JP5011876B2 - エレベータ装置 - Google Patents

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Description

本発明は、エレベータ装置に係り、特に乗りかごやつり合い錘などの移動体の速度や位置を検出する装置に関する。
エレベータの乗りかご(以下かごと記す)の速度や位置を計測する方法として従来、昇降路内にマーカを敷設し、各種センサを用いそのマーカを検出する方法が知られている。特許文献1や2に開示される技術では、昇降路内に敷設した磁石をセンサにて検出し、速度を計測している。磁気以外に光学マーカを検出するものもあり、検知手段に違いがあるものの、マーカそのものを検出する方式である。
特開2006−52092号公報 特表2004−536000号公報
従来の磁石マーカをホールセンサ等で検出する方式では、所望の感度を得るためにマーカとセンサとの狭い空隙を一定に保つ必要が有る。このため、複雑な機構やきめ細かな保守が必要となり、コストが増大する。特に、特許文献2の技術では、空隙の維持に複数のローラやサスペンションを使用する複雑な機構を用いている。また、光学的手段では、昇降路内の塵埃や潤滑油等の汚れによって、検出感度が変動する。
本発明は、上記の問題点を考慮してなされたものであり、比較的簡単な構成で安定に移動体の速度や位置を検出することができるエレベータ装置を提供する。
上記目的を達成するため、本発明は、昇降路内をガイドレールに沿って昇降する移動体を備えるエレベータ装置において、前記ガイドレールの表面部において、互いに電磁気的特性の異なる第1の導体部分と第2の導体部分とをそれぞれ複数有し、前記第1の導体部分と前記第2の導体部分は前記ガイドレールの長手方向に沿って交互に並び、前記移動体には前記第1の部分及び前記第2の部分に対向する渦電流センサが設けられ、前記渦電流センサの出力信号によって前記移動体の位置または速度を検出する信号処理装置を備え、前記第1の導体部分が非磁性導体であり、前記第2の導体部分が磁性導体であり、前記第1の導体部分は前記ガイドレールの表面を部分的に覆うマスク部材であり、前記第2の導体部分は前記ガイドレールの構成部材であるものである。


一般に、渦電流センサは、コイルに交流電流を流して導体部材の表面に渦電流を発生させたときのコイルの電流,電圧,周波数または位相の変化を出力信号として、この出力信号から導体部材の変位などの機械的量を非接触で検出する。本発明では、渦電流センサの出力信号が、導体分材の機械的量のみならず、電磁気的特性、例えば電気抵抗率や透磁率によっても変化することを用いている。すなわち、移動体の移動方向であるガイドレール長手方向に沿って互に電磁気的特性が異なる第1の導体部分と第2の導体部分の配列に応じて渦電流センサの出力信号が変化するので、この変化から非接触で移動体の位置または速度を検出することができる。また、渦電流センサ側で検出のための磁界を発生させるので、渦電流センサとガイドレール表面部との空隙を比較的大きくすることができる。このため、比較的簡単な構成により渦電流センサを設置できる。また、渦電流の発生に対しては、昇降路内の塵埃や潤滑油の影響は少ないので、安定した検出が可能である。
本発明の特徴は、さらに、以下の記述から明らかになるであろう。
図1は本発明の一実施形態であるエレベータ装置を示す。かご0105に取り付けた渦電流センサ0101を、非磁性導体窓0103を敷設したガイドレール0102に対向させ設置する。センサの出力信号は、かごが備えるセンサ信号処理装置0110にて処理された後、速度情報や位置情報として、図示しないテールコードを介して制御装置0111へ送られる。制御装置0111は速度情報や位置情報を利用し、過速と判断した場合などは、必要に応じブレーキ0109等の操作を行う。なお、かご0105とつり合い錘0107は、巻き上げ機0108のシーブに巻き掛けられるメインロープ0106によってつるべ式に吊られている。巻き上げ機0108のシーブが回転してメインロープ0106が駆動されると、かご0105及びつり合い錘は、それぞれかご案内用のガイドレール0102及び図示しないつり合い錘案内用のガイドレールに沿って、昇降路内を昇降する。
図2は、図1において点線で囲んだ部分0112すなわち渦電流センサとその近傍のガイドレール領域を示す。
図2(a)は、ガイドレール0102と渦電流センサ0101との位置関係を示す。渦電流センサ0101は、ガイドレール0102の固定部上に敷設した非磁性導体窓0103に対向し設置している。非磁性導体窓0103は図2(b)に示すとおり、非磁性導体部0113と、楕円状の窓部0114よりなる。非磁性導体部0113は銅やアルミニウム等の非磁性金属からなる薄体状の部材であり、接着剤などにより貼り付けられてガイドレールの表面を部分的に覆うマスク部材である。非磁性導体窓0103がガイドレール0102上に設置されると、渦電流センサ0101からは、窓部0114を通し鋼材すなわち磁性導体からなるガイドレールが見えることになる。また、同図では省略してあるが、実際は、渦電流センサ0101は、かごに設置され、かごの移動に伴い矢印0104の方向又はその逆方向すなわちガイドレール0102の長手方向に沿って移動する。このとき、渦電流センサ0101は、ガイドレール0102の表面部においてガイドレール0102の長手方向に沿って交互に並ぶ複数の非磁性導体部0113と窓部0114内に露出する鋼材とを順次交互に検出して行く。
図2(c)は、図2(a)をz方向より見た側面図である。渦電流センサ0101は、ある空隙距離d0をもって、非磁性導体窓0103に対向している。ここで、空隙距離
d0は10mm前後であり、従来技術におけるホール素子などの磁気センサの場合(数mm程度)に比べ比較的大きな値にできる。更に図2(d)に、渦電流センサ0101よりの出力信号の例を示す。縦軸は渦電流センサよりの出力電圧Vout 、横軸が±z方向の移動距離を示す。Vout のレベルがV1である場合、非磁性導体窓0103の窓部0114に露出する磁性導体のガイドレールを検出していることを示す。同様にVout がV0レベルの場合、隣接する窓部0114の間に位置する非磁性導体部0113を検出していることを示す。いま、非磁性導体窓0103を構成する窓部0114の間隔を等間隔とし、その長さをpとすると、かごの移動に伴うV1レベルの谷の数がn個の場合、移動距離はn・pである。同様にかごの移動速度は、移動距離の時間微分で求めることが出来る。
図3は、空隙距離と渦電流センサ出力変動幅との関係を示す。図3(a)において、縦軸が渦電流センサ出力Vout 、横軸は渦電流センサとガイドレール間の空隙距離dである。ここで、非磁性導体窓の厚さは、空隙距離dと比較し十分に薄く無視できるものとした。
特性カーブ0201は非磁性導体部検出状態での出力値V0の空隙距離に対する特性であり、特性カーブ0202は窓部検出状態での出力値V1の空隙距離に対する特性である。いま空隙距離dがd0であるとき、かごの移動に伴う渦電流センサの出力は、d0より立てた垂線がV0及びV1曲線と交わる2点の間で変化する振幅Vdiffの繰り返し信号となる。この振幅Vdiffは、図3(b)に示す空隙距離がそれぞれd1,d2の場合におけるVdiff1,Vdiff2のようにdに依存して変化するが、d>0のある範囲のdの値に対して検出可能な振幅が得られる。従って、かごの揺れなどにより多少dが変動してもかごの位置や速度を検出することができる。また、必要となるS/N比が得られる範囲で空隙距離dを任意に設定できるので、かごに渦電流センサを取り付けるときの設計自由度が大きくなる。また、かごに簡単なブラケットを設けてそれに渦電流センサを固定するなど、比較的簡単な構成で渦電流センサを取り付けることができる。ここで、Sはかごの移動に連動し渦電流センサがz軸方向へ移動することによる出力振幅Vdiffである。一方Nは、センサのx軸及びy軸方向のぶれによる渦電流センサ出力の変動,ガイドレール及びガイドレール近辺に設置された渦電流センサが感受性をもつ部材、主に鉄などの磁性導体からなるボルトのようなガイドレール取り付け部材による渦電流センサ出力の変動,各種電磁ノイズ,電子回路系のノイズ,量子化誤差を含む数値処理系の誤差である。
図4はガイドレール取り付け部材による干渉がある場合のセンサ出力及びS/N比の説明図である。図4(a)においては、ガイドレール取り付け部材0304が、渦電流センサ0101に対し空間的及び電磁気的干渉を及ぼす位置に取り付けられている。この時の渦電流センサ0101とガイドレール取り付け部材0304との空隙をgとし、渦電流センサ0101とガイドレール0102との空隙をdsとすると、渦電流センサからの出力変動は、図4(b)のようになる。同図において、Vobs は、ガイドレール取り付け部材を渦電流センサが検出したことによる渦電流センサの出力変動である。ガイドレール取り付け部材の直上(y軸方向)に渦電流センサがある場合の出力値は、渦電流センサをガイドレールに対し空隙距離gに設置した場合のV1に近似するため、そのV1値を与える箇所を図3(b)ではg′とする。Vdiffと比較し、Vobs はかなり大きくなり、S/N比低下の要因となる。
図4(c)は、Sレベル及びNレベル、S/N比と空隙距離gとの関係について本発明者が検討した結果である。特性カーブ0301は渦電流センサ出力におけるノイズレベルN(縦軸は左)、及び特性カーブ0302は渦電流センサ出力におけるシグナルレベルS(縦軸は左)である。破線で示す特性カーブ0303は、特性カーブ0301及び0302から求めたS/N比である。本図のように、S/N比は空隙距離gによって変化し、特性カーブ0303にはS/N比のピークが存在する。ここで、渦電流センサとガイドレール間の相対位置変動分を含めても渦電流センサとガイドレール取り付け部材とが互いに接触しない空隙距離の最低値をg_safeとすると、空隙距離がg_safeより大きい範囲で、S/N比が速度検知システムで必要とされる最低値S/Nmin より大きい場合、かごの位置及び速度の検知が可能となる。図4(c)では、g_safeでのS/N比S/Nbestはピーク値よりも低い値であるが、S/Nbest>S/Nminのため、空隙距離gがg_safe 以上でかつS/N≧S/Nmin となる値の範囲ならば、位置及び速度の検知が可能となる。S/N比のピークがg_safeより大きな空隙距離gの箇所にある場合には、S/N比がピークになるようにgを設定できる。
図5は、図1におけるセンサ信号処理装置0110の詳細な構成を示す。渦電流センサとしてはアナログ出力方式のものを用いている。センサ信号入力端子0401に与えられる渦電流センサよりのアナログ出力信号を、A/D変換手段0402にてデジタルデータに変換する。オフセット減算手段0403では、後段での処理の容易化のため、図3(a)のV1レベルに相当する電圧を減ずる。閾値処理手段0404は計数の前段階として波形整形を行う。パルス計数手段0405は、閾値処理手段0404によって整形されたパルスの個数を計数し、計数したパルス数と非磁性導体窓形状データ0409とを用いて、位置情報を算出する。算出した位置情報は位置情報出力端子0406より出力される。また、位置情報を時間微分手段0407にて微分することで、速度情報を算出し、速度情報出力端子0408より出力する。
なお、オフセット減算手段0403及び閾値処理手段0404において、前図4(b)に示したガイドレール取り付け部材による振幅Vobs の信号のカウントを行う機能を追加すれば、この信号を付加情報として利用し、ガイドレール取り付け部材の位置に基づいて位置情報を補正することができる。
図5において、オフセット/閾値推定手段0501及び、推定用データ保持手段0502は、オフセット減算手段0403で減ずるV1相当分のレベル変動に、動的に追従するための手段である。カルマンフィルタなど、統計的手段を用い、レベル変動に動的に対処する。推定用データ保持手段0502は、フィルタリングに必要なデータを保持する他、ガイドレールの曲がりなどの施工情報も保持する。また、オフセット減算手段0403における演算には、位置情報や速度情報に加え、積載重量などエレベータの制御システムで取得している情報を利用しても良い。周波数分析手段0503は、オフセット減算後の波形に対し周波数分析を行い、主要なスペクトルを求める。周波数閾値処理手段0504は、主要なスペクトルが周波数閾値を超えているか否かを判定し、判定結果を速度超過情報として速度超過情報出力端子0505より出力する。終端階付近での超過速度値を可変としたい場合、非磁性導体窓のピッチを変化させることで、単一の周波数閾値にて速度超過の検出を行える。
なお、本実施形態では、渦電流センサのアナログ出力信号をA/D変換して、デジタル信号によって後処理を施したが、一部の信号処理をアナログ信号のまま行っても良い。
前述の実施形態においては、図2(b)に示したように非磁性導体窓の窓部の形状は楕円であるが、図6に他の形状の窓部を利用する実施形態を示す。図6(a)において、非磁性導体窓0103−aは矩形形状の窓0114−a,0114−bを有する。また同図のように、同一の非磁性導体窓において、窓間隔を部分的に異ならしめても良い。更に、非磁性導体窓0103−bのように電磁場解析などに基づいた任意の窓形状としても良い。また必要としている検出速度域や検出速度方向,位置精度をもとに、昇降路内の位置に応じ窓部の形状を部分的に変化させても良い。また、図6(b)に示すように、必ずしも非磁性導体に中空窓を開けた構造である必要は無く、短冊状の孤立した非磁性導体からなるマスク材0103−cを並べても良い。同様に単独の非磁性導体の遮蔽物を一部で連結したマスク材0103−dでも良い。また、マスク材0103−eのように、ガイドレールの本来の用途に支障を与えない範囲で遮蔽物の遮蔽範囲を拡大しても良い。
図2(a)を含む上記実施形態では、非磁性導体からなるマスク材をガイドレールの固定部表面に設けたが、図6(b)におけるマスク材0103_fのように、孤立した非磁性導体のマスク材を、ガイドレールの固定部に垂直なガイドレールの垂直部の表面に設けても良い。
図7は、ガイドレール取り付け部材の遮蔽構造を示す。ガイドレール0102にはボルトやレールクリップ等の鉄材すなわち磁性導体からなるガイドレール取り付け部材0601が取り付けられている箇所が存在する。本図では、非磁性導体窓0103を用い、ガイドレール取り付け部材0601の電磁気的性質を遮蔽している。遮蔽には、非磁性導体窓0103の流用以外に、別体の非磁性導体マスク材や非磁性導体を含有する塗料などを利用しても良い。
図8は、複数の渦電流センサを用いる実施形態を示す。本図では、2つの渦電流センサ0101−a,0101−bを、z軸方向すなわちガイドレールの長手方向に沿って距離(n±k)・λの間隔をもって配置している。ここで、λは非磁性導体窓0103のz軸方向の空間的周期、n=0,1,2,...,k=0.22〜0.28である。渦電流センサ0101−aの出力をVa,渦電流センサ0101−bの出力をVbとすると、Va/Vbの逆正接(arctan)を演算することで、非磁性導体窓0103の空間的周期より短い空間的分解能を得ることができる。ここではVb=0の場合や象限は適切に例外処理する。このように複数の渦電流センサを用いることによって、かごの位置や速度の検出精度が向上する。
図9は、複数の渦電流センサを用いる他の実施形態を示す。ガイドレールの周囲に設置される構造物の近傍では、渦電流センサの出力信号が構造物の影響を受けて、かごの位置や速度の検出における不感帯が生じる場合が有る。例えばガイドレールの繋ぎ目を接続するボルト,ガイドレールを昇降路に固定するレールクリップなどがそのような構造物に相当する。これに対し、図9(a)に示すように、同時に不感帯にかからない位置に複数の渦電流センサを設置することが有効である。ある1つの渦電流センサの速度検知可否状況をS1,同様に別の渦電流センサの速度検知可否状況をS2,S1とS2のうち少なくとも片方のセンサで速度検知が可能である場合の可否状況をS1(+)S2で示すと、速度検知可否状況の関係は図9(b)のようになる。図9(b)では、横軸が昇降路内でのかご位置、ハッチング部0901が速度検知可能範囲である。同図では、2つのセンサを用いても不感帯を完全に解消していないため、少なくとももう1つのセンサを用い、不感帯を解消する。図9(a)では、多数のセンサの設置のために複数のガイドレールを用いているが、1本のみのガイドレールを用いても良い。また、多数のセンサの少なくとも一部を、同時に不感帯にかからない関係を維持しつつ図8の実施形態と同様な位置関係になるよう設置し、高分解能化を図っても良い。複数のガイドレールを用いる場合、図8で示す位置関係は、複数のガイドレールに設置した非磁性導体窓0103の空間的周期の初期位相を考慮する。尚、複数のガイドレールの使用は、高信頼化(多重化)の効果も有る。
図10は、渦電流センサをガイドレールの摺動面に対向させる実施形態を示す。本実施形態では、ガイドレールの外郭形状よりの突出が無いか、著しく突出量の少ない、非磁性導体窓あるいはそれと同等の機能を有する部分をガイドレールの摺動面に設ける。図10(a)ではガイドレールの垂直部の摺動面に薄膜状の非磁性導体窓1001−aが設けられ、図10(b)ではガイドレールの垂直部の頂部の摺動面に薄膜状の非磁性導体窓1001−bが設けられる。これら薄膜状の非磁性導体窓は、気相成長,液相成長,溶射,蒸着などの方法により形成することができる。また、図10(c)では、ガイドレールの外郭形状より突出が無いように、掘り下げた溝に非磁性導体金属を埋め込み、接合を行うことで、非磁性導体窓1001−aまたは1001−bを設ける。滑らかな摺動面を得るため、接合後に摺動面の研磨を行っても良い。これらの実施形態では、かごに取り付けられるガイドローラが非磁性導体窓と接触しながら摺動するが、非磁性導体窓の剥離や加工部の損傷を防止することができる。従って、ガイドレール摺動面に対向する位置に渦電流センサを設けることが可能になり、渦電流センサの配置の自由度が増す。なお、図10(a)の実施形態及び図10(c)の非磁性導体窓1001−aでは、ガイドレールの広い摺動面を検出面として利用できるので、検出感度が向上する。また、図10(b)の実施形態及び図10(c)の非磁性導体窓1001−bでは、非常止め動作による剥離や損傷を抑制できる。
上述した各実施形態では、ガイドレールの表面部に交互に並ぶ非磁性導体と磁性導体
(ガイドレールの鋼材)を渦電流センサが検出するが、非磁性導体と磁性導体の組み合わせのみならず、抵抗率や透磁率などの電磁気的特性が互に異なる導体の組み合わせを用いることができる。すなわち、渦電流センサから異なるレベルの出力信号を得ることができれば、非磁性導体同士の組み合わせあるいは磁性導体同士の組み合わせでも良い。
また、ガイドレール表面部において、ガイドレールの母材である鋼材を部分的に改質して電磁気的特性を異ならしめても良い。例えば、鋼材は、炭素の含有量により磁気的性質が変化するため、表面改質手段の1つである浸炭処理を行うことで、渦電流センサの出力値が変化させることができる。また、鋼材は、組織の相によっても磁気的性質が変わるため、高周波加熱やスパッタリングによってガイドレールの表面部を部分的に改質しても良い。一般に改質層は非常に薄いが、渦電流センサのコイルに流す電流の周波数をより高くすることで検出可能である。
上記各実施形態はつり合い錘の位置あるいは速度検出に適用することができる。また、乗用のエレベータ装置のみならず、荷物などの物品運搬用のエレベータ装置にも適用することができる。
本発明の実施形態は上述したものに限らず、本発明の技術的思想の範囲内で種々の実施形態が可能である。
本発明の一実施形態であるエレベータ装置を示す。 渦電流センサとその近傍のガイドレール領域を示す。 空隙距離と渦電流センサ出力変動幅との関係を示す。 ガイドレール取り付け部材による干渉がある場合のセンサ出力及びS/N比の説明図である。 センサ信号処理装置0110の詳細な構成を示す。 他の形状の窓部を利用する実施形態を示す。 ガイドレール取り付け部材の遮蔽構造を示す。 複数の渦電流センサを用いる実施形態を示す。 複数の渦電流センサを用いる他の実施形態を示す。 渦電流センサをガイドレールの摺動面に対向させる実施形態を示す。
符号の説明
0101…渦電流センサ、0102…ガイドレール、0103…非磁性導体窓、0105…かご、0106…メインロープ、0107…釣り合い錘、0108…巻き上げ機、0109…ブレーキ、0110…センサ信号処理装置、0111…制御装置、0113…非磁性導体部、0114…窓部、0402…A/D変換手段、0403…オフセット減算手段、0404…閾値処理手段、0405…パルス計数手段、0407…時間微分手段、0501…オフセット/閾値推定手段、0502…推定用データ保持手段、0503…周波数分析手段、0504…周波数閾値処理手段、0601…ガイドレール取り付け部材。

Claims (3)

  1. 昇降路内をガイドレールに沿って昇降する移動体を備えるエレベータ装置において、
    前記ガイドレールの表面部において、互いに電磁気的特性の異なる第1の導体部分と第2の導体部分とをそれぞれ複数有し、前記第1の導体部分と前記第2の導体部分は前記ガイドレールの長手方向に沿って交互に並び、
    前記移動体には前記第1の部分及び前記第2の部分に対向する渦電流センサが設けられ、
    前記渦電流センサの出力信号によって前記移動体の位置または速度を検出する信号処理装置を備え、前記第1の導体部分が非磁性導体であり、前記第2の導体部分が磁性導体であり、前記第1の導体部分は前記ガイドレールの表面を部分的に覆うマスク部材であり、前記第2の導体部分は前記ガイドレールの構成部材であることを特徴とするエレベータ装置。
  2. 請求項において、前記第1の導体部分と前記第2の導体部分とは前記ガイドレールの摺動面に位置し、前記マスク部材は薄膜状であることを特徴とするエレベータ装置。
  3. 昇降路内をガイドレールに沿って昇降する移動体を備えるエレベータ装置において、
    前記ガイドレールの表面部において、互いに電磁気的特性の異なる第1の導体部分と第2の導体部分とをそれぞれ複数有し、前記第1の導体部分と前記第2の導体部分は前記ガイドレールの長手方向に沿って交互に並び、
    前記移動体には前記第1の部分及び前記第2の部分に対向する渦電流センサが設けられ、
    前記渦電流センサの出力信号によって前記移動体の位置または速度を検出する信号処理装置を備え、前記第1の導体部分が非磁性導体であり、前記第2の導体部分が磁性導体であり、前記ガイドレールを前記昇降路内に固定するための磁性導体の取り付け部材を非磁性導体で覆うことを特徴とするエレベータ装置。
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