JP5007947B2 - 伝達比可変装置 - Google Patents

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Description

本発明は、ステアリングの操舵角に対する操舵輪の転舵角を運転状況に応じて変更する伝達比可変装置に関するものである。
従来より、ステアリングの操舵角に対する操舵輪の転舵角を運転状況に応じて変更する伝達比可変装置として、例えば、下記特許文献1に示す、車両用操舵装置が知られている。この車両用操舵装置は、ステアリングシャフトに設けられた差動機構とこの差動機構を駆動するモータとを有する可変ギヤ比アクチュエータ(伝達比可変機構)を備えている。そして、この可変ギヤ比アクチュエータにて、ステアリング操作に伴うステアリングシャフトの回転を増速(又は減速)することにより、操舵角に対する操舵輪のギヤ比(伝達比)を可変させる。
そして、高速走行時において、操舵角が小さい角度範囲(ステアリング中立付近)におけるステアリング剛性感を向上させるために、操舵角が上記角度範囲内にある場合には操舵角が上記角度範囲外にある場合よりもモータの比例制御における比例ゲインが高く設定される。この高く設定された比例ゲインを制御目標角と検出舵角の偏差に乗じた比例制御量に基づいてモータ駆動回路を駆動制御することにより、ステアリング中立付近における伝達比可変機構の応答性を向上させて、ステアリング中立付近におけるステアリング剛性感を確保している。
特開2005−170129号公報
しかしながら、上述のように比例ゲインを高く設定すると、操舵状況等によってはモータが発振する可能性があるため、ステアリング中立付近におけるステアリング剛性感を確保できるまで十分に高く設定できない場合がある。
また、ステアリング中立付近において入力軸と出力軸とをいわゆるロック機構により機械的に連結してステアリング剛性感を確保することも考えられる。しかしながら、機械的な連結であるためにロック時に衝撃音が発生してしまう問題や、ロック中に操舵した場合には迅速にロック解除することができないために操舵性が悪化してしまう問題がある。
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、直進走行時における高いステアリング剛性感を確保し得る伝達比可変装置を提供することにある。
上記目的を達成するため、特許請求の範囲に記載の請求項1の伝達比可変装置では、ステアリングホイール(12)と操舵輪(FR、FL)とを連結する車両の操舵系の途中に設けられ、前記ステアリングホイール側の入力軸(14)と前記操舵輪側の出力軸(16)と間の伝達比をモータ(34)の回転駆動により変化可能な伝達比可変機構(40)と、前記入力軸の回転角である操舵角(θs)を検出する操舵角検出手段(18)と、前記車両の車速(V)を検出する車速検出手段(28)と、前記モータの回転角(θta)を検出する回転角度検出手段(26)と、前記操舵角および前記車速に応じて設定される目標操舵角(θta)と前記モータ回転角との偏差(Δθta)に基づいて3相の駆動電力を供給して前記モータの回転駆動を制御するモータ制御手段(80)と、を備えた伝達比可変装置であって、前記モータ制御手段は、前記操舵角が直進走行状態であると判断される角度閾値(θs)以下である場合に、通電相を固定した通電で前記駆動電力を前記モータに供給するとともに当該駆動電力を前記操舵角の単位時間当たりの変化量である操舵角変化量(Δθs)の減少に応じて減少させることを技術的特徴とする。
請求項1の発明では、モータ制御手段は、操舵角が直進走行状態であると判断される角度閾値以下である場合に、通電相を固定した通電(相固定通電)で駆動電力をモータに供給するとともに当該駆動電力を操舵角の単位時間当たりの変化量である操舵角変化量の減少に応じて減少させる。
このように、車両が直進走行状態であると判断される場合には相固定通電で駆動電力をモータに供給し、直進走行状態であると判断されない場合には目標操舵角とモータ回転角との偏差に基づいて3相の駆動電力をモータに供給する。このため、直進走行状態では相固定通電によりモータのロータがステータのコイルに対して電磁的に相対回転不能に固定されるので、直進走行時における高いステアリング剛性感を確保することができる。
また、モータ制御手段は、操舵角変化量の減少に応じて相固定通電でモータに供給される駆動電力を減少させる。そもそも非操舵中であればステアリング剛性感を確保する必要はない。そこで、操舵角変化量の減少に応じて駆動電力を減少させることにより無駄な電力消費を抑制してモータの発熱量を低減させることができる。
したがって、直進走行時における高いステアリング剛性感を確保することができる。
請求項2の発明では、モータ制御手段は、操舵角が上記角度閾値以下であり、かつ、車速が高速走行状態であると判断される速度閾値以上である場合に、相固定通電で駆動電力をモータに供給するとともに当該駆動電力を操舵角変化量の減少に応じて減少させる。
一般に、低速直進走行状態では操舵が頻繁に行われる可能性が高くステアリング剛性感も高速直進走行状態ほど必要としない。そこで、操舵角が上記角度閾値以下であり、かつ、車速が上記速度閾値以上である場合、すなわち、高速直進走行状態である場合に、相固定通電で駆動電力をモータに供給する。これにより、低速直進走行状態での相固定通電によるモータの発熱を抑制することができる。
以下、本発明の一実施形態に係る伝達比可変装置を車両制御装置について図を参照して説明する。図1(A)は、本実施形態に係る伝達比可変装置30を適用した車両制御装置10の構成概要を示す説明図であり、図1(B)は、ECU80等の構成例を示す回路ブロック図である。
図1(A)に示すように、車両制御装置10は、主に、ステアリングホイール12、第1ステアリングシャフト14、第2ステアリングシャフト16、舵角センサ18、ピニオンギヤ20、ラック軸22、ロッド24、伝達比可変装置30、ECU80等から構成されている。
ステアリングホイール12は、第1ステアリングシャフト14に固定され、第1ステアリングシャフト14は伝達比可変装置30の入力側に接続されており、第2ステアリングシャフト16は伝達比可変装置30の出力側に接続されている。舵角センサ18は、操舵角θsを検出し、この操舵角に対応した検出信号をECU80へ出力する。
第2ステアリングシャフト16の先端のピニオンギヤ20は、ラック軸22に噛合しており、第2ステアリングシャフト16の回転運動がラック軸22の直線運動に変換されている。このラック軸22の両端にはロッド24が連結され、さらにこのロッド24の端部には図略のナックル等を介して操舵輪FR、FLが連結されている。これにより、第2ステアリングシャフト16が回転すると、ラック軸22、ロッド24等を介して操舵輪FR、FLの転舵角を変化させることができるので、第2ステアリングシャフト16の回転量および回転方向に従った操舵輪FR、FLの操舵を可能にしている。
図2は、図1の伝達比可変装置30の詳細断面図である。
伝達比可変装置30は、操舵角に対する操舵輪FR、FLの転舵角を操舵状況に応じて変更する装置である。当該伝達比可変装置30は、一体に結合されているハウジング52、54、56内に、第1ステアリングシャフト14と第2ステアリングシャフト16との間の伝達比を回転駆動により変化させるモータ34と、ギヤ機構としての波動歯車機構40と、第1ステアリングシャフト14と第2ステアリングシャフト16とを連結可能とするロック機構70とが設けられ、ハウジング52外にはスパイラルケーブルユニット38が設けられている。第1ステアリングシャフト14の下端14aは、伝達比可変装置30の入力側となるハウジング52に接続され、これによりハウジング52と第1ステアリングシャフト14とが一体として回転するようになっている。一方、第2ステアリングシャフト16の上端16aが伝達比可変装置30の出力側に接続されている。
モータ34は、そのモータハウジング46にてハウジング54内に固定されることによりハウジング52、54を介して第1ステアリングシャフト14に連結されてこの第1ステアリングシャフト14とともに一体として回転する。モータハウジング46は、モータハウジング本体46aとモータエンドプレート46bとから構成されており、モータハウジング本体46aの第2ステアリングシャフト16側の中央には、カップ状の軸孔46cが形成されている。モータハウジング本体46aの第1ステアリングシャフト14側には、モータハウジング本体46aの開口部を塞ぐようにモータエンドプレート46bが固定されている。
モータハウジング本体46aの内周面にはステータ34Sが固定されており、このステータ34S内には当該ステータ34Sのコイルへの通電により発生する回転磁界によって回転駆動されるロータ34Rが設けられている。ロータ34R内にはモータ軸34Aが相対回転不能に固定されており、当該モータ軸34Aはロータ34Rの両端から軸方向に突出されている。また、モータ軸34Aの一端34aはモータエンドプレート46bとの間に設けたボール軸受48により支承されており、モータ軸34Aの他端34bはモータハウジング本体46aの軸孔46cとの間に設けたボール軸受58により支承されている。これにより、モータ軸34Aはモータハウジング本体46a、ハウジング52、54、56に対して同軸で回転可能になっている。
モータ軸34Aの他端34bには、ハーモニックドライブ(登録商標)により構成される波動歯車機構40が接続されている。当該波動歯車機構40は、モータ軸34Aの他端34bが嵌入されてモータ軸34Aと一体回転可能なウェーブジェネレータ64を有している。このウェーブジェネレータ64は、軸直角断面が略楕円形状のカム64aと、このカム64aの外周に設けられたボール軸受64bとを備えている。ボール軸受64bの内輪はカム64aの外周に固定されており、ボール軸受64bの外輪はボールを介して弾性変形可能である。ウェーブジェネレータ64の外周にはボール軸受64bの外輪と一体的に弾性変形可能な環状のフレクスプライン66が設けられている。このフレクスプライン66の外周には外歯66aが形成されている。
また、ハウジング54内のモータ34側には環状のステイサーキュラスプライン68が形成されている。ステイサーキュラスプライン68の内周にはフレクスプライン66の外歯66aの歯数(100)より多い歯数(102)の内歯68aが形成され、これによりステイサーキュラスプライン68はフレクスプライン66と噛合している。
ハウジング54内の第2ステアリングシャフト16側にはステイサーキュラスプライン68と隣接する環状のドライブサーキュラスプライン69が、軸受メタル54aを介して回転可能に支承されている。ドライブサーキュラスプライン69の内周にはフレクスプライン66の外歯66aと同数(100)の内歯69aが形成され、これによりドライブサーキュラスプライン69もフレクスプライン66と噛合している。
モータハウジング本体46aと波動歯車機構40との間には保護プレート67が設けられている。そして、ドライブサーキュラスプライン69には第2ステアリングシャフト16の上端16aが固定されている。
即ち、第1ステアリングシャフト14と共にハウジング52、54、56が回転するように構成されており、上述したハーモニックドライブ(登録商標)からなる波動歯車機構40により、第1ステアリングシャフト14の回転は、50/51にされて第2ステアリングシャフト16を回転させる。一方、上述したようにモータ34の回転は、(1/50)×(50/51)に減速されて第2ステアリングシャフト16を回転させる。このように、第1ステアリングシャフト14の回転(操舵角θs)にモータ34の回転(ACT角θta)を上乗せして第2ステアリングシャフト16を回転させることにより、第1ステアリングシャフト14と第2ステアリングシャフト16との間の伝達比がモータ34の回転駆動により変化可能となる。
図3は、図2に示す3−3線相当の切断面による断面図である。
ロック機構70は、モータ軸34Aをハウジング52にロック(連結)可能な機構であって、当該ロック機構70は、図2および図3に示すように、モータ軸34Aの一端34aの外周に配設されて当該モータ軸34Aと一体となって回転するロックホルダ71と、モータエンドプレート46bに固定される略円板状のロックベース72と、ハウジング52に対して軸心と平行なロックピン73回りで金属製のブッシュ74を介して揺動可能に軸支され、ソレノイド75により駆動される単一のロックレバー76とを有している。
ロックホルダ71の外周には、複数のロック溝部71aが形成されており、ロックレバー76の一端には各ロック溝部71aに係合可能な単一の係合爪部76aが形成されている。ロックピン73の周囲には、一端がハウジング52に固定され、他端がロックレバー76の反ロックベース72側に固定される第1ねじりコイルばね73aが設けられている。また、そのロックピン73の周囲には、一端がロックレバー76のロックベース72側に固定され、他端がロックベース72に固定される第2ねじりコイルばね73bが設けられている。これら第1、第2ねじりコイルばね73a、73bは、ロックレバー76の係合爪部76aがロックホルダ71に近接するように当該ロックレバー76を付勢している。
このように構成されたロック機構70は、ソレノイド75が励磁されることによりロックレバー76が図3において反時計回りに揺動し、ロックレバー76の係合爪部76aとロックホルダ71のロック溝部71aとの係合が解かれ、アンロック状態となる。また、ソレノイド75への励磁が停止されると、第1、第2ねじりコイルばね73a、73bの付勢力によってロックレバー76が時計回りに揺動し、ロックレバー76の係合爪部76aがロックホルダ71のロック溝部71aに係合して、第1ステアリングシャフト14とモータ軸34Aとがロック(連結)されたロック状態となる。なお、ソレノイド75の励磁の有無は、所定の条件時においてECU80により制御される。
スパイラルケーブルユニット38は、図示しない車体に保持される略筒状の筐体38aと、この筐体38aの内側に筐体38aに対して相対回転可能に設けられハウジング52外で当該ハウジング52に固定された内筒38bとを有している。また、筐体38aと内筒38bとの間には複数のリード線を絶縁被覆してなるフレキシブルフラットケーブル38cが設けられており、このフレキシブルフラットケーブル38cは、一端が内筒38bに接続されて当該内筒38bの周囲に巻回され、他端が筐体38aに接続されている。フレキシブルフラットケーブル38cと接続されて内筒38bから延出するリード線はモータ34のステータ34S等に接続され、フレキシブルフラットケーブル38cと接続されて筐体38aから延出するリード線は車体の図示しないバッテリ及びECU80にコネクタにより接続される。
次に、モータ34の駆動制御を担うECU80の電気的構成を図1(B)に基づいて説明する。
図1(B)に示すように、ECU80は、主に、MPU81、インターフェイスI/F82、モータ駆動回路83等により構成されており、MPU81を中心に入出力バスを介してインターフェイスI/F82やモータ駆動回路83等が接続されている。なお、図1(B)に示す符号48は、モータ34に実際に流れるモータ電流値を検出し得る電流センサ84であり、この電流センサ84により検出されたモータ電流値に関するセンサ情報は、モータ電流値信号としてインターフェイスI/F82を介してMPU81に入力され得るように構成されている。
MPU81は、例えば、マイコン、半導体メモリ装置(ROM、RAM、EEPROM等)等から構成されており、伝達比可変装置30のモータ34の制御処理を所定のコンピュータプログラムにより実行する機能を有するものである。
インターフェイスI/F82は、モータ34のモータ回転角であるACT角θtaを検出する回転角センサ26および車両の車速Vを検出する車速センサ28に加えて、上述した舵角センサ18あるいは電流センサ84等から入力される各種センサ信号を、A/D変換器等を介してMPU81の所定ポートに入力する機能等を有するものである。
モータ駆動回路83は、図略の直流電源から供給される電力を制御可能な3相交流電力等に変換する機能を有するもので、PWM回路とスイッチング回路等から構成されている。
これにより、ECU80では、後述するモータ34の制御処理により、舵角センサ18の操舵角θsに対応する信号や回転角センサ26のACT角θtaに対応する信号、あるいは車速センサ28の車速Vに対応する信号に基づいて、車両状態に適したステアリング特性が得られるような伝達比可変装置30の制御がなされる。
次に、ECU80によるモータ34の制御処理を図4に基づいて説明する。図4は、本実施形態に係るモータ34の制御処理に関する機能ブロック図である。なおこの演算処理は、ECU80のMPU81により、所定周期(例えば0.2mSec(ミリ秒))ごとに実行される、例えばタイマ割り込み処理によって行われている。MPU81は、その内部のメモリに格納された所定のプログラムを実行することにより、ACT角指令部91と、減算器92と、回転駆動電流値演算部93と、操舵角変化量演算部94と、相固定通電電流値設定部95と、電圧指令値演算部96と、制御信号出力部97とからなるモータ制御部として機能する。
図4に示すように、ACT角指令部91は、インターフェイスI/F82を介して入力される車速Vおよび操舵角θsに基づいてACT目標角θtaを設定して減算器92に出力する。具体的には、ACT角指令部91は、例えば、車速Vが低速である場合には操舵角θsに対してACT目標角θtaを大きくするように設定し、車速Vが高速である場合には操舵角θsに対してACT目標角θtaを小さくするように設定する。
減算器92は、ACT角指令部91からのACT目標角θtaと回転角センサ26からのACT角θtaとの偏差であるΔθtaを算出して回転駆動電流値演算部93に出力する。
回転駆動電流値演算部93は、偏差Δθtaに基づくフィードバック制御によりモータ34を回転駆動させるための電流指令値であるd軸電流指令値Id*およびq軸電流指令値Iq*を求めて電圧指令値演算部96に出力する。
操舵角変化量演算部94は、インターフェイスI/F82を介して入力される操舵角θsと、前回入力された操舵角であるθsとの角度差|θs−θs|である操舵角変化量Δθsを演算して相固定通電電流値設定部95に出力する。
相固定通電電流値設定部95は、モータ34のロータ34Rをステータ34Sのコイルに対して電磁的に相対回転不能に固定するため通電相を固定した通電(以下、相固定通電ともいう)で供給される電流指令値であるd軸電流指令値Id*およびq軸電流指令値Iq*を、操舵角変化量Δθsに応じて設定して電圧指令値演算部96に出力する。なお、q軸電流指令値Iq*は、ロータ34Rをステータ34Sのコイルに対して相対回転不能に固定するための指令電流値であることから、0Aに設定される。
ここで、相固定通電について説明すると、ステータ34SのコイルのU、V、W相に所定の電流を継続して通電することにより、ロータ34RのS極およびN極と引き合う電磁力がコイルに対して一定の方向に発生する。この電磁力がロータの磁極と引き合うことにより、ロータ34Rがステータ34Sのコイルに対して相対回転不能に固定されることとなる。
電圧指令値演算部96は、車速Vおよび操舵角θsに基づいて、回転駆動電流値演算部93からの各電流指令値Id*、Iq*をACT角θtaに基づき2相3相変換してモータ34を回転駆動させるための電圧指令値を演算するか、相固定通電電流値設定部95からの各電流指令値Id*、Iq*を後述する相固定角θfに基づき2相3相変換してモータ34のロータ34Rをステータ34Sのコイルに対して電磁的に相対回転不能に固定するための電圧指令値を演算する。このように演算された電圧指令値(U相電圧指令値Vu*、V相電圧指令値Vv*およびW相電圧指令値Vw*)は、制御信号出力部97に出力される。なお、電圧指令値演算部96における電圧指令値を演算する過程、および、相固定通電電流値設定部95におけるd軸電流指令値Id*を設定する過程については、後述する図5に示すフローチャートにて詳細に説明する。
制御信号出力部97は、電圧指令値演算部96から入力された各電圧指令値Vu*、Vv*、Vw*に応じて設定されるモータ34を制御するための制御信号(回転駆動信号および回転阻止信号のいずれかの信号)をモータ駆動回路83に出力する。
モータ駆動回路83は、回転駆動信号が入力されるとこの回転駆動信号に基づいてモータ34に3相(U,V,W)の駆動電力を供給する。そして、このモータ34に駆動されて伝達比可変装置30が作動しACT角θtaが変更されることにより伝達比が可変される。
また、モータ駆動回路83は、回転阻止信号が入力されるとこの回転阻止信号に基づいてモータ34に通電相を固定した通電で駆動電力を供給する。このように相固定通電してモータ34のロータ34Rをステータ34Sのコイルに対して電磁的に相対回転不能に固定することにより、ステアリング剛性感を確保することができる。
ここで、上述した相固定通電電流値設定部95におけるd軸電流指令値Id*を設定する過程、および、電圧指令値演算部96における電圧指令値を演算する過程を、図5に示すフローチャートを用いて詳細に説明する。図5は、ECU80によるモータ34の制御処理の流れを示すフローチャートである。
まず、図5のステップS101において、操舵角θs、ACT角θtaおよび車速Vを取得する。次に、ステップS103において、車速Vが高速走行していると判断される速度閾値であるV以上であるか否かについて判定される。ここで、車両が高速走行しており車速Vが速度閾値V以上であれば、ステップS103にてYesと判定される。なお、速度閾値Vは、例えば、100km/hに設定されている。
そして、ステップS105において、操舵角θsの絶対値が直進走行状態であると判断される角度閾値であるθs以下であるか否かについて判定される。ここで、車両が直進走行しており操舵角θsの絶対値が角度閾値θs以下であれば、ステップS105にてYesと判定される。なお、角度閾値θsは、例えば、4°に設定されている。
次に、ステップS107において、カウンタCを起動する処理が行われる。このカウンタCは、本ステップにより起動され、その後、後述するステップS121により停止されることで、ステップS103およびステップS105にてYesと判定された後にステップS103またはステップS105にてNoと判定されるまでの時間、つまり車両が高速で直進走行している継続時間tを計測可能にするものである。
そして、ステップS109において、継続時間tが所定の継続時間t未満であり、高速で直進走行を始めて間もない場合には(S109でNo)、後述するステップS125の処理がなされる。なお、継続時間tは、例えば、5sに設定されている。
一方、継続時間tが継続時間t以上になると(S109でYes)、ステップS111において、相固定角θfが設定されているか否かについて判定される。ここで、相固定角θfは、相固定通電によりモータ34の回転が阻止された状態における電気角に対応する。継続時間tが所定の継続時間t以上となった直後であり相固定角θfが未だ設定されていなければ(S111でNo)、ステップS113において、相固定角設定処理がなされる。この処理では、現時点におけるモータ34のACT角θtaに基づく電気角が相固定角θfとして設定されてステップS115の処理がなされる。一方、ステップS111において、既に相固定角θfが設定されている場合には(S111でYes)、ステップS113にて相固定角θfが設定されることなくステップS115の処理がなされる。
次に、ステップS115において、操舵角変化量演算部94により、操舵角θsと前回入力された操舵角であるθsとの角度差|θs−θs|である操舵角変化量Δθsが演算される。
そして、ステップS117において、相固定通電電流値設定部95により、図6に示す操舵角変化量−d軸電流指令値マップに基づいて相固定通電時のd軸電流指令値Id*の設定処理がなされる。
具体的には、図6に示すように、操舵角変化量Δθsが操舵したと判断されないような操舵角変化量である第1操舵角変化量Δθs以下であれば、d軸電流指令値Id*はステアリング剛性感を確保するために十分な電流指令値であるId*よりも小さく設定されたId*に等しくなるように設定される。また、操舵角変化量Δθsが、第1操舵角変化量Δθsより大きく、通常操舵時における操舵角の操舵角変化量に対して比較的小さな操舵角変化量である第2操舵角変化量Δθs未満であれば、操舵角変化量Δθsが減少するほどd軸電流指令値Id*がId*からId*に向けて減少するように設定される。また、操舵角変化量Δθsが第2操舵角変化量Δθs以上になるとd軸電流指令値IdはId*に等しくなるように設定される。なお、本実施形態においては、上述した操舵角変化量−d軸電流指令値マップは、MPU81のメモリ等に予め記憶されている。
一方、車両が低速走行しており車速Vが速度閾値V未満であることから上記ステップS103にてNoと判定されるか、車両が直進走行しておらず操舵角θsの絶対値が角度閾値θsより大きいことから上記ステップS105にてNoと判定されると、ステップS121において、上記ステップS107にて起動させたカウンタCを停止させる処理がなされる。次に、ステップS123において、相固定角クリア処理がなされ、ステップS113にて設定された相固定角θfがクリアされる。
そして、ステップS125において、回転駆動電流値演算部93による偏差Δθtaに基づくフィードバック制御によりd軸電流指令値Id*およびq軸電流指令値Iq*が演算される。
上述したステップS117にてd軸電流指令値Id*が設定されるかステップS125にて各電流指令値Id*、Iqが演算されると、ステップS131において、電圧指令値演算処理がなされる。この処理では、電圧指令値演算部96により、各電流指令値Id*、Iq*をACT角θtaに基づき2相3相変換してモータ34を回転駆動させるための各電圧指令値(以下、回転駆動用電圧指令値Vu*、Vv*、Vw*ともいう)を演算するか、各電流指令値Id*、Iq*を相固定角θfに基づき2相3相変換してモータ34のロータ34Rをステータ34Sのコイルに対して電磁的に相対回転不能に固定するための各電圧指令値(以下、回転阻止用電圧指令値Vu*、Vv*、Vw*ともいう)を演算する。
次に、ステップS133において、回転駆動用電圧指令値Vu*、Vv*、Vw*に応じて設定される回転駆動信号および回転阻止用電圧指令値Vu*、Vv*、Vw*に応じて設定される回転阻止信号のいずれかの制御信号が制御信号出力部97によりモータ駆動回路83に出力される。
そして、モータ駆動回路83は、回転駆動信号に基づいてモータ34に3相(U,V,W)の駆動電力を供給するか、回転阻止信号に基づいてモータ34に相固定通電で駆動電力を供給する。
以上説明したように、本実施形態に係る伝達比可変装置30では、ECU80は、操舵角θsの絶対値が直進走行状態であると判断される角度閾値θs以下である場合に、相固定通電で駆動電力をモータ34に供給するとともに当該駆動電力を操舵角θsの単位時間当たりの変化量である操舵角変化量Δθsの減少に応じて減少させる。
このように、車両が直進走行状態であると判断される場合には相固定通電で駆動電力をモータ34に供給し、直進走行状態であると判断されない場合にはACT目標角θtaとACT角θtaとの偏差Δθtaに基づいて3相の駆動電力をモータ34に供給する。このため、直進走行状態では相固定通電によりモータ34のロータ34Rがステータ34Sのコイルに対して電磁的に相対回転不能に固定されるので、直進走行時における高いステアリング剛性感を確保することができる。
また、ECU80は、操舵角変化量Δθsの減少に応じて相固定通電でモータ34に供給される駆動電力を減少させる。そもそも非操舵中であればステアリング剛性感を確保する必要はない。そこで、操舵角変化量Δθsの減少に応じて駆動電力を減少させることにより無駄な電力消費を抑制してモータ34の発熱量を低減させることができる。
したがって、直進走行時における高いステアリング剛性感を確保することができる。
また、本実施形態に係る伝達比可変装置30では、ECU80は、操舵角θsの絶対値が上記角度閾値θs以下であり、かつ、車速Vが高速走行状態であると判断される速度閾値V以上である場合、すなわち高速直進走行状態である場合に、相固定通電で駆動電力をモータ34に供給するとともに当該駆動電力を操舵角変化量Δθsの減少に応じて減少させる。これにより、操舵が頻繁に行われる可能性が高くステアリング剛性感もそれほど必要としない低速直進走行状態での相固定通電によるモータの発熱を抑制することができる。
なお、本発明は上記各実施形態に限定されるものではなく、以下のように具体化してもよく、その場合でも、上記各実施形態と同等の作用・効果が得られる。
(1)相固定通電電流値設定部95により図6の操舵角変化量−d軸電流指令値マップに基づいてd軸電流指令値Id*の設定処理がなされることに限らず、各電流指令値Id*、Iq*を設定することなく操舵角変化量Δθsに応じて各電圧指令値Vu*、Vv*、Vw*を直接設定するようにしてもよい。
(2)図5のステップS103およびステップS105に示すように、車速Vが速度閾値V以上であり、かつ、操舵角θsの絶対値が角度閾値θs以下である場合にステップS107からの処理を実行することに限らず、車速Vに関わらず操舵角θsの絶対値が角度閾値θs以下である場合にステップS107からの処理を実行するようにしてもよい。
図1(A)は、本実施形態に係る伝達比可変装置を適用した車両制御装置の構成概要を示す説明図であり、図1(B)は、ECU等の構成例を示す回路ブロック図である。 図1の伝達比可変装置の詳細断面図である。 図2に示す3−3線相当の切断面による断面図である。 本実施形態に係るモータの制御処理に関する機能ブロック図である。 ECUによるモータの制御処理の流れを示すフローチャートである。 d軸電流指令値Id*の設定処理に用いられる操舵角変化量−d軸電流指令値マップの一例を示す説明図である。
符号の説明
10…車両制御装置
14…第1ステアリングシャフト(入力軸)
16…第2ステアリングシャフト(出力軸)
18…舵角センサ(操舵角取得手段)
26…回転角センサ(回転角度検出手段)
28…車速センサ(車速検出手段)
30…伝達比可変装置
34…モータ
34S…ステータ
34R…ロータ
40…波動歯車機構(伝達比可変機構)
80…ECU(モータ制御手段)
93…回転駆動電流値演算部
94…操舵角変化量演算部
95…相固定通電電流値設定部
96…電圧指令値演算部
V…車速
…速度閾値
Δθs…操舵角変化量
Δθta…偏差
θf…相固定角
θs…操舵角
θs…角度閾値
θta…ACT角
θta…ACT目標角(目標操舵角)

Claims (2)

  1. ステアリングホイールと操舵輪とを連結する車両の操舵系の途中に設けられ、
    前記ステアリングホイール側の入力軸と前記操舵輪側の出力軸と間の伝達比をモータの回転駆動により変化可能な伝達比可変機構と、
    前記入力軸の回転角である操舵角を検出する操舵角検出手段と、
    前記車両の車速を検出する車速検出手段と、
    前記モータの回転角を検出する回転角度検出手段と、
    前記操舵角および前記車速に応じて設定される目標操舵角と前記モータ回転角との偏差に基づいて3相の駆動電力を供給して前記モータの回転駆動を制御するモータ制御手段と、
    を備えた伝達比可変装置であって、
    前記モータ制御手段は、前記操舵角が直進走行状態であると判断される角度閾値以下である場合に、通電相を固定した通電で前記駆動電力を前記モータに供給するとともに当該駆動電力を前記操舵角の単位時間当たりの変化量である操舵角変化量の減少に応じて減少させることを特徴とする伝達比可変装置。
  2. 前記モータ制御手段は、前記操舵角が前記角度閾値以下でありかつ前記車速が高速走行状態であると判断される速度閾値以上である場合に、通電相を固定した通電で前記駆動電力を前記モータに供給するとともに当該駆動電力を前記操舵角変化量の減少に応じて減少させることを特徴とする請求項1記載の伝達比可変装置。
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