数列b>:奇数番目の数が単調増加してゆき、偶数番目の数が同一値をとる2n個の数Gi(但し、i=1〜2n、nは2以上の整数)からなる数列、
<数列c>:偶数番目の数が単調減少してゆき、奇数番目の数が同一値をとる2n個の数Gi(但し、i=1〜2n、nは2以上の整数)からなる数列、
各半直線について、第1指標点と第2指標点との距離をΔとし、定義した数列を構成する数の総和をSUMとしたときに、当該半直線上での第i番目の帯状領域の幅Wiが、Wi=Δ×Gi/SUMとなるようにすればよい。
図32は、条件(a) に応じた帯状領域の寸法を設定するために用いる数列aおよび各帯状領域の幅W1〜W6(各点q1〜q5をプロットすべき位置)を算出する式を示す図である。数列aは「1,3,2,2,3,1」という6個の数からなる数列である。この数列aの奇数番目の数は、「1,2,3」と単調増加しており、偶数番目の数は、「3,2,1」と単調減少している。
このような数列が定義されたら、この数列を構成する数の総和をSUM(図32に示す数列aの場合、SUM=12)としたときに、第i番目の帯状領域の幅Wiが、Wi=Δ×Gi/SUMとなるように、各帯状領域を定義すればよい。たとえば、図31に示す半直線h4上にプロットすべき各点q1〜q5の位置を決定する場合、第1指標点e4と第2指標点E4との距離をΔとすれば、第1番目の帯状領域f1の幅W1、すなわち、点e4/q1間の距離W1は、W1=Δ×G1/SUM=Δ×1/12として求めることができる。幅W2〜W6についても同様である。
図31では、説明の便宜上、第1指標点e4と第2指標点E4とを通る半直線h4上に、各点q1〜q5をプロットした例を示したが、実際には、全12本の半直線について、全く同様の処理を行い、個々の半直線ごとにそれぞれ各点q1〜q5をプロットする。
図33は、図30に示されている第1指標点e1〜e12と第2指標点E1〜E12との間に、点q3群をプロットした状態を示す平面図である。図に×印で示した点が、全12本の半直線上にそれぞれプロットされた点q3を示している。もちろん、実際には、全12本の半直線上のそれぞれに、点q1,q2,q4,q5もプロットされることになるが、図33では、図が繁雑になるのを避けるため、点q3群のみをプロットした状態を示してある。
ここで、図33に×印で示されている12個の点q3群を順番に結ぶと、図34に示すように、中間図形Sq3を定義することができる。12個の点q3群は、直線で結んでもよいし、図示のように滑らかな曲線で結んでもよい。全く同様にして、図示されていない12個の点q1群を順番に結ぶことにより、中間図形Sq1を定義することができ、12個の点q2群を順番に結ぶことにより、中間図形Sq2を定義することができ、12個の点q4群を順番に結ぶことにより、中間図形Sq4を定義することができ、12個の点q5群を順番に結ぶことにより、中間図形Sq5を定義することができる。これら中間図形Sq1〜Sq5、ならびに第1の基本図形Saおよび第2の基本図形Sbは、求めるべき6個の帯状領域f1〜f6の内側輪郭線および外側輪郭線を構成する図形である。
結局、上述した処理は、12本の各半直線上に、個々の帯状領域の内側輪郭線および外側輪郭線との交点となるべき点をプロットし、プロットした各点間を直線もしくは滑らかな曲線によって結ぶことにより、個々の帯状領域の内側輪郭線および外側輪郭線を定義する処理ということになる。そして、このような処理により定義された各帯状領域の幅は、上述した条件(a) ,(b) ,(c) のいずれかを満たすことになる。
図35は、図27に示す中間主領域Mmを、上述した処理によって6個の環状の帯状領域f1〜f6に分割し、各領域に対して2通りの記録属性のいずれかを付与した状態を示す平面図である。黒い領域は第1の記録属性Aが付与された領域であり、白い領域は第2の記録属性Bが付与された領域である。すなわち、図の中心部に配置された黒い星形多角形は、図27に示す第1の主領域M1に対応する領域であり、そのすぐ外側に隣接する白い環状部分は、第1の帯状領域f1である。その外側には、帯状領域f2(黒)、f3(白)、f4(黒)、f5(白)、f6(黒)が配置されており、更にその外側の白地の部分が、第2の主領域M2ということになる。
この図35に示す例は、図32に示す数列aを用いて各帯状領域の定義を行った例であり、奇数番目の帯状領域(白)の幅の比は、内側から外側に向かって1:2:3と単調増加してゆき、偶数番目の帯状領域(黒)の幅の比は、内側から外側に向かって3:2:1と単調減少している。したがって、黒い部分に第1の原画像のモチーフを記録し、白い部分に第2の原画像のモチーフを記録するようにすれば、両モチーフが滑らかに融合した状態で観察されるという本発明に特有の効果が得られる。
図36に示す例は、図27に示す中間主領域Mmを10個の環状の帯状領域に分割し、各領域に対して2通りの記録属性(黒または白で示す)のいずれかを付与した状態を示す平面図である。図の中心部に配置された黒い星形多角形は、図27に示す第1の主領域M1に対応する領域であり、そのすぐ外側に隣接する白い環状部分は、第1の帯状領域f1である。その外側には、帯状領域f2(黒)、f3(白)、f4(黒)、f5(白)、f6(黒)、f7(白)、f8(黒)、f9(白)、f10(黒)が配置されており、更にその外側の白地の部分が、第2の主領域M2ということになる。
この図36に示す例は、「1,5,2,4,3,3,4,2,5,1」なる数列を用いて各帯状領域の定義を行った例であり、奇数番目の帯状領域(白)の幅の比は、内側から外側に向かって1:2:3:4:5と単調増加してゆき、偶数番目の帯状領域(黒)の幅の比は、内側から外側に向かって5:4:3:2:1と単調減少している。
図37に示す例は、図27とは別の異なる基本図形を利用して、記録面上に包含関係を有する3つの主領域を定義し、その中間主領域を6個の環状の帯状領域に分割し、各領域に対して2通りの記録属性(黒または白で示す)のいずれかを付与した状態を示す平面図である。図の中心部に配置され、黒く塗りつぶされた第1の基本図形Saは、波状の輪郭線を有する図形であり、第1の主領域M1を構成する。その外側には、帯状領域f1(白)、帯状領域f2(黒)、f3(白)、f4(黒)、f5(白)、f6(黒)が配置されており、この帯状領域f6の外側輪郭線が、第2の基本図形Sbに対応する。更にその外側の白地の部分が、第2の主領域M2ということになる。
この図37に示す例は、図32に示す数列aを用いて各帯状領域の定義を行った例であり、奇数番目の帯状領域(白)の幅の比は、内側から外側に向かって1:2:3と単調増加してゆき、偶数番目の帯状領域(黒)の幅の比は、内側から外側に向かって3:2:1と単調減少している。
一方、図38に示す例は、第1の基本図形Saおよび第2の基本図形Sbに関しては、図37の例と同じ図形を用いているが、図37とは異なる分割方法で各帯状領域を定義したものである。すなわち、この図38に示す例では、「2,3,2,2,2,1」なる数列を用いて各帯状領域の定義が行われているため、奇数番目の帯状領域(白)の幅の比は、2:2:2と一定値を維持するが、偶数番目の帯状領域(黒)の幅の比は、内側から外側に向かって3:2:1と単調減少している。これは、前述した条件(b) を満足する設定を行った例であり、この例でも、黒い部分に第1の原画像のモチーフを記録し、白い部分に第2の原画像のモチーフを記録するようにすれば、両モチーフが滑らかに融合した状態で観察されるという本発明に特有の効果が得られる。
<<< §6. 記録パターンの作成方法 >>>
さて、これまで述べた§1では、本発明の基本的な概念を説明し、§2〜§5では、主として、図3に示す流れ図におけるステップS20「主領域定義段階」およびステップS30「帯状領域定義段階」の具体的な処理を説明した。そこで、この§6では、ステップS50「記録パターン作成段階」の処理をもう少し詳しく説明する。
既に述べたとおり、ステップS50「記録パターン作成段階」では、第1の記録属性が付与された領域については、第1の原画像に基づく干渉縞パターン・回折格子パターン・散乱構造パターンのいずれかを求め、第2の記録属性が付与された領域については、第2の原画像に基づく干渉縞パターン・回折格子パターン・散乱構造パターンのいずれかを求めることにより、記録面上に形成される所定の記録パターンを示すデータを作成する処理が実行される。そこで、ここでは、まず、干渉縞パターンからなる記録パターンデータを作成する方法を説明する。
図39は、図4(a) ,(b) に示す2つの原画像Pic(A),Pic(B)と、図4(c) に示す記録面Recとを三次元空間上に配置し、記録面Rec上に干渉縞パターンを記録する原理を示す斜視図である。なお、原画像Pic(A),Pic(B)は、図示のとおり、横方向に若干ずらして配置してある。これは、記録面Rec上の左側に定義された第1の主領域M1には第1の原画像Pic(A)の記録を行い、右側に定義された第2の主領域M2には第2の原画像Pic(B)の記録を行うことを考慮した配置である。実際には、ここで述べる処理は、コンピュータ上での光学現象のシミュレーション演算として実行されるので、原画像Pic(A),Pic(B),記録面Recは、コンピュータ上の三次元空間に配置された仮想的な物体ということになる。
なお、既に、ステップS30「帯状領域定義段階」とステップS40「属性付与段階」が行われているため、記録面Recの中間主領域Mmは、複数の帯状領域f1〜f6に分割されており、各領域には、図6に示すように、第1の記録属性A(斜線によるハッチングが施された領域に付与された属性)か、第2の記録属性B(ドットによるハッチングが施された領域に付与された属性)か、のいずれかが付与されている。
記録面Rec上に記録すべき干渉縞パターンを求めるには、図示のとおり、原画像Pic(A),Pic(B),記録面Recに加えて、所定の参照光Rを設定し、原画像Pic(A),Pic(B)から発せられる物体光と参照光Rとによって、記録面Rec上の各部に形成される干渉縞パターンを、コンピュータによる演算によって求めればよい。図示の例では、原画像Pic(A),Pic(B)に対して、共通の参照光Rを設定しているが、原画像Pic(A)を記録するための参照光Raと、原画像Pic(B)を記録するための参照光Rbとを、それぞれ別個に設定してもかまわない。なお、このような干渉縞パターンの演算手法は、たとえば、前掲の特許文献1〜3などに開示されているように、計算機ホログラムの一般的な手法であるので、ここでは、この演算手法自身についての詳しい説明は省略する。
本発明におけるステップS50「記録パターン作成段階」の重要な特徴は、記録面Rec上に定義された個々の領域ごとに、記録対象となる原画像が異なるという点である。図39に示す記録面Rec上には、第1の主領域M1,第2の主領域M2,帯状領域f1〜f6が定義されており、これら個々の領域には、それぞれ第1の記録属性Aか、第2の記録属性Bかのいずれかが付与されている。そこで、干渉縞パターンを演算して記録する場合、第1の記録属性Aが付与された領域(図6において、斜線によるハッチングが施された領域)については、第1の原画像Pic(A)に基づく干渉縞パターンのみが記録され、第2の記録属性Bが付与された領域(図6において、ドットによるハッチングが施された領域)については、第2の原画像Pic(B)に基づく干渉縞パターンのみが記録されることになる。
具体的には、領域M1,f2,f4,f6内には、第1の原画像Pic(A)からの物体光と参照光Rとの干渉縞パターンが記録され、このとき、第2の原画像Pic(B)からの物体光は完全に無視される。同様に、領域M2,f1,f3,f5内には、第2の原画像Pic(B)からの物体光と参照光Rとの干渉縞パターンが記録され、このとき、第1の原画像Pic(A)からの物体光は完全に無視される。計算機ホログラムの手法では、干渉縞パターンは演算によって求められるので、このように物体光を選択して干渉縞パターンを求める処理は、プログラムによって自由に行うことが可能である。
結局、ステップS50「記録パターン作成段階」によって、記録面Rec上に所定の記録パターンが作成されることになるが、この記録パターンによる記録対象は、個々の領域ごとに異なることになる。
このようにして、記録面Rec上に干渉縞パターンを求める処理は、結局、記録面Rec上の個々の位置における干渉縞強度を演算することによって行われる。この干渉縞強度演算を行う際には、これまで提案されている様々な工夫を取り込むことが可能である。たとえば、前掲の特許文献1には、物体光の広がり角を制限しながら、干渉縞強度演算を行う手法が開示されており、このような手法は、ステップS50「記録パターン作成段階」の処理にも適用することが可能である。
図40は、記録面Rec上に干渉縞パターンを求める際に、物体光の広がり角を制限する方法を示す斜視図である。ここでは、点光源G(原画像を構成する1点)からの物体光Oの水平方向の広がり角をψに制限し、垂直方向の広がり角をξに制限した例が示されている。このような広がり角の制限を行うと、点光源Gからの物体光Oは、記録面Rec上にハッチングを施して示す制限領域S内にしか到達しないことになる。別言すれば、点光源Gに関する情報(物体光Oと参照光Rとの干渉縞パターン)は、記録面Rec上の制限領域S内にしか記録されないことになる。
このように、光学的に干渉縞パターンを形成する方法に比べて、計算機ホログラムの方法では、干渉縞パターンを演算によって求めることができるため、演算時に様々な工夫を施すことにより、様々な特殊効果を与えるホログラム記録媒体を作成することが可能である。ステップS50の記録パターン作成段階では、必要に応じて、このような様々な工夫を施した演算手法を利用することができる。
たとえば、観察方向によって、それぞれ異なる再生像を観察者に提示することが可能な記録媒体として、レンチキュラレンズや蝿の目レンズなどのレンズアレイを配置して構成したステレオグラムが古くから知られている。特開2004−264839号公報や特開2004−309709号公報には、このようなステレオグラムの解像度を飛躍的に向上させることが可能なホログラム記録媒体(CGHステレオグラム)の作成原理が開示されている。これらの方法では、仮想物体上の各点から記録面に向かう物体光の放射輝度を、放射角度に応じて変える手法を採ることにより、再生時にステレオグラムと同等の効果が得られる媒体を作成することができる。もちろん、このようなCGHステレオグラム手法も、本発明におけるステップS50の記録パターン作成段階に利用することが可能である。
要するに、本発明では、ステップS10において用意され、ステップS50において記録対象となる「原画像」とは、単なる幾何学的な仮想物体に限定されるものではなく、計算機ホログラムの手法による記録対象となる画像を広く含むものである。したがって、本発明にいう「原画像」のデータとは、単なる幾何学的な仮想物体の形状データのみを意味するものではなく、ステップS50の記録パターン作成の演算に利用される様々なデータをも含んだものである。たとえば、記録時に、図40に示すような広がり角ξ,ψを制限する手法を採るのであれば、当該制限に関する情報も「原画像」の一部を構成するデータであり、上述したCGHステレオグラム手法を採るのであれば、放射角度に応じて変わる放射輝度の情報も「原画像」の一部を構成するデータということになる。
このように、図39や図40は、原画像を物体光Oと参照光Rとの干渉縞パターンとして記録する手法(本来のホログラムとして記録する手法)を示す例である。この手法を採る場合は、記録パターン作成段階で、各領域について原画像に基づく干渉縞パターンを求める際に、原画像および記録面を三次元空間上に配置し、所定の参照光を定義し、原画像からの物体光と参照光とによって各領域内に形成される干渉縞パターンを演算によって求めることになる。
これに対して、本発明では、原画像を回折格子パターンとして記録することも可能である。前述したように、本願における「ホログラム」とは、光学的干渉縞パターンからなる本来のホログラムだけでなく、回折格子パターンからなる疑似ホログラム(回折格子記録媒体)をも含む広い意味で用いている。このように、回折格子パターンからなる疑似ホログラムの作成方法は、たとえば、前掲の特許文献4〜6に開示されているように公知の技術であるが、以下に簡単にその原理を述べておく。
図41は、記録面Rec上に回折格子パターンを用いてモチーフを記録する方法を説明する平面図である。図41(a) は、記録対象となる原画像Picの平面図であり、8行9列の画素配列から構成された二次元画像を示している。この二次元画像は、白色で示された画素P1、黒塗りで示された画素P2、ドットによるハッチングで示された画素P3、という3種類の画素によって構成されており、これらの画素の組合わせにより、単純なモチーフが表現されている。
この図41(a) に示すような原画像Picを、記録面Rec上の所定領域内に回折格子パターンとして記録するには、図41(b) に示すように、記録面Rec上の当該所定領域内に、原画像Picと同様の画素配列を定義し、記録面Rec上の画素と原画像Pic上の画素とが対応するようにする。そして、記録面Rec上の各画素P1,P2,P3には、それぞれ原画像Pic上の対応画素P1,P2,P3の画素値に応じた回折格子パターンを記録するようにすればよい。
たとえば、図7に示す帯状領域f1,f3,f5および第2の主領域M2には、図4(b) に示す立体文字「PAT」が記録されることになるが、立体文字「PAT」の代わりに、平面文字「PAT」を用いるようにすれば、回折格子パターンとしての記録が可能である。すなわち、平面文字「PAT」を多数の画素の集合からなるデータとして用意し、領域f1,f3,f5,M2の内部にそれぞれ多数の画素を定義し、平面文字「PAT」を構成する画素と、各領域f1,f3,f5,M2の内部に定義された画素とを1対1に対応させるようにし、各領域f1,f3,f5,M2の内部に定義された画素内には、原画像上の対応画素に応じた回折格子パターンを記録するようにすればよい。
図42は、この図41(b) に示す記録面Rec上に、回折格子パターンを用いて、図41(a) の原画像に対応するモチーフを記録した状態を示す平面図である。図42に示す個々の画素内に描かれている線は、説明の便宜上、回折格子パターンの格子線を示すものである。もっとも、実際の回折格子パターンの格子線は、可視光の波長程度のピッチで記録されるので、肉眼で観察することはできない。図42に示す個々の画素内の回折格子パターンは3通りあり、図41(a) に示す3通りの画素に対応している。すなわち、図41(a) に白色で示された画素P1の位置には、右上から左下方向へ傾斜した向きの格子線を有する回折格子パターンが形成され、図41(a) に黒塗りで示された画素P2の位置には、垂直方向を向いた格子線を有する回折格子パターンが形成され、図41(a) にドットによるハッチングで示された画素P3の位置には、左上から右下方向へ傾斜した向きの格子線を有する回折格子パターンが形成されている。
このように、原画像Picの個々の画素の画素値に応じた回折格子パターンを、記録面Rec上の対応する画素位置に記録するようにすれば、原画像Pic上のモチーフを回折格子パターンによって表現することが可能である。この図42に示すような回折格子パターンが記録された媒体は、本来のホログラム記録媒体ではないので、立体像の再生を行うことはできない。しかしながら、個々の画素に記録された回折格子パターンに応じた回折光が観察位置へと向かうことになるので、3通りの画素がそれぞれ異なる態様で観察されることになり、原画像Pic上のモチーフが再現できる。
この図42に示す媒体は、疑似ホログラムと呼ぶべきものであるが、一般的には、このような媒体も含めてホログラムという呼び方がされており、既に述べたとおり、本願においても、これをホログラム記録媒体と呼んでいる。
図43は、図42に示す画素P1内に形成された回折格子パターンの拡大平面図である。図42と図43には、それぞれXY二次元座標系が示されており、格子線の向きは、X軸に対する格子線の配置角度θによって定義されている。図43に示す例では、線幅dをもった格子線L(黒い部分)が、ピッチpをもって、閉領域vの内部に配置角度θで配置されている。図42に示されている3通りの回折格子パターンは、格子線の配置角度θを3通りに変えたものに相当する。すなわち、図42に示す記録媒体は、図41(a) に示す原画像上の3通りの画素P1,P2,P3を、3通りの配置角度θを有する回折格子パターンで表現していることになる。
このように、回折格子パターンのバリエーションは、格子線Lの配置角度θを変えることによって得ることができるが、それ以外のパラメータを変えることによっても、同様に回折格子パターンのバリエーションを得ることができる。具体的には、図43に示すように、格子線Lの線幅dやピッチpを変えることによっても、異なる回折現象を生じさせることが可能な異なる回折格子パターンを得ることができる。また、図43に示す例では、画素の大きさと、格子線を形成する閉領域vの大きさとが等しくなっているが、格子線を形成する閉領域vの大きさを、画素の大きさの80%,60%,40%,20%にすれば、回折光の強度がそれぞれ80%,60%,40%,20%の画素を形成することができる。
このように、内部に回折格子パターンが形成された画素には、格子線Lの配置角度θ,線幅d,ピッチp,形成する閉領域vの大きさなどを種々変えることによって、多種類のバリエーションが存在する。これらのバリエーションを利用して、原画像上の画素の画素値のバリエーションを表現するようにすれば、原画像上のモチーフを、回折格子パターンとして表現することが可能になる。
なお、記録面Rec上の個々の画素内に回折格子パターンを形成する代わりに、散乱構造パターンを形成することも可能である。上述したとおり、回折格子パターンを用いれば、格子線Lの配置角度θ,線幅d,ピッチp,閉領域vの大きさなどを変えることにより、観察時に異なる見え方をする複数通りの画素を用意することができ、この複数通りの画素により、原画像上の画素の画素値のバリエーションを表現することができる。逆言すれば、原画像上の画素の画素値のバリエーションを表現するために、互いに異なる見え方をする複数通りの画素を用意することができれば、当該画素は、必ずしも回折格子パターンによって形成する必要はない。
散乱構造パターンは、固有の光散乱特性をもったパターンであり、本発明において、上述した回折格子パターンの代わりに用いることが可能である。たとえば、特開2002−328639号公報や特開2002−333854号公報には、表面に微細な凹凸構造を形成することにより固有の光散乱特性をもった記録媒体を形成する方法が開示されている。たとえば、記録媒体の表面を、エッチングや化学薬品によって荒らすことにより、あるいは、電子線描画装置を用いて微細な凹凸加工を行うことにより、様々な光散乱特性をもった表面を形成することができる。したがって、互いに異なる光散乱特性を有する複数通りの散乱構造パターンを用意しておき、原画像上の画素の画素値に応じて、記録面Rec上の各画素内に特定の散乱構造パターンを割り付けるようにすれば、上述した回折格子パターンを用いた場合と同様に、原画像の情報を記録することが可能になる。
以上述べたとおり、図3の流れ図におけるステップS50の記録パターン作成段階では、2通りの記録パターン作成方法を採ることができる。第1の方法は、原画像からの物体光と参照光との干渉縞パターンを作成する方法であり、この方法を採れば、立体再生像を得ることが可能な本来のホログラム記録媒体が作成されることになる。第2の方法は、上述したように、原画像上の画素に対応する所定の回折格子パターンもしくは散乱構造パターンを作成する方法であり、この方法を採れば、立体再生像を得ることはできないが、キラキラと光って見えたり、マット状に白っぽく見えたりする(疑似)ホログラム記録媒体が作成されることになる。
もちろん、2つの原画像を媒体に記録する上では、上記2通りの方法のいずれを用いてもかまわないし、両者を組み合わせて用いることも可能である。2つの原画像を、それぞれ干渉縞パターンとして記録するか、回折格子パターン(もしくは散乱構造パターン)として記録するか、を選択することにより、結局、次の3通りの態様の媒体が作成可能である。
第1の態様は、両原画像ともに干渉縞パターンとして記録した媒体である。このような媒体を作成するには、記録パターン作成段階で、第1の原画像、第2の原画像、記録面を三次元空間上に配置し、所定の参照光を定義し(前述したとおり、各原画像ごとに異なる参照光を定義してもよい)、第1の記録属性が付与された領域については、第1の原画像からの物体光と参照光との干渉縞パターンを演算によって求め、第2の記録属性が付与された領域については、第2の原画像からの物体光と参照光との干渉縞パターンを演算によって求めるようにすればよい。
第2の態様は、第1の原画像を干渉縞パターンとして記録し、第2の原画像を回折格子パターンもしくは散乱構造パターンとして記録した媒体である。このような媒体を作成するには、記録パターン作成段階で、第1の記録属性が付与された領域については、第1の原画像および記録面を三次元空間上に配置し、所定の参照光を定義し、第1の原画像からの物体光と参照光との干渉縞パターンを演算によって求め、第2の記録属性が付与された領域については、当該領域内に複数の画素を定義し、この画素について第2の原画像上の対応画素を求め、当該対応画素の画素値に基づいて、個々の画素内の回折格子パターンもしくは散乱構造パターンを決定すればよい。
第3の態様は、両原画像ともに回折格子パターンもしくは散乱構造パターンとして記録した媒体である。このような媒体を作成するには、記録パターン作成段階で、第1の記録属性が付与された領域については、当該領域内に複数の画素を定義し、この画素について第1の原画像上の対応画素を求め、当該対応画素の画素値に基づいて、個々の画素内の回折格子パターンもしくは散乱構造パターンを決定し、第2の記録属性が付与された領域については、当該領域内に複数の画素を定義し、この画素について第2の原画像上の対応画素を求め、当該対応画素の画素値に基づいて、個々の画素内の回折格子パターンもしくは散乱構造パターンを決定すればよい。
なお、本発明の記録対象となる原画像は、二次元画像であっても、三次元画像であってもかまわない。したがって、ステップS10「原画像準備段階」では、二次元画像もしくは三次元画像を示すデジタルデータを原画像として用意できればよい。もちろん、二次元画像として用意された原画像を、干渉縞パターンとして記録することもできるし、回折格子パターンもしくは散乱構造パターンとして記録することもできる。同様に、三次元画像として用意された原画像を、干渉縞パターンとして記録することもできるし、回折格子パターンもしくは散乱構造パターンとして記録することもできる。要するに、ステップS50「記録パターン作成段階」では、何らかの原画像に基づく干渉縞パターン・回折格子パターン・散乱構造パターン(いずれでもよい)を求めて何らかの記録パターンを形成する処理が行われればよい。
また、ステップS10「原画像準備段階」で、実体のない空画像を原画像のひとつとして用意し、この空画像の記録属性が付与された領域については、何らパターンを形成しないような運用を行うことも可能である。たとえば、図4(b) に示す原画像Pic(B)の代わりに、実体のない空画像を原画像Pic(B)として用いれば、図4(a) に示す原画像Pic(A)に対応する自動車のモチーフのみが、空間的に徐々にフェードアウトしてゆくような再生像を得ることができる。
<<< §7. ホログラム記録媒体の作成装置 >>>
図44は、本発明に係るホログラム記録媒体の作成装置の基本構成を示すブロック図である。図示のとおり、この装置は、原画像格納部100,記録パターン作成部200,主領域データ格納部300,帯状領域定義部400,属性付与部500によって構成されている。
原画像格納部100は、記録対象となる第1の原画像Pic(A)および第2の原画像Pic(B)をデータとして格納する構成要素である。また、主領域データ格納部300は、ホログラム記録面Rec上に定義された、互いに空間的に離隔して配置された第1の主領域M1と第2の主領域M2と、これらの間に配置され、第1の主領域M1と第2の主領域M2との双方に接する中間主領域Mmと、を示すデータを格納する構成要素である。原画像格納部100内の格納データや、主領域データ格納部300内の格納データは、オペレータの入力操作によって設定される。
一方、帯状領域定義部400は、中間主領域Mmを分割することにより、第1の主領域M1と中間主領域Mmとの境界に位置する第1の境界線C1もしくは中間主領域Mmと第2の主領域M2との境界に位置する第2の境界線C2にほぼ沿った方向に伸びる複数の帯状領域を定義する処理を行う構成要素である。このような処理を行うための具体的なアルゴリズムは、§2〜§5で詳述したとおりである。必要に応じて、この帯状領域定義部400内には、前述した数列データを用意しておけばよい。
すなわち、帯状領域定義部400は、第1の主領域M1に接する第1番目の帯状領域と、第i番目の帯状領域に接する第(i+1)番目の帯状領域と(但し、i=1〜2n−2、nは2以上の整数)、第(2n−1)番目の帯状領域と第2の主領域M2とに接する第2n番目の帯状領域と、からなる合計2n個の帯状領域を、以下の(a),(b),(c)のいずれかの条件が満足されるように定義する処理を行う。
(a) 奇数番目の帯状領域の幅が第1の主領域から第2の主領域へ向かうに従って徐々に増加し、偶数番目の帯状領域の幅が第1の主領域から第2の主領域へ向かうに従って徐々に減少する、
(b) 奇数番目の帯状領域の幅が第1の主領域から第2の主領域へ向かうに従って徐々に増加し、偶数番目の帯状領域の幅はほぼ一定を維持する、
(c) 偶数番目の帯状領域の幅が第1の主領域から第2の主領域へ向かうに従って徐々に減少し、奇数番目の帯状領域の幅はほぼ一定を維持する。
属性付与部500は、第1の主領域M1には第1の記録属性Aを付与し、第2の主領域M2には第2の記録属性を付与し、中間主領域Mmには個々の帯状領域ごとにそれぞれ第1の記録属性Aおよび第2の記録属性Bのいずれか一方を付与する処理を行う構成要素である。具体的には、第1の主領域M1側の帯状領域から第2の主領域M2へ向かって、各帯状領域に番号を付与したときに、奇数番目の帯状領域には第2の記録属性Bを付与し、偶数番目の帯状領域には第1の記録属性Aを付与する処理を行うことになる。
記録パターン作成部200は、§6で詳述した方法を実行する構成要素である。すなわち、第1の記録属性Aが付与された領域については、第1の原画像Pic(A)に基づく干渉縞パターン・回折格子パターン・散乱構造パターンを求め、第2の記録属性Bが付与された領域については、第2の原画像Pic(B)に基づく干渉縞パターン・回折格子パターン・散乱構造パターンを求めることにより、記録面Rec上に形成される所定の記録パターンを示すデータを作成する処理を行う。
なお、この図44に示す装置は、実際には、コンピュータに所定のプログラムを組み込むことにより実現することができる。このプログラムは、ステップS10「原画像準備段階」で用意された原画像を示すデジタルデータと、ステップS20「主領域定義段階」で定義された主領域を示すデジタルデータと、に基づいて、ステップS30「帯状領域定義段階」の処理、ステップS40「属性付与段階」の処理、ステップS50「記録パターン作成段階」の処理を実行するためのプログラムである。
<<< §8. 本発明に係るホログラム記録媒体の特徴 >>>
最後に、本発明に係るホログラム記録媒体の特徴をまとめておく。まず、このホログラム記録媒体は、互いに空間的に離隔して配置された第1の主領域M1と第2の主領域M2と、これらの間に配置され、これら双方に接する中間主領域Mmとを有している。そして、中間主領域Mmは、第1の主領域M1と中間主領域Mmとの境界に位置する第1の境界線C1もしくは中間主領域Mmと第2の主領域M2との境界に位置する第2の境界線C2にほぼ沿った方向に伸びる複数の帯状領域に分割されている。この複数の帯状領域は、第1の主領域に接する第1番目の帯状領域と、第i番目の帯状領域に接する第(i+1)番目の帯状領域と(但し、i=1〜2n−2、nは2以上の整数)、第(2n−1)番目の帯状領域と第2の主領域M2とに接する第2n番目の帯状領域と、の合計2n個の帯状領域からなっている。
そして、この2n個の帯状領域の幅は、以下の(a),(b),(c)のいずれかの条件が満足されるように設定されている。
(a) 奇数番目の帯状領域の幅が第1の主領域から第2の主領域へ向かうに従って徐々に増加し、偶数番目の帯状領域の幅が第1の主領域から第2の主領域へ向かうに従って徐々に減少する、
(b) 奇数番目の帯状領域の幅が第1の主領域から第2の主領域へ向かうに従って徐々に増加し、偶数番目の帯状領域の幅はほぼ一定を維持する、
(c) 偶数番目の帯状領域の幅が第1の主領域から第2の主領域へ向かうに従って徐々に減少し、奇数番目の帯状領域の幅はほぼ一定を維持する。
更に、第1の主領域M1および偶数番目の帯状領域には、第1の原画像に基づく干渉縞パターン・回折格子パターン・散乱構造パターンのいずれかが記録されており、第2の主領域および奇数番目の帯状領域には、第2の原画像に基づく干渉縞パターン・回折格子パターン・散乱構造パターンのいずれかが記録されている。
特に、第1の原画像の記録を干渉縞パターンの形で行い、第2の原画像の記録を回折格子パターンもしくは散乱構造パターンの形で行う場合は、第1の主領域M1および偶数番目の帯状領域には、原画像からの物体光と参照光との干渉縞パターンが記録され、第2の主領域M2および奇数番目の帯状領域には、複数の画素が配置され、個々の画素内には表現すべき画像の画素に応じた回折格子パターンもしくは散乱構造パターンが記録されることになる。
以上のような構成をもつホログラム記録媒体には、2つの異なるモチーフからなる画像が隣接した状態で記録されることとなり、しかも、この隣接した2つのモチーフは、その境界部分で滑らかに融合した状態で観察されることになる。
2つのモチーフを単に隣接配置して表現した従来のホログラム記録媒体の観察態様の一例を示す平面図である。 本発明に係る方法によって、2つのモチーフを境界部分で滑らかに融合した状態で記録したホログラム記録媒体の観察態様の一例を示す平面図である。 本発明の基本的な実施形態に係るホログラム記録媒体の作成方法の手順を示す流れ図である。 本発明に係る方法による記録対象となる2つの原画像(a) ,(b) と3つの主領域が定義された記録面(c) の正面図である。 図4(c) に示す記録面における中間主領域Mmを複数の帯状領域f1〜f6に分割した状態を示す平面図である。 図5に示す記録面の各領域に対して2通りの記録属性のいずれかを付与した状態を示す平面図である。 図5に示す記録面の個々の領域に、図4(a) ,(b) に示す原画像を記録したホログラム記録媒体において、個々の領域上に再生される原画像の一例を示す平面図である。 中間主領域Mmを構成する帯状領域f1〜f6の幅に関する第1の条件(条件(a))を示す平面図である。 中間主領域Mmを構成する帯状領域f1〜f6の幅に関する第2の条件(条件(b))を示す平面図である。 中間主領域Mmを構成する帯状領域f1〜f6の幅に関する第3の条件(条件(c))を示す平面図である。 記録面上に定義する3つの主領域の境界線に曲線を用いた例を示す平面図である。 図11に示す記録面における中間主領域Mmを複数の帯状領域f1〜f6に分割し、各領域に対して2通りの記録属性のいずれかを付与した状態を示す平面図である。 図8に示す条件(a) に応じた帯状領域の寸法を設定するために用いる数列aおよび各帯状領域の幅を算出する式を示す図である。 図9および図10に示す条件(b),(c) に応じた帯状領域の寸法を設定するために用いる数列b,cを示す図である。 記録面上に3つの主領域を定義した別な実施形態の平面図である。 図15に示す記録面における中間主領域Mmを複数の帯状領域f1〜f6に分割し、各領域に対して2通りの記録属性のいずれかを付与した状態を示す平面図である。 半直線Hを基準として形状および位置が定まる特定形状線Uの一例を示す平面図である。 図16に示す記録面における各領域間の境界線として、図17に示す特定形状線Uを用いた例を示す平面図である。 記録面上に2つの同心円を配置することにより、3つの主領域を定義した実施形態の平面図である。 図19に示す記録面における中間主領域Mmを複数の環状の帯状領域f1〜f6に分割した状態を示す平面図である。 図20に示す記録面の各領域に対して2通りの記録属性のいずれかを付与した状態を示す平面図である。 図21に示す記録面上の円形輪郭線を正方形輪郭線に変更した例を示す平面図である。 閉じた輪郭線をもったサンプル図形Sとその内部に定義された基準点Qの一例を示す平面図である。 図23に示すサンプル図形Sを利用して、記録面上に包含関係を有する3つの主領域を定義した実施形態の平面図である。 図23に示すサンプル図形Sを利用して、帯状領域の輪郭線を構成する中間図形を発生させた状態を示す平面図である。 図24に示す記録面上に図25に示す中間図形を配置することにより、中間主領域Mmを複数の環状の帯状領域に分割し、各領域に対して2通りの記録属性のいずれかを付与した状態を示す平面図である。 互いに異なる基本図形Sa,Sbを利用して、記録面上に包含関係を有する3つの主領域を定義した実施形態の平面図である。 図27に示す基本図形Saについて、基準点Qおよび第1指標点e1〜e12を定義した状態を示す平面図である。 図28に示す基準点Qおよび第1指標点e4を用いて、基本図形Sb上に第2指標点E4を定義する方法を示す平面図である。 図29に示す方法により、基本図形Sb上に第2指標点E1〜E12を定義した状態を示す平面図である。 図29に示されている第1指標点e4と第2指標点E4との間に、個々の帯状領域の輪郭線を決める点q1〜q5をプロットした状態を示す平面図である。 図31に示す点q1〜q5の位置を設定するために用いる数列aおよび各点間距離を算出する式を示す図である。 図30に示されている第1指標点e1〜e12と第2指標点E1〜E12との間に、点q3群をプロットした状態を示す平面図である。 図33に示されている点q3群を結ぶことにより、輪郭線Sq3を定義した状態を示す平面図である。 図27に示す中間主領域Mmを6個の環状の帯状領域に分割し、各領域に対して2通りの記録属性のいずれかを付与した状態を示す平面図である。 図27に示す中間主領域Mmを10個の環状の帯状領域に分割し、各領域に対して2通りの記録属性のいずれかを付与した状態を示す平面図である。 図27とは別の異なる基本図形を利用して、記録面上に包含関係を有する3つの主領域を定義し、その中間主領域を6個の環状の帯状領域に分割し、各領域に対して2通りの記録属性のいずれかを付与した状態を示す平面図である。 図37とは異なる分割方法で各帯状領域を定義した例を示す平面図である。 図4(a) ,(b) に示す2つの原画像と図4(c) に示す記録面とを三次元空間上に配置し、干渉縞パターンを記録する原理を示す斜視図である。 記録面Rec上に干渉縞パターンを求める際に、物体光の広がり角を制限する方法を示す斜視図である。 記録面Rec上に回折格子パターンを用いてモチーフを記録する方法を説明する平面図である。 記録面Rec上に回折格子パターンを用いてモチーフを記録した状態を示す平面図である。 図42に示す画素P1内に形成された回折格子パターンの拡大平面図である。 本発明に係るホログラム記録媒体の作成装置の基本構成を示すブロック図である。
符号の説明
100:原画像格納部
200:記録パターン作成部
300:主領域データ格納部
400:帯状領域定義部
500:属性付与部
A:第1の記録属性
B:第2の記録属性
C,C1,C2:境界線
d:格子線の線幅
e1〜e12:第1指標点
E1〜E12:第2指標点
f1〜f6:帯状領域
G:点光源
G1〜G6:数列の各数
H1,H2:半直線
h1〜h5:半直線
L:ホログラム記録媒体の横幅/格子線
L1:第1の主領域の横幅
L2:第2の主領域の横幅
Lm:中間主領域の横幅
M1:第1の主領域
M2:第2の主領域
Mm:中間主領域
O:物体光
Pic,Pic(A),Pic(B):記録対象となる原画像
P1,P2,P3:画素
p:格子線のピッチ
Q:基準点
q1〜q5:帯状領域の輪郭線を決める点
R:参照光
Rec:記録面
S:サンプル図形/制限領域
Sa,Sb:基本図形
Sq3:中間図形
Sα,Sβ:基本図形
Sγ(1)〜Sγ(5):中間図形
S10〜S60:流れ図の各ステップ
U,U0〜U6:特定形状線
v:閉領域
W1〜W6:帯状領域の幅
X,Y,Z:三次元座標系の各座標軸
α,β:倍率パラメータ
γ(1),γ(2),γ(3),γ(4),γ(5):倍率パラメータ
Δ:第1指標点e4と第2指標点E4との距離
θ:格子線の配置角度
θ1〜θ6:各帯状領域の角度幅
φ:半直線H1,H2のなす角度
ξ,ψ:広がり角

Claims (35)

  1. 記録対象となる第1の原画像および第2の原画像をデータとして用意する原画像準備段階と、
    ホログラム記録面上に、互いに空間的に離隔して配置された第1の主領域と第2の主領域とを定義し、更に、前記第1の主領域と前記第2の主領域との間に配置され、前記第1の主領域と前記第2の主領域との双方に接する中間主領域を定義する主領域定義段階と、
    前記中間主領域を分割することにより、前記第1の主領域と前記中間主領域との境界に位置する第1の境界線もしくは前記中間主領域と前記第2の主領域との境界に位置する第2の境界線にほぼ沿った方向に伸びる複数の帯状領域を定義する帯状領域定義段階と、
    前記第1の主領域には第1の記録属性を付与し、前記第2の主領域には第2の記録属性を付与し、前記中間主領域には個々の帯状領域ごとにそれぞれ前記第1の記録属性および前記第2の記録属性のいずれか一方を付与する属性付与段階と、
    前記第1の記録属性が付与された領域については、前記第1の原画像に基づく干渉縞パターン・回折格子パターン・散乱構造パターンを求め、前記第2の記録属性が付与された領域については、前記第2の原画像に基づく干渉縞パターン・回折格子パターン・散乱構造パターンを求めることにより、前記記録面上に形成される所定の記録パターンを示すデータを作成する記録パターン作成段階と、
    前記記録パターンを物理的な媒体上に形成する媒体形成段階と、
    を有し、
    前記帯状領域定義段階において、前記第1の主領域に接する第1番目の帯状領域と、第i番目の帯状領域に接する第(i+1)番目の帯状領域と(但し、i=1〜2n−2、nは2以上の整数)、第(2n−1)番目の帯状領域と前記第2の主領域とに接する第2n番目の帯状領域と、からなる合計2n個の帯状領域を、以下の(a),(b),(c)のいずれかの条件が満足されるように定義し、
    (a) 奇数番目の帯状領域の幅が前記第1の主領域から前記第2の主領域へ向かうに従って徐々に増加し、偶数番目の帯状領域の幅が前記第1の主領域から前記第2の主領域へ向かうに従って徐々に減少する、
    (b) 奇数番目の帯状領域の幅が前記第1の主領域から前記第2の主領域へ向かうに従って徐々に増加し、偶数番目の帯状領域の幅はほぼ一定を維持する、
    (c) 偶数番目の帯状領域の幅が前記第1の主領域から前記第2の主領域へ向かうに従って徐々に減少し、奇数番目の帯状領域の幅はほぼ一定を維持する、
    前記属性付与段階において、奇数番目の帯状領域には前記第2の記録属性を付与し、偶数番目の帯状領域には前記第1の記録属性を付与することを特徴とするホログラム記録媒体の作成方法。
  2. 請求項1に記載の作成方法において、
    帯状領域定義段階で、
    第1番目の帯状領域の一方の側方輪郭線は第1の主領域に接し、他方の側方輪郭線は第2番目の帯状領域に接し、
    1<i<2nの範囲内のiについて、第i番目の帯状領域の一方の側方輪郭線は第(i−1)番目の帯状領域に接し、他方の側方輪郭線は第(i+1)番目の帯状領域に接し、
    第2n番目の帯状領域の一方の側方輪郭線は第(2n−1)番目の帯状領域に接し、他方の側方輪郭線は第2の主領域に接するように、
    各帯状領域の定義を行うことを特徴とするホログラム記録媒体の作成方法。
  3. 請求項2に記載の作成方法において、
    主領域定義段階で、第1の境界線および第2の境界線が平行移動によって相互に重なるように同一形状の線から構成されるように、各主領域の定義を行い、
    帯状領域定義段階で、前記第1の境界線および前記第2の境界線に対して平行移動によって重なる同一形状の線からなる2辺を側方輪郭線とする帯状領域の定義を行い、帯状領域の両輪郭線間の所定軸方向に関する距離を当該帯状領域の幅としたときに、(a),(b),(c)のいずれかの条件が満足されるような定義を行うことを特徴とするホログラム記録媒体の作成方法。
  4. 請求項3に記載の作成方法において、
    主領域定義段階で、第1の境界線および第2の境界線が互いに平行な直線になるように、各主領域の定義を行い、
    帯状領域定義段階で、前記第1の境界線および前記第2の境界線に対して平行な2辺を側方輪郭線とする帯状領域の定義を行うことを特徴とするホログラム記録媒体の作成方法。
  5. 請求項4に記載の作成方法において、
    主領域定義段階で、横方向に隣接配置された3つの矩形領域によって、それぞれ第1の主領域、中間主領域、第2の主領域を定義し、
    帯状領域定義段階で、中間主領域を構成する矩形を横方向に2n分割して縦長の帯状領域の定義を行うことを特徴とするホログラム記録媒体の作成方法。
  6. 請求項3〜5のいずれかに記載の作成方法において、
    帯状領域定義段階で、以下の数列a,数列b,数列cのいずれかを定義し、
    <数列a>:奇数番目の数が単調増加してゆき、偶数番目の数が単調減少してゆく2n個の数Gi(但し、i=1〜2n、nは2以上の整数)からなる数列、
    <数列b>:奇数番目の数が単調増加してゆき、偶数番目の数が同一値をとる2n個の数Gi(但し、i=1〜2n、nは2以上の整数)からなる数列、
    <数列c>:偶数番目の数が単調減少してゆき、奇数番目の数が同一値をとる2n個の数Gi(但し、i=1〜2n、nは2以上の整数)からなる数列、
    中間主領域の全幅をLmとし、定義した数列を構成する数の総和をSUMとしたときに、第i番目の帯状領域の幅Wiが、Wi=Lm×Gi/SUMとなるように、帯状領域の定義を行うことを特徴とするホログラム記録媒体の作成方法。
  7. 請求項2に記載の作成方法において、
    主領域定義段階で、所定の基準点を端点とする第1の境界用半直線および第2の境界用半直線を定義し、前記第1の境界用半直線の一部分の区間が第1の境界線となり、前記第2の境界用半直線の一部分の区間が第2の境界線となるように、各主領域の定義を行い、
    帯状領域定義段階で、前記基準点を端点とし、前記第1の境界用半直線と前記第2の境界用半直線との間に位置する(2n−1)本の分割用半直線を定義し、個々の分割用半直線により中間主領域を分割して帯状領域の定義を行い、各帯状領域の側方輪郭線を構成する半直線の交差角を当該帯状領域の幅としたときに、(a),(b),(c)のいずれかの条件が満足されるような定義を行うことを特徴とするホログラム記録媒体の作成方法。
  8. 請求項2に記載の作成方法において、
    主領域定義段階で、所定の半直線を基準として形状および位置が定まる特定形状線を定義し、所定の基準点を端点とする第1の境界用半直線および第2の境界用半直線を定義し、前記第1の境界用半直線を基準とする特定形状線の一部分の区間が第1の境界線となり、前記第2の境界用半直線を基準とする特定形状線の一部分の区間が第2の境界線となるように、各主領域の定義を行い、
    帯状領域定義段階で、前記基準点を端点とし、前記第1の境界用半直線と前記第2の境界用半直線との間に位置する(2n−1)本の分割用半直線を定義し、個々の分割用半直線を基準とする特定形状線により中間主領域を分割して帯状領域の定義を行い、各帯状領域について、両側の輪郭線を含む一対の特定形状線の元になった一対の半直線の交差角を当該帯状領域の幅としたときに、(a),(b),(c)のいずれかの条件が満足されるような定義を行うことを特徴とするホログラム記録媒体の作成方法。
  9. 請求項7または8に記載の作成方法において、
    帯状領域定義段階で、以下の数列a,数列b,数列cのいずれかを定義し、
    <数列a>:奇数番目の数が単調増加してゆき、偶数番目の数が単調減少してゆく2n個の数Gi(但し、i=1〜2n、nは2以上の整数)からなる数列、
    <数列b>:奇数番目の数が単調増加してゆき、偶数番目の数が同一値をとる2n個の数Gi(但し、i=1〜2n、nは2以上の整数)からなる数列、
    <数列c>:偶数番目の数が単調減少してゆき、奇数番目の数が同一値をとる2n個の数Gi(但し、i=1〜2n、nは2以上の整数)からなる数列、
    第1の境界用半直線と第2の境界用半直線との交差角をφとし、定義した数列を構成する数の総和をSUMとしたときに、第i番目の帯状領域の幅θiが、θi=φ×Gi/SUMとなるように、帯状領域の定義を行うことを特徴とするホログラム記録媒体の作成方法。
  10. 請求項1に記載の作成方法において、
    主領域定義段階で、第1の主領域の周囲を取り囲むように中間主領域を定義し、この中間主領域の周囲を取り囲むように第2の主領域を定義し、
    帯状領域定義段階で、第1の主領域の周囲を取り囲むように第1番目の環状の帯状領域を定義し、第i番目の環状の帯状領域の周囲を取り囲むように第(i+1)番目の環状の帯状領域を定義し(但し、i=1〜2n−1、nは2以上の整数)、第2の主領域が第2n番目の環状の帯状領域の周囲を取り囲むようにすることを特徴とするホログラム記録媒体の作成方法。
  11. 請求項10に記載の作成方法において、
    主領域定義段階で、閉じた輪郭線をもったサンプル図形と、このサンプル図形の内部もしくは輪郭線上に位置する基準点とを定義し、前記サンプル図形をα倍して得られる第1の基本図形およびこれに対応する基準点と、前記サンプル図形をβ倍(但し、α<β)して得られる第2の基本図形およびこれに対応する基準点とを求め、前記第1の基本図形と前記第2の基本図形とをそれぞれの基準点が重なるように重ね合わせ、前記第1の基本図形の内側領域もしくはその一部を第1の主領域と定義し、前記第2の基本図形の外側領域もしくはその一部を第2の主領域と定義し、前記第1の基本図形の外側かつ前記第2の基本図形の内側に位置する領域もしくはその一部を中間主領域と定義することを特徴とするホログラム記録媒体の作成方法。
  12. 請求項11に記載の作成方法において、
    帯状領域定義段階で、α<γ(1)<γ(2)<γ(3)<,…,<γ(2n−1)<βなる条件を満たす合計(2n−1)個の倍率パラメータγ(i)(但し、i=1〜2n−1、nは2以上の整数)を定義し、サンプル図形をそれぞれγ(i)倍して得られる合計(2n−1)個の中間図形を求め、これらの各中間図形を、それぞれの基準点が第1の基本図形および第2の基本図形の基準点に重なるように重ね合わせ、第1の基本図形の輪郭線と第1番目の中間図形の輪郭線とで挟まれた環状の領域を第1番目の帯状領域と定義し、第i番目の中間図形の輪郭線と第(i+1)番目の中間図形の輪郭線とで挟まれた環状の領域を第(i+1)番目の帯状領域と定義し(但し、i=1〜2n−2、nは2以上の整数)、第(2n−1)番目の中間図形の輪郭線と第2の基本図形の輪郭線とで挟まれた環状の領域を第2n番目の帯状領域と定義することを特徴とするホログラム記録媒体の作成方法。
  13. 請求項12に記載の作成方法において、
    帯状領域定義段階で、以下の数列a,数列b,数列cのいずれかを定義し、
    <数列a>:奇数番目の数が単調増加してゆき、偶数番目の数が単調減少してゆく2n個の数Gi(但し、i=1〜2n、nは2以上の整数)からなる数列、
    <数列b>:奇数番目の数が単調増加してゆき、偶数番目の数が同一値をとる2n個の数Gi(但し、i=1〜2n、nは2以上の整数)からなる数列、
    <数列c>:偶数番目の数が単調減少してゆき、奇数番目の数が同一値をとる2n個の数Gi(但し、i=1〜2n、nは2以上の整数)からなる数列、
    δ=β−αとし、定義した数列を構成する数の総和をSUMとし、定義した数列の第1番目の数G1から第i番目の数Giまでの和をSiとしたときに、第i番目の倍率パラメータγ(i)が、γ(i)=α+(Si/SUM)δとなるように、帯状領域の定義を行うことを特徴とするホログラム記録媒体の作成方法。
  14. 請求項11〜13のいずれかに記載の作成方法において、
    サンプル図形についての基準点を、当該サンプル図形の重心点位置に定義することを特徴とするホログラム記録媒体の作成方法。
  15. 請求項10に記載の作成方法において、
    主領域定義段階で、閉じた輪郭線をもった第1の基本図形と、閉じた輪郭線をもち前記第1の基本図形を包含する第2の基本図形とを定義し、前記第1の基本図形の内側領域もしくはその一部を第1の主領域と定義し、前記第2の基本図形の外側領域もしくはその一部を第2の主領域と定義し、前記第1の基本図形の外側かつ前記第2の基本図形の内側に位置する領域もしくはその一部を中間主領域と定義することを特徴とするホログラム記録媒体の作成方法。
  16. 請求項15に記載の作成方法において、
    帯状領域定義段階で、
    第1の基本図形の内部に基準点を定義し、この第1の基本図形の輪郭線上に複数m個の第1指標点を定義し、
    前記基準点を端点とし、前記m個の第1指標点を通るm本の半直線を定義し、このm本の半直線と第2の基本図形の輪郭線との交点にそれぞれ第2指標点を定義し、
    各帯状領域の内側輪郭線と外側輪郭線との間の前記半直線に沿った距離を当該半直線上での当該帯状領域の幅としたときに、前記m本の半直線上のいずれについても、(a),(b),(c)のいずれかの条件が満足されるような定義を行うことを特徴とするホログラム記録媒体の作成方法。
  17. 請求項16に記載の作成方法において、
    帯状領域定義段階で、以下の数列a,数列b,数列cのいずれかを定義し、
    <数列a>:奇数番目の数が単調増加してゆき、偶数番目の数が単調減少してゆく2n個の数Gi(但し、i=1〜2n、nは2以上の整数)からなる数列、
    <数列b>:奇数番目の数が単調増加してゆき、偶数番目の数が同一値をとる2n個の数Gi(但し、i=1〜2n、nは2以上の整数)からなる数列、
    <数列c>:偶数番目の数が単調減少してゆき、奇数番目の数が同一値をとる2n個の数Gi(但し、i=1〜2n、nは2以上の整数)からなる数列、
    各半直線について、第1指標点と第2指標点との距離をΔとし、定義した数列を構成する数の総和をSUMとしたときに、当該半直線上での第i番目の帯状領域の幅Wiが、Wi=Δ×Gi/SUMとなるように、帯状領域の定義を行うことを特徴とするホログラム記録媒体の作成方法。
  18. 請求項17に記載の作成方法において、
    帯状領域定義段階で、各半直線上に、個々の帯状領域の内側輪郭線および外側輪郭線との交点となるべき点をプロットし、プロットした各点間を直線もしくは滑らかな曲線によって結ぶことにより、個々の帯状領域の内側輪郭線および外側輪郭線を定義することを特徴とするホログラム記録媒体の作成方法。
  19. 請求項16〜18のいずれかに記載の作成方法において、
    帯状領域定義段階で、第1の基本図形についての基準点を、その重心点位置に定義することを特徴とするホログラム記録媒体の作成方法。
  20. 請求項16〜19のいずれかに記載の作成方法において、
    主領域定義段階で、第1の基本図形として多角形を定義し、
    帯状領域定義段階で、前記多角形の個々の頂点を第1指標点とすることを特徴とするホログラム記録媒体の作成方法。
  21. 請求項16〜19のいずれかに記載の作成方法において、
    帯状領域定義段階で、第1の基本図形の輪郭線上に始点を定め、この始点から前記輪郭線に沿って所定の基準間隔で周期的にプロットした点として第1指標点を定義することを特徴とするホログラム記録媒体の作成方法。
  22. 請求項16〜19のいずれかに記載の作成方法において、
    帯状領域定義段階で、第1の基本図形の輪郭線の全長を複数m等分する分割点を求め、これら分割点を第1指標点とすることを特徴とするホログラム記録媒体の作成方法。
  23. 請求項16〜19のいずれかに記載の作成方法において、
    帯状領域定義段階で、2以上の整数mについて、360°/mなる角度を隔てて、基準点を端点とするm本の半直線を定義し、このm本の半直線と第1の基本図形の輪郭線との交点に第1指標点を定義することを特徴とするホログラム記録媒体の作成方法。
  24. 請求項1〜23のいずれかに記載の作成方法において、
    原画像準備段階で、二次元画像もしくは三次元画像を示すデジタルデータを原画像として用意することを特徴とするホログラム記録媒体の作成方法。
  25. 請求項1〜24のいずれかに記載の作成方法において、
    原画像準備段階で、実体のない空画像を原画像のひとつとして用意し、前記空画像の記録属性が付与された領域については、干渉縞パターン・回折格子パターン・散乱構造パターンのいずれも形成しないことを特徴とするホログラム記録媒体の作成方法。
  26. 請求項1〜25のいずれかに記載の作成方法において、
    記録パターン作成段階で、各領域について原画像に基づく干渉縞パターンを求める際に、原画像および記録面を三次元空間上に配置し、所定の参照光を定義し、原画像からの物体光と参照光とによって各領域内に形成される干渉縞パターンを演算によって求めることを特徴とするホログラム記録媒体の作成方法。
  27. 請求項1〜25のいずれかに記載の作成方法において、
    記録パターン作成段階で、各領域について原画像に基づく回折格子パターンもしくは散乱構造パターンを求める際に、各領域内に複数の画素を定義し、この画素について原画像上の対応画素を求め、当該対応画素の画素値に基づいて、個々の画素内の回折格子パターンもしくは散乱構造パターンを決定することを特徴とするホログラム記録媒体の作成方法。
  28. 請求項1〜25のいずれかに記載の作成方法において、
    記録パターン作成段階で、第1の原画像、第2の原画像、記録面を三次元空間上に配置し、所定の参照光を定義し、第1の記録属性が付与された領域については、前記第1の原画像からの物体光と参照光との干渉縞パターンを演算によって求め、第2の記録属性が付与された領域については、前記第2の原画像からの物体光と参照光との干渉縞パターンを演算によって求めることを特徴とするホログラム記録媒体の作成方法。
  29. 請求項1〜25のいずれかに記載の作成方法において、
    記録パターン作成段階で、第1の記録属性が付与された領域については、第1の原画像および記録面を三次元空間上に配置し、所定の参照光を定義し、前記第1の原画像からの物体光と参照光との干渉縞パターンを演算によって求め、第2の記録属性が付与された領域については、当該領域内に複数の画素を定義し、この画素について第2の原画像上の対応画素を求め、当該対応画素の画素値に基づいて、個々の画素内の回折格子パターンもしくは散乱構造パターンを決定することを特徴とするホログラム記録媒体の作成方法。
  30. 請求項1〜25のいずれかに記載の作成方法において、
    記録パターン作成段階で、第1の記録属性が付与された領域については、当該領域内に複数の画素を定義し、この画素について第1の原画像上の対応画素を求め、当該対応画素の画素値に基づいて、個々の画素内の回折格子パターンもしくは散乱構造パターンを決定し、第2の記録属性が付与された領域については、当該領域内に複数の画素を定義し、この画素について第2の原画像上の対応画素を求め、当該対応画素の画素値に基づいて、個々の画素内の回折格子パターンもしくは散乱構造パターンを決定することを特徴とするホログラム記録媒体の作成方法。
  31. 請求項1〜30のいずれかに記載の作成方法における原画像準備段階で用意された原画像を示すデジタルデータと、
    請求項1〜30のいずれかに記載の作成方法における主領域定義段階で定義された主領域を示すデジタルデータと、
    に基づいて、請求項1〜30のいずれかに記載の作成方法における帯状領域定義段階の処理、属性付与段階の処理および記録パターン作成段階の処理をコンピュータに実行させる機能をもったコンピュータプログラム。
  32. 請求項1〜30のいずれかに記載の作成方法によって作成されたホログラム記録媒体。
  33. 記録対象となる第1の原画像および第2の原画像をデータとして格納する原画像格納部と、
    ホログラム記録面上に定義された、互いに空間的に離隔して配置された第1の主領域と第2の主領域と、前記第1の主領域と前記第2の主領域との間に配置され、前記第1の主領域と前記第2の主領域との双方に接する中間主領域と、を示すデータを格納する主領域データ格納部と、
    前記中間主領域を分割することにより、前記第1の主領域と前記中間主領域との境界に位置する第1の境界線もしくは前記中間主領域と前記第2の主領域との境界に位置する第2の境界線にほぼ沿った方向に伸びる複数の帯状領域を定義する帯状領域定義部と、
    前記第1の主領域には第1の記録属性を付与し、前記第2の主領域には第2の記録属性を付与し、前記中間主領域には個々の帯状領域ごとにそれぞれ前記第1の記録属性および前記第2の記録属性のいずれか一方を付与する属性付与部と、
    前記第1の記録属性が付与された領域については、前記第1の原画像に基づく干渉縞パターン・回折格子パターン・散乱構造パターンを求め、前記第2の記録属性が付与された領域については、前記第2の原画像に基づく干渉縞パターン・回折格子パターン・散乱構造パターンを求めることにより、前記記録面上に形成される所定の記録パターンを示すデータを作成する記録パターン作成部と、
    を備え、
    前記帯状領域定義部は、前記第1の主領域に接する第1番目の帯状領域と、第i番目の帯状領域に接する第(i+1)番目の帯状領域と(但し、i=1〜2n−2、nは2以上の整数)、第(2n−1)番目の帯状領域と前記第2の主領域とに接する第2n番目の帯状領域と、からなる合計2n個の帯状領域を、以下の(a),(b),(c)のいずれかの条件が満足されるように定義し、
    (a) 奇数番目の帯状領域の幅が前記第1の主領域から前記第2の主領域へ向かうに従って徐々に増加し、偶数番目の帯状領域の幅が前記第1の主領域から前記第2の主領域へ向かうに従って徐々に減少する、
    (b) 奇数番目の帯状領域の幅が前記第1の主領域から前記第2の主領域へ向かうに従って徐々に増加し、偶数番目の帯状領域の幅はほぼ一定を維持する、
    (c) 偶数番目の帯状領域の幅が前記第1の主領域から前記第2の主領域へ向かうに従って徐々に減少し、奇数番目の帯状領域の幅はほぼ一定を維持する、
    前記属性付与部は、奇数番目の帯状領域には前記第2の記録属性を付与し、偶数番目の帯状領域には前記第1の記録属性を付与することを特徴とするホログラム記録媒体の作成装置。
  34. 互いに空間的に離隔して配置された第1の主領域と第2の主領域と、前記第1の主領域と前記第2の主領域との間に配置され、前記第1の主領域と前記第2の主領域との双方に接する中間主領域とを有し、
    前記中間主領域は、前記第1の主領域と前記中間主領域との境界に位置する第1の境界線もしくは前記中間主領域と前記第2の主領域との境界に位置する第2の境界線にほぼ沿った方向に伸びる複数の帯状領域に分割されており、
    前記複数の帯状領域は、前記第1の主領域に接する第1番目の帯状領域と、第i番目の帯状領域に接する第(i+1)番目の帯状領域と(但し、i=1〜2n−2、nは2以上の整数)、第(2n−1)番目の帯状領域と前記第2の主領域とに接する第2n番目の帯状領域と、の合計2n個の帯状領域からなり、
    前記2n個の帯状領域の幅は、以下の(a),(b),(c)のいずれかの条件が満足されるように設定されており、
    (a) 奇数番目の帯状領域の幅が前記第1の主領域から前記第2の主領域へ向かうに従って徐々に増加し、偶数番目の帯状領域の幅が前記第1の主領域から前記第2の主領域へ向かうに従って徐々に減少する、
    (b) 奇数番目の帯状領域の幅が前記第1の主領域から前記第2の主領域へ向かうに従って徐々に増加し、偶数番目の帯状領域の幅はほぼ一定を維持する、
    (c) 偶数番目の帯状領域の幅が前記第1の主領域から前記第2の主領域へ向かうに従って徐々に減少し、奇数番目の帯状領域の幅はほぼ一定を維持する、
    前記第1の主領域および偶数番目の帯状領域には、第1の原画像に基づく干渉縞パターン・回折格子パターン・散乱構造パターンが記録されており、前記第2の主領域および奇数番目の帯状領域には、第2の原画像に基づく干渉縞パターン・回折格子パターン・散乱構造パターンが記録されていることを特徴とするホログラム記録媒体。
  35. 互いに空間的に離隔して配置された第1の主領域と第2の主領域と、前記第1の主領域と前記第2の主領域との間に配置され、前記第1の主領域と前記第2の主領域との双方に接する中間主領域とを有し、
    前記中間主領域は、前記第1の主領域と前記中間主領域との境界に位置する第1の境界線もしくは前記中間主領域と前記第2の主領域との境界に位置する第2の境界線にほぼ沿った方向に伸びる複数の帯状領域に分割されており、
    前記複数の帯状領域は、前記第1の主領域に接する第1番目の帯状領域と、第i番目の帯状領域に接する第(i+1)番目の帯状領域と(但し、i=1〜2n−2、nは2以上の整数)、第(2n−1)番目の帯状領域と前記第2の主領域とに接する第2n番目の帯状領域と、の合計2n個の帯状領域からなり、
    前記2n個の帯状領域の幅は、以下の(a),(b),(c)のいずれかの条件が満足されるように設定されており、
    (a) 奇数番目の帯状領域の幅が前記第1の主領域から前記第2の主領域へ向かうに従って徐々に増加し、偶数番目の帯状領域の幅が前記第1の主領域から前記第2の主領域へ向かうに従って徐々に減少する、
    (b) 奇数番目の帯状領域の幅が前記第1の主領域から前記第2の主領域へ向かうに従って徐々に増加し、偶数番目の帯状領域の幅はほぼ一定を維持する、
    (c) 偶数番目の帯状領域の幅が前記第1の主領域から前記第2の主領域へ向かうに従って徐々に減少し、奇数番目の帯状領域の幅はほぼ一定を維持する、
    前記第1の主領域および偶数番目の帯状領域には、原画像からの物体光と参照光との干渉縞パターンが記録されており、前記第2の主領域および奇数番目の帯状領域には、複数の画素が配置され、個々の画素内には表現すべき画像の画素に応じた回折格子パターンもしくは散乱構造パターンが記録されていることを特徴とするホログラム記録媒体。
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