JP5012126B2 - チューニングシステム及びチューナ装置 - Google Patents

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Description

本発明は、チューニングシステム及びチューナ装置に関し、特に、多数の楽器で合奏を行うオーケストラやビッグバンド又は比較的少人数の楽器で合奏を行うアンサンブルにおけるチューニングのためのチューニングシステム及びチューナ装置に関するものである。
多数の楽器で合奏を行うオーケストラ及びブラスバンドやジャズバンドなどのビッグバンドの場合、又は、比較的少人数の楽器で合奏を行うアンサンブルの場合には、各楽器の音高を目的の音律に前もって整えるために、演奏前にチューニング(調律)を行うようになっている。例えば、クラシック演奏のオーケストラでは、指揮者が登場する前に、音高の変化させにくいオーボエやクラリネットを基準としてチューニングが行われることはよく知られている。このチューニングのために専用のチューナ装置が使用される。チューナ装置(調律器)については従来多くの提案がなされている。
例えば、ある提案の調律器では、セント偏差値の移動平均データ数を、被調律信号の変化が大きい時は少なくして反応性を高め、被調律信号の変化が小さい時は多くして安定性を高めるようにしている。(特許文献1参照)
また、ある提案の調律器では、移調を希望する調の主音を入力している状態で、移調スイッチを瞬時だけ操作することにより、その希望する調を調律する状態に移調するようになっている。(特許文献2参照)
また、ある提案の調律器及び調律方法では、波形成形部によってパルス信号に変換された信号は、抽出部によって音名、オクターブ、セント偏差を抽出判定され、制御部は、抽出した音名、オクターブが設定手段により設定されている音名、オクターブから±50セント以内であったら、非調律信号が安定調律範囲に入っていることを示すために安定フラグを1にセットするようになっている。(特許文献3参照)
また、ある提案の調律器及び調律方法では、スイッチが発音するモードに設定されると、マイコンから基準音が発せられてスピーカで発音され、同時にマイコンからはマイクON/OFF信号がLoの状態で送られ、マイクをOFFにし、スピーカから発せられた基準音をマイクが被調律信号として拾わないようにしている。(特許文献4参照)
また、ある提案の調律器では、調律器の音名判定結果とピッチ誤差算出手段の算出結果を光透過型表示器に表示させ、光透過型表示器に表示された音名とピッチ誤差を投写レンズを通じて拡大投影し、任意の表示面に表示させるか、又は多色発光素子と発光色制御手段を設け、ピッチ誤差の数値に応じて多色発光素子の発光色を切替え、多色発光素子の発光を任意の表示面に輝点として投影し、輝点の色でピッチ誤差を表示するようになっている。(特許文献5参照)
また、ある提案の調律器のキーシフト設定方法では、「ド」入力指示スイッチを押すと、「ド」入力状態になり、調律対象の楽器から「ド」の音を調律器に入力すると、調律器は入力された「ド」の音程を自動判別し、キーシフト量を自動で設定するようになっている。(特許文献6参照)
特開2001−296860号公報 特開2002−108333号公報 特開2003−316353号公報 特開2004−109302号公報 特開2005−084481号公報 特開2006−220850号公報
しかしながら、上記特許文献1乃至特許文献6においては、演奏前にチューニングを行う場合には有効であるが、演奏中にチューニングを行う構成にはなっていない。アコースティック楽器の場合には、演奏中においても、周囲の温度や湿度の変化で微妙に音高が変化することがある。例えば、弦楽器の場合には押さえる指の位置や強さによって音高が変化し、管楽器の場合には吹き込む空気の圧力やアンブシュア(マウスピース)によって音高が変化する。このため演奏全体の調和がとれなくなるという問題があった。特に、音量の大きい楽器や演奏の中心的な役割を担っている楽器の音高が変化した場合には他の楽器との不協和音が著しくなってしまう。
本発明は、このような従来の課題を解決するためのものであり、多数の楽器で合奏を行うオーケストラやビッグバンドのような場合、あるいは比較的少人数の楽器で合奏を行うアンサンブルのような場合に、演奏前だけでなく演奏中においてもチューニングを行うことができるようにすることを目的とする。
請求項1に記載のチューニングシステムは、複数種類の楽器の各々に対応して設けられ、演奏中の楽器から発せられる楽音の音高に係る情報を含むパラメータを抽出するパラメータ抽出手段と、当該抽出されたパラメータを送信する送信手段と、外部より送信された楽音の音高に係る情報を受信する第1の受信手段と、当該受信手段により受信された音高に係る情報及び抽出されたパラメータに含まれる音高に係る情報の両方を表示する表示手段を有する複数のチューナ部と、前記複数のチューナ部から送信されるパラメータを受信する第2の受信手段と、この第2の受信手段により受信されたパラメータを夫々記憶する記憶手段と、前記複数種類の楽器の中からチューニング対象となる演奏中の楽器の楽音を選択する対象楽器選択手段と、前記複数種類の楽器の中から所定の条件を満足する楽器を検出する比較楽器検出手段と、前記比較楽器検出手段によって検出された楽器に対応するパラメータに含まれる音高に係る情報を前記記憶手段から読み出し、当該読み出されたピッチを前記チューニング対象の楽器に対応するチューナ部に対して送信する送信手段と、を備えたことを特徴とする。
請求項1のチューニングシステムにおいて、請求項2に記載したように、前記各チューナ部のパラメータ抽出手段により抽出されるパラメータは、前記演奏中の楽器から発せられる楽音の音量を含み、前記比較楽器検出手段は、前記記憶手段に夫々記憶された音量に基づいて、前記複数種類の楽器の楽音の中から最も大きい音量の楽器を比較楽器として検出することを特徴とする。
請求項2のチューニングシステムにおいて、請求項3に記載したように、前記比較楽器検出手段は、前記記憶手段に記憶された音量のうち、特定の種類の楽器に対応する音量のみを一定値増加させることを特徴とする。
請求項1のチューニングシステムにおいて、請求項4に記載したように、前記比較楽器検出手段は、前記記憶手段に記憶された音高のうち、前記チューニング対象の楽器に対応する音名と協和する音名に対応する楽器を比較楽器として検出することを特徴とする。
請求項1のチューニングシステムにおいて、請求項5に記載したように、前記比較楽器検出手段は、前記複数種類の楽器から夫々発する楽音の音色の類似度の順位を表わすテーブルを含み、当該テーブルより前記演奏中の楽器から発する楽音の音色に対して最も順位の高い音色の楽音を発する楽器を、比較楽器として検出することを特徴とする。
請求項1のチューニングシステムにおいて、請求項6に記載したように、前記比較楽器検出手段は、前記複数種類の楽器の楽音の中から操作に応じて指定された楽器を、比較楽器として検出することを特徴とする。
請求項1のチューニングシステムにおいて、請求項7に記載したように、前記各チューナ部は、パラメータ抽出手段として、演奏中の楽器から発せられる楽音のピッチを抽出するピッチ抽出手段を有するとともに、前記第1の受信手段は、さらにこのピッチ抽出手段により抽出されたピッチ及び前記第1の受信手段にて受信された音高に係る情報としてのピッチを受信するように構成され、この受信されたピッチ及び抽出されたピッチを、夫々のピッチに最も近い音名及び当該音名との差分値(セント)に変換する変換手段を有し、前記表示手段は、この変換手段にて変換された2つの差分値(セント)を表示することを特徴とする。
請求項8に記載のチューナ装置は、複数種類の楽器の各々に対応して設けられ、演奏中の楽器から発せられる楽音の音高に係る情報を含むパラメータを抽出するパラメータ抽出手段と、当該抽出されたパラメータを送信する送信手段と、外部より送信された楽音の音高に係る情報を受信する第1の受信手段と、当該受信手段により受信された音高に係る情報及び抽出されたパラメータに含まれる音高に係る情報の両方を表示する表示手段と、を備えたことを特徴とする。
本発明のチューナ装置及びチューニング方法によれば、多数の楽器で合奏を行うオーケストラやビッグバンドのような場合、あるいは比較的少人数の楽器で合奏を行うアンサンブルのような場合に、演奏前だけでなく演奏中においてもチューニングを行うことができるという効果が得られる。
以下、本発明のチューナ装置及びそのチューニング方法の実施形態について、図1乃至図14を参照して説明する。
図1は、本発明のチューナシステム及びチューナ装置の実施形態であり、8人編成のアンサンブルのシステムの構成を示すブロック図である。図1において、マスタチューナ100は、指揮台の上に置かれた指揮者用の装置である。8個のプレーヤチューナ200は、オーケストラの各楽器の演奏者用のチューナ装置である。
マスタチューナ100は、CPU11及びこれに接続されたタッチスイッチ12、表示部13、ROM14、及びRAM15で構成されている。CPU11は、これら各部との間でデータ及びコマンドの授受を行って、マスタチューナ100全体を制御する。タッチスイッチ12は、ITOなどの透明電極層で構成されており、指や指揮棒などの接触によってスイッチ操作を行うスイッチ群を有する。
表示部13は、タッチスイッチ12の透明電極層の下層に配置され、タッチスイッチ12を透過して画像が表示されると共に、タッチスイッチ12の各スイッチの位置(座標)及び内容を表示するようになっている。タッチスイッチ12及び表示部13の詳細な内容についてはさらに後述する。ROM14には、CPU11によって実行されるチューニング方法の制御プログラムや初期データなどが予め格納されている。RAM15は、CPU11のワークエリアであり、CPU11によって処理されるデータを一時的に記憶すると共に、制御プログラムに実行に必要なレジスタやフラグなどのエリアが設けられている。
各プレーヤチューナ200(1)〜(8)は、CPU21及びこれに接続されたROM22、RAM23、スイッチ24、マイク25、及び表示部26で構成されている。CPU21は、これら各部との間でデータ及びコマンドの授受を行って、プレーヤチューナ200全体を制御する。ROM22には、CPU21によって実行されるチューニング方法の制御プログラムや初期データなどが予め格納されている。RAM23は、CPU21のワークエリアであり、CPU21によって処理されるデータを一時的に記憶すると共に、制御プログラムに実行に必要なレジスタやフラグなどのエリアが設けられている。スイッチ24は、各プレーヤの操作に応じてデータやコマンドを入力する。マイク25は、演奏される各楽器の楽音を集音して、ピッチ成分及び音量成分を含む楽音信号をアナログからデジタルに変換してCPU21に入力する。表示部26は、CPU21からのデータ及びコマンドに応じてチューニング状態を表示する。表示部26の表示内容についてはさらに後述する。
マスタチューナ100のCPU11には、各プレーヤチューナ200との間でデータやコマンドを通信するためのポートPO(1)〜PO(n)が設けられている。通信の形態は、ケーブルなどを用いた有線通信、又は、ブルートゥース(登録商標)通信や赤外線通信などの近距離無線通信である。無線通信の場合には、各プレーヤチューナ200に固有の識別情報(この実施形態では、1〜8の番号)が演奏練習の際に適宜マスタチューナ100のRAM15に登録される。オーケストラやビッグバンドのように多数の楽器のチューニングの場合には、必ずしも全ての楽器とポートの数nが一致する必要はない。1つのポートをスイッチングして複数の楽器に対応させればよい。
図2は、マスタチューナ100の表示部13に表示されたタッチスイッチ12の位置すなわち座標を示す図である。図2において、横方向(これを「x軸」とする)は、指揮者によって指示される各楽器(1〜8)を表し、縦方向(これを「y軸」とする)は、演奏中にチューニングの比較対照となる楽器(1〜8)、音量(9)、ハーモニーを示す協和(10)、及び、類似の楽器(11)を表している。ここで、1はフルート、2はピッコロ、3はクラリネット、4はファゴット、5はホルン、6はトランペット、7はトロンボーン、8はバイオリンである。
図2の例では、フルート、ピッコロ、クラリネットに対してはファゴットのピッチに合わせてチューニングを行う指示、ファゴット、ホルン、トランペットに対してはフルートに合わせてチューニングを行う指示、トロンボーン、バイオリンに対しては協和する楽器に合わせてチューニングを行う指示がなされている。ただし、図2に示す指示は説明の便宜のためのものであり、この表示が必ずしも同時に行われる訳ではなく、演奏中に適宜指示は変化する。
図3は、図1の各プレーヤチューナ200の演奏中における表示内容を示す図である。図3に示すように、プレーヤチューナ200の操作パネルには、電源ON/OFF用のスタート/ストップ・スイッチを含む複数のスイッチ24、演奏される各楽器の楽音を集音するピエゾ素子などからなるマイク25、及び表示部26が配置されている。表示部26に表示されているチューニングの例では、このプレーヤチューナ200のプレーヤの楽器が現在発音しているピッチに最も近い音名(この場合は、「G4#」)が表示され、A4=440Hzとしたときのその音名「G4#」の基準ピッチを表す中央の針に対して、2本の矢印の針が表示されている。この2本の矢印の針のうち、長い実線の針は現在発音中の楽音から抽出されたピッチを表し、短い点線の針はチューニングのために比較する楽器のピッチ(比較ピッチ)を表している。
次に、図1のシステムにおけるチューニング方法の動作について、図4乃至図14を参照して説明する。演奏中において、マスタチューナ100のCPU11の各ポートからは、指揮者の指示により又は自動的に、対応する各プレーヤチューナ200に対してチューニングのために比較すべき楽器の比較ピッチが送信されると共に、各プレーヤチューナ200から必要な情報を対応する各ポートから受信する。
図4及び図5は、プレーヤチューナ200のCPU21によって実行されるチューニング方法の動作を示すフローチャートである。図4において、所定のイニシャライズ(ステップSA1)の後、マスタチューナ100から比較ピッチを受信したか否かを判別し(ステップSA2)、比較ピッチを受信したときは、それをRAM23のレジスタPITCH1にストアする(ステップSA3)。次に、マイク25より楽音を取り込み(ステップSA4)、その楽音のピッチを抽出してRAM23のレジスタPITCH2にストアし(ステップSA5)、その楽音の音量を抽出してRAM23のレジスタVOLUME2にストアする(ステップSA6)。また、マスタチューナ100から送信要求を受信したか否かを判別し(ステップSA7)、受信したときはPITCH2にストアしたピッチ及びVOLUME2にストアした音量のデータを送信する(ステップSA8)。
次に、PITCH2にストアしたピッチに最も近い音名を求める(ステップSA9)。その抽出した音名をRAM23のレジスタSCALEにストアして(図5のステップSA10)、このレジスタSCALEにストアされた音名に対応する基準ピッチとレジスタPITCH2にストアされた抽出ピッチとの差分値をセント単位の値に変換してレジスタCENT1にストアする(ステップSA11)。そして、レジスタPITCH1にストアされている受信された比較ピッチも同様に、最も近い音名との差分値(セント)を求めて、この差分値をレジスタCENT2にストアする(ステップSA12)。次に、SCALEの音名をデジタル表示する(ステップSA13)。ステップSA13のデジタル表示の後、レジスタCENT1及びCENT2にストアされた値をアナログ指針表示する(ステップSA14)。そして、図4のステップSA2に移行して、図5のステップSA14までのループを繰り返す。
例えば、受信した比較ピッチが413.0Hzで、発音中の楽音から抽出したピッチが423.0Hzであった場合には、ステップSA3でPITCH1に「413.0」をストアし、ステップSA5でPITCH2に「423.0」をストアする。
また、基準ピッチがA4=440Hzであるときの「G4#」のピッチは415.3Hzであり、「G4」のピッチは392.0Hzである。
ここで、受信した比較ピッチ(413.0Hz)に最も近い音名は「G4#」であり、その差分値は2.3Hz(415.3Hz−413.0Hz)となるが、この差分値をセント単位で表現すると、約10セントとなり、この値をステップSA11でレジスタCENT1にストアする。
同様に、抽出ピッチ(423.0Hz)に最も近い方の音名は「G4#」となり、その差分値は7.7Hz(423.0Hz−415.3Hz)となり、これをセント単位で表現すると約30セントとなり、この値をステップSA12でレジスタCENT2にストアする。そしてこの両方のセント単位の差分値をアナログ指針表示する。(ステップSA14)図3のアナログ指針はこの例を表示したものであり、中央の基準ピッチに対して、抽出ピッチを示す実線の指針は右側(高音側)に「30セント」だけ偏倚し、比較ピッチを示す点線の指針は左側(低音側)に「18セント」だけ偏倚している。
本実施形態においては、基準ピッチとの差分値をセント単位に変換して表示しているが、本願発明はもちろん、PITCH1及びPITCH2にストアされたピッチそのものをアナログ指針表示してもかまわない。
本実施形態にてセント単位に変換する理由は、各音名のピッチが等差数列ではなく、等比数列で変化することに起因する。つまり隣接する音名間の周波数差は、例えばA4=440Hzとした場合、「G4#」はA3(220Hz)×211/12=415.3Hzであり、「G4」は、A3(220Hz)×210/12=392.0Hzと計算される。このように隣接する音名間の周波数差は一定でなく、仮にこれら差分値をピッチのままで表示しようとすると、基準となる音名が何かによってアナログ指針表示のレンジを大きく変えないといけなくなる。
この差分値をセント単位で表現すれば、隣接する音名間の差、つまり半音は全て100セントとなり、基準となる音名が変化しても、セント単位で表現した差分値は0〜100セントという一定の範囲内で表示することが可能となる。
図6乃至図14は、マスターチューナ100のCPU11によって実行されるチューニング方法の動作を示すフローチャートである。
図6はメインルーチンのフローチャートであり、所定のイニシャライズ(ステップSB1)の後、データ取り込み処理(ステップSB2)、スイッチ処理(ステップSB3)、出力処理(ステップSB4)、その他の処理(ステップSB5)を繰り返し実行する。
図7は、図6のメインルーチンにおけるステップSB2のデータ取り込み処理のフローチャートである。RAM15のレジスタの楽器を指定する変数nに「1」をセットして(ステップSC1)、nの値をインクリメントしながらステップSC2からステップSC6までのループを繰り返す。すなわち、ポートPO(n)に送信要求コマンドを送信するように指示し(ステップSC2)、ポートPO(n)から対応するプレーヤチューナ(n)からピッチ及び音量のデータを受信したか否かを判別する(ステップSC3)。ピッチ及び音量のデータを受信したときは、RAM15のレジスタP(n)及びV(n)にそれぞれ受信したピッチ及び音量のデータをストアする(ステップSC4)。次に、nの値をインクリメントして(ステップSC5)、nの値が最大値「8」を超えたか否かを判別する(ステップSC6)。nの値が「8」以下である場合には、ステップSC2に移行してループを繰り返す。
ステップSC6において、nの値が「8」を超えたときは、RAM15のP(1)〜P(8)及びV(1)〜V(8)に、プレーヤチューナ1からプレーヤチューナ8から受信した各楽器の発音中のピッチ及び音量のデータがストアされる。そして、図6のメインルーチンに戻る。
図8は、図6のメインルーチンにおけるステップSB3のスイッチ処理のフローチャートである。タッチスイッチ12がオンされたか否かを判別し(ステップSD1)、いずれのスイッチもオンされない場合にはメインルーチンに戻るが、いずれかのスイッチがオンされたときは、そのオンされたスイッチの横位置の座標をRAM15のレジスタxにストアし、縦位置の座標をレジスタyにストアする(ステップSD2)。
次に、RAM15において各スイッチのオン/オフを記憶する配列{SW( )( )}で、{SW(y)(x)}が「0(オフ状態)」であるか否かを判別する(ステップSD3)。{SW(y)(x)}が「0」である場合には、これを「1(オン状態)」に変更する(ステップSD4)。また、オンされたスイッチと同じ縦位置の座標の全てのスイッチの配列{SW(y)( )}を「0」にリセットする(ステップSD5)。次に、{SW(y)(x)}に対応する位置を点灯し(ステップSD6)、それ以外の同じ縦位置の座標の{SW(y)( )}に対応する位置を消灯する(ステップSD7)。一方、ステップSD3において、{SW(y)(x)}が「1」である場合には、これを「0」に変更する(ステップSD8)。また、{SW(y)(x)}に対応する位置を消灯する(ステップSD9)。ステップSD7又はステップSD9の消灯の後は、図6のメインルーチンに戻る。
図9は、図6のメインルーチンにおけるステップSB4の出力処理のフローチャートである。この出力処理においては、指揮者の操作によるマニュアル処理(ステップSE1)、最大音量の楽音を検出する音量処理(ステップSE2)、音楽的に協和すべき楽音を検出する協和処理(ステップSE3)、類似する楽器を検出する類似処理(ステップSE4)を実行する。
図10は、図9の出力処理におけるステップSE1のマニュアル処理のフローチャートである。配列{SW(y)(x)}のyを「1」にセットした後(ステップSF1)、yの値をインクリメントしながら、ステップSF2からステップSF8までのループを繰り返す。このループにおいて、まず、xを「1」にセットして(ステップSF2)、xの値をインクリメントしながら、ステップSF3からステップSF6までのループを繰り返す。すなわち、指揮者の操作の結果{SW(y)(x)}が「1」であるか否かを判別し(ステップSF3)、{SW(y)(x)}が「1」である場合には、ポートPO(x)から対応するプレーヤチューナ(x)に対してRAM15のレジスタP(y)のピッチを送信する(ステップSF4)。ピッチを送信した後、又は、ステップSF3において{SW(y)(x)}が「0」である場合には、xの値をインクリメントする(ステップSF5)。このとき、xの値が最大値「8」を超えたか否かを判別し(ステップSF6)、xの値が「8」以下の場合は上記ループを繰り返す。
ステップSF6において、xの値が「8」を超えた場合には、yの値をインクリメントして(ステップSF7)、yの値が最大値「8」を超えたか否かを判別する(ステップSF8)。yの値が「8」以下の場合には、ステップSF2に移行して、再びxの値を「1」にセットして、xの値が最大値「8」を超えるまで、上記したステップSF3からステップSF6までのループを繰り返す。xの値が「8」を超えて、さらにインクリメントしたyの値が「8」を超えたときは、図9のフローチャートに戻り、ステップSE1からステップSE2に移行する。
例えば、楽器3のクラリネットのピッチを比較ピッチとして、他の楽器1、2、4〜8をクラリネットに合わせるように指示する場合には、図2のy=「3」の行において、x=「1」、「2」及び「4」〜「8」の位置にタッチして、配列{SW(3)(1)}、{SW(3)(2)}、{SW(3)(4)}〜{SW(3)(8)}を「1」にする。その結果、演奏中のクラリネットのピッチP(3)が他の楽器に対して送信される。
図11は、図9の出力処理におけるステップSE2の音量処理のフローチャートである。まず、音量の最大値検出処理を行う(ステップSG1)。図12は、最大値検出処理のフローチャートである。このフローチャートでは、演奏中の楽器の中で最大の音量を発音しているものを捜す。ただし、管楽器は音量が小さくても合奏に与える影響が強いので、実際の音量に5dBだけ増加して他の楽器の音量と比較する。
なお、増加する数値は5dBに限定されず適宜に決定される。また、増加対象の楽器は管楽器に限定されず、曲の内容、演奏内容、指揮者の判断に応じて適宜に決定される。
図12において、最初に、変数nに「1」をストアし、レジスタMAXにnの値すなわち「1」をストアする(ステップSH1)。次に、nの値に「1」を増加した値を別の変数mにストアして(ステップSH2)、nで指定される楽器とmで指定される楽器の音量を比較する。次に、nで指定した楽器の音量データであるV(n)が「0(無音)」より大きいか否かを判別する(ステップSH3)。すなわち、プレーヤチューナ(n)から受信した音量データが「0(無音)」より大きいか否かを判別する。
V(n)の音量データが「0」より大きい場合には、V(n)の音量データの楽器は管楽器であるか否かを判別する(ステップSH4)。管楽器である場合には、さらに変数mで指定する次の楽器の音量データであるV(m)が「0」より大きいか否かを判別する(ステップSH5)。すなわち、プレーヤチューナ(m)から受信した音量データが「0」より大きいか否かを判別する。V(m)が「0」より大きい場合には、V(m)の音量データの楽器は管楽器であるか否かを判別する(ステップSH6)。管楽器である場合には、V(n)の音量データがV(m)の音量データ以上であるかを判別する(ステップSH7)。すなわち、n及びmで指定する2つの管楽器同士の音量データを比較する。ステップSH6において、V(m)の音量データの楽器が管楽器でない場合には、V(n)の音量データに5dBだけ増加した値がV(m)の音量データ以上であるかを判別する(ステップSH8)。
ステップSH4において、V(n)の音量データの楽器が管楽器でない場合には、V(m)が「0」より大きいか否かを判別する(ステップSH9)。V(m)が「0」より大きい場合には、V(m)の音量データの楽器は管楽器であるか否かを判別する(ステップSH10)。管楽器でない場合には、V(n)の音量データがV(m)の音量データ以上であるかを判別する(ステップSH7)。すなわち、n及びmで指定する2つの管楽器以外の楽器同士の音量データを比較する。ステップSH10において、V(m)の音量データの楽器が管楽器である場合には、V(n)の音量データがV(m)の音量データに5dBだけ増加した値以上であるかを判別する(ステップSH11)。
ステップSH7においてV(n)の音量データがV(m)の音量データより小さい場合、又はステップSH8においてV(n)の音量データに5dBだけ増加した値がV(m)の音量データより小さい場合、又はステップSH11においてV(n)の音量データがV(m)の音量データに5dBだけ増加した値より小さい場合には、mの値をnの値に更新する(ステップSH12)。さらに、MAXにnの値をストアする(ステップSH13)。この場合には、V(m)の音量データが最大値であるので、nの値をmの値に置き換えて、その置き換えたnの値に対応する楽器を最大音量の楽器として指定する。
これと反対に、ステップSH7においてV(n)の音量データがV(m)の音量データ以上である場合、又はステップSH8においてV(n)の音量データに5dBだけ増加した値がV(m)の音量データ以上である場合、又はステップSH11においてV(n)の音量データがV(m)の音量データに5dBだけ増加した値以上である場合には、V(n)の音量データが最大値であるので、最大音量の楽器として現在指定しているnの値を維持する。
ステップSH13において、MAXにnの値をストアした後、又は、ステップSH7においてV(n)の音量データがV(m)の音量データ以上である場合、若しくはステップSH8においてV(n)の音量データに5dBだけ増加した値がV(m)の音量データ以上である場合、若しくはステップSH11においてV(n)の音量データがV(m)の音量データに5dBだけ増加した値以上である場合、すなわち、nの値に変更がない場合には、nの値をインクリメントする(ステップSH14)。そして、nの値が「7」を超えたか否かを判別する(ステップSH15)。nの値が「7」以下である場合には、nの値で指定している楽器の音量データと比較すべき音量データを発生する他の楽器が少なくとも1つはあるので、ステップSH2に移行して、上記の処理を繰り返す。
ステップSH3において、V(n)の音量データが「0」である場合、すなわち、nの値で指定している楽器が演奏中でない場合には、nの値をインクリメントする(ステップSH16)。そして、nの値が「7」を超えたか否かを判別する(ステップSH17)。nの値が「7」以下である場合には、nの値で指定すべき楽器が少なくとも1つはあるので、ステップSH2に移行して、上記の処理を繰り返す。ステップSH17において、nの値が「7」を超えた場合には、全ての楽器の音量データの比較が終了し、最大音量の楽器を検出したので、最終的なnの値をMAXにストアして(ステップSH18)、図11のフローチャートに戻る。
図11のフローチャートにおいて、MAXにストアした最大音量の楽器に基づいて、配列{SW(9)(MAX)}に対応する図2の表示部13の位置を点灯する(ステップSG2)。次に、yの値を「9」にして(ステップSG3)、xの値を「1」にする(ステップSG4)。そして、xの値をインクリメントしながら、ステップSG5からステップSG10までのループを繰り返す。すなわち、配列{SW(y)(x)}が「1」であるか否かを判別し(ステップSG5)、{SW(y)(x)}が「1」である場合には、xの値とMAXの値とが異なるか否かを判別する(ステップSG6)。すなわち、最大音量の楽器とそのピッチに合わせるべき楽器としてxで指定したものが同一でないか否かを判別する。
xの値とMAXの値とが異なる場合には、ポートPO(x)からP(MAX)のピッチを送信する(ステップSG7)。一方、xの値とMAXの値とが同一である場合には、xの値で指定した楽器が当の最大音量の楽器であるので、比較楽器なしの表示を行う(ステップSG8)。ステップSG7においてP(MAX)のピッチを送信した後、又は、ステップSG8において比較楽器なしの表示を行った後は、xの値をインクリメントして(ステップSG9)、xの値が最大値「8」を超えたか否かを判別する(ステップSG10)。xの値が「8」以下である場合には、ステップSG5からステップSG10までのループを繰り返し、xの値が「8」を超えたときは、図9の出力処理のフローチャートに戻る。
図13は、図9の出力処理におけるステップSE3の協和処理のフローチャートである。この協和処理では、ある楽器と他の楽器との間のピッチが同一のもの、オクターブが同一のもの、音程(ピッチ差)が完全5度のもの、音程が短3度のもの、すなわち音楽的に関連性の強い他の楽器で協和すべきものを検出して、その検出した他の楽器のピッチに合わせるようなチューニングを行う。
図13において、まず、P( )にストアされたピッチ夫々に対して最も近い音名を検出してストアする(ステップSJ0)。次いで、yの値を「10」にセットして(ステップSJ1)、xの値を「1」にセットする(ステップSJ2)。そして、xの値をインクリメントしながらチューニングの対象となる楽器を検索する。すなわち、RAM15の{SW(y)(x)}が「1(オン状態)」であるか否かを判別し(ステップSJ3)、{SW(y)(x)}が「0(オフ状態)」である場合には、xの値をインクリメントして(ステップSJ4)、xの値が最大値「8」を超えたか否かを判別する(ステップSJ5)。xの値が「8」以下である場合には、ステップSJ3において、{SW(y)(x)}が「1」であるか否かを判別する。
{SW(y)(x)}が「1」である場合には、協和すべき比較楽器を以下の条件で検出する。xで指定される楽器に対応するポートPO(x)以外のポートの楽器の音名で同一のものがあるか否かを判別する(ステップSJ6)。同一の音名の比較楽器がない場合には、xで指定される楽器に対応するポートPO(x)以外のポートの楽器の音名で同一のオクターブのものがあるか否かを判別する(ステップSJ7)。同一のオクターブの音名の比較楽器がない場合には、xで指定される楽器に対応するポートPO(x)以外のポートの楽器の音名で完全5度の音程のものがあるか否かを判別する(ステップSJ8)。完全5度の音程のものがない場合には、xで指定される楽器に対応するポートPO(x)以外のポートの楽器の音名で短3度の音程のものがあるか否かを判別する(ステップSJ9)。
ステップSJ6、ステップSJ7、ステップSJ8、及び、ステップSJ9のいずれかの条件を満たす比較楽器が検出された場合には、その検索された比較楽器のポート番号を変数nにストアする(ステップSJ10)。そして、ポートPO(x)からP(n)のピッチを送信する(ステップSJ11)。一方、ステップSJ6、ステップSJ7、ステップSJ8、及び、ステップSJ9のいずれの条件をも満たさない場合、すなわち、協和すべき比較楽器を検出できない場合には、比較楽器なしの表示を行う(ステップSJ12)。この表示の後、若しくは、ポートPO(x)からP(n)のピッチを送信した後はステップSJ4に戻る。そしてステップSJ5において、xの値が最大値「8」を超えた場合すなわち発音中の楽器が検索できない場合には、図9の出力処理のフローチャートに戻る。
図14は、図9のステップSE4の類似処理のフローチャートである。この類似処理では、ある楽器と同じ種類の他の楽器として予め登録されている優先順位TABLEから、優先順位の高い楽器を検出して、その検出した楽器に合わせるようなチューニングを行う。
図14において、yに「11」をストアし(ステップSK1)、xに「1」をストアして(ステップSK2)、xの値をインクリメントしながら発音中の楽器を検索する。すなわち、RAM15の{SW(y)(x)}が「1(オン状態)」であるか否かを判別し(ステップSK3)、{SW(y)(x)}が「0(オフ状態)」である場合には、xの値をインクリメントして(ステップSK4)、xの値が最大値「8」を超えたか否かを判別する(ステップSK5)。xの値が「8」以下の場合には、ステップSK3において、{SW(y)(x)}が「1」であるか否かを判別する。
{SW(y)(x)}が「1」である場合には、変数nに「1」をストアして(ステップSK6)、nの値をインクリメントしながら、同じ種類の他の楽器の中で優先順位の高いものを検出するためのループを実行する。すなわち、優先順位TABLE(x)より優先順位nのポート番号を変数mにストアする(ステップSK7)。次に、xの値とmの値と異なっているか否かを判別する(ステップSK8)。すなわち、チューニング対象の楽器と比較楽器とが異なっているか否かを判別する。xの値とmの値と異なっている場合には、mのポート番号に対応する楽器の音量V(m)が「0」より大きいか否かを判別する(ステップSK9)。すなわち、比較楽器が発音中であるか否かを判別する。V(m)が「0」より大きい場合には、ポートPO(x)からP(m)のピッチを送信する(ステップSK10)。すなわち、チューニング対象の楽器に対して、比較楽器のピッチに合わせるように指示する。
ステップSK8において、xの値とmの値とが同じ場合すなわちチューニング対象の楽器と比較楽器とが同じ場合、又は、ステップSK9において、V(m)が「0」で比較楽器が発音中でない場合には、次の優先順位のものを検索するために、nの値をインクリメントし(ステップSK11)、そのnの値が最大値「8」を超えたか否かを判別する(ステップSK12)。nの値が「8」以下の場合には、ステップSK7に移行して、他の楽器の中で優先順位の高いものを検出するためのループを実行する。ステップSK12において、nの値が「8」を超えたときは、比較楽器なしの表示を行う(ステップSK13)。この表示の後、若しくは、ステップSK10でポートPO(x)からP(m)のピッチを送信した後はステップSK4に戻り、ステップSK5において、xの値が最大値「8」を超えた場合すなわち発音中の楽器が検索できない場合には、図9の出力処理のフローチャートに戻る。
以上のように、上記実施形態によれば、本発明のチューニングシステムは、マスタチューナ100及び複数のプレーヤチューナ200で構成され、マスタチューナ100は、複数種類の楽器の各々に対応するプレーヤチューナ200によって抽出された演奏中の楽器から発せられる楽音のピッチを受信するCPU11と、CPU11によって受信された演奏中の複数種類の楽器から発せられる楽音のピッチを記憶するRAM15とを有し、CPU11は、複数種類の楽器の中からチューニング対象となる演奏中の楽器の楽音を選択し、選択された楽器の楽音と比較して音楽的に関係の深い他の楽器の楽音を複数種類の楽器の楽音の中から検出し、検出された楽器の楽音のピッチをRAM15から読み出してチューニング対象の楽器に対応するプレーヤチューナ200に対して送信する。
したがって、多数の楽器で合奏を行うオーケストラやビッグバンドのような場合、あるいは比較的少人数の楽器で合奏を行うアンサンブルのような場合に、演奏前だけでなく演奏中においてもチューニングを行うことができる。
また、上記実施形態において、CPU11は、複数種類の楽器の中からチューニング対象となる演奏中の楽器の楽音と比較して音楽的に関係の深い他の楽器の楽音を複数種類の楽器の楽音の中から検出する場合に、複数種類の楽器の楽音の中から最も音量の大きい楽音を検出する。
したがって、演奏中においては、音量が最大で影響力の強い楽器を中心とすることで全体的な演奏中のチューニングが可能となる。
この場合において、CPU11は、楽音の種類に応じて音量を実際よりも増加する。
したがって、例えば、音量が比較的小さくても、管楽器のように影響力の強い楽器を中心とすることで全体的な演奏中のチューニングが可能となる。あるいは、曲の内容、演奏中の内容、又は指揮者の判断によって特定の楽器を指定して、その特定の楽器を中心とすることで全体的な演奏中のチューニングが可能となる。
また、上記実施形態において、CPU11は、複数種類の楽器の中からチューニング対象となる演奏中の楽器の楽音と比較して音楽的に関係の深い他の楽器の楽音を複数種類の楽器の楽音の中から検出する場合に、予め指定された楽音と協和する楽音を検出する。
したがって、演奏する曲に基づいて全体的な演奏中のチューニングが可能となる。
この場合において、CPU11は、複数種類の楽器の楽音の中から予め指定された楽音の音色と類似する音色を優先して協和する楽音を検出する。
したがって、類似する音色を持つ複数の楽音による演奏中のチューニングによって美しいハーモニーを実現することができる。
あるいはこの場合において、複数種類の楽器の楽音の中から予め指定された楽音の周波数特性が近似する楽音を優先して協和する楽音を検出する。
したがって、類似する音域及び音色を持つ複数の楽音による演奏中のチューニングによって美しいハーモニーを実現することができる。
また、上記実施形態において、CPU11は、複数種類の楽器の中からチューニング対象となる演奏中の楽器の楽音と比較して音楽的に関係の深い他の楽器の楽音を複数種類の楽器の楽音の中から検出する場合に、操作に応じて指定された楽音を検出する。
したがって、演奏中の指揮者の指示によって適切なチューニングを実現できる。
上記実施形態におけるプレーヤチューナ200は、対応する楽器の演奏中の楽音のピッチを抽出するマイク25と、演奏中の他の楽器の楽音から抽出されたチューニング用のピッチをマスタチューナ100から受信するCPU21と、マイク25によって抽出されたピッチ及びCPU21によって受信されたピッチを表示する表示部26を備えている。
したがって、多数の楽器で合奏を行うオーケストラやビッグバンドのような場合、あるいは比較的少人数の楽器で合奏を行うアンサンブルのような場合に、演奏前だけでなく演奏中においてもチューニングを行うことができる。
また、プレーヤチューナ200において、表示部26は、マイク25によって抽出されたピッチに対応する基準のピッチをさらに表示する。
したがって、演奏者は、自分の楽器から発音されているピッチ、チューニングすべき他の楽器のピッチ、及び本来の基準のピッチとの関係を把握しながら演奏することができる。
なお、上記実施形態及び添付した図面は本発明を説明するためのものであり、特許請求の範囲を逸脱しない限り、当業者によって容易に考えられる他の実施形態及び変形例も本発明に含まれる。
本発明のチューニングシステムの構成を示すブロック図。 図1のマスタチューナの表示部に表示されたタッチスイッチの位置を示す図。 図1の各プレーヤチューナの演奏中における表示内容を示す図。 図1のプレーヤチューナのCPUのフローチャート。 図4に続くプレーヤチューナのCPUのフローチャート。 図1のマスタチューナのCPUのメインルーチンのフローチャート。 図6のデータ取り込み処理のフローチャート。 図6のスイッチ処理のフローチャート。 図6の出力処理のフローチャート。 図9のマニュアル処理のフローチャート。 図9の音量処理のフローチャート。 図11の最大値検出処理のフローチャート。 図9の協和処理のフローチャート。 図9の類似処理のフローチャート。
符号の説明
100 マスタチューナ
11 CPU
12 タッチスイッチ
13 表示部
14 ROM
15 RAM
200 プレーヤチューナ
21 CPU
22 ROM
23 RAM
24 スイッチ
25 マイク
26 表示部

Claims (8)

  1. 複数種類の楽器の各々に対応して設けられ、演奏中の楽器から発せられる楽音の音高に係る情報を含むパラメータを抽出するパラメータ抽出手段と、当該抽出されたパラメータを送信する送信手段と、外部より送信された楽音の音高に係る情報を受信する第1の受信手段と、当該受信手段により受信された音高に係る情報及び抽出されたパラメータに含まれる音高に係る情報の両方を表示する表示手段を有する複数のチューナ部と、
    前記複数のチューナ部から送信されるパラメータを受信する第2の受信手段と、
    この第2の受信手段により受信されたパラメータを夫々記憶する記憶手段と、
    前記複数種類の楽器の中からチューニング対象となる演奏中の楽器の楽音を選択する対象楽器選択手段と、
    前記複数種類の楽器の中から所定の条件を満足する楽器を検出する比較楽器検出手段と、
    前記比較楽器検出手段によって検出された楽器に対応するパラメータに含まれる音高に係る情報を前記記憶手段から読み出し、当該読み出されたピッチを前記チューニング対象の楽器に対応するチューナ部に対して送信する送信手段と、
    を備えたことを特徴とするチューシステム。
  2. 前記各チューナ部のパラメータ抽出手段により抽出されるパラメータは、前記演奏中の楽器から発せられる楽音の音量を含み、
    前記比較楽器検出手段は、前記記憶手段に夫々記憶された音量に基づいて、前記複数種類の楽器の楽音の中から最も大きい音量の楽器を比較楽器として検出することを特徴とする請求項1に記載のチューナシステム。
  3. 前記比較楽器検出手段は、前記記憶手段に記憶された音量のうち、特定の種類の楽器に対応する音量のみを一定値増加させることを特徴とする請求項2に記載のチューナシステム。
  4. 前記比較楽器検出手段は、前記記憶手段に記憶された音高のうち、前記チューニング対象の楽器に対応する音名と協和する音名に対応する楽器を比較楽器として検出することを特徴とする請求項1に記載のチューナシステム。
  5. 前記比較楽器検出手段は、前記複数種類の楽器から夫々発する楽音の音色の類似度の順位を表わすテーブルを含み、当該テーブルより前記演奏中の楽器から発する楽音の音色に対して最も順位の高い音色の楽音を発する楽器を、比較楽器として検出することを特徴とする請求項1に記載のチューナシステム。
  6. 前記比較楽器検出手段は、前記複数種類の楽器の楽音の中から操作に応じて指定された楽器を、比較楽器として検出することを特徴とする請求項1に記載のチューナシステム。
  7. 前記各チューナ部は、パラメータ抽出手段として、演奏中の楽器から発せられる楽音のピッチを抽出するピッチ抽出手段を有するとともに、前記第1の受信手段は、さらにこのピッチ抽出手段により抽出されたピッチ及び前記第1の受信手段にて受信された音高に係る情報としてのピッチを受信するように構成され、
    この受信されたピッチ及び抽出されたピッチを、夫々のピッチに最も近い音名及び当該音名との差分値(セント)に変換する変換手段を有し、
    前記表示手段は、この変換手段にて変換された2つの差分値(セント)を表示することを特徴とする請求項1記載のチューナシステム。
  8. 複数種類の楽器の各々に対応して設けられ、演奏中の楽器から発せられる楽音の音高に係る情報を含むパラメータを抽出するパラメータ抽出手段と、
    当該抽出されたパラメータを送信する送信手段と、
    外部より送信された楽音の音高に係る情報を受信する第1の受信手段と、
    当該受信手段により受信された音高に係る情報及び抽出されたパラメータに含まれる音高に係る情報の両方を表示する表示手段と、
    を有するチューナ装置。
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