JP5009249B2 - 冷却器 - Google Patents
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Description
ところで、このような半導体装置や冷却器を自動車等に搭載する場合には、半導体装置や冷却器の寸法や配置領域に制約が生じる。そこで、冷却器においては、例えば図5に示すように、流路101を蛇行させたり、あるいは、例えば図6,7に示すように、放熱フィン103,105によって流路104,106を複数に分け隔てて形成しなければならない場合がある。
この場合には、延出部において冷却液が屈曲管路の外縁側と内縁側とに分けられる際に、延出部が冷却液の流れの妨げとなることを最小限に抑えることができる。すなわち、延出部の両側を通る際に生じる冷却液の圧力損失を最小限に抑えて、延出部よりも下流側における冷却液の流速低下を最小限に抑えることができる。したがって、流路が蛇行していても半導体素子の冷却効率が低下することを防止できる。
図1〜3に示すように、この実施形態に係る冷却器1は、IGBTや発光ダイオード等の半導体素子2,3を複数取り付けて、これら複数の半導体素子2,3を冷却液により冷却するものであり、平面視略矩形状に形成された第1板材5及び第2板材6をこれらの厚さ方向に重ねて構成されている。これら第1板材5及び第2板材6は、アルミニウム合金等のように熱伝導率の高い材料によって形成されている。なお、複数の半導体素子2,3は、図3において上側に位置する第1板材5の上面7に配されるようになっている。
なお、図示例においては、流入管路13における冷却液の流入口13A及び排出管路15における冷却液の排出口15Aが、平面視略矩形状に形成された第1板材5の同一の辺に配されている。
そして、流入管路13の下流端と熱交換管路14の上流端との間には、流入管路13から熱交換管路14に入り込む冷却液の流れ方向を180°偏向させるように湾曲する第1屈曲管路21が形成されている。
さらに、熱交換管路14の下流端と排出管路15の上流端との間には、熱交換管路14から排出管路15に入り込む冷却液の流れ方向を180°偏向させるように湾曲する第2屈曲管路23が形成されている。
そして、第1屈曲管路21は、その流路断面積が流入管路13側から熱交換管路14側に向けて大きくなるように形成されている。さらに詳述すると、第1屈曲管路21のうちその上流端から冷却液の流れ方向が90°偏向される位置(中間位置)までの区間においては、第1屈曲管路21の流路断面積がほぼ変化しない。そして、第1屈曲管路21の中間位置から下流端までの区間において、第1屈曲管路21の流路断面積が漸次大きくなる。
以上のように第1屈曲管路21及び第2屈曲管路23の形状を設定することで、第1屈曲管路21及び第2屈曲管路23における流路断面積が冷却液の流れ方向に沿って滑らかに変化することになる。
そして、この実施形態においては、図1に示すように、熱交換管路14が7つの放熱フィン25によって8つの流通管路24に分割されており、これら複数の流通管路24はその流路断面積が互いに略等しくなるように形成されている。
具体的に、第1延出部26Aは、熱交換管路14の上流端において第1屈曲管路21の内縁側から4番目の放熱フィン25A(以下、第1放熱フィン25Aと呼ぶ。)に形成されている。また、第2延出部26Bは、熱交換管路14の上流端において第1屈曲管路21の外縁側から2番目の放熱フィン25B(以下、第2放熱フィン25Bと呼ぶ。)に形成されている。
したがって、熱交換管路14の上流端においては、第1屈曲管路21の内縁と第1延出部26Aとの間隔が、第1延出部26Aと第2延出部26Bとの間隔、及び、第2延出部26Bと第1屈曲管路21の外縁との間隔よりも広く設定されている。また、第1延出部26Aと第2延出部26Bとの間隔、及び、第2延出部26Bと第1屈曲管路21の外縁との間隔は、互いに略等しくなるように設定されている。
また、第2延出部26Bの先端と第1屈曲管路21の外縁との隙間S3は、第2延出部26Bの先端と第1延出部26Aとの隙間S4よりも小さくなるように設定されている。
これら第3延出部26C及び第4延出部26Dは、第2屈曲管路23における冷却液の流れ方向に沿って湾曲している。また、第1放熱フィン25Aの第3延出部26Cは第2屈曲管路23の内縁側に位置しており、第2放熱フィン25Bの第4延出部26Dは第3延出部26Cよりも第2屈曲管路23の外縁側に位置している。
第3延出部26Cの先端は、第4延出部26Dの先端よりも第2屈曲管路23の下流側に位置し、第2屈曲管路23の流れ方向の中間位置に配されている、すなわち、第2屈曲管路23の流路断面積が狭くなった後の位置に配されている。また、第3延出部26Cの先端は、第2屈曲管路23の内縁との隙間及び第2屈曲管路23の外縁との隙間が略等しくなる位置に配されている。さらに、第4延出部26Dの先端と第2屈曲管路23の外縁との隙間は、第4延出部26Dの先端と第3延出部26Cとの隙間よりも小さくなるように設定されている。
また、複数の半導体素子2,3は、熱交換管路14における冷却液の流れ方向に沿うように並べて配されている。さらに、冷却液の流れ方向に直交する熱交換管路14の幅方向にも、複数(図示例では3つ)の半導体素子2,3が並べて配されているため、幾つかの半導体素子2,3は互いに異なる流通管路24に重なるように配されることになる。
流入口13Aから流れ込んだ冷却液が流入管路13から第1屈曲管路21に入り込むと、慣性によって第1屈曲管路21の外縁側に向かおうとする冷却液が第1放熱フィンの第1延出部26Aにおいて一部遮断される。すなわち、第1延出部26Aよりも第1屈曲管路21の外縁側に入り込む冷却液の流量が第1延出部26Aによって制限されるため、第1延出部26Aの外縁側に入り込む冷却液の流量と、内縁側に入り込む冷却液の流量との差を減少させることができる。
一方、第1延出部26Aよりも第1屈曲管路21の外縁側に入り込んだ冷却液は、さらに第2延出部26Bにおいてその内縁側と外縁側とに分けられることになる。この際にも、前述と同様に、慣性によって第1屈曲管路21の外縁側に向かおうとする冷却液の一部が第2延出部26Bにおいて遮断されるため、第2延出部26Bの外縁側に入り込む冷却液の流量と、内縁側に入り込む冷却液の流量との差を減少させることができる。
なお、第1屈曲管路21から複数の流通管路24を介して第2屈曲管路23内に流れ込む冷却液の流れは、第2屈曲管路23内に延びる第3延出部26Cや第4延出部26Dによって複数に分け隔てられているため、第3延出部26Cや第4延出部26Dの先端側において合流することになる。そして、合流した冷却液は、第2屈曲管路23から排出管路15を経て排出口15Aから冷却器1の外部に排出される。
特に、慣性によって第1屈曲管路21の外縁側に向かおうとする冷却液の一部を、第1延出部26A及び第2延出部26Bの2箇所において順番に遮断することで、第1屈曲管路21における冷却液の流速分布の均一化をさらに図ることができる。
さらに、熱交換管路14の内壁と第1放熱フィン25Aや第2放熱フィン25Bとの間、また、第1放熱フィン25Aと第2放熱フィン25Bとの間に、延出部を有さない放熱フィン25を配置して、各流通管路24の流路断面積を小さく形成することで、複数の流通管路24における冷却液の流速分布の均一化を特に図ることができる。
さらに、第3延出部26Cや第4延出部26Dは、第2屈曲管路23における冷却液の流れ方向に沿うように湾曲しているため、熱交換管路14の下流端から第2屈曲管路23に入り込んだ冷却液の流速低下を抑えることができる。
また、冷却器1の流路11及び放熱フィン25は、第1板材5の対向面8のみに溝9を形成することで構成されるため、第2板材6には溝等を形成する必要が無く、冷却器1の製造工程を簡略化して容易に製造することができる。
例えば、第1屈曲管路21や屈曲部22、第2屈曲管路23は、その前後において冷却液の流れ方向を180°偏向させるように湾曲するとしたが、例えば冷却液の流れ方向の偏向角度が0°よりも大きく、かつ、180°未満となるように湾曲していてもよい。
また、第1延出部26A及び第2延出部26Bは、第1屈曲管路21における冷却液の流れ方向に沿って湾曲するとしたが、これらの先端が上記実施形態のように設定した位置に配されていれば、例えば直線状に延びて形成されていてもよい。
また、第1屈曲管路21内に延びる延出部26A,26Bは2つ形成されるとしたが、例えば第1延出部26A及び第2延出部26Bのいずれか一方のみが形成されていてもよいし、例えば同様の延出部が3つ以上形成されてもよい。第1屈曲管路21内に延びる延出部が1つだけ形成される場合でも、延出部によって第1屈曲管路21の外縁側に向かおうとする冷却液の一部を遮断して第1屈曲管路21の内縁側に入り込ませることは可能であるため、上記実施形態と同様に、延出部よりも下流側に位置する複数の流通管路24における冷却液の流速分布の均一化を図ることができる。
11 流路
13 流入管路
14 熱交換管路
15 排出管路
21 第1屈曲管路
25 放熱フィン
25A 第1放熱フィン
25B 第2放熱フィン
26A 第1延出部
26B 第2延出部
S3 隙間
S4 隙間
Claims (2)
- 冷却液を流入させる流入管路と、当該流入管路の下流側に連結される熱交換管路と、当該熱交換管路のさらに下流側に連結されて前記冷却液を排出する排出管路とからなる冷却液用の流路を備える冷却器であって、
前記熱交換管路には、その上流端から下流端に至るまで前記冷却液の流れ方向に延びて、前記熱交換管路を複数の流通管路に分割する複数の放熱フィンが形成され、
前記流入管路と前記熱交換管路との間に、前記流入管路から前記熱交換管路に入り込む前記冷却液の流れ方向を偏向させるように湾曲する屈曲管路が形成され、
少なくとも2つの前記放熱フィンが、前記熱交換管路の上流端から前記屈曲管路内に延びる延出部を有し、
前記屈曲管路の内縁側に位置する第1延出部の先端が、前記屈曲管路の外縁側に位置する第2延出部の先端よりも上流側に位置し、
前記第2延出部の先端と前記屈曲管路の外縁との隙間は、当該第2延出部の先端と前記第1延出部との隙間よりも小さくなるように設定されていることを特徴とする冷却器。 - 前記延出部が、前記屈曲管路における前記冷却液の流れ方向に沿って湾曲していることを特徴とする請求項1に記載の冷却器。
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