以下、本発明に係る印刷機の一実施形態について図面を参酌しつつ説明する。
図1及び2に、本実施形態における印刷機の給紙部1が示されている。該給紙部1は、図示しない昇降テーブルから順次送り出される枚葉紙Pを下流側に搬送するフィーダボードと、該フィーダボードの下流側に設けられその上を枚葉紙Pが搬送される口板2と、該口板2上を搬送される枚葉紙Pの前端に当接して該枚葉紙Pを位置決めする前当て部3と、該前当て部3にて位置決めされる枚葉紙Pの前端部の上方移動を規制する上当て部4と、前記前当て部3にて位置決めされると共に前記上当て部4にてその前端部の上方移動が規制される枚葉紙Pの前端部を摘んで、該枚葉紙Pを印刷部の給紙胴Dに給紙するスウィング爪5とを備える。尚、本実施形態では、フィーダボードと口板2とで給紙板を形成している。
該給紙部1は、一枚ずつ送り出される枚葉紙Pを、フィーダボード上と口板2上とを介して下流側へ搬送(搬送方向X)し、給紙板の下流端部としての口板2の下流端部において、枚葉紙Pの前端部が上方移動しないように上当て部4によって規制すると共にその天地方向(搬送方向)を前当て部3によって位置決めし、その後、枚葉紙Pの幅方向(天地方向に直交する方向)を図示しない横当て部によって位置決めする。そして、その天地方向及び幅方向が位置決めされた枚葉紙Pの前端部を、スウィング爪5に設けられたグリッパ51によって咥えて、該枚葉紙Pを給紙胴Dへ受け渡すことによって、枚葉紙Pを一枚ずつ印刷部へ給紙するように構成されている。
フィーダボード(図示しない)は、昇降テーブルから一枚ずつ下流側に送り出された枚葉紙Pをその上面に載せて下流側に搬送するものであり、その上面が下流側ほど下方に傾斜するように形成されている。
口板2は、枚葉紙Pをその上面である搬送面21上に載せて搬送方向下流側に搬送するものである。この口板2は、印刷機の左右両フレーム間に亘る横長の板状体であり、その上面(搬送面21)が下流側ほど下方に傾斜するように構成されている。この搬送面21とフィーダボードの上面とは、ほぼ同じ傾斜角度であり、ほぼ面一となるように配置されている。
前当て部3は、給紙板上を搬送される枚葉紙Pの前端に当接して該枚葉紙Pを位置決めするものであり、図3乃至6に示すように、前記枚葉紙Pを位置決めすべく給紙板から上方へ突出した位置決め位置F1と、給紙板よりも下方側に位置する前当待避位置F2との間を往復移動するように構成されている。具体的には、図2に示すように、前当て部3は、口板2の下流側に配置されており、口板2の上流端部の下方に配置される回動中心(以下、前当回動中心C1という)周りに搬送方向に回動自在となるように構成されている。そして、前当て部3は、搬送面21よりも上方側となる位置決め位置F1と該位置決め位置F1よりも搬送方向下流側で且つ搬送面21よりも下方側となる前当待避位置F2との間を回動して往復移動するように構成されている。
より詳細に説明すると、図2及び3に示すように、前当て部3は、その先端部6Aが基端部6Bよりも搬送方向下流側となるように形成された前当アーム6の先端部6Aに形成されている。この前当アーム6は、上下に長い板状体を、上端部である先端部6Aが下端部である基端部6Bよりも下流側となるように、その上下方向中途部分で屈曲して形成されており、該先端部6Aが上方へ向けて鉤状に延設されることによって前当て部3が形成されている。
前当て部3は、上方へ突出する左右一対の突片31と、該一対の突片31の間に亘る連結片32とが一体的に形成されて構成されている。かかる突片31の搬送方向上流側の面と連結片32の搬送方向上流側の面とは、面一であって前当て部3の当接面33となっている。この当接面33に、搬送される枚葉紙Pの前端が当接することによって、該枚葉紙Pはその天地方向の姿勢が整えられる。
本実施形態では、前当て部3は、複数種類準備されており、例えば一対の突片31のうちの何れか一方と、該突片31に連続する連結片32とで構成されるものが準備されている。尚、連結片32を設けずに前当て部3を形成することも可能である。
このように、その先端部6Aに前当て部3が形成されている前当アーム6は、その先端部6Aが基端部6Bよりも搬送方向下流側且つ上方側となる向きで、その軸線C1周りに回転自在な前当軸7に基端部6Bが固定されている。
ここで、前当軸7は、印刷機の幅方向(左右方向)に沿った軸であり、口板2の上流側端部の下方側に配置されて軸線C1周りに回転可能となるように両端部が支持されている。従って、前当軸7は、搬送方向に回動可能となっている。
また、前当アーム6は、前当軸7の軸線C1に沿って複数配置されており、それぞれが同じ向きとなるように、各前当アーム6の基端部6Bが前当軸7に固定されている。本実施形態では、一対の突片31を備える前当て部3が前当軸7の軸線C1方向略中央領域に4個配設され、その左右両領域に、左右両端部のうち何れか一方の突片31を備える前当て部3がそれぞれ3個ずつ配設されており、従って合計で10個設けられている。尚、前当て部3は、10個以上、10個以下、或いは単数配設する場合でもよい。
このように、複数の前当アーム6がその軸線C1周りに回転する前当軸7に取付固定されているので、全ての前当て部3は、前当軸7の回転に伴って同時に且つ同じ軌道で回動する。例えば、前当軸7が下流側(図2においては反時計回り)へ回転すると、全ての前当て部3が下流側に回動し、前当軸7が上流側(図2においては時計回り)へ回転すると、全ての前当て部3が上流側に回動する。即ち、前当軸7の軸線C1は、前当て部3の前当回動中心C1となっている。
かかる前当て部3の回動は、その軸線C2周りに回転駆動するカム軸8に固定されている前当カム9の回転が、前当伝達手段10を介して伝達されることによってなされる。具体的には、カム軸8は、印刷機の幅方向に沿った駆動軸であり、口板2よりも下方側且つ上流側に配置されている。本実施形態では、カム軸8の軸線C2は、前当軸7の軸線C1よりも上流側且つ下方側に配置されている。このカム軸8は、図示しない駆動源にてその軸線C2周りに回転駆動するようにその両端部が支持されている。
前当カム9は、円板状の所謂平面カムであり、前当待避対応部91と位置決対応部92でその周面形状が形成されている。具体的には、前当カム9は、前当待避対応部91を基準として、位置決対応部92が径方向外側に延設して構成されている。従って、前当カム9の中心から周面までの距離(前当カム9の半径)は、位置決対応部92において前当待避対応部91よりも長くなっている。このような前当カム9は、そのカム中心がカム軸8の軸線C2と一致し、且つ、カム軸8と共に回転するようにカム軸8に固定されている。
前当伝達手段10は、前当カム9の回転に追随して作動することによって、前当軸7に回転力を伝達するもので、前記前当軸7に設けられる前当軸アーム101と、前当カム9の形状に追随して揺動する回転伝達部102と、前当軸アーム101及び回転伝達部102を連結する前当リンク103とで形成される前当用リンク機構である。前当軸アーム101は、前当軸7から搬送方向上流側に突出するように設けられており、前当軸7と共に回転するように前当軸7に固定されている。前当リンク103は、上下方向に沿って形成されるリンクであり、その一端部(上端部)は、前当軸アーム101の上流側端部に回動自在に連結され、他端部(下端部)は、回転伝達部102に回動自在に連結されている。
回転伝達部102は、回動可能に設けられる基部1021から、下流側へ向けて突設されるリンクアーム1022と、上方へ向けて突設されるカムアーム1023と、下方へ向けて突設される付勢アーム1024とを備える。この回転伝達部102は、カム軸8の下方側にて搬送方向に回動可能に設けられている。具体的には、回転伝達部102は、その回動中心(以下、伝達回動中心C3という)が基部1021に設定されるように設けられており、該伝達回動中心C3周りに搬送方向に回動するように構成されている。尚、回転伝達部102の伝達回動中心C3は、カム軸8の軸線C2よりも下方側且つ下流側に配置されており、また、前当て部3の前当回動中心C1よりも下方側且つ上流側に配置されている。
リンクアーム1022には、その下流側端部に前当リンク103の他端部が連結されている。つまり、前当リンク103は、前記前当軸アーム101とリンクアーム1022とを連結している。カムアーム1023には、その上端部にカムフォロアCFが設けられており、該カムフォロアCFの周面が前当カム9の周面に当接するようになっている。付勢アーム1024の下端部には、該付勢アーム1024を下流側に付勢する付勢手段11としてのバネが連結されている。従って、回転伝達部102は、付勢アーム1024がバネによって下流側へ付勢されているため、回転伝達部102の伝達回動中心C3周りにカムアーム1023が上流側へ付勢されており、これによって、カムアーム1023に設けられているカムフォロアCFの周面が前当カム9の周面に押付けられる。従って、回転伝達部102は、前当カム9の回転に追随して搬送方向に揺動する。
このように、前当て部3は、前記カム軸8に設けられている前当カム9に前当伝達手段10としての前当用リンク機構を介して連結されているので、前当カム9の前当待避対応部91から位置決対応部92への回転に追随して前当待避位置F2から位置決め位置F1へ移動し、前当カム9の位置決対応部92から前当待避対応部91への回転に追随して位置決め位置F1から前当待避位置F2へ移動する。
具体的には、カムフォロアCFが前当カム9の前当待避対応部91と当接している状態では、前当て部3は前当待避位置F2に位置している。このとき、前当て部3は、口板2の搬送面21よりも下側に位置している(図3参照)。つまり、前当て部3は、前当待避位置F2においては搬送面21から上方へは突出していない。
そして、カム軸8の回転駆動によって前当カム9が回転して前当カム9とカムフォロアCFとの当接が前当待避対応部91から位置決対応部92へ切り替わると、カムアーム1023が下流側へ回動すると共にリンクアーム1022が下方側へ回動し、前当リンク103が下方へ移動する。そうすると、前当軸アーム101が下方側へ回動し、前当軸7が上流側(図2において時計回り)へ回転する結果、前当て部3は、前当待避位置F2から搬送方向上流側へ回動して位置決め位置F1へ移動する(図5参照)。
このとき、前記前当て部3は、口板2の搬送面21から突出した状態となる。具体的には、前当て部3が位置決め位置F1に位置しているときには、枚葉紙Pの前端が当接する前当て部3の当接面33が、搬送面21の下流端部にて該搬送面21に対し略垂直となるように上方へ突出している。
そして、カムフォロアCFが位置決対応部92と当接している状態では、前当て部3は位置決め位置F1に位置している。そして、前当カム9とカムフォロアCFとの当接が位置決対応部92から前当待避対応部91へ切り替わると、カムアーム1023が上流側へ回動すると共にリンクアーム1022が上方側へ回動し、前当リンク103が上方へ移動する。そうすると、前当軸アーム101が上方側へ回動し、前当軸7が下流側(図2において反時計回り)へ回転する結果、前当て部3は、位置決め位置F1から搬送方向下流側へ回動して前当待避位置F2へ移動する(図3参照)。このように、前当て部3は、一方向へ回転する前当カム9に追随して動作する前当伝達手段10を介して、搬送方向上流側及び下流側に往復回動するように構成されているので、前当カム9を高速回転させるだけで高速化に簡単に対応することができる。
上当て部4は、前当て部3に位置決めされる枚葉紙Pの前端部上方に位置して、該枚葉紙Pの前端部の上方移動を規制するものであり、枚葉紙Pの前端部の上方移動を規制すべく給紙板に接近した規制位置U1と、該規制位置U1よりも給紙板から上方へ離れた待受位置U2と、給紙板よりも下方側に位置する上当待避位置U3との間を移動可能に構成されている。
具体的には、図2に示すように、上当て部4は、口板2の下流側に配置されており、口板2の下流端部よりも上流側且つ下方側(本実施形態では、口板2の搬送方向略中央部の下方側)に配置される回動中心(以下、上当回動中心C4という)周りに搬送方向に回動可能に構成されている。
つまり、上当て部4は、図3乃至6に示すように、待受位置U2と上当待避位置U3との間を回動して往復移動し、待受位置U2から上当待避位置U3へ移動する途中で規制位置U1となるように構成されている。即ち、上当て部4は、口板2の下方側である上当待避位置U3から上当回動中心C4周りに搬送方向上流側へ回動して口板2に対し上方へ所定距離離間した待受位置U2へと移動し、該待受位置U2から上当回動中心C4周りに搬送方向下流側へ回動して待受位置U2よりも口板2に接近した規制位置U1へ移動し、更に、そのまま搬送方向下流側へ回動して上当待避位置U3へと移動するように構成されている。
上当て部4は、その先端部121が基端部122よりも搬送方向下流側となるように形成された上当アーム12の先端部121に形成されている。この上当アーム12は、上下に長い板状体の下端部である基端部122を搬送方向上流側へ屈曲し、上端部である先端部121を搬送方向下流側へ屈曲して形成されており、該先端部121から搬送方向上流側へ向けて上方に折返し延設されることによって上当て部4が形成されている。
具体的には、上当て部4は、上当アーム12の先端部121を略V字状又は略U字状となるように上流側へ折返し延設することによって形成されており、その先端(上流側)ほど上当アーム12から離間するような向きで形成されている。また、上当て部4は、その下面が平坦な規制面41となっており、この規制面41にて枚葉紙Pの前端部の上方移動を規制するようになっている。尚、上当て部4の先端部は、上流側且つ上方側から下流側且つ下方側へ向けて延びる誘導面42にて面取りされている。つまり、規制面41の上流端部には、上流側ほど上方となる誘導面42が連続している。尚、上当て部4の基端部(下流端部)には、コロ43が搬送方向に回転自在に設けられている。
このように、その先端部121に上当て部4が形成されている上当アーム12は、その先端部121が基端部122よりも搬送方向下流側且つ上方側となる向きで、その軸線C4周りに回転自在な上当軸13に基端部122が固定されている。
ここで、上当軸13は、印刷機の幅方向に沿った軸であり、口板2の搬送方向略中央部の下方側に配置されて軸線C4周りに回転可能となるように両端部が支持されている。即ち、上当軸13と前当軸7とは共に、搬送面21の面方向に沿って所定距離離間した平行な軸であり、上当軸13が搬送方向下流側に前当軸7が搬送方向上流側となるように配置されている。尚、上当軸13の軸線C4は、口板2の搬送方向下流端を通り且つ搬送面21に垂直な平面(以下、搬送下流端面Yという。)よりも上流側に配置されている。
本実施形態では、上当軸13の軸線C4と前当軸7の軸線C1との双方を通る平面(以下、軸平面Zという。)が口板2の搬送面21と平行な面となっている。尚、上当軸13の軸線C4は、カム軸8の軸線C2よりも下流側且つ上方側に設定されている。
また、図1に示すように、上当アーム12は、上当軸13の軸線C4に沿って複数配置されており、各上当アーム12の先端部121に形成されている全ての上当て部4は、上当軸13が下流側(図2においては反時計回り)へ回転すると下流側に回動し、上当軸13が上流側(図2においては時計回り)へ回転すると上流側に回動する。即ち、上当軸13の軸線C4は、上当て部4の上当回動中心C4となっている。尚、本実施形態においては、上当て部4の回動半径は、前当て部3の回動半径よりも小さい。また、上当て部4は、前当て部3の配置位置に対応して、合計で10個設けられている。尚、上当て部4は、10個以上、10個以下、又は単数設ける場合でもよく、或いは、前当て部3の配置とは異なる配置としてもよい。
かかる上当て部4の回動は、その軸線C4周りに回転駆動するカム軸8に固定されている上当カム14の回転が、上当伝達手段15を介して伝達されることによってなされる。上当カム14は、円板状の所謂平面カムであり、上当待避対応部141と待受対応部142と規制対応部143とでその周面形状が形成されている。具体的には、上当カム14は、規制対応部143が上当待避対応部141よりも径方向外側に延設されて形成され、待受対応部142が規制対応部143よりも径方向外側に延設されて形成されることによって構成されている。
従って、上当カム14のカム中心から周面までの距離(上当カム14の半径)は、規制対応部143において上当待避対応部141よりも長くなっており、待受対応部142において規制対応部143よりも長くなっている。このような上当カム14は、そのカム中心がカム軸8の軸線C2と一致し、且つ、カム軸8と共に回転するようにカム軸8に固定されている。尚、上当カム14の上当待避対応部141における半径は、前当カム9の前当待避対応部91における半径よりも小さく、上当カム14の規制対応部143における半径は、前当カム9の位置決対応部92における半径よりも大きい。
このように、上当て部4を回動させるための上当カム14は、前当て部3を回動させるための前当カム9が固定されているカム軸8に固定されているので、上当カム14と前当カム9とは、1つの軸線C2上に並べて設けられ、カム軸8の軸線C2周りに一体的に回転することとなる。
上当伝達手段15は、上当カム14の回転に追随して作動することによって、上当軸13に回転力を伝達するもので、前記上当軸13に設けられる上当軸アーム151と、上当カム14の形状に追随して揺動する回転伝達部102と、上当軸アーム151及び回転伝達部102を連結する上当リンク152とで形成される上当用リンク機構である。尚、上当用リンク機構が備える回転伝達部102は、前当用リンク機構が備える回転伝達部102と同様の形状であるので、同じ符号を付すこととしてその説明を省略する。上当軸アーム151は、上当軸13から搬送方向上流側(本実施形態では上流側且つ下方側)に突出するように設けられており、上当軸13と共に回転するように上当軸13に固定されている。
上当リンク152は、上下方向に沿って形成されるリンクであり、その一端部(上端部)は、上当軸アーム151の上流側端部に回動自在に連結され、他端部(下端部)は、回転伝達部102に回動自在に連結されている。具体的には、上当リンク152の他端部は、回転伝達部102のリンクアーム1022の下流側端部に連結されている。つまり、上当リンク152は、前記上当軸アーム151とリンクアーム1022とを連結している。
回転伝達部102のカムアーム1023の上端部に設けられているカムフォロアCFは、その周面が上当カム14の周面に当接するようになっている。また、回転伝達部102の付勢アーム1024の下端部には、下流側に付勢する付勢手段11としてのバネが連結されている。従って、回転伝達部102は、その付勢アーム1024がバネによって下流側へ付勢されるため、回転伝達部102の伝達回動中心C3周りにカムアーム1023が上流側へ付勢されており、これによって、カムアーム1023に設けられているカムフォロアCFの周面が上当カム14の周面に押付けられる。従って、回転伝達部102は、上当カム14の回転に追随して搬送方向に揺動する。
このように、上当て部4は、前記カム軸8に設けられている上当カム14に上当伝達手段15としての上当用リンク機構を介して連結されているので、上当カム14の上当待避対応部141から待受対応部142への回転に追随して上当待避位置U3から待受位置U2へ移動し、上当カム14の待受対応部142から規制対応部143への回転に追随して待受位置U2から規制位置U1へ移動し、更に、上当カム14の規制対応部143から上当待避対応部141への回転に追随して、規制位置U1から上当待避位置U3へ移動する。
具体的には、カムフォロアCFが上当カム14の上当待避対応部141と当接している状態では、上当て部4は上当待避位置U3に位置している(図3参照)。このとき、上当て部4は、口板2よりも下流側で且つ搬送面21よりも下側に位置している。また、上当て部4の基端部に設けられているコロ43も搬送面21の下側に位置している。つまり、上当待避位置U3では、上当アーム12全体が搬送面21よりも下側に待避している。
そして、カム軸8の回転駆動によって上当カム14が回転して上当カム14とカムフォロアCFとの当接が上当待避対応部141から待受対応部142へ切り替わると、カムアーム1023が下流側へ回動すると共にリンクアーム1022が下方側へ回動し、上当リンク152が下方へ移動する。そうすると、上当軸アーム151が下方側へ回動し、上当軸13が上流側(図2において時計回り)へ回転する結果、上当て部4は、上当待避位置U3から搬送方向上流側へ回動して待受位置U2へ移動する(図5参照)。
この待受位置U2では、上当て部4は、口板2の上方側に所定距離離間した位置となる。具体的には、上当アーム12のうち、上当て部4は、その下面である規制面41が搬送面21の下流端部から搬送面21の法線方向上方側(搬送面21に垂直且つ上方)へ所定距離離間した位置に位置して、該搬送面21との間に所定の隙間Tを形成し(図10参照)、他の部分は、口板2よりも下流側或いは搬送面21よりも下方側に位置している。
ここで、所定の隙間Tとは、その前端部が上方移動している枚葉紙Pの当該前端部が進入することができるような隙間Tを意味し、搬送される枚葉紙Pの前端部が上方移動する高さよりも若干広くなるような隙間Tである。また、この隙間Tは、枚葉紙Pのコシの強さや紙厚等によって適宜設定することが可能で、例えば5mm程度と設定することができる。
そして、カムフォロアCFが上当カム14の待受対応部142に当接している状態では、上当て部4は、待受位置U2に位置した状態でその回動が停止状態となる。そして、上当カム14とカムフォロアCFとの当接が待受対応部142から規制対応部143へ切り替わると、カムアーム1023が上流側へ回動すると共にリンクアーム1022が上方側へ回動し、上当リンク152が上方へ移動する。そうすると、上当軸アーム151が上方側へ回動し、上当軸13が下流側(図2において反時計回り)へ回転する結果、上当て部4は、待受位置U2から搬送方向下流側へ回動して規制位置U1へ移動する(図6参照)。
即ち、上当て部4は、上流側且つ上方側の待受位置U2から下流側且つ下方側の規制位置U1へと移動する。換言すると、上当て部4は、口板2との間に形成されている前記隙間Tが狭くなるように、搬送方向下流側へ回動して待受位置U2から規制位置U1へ移動する。この規制位置U1においては、上当アーム12のうち、上当て部4は、その規制面41と搬送面21との間の隙間Tが搬送される枚葉紙Pの紙厚に対応した隙間Tとなるように、搬送面21から上方側へ離間した位置となり、他の部分は、口板2よりも下流側或いは搬送面21よりも下方側に位置している。本実施形態では、規制面41は、搬送面21に対し略平行となる配置となっている。
この規制位置U1では、上当て部4は、その規制面41の先端部(上流端部)にて枚葉紙Pの前端部の上方移動を規制する。具体的には、搬送される枚葉紙Pの前端部が上方移動している場合には、上当て部4は、規制面41が当該枚葉紙Pの前端部に当接しつつ口板2との間の隙間Tが狭くなるように回動し、当該枚葉紙Pの前端部が搬送面21に沿うように規制して規制位置U1となる。従って、上当て部4は、搬送される枚葉紙Pの前端部を口板2との間に挟み込んで狭持するものではなく、枚葉紙Pの前端部が搬送面21から上方へ浮き上がっている場合に、当該前端部が均一に搬送面21上に載るように、当該前端部の浮き上がりを抑制するものである。
そして、カムフォロアCFが規制対応部143と当接している状態では、上当て部4は規制位置U1に位置してその回動が停止状態となる。そして、上当カム14とカムフォロアCFとの当接が規制対応部143から上当待避対応部141へ切り替わると、カムアーム1023が上流側へ回動すると共にリンクアーム1022が上方側へ回動し、上当リンク152が上方へ移動する。そうすると、上当軸アーム151が上方側へ回動し、上当軸13が下流側(図2において反時計回り)へ回転する結果、上当て部4は、規制位置U1から搬送方向下流側へ回動して上当待避位置U3へ移動する(図3参照)。
このように、上当て部4は、上当回動中心C4の移動を伴わずに、前記上当回動中心C4周りの回動動作のみによって上当待避位置U3と待受位置U2と規制位置U1とを移動するものであり、上当回動中心C4周りに上当待避位置U3から待受位置U2へ回動し、その回動軌道を戻るように回動して待受位置U2から上当待避位置U3へ向かい、その途中で規制位置U1となるように構成されている。
また、上当て部4は、一方向へ回転する上当カム14に追随して動作する上当伝達手段15を介して、搬送方向上流側及び下流側に往復回動するように構成されているので、上当カム14を高速回転させるだけで高速化に簡単に対応することができる。
前記給紙胴Dに枚葉紙Pを給紙すべくその前端部を咥えるグリッパ51を備えるスウィング爪5は、図2に示すように、口板2と給紙胴Dとの間に設けられている。スウィング爪5は、枚葉紙Pの前端部を咥える咥え位置と咥えた枚葉紙Pを給紙胴Dに受け渡す渡し位置とを移動可能に構成されている。具体的には、スウィング爪5は、搬送方向に回動可能に設けられて上流側の咥え位置と下流側の渡し位置との間で揺動するように構成されており、咥え位置ではその先端部に設けられているグリッパ51が口板2の下流端部付近に接近し、渡し位置では前記グリッパ51が給紙胴D付近に接近するように揺動する。
スウィング爪5の回動中心(以下、爪回動中心C5という)は、口板2の下方側に設定されており、前記軸平面Zよりも下方側に設定されている。具体的には、スウィング爪5の爪回動中心C5は、前記搬送下流端面Y上に設定されている。従って、咥え位置に位置しているときのグリッパ51と爪回動中心C5とを通る直線は、搬送面21に対して略垂直となる。また、スウィング爪5の回動半径は、前当て部3及び上当て部4の双方の回動半径よりも大きくなっている。尚、スウィング爪5の爪回動中心C5は、カム軸8の軸線C2よりも下方側且つ下流側に設定されている。
続いて、上記のような構成の印刷機における給紙動作(位置決め動作)を図3乃至6を参照して説明する。
枚葉紙Pがフィーダボード上及び口板2上を搬送されると、前当て部3は前当待避位置F2から位置決め位置F1へ回動し、上当て部4は上当待避位置U3から待受位置U2へ回動する(図3に示す状態から、図4に示す状態を経て、図5に示す状態となる)。
これにより、図5に示すように、前当て部3は搬送面21の下流端部から上方へ突出した状態となり、上当て部4は口板2の下流端部との間の隙間Tを広くした状態となって、搬送される枚葉紙Pの前端部が該隙間Tに進入するのを待ち受ける。具体的には、規制面41が、搬送面21の下流端部との間に所定の隙間Tを形成するように該搬送面21の下流端部に対向し、当接面33が、該隙間Tの下流側を閉塞するように規制面41と搬送面21との間に跨った状態となる。そして、これらの面で囲まれる領域内に搬送される枚葉紙Pの前端部が進入する。
このように、上当て部4と口板2との間の隙間Tを大きくして搬送されてきた枚葉紙Pの進入が許容された状態で枚葉紙Pが搬送されるのを待受けるので、仮に、搬送される枚葉紙Pの前端部が上方移動(例えば、カール)した状態であっても、枚葉紙Pは上当て部4と口板2との間の隙間Tに確実に進入することとなる。また、上当て部4の先端部には、誘導面42が形成されているので、仮に、上方移動した前端部が誘導面42に当接しても、該前端部を前記隙間T側に誘導することができる。尚、枚葉紙Pを待ち受けている状態では、スウィング爪5は渡し位置に位置している。
そして、枚葉紙Pが前記隙間Tへ進入すると、上当て部4は、待受位置U2から規制位置U1へ回動する(図5に示す状態から、図6に示す状態となる。)。尚、前当て部3は、位置決め位置F1に位置したままである。
かかる状態で、規制面41の先端部と誘導面42とは、当接面33から上流側へ突出している。そして、規制面41と搬送面21との間の隙間Tは、規制される枚葉紙Pの紙厚に対応して狭くなっている。また、規制面41と搬送面21とは略平行になっている。
ここで、上当て部4が待受位置U2から規制位置U1へ移動する際には、上当て部4は、搬送面21との間の隙間Tを狭くしつつ、位置決め位置F1に位置している前当て部3からの突出量が少なくなるように前当て部3に対して後退するように移動する。そうすると、前当て部3に位置決めされる枚葉紙Pの前端部が上方移動している場合には、上当て部4は、当該上方移動して搬送面21から浮き上がっている枚葉紙Pの前端部が搬送面21に沿うように、その浮き上がりを抑制しつつ、更に、当該枚葉紙Pを下流側に引き寄せてその前端を前当て部3の当接面33に確実に当接させることとなる。
そして、枚葉紙Pが前当て部3と上当て部4とによってその天地方向の姿勢が整えられると、図示しない横当て部によって幅方向の姿勢が整えられ、その後スウィング爪5が渡し位置から咥え位置へと回動して枚葉紙Pの前端部をグリッパ51にて咥える。具体的には、前当て部3が位置決め位置F1に、上当て部4が規制位置U1にそれぞれ位置した状態で、スウィング爪5は、その先端部(グリッパ51)が口板2から下流側に離間した渡し位置から、上流側に回動して、その先端部(グリッパ51)が口板2の下流側端部に接近した咥え位置へと移動し、枚葉紙Pの前端部を咥える。
そして、枚葉紙Pがスウィング爪5にて咥えられると、前当て部3が位置決め位置F1から前当待避位置F2へ移動し、同時に、上当て部4が規制位置U1から上当待避位置U3へと移動する(図6に示す状態から、図4に示す状態を経て、図3に示す状態となる)。即ち、上当て部4と前当て部3との双方が搬送面21よりも下方側に待避した状態となる。
そして、上当て部4と前当て部3との双方が枚葉紙Pの搬送経路(搬送面21)から待避すると、枚葉紙Pの前端部を咥えたスウィング爪5は、咥え位置から下流側へ回動して渡し位置へ移動し、枚葉紙Pを給紙胴Dへ受け渡す。尚、上当て部4の基端部にはコロ43が設けられているので、スウィング爪5にて枚葉紙Pを給紙胴Dに受け渡す際に枚葉紙Pの後端部が下方に垂れ下がってコロ43に当接しても、コロ43が回転するので枚葉紙Pに傷が付くのを防止することができる。
かかる印刷機の給紙部1には、傾き調整手段60が設けられている。具体的には、図1に示すように、前記前当軸7と前記上当軸13との一端側には、傾き調整手段60が設けられている。この傾き調整手段60は、前当軸7と上当軸13との双方の軸線C1,C4の搬送方向に対する傾きを一体的に傾き調整するもので、前当軸7と上当軸13との双方の一端部を一体的に支持する支持部61と、該支持部61を搬送方向に移動させるための傾き駆動部62とを備える。
支持部61は、図7に示すように、上下方向に沿って形成される第1アーム63と、該第1アーム63の上端部から搬送方向下流側へ突出して該上端部に軸支されると共に上下方向に回動可能に構成される第2アーム64とを備える。
第1アーム63には、その下端部に取付孔631が、上端部に前記前当軸7の一端部が挿入される前当用孔632が、それぞれ設けられている。尚、第1アーム63は、印刷機のフレーム(図示しない)又は該フレームの内面側に固定配置されるサブフレームSFに前記取付孔631を介して軸支されることによって、搬送方向に回動可能となる。
また、第1アーム63の上下方向の中途領域には、その内面側(印刷機の幅方向且つ内方側)に突出し該突出方向に交差する方向に形成されるネジ孔6331を有する螺合用突出部633が設けられており、該螺合用突出部633と前記前当用孔632との間の領域には、その内面側に突出し該突出方向に交差する方向に形成される軸支孔6341を有する軸支用突出部634が設けられている。
第2アーム64は、搬送方向に沿って形成される主部65と、該主部65の下流端部から下方へ向けて舌片状に延設される舌片部66とを備える。主部65には、その上流側端部に前当軸7の一端部が挿入される前当用孔651が設けられ、下流側端部に上当軸13の一端部が挿入される上当用孔652が設けられている。舌片部66には、その内面側(印刷機の幅方向且つ内方側)に突出し該突出方向に交差する方向に形成されるネジ孔6611を有する螺合用突出部661が設けられている。
かかる第1アーム63と第2アーム64とは、図8に示すように、双方の前当用孔632,651が同軸となるように重ね合わせ、該同軸上の両前当用孔632,651に前当軸7の一端部を回転自在に挿入し、第2アーム64を上下方向に回動させるための紙厚駆動部67を配備することによって、互いに連結される。従って、本実施形態では、第2アーム64は、紙厚駆動部67によって単独で上下方向に回動するよう構成されており、その回動中心(紙厚回動中心C7)は、前当軸7の軸線C1と一致している。そして、第2アーム64の上当用孔652には、上当軸13の一端部が回動自在に挿入される。尚、かかる連結状態で、第1アーム63の軸支用突出部634と第2アーム64の螺合用突出部661とは、その上下方向の位置がほぼ同じ位置となっており、軸支用突出部634の軸支孔6341と螺合用突出部661のネジ孔6611とは同軸上になっている。
紙厚駆動部67は、その軸部にギア6711が設けられたモータ671と、その一端部にネジ部6721が形成され他端部にウォームホイール6722が設けられた駆動軸672とを備える。尚、本実施形態では、ネジ部6721からウォームホイール6722に亘ってバネが設けられている。駆動軸672は、その他端部が第1アーム63の軸支用突出部634の軸支孔6341に軸支され、一端部のネジ部6721が第2アーム64の螺合用突出部661のネジ孔6611と螺合するように配備され、モータ671は、その軸部のギア6711が当該駆動軸672のウォームホイール6722と噛み合うように第1アーム63に固定されている。
また、第1アーム63と第2アーム64とは、第1アーム63がその取付孔631を介してサブフレームSF若しくはフレームに回動可能に取付けられて、傾き駆動部62によって取付孔631の中心周りに搬送方向に一体的に回動するようになっている。本実施形態では、第1アーム63の回動中心である支持部61の回動中心(支持回動中心C6)は、前記搬送下流端面Y上に設定されており、爪回動中心C5よりも下方側に配置されている。従って、第1アーム63(支持部61)の回動半径は、スウィング爪5の回動半径よりも大きい。
ここで、傾き駆動部62は、その軸部にギア6211が設けられたモータ621と、その一端部にネジ部6221が形成され他端部にウォームホイール6222が設けられた駆動軸622とを備える。駆動軸622は、その他端部がサブフレームSFに突設され軸支孔SF11を有する軸支用突出部SF1の軸支孔SF11に軸支され、一端部のネジ部6221が第1アーム63の螺合用突出部633のネジ孔6331と螺合するように配備され、モータ621は、その軸部のギア6211が当該駆動軸622のウォームホイール6222と噛み合うようにサブフレームSFに固定されている。
このように、本実施形態では、支持部61は、各々別体の第1アーム63と第2アーム64とが紙厚駆動部67を介して連結されて構成されており、前当軸7の一端部を軸支すると共に上当軸13の一端部を軸支し、傾き駆動部62によって搬送方向に回動移動するようになっている。
尚、本実施形態では、かかる傾き調整手段60が前当軸7と上当軸13との他端側にも設けられている。即ち、傾き調整手段60は、図1に示すように、前記両軸7,13の一端側及び他端側に一対設けられている。尚、傾き調整手段60は、一端側又は他端側の何れか一方側にのみ設ける場合でもよい。
続いて、かかる構成の印刷機における、前記前当軸7の軸線C1及び前記上当軸13の軸線C4の搬送方向に対する傾きを調整する傾き調整について、図8及び9を参照しつつ説明する。
まず、図9(A)に示すように、一方の傾き調整手段60にて前記前当軸7の軸線C1及び前記上当軸13の軸線C4の傾き調整を行う場合について説明する。
一方の傾き調整手段60の傾き駆動部62のモータ621が駆動してギア6211が回転すると、ウォームホイール6222を介して駆動軸622がその軸線周りに回転する。そうすると、駆動軸622のネジ部6221と第1アーム63の螺合用突出部633のネジ孔6331との螺合位置M1が変位する。尚、図9(A)においては、当該螺合位置M1が搬送方向下流側へ変位する場合を示している。螺合位置M1が搬送方向下流側へ変位すると、第1アーム63と第2アーム64と(支持部61)が支持回動中心C6周りに搬送方向下流側へ回動し、前当用孔632,651と上当用孔652とが搬送方向下流側に位置移動する。そうすると、前当用孔632,651に挿入されている前当軸7の一端部と、上当用孔652に挿入されている上当軸13の一端部とは、共に搬送方向下流側へ位置移動する。こうして、前当軸7の軸線C1と上当軸13の軸線C4との傾きは、他方側から一方側にかけて搬送方向上流側に傾いた状態となる。
次に、図9(B)に示すように、他方の傾き調整手段60にて前記前当軸7の軸線C1及び前記上当軸13の軸線C4の傾き調整を行う場合について説明する。
他方の傾き調整手段60の傾き駆動部62のモータ621が駆動してギア6211が回転すると、ウォームホイール6222を介して駆動軸622がその軸線周りに回転する。そうすると、駆動軸622のネジ部6221と第1アーム63の螺合用突出部633のネジ孔6331との螺合位置M1が変位する。尚、図9(B)においては、当該螺合位置M1が搬送方向上流側へ変位する場合を示している。螺合位置M1が搬送方向上流側へ変位すると、第1アーム63と第2アーム64と(支持部61)が支持回動中心C6周りに搬送方向上流側へ回動し、前当用孔632,651と上当用孔652とが搬送方向上流側に位置移動する。そうすると、前当用孔632,651に挿入されている前当軸7の他端部と、上当用孔652に挿入されている上当軸13の他端部とは、共に搬送方向上流側へ位置移動する。これによって、前当軸7の軸線C1と上当軸13の軸線C4との傾きは、一方側から他方側にかけて搬送方向上流側に傾いた状態となる。
尚、双方の傾き調整手段60を作動させて前記前当軸7の軸線C1及び前記上当軸13の軸線C4の傾き調整を行うこともできる。具体的には、一方の傾き調整手段60にて前当軸7及び上当軸13の双方の一端部を搬送方向上流側(又は、搬送方向下流側)へ位置移動させ、併せて、他方の傾き調整手段60にて前当軸7及び上当軸13の双方の他端部を搬送方向下流側(又は、搬送方向上流側)へ位置移動させることによって、前記前当軸7の軸線C1及び前記上当軸13の軸線C4の傾き調整を行うことができる。
また、双方の傾き調整手段60にて前記前当軸7の軸線C1及び前記上当軸13の軸線C4を各々の搬送方向に対する傾きを維持した状態で搬送方向に平行移動させることも可能である。具体的には、図9(C)に示すように、双方の傾き調整手段60にて前当軸7及び上当軸13の双方の一端部及び他端部を搬送方向上流側(又は、搬送方向下流側)へ位置移動させることによって、前記前当軸7の軸線C1及び前記上当軸13の軸線C4の搬送方向に対する傾きを維持しつつ両軸線C1,C4を搬送方向上流側(又は、搬送方向下流側)へ平行移動させることができる。尚、図9(C)においては、一方又は他方の何れか、或いは、双方の傾き調整手段60を作動させて、前当軸7の軸線C1及び上当軸13の軸線C4の傾きを搬送方向に対して傾けた後に、両軸線C1,C4の搬送方向に沿った平行移動を行っているが、平行移動した後に傾けるようにしても無論よい。
尚、本実施形態にかかる印刷機においては、支持部61の第2アーム64が紙厚駆動部67によって上下方向に回動するように構成されているので、該回動によって、前記上当て部4と前記口板2との間の隙間Tを、搬送される枚葉紙Pの紙厚に応じて調整する(紙厚調整する)ことができるようになっている。以下、該紙厚調整について、図8及び10を参照しつつ説明する。
一方及び他方の傾き調整手段60の紙厚駆動部67のモータ671が駆動してギア6711が回転すると、ウォームホイール6722を介して駆動軸672がその軸線周りに回転する。そうすると、駆動軸672のネジ部6721と第2アーム64の螺合用突出部661のネジ孔6611との螺合位置M2が変位する。尚、図10においては、当該螺合位置M2が搬送方向下流側へ変位する場合を示している。螺合位置M2が搬送方向下流側へ変位すると、一方及び他方の傾き調整手段60の第2アーム64のそれぞれが、前当用孔632,651の中心(前当軸7の軸線C1)周りに搬送方向に回動して、上当用孔652が上方に位置移動する。そうすると、上当用孔652に挿入されている上当軸13が前当軸7の軸線C1周りに上方に位置移動し、上当軸13に設けられている上当アーム12の先端部に形成されている上当て部4が上方に位置移動する。そうすると、図10に示すように、上当て部4の規制面41が上方向へ移動して搬送面21から離間し、規制面41と搬送面21との間の隙間Tが広くなる。
また、これとは逆に、駆動軸672のネジ部6721と第2アーム64の螺合用突出部661のネジ孔6611との螺合位置M2が搬送方向上流側へ変位するようにモータ671を駆動すると、上当軸13が下方に位置移動して上当て部4が下方に位置移動する。そうすると、規制面41が搬送面21に接近して規制面41と搬送面21との間の隙間Tが狭くなる。
このように、紙厚駆動部67を作動させて第2アーム64を上下方向に移動させて規制面41を上下方向に移動させ、規制面41と搬送面21との間の隙間Tを広くしたり狭くしたりすることによって、搬送面21上を搬送される枚葉紙Pの紙厚に応じて当該隙間Tの広さを調整(紙厚調整)することができる。
尚、一方又は他方の何れかの紙厚駆動部67を先に作動させた後に、残る紙厚駆動部67を作動させることによって紙厚調整をすることもできるが、双方の紙厚駆動部67を同時に作動させて紙厚調整する方がより正確に調整することができて好ましい。
以上のような構成の印刷機にあっては、傾き調整手段60にて前当軸7と上当軸13との双方を傾き調整することができるので、仮に搬送される枚葉紙Pの前端が搬送方向に対して傾いた形状となっている場合であっても、両軸7,13の軸線C1,C4の傾きを当該枚葉紙Pの前端の傾きに合わせて、例えば搬送される枚葉紙Pの前端の傾きと略同じ傾きに調整することができる。
ここで、傾き調整手段60は、前当軸7と上当軸13との各々を、それぞれ個別に傾き調整するのではなく、両軸7,13の端部を支持部61にて一体的に軸支した状態で一括して同時に傾き調整するように構成されているため、両軸7,13の軸線C1,C4間についての傾き関係(例えば、搬送方向に平行な関係)を維持した状態で、一括して両軸7,13を傾き調整することができる。
このように、両軸7,13の軸線C1,C4の搬送方向に対する傾きを、両軸線C1,C4間の傾き関係を保ちつつ一括して枚葉紙Pの前端の傾きに合うように調整することによって、枚葉紙Pの前端部の上方移動を上当て部4にて均一に規制することができ、その前端を前当て部3に均一に当接させて当該枚葉紙Pの天地方向を正確に位置決めすることができる。従って、搬送面21上を搬送される枚葉紙Pを、口板2の下流端部にて正確に位置決めしてスウィング爪5にて咥え、下流側の給紙胴Dへ給紙することができるので、所謂斜像を抑制して枚葉紙Pに対して正確な位置に印刷することができ、印刷品質を向上させることができる。
また、前当軸の一端部(又は、他端部)を軸支する第1アーム63と、上当軸13の一端部(又は、他端部)を軸支する第2アーム64とを連結した支持部61を、傾き駆動部62にて支持回動中心C6周りに搬送方向に回動移動させるので、前当軸7と上当軸13との双方の一端部(又は、他端部)を一括して同時に搬送方向に位置移動させることができ、両軸7,13の軸線C1,C4の搬送方向に対する傾きを容易且つ確実に一括調整することができる。
更に、紙厚駆動部67にて第2アーム64を紙厚回動中心C7周りに上下方向に回動させることで、上当軸13を上下方向に位置移動させて上当て部4の規制面41と搬送面21との間の隙間Tを広くしたり狭くしたりすることができる。よって、搬送される枚葉紙Pの紙厚に応じて当該隙間Tの広さを調整することができ、より確実に枚葉紙Pの前端部の上下移動を上当て部4にて規制することができる。
また更に、紙厚回動中心C7は、前当回動中心C1と一致する、即ち、第2アーム64の回動中心は、前当軸7の軸線C1と一致するので、第2アーム64が紙厚回動中心C7周りに回動しても前当軸7の軸線C1と上当軸13の軸線C4との間の距離が一定の距離に保たれる。よって、前当て部3と上当て部4との位置関係を精度良く保つことができ、より一層枚葉紙Pの位置決めを正確に行うことができる。
また、傾き調整手段60は、前当軸7及び上当軸13の双方の一端側及び他端側に一対設けられているので、それぞれの傾き調整手段60を各々独立して作動させて、前当軸7と上当軸13との一端部同士及び他端部同士を、それぞれ独立して傾き調整することができる。よって、何れか一方、或いは、双方の傾き調整手段60にて傾き調整することができ、また、双方の傾き調整手段60を連動させて両軸7,13を搬送方向に平行移動させることもできる。従って、前当て部3及び上当て部4の相互の位置関係や、前当て部3及び上当て部4と口板2との位置関係を高精度に調整することができ、より正確な枚葉紙Pの位置決めを行うことができる。尚、双方の傾き調整手段60にて前当軸7及び上当軸13の傾き調整をすることができるので、片面印刷機においてその一方の面に印刷を施した枚葉紙Pの他方の面にも印刷を施す場合に、一方の面の印刷画像位置と他方の面の印刷画像位置との位置合わせを容易にすることができる。
更に、支持部61の回動中心(支持回動中心C6)は、前記搬送下流端面Y上に設定されており、爪回動中心C5よりも下方側に配置されているので、支持部61の回動によって両軸7,13が位置移動したときに、両軸7,13は、搬送面21に対して垂直な方向へはほとんど変位せず、主に、搬送面21の面方向(搬送方向)に沿って変位する。従って、より容易且つ高精度に傾き調整することができる。
また更に、前記軸平面Zが搬送面21に対して略平行となるように前当軸7と上当軸13とが配置され、第2アーム64の回動中心である紙厚回動中心C7が前当軸7の軸線C1と一致しているので、第2アーム64の回動によって上当軸13が位置移動したときに、上当軸13が主に搬送面21に垂直な方向へ変位する。従って、より容易且つ高精度に紙厚調整することができる。
更に、傾き駆動部62は、モータ621によって作動するので、一対の傾き駆動部62を電気的に連動させることで容易且つ高精度に傾き調整することができる。また、紙厚駆動部67もモータ671によって作動するので、一対の紙厚駆動部67を電気的に連動させることで容易且つ高精度に紙厚調整することができる。
尚、本実施形態では、支持部61が傾き駆動部62によって搬送方向に回動移動する場合について説明したが、これに限られず、例えば、傾き駆動部62によって搬送方向に沿う直線状にスライド移動する場合であってもよい。何れにしても、前当軸7及び上当軸13の双方の一端部を一体的に支持する支持部61が、両軸7,13の他端部に対して搬送方向上流側又は下流側に変位するように、傾き駆動部62によって移動することで、前当軸7及び上当軸13の双方の軸線C1,C4の搬送方向に対する傾きを調整することができる。
ここで、支持部61が搬送方向に沿って直線状にスライド移動する場合について更に詳細に説明する。図11及び12に示すように、支持部61は、前当軸7の一端部が挿入される前当用孔72と、上当軸13の一端部が挿入される上当用孔73とが形成されたブロック体70と、該ブロック体70の外側面に取付けられるレール係合部71とを備えてなる。
ブロック体70は、所定の厚みを有する一つのブロックであり、前記前当用孔72と前記上当用孔73とが各々厚み方向(換言すると、ブロック体70の内側面から外側面に向けた方向)に貫通して形成されている。また、ブロック体70の幅方向一端部には、後述のシャフト80の先端部82が接続されるシャフト用孔74が形成されている。尚、前記シャフト用孔74にはネジ部が形成されている。
レール係合部71は、ブロック体70の外側面に取付けられており、例えば印刷機のフレーム(図示しない)等に取り付けられるレール75に係合可能となっている。尚、かかるレール75のレール方向は、搬送方向に平行な方向となっている。
一方、傾き駆動部62は、前記支持部61を搬送方向に沿って直線状にスライド移動させるように構成されており、具体的には、軸部84にギアが設けられているモータ81と、該モータ81と前記支持部61とを連結するシャフト80とを備えてなる。
モータ81は、前記支持部61の搬送方向上流側に設けられており、その軸部84が搬送方向(より詳細には搬送面21)に直交する向きで設置されている。シャフト80は、その先端部82が前記支持部61に接続されており、基端部83がモータ81に接続されている。より詳細には、シャフト80は、その先端部82にネジ部が形成される一方で、基端部83にウォームギアが設けられており、搬送方向下流側となる先端部82のネジ部が前記ブロック体70の前記シャフト用孔74のネジ部に螺合され、搬送方向上流側となる基端部83のウォームギアが前記モータ81のギアに噛合わされている。尚、シャフト80は、ウォームギアよりも下流側及び上流側の双方にて印刷機のフレーム等に設けられているシャフト支持部85に、その軸線C8周りに回転可能且つ軸線C8方向に移動不能に支持されている。また、シャフト80の軸線C8は、搬送方向(換言すると搬送面21)に平行となっている。
かかる構成によれば、モータ81が駆動してギアが回転すると、ウォームギアを介してシャフト80がその軸線C8周りに回転し、その先端部82のネジ部と前記ブロック体70のシャフト用孔74のネジ部との相対位置が変化する。そうすると、前記支持部61は、レール係合部71がレール75に沿って摺動して搬送方向に沿って直線状にスライド移動する。具体的には、シャフト80がその軸線C8周りに一方側へ回転して先端部82のネジ部とシャフト用孔74のネジ部との螺合位置が搬送方向上流側に移動すると、支持部61は搬送方向と平行な方向に沿って上流側へ直線移動する。一方、シャフト80がその軸線C8周りに他方側へ回転して先端部82のネジ部とシャフト用孔74のネジ部との螺合位置が搬送方向下流側に移動すると、支持部61は搬送方向と平行な方向に沿って下流側へ直線移動する。
そして、支持部61が搬送方向上流側又は下流側へ直線移動すると、前当用孔72に挿入されている前当軸7の一端部と、上当用孔73に挿入されている上当軸13の一端部とは共に、搬送方向上流側又は下流側へ位置移動し、その結果、前当軸7の軸線C1と上当軸13の軸線C4との傾きを傾き調整することができる。
このように、支持部61の移動が搬送方向沿った直線状のスライド移動となるように構成することによって、支持部61が一体的に支持する前当軸7と上当軸13との双方の一端部を、上下移動などを伴うことなく当該搬送方向(スライド方向)にのみ移動させることができるから、搬送される枚葉紙Pの前端の搬送方向に対する傾きに合わせて容易に傾き調整することができる。
尚、本実施形態では、上当軸13を上下方向に位置移動させて紙厚調整する場合について説明したが、これに限らず、上当軸13を回転させて紙厚調整する場合であってもよい。例えば、上当て部4が上方又は下方に位置移動するように上当軸13を回転させることができる紙厚調整機構を設ける。具体的には、図13及び14に示すように、紙厚調整機構90は、前記上当伝達手段15に設けられており、回転伝達部102のリンクアーム1022に設けられる紙厚調整ネジ901と、該紙厚調整ネジ901と前記上当リンク152の他端部とを連結する連結体902とを備えてなる。
紙厚調整ネジ901は、その軸線が上当リンク152の長手方向に沿うような向きで前記リンクアーム1022の先端部に回転可能に設けられており、その一端部には、紙厚調整ネジ901を軸線回りに回転させるための摘み部903が形成されている。連結体902は、上当リンク152と紙厚調整ネジ901とに亘るように設けられており、上当リンク152の他端部に回転可能に取り付けられると共に紙厚調整ネジ901に螺合されている。
尚、図13に示す場合においては、上当リンク152は、その一端部が搬送方向下流側となり他端部が搬送方向上流側となる、つまり、その長手方向が搬送方向に沿うように形成されている。よって、紙厚調整ネジ901は、その一端部が搬送方向上流側となり他端部が搬送方向下流側となるように設けられている。尚、図13に示す回転伝達部102は、カムアーム1023と付勢アーム1024とが一つのアームとなるように構成されている。
かかる構成によれば、紙厚調整ネジ901がその軸線周りに回転すると、該紙厚調整ネジ901と連結体902との螺合位置が変位して連結体902が紙厚調整ネジ901の軸線方向(図13の場合にあっては、搬送方向上流側又は下流側)に移動する。そうすると、上当リンク152がその長手方向(図13の場合にあっては、搬送方向上流側又は下流側)に移動し、上当リンク152の一端部に連結されている上当軸アーム151が搬送方向上流側又は下流側に回動する。そうすると、上当軸13が搬送方向上流側又は下流側に回転して上当て部4が搬送方向上流側又は下流側に回動し、上当て部4の規制面41が上方又は下方へ移動して搬送面21に対して離間又は接近する結果、規制面41と搬送面21との隙間Tが広狭する。従って、搬送される枚葉紙Pの紙厚に応じて前記隙間Tの広さを調整(紙厚調整)することができる。
また、本実施形態では、支持部61が前当軸7と上当軸13との双方を支持する位置が軸方向端部であり、傾き駆動部62が当該支持部61を搬送方向に移動させるように構成されている場合について説明したが、これに限られず、支持部61が前当軸7と上当軸13との双方の中途部分を支持するように構成され、傾き駆動部62が搬送面21に対して垂直な軸線周りに前記支持部61を回動させるように構成されている場合でもよい。
更に、本実施形態では、支持部61が各々別体の第1アーム63と第2アーム64とを備える場合について説明したが、これに限られず、例えば、支持部61が1つのアームのみ備える場合や、3つ以上のアームを備える場合であってもよい。
また更に、本実施形態では、支持回動中心C6が搬送下流端面Y上に設定されている場合について説明したが、これに限られず、搬送下流端面Yよりも上流側或いは下流側に設定することもできる。
また、本実施形態では、紙厚回動中心C7が前当回動中心C1と一致する場合について説明したが、これに限られず、例えば、軸平面Z上であって、且つ、前当軸7の軸線C1よりも上流側或いは下流側に設けることもできる。尚、軸平面Zよりも上方側或いは下方側に設けることもできる。
更に、本実施形態では、第2アーム64が紙厚回動中心C7周りに回動する場合について説明したが、これに限られず、例えば、第2アーム64が搬送面21に直交する方向にスライド移動する場合であってもよい。
また更に、本実施形態においては、前当て部3が位置決め位置F1と前当待避位置F2とを回動して移動する場合について説明したが、これに限られず、例えば、上下方向に移動することによって位置決め位置F1と前当待避位置F2とを移動するように構成することもできる。具体的には、前当て部3は、前当待避位置F2では搬送面21よりも下方側に位置し、前当待避位置F2から上方へ平行移動することによって搬送面21から上方に突出した位置決め位置F1へ移動するように構成されてもよい。
1…給紙部、2…口板、3…前当て部、4…上当て部、5…スウィング爪、6…前当アーム、7…前当軸、8…カム軸、9…前当カム、10…前当伝達手段、11…付勢手段、12…上当アーム、13…上当軸、14…上当カム、15…上当伝達手段、21…搬送面、31…突片、32…連結片、33…当接面、41…規制面、42…誘導面、43…コロ、51…グリッパ、60…傾き調整手段、61…支持部、62…傾き駆動部、63…第1アーム、64…第2アーム、65…主部、66…舌片部、67…紙厚駆動部、70…ブロック体、71…レール係合部、74…シャフト用孔、75…レール、80…シャフト、82…シャフトの先端部、83…シャフトの基端部、85…シャフト支持部、90…紙厚調整機構、91…前当待避対応部、92…位置決対応部、101…前当軸アーム、102…回転伝達部、103…前当リンク、141…上当待避対応部、142…待受対応部、143…規制対応部、151…上当軸アーム、152…上当リンク、81,621,671…モータ、622,672…駆動軸、631…取付孔、72,632,651…前当用孔、633,661…螺合用突出部、634,SF1…軸支用突出部、73,652…上当用孔、901…紙厚調整ネジ、902…連結体、903…摘み部、1021…基部、1022…リンクアーム、1023…カムアーム、1024…付勢アーム、6211,6711…ギア、6221,6721…ネジ部、6222,6722…ウォームホイール、6331,6611…ネジ孔、6341,SF11…軸支孔、D…給紙胴、P…枚葉紙、T…隙間、X…搬送方向、Y…搬送下流端面、Z…軸平面、CF…カムフォロア、SF…サブフレーム、C1…前当回動中心(前当軸の軸線)、C2…カム軸の軸線、C3…伝達回動中心、C4…上当回動中心(上当軸の軸線)、C5…爪回動中心、C6…支持回動中心、C7…紙厚回動中心、C8…シャフトの軸線、F1…位置決め位置、F2…前当待避位置、M1,M2…螺合位置、U1…規制位置、U2…待受位置、U3…上当待避位置