JP5003891B2 - 昇降ハンドル - Google Patents

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この発明は、平らな状態のハンドル本体を上方に引き出して使用する昇降ハンドルに関するものである。
この種の昇降ハンドルは、ハンドル本体と、バネ板(鋼)と、ベースとから構成され、カバン本体に取り付けられた一対のベース相互間に、ハンドル本体にインサートされたバネ板の突出端を取り付けて成る。
上記昇降ハンドルでは、不使用状態においては、バネ板の形状復元作用により、曲状態から平らな状態に戻るようになっている。
しかしながら、上記昇降ハンドルでは、取り付け状態、及び使用状態において、以下の問題がある。
(この昇降ハンドルの取り付け状態での問題点)
上記昇降ハンドルでは、ハンドル本体を平らな状態にすると、ハンドル本体
の端部とベースの当たり部との間に隙間ができ、前記隙間の存在によりハンドル本体はこれの長手方向に多少のガタツキを生じてしまう。
なお、上記問題を解決する手段としては、例えばハンドル本体の端部とベースの当たり部の間の隙間を無くすべく寸法設定することが考えられるが、通常は製造公差を考慮して、ハンドル本体の端部がベースの当たり部に当接した状態で、ハンドル本体が少し湾曲した状態となるようにしている。したがって、見栄えが少し悪いものとなっている。
要するに、上記昇降ハンドルでは、ハンドル本体が平らな状態にならないか、またはガタツキが生じるという問題がある。
(この昇降ハンドルの使用状態での問題点)
A.昇降ハンドル全長に対して、ハンドル本体の引き出し長さは二個のベース分だけ短かくなるのでハンドル本体の曲がりがきつく、その結果、持ちにくいものになると共に、バネ板の形状復元作用によりハンドル本体を引き出すのに大きな力を要することになる。
B.ハンドル本体を引き出した時には、ベースからバネ板が引き出されて当該バネ板が露出することになるので、見栄えが悪い。
C.ハンドル本体の引き出しの際、左右の引き出し量が均等なものとなりにくく、引き出し時のハンドル本体の形状が安定しない。
D.上述した如くハンドル本体の曲がりがきついので、ハンドル本体引き出し時において、バネ板とベースとの磨耗が生じ、商品寿命にも影響を与える。
実願平5−33575(特に、図3)
そこで、この発明は、(1)取付け時においてハンドル本体が平らでガタツキがなく、(2)ハンドル本体が引き出しやすく且つ引き出し時のハンドル本体の形状が安定し、(3)各部材間での磨耗が少なく(4)外観上の見栄えが良い、昇降ハンドルを提供することを課題とする。
(請求項1記載の発明)
この発明の昇降ハンドルは、ハンドル本体と、前記ハンドル本体の各端部をそれぞれ挿入量可変に収容する左右の上ベースと、鞄本体に取り付けられる左右の下ベースとを有し、前記下ベースに対して上ベースを上下方向に揺動自在に取り付けると共に、前記ハンドル本体の各端部は上ベースに対して挿入量が大きくなる方向にバネ付勢されており、上ベースの下板に孔を、下ベースの上面に突出する突起を、それぞれ設けてあり、ハンドル本体の不使用時においては、前記突起に孔が外嵌状態になる
(請求項2記載の発明)
この発明は、上記請求項1記載の発明に関し、下ベースに対して上ベースを上下方向に揺動する支点を、全長の端部近傍に設けてある。
(請求項3記載の発明)
この発明は、上記請求項1又は2記載の発明に関し、左右の下ベースは、左右一体、又は左右別体に形成されている。
この発明の昇降ハンドルによると、(1)取付け時においてハンドル本体が平らでガタツキがなく、(2)ハンドル本体が引き出しやすく且つ引き出し時のハンドル本体の形状が安定し、(3)各部材間での磨耗が少なく(4)外観上の見栄えが良いものとなる。
以下にこの発明の昇降ハンドルを実施するための最良の形態として実施例について詳しく説明する。
図1、図2は使用状態の昇降ハンドルHの外観図、図3は不使用状態の昇降ハンドルHの外観図、図4は昇降ハンドルHの分解斜視図、図5〜図7は不使用状態の昇降ハンドルHの平面図及び部分断面図、図8〜図10は使用状態の昇降ハンドルHの上面図及び部分断面図を示している。
この実施例の昇降ハンドルHは、図1〜図4に示すように、ハンドル本体1と、前記ハンドル本体1の各端部をそれぞれ挿入量可変に収容する左右の上ベース2,2と、鞄本体(図示せず)に取り付けられる左右の下ベースと3,3を有し、前記下ベース3,3に対して上ベース2,2を上下方向に揺動自在にピン4で取り付けると共に、前記ハンドル本体1の各端部は上ベース2,2に対して挿入量が大きくなる方向にバネ5で付勢されている。
なお、この昇降ハンドルHでは、図2や図3に示すように、下ベース3に対して上ベース2を上下方向に揺動する支点を、全長の端部近傍に設けてある。また、この昇降ハンドルHでは、図4に示すように、上ベース2を構成する板材21に孔24を、下ベース3の上面に突出する突起30を、それぞれ設けてあり、ハンドル本体1の不使用時においては、前記突起30に孔24が外嵌状態になっている。
(ハンドル本体1と、これに付帯する構成物)
ハンドル本体1は、図5のX−X断面図である図6に示すように、ゴム素材1a内に、幅狭のバネ板10を埋設すると共に前記バネ板10の両端近傍にストッパー6をリベット11で止めて成り、前記ストッパー6をゴム素材1aの端部からそれぞれ突出させる構成を採っている。ここで、上記ストッパー6には、図4に示すように、その中程部に開口61を設けてある。
なお、前記バネ板10は、図6に示す如く、直線状に埋設してあり、これにより不使用状態のハンドル本体1は平らな状態が維持されるようにしてある。
(上ベース2と、下ベース3について)
上ベース2は、図4や図6に示すように、カバー20と板材21とを三本のビス22で一体化してあり、これにより向かい合う上ベース2,2の開口23,23内にハンドル本体1の各端部が挿入できるようにしてある。
上記カバー20と板材21との一体化は、より詳細には図6に示すように、上記カバー20の上壁から垂設された筒状雌ネジ部27にビス22をネジ込む態様としてあり、この筒状雌ネジ部27は開口部61を貫通させてある。
ここで、上記板材21には、図4、図6、図7に示すように、その中央部分に孔24を設けてあると共に内側寄りに二つのバネ5,5を受ける受け部材25を設けてあり、上記した各バネ5は圧縮状態で垂下部60と前記バネ受け部材25との間で支持されるようになっている。
なお、上ベース2の外側部分には、図4に示すように、幅方向中央膨らみ部分26にピン孔挿入孔40を設けてある。
下ベース3は、図4や図6に示すように、基本的には板材で形成されており、その中央部分に上記した突起30が貫通設置してある。また、この下ベース3、には幅方向両端31,31の膨らみ部分にピン孔挿入孔41,41を設けてある。なお、下ベース3の外側端には図1や図6に示すように、当該下ベース3を鞄に取り付けるためのネジ止用ボス32を設けてある。
(この昇降ハンドルHの優れた機能について)
この昇降ハンドルHでは、取り付け状態、及び使用状態において、背景技術で記載した昇降ハンドル(従来の昇降ハンドル)の問題点を以下のように解決している。
「昇降ハンドルの取り付け状態での問題点の解決について」
上記昇降ハンドルでは、上述した如くハンドル本体が平らな状態にならないか、またはガタツキが生じるという問題があった。
これに対して、この実施例の昇降ハンドルでは、図9、図10の使用状態から図6、図7の如き不使用状態になった場合、以下のように機能する。
上記した各バネ5は常時、圧縮状態で上記垂下部60と前記受け部材25との間で支持されており、これより、使用状態は勿論のこと不使用状態でも、常に昇降ハンドル1には左右から引っ張り力が生じている。
したがって、ガタツキが無いと共に、ハンドル本体は確実に平らな状態になる。
「この昇降ハンドルの使用状態での問題の解決について」
A.昇降ハンドル全長に対して、ハンドル本体の引き出し長さは二個のベース分だけ短かくなるのでハンドル本体の曲がりがきつく、その結果、持ちにくいものになると共に、バネ板の形状復元作用によりハンドル本体を引き出すのに大きな力を要するという問題があった。
これに対して、この実施例の昇降ハンドルでは、不使用状態から使用状態にする際に、ハンドル本体1を握って上方に引き上げるが、これに伴って上ベース2が下ベースに対して上方に揺動する(図6、図7の状態から図9、図10の状態に揺動する)こととなるから、上ベース2からのハンドル本体1の引き出しは比較的小さな力で円滑に行える。
また、上記状態のハンドル本体1の形状は緩やかな円弧状となるから、持ちやすいものとなる。
B.ハンドル本体を引き出した時には、ベースからバネ板が引き出されて当該バネ板が露出することになるので、見栄えが悪いという問題があった。
これに対して、この実施例の昇降ハンドルでは、図9や図10に示すように、ハンドル本体1はゴム系素材で形成され部分以外は上ベース2から抜け出ないので、見栄えは非常に良い。
C.従来の昇降ハンドルでは、ハンドル引き出し時に左右で擦れ強さが偏って、左右の引き出し量が均等で無いことがあったが、この実施例の昇降ハンドルではこのようなことは無い。
D.上述した如くハンドル本体の曲がりがきついので、ハンドル本体引き出し時において、バネ板とベースとの磨耗が生じ、商品寿命にも影響を与える。
これに対して、この実施例の昇降ハンドルでは引き出し時のハンドル本体の曲がりは緩いので、ハンドル本体1の引き出しは、上ベース2からのハンドル本体1の引き出しは比較的小さな力で円滑に行えるので、部材相互間で磨耗が生じにくく、商品寿命にも悪影響を与えにくい。
以上の内容から、この実施例の昇降ハンドルによると、(1)取付け時においてハンドル本体が平らでガタツキがなく、(2)ハンドル本体が引き出しやすく且つ引き出し時のハンドル本体の形状が安定し、(3)各部材間での磨耗が少なく(4)外観上の見栄えが良いものとなる。
(その他について)
上記実施例1に変えて様々な形態を採用することができる。
要するに、ハンドル本体1と、前記ハンドル本体1の各端部をそれぞれ挿入量可変に収容する左右の上ベース2と、鞄本体(図示せず)に取り付けられる左右の下ベース3とを有し、前記下ベース3に対して上ベース2を上下方向に揺動自在に取り付けると共に、前記ハンドル本体1の各端部は上ベース2に対して挿入量が大きくなる方向にバネ5で付勢されている昇降ハンドルであれば、上記実施例1と同等の作用・効果をそうすることが明らかである。
また、上記実施例では、左右の下ベース3,3は左右別体としているが、これに限定されていることなく、左右一体体に形成されているものとしてもよい。
使用状態の昇降ハンドルの外観斜視図。図5〜図7は不使用状態の昇降ハンドルHの平面図及び部分断面図、図8〜図10は使用状態の昇降ハンドルHの上面図及び部分断面図を示している。 使用状態の昇降ハンドルの正面図。 不使用状態の昇降ハンドルの正面図。 前記昇降ハンドルの分解斜視図、 不使用状態の昇降ハンドルの上面図。 図5のX−X断面図。 図5のY−Y断面図。 使用状態の昇降ハンドルの上面図。 図8のX’−X’断面図。 図8のY’−Y’断面図。
符号の説明
1 ハンドル本体
10 バネ板
2 上ベース
20 カバー
21 板材
22 ビス
23 開口
24 孔
25 バネ受け部材
26 幅方向中央膨らみ部分
3 下ベース
30 突起
31 幅方向両端部分
32 ネジ止め用ボス
4 ピン
40 ピン挿入孔
41 ピン挿入孔
5 バネ
6 ストッパー
60 垂下部
61 開口
















Claims (3)

  1. ハンドル本体と、前記ハンドル本体の各端部をそれぞれ挿入量可変に収容する左右の上ベースと、鞄本体に取り付けられる左右の下ベースとを有し、前記下ベースに対して上ベースを上下方向に揺動自在に取り付けると共に、前記ハンドル本体の各端部は上ベースに対して挿入量が大きくなる方向にバネ付勢されている昇降ハンドルであって、上ベースの下板に孔を、下ベースの上面に突出する突起を、それぞれ設けてあり、ハンドル本体の不使用時においては、前記突起に孔が外嵌状態になることを特徴とする昇降ハンドル。
  2. 下ベースに対して上ベースを上下方向に揺動する支点を、全長の端部近傍に設けてあることを特徴とする請求項1記載の昇降ハンドル。
  3. 左右の下ベースは、左右一体、又は左右別体に形成されていることを特徴とする請求項1又は2記載の昇降ハンドル。
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