JP5011945B2 - 半導体集積回路装置および電子機器 - Google Patents
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Description
図示されるように、第1の回路(ブロックA)100と、第2の回路(ブロックB)110が接続され、第1の回路100から第2のブロック110に信号伝達が行われる場合を想定する。
図示されるように、時刻t10において電源ノイズが印加されて、インバータ(INV1)のしきい値レベル(vth)が瞬時的に上昇し、この結果、時刻t11〜t12の期間において、ノードQの論理レベルが反転し、これに対応して、出力信号(Vout)の論理レベルが反転する。
(1)取り扱う電圧レベルが高いために、通常の信号処理系の信号のように、簡単に取り扱うことができない。
(2)正側の電源電圧にさらに正極性のパルスが重畳したときには過大な電圧が発生する可能性があり、回路には、高速な動作と破壊耐性の双方が要求されることになり、回路設計がむずかしい。
(3)ESDパルスがなくなった後も電源ラインの電位変動がしばらくは継続することが予想され、電源パルスの印加期間が予測できない。
(4)電源系回路は、他の多くの回路に重大な影響を与える。したがって、電源ノイズを除去するために設けた回路が、逆に、ノイズを他の回路に与えること(あるいは、他の回路の誤動作の原因を与えること)にならないように、細心の注意を払う必要がある。
(1)電源ノイズ検出回路を電源セルに設け、電源ノイズが検出されると、I/Oセル等に設けられたノイズキャンセル回路によって信号伝達を遮断することから、電源ノイズの継続時間に関係なく、誤った信号伝達を確実に阻止することができる。
(2)一つの電源ノイズ検出回路を、複数のノイズキャンセル回路に対して共通に使用することによって、電源ノイズ検出回路を効率的に活用することができる。
(3)電源ノイズ検出回路を複数の電源セルの各々に設け、各電源ノイズ検出回路から、近傍に配置されているI/Oセルに電源ノイズ検出信号を供給することによって、電源ノイズ検出信号の伝達遅延が生じにくくなり、高速な信号遮断が実現される。また、電源ノイズ検出信号を伝達するための配線を長く引き回す必要もない。
(4)簡素化された回路構成とすることによって、本発明を適用した場合でも、電源セルやI/Oセルのサイズを大型化させずにすみ、これによって、電源セルとI/Oセルの高さを揃えることもできる。
(5)また、高レベル側の電源に重畳される正極性/負極性の電源ノイズ、低レベル側の電源に重畳される正極性の電源ノイズのいずれにも対応可能とすることによって、電源ノイズに起因する回路の誤動作を確実に防止することができる。
(6)また、電源ノイズ検出信号の生成に際して、第1エッジ/第2エッジのタイミング制御を行い、特に、ノイズキャンセル回路への入力信号の遅延と組み合わせることによって、電源ノイズに起因する誤った信号(ノイズ)の伝達を、より確実に防止することができる。
(7)ノイズキャンセル回路を保持回路(スルーラッチ)で構成することによって、簡単な回路によってノイズを除去できる。
(8)また、高レベル側電源電圧に正極性パルスが重畳されたノイズを検出する方式として、ゲート接地のスイッチングトランジスタを使用し、ソース電位とゲート電位の比較によってスイッチングトランジスタを高速にオンさせ、プルダウン素子により形成される放電経路に電源ノイズをすみやかに放電させると共に、プルダウン素子の一端の電位上昇を論理ゲートによって検出することによって電源ノイズを検出する方式を採用することによって、簡素化された構成によって、回路を破壊から守りつつ、高速かつ効率的に電源ノイズを検出することができる。
(9)また、フローティング方式のスイッチングトランジスタとすると共に、ゲート直下の基板電位を常に安定化させる(最適化する)ことによって、電源ノイズの入力の際に、他の回路に悪影響を与えることがなく、安心して本発明の誤動作防止回路を利用することができる。
(10)本発明によって、半導体集積回路装置ならびに電子機器の、電源ノイズに起因する誤動作を確実に防止することができ、その信頼性が向上する。
(11)本発明は、近年、特に重視される傾向にある、半導体集積回路装置(LSI)のESDイミュニティ(静電気放電耐性)の向上に有効である。
図1は、本発明の半導体集積回路装置に搭載される、電源ノイズに起因する誤動作を防止するための回路の構成を説明するためのブロック図である。
図示されるように、誤動作を防止するための回路は、電源ノイズ検出回路200と、第1の回路100(ブロックA)と第2の回路110(ブロックB)との間に設けられたノイズキャンセル回路(以下、ノイズキャンセラという)300と、により構成される。
電源ノイズが検出されると、ナンドゲート255の一方の入力端がハイレベルに立ち上がることから、図6(a)の実線の矢印で示すルートを経由して、その電源ノイズ検出信号は遅延なく保持回路302に伝達される。このとき、第1の回路100からの信号は、2段のインバータ(253,254)を経由して遅延して、保持回路302のD端子に到着する。よって、入力信号がD端子に到着したときには、保持回路302は、必ず、保持モード(遮断モード)に切り替わっている。
本実施形態では,前掲の実施形態で説明した誤動作防止回路の、集積回路装置(LSI)における配置(レイアウト)の例について説明する。
図7は、誤動作防止回路の搭載形態の一例(入力インタフェース回路から内部回路へのノイズ伝達を防止する例)を示すブロック図である。
図示されるように、第1の高レベル側の電源電圧(HVDD)と第1の低レベル側電源電圧(VSS1)間で動作する外部回路(IC)400の出力端子(W11)からの信号が、IC500の入力端子(W20)に入力される。
図8は、誤動作防止回路の搭載形態の他の例(内部ロジックから内部ロジックへのノイズ伝達を防止する例)を示すブロック図である。
図示されるように、IC600は、I/Oセル(606,608)と、コア回路610と、第2の高レベル側電源電圧(LVDD)を供給する電源セル(602,604)と、を有する。
本実施形態では、より具体的なレイアウト構成例について説明する。
(I/Oセルと電源セルの構成)
先に説明した図7のレイアウト例では、電源セル内に電源ノイズ検出回路を設け、I/Oセル内にノイズキャンセラを設けている。I/Oセルと電源セルは、チップの周辺に敷き詰められるため、セルサイズが揃っていたほうが集積度の向上の点では有利である。そこで、本実施形態では、電源セルとI/Oセルの具体的な構成例について検討する。
図10は、一つの電源ノイズ検出回路を複数のノイズキャンセラで共用する場合のレイアウト例を示す図である。
図示されるように、半導体集積回路装置650のチップの周辺には電源セル502(電源ノイズ検出回路200aを内蔵する)が配置され、同様に、同一電源(HVDD)で動作する複数のI/Oセル506a〜506e(各々、ノイズキャンセラ300a〜300eを内蔵する)が配置されている。I/Oセル506a〜506eの各々には、Vin1〜Vin5が入力され、I/Oセル506〜506eの各々の出力信号は、コア回路(ゲートアレイ等を用い構成される)610に入力される。
図11は、複数の電源セルの各々が、近傍のI/Oセルに電源ノイズ検出信号を供給するレイアウト例を示す図である。図11において、図10と共通する部分には、同じ参照符号を付してある。
図12は、同電位の電源電圧で動作するコア回路内にノイズキャンセラを配置したレイアウト例を示す図である。
図13は、本発明の誤動作防止回路の搭載形態の他の例(入力インタフェースならびに内部ロジックの双方にノイズキャンセラを設ける例)を示すブロック図である。なお、図9において、前掲の図面と共通する部分には同じ参照符号を付してある。
本実施形態では、本発明の半導体集積回路装置を搭載した電子機器の例について説明する。この電子機器は、超小型軽量であるにもかかわらず、操作者(ユーザ)によるESDパルス(静電気放電パルス)の入力によって誤動作することがなく、ESDに対する信頼性が保障されることになる。
図14(a)は、電子機器の1つである携帯電話950の外観図の例を示している。この携帯電話950は、入力部として機能するダイヤルボタン952や、電話番号や名前やアイコンなどを表示するLCD954や、音出力部として機能し音声を出力するスピーカ956を備える。
(1)電源ノイズ検出回路を電源セルに設け、電源ノイズが検出されると、I/Oセル等に設けられたノイズキャンセル回路によって信号伝達を遮断することから、電源ノイズの継続時間に関係なく、誤った信号伝達を確実に阻止することができる。
(2)一つの電源ノイズ検出回路を、複数のノイズキャンセル回路に対して共通に使用することによって、電源ノイズ検出回路を効率的に活用することができる。
(3)電源ノイズ検出回路を複数の電源セルの各々に設け、各電源ノイズ検出回路から、近傍に配置されているI/Oセルに電源ノイズ検出信号を供給することによって、電源ノイズ検出信号の伝達遅延が生じにくくなり、高速な信号遮断が実現される。また、電源ノイズ検出信号を伝達するための配線を長く引き回す必要もない。
(4)簡素化された回路構成とすることによって、本発明を適用した場合でも、電源セルやI/Oセルのサイズを大型化させずにすみ、これによって、電源セルとI/Oセルの高さを揃えることもできる。
(5)また、高レベル側の電源に重畳される正極性/負極性の電源ノイズ、低レベル側の電源に重畳される正極性の電源ノイズのいずれにも対応可能とすることによって、電源ノイズに起因する回路の誤動作を確実に防止することができる。
(6)また、電源ノイズ検出信号の生成に際して、第1エッジ/第2エッジのタイミング制御を行い、特に、ノイズキャンセル回路への入力信号の遅延と組み合わせることによって、電源ノイズに起因する誤った信号(ノイズ)の伝達を、より確実に防止することができる。
(7)ノイズキャンセル回路を保持回路(スルーラッチ)で構成することによって、簡単な回路によってノイズを除去できる。
(8)また、高レベル側電源電圧に正極性パルスが重畳されたノイズを検出する方式として、ゲート接地のスイッチングトランジスタを使用し、ソース電位とゲート電位の比較によってスイッチングトランジスタを高速にオンさせ、オプルダウン抵抗により形成される放電経路に電源ノイズをすみやかに放電させると共に、プルダウン抵抗の一端の電位上昇を論理ゲートによって検出することによって電源ノイズを検出する方式を採用することによって、簡素化された構成によって、回路を破壊から守りつつ、高速かつ効率的に電源ノイズを検出することができる。
(9)また、フローティング方式のスイッチングトランジスタとすると共に、ゲート直下の基板電位を常に安定化させる(最適化する)ことによって、電源ノイズの入力の際に、他の回路に悪影響を与えることがなく、安心して本発明の誤動作防止回路を利用することができる。
(10)本発明によって、半導体集積回路装置ならびに電子機器の、電源ノイズに起因する誤動作を確実に防止することができ、その信頼性が向上する。
200 電源ノイズ検出回路、202 降圧回路、
204 正極性電源ノイズの検出手段、206 プルダウン素子、
208 電源ノイズを検知するためのインバータ、212 ゲート回路、
250 タイミング回路、252 タイミング回路、
300 ノイズキャンセラ(ノイズ検出回路)、302 保持回路、
502,504 電源セル、506 I/Oセル
Claims (12)
- 電源電圧に重畳される電源ノイズを検出して電源ノイズ検出信号を出力する電源ノイズ検出回路を有する電源セルと、
前記電源セルから供給される前記電源電圧によって動作すると共に、半導体集積回路装置の入力端子に接続されるインターフェース回路と、前記電源ノイズ検出信号に基づいて、前記インターフェース回路の出力信号の誤信号が内部ロジック回路に伝達されるのを阻止するノイズキャンセル回路と、を有する、少なくとも一つのI/Oセルと、
前記電源ノイズ検出信号を、前記電源セルから前記I/Oセルに伝達する配線と、
を有し、
前記ノイズキャンセル回路は、
前記電源ノイズ検出信号が非アクティブ状態である期間では、前記インターフェース回路の前記出力信号をそのまま前記内部ロジック回路に出力し、前記電源ノイズ検出信号がアクティブ状態である期間では、保持されている直前の出力信号を前記内部ロジック回路に出力する保持回路を有することを特徴とする半導体集積回路装置。 - 請求項1記載の半導体集積回路装置であって、
一つの前記電源セルからの前記電源ノイズ検出信号が、共通の前記配線を経由して、複数の前記I/Oセルに伝達されることを特徴とする半導体集積回路装置。 - 請求項2記載の半導体集積回路装置であって、
複数の前記電源セルが配置され、各々の電源セルから出力される前記電源ノイズ検出信号は、その電源セルの近傍に配置された前記I/Oセルに伝達されることを特徴とする半導体集積回路装置。 - 請求項1記載の半導体集積回路装置であって、
前記電源セルと前記I/Oセルの高さが、揃えられていることを特徴とする半導体集積回路装置。 - 請求項1記載の半導体集積回路装置であって、
前記電源ノイズ検出回路は、高レベル側電源電圧に重畳される、正極性および負極性の電源ノイズ、ならびに、低レベル側電源電圧に重畳される正極性の電源ノイズの、少なくとも一つを検出することを特徴とする半導体集積回路装置。 - 請求項1記載の半導体集積回路装置であって、
前記電源ノイズ検出回路は、高レベル側電源電圧に重畳される、正極性および負極性の電源ノイズ、ならびに、低レベル側電源電圧に重畳される正極性の電源ノイズの、すべてを検出することを特徴とする半導体集積回路装置。 - 請求項6記載の半導体集積回路装置であって、
前記電源ノイズ検出回路は、前記高レベル側電源電圧に重畳される前記正極性の電源ノイズを検出するために、
ゲートに所定電圧が印加され、一端に、前記高レベル側電源電圧を降圧して得られる電圧が入力され、前記電源ノイズが重畳されることによってその入力電圧が上昇したときにオンして、前記電源ノイズが重畳された前記入力電圧を他端から出力するスイッチングトランジスタと、
このスイッチングトランジスタの前記他端に一端が接続され、他端が接地されたプルダウン素子と、
前記スイッチングトランジスタの他端と前記プルダウン素子との共通接続点に一端が接続された論理ゲートと、を有することを特徴とする半導体集積回路装置。 - 請求項7記載の半導体集積回路装置であって、
前記スイッチングトランジスタは、前記ゲートの直下の半導体基板の電位が固定されないフローティング電位方式のMOSトランジスタであり、かつ、前記スイッチングトランジスタがオン状態にあるとき、および、オフ状態にあるときの双方において、前記ゲート直下の半導体基板の電位を所定電位に調整するための電位調整回路を具備し、
前記電位調整回路は、前記スイッチングトランジスタがオフ状態のときは、前記ゲート直下の半導体基板が所定電位に維持されるように調整し、また、前記スイッチングトランジスタがオン状態のときは、前記スイッチングトランジスタの前記一端と前記半導体基板とを同電位とする、ことを特徴とする半導体集積回路装置。 - 請求項1記載の半導体集積回路装置であって、
前記電源ノイズ検出回路は、さらに、前記電源ノイズ検出信号のタイミングを調整するためのタイミング調整回路を有し、
このタイミング調整回路は、
前記電源ノイズの検出タイミングに対応するタイミングで前記電源ノイズ検出信号をアクティブ状態とすると共に、その後、電源ノイズが検出されない状態となったタイミングから第1の遅延時間だけ遅延して、アクティブ状態の前記電源ノイズ検出信号を非アクティブ状態に移行させることを特徴とする半導体集積回路装置。 - 請求項9記載の半導体集積回路装置であって、
前記ノイズキャンセル回路の入力信号に対して第2の遅延時間の遅延を与えるタイミング回路を有し、
前記第2の遅延時間は、前記アクティブ状態の前記電源ノイズ検出信号を非アクティブ状態に移行させる際に前記タイミング調整回路が与える前記第1の遅延時間よりも短く設定されることを特徴とする半導体集積回路装置。 - 電源電圧に重畳される電源ノイズを検出して電源ノイズ検出信号を出力する電源ノイズ検出回路を有する電源セルと、
前記電源セルから供給される前記電源電圧によって動作する第1の内部回路と、前記第1の内部回路とは別電源で動作する第2の内部回路と、前記電源ノイズ検出信号に基づいて、前記電源ノイズに起因する、前記第1の内部回路の出力信号の誤信号が前記第2の内部回路に伝達されるのを阻止するノイズキャンセル回路と、を備えるコア回路と、
前記電源ノイズ検出信号を、前記電源セルから、前記コア回路内の前記ノイズキャンセル回路に伝達するための配線とを有し、
前記ノイズキャンセル回路は、
前記電源ノイズ検出信号が非アクティブ状態である期間では、前記第1の内部回路の前記出力信号をそのまま前記第2の内部回路に出力し、前記電源ノイズ検出信号がアクティブ状態である期間では、保持されている直前の出力信号を前記第2の内部回路に出力する保持回路を有し、
前記電源ノイズ検出回路は、
高レベル側電源電圧に重畳される正極性の電源ノイズを検出するために、
ゲートに所定電圧が印加され、一端に、前記高レベル側電源電圧を降圧して得られる電圧が入力され、前記電源ノイズが重畳されることによってその入力電圧が上昇したときにオンして、前記電源ノイズが重畳された前記入力電圧を他端から出力するスイッチングトランジスタと、
このスイッチングトランジスタの前記他端に一端が接続され、他端が接地されたプルダウン素子と、
前記スイッチングトランジスタの他端と前記プルダウン素子との共通接続点に一端が接続された論理ゲートと、
を有することを特徴とする半導体集積回路装置。 - 請求項1〜請求項11のいずれか記載の半導体集積回路装置を搭載する電子機器。
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