JP5010765B1 - 内燃機関用バルブの製造方法 - Google Patents

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Abstract

傘部フェース(16)を成形する押圧凸部(43)を設けたダイス(42)と、押圧パンチ(48)とを備えた金型(40)を用いて、傘部フェース(16)の内周側から外周側に向けてスベリ変形が生じる鍛造を施すバルブの製造方法で、ダイス(42)に押圧凸部(43)と凹溝(46)を周方向に交互に連続して設け、パンチ(48)の押圧動作に連係して、バルブ中間品(W3)を金型(40)に対し所定角度回転させつつ、傘部フェース(16)を鍛造する。押圧凸部(43)による素材の深さ方向の塑性変形量が従来の金型(ダイス)よりも大きく、それだけ傘部フェース(16)の深層部まで高硬度化できる。塑性変形する部位は周方向に離間するが、押圧凸部(43)の押圧位置がパンチ(48)の押圧動作毎に周方向にずれて、塑性変形した傘部フェース(16)の成形面(鍛造面)が平滑化する。
【選択図】図7

Description

この発明は、内燃機関用バルブの製造方法に係り、特に、素材にスベリ変形が生じる鍛造を傘部フェースに施すことで、傘部フェースの硬度を向上させる内燃機関用バルブの製造方法に関する。
内燃機関用の吸,排気バルブの傘部フェースは、バルブシートと接触して燃焼室を開閉するという重要な部位であるために、耐磨耗性や高温耐食性が要求されている。そして、鍛造の温度条件や加工率を特定することで耐磨耗性や高温耐食性を改善しようとする試みは、これまでに数多く提案されている。しかし、従来の提案では、傘部フェースの硬度が足らず、傘部フェースへ燃焼残渣が食い込み、圧痕が発生して、耐吹き抜け性が悪化し、特に、低質燃料を使用するディーゼルエンジンにおいて、顕著であった。
このような問題に応えるべく、下記特許文献1が提案されている。
ここには、析出硬化型Ni基合金を素材として使用し、この素材に20〜500℃の温度範囲内で、傘部フェースの内周側から外周側に向けてスベリ変形が生じる鍛造を施すというバルブの製造方法が開示されている。
傘部フェースの硬度が大幅に向上し、燃焼残渣による圧痕が非常に付き難くなり、耐吹き抜け性が向上すると同時に、耐磨耗性も大きく向上する。また、硬度の向上範囲を、外周側で深く、かつ、内周側で浅くすることができ、バルブ寿命が大幅に延長する、というものである。
特開平8−61028号(段落0007、0012、0014〜0018、0029、図1,5)
しかしながら、近年の排ガス規制に対応するため、燃焼圧が向上する等エンジン技術が変化し、これに伴ってバルブ(傘部フェース)の使用環境も厳しくなっている。即ち、内燃機関用の吸,排気バルブの傘部フェースには、さらなる耐磨耗性や高温耐食性が要求されているものの、特許文献1の方法によって達成できる耐磨耗性や高温耐食性には限界があった。
発明者が詳しく検討したところ、バルブの鍛造、特に、内燃機関のバルブシートと接触する傘部フェースの成形は、図14に示すように、半径方向内側に膨出する押圧凸部2が周設されたダイス1と、ダイス1に挿入されたバルブ中間品Wの傘部前面側を押圧するパンチ4とを備えた金型を用いて行うが、周設された押圧凸部2のテーパ状押圧面2a全体で素材を塑性変形させるため、素材を塑性変形させるための面圧(単位面積当たりの押圧力)には自ずと限界(金型において発生可能なプレス力の限界)があって、塑性変形が深層部まで及ばず、表層部の硬度の改善しかできなかった(深層部までの硬度の改善はできなかった)。
そこで、発明者は、ダイスに周設された押圧凸部2の周方向複数箇所に押圧凸部2を横切る凹溝を形成すれば、押圧凸部2の押圧面積がそれだけ減少し、素材を塑性変形させるための面圧(単位面積当たりの押圧力)が上がって、塑性変形が深層部まで及び、深層部までの硬度の改善が可能となる、と考えた。
また、ダイスには押圧凸部と凹溝が周方向に交互に連続する形態となるため、素材の塑性変形する部位と塑性変形しない部位が周方向に交互に連続する(素材の塑性変形した部位が周方向に平坦でなくなる)が、パンチの押圧動作に連係させて、バルブ中間品または金型を所定角度相対回転させながら鍛造すれば、塑性変形する部位が平滑化される(塑性変形した成形面が平滑化する)、と考えた。
そして、押圧凸部と凹溝が周方向に交互に連続するダイスを備えた金型を試作し、この金型を用いた鍛造を行ってその効果を検証したところ、図10,11,12,13に示すように、傘部フェースの表層部から深層部までの高硬度化に有効であることが確認されたので、今回の出願に至ったものである。
本発明は、前記した従来の問題点に鑑みてなされたものであって、その目的は、傘部フェースの表層部から深層部までが高硬度化されることで耐吹き抜け性と耐磨耗性とを十分に向上させることができる内燃機関用バルブの製造方法を提供することにある。
前記目的を達成するために、請求項1においては、内燃機関のバルブシートと接触するバルブの傘部フェースを成形する押圧凸部がその内側に周設されたダイスと、前記ダイスに挿入されたバルブ中間品の傘部前面側を押圧するパンチとを備えた金型によって、耐熱合金製のバルブ中間品の傘部フェース側にその内周側から外周側に向けてスベリ変形が生じる鍛造を施す内燃機関用バルブの製造方法において、
前記ダイスの周方向に延在する前記押圧凸部の周方向等分複数箇所に該押圧凸部を横切る凹溝を設けるとともに、前記パンチの押圧動作に連係して、前記バルブ中間品と前記金型を所定角度相対回転させつつ鍛造を施すように構成した。
(作用)ダイスに周設されている押圧凸部の周方向等分複数箇所に該押圧凸部を横切る凹溝が設けられることで、内燃機関のバルブシートと接触するバルブの傘部フェースを成形する押圧凸部がダイス内側の周方向等分複数箇所に設けられた構造、即ち、ダイスには、バルブの傘部フェース成形用の平面視円弧状(扇状)の押圧凸部(押圧面)と、平面視円弧状(扇状)の凹溝とが、周方向に交互に配置された構造となる。
したがって、耐熱合金製バルブ中間品の傘部フェース側を、その内周側から外周側に向けてスベリ変形が生じるように塑性変形させるフェース成形用の押圧凸部(押圧面)の総面積は、従来の二次鍛造に用いられる金型のダイス(図14参照)に周設されている押圧凸部(所定巾の円環状の押圧面)の総面積に比べて、凹溝の面積相当分小さいため、押圧凸部(押圧面)を介して素材に作用する単位面積あたりの押圧力がそれだけ大きい。このため、パンチの押圧動作1回当たりの素材の深さ方向の塑性変形量は、従来の金型(ダイス)を用いる場合に比べて大きく、それだけ傘部フェースの深層部まで硬度を高めることができる。
また、パンチの押圧動作に連係して、バルブ中間品と金型を所定角度(例えば、60度)相対回転させながら鍛造するので、即ち、バルブ中間品の傘部における被押圧位置(素材の塑性変形する領域)が、パンチの押圧動作毎に周方向に所定角度(例えば、60度)ずれるので、パンチの一連の押圧動作に対して、例えば、金型に対しバルブ中間品を3/4〜1回転(270度〜360度回転)させることで、押圧凸部の押圧によって塑性変形した傘部フェースの成形面(鍛造面)が平滑化する。
なお、パンチの押圧動作毎に、バルブ中間品と金型を所定角度だけ相対回転させるが、この回転角度は、個々の押圧凸部の周方向の長さ(ダイス中心に対する角度)によっても異なるが、少なくとも押圧凸部の押圧位置が前回の押圧位置と周方向に一部重なる所定の角度であることが望ましい。
請求項2においては、請求項1に記載の内燃機関用バルブの製造方法において、前記パンチが押圧動作後、前記ダイスの上方所定位置まで上昇したときに、前記バルブ中間品は、その軸端部がエジェクタピンによって突き押しされてその傘部が前記ダイスの押圧凸部からが離間した形態に保持されるように構成した。
(作用)バルブ中間品と金型を相対回転させる方法としては、バルブ中間品に対し金型(ダイス)を回転させる方法と、金型(ダイス)に対しバルブ中間品を回転させる方法がある。前者の方法では、大きくかつ重量のある金型(ダイス)を回転させるためには大型の装置が必要であるのに対し、後者の方法では、コンパクトかつ軽量なバルブ中間品を回転させるためには僅かな力でよく、例えば、バルブ中間品をエジェクタピンで突き押しして、金型(ダイス)の押圧凸部から傘部が離間した状態にバルブ中間品を保持して、作業者が傘部を持ってバルブ中間品を所定角度だけ回動する。
請求項3においては、請求項1または2に記載の内燃機関用バルブの製造方法において、前記バルブ中間品は、一次鍛造により軸端部に円盤形状の傘部が成形され、切削により前記円盤形状の傘部の余肉部が調整された後に、前記円盤形状の傘部に二次鍛造を施す前記金型に供給されるが、前記一次鍛造工程では、前記円盤形状の傘部を成形すると同時に、該円盤形状傘部の周縁にバルブの傘部フェースに対応する所定のテーパ部を成形するように構成した。
(作用)一次鍛造工程により、バルブ中間品の円盤形状の傘部における鍛流線が緻密になることで、傘部フェースに対応する円盤形状の傘部周縁部のテーパ面の硬度がある程度高められ、その後、傘部フェース側に二次鍛造が施されることで、傘部フェースにおける鍛流線がさらに緻密となって、傘部フェースの硬度がいっそう高められる。
詳しくは、バルブの製造方法(バルブを製造する工程)は、軸端部に円盤形状の傘部を成形する一次鍛造工程と、一次鍛造されたバルブ中間品の傘部における余肉部の厚さを切削により調整する余肉調整工程と、余肉部が調整されたバルブ中間品の傘部フェース側を鍛造する二次鍛造工程を備えている。
そして、一次鍛造工程では、素材のスベリ変形を伴う後の二次鍛造がスムーズに遂行できるように、円盤形状の傘部周縁部にバルブの傘部フェースに対応するテーパ面も成形する。即ち、従来では余肉調整工程で行っていたテーパ面の形成を、一次鍛造工程で行うので、余肉調整工程では、バルブ中間品の傘部フェース側を切削することなく、傘部前面側だけを切削して傘部の余肉部を調整すればよい。
また、二次鍛造用の金型に供給されるバルブ中間品の傘部フェース表面には、一次鍛造で施された硬度の高い緻密な鍛流線の形成されている表層部がそのまま露呈しているため、バルブ中間品の傘部フェース側に二次鍛造を施すことで、バルブの傘部フェースの表層部における鍛流線がいっそう緻密になって、バルブの傘部フェースにおける硬度はいっそう高くなる。
以上の説明から明らかなように、本発明にかかる内燃機関用バルブの製造方法によれば、パンチの押圧動作による素材の深さ方向の塑性変形量が大きいので、それだけ傘部フェースの深層部までが高硬度化されて、傘部フェースの硬度が大幅に向上し、燃焼残渣による圧痕が付き難くなり、耐吹き抜け性が大きく向上すると同時に、耐磨耗性も大きく向上する内燃機関用バルブを提供できる。
また、従来のバルブの製造設備の中で、二次鍛造用の金型(ダイス)を交換するだけで、バルブの傘部フェースの深層部までの高硬度化が可能となるので、耐吹き抜け性および耐磨耗性に優れた内燃機関用バルブを低コストで量産できる。
請求項2によれば、バルブ中間品の金型に対する所定角度の回転を作業者が手動で行うので、バルブ中間品と金型を相対回転させる装置を別途設ける必要がなく、バルブ鍛造用の金型構造が複雑になることもない。
請求項3によれば、バルブの傘部フェースの硬度がいっそう向上し、耐吹き抜け性がいっそう向上すると同時に、耐磨耗性もいっそう向上する内燃機関用バルブを提供できる。
本発明に係る製造方法によって製造された内燃機関用ポペットバルブの側面図である。 本発明の実施例方法1によってポペットバルブを製造する全工程を示す図で、(a)はバルブの据え込み工程を示す図、(b)は傘部を熱間鍛造(一次鍛造)する工程を示す図、(c)は傘部の余肉部の厚さを調整する余肉調整工程を示す図、(d)は傘部を再鍛造(二次鍛造)する工程を示す図、(e)は傘部表面を切削する仕上げ工程を示す図、(f)は傘部表面を研削する仕上げ工程を示す図である。 実施例方法1によって製造されたバルブの傘部の拡大側面図で、(a)は一次鍛造工程後,(b)は余肉調整工程後、(c)は二次鍛造後の傘部の外形をそれぞれ示す図である。 (a)は一次鍛造用の金型に設けた傘部成形面を示すダイスの拡大縦断面図、(b)は一次鍛造により成形された傘部における鍛流線を示す図、(c)は二次鍛造により成形された傘部における鍛流線を示す図である。 二次鍛造用の金型を構成するダイスの斜視図である。 同ダイスに設けた押圧凸部(押圧成形面)の平面図である。 同ダイスの縦断面図(図6に示す線VII−VIIに沿う断面図)で、(a)は傘部を二次鍛造する前の状態、(b)は傘部を二次鍛造した後の状態、(c)はバルブ中間品の傘部を押圧部から離間させた状態を示す図である。 同ダイスの縦断面図(図6に示す線VIII−VIIIに沿う断面図)である。 硬度測定試験で測定したバルブの傘部フェースにおける測定位置を説明する説明図である。 実施例方法1と比較例方法1によってそれぞれ製造したバルブ(傘径70mm)の傘部フェースでの硬度試験の測定結果を示す説明図で、(a)は実施例方法1で製造したバルブの測定結果表、(b)は比較例方法1で製造したバルブの測定結果表、(c)は(a),(b)の測定結果を示すグラフである。 実施例方法2と比較例方法2によってそれぞれ製造したバルブ(傘径160mm)の傘部フェースでの硬度試験の測定結果を示す説明図で、(a)は実施例方法1で製造したバルブの測定結果表、(b)は比較例方法2で製造したバルブの測定結果表、(c)は(a),(b)の測定結果を示すグラフである。 実施例方法3によって製造したバルブ(傘径70mm)の傘部フェースでの硬度試験の測定結果を示す説明図で、(a)は測定結果表、(b)は(a)の測定結果を示すグラフである。 実施例方法4によって製造したバルブ(傘径160mm)の傘部フェースでの硬度試験の測定結果を示す説明図で、(a)は測定結果表、(b)は(a)の測定結果を示すグラフである。 従来の二次鍛造用の金型(ダイス)の縦断面図である。 従来の一次鍛造用の金型(ダイス)の縦断面図である。 従来の傘部の余肉調整工程を示す図である。
以下、本発明の実施例方法を添附図面を参照して詳細に説明する。
図1における符号10は、本発明に係る製造方法によって製造された内燃機関用ポペットバルブで、析出硬化型Ni基合金(例えば、NCF80AやNCF751)等の耐熱合金で構成され、弁棒11の先端側に傘部12が首部14およびR部15を介して一体的に形成されている。傘部12の背面側には、R部14に連なり、燃焼室Sに開口する排気ポート(または吸気ポート)18の周縁部に設けられたバルブシート19と接触するフェース部16が形成されている。
図2は、図1に示すポペットバルブ10を製造する第1の実施例方法(以下、実施例方法1という)の全工程を示す図で、析出硬化型Ni基合金であるNCF80A製の棒状素材に対し、この図2(a)〜(f)に示すそれぞれの加工を順次施すことでポペットバルブ10を製造できる。
詳しくは、まず、図2(a)に示す据え込み工程において、一対の電極24a,24b間に電圧を与えて加熱(例えば約1100℃)したNCF80A製の棒状の素材を、軸方向に加圧して傘部を所定の球状に加工するとともに、次の熱間鍛造のために、傘部に余熱を与える。この据え込み工程終了後のバルブ中間品を符号W1で示す。
次に、図2(b)に示す熱間鍛造工程(一次鍛造工程)では、所定の成形面22aが設けられたダイス22と、ダイス22に挿入されたバルブ中間品W1の球状の傘部前面を押圧するパンチ28で構成した金型20を用いて、据え込み工程で据え込んだ素材W1の球状傘部を熱間鍛造により、所定の形状(円盤形状)に成形する。この熱間鍛造工程終了後のバルブ中間品を符号W2で示す。バルブ中間品W2の円盤形状傘部の周縁部には、バルブ10の傘部フェース16に対応するテーパ面16aが成形される(図3(a)参照)。
次に、図2(c)に示す余肉調整工程では、バルブ中間品W2を回転させつつ、切削工具30を使って、円盤形状傘部の外周面および前面を切削して、傘部の余肉部の厚さを調整する(図3(b)参照)。この切削工程終了後のバルブ中間品を符号W3で示す。なお、図3(b)の仮想線は、切削された傘部前面側の余肉部を示す。
次に、図2(d)に示す再鍛造工程(二次鍛造工程)では、所定の押圧成形面44が設けられたダイス42と、ダイス42に挿入されたバルブ中間品W3の円盤形状傘部前面を押圧するパンチ48で構成した金型40を用いて、バルブ中間品W3のテーパ面16aを含む円盤形状傘部周縁部を20〜500℃の温度範囲内で鍛造して、バルブ中間品W4の傘部フェース16を成形する(図3(c)参照)。
次に、図2(e)に示す切削工程では、バルブ中間品W4を回転させつつ、切削工具34,35,36を使って、傘部フェース,首下R部,軸部およびコッター溝11aの旋盤による荒加工を行い、最後に、図2(f)に示すように、バルブ中間品W4を回転させつつ、研削工具37,38を使って、傘部フェース16および軸部11を設計値どおりの粗さに仕上げる(研削盤による仕上げ加工を施す)ことで、図1に示すバルブ10が完成する。
以下、図2(b)に示す一次鍛造工程に用いる金型20(ダイス22)について、図4(a),(b),(c)を参照して詳しく説明する。
図2(b)および図4(a)に示すように、ダイス22の中央には、バルブ中間品W2の軸部が挿通できる上下に延びる孔22aが設けられ、ダイス22の内側には、孔22aから連続してダイス前端面22bに開口する、バルブ中間品W2の円盤形状傘部の外形を成形する成形面22cが形成され、成形面22cには、円盤形状傘部周縁部にバルブ10の傘部フェース16に対応するテーパ面16aを成形するテーパ状成形面22c1が周設されている。
テーパ面16aは、後の二次鍛造(図2(d)参照)の際に、バルブ中間品W3の円盤形状傘部フェース側にその内周側から外周側に向けたスベリ変形が効率よくかつスムーズに発生するようにするためのもので、テーパ面16a(ダイ22のテーパ状成形面22c1)の傾斜角θ1は、二次鍛造用の金型40(ダイス42)に形成されている押圧凸部43の押圧成形面44(バルブ10の傘部フェース16)の傾斜角θ2(例えば30度)より幾分小さい角度(例えば10度)であることが望ましい。
そして、実施例方法1では、二次鍛造に先立って行われる一次鍛造工程において、バルブ中間品W2の傘部周縁部が二次鍛造に最適なテーパ形状に成形されるので、図2(c)に示す、一次鍛造工程後に行う傘部の余肉部の厚さを調整する余肉調整工程では、バルブ中間品W2の傘部の前面側だけを切削すればよい(図3(b)仮想線参照)。
即ち、従来のバルブの製造方法では、一次鍛造後の傘部の余肉部の厚さを調整する余肉調整工程において、後の二次鍛造でバルブ中間品の円盤形状傘部周縁の内周側から外周側向けたスベリ変形が効率よくかつスムーズに発生するように、バルブ中間品の円盤形状傘部周縁部に所定のテーパ面16aを切削によって形成していたが、本実施例方法では、一次鍛造工程において、バルブ中間品の円盤形状傘部の周縁に所定のテーパ面16aが成形されるので、図2(c)に示す余肉調整工程では、切削する部位および切削量が少ない分、素材を節約できるし、余肉調整工程に要す時間も短くなる。
また、金型20を用いた一次鍛造により成形されたバルブ中間品W3の円盤形状傘部の周縁テーパ面16aには、図4(b)に示すように、硬度の高い緻密な鍛流線が積層する表層部がそのまま露呈して、テーパ面16aにおける硬度が高められている。そして、その後、円盤形状傘部の周縁テーパ面16aを含む領域に、図2(d)に示す二次鍛造が施されることで、図4(c)に示すように、成形面であるバルブの傘部フェース16の表層部における鍛流線がさらに緻密となって、バルブ10の傘部フェース16における硬度はいっそう高められる。
次に、図2(d)に示す再鍛造(二次鍛造)工程に用いる金型40(ダイス42)について、図5〜図8を参照して詳しく説明する。
ダイス42の中央には、バルブ中間品W3の軸部が挿通できる上下に延びる孔42aが設けられるとともに、孔42aから連続してダイス前端面42bに開口するスカート状領域42cの内側には、傘部成形用の押圧凸部43が周方向等分3箇所に設けられている。詳しくは、従来の二次鍛造用金型のダイス1(図15参照)内側に周設されている傘部成形用の押圧凸部2の周方向等分3箇所に、周方向に延在する押圧凸部2(押圧面2a)を半径方向に横切る凹溝46を設けるようにしたものである。即ち、ダイス42の内側には、傘部フェース16成形用の平面視円弧状(扇状)の押圧凸部43(押圧成形面44)と平面視円弧状(扇状)の凹溝46が周方向に交互に設けられた構造となっている。
凹溝46は、図5,7に示すように、その底面46aがスカート状領域42cに連続する面で構成されて、押圧凸部43がスカート状領域42cおよび凹溝底面46aから突出するように形成されているが、押圧凸部43の高さ(段差)は、バルブ中間品W3の円盤形状傘部に鍛造を施す際に、スカート状領域42c(凹溝底面46a)とバルブ中間品W3の傘部とが確実に緩衝しない所定の高さに形成されている。
押圧凸部43は、図7(a)に示すように、ダイス42の前端面42bに対し45度でダイス中心Oに向かって斜め下方に傾斜する半径方向外側の第1のテーパ面43aと、第1のテーパ面43aに対し15度上向きでダイス中心Oに向かって斜め下方に傾斜する、半径方向内側の第2のテーパ面43bを備え、ダイス42の前端面42bに対し30度傾斜する第2のテーパ面43bが傘部フェース16を成形する押圧成形面44を構成している。
また、押圧成形面44は、図6に示すように、ダイス中心Oに対し平面視45度の扇型に、凹溝46はダイス中心Oに対し平面視75°の扇型にそれぞれ形成され、押圧凸部43のテーパ状押圧成形面44(43b)と凹溝46の底面46a間の段差面45は、図8に示すように、水平面に対し30度の傾斜面(鉛直面に対し左右60度の傾斜面)で構成されている。
特に、段差面45の水平面(鉛直面)に対する傾斜は、図8に示すように、効率よく素材を塑性変形させるとともに、金型40(ダイス42)を長期間使用できるように、30度(60度)に設定されている。即ち、段差面45の水平面(鉛直面)に対する傾斜は、25度未満(65度を超える)では、二次鍛造時の素材に作用する単位面積当たりの押圧凸部43による押圧力(押圧応力)が低下して、塑性変形が素材の深層部まで及ばない。一方、45度を超える(45度未満)では、押圧凸部43の押圧成形面44(43b)と段差面45との分岐部における摩滅が激しく、長期間の使用に適さない。
このため、段差面45の水平面(鉛直面)に対する傾斜は、25度(65度)〜45度(45度)の範囲が望ましく、最適な角度30度(60度)に設定されている。
また、ダイス42中央の孔42aには、図7(b)に示すように、二次鍛造後のバルブ中間品W4の軸端部を突き押しして、バルブ中間品W4をダイス42の上方に押し出すエジェクタピン50が設けられている。
このエジェクタピン50は、二次鍛造終了後のバルブ中間品W4を取り出す際に使用されることは勿論であるが、図7(c)に示すように、パンチ48の押圧動作後の上昇動作に連係して、バルブ中間品W4の軸端部を突き押しして所定距離だけ上昇して、バルブ中間品W4の傘部を押圧凸部43から所定距離Hだけ離間した位置に保持するという作用もある。そして、ダイス42の上方所定位置に保持されたバルブ中間品W4の傘部を、作業者が手で金型40(ダイス42)に対し所定角度だけ回転させた後に、傘部が押圧凸部43に当接する元の位置までエジェクタピン50を下降させれば、バルブ中間品W4の傘部における押圧凸部43による押圧位置が周方向に所定角度だけずれた形態となる。
即ち、ダイス42には押圧凸部43と凹溝46が周方向に交互に連続して設けられているため、パンチ48の押圧動作によって、バルブ中間品W3の傘部側には素材が塑性変形する部位と塑性変形しない部位が周方向に交互に形成されるが、例えば、パンチ48の押圧動作に連係して、バルブ中間品W3を金型40(のダイ42)に対し所定角度(例えば、60度)回転させて、バルブ中間品W3の傘部における押圧凸部43の押圧位置を周方向に所定角度ずれるようにして、バルブ中間品W3の傘部フェース側を鍛造すれば、5〜6回程度のパンチ48の昇降動作(押圧動作)で、バルブ中間品W3の傘部フェース全周をほぼ均一に成形できる。
また、金型40を用いた二次鍛造では、パンチ48を介してバルブ中間品W3の傘部フェース側をダイス42の押圧凸部43に押圧すると、円盤形状傘部の周縁テーパ面16aがその内周側から外周側に向けたスベリ変形を伴って塑性変形する。
特に、円盤形状傘部の周縁テーパ面16a含む領域を塑性変形させるフェース成形用の押圧凸部43(押圧成形面44)の総面積が、図15に示すような、従来の二次鍛造に用いられる金型(ダイス1)に周設されている押圧凸部2(傘部フェースに対応する所定巾の円環状の押圧面2a)の総面積に比べて凹溝の面積相当分小さいため、押圧凸部43(押圧成形面44)を介して素材に作用する単位面積あたりの押圧力(押圧応力)がそれだけ大きい。このため、パンチ48の押圧動作1回当たりの素材の深さ方向の塑性変形量は従来の金型(ダイス1)に比べて大きく、それだけ傘部フェース16の深層部まで硬度を高めることができる。
次に、実施例方法1(2)と比較例方法1(2)によってそれぞれ製造した傘径70mm(傘径160mm)のバルブの傘部フェースでの硬度試験の測定結果を図10(11)に示す。なお、比較例方法1(2)は、図2(d)に示す二次鍛造に用いる金型40(ダイス42)だけが、図2に示す実施例方法1(2)と相違し、その他の工程については前記した実施例方法1(2)と何ら変わるものではない。しかし、比較例方法1(2)は、図4に示す金型20(テーパ状成形面22c1が設けられたダイス22)を用いて図2(b)に示す一次鍛造を行うという点で、従来方法とは異なる。
即ち、比較例方法1(2)では、図2(d)に示す二次鍛造用の金型40(ダイス42)に代えて、図14に示す従来公知の金型(特許文献1の二次鍛造に用いられる金型と同一構造のダイス1)を用いて、換言すれば、押圧凸部43(押圧成形面44)が周設されている(周方向に延在する)構造のダイス1を用いて、バルブ中間品W3の円盤形状傘部の周縁テーパ面16aに内周側から外周側に素材のすべり変形を伴う鍛造を施すようになっている。
また、この硬度試験では、図9に示すように、バルブ完成品の傘部フェース16相当部分の巾方向の中心と、巾方向外周側の1mm巾内の点、巾方向内周側の1mm巾内の点にそれぞれ測定点を設定し、これらの各測定点における深さが0.5,1.0,1.5,2.0,3.0,4.0,5.0mmの点について、ビッカース硬度計で硬度を測定した。
そして、図10に示した硬度試験の結果を見ると、実施例方法1では、表層部においては勿論、表面から4〜5mmの深層部においても、ビッカース硬度が500以上の測定点が非常に多く認められ、高硬度が要求されるフェース外周側には550HV以上の測定点も少なからず認められる。一方、比較例方法1では、表面から4〜5mmの深層部においては勿論、表層部においても、最高値が500HVに達していない。
また、フェースの外周側に相当する部分が内周側および中央部に相当する部分よりも高いという硬度パターンの傾向は、実施例方法1および比較例方法1とも共通するが、フェースの外周側,内周側、中央部のいずれの硬度パターンについても、実施例方法1の方が比較例方法1よりも約50〜63HV程度高い(実施例方法1よりも比較例方法1の方が約50〜63HV程度低い)。
このように、実施例方法1と比較例方法1でそれぞれ製造したバルブの傘部フェースにおける硬度を比較した場合に、実施例方法1よりも比較例方法1の方が約55〜65HVほど低くなる理由は、すでに説明したように、二次鍛造の際、円盤形状傘部の周縁テーパ面16aに作用する単位面積当たりの押圧力(押圧応力)の差によるものである。即ち、実施例方法1では、二次鍛造の際に、押圧凸部43(押圧成形面44)を介して素材に作用する単位面積当たりの押圧力(押圧応力)が、比較例方法1における二次鍛造の際の押圧成形面を介して素材に作用する単位面積当たりの押圧力(押圧応力)よりも大きいため、バルブの傘部フェース16の表層部から深層部の全域において、約50〜63HV程度の差がでると考えられる。
また、図11は、傘径160mmのバルブの製造に本発明方法を適用したもので、実施例方法2とその比較例方法2によってそれぞれ製造したバルブ(傘径160mm)の傘部フェースでの硬度試験の測定結果を示している。
この実施例方法2および比較例方法2では、実施例方法1の各工程,比較例方法1の各工程と実質的に変わるものではないが、バルブの傘径が大きい分、図2(a)に示す据え込み工程で成形する球状膨出部が大きく、図2(b)に示す一次鍛造用の金型20(ダイス22およびパンチ28)および図2(d)に示す二次鍛造用の金型40(ダイス42およびパンチ48)もバルブの傘径に応じて大きく形成されている。
さらに、鍛造用金型40のプレス力を大きくして、二次鍛造時の素材に作用する単位面積当たりの押圧凸部43による押圧力(押圧応力)が実施例方法1の場合と同様の値となるように設計(金型40のプレス力/押圧成形面44の総面積が実施例方法1と同様に設定)されている。しかし、傘径160mmの傘部は傘径70mmの傘部よりもその厚さが増えるため、それだけ押圧力に対する素材の変形抵抗が大きく、塑性変形しにくい。したがって、実施例方法2では、二次鍛造の際、素材に実際に作用する単位面積当たりの押圧凸部43による押圧力(押圧応力)が実施例方法1の場合より小さい(傘部フェース面16aにおける塑性変形量が実施例方法1の場合より少ない)。このため、実施例方法2では、実施例方法1の場合と同程度の深層部までは塑性変形が及ばず、実施例方法1(約550〜500HV)に比べて、約50〜100HVほど低い約500〜400HVの硬度となる。しかし、高硬度が要求されるフェース外周側では、実施例方法1(約550〜500HV)に比べて約50HVほど低い約500〜450HVであって、これはバルブの傘部フェースとして十分な硬度である。
また、図11に示した硬度試験の結果を見ると、実施例方法2および比較例方法2では、フェース外周側,中央部および内周側の全ての硬度パターンについて、深くなるほど硬度が低下するという同じような傾向を示し、全ての硬度パターンについて、実施例方法2の方が平均して約54〜75HVほど硬度が高いことがわかる。また、実施例方法2では、フェース内周側の深層部(深さ4.0〜5.0mm)における硬度が400HV未満であるが、それ以外は、500〜400HVの範囲にある。また、比較例方法2では、フェース内周側の深層部(深さ4.0〜5.0mm)における硬度が350HV未満であるが、それ以外は、450〜350HVの範囲にある。
そして、実施例方法2と比較例方法2でそれぞれ製造したバルブの傘部フェースにおける硬度を比較した場合に、フェースの外周側,内周側、中央部のいずれの硬度パターンについても、実施例方法1の方が比較例方法1よりも約54〜75HV程度高い(実施例方法1よりも比較例方法1の方が約54〜75HV程度低い)が、既に説明したように、二次鍛造の際、円盤形状傘部の周縁テーパ面16aに作用する単位面積あたりの押圧力(押圧応力)の差によるものと考えられる。
図12,図13は、実施例方法3,4によって製造した傘径70mm,160mmのバルブの傘部フェースでの硬度試験の測定結果をそれぞれ示す説明図で、(a)は測定結果表、(b)は(a)の測定結果を示すグラフである。
この実施例方法3(4)は、図2(b)に示す一次鍛造工程と、図2(c)に示す余肉調整工程とが、実施例方法1(2)と相違し、その他の工程については前記した実施例方法1(2)と何ら変わるものではないが、図5〜8に示す金型40(ダイス42)を用いて図2(d)に示す二次鍛造を行うという点で、従来方法とは異なる。
実施例方法3(4)では、図2(b)に示す一次鍛造用の金型20(ダイス22)に代えて、図15に示す、円盤形状傘部の外形を成形する成形面22c’が設けられた金型20’(ダイス22’)を用いて一次鍛造を行う。換言すれば、実施例方法1(2)で用いる金型20(ダイス22)には、図4(a)に示すように、円盤形状傘部の外形を成形する成形面22cが形成され、成形面22cには、円盤形状傘部周縁部にテーパ面16aを成形するテーパ状成形面22c1が設けられているが、実施例方法3(4)で用いる金型20’(ダイス22’)の成形面22c’には、テーパ状成形面22c1が設けられていない。
そのため、実施例方法3(4)における余肉調整工程では、図17に示すように、バルブ中間品W2を回転させつつ、切削工具30,32を使って、円盤形状傘部の周縁にテーパ面16aを形成する必要がある。
この実施例方法3(4)で製造したバルブの傘部フェースの硬度は、525〜455HV(488〜360HV)の範囲に分布しており、554〜483HV(504〜380HV)の範囲に分布する実施例方法1(2)で製造したバルブの傘部フェースの硬度よりも、約30HV(20HV)ほど低い値であるが、これは、二次鍛造工程に搬入されるバルブ中間品W3の円盤形状傘部の周縁テーパ面16aが、実施例方法3(4)では、切削面で構成されているのに対し、実施例方法1(2)では、鍛造による成形面で構成されていることによるものと考えられる。
即ち、実施例方法3(4)では、一次鍛造により、バルブ中間品W2の円盤形状傘部の周縁部における鍛流線が緻密になって、円盤形状傘部周縁部における硬度がある程度高められる。しかし、その後の余肉調整工程(図16参照)において、断面矩形状の周縁角部がテーパ形状に切削されることで、表面に沿って層状に形成された外側の鍛流線が切れて、テーパ面に内側の鍛流線(硬度の低い内層部)が露呈した形態となる。このため、二次鍛造工程において、金型40を用いて、円盤形状傘部のテーパ面を含む周縁部に内周側から外周側に向けてスベリ変形が生じる鍛造を施したとしても、鍛流線の切れた内層部が成形面に露呈するという形態は変わらず、成形面であるバルブの傘部フェースの硬度は、一次鍛造した成形面をそのまま二次鍛造する実施例方法1(2)に比べて、約30HV(20HV)ほど低くなると考えられる。
一方、この実施例方法3(4)に対する比較例方法3,4は、従来公知の方法であって、図2(d)に用いられる二次鍛造用金型として、図14に示す従来公知の金型(押圧凸部(押圧成形面)がダイスの内側に周設された構造)を用いて、余肉調整工程で切削により形成された円盤形状傘部の周縁テーパ面16aに内周側から外周側に素材のすべり変形を伴う鍛造を施すようにしたもので、この点において、実施例方法3,4と異なる。
そして、従来方法である比較例方法3(4)によって製造された傘径70mm(160mm)のバルブの傘部フェースでの硬度試験の測定結果については、直接提示してはいない。しかし、図10(11)に示すように、押圧凸部43(押圧成形面44)が周方向に延在する従来公知の金型(ダイス)によって二次鍛造を施す比較例方法1(2)では、押圧凸部43(押圧成形面44)が周方向等間隔に配置されている金型40(ダイス42)によって二次鍛造を施す実施例方法1(2)に比べて、傘部フェースの硬度が約50〜63(54〜75)HVほど低くなることから、従来方法である比較例方法3(4)で製造されたバルブの傘部フェースの硬度は、実施例方法3(4)で製造されたバルブの傘部フェースの硬度よりも約50〜63(54〜75)HVほど低い、図12,13の仮想線で示した範囲A(B)に分布するものと推定される。
即ち、実施例方法3(4)によれば、従来方法である比較例方法3(4)によってバルブを製造する場合よりも、バルブの傘部フェースの硬度を約50〜63(54〜75)HVほど高めることができる。
なお、前記した実施例方法1〜4では、耐熱合金製のポペットバルブ10の素材をNCF80A製として説明したが、バルブ10の素材は、NCF751その他の析出硬化型Ni基合金であってもよく、さらには、析出硬化型Ni基合金以外の内燃機関用バルブの素材として公知である他の耐熱合金であってもよい。
10 ポペットバルブ
11 軸部
12 傘部
16 傘部フェース
16a テーパ面
W1〜W5 バルブ中間品
20 一次鍛造用の金型
22 ダイス
22c 円盤状傘部成形面
22c1 テーパ部成形面
28 パンチ
40 二次鍛造用の金型
42 ダイス
43 押圧凸部
44 押圧成形面
46 凹溝
48 パンチ
50 エジェクタピン

Claims (3)

  1. 内燃機関のバルブシートと接触するバルブの傘部フェースを成形する押圧凸部がその内側に周設されたダイスと、前記ダイスに挿入されたバルブ中間品の傘部前面側を押圧するパンチとを備えた金型によって、耐熱合金製のバルブ中間品の傘部フェース側にその内周側から外周側に向けてスベリ変形が生じる鍛造を施す内燃機関用バルブの製造方法において、
    前記ダイスには、周方向に延在する前記押圧凸部の周方向等分複数箇所に該押圧凸部を横切る凹溝が設けられるとともに、前記パンチの押圧動作に連係して、前記バルブ中間品と前記金型を所定角度相対回転させつつ鍛造を施すことを特徴とする内燃機関用バルブの製造方法。
  2. 前記パンチが押圧動作後、前記ダイスの上方所定位置まで上昇したときに、前記バルブ中間品は、その軸端部がエジェクタピンによって突き押しされてその傘部が前記ダイスの押圧凸部からが離間した形態に保持されることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関用バルブの製造方法。
  3. 前記バルブ中間品は、一次鍛造により軸端部に円盤形状の傘部が成形され、切削により前記円盤形状の傘部の余肉部が調整された後に、前記円盤形状の傘部に二次鍛造を施す前記金型に供給されるが、
    前記一次鍛造工程では、前記円盤形状の傘部を成形すると同時に、該円盤形状傘部の周縁にバルブの傘部フェースに対応する所定のテーパ部を成形することを特徴とする請求項1または2に記載の内燃機関用バルブの製造方法。
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