JP5002509B2 - 高周波スイッチ - Google Patents

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Description

本発明は、高周波信号を切り替える高周波スイッチに関し、特に、アンテナに接続されるアンテナスイッチ、例えばTDD(Time Division Duplex)スイッチ等に用いて好適な高周波スイッチに関する。
従来のアンテナスイッチ等の高周波スイッチとしては、例えば特許文献1記載のマイクロ波スイッチや特許文献2記載の送受信切り換え装置が知られている。
特許文献1記載のマイクロ波スイッチは、信号ラインに直列及び並列にPINダイオードを挿入し、PINダイオードに順電流を流してPINダイオードをオンとし、また、PINダイオードを逆バイアスしてPINダイオードをオフさせることにより、高周波信号を切り替えるようにしている。
特許文献2記載の送受信切り換え装置は、信号伝送ラインに、伝送ラインとそれに直列に配置されたPINダイオード等を並列に挿入してスイッチを構成した回路方式を採用している。
特許第2532122号公報 特許第2830319号公報
ところで、上述のような高周波スイッチを利用した送受信方式としては、以下に示すような2種類の方式(第1送受信方式及び第2送受信方式)がある。
第1送受信方式は、図14に示すように、送受信器100と送受信アンテナ102(又はバンドパスフィルタ104を介して)との間における送信ライン106に、送信アンプ108とアイソレータ111を接続し、送受信器100と送受信アンテナ102(又はバンドパスフィルタ104を介して)との間における受信ライン110に受信アンプ112を接続し、送信ライン106と受信ライン110との結合点に高周波スイッチ114を接続した方式である。
第2送受信方式は、図15に示すように、送信ライン106に送信アンプ108を接続し、受信ライン110に受信アンプ112と高周波スイッチ114を接続し、送信ライン106と受信ライン110との結合点にサーキュレータ116を接続した方式である。
上述の高周波スイッチにおいては、受信側のスイッチがオフ時には、VSWR(電圧定在波比)が無限大で全反射となる反射型の高周波スイッチである。この場合、受信アンプへの入力不整合により、発振を起こしやすい不安定な状態となる。これを解消するために、受信アンプと高周波スイッチとの間にさらにアイソレータを挿入接続することが考えられるが、損失が大きくなり、受信信号を効率よく伝達できないという問題がある。
また、特許文献1及び2は、以下のような不都合点が存在する。
すなわち、特許文献1記載のマイクロ波スイッチは、信号ラインにPINダイオードを挿入して、PINダイオードのオン/オフ動作によって、信号の切り替えを行うようにしているが、PINダイオードのオン時の残留抵抗、オフ時の残留容量及びオフ抵抗により、通過損失が大きい。並列に挿入するPINダイオードの個数を増やすことにより、オフ時のアイソレーションを拡大することができるが、個数と共に通過損失を増加させるという問題がある。また、オン時の通過損失を小さくすることができるが、個数と共にアイソレーションが低下するという問題がある。
特許文献2記載の送受信切り換え装置は、信号伝送ラインに、伝送ラインとそれに直列に配置されたPINダイオード等を並列に挿入してスイッチを構成するようにしているが、切替回路のオン時にPINダイオード(順電流導通によりオン状態)の残留抵抗により通過損失が発生する。また、切替回路のオフ時にPINダイオード(逆バイアスによりオフ状態)の残留容量により、λ/4伝送ラインの位相特性に誤差を生じる。すなわち、切替回路のオン時とオフ時の中心周波数にずれが生じるという問題がある。結果的には、スイッチのオン時の通過帯域と、オフ時のアイソレーション帯域がずれるという問題を引き起こす。また、切替回路のオフ時にPINダイオードの残留抵抗により、アイソレーションの低下も生じる。
本発明はこのような課題を考慮してなされたものであり、受信側のスイッチがオフとなっても受信アンプへの入力不整合は生じず、受信アンプの動作が不安定になることを回避することができる高周波スイッチを提供することを目的とする。
また、本発明の他の目的は、PINダイオードの残留容量によるλ/4伝送路の位相特性に誤差が発生せず、スイッチ回路のオン時の通過帯域とオフ時のアイソレーション帯域を一致させることができ、高周波スイッチとして使用する帯域において、オン時の通過損失の最小化、オフ時のアイソレーションの最大化を適切に設定することができる高周波スイッチを提供することを目的とする。
本発明に係る高周波スイッチは、動作周波数帯の中心周波数がfo、該中心周波数foに対応する波長がλである高周波スイッチにおいて、送信端子からの送信信号を伝送させる第1λ/4信号伝送路と、受信信号を受信端子に伝送させる第2λ/4信号伝送路との接続点がアンテナ端子であり、前記第1λ/4信号伝送路と接地間に接続された第1スイッチ回路と、前記第2λ/4信号伝送路と接地間に接続された第2スイッチ回路と、少なくとも前記受信端子と前記第2λ/4信号伝送路との間に接続された第3λ/4信号伝送路と接地間に接続された第3スイッチ回路と、前記第1スイッチ回路は、第1λ/4伝送路と、該第1λ/4伝送路と接地間に直列に接続された1以上の第1PINダイオードを含む並列共振回路とを有し、前記第2スイッチ回路は、第2λ/4伝送路と、該第2λ/4伝送路と接地間に直列に接続された1以上の第2PINダイオードを含む並列共振回路とを有し、前記第3スイッチ回路は、第3λ/4伝送路と、該第3λ/4伝送路と接地間に直列に接続された1以上の第3PINダイオードを含む並列共振回路と、前記第3PINダイオードに対して並列に接続された終端形成用抵抗とを有し、各前記並列共振回路は、対応する前記PINダイオードのオフ時の共振周波数と前記中心周波数foとが同じになるように定数が設定されていることを特徴とする。
これにより、受信側のスイッチ(第2スイッチ回路及び第3スイッチ回路)がオフになっても受信端子に接続される受信アンプへの入力不整合は生じず、受信アンプの動作が不安定になることを回避することができる。また、λ/4伝送路の位相特性に誤差は発生せず、スイッチ回路のオン時の通過帯域とオフ時のアイソレーション帯域を一致させることができ、高周波スイッチとして使用する帯域において、オン時の通過損失の最小化、オフ時のアイソレーションの最大化を適切に設定することができる。
そして、本発明において、さらに、前記送信端子と前記第1λ/4信号伝送路との間に接続された第4λ/4信号伝送路と接地間に接続された第4スイッチ回路を有し、前記第4スイッチ回路は、第4λ/4伝送路と、該第4λ/4伝送路と接地間に直列に接続された1以上の第4PINダイオードを含む並列共振回路と、前記第4PINダイオードに対して並列に接続された終端形成用抵抗とを有し、前記第4PINダイオードを含む前記並列共振回路は、前記第4PINダイオードのオフ時の共振周波数と前記中心周波数foとが同じになるように定数が設定されていてもよい。
これにより、送信側のスイッチ(第1スイッチ回路及び第4スイッチ回路)がオフになっても送信端子には終端抵抗が接続されることになる。この場合、オフ時の送信側のインピーダンスが終端抵抗の値(例えば50オーム)となって、他の回路とインピーダンスの整合をとることが可能となる。
また、本発明において、前記並列共振回路は、複数のPINダイオードを含むようにしてもよい。これにより、信号遮断時のアイソレーションを劣化させることなく、信号伝送時のスイッチ回路の通過損失をより低減することができる。
また、本発明において、各前記λ/4伝送路の特性インピーダンスをそれぞれ対応する前記λ/4信号伝送路の特性インピーダンスよりも低くしてもよい。この場合、スイッチオフ時のアイソレーションの拡大を図ることができる。
また、本発明において、各前記λ/4伝送路の特性インピーダンスをそれぞれ対応する前記λ/4信号伝送路の特性インピーダンスよりも高くしてもよい。この場合、スイッチオン時の通過損失の最小化を図ることができる。
以上説明したように、本発明に係る高周波スイッチによれば、受信側のスイッチがオフとなっても受信アンプへの入力不整合は生じず、受信アンプの動作が不安定になることを回避することができる。
また、PINダイオードの残留容量によるλ/4伝送路の位相特性に誤差が発生せず、スイッチ回路のオン時の通過帯域とオフ時のアイソレーション帯域を一致させることができ、信号切替スイッチとして使用する帯域において、オン時の通過損失の最小化、オフ時のアイソレーションの最大化を適切に設定することができる。
以下、本発明に係る高周波スイッチを、例えばアンテナスイッチに適用した実施の形態例を図1〜図13を参照しながら説明する。なお、λは、スイッチの動作周波数帯の中心周波数に対応する波長で、以下の伝送路での波長を表すものとする。
第1の実施の形態に係るアンテナスイッチ(以下、第1アンテナスイッチ10Aと記す)は、図1に示すように、アンテナ接続端子14と送信用端子16との間に接続された1つの第1λ/4信号伝送路18aと、アンテナ接続端子14と受信用端子20との間に接続された1つの第2λ/4信号伝送路18bと、第2λ/4信号伝送路18bと受信用端子20との間に接続された1つの第3λ/4信号伝送路18cとを有する。
また、この第1アンテナスイッチ10Aは、第1λ/4信号伝送路18aに対して並列に接続された第1スイッチ回路22aと、第2λ/4信号伝送路18bに対して並列に接続された第2スイッチ回路22bと、第3λ/4信号伝送路18cに対して並列に接続された第3スイッチ回路22cとを有する。なお、送信用端子16と第1λ/4信号伝送路18aとの間、第1λ/4信号伝送路18aとアンテナ接続端子14との間、アンテナ接続端子14と第2λ/4信号伝送路18bとの間、第2λ/4信号伝送路18bと第3λ/4信号伝送路18cとの間、第2λ/4信号伝送路18cと受信用端子20との間にそれぞれキャパシタC1〜C5が直列に接続されている。このキャパシタC1〜C5は、後述するPINダイオードをオン/オフする電流を阻止するためのコンデンサで、高周波的にはショートとして働く。
第1スイッチ回路22aは、キャパシタC1と第1λ/4信号伝送路18aとの間の信号ラインとGND(グランド)間に接続され、1つの第1λ/4伝送路24aと第1並列共振回路26aとが第1接点a1で直列に接続された直列回路を有する。
第1並列共振回路26aは、第1接点a1とGND間に接続された1つの第1PINダイオード28aと、第1接点a1と第1制御端子Tc1間に接続された第1インダクタ30aと、第1制御端子Tc1とGND間に接続された第1キャパシタCaとを有する。この第1キャパシタCaは、第1PINダイオード28aをオン/オフする電流を阻止するためのコンデンサとして働く。
第1制御端子Tc1には、第1PINダイオード28aに順電流を流して該第1PINダイオード28aをオンにするための順バイアス電圧Vc1と、第1PINダイオード28aを逆バイアスして第1PINダイオード28aをオフにするための逆バイアス電圧Vc2が印加されるようになっている。
第2スイッチ回路22bは、上述した第1スイッチ回路22aと同様に、第2λ/4信号伝送路18bとキャパシタC4との間の信号ラインとGND(グランド)間に接続され、1つの第2λ/4伝送路24bと第2並列共振回路26bとが第2接点a2で直列に接続された直列回路を有する。
第2並列共振回路26bは、第2接点a2とGND間に接続された1つの第2PINダイオード28bと、第2接点a2と第2制御端子Tc2間に接続された第2インダクタ30bと、第2制御端子Tc2とGND間に接続された第2キャパシタCbとを有する。この第2キャパシタCbは、第2PINダイオード28bをオン/オフする電流を阻止するためのコンデンサとして働く。
第3スイッチ回路22cは、上述した第2スイッチ回路22bと同様に、第3λ/4信号伝送路18cとキャパシタC5との間の信号ラインとGND(グランド)間に接続され、1つの第3λ/4伝送路24cと第3並列共振回路26cとが第3接点a3で直列に接続された直列回路を有する。
第3並列共振回路26cは、第3接点a3とGND間に接続された1つの第3PINダイオード28cと、第3接点a3と第2制御端子Tc2間に接続された第3インダクタ30cと、第2制御端子Tc2とGND間に接続された第3キャパシタCcとを有する。この第3キャパシタCcは、第3PINダイオード28cをオン/オフする電流を阻止するためのコンデンサとして働く。
さらに、第3スイッチ回路22cは、第3PINダイオード28cに対して、受信側終端形成用抵抗RrとコンデンサCrの直列回路が並列に接続されている。このコンデンサCrは、第3PINダイオード28cをオン/オフする電流を阻止するためのコンデンサとして働く。
第2制御端子Tc2には、第2PINダイオード28b及び第3PINダイオード28cに順電流を流して該第2PINダイオード28b及び第3PINダイオード28cをオンにするための順バイアス電圧Vc1と、第2PINダイオード28b及び第3PINダイオード28cを逆バイアスして第2PINダイオード28b及び第3PINダイオード28cをオフにするための逆バイアス電圧Vc2が印加されるようになっている。なお、第1制御端子Tc1に順バイアス電圧Vc1が印加される時には、第2制御端子Tc2に逆バイアス電圧Vc2が印加され、第1制御端子Tc1に逆バイアス電圧Vc2が印加される時には、第2制御端子Tc2に順バイアス電圧Vc1が印加される。第1制御端子Tc1の逆バイアス電圧Vc2と第2制御端子Tc2の逆バイアス電圧Vc2の電圧は、異なってもよい。
ここで、第1アンテナスイッチ10Aの回路動作について図2A〜図7を参照しながら説明する。
第1スイッチ回路22aを主体に説明すると、先ず、第1制御端子Tc1に順バイアス電圧Vc1が印加されることで、第1PINダイオード28aがオンとなり、そのときの第1スイッチ回路22aの等価回路は図2Aに示すようになる。すなわち、第1λ/4伝送路24aとGND間に、等価的にインダクタンスLaと第1PINダイオード28aのオン抵抗Roが並列に接続された回路が直列に接続された形態となる。
反対に、第1制御端子Tc1に逆バイアス電圧Vc2が印加されることで、第1PINダイオード28aがオフとなり、そのときの第1スイッチ回路22aの等価回路は図2Bに示すようになる。すなわち、第1λ/4伝送路24aとGND間に、インダクタンスLaと第1PINダイオード28aの空乏層による寄生容量Cfと第1PINダイオード28aのオフ抵抗Rfによる並列共振回路が直列に接続された形態となる。
そして、この第1アンテナスイッチ10Aでは、該第1アンテナスイッチ10Aの中心周波数foと、寄生容量Cf、オフ抵抗Rf及びインダクタンスLaからなる並列共振回路の共振周波数を一致させるようにインダクタンスLaの値を設定してある。
ここで、オン抵抗Roは、一般に1オーム程度あるいはそれ以下であり、Ro<<2πfoLaとできるため、第1PINダイオード28aのオン時における中心周波数fo付近の等価回路は図3Aのように表すことができ、第1PINダイオード28aのオフ時における中心周波数fo付近の等価回路は図3Bのように表すことができる。
いま、図4に示すように、伝送線路z=LにおいてインピーダンスZ(L)の負荷で終端した場合を考える。
伝送線路の特性インピーダンスをZoとし、進行波をAeγ、反射波をBeγ(γは伝搬定数)とすれば、基準点zにおける電圧V(z)及び電流I(z)は以下の式で表される。
V(z)=Aeγ+Be γ
I(z)=(A/Zo)eγ−(B/Zo)e γ
従って、z=LにおけるインピーダンスZ(L)は以下の式で表される。
Z(L)=V(L)/I(L)
=Zo{(Aeγ+Be γ)/(Aeγ−Be γ)}
また、反射係数Γ(L)は以下の式(a)で示す関係がある。
Γ(L)=(Be γ)/(Aeγ
=(B/A)eγ
={Z(L)−Zo}/{Z(L)+Zo} ……(a)
さらに、z=0において負荷側を見たインピーダンスZ(0)は、以下の式(b)で表される。
Z(0)=Zo{(A+B)/(A−B)} ……(b)
式(a)より、
B/A=[{Z(L)−Zo}/{Z(L)+Zo}]e−2γ
であるから、この式を式(b)に代入すれば、以下の式(c)になる。
Z(0)/Zo = {Z(L) + ZotanhγL}/{Zo + Z(L)tanhγL} ……(c)
ここで、γ=α+jβ(αは減衰定数、βはβ=2π/λで位相定数)である。
無損失線路は、α=0であり、γ=jβとなるから、式(c)は以下の式(d)に変形できる。
Z(0)/Zo = [Z(L) + jZotanβL]/[Zo + jZ(L)tanβL] ……(d)
そして、式(d)にL=λ/4を代入すると、以下の式(e)が求まる。
Z(0)/Zo=Zo/Z(L)
Z(0)=Zo2/Z(L) ……(e)
このことから、第1PINダイオード28aがオンのとき、Z(L)が1オーム程度あるいはそれ以下の低抵抗であることから、式(e)からもわかるように、第1λ/4伝送路24aの信号ライン側のインピーダンス(この場合、Z(0))は大きな値となり、理想的には開放状態となる。反対に、第1PINダイオード28aがオフのとき、Z(L)が10kオーム以上の高抵抗であることから、式(e)からもわかるように、第1λ/4伝送路24aの信号ライン側のインピーダンス(この場合、Z(0))は小さな値となり、理想的には短絡状態となる。
これは、第2スイッチ回路22bも同様であり、第2PINダイオード28bがオンのとき、第2λ/4伝送路24bの信号ライン側のインピーダンスは大きな値となり、理想的には開放状態となる。反対に、第2PINダイオード28bがオフのとき、第2λ/4伝送路24bの信号ライン側のインピーダンスは小さな値となり、理想的には短絡状態となる。
一方、第3スイッチ回路22cにおいては、第2制御端子Tc2に順バイアス電圧Vc1が印加されることで、第3PINダイオード28cがオンとなり、そのときの第3スイッチ回路22cの等価回路は図5Aに示すようになる。すなわち、第3λ/4伝送路24cとGND間に、等価的にインダクタンスLaと第3PINダイオード28cのオン抵抗Roと受信側終端形成用抵抗Rrが並列に接続された回路が直列に接続された形態となる。
反対に、第2制御端子Tc2に逆バイアス電圧Vc2が印加されることで、第3PINダイオード28cがオフとなり、そのときの第3スイッチ回路22cの等価回路は図5Bに示すようになる。すなわち、第3λ/4伝送路24cとGND間に、インダクタンスLaと第3PINダイオード28cの空乏層による寄生容量Cfと第3PINダイオード28cのオフ抵抗Rfと受信側終端形成用抵抗Rrによる並列共振回路が直列に接続された形態となる。
この場合も、第1アンテナスイッチ10Aの中心周波数foと、寄生容量Cf、オフ抵抗Rf及びインダクタンスLaからなる並列共振回路の共振周波数を一致させるようにインダクタンスLaの値を設定してある。
第3スイッチ回路22cは、上述したように、受信側終端形成用抵抗Rrが並列に接続された形態となるが、オン抵抗Roと受信側終端形成用抵抗Rrの大小関係が、Ro<<Rrであるため、オン動作時には影響を与えない。また、オフ抵抗Rfと受信側終端形成用抵抗Rrの大小関係が、Rf>>Rrであるため、信号ライン側のインピーダンスは受信側終端形成用抵抗Rrで決定される。
具体的に説明すると、例えば第3λ/4伝送路24cの特性インピーダンスを50オームとし、受信側終端形成用抵抗Rrを50オームとしたとき、オフ抵抗Rf(例えば10kオーム)と受信側終端形成用抵抗Rrとの合成抵抗(Rf//Rr)は、49.751オームとなるから、第3λ/4伝送路24cの信号ライン側のインピーダンスは、上述の式(e)から、50×50/49.751=50.250オームで終端されることになる(終端抵抗が50.250オームとなる)。実際には、終端抵抗が例えば50オームとなるように、受信側終端形成用抵抗Rrの値を決定する。
オン時は、オン抵抗Ro=1オームとすると、オン抵抗Roと受信側終端形成用抵抗Rrとの合成抵抗(Ro//Rr)は、0.9804オームとなるから、第3λ/4伝送路24cの信号ライン側のインピーダンスは、上述の式(e)から、50×50/0.9804=2550オームとなる。
従って、例えば第1制御端子Tc1に順バイアス電圧Vc1が印加されて第1PINダイオード28aがオン、第2制御端子Tc2に逆バイアス電圧Vc2が印加されて第2PINダイオード28b及び第3PINダイオード28cがオフになると、図6に示すような等価回路となり、送信用端子16のみがアンテナ接続端子14に高周波的には接続され、受信用端子20には例えば50オームの終端抵抗Reが接続されることになる。これによって、送信用端子16に供給された送信信号Saがアンテナ接続端子14を通じて送信されることになる。つまり、送信用端子16からアンテナ接続端子14にかけての第1信号ライン34aが信号伝送側となり、受信用端子20からアンテナ接続端子14にかけての第2信号ライン34bが信号遮断側となる。
仮に、第3スイッチ回路22cが存在しないとすると、上述したように、第2λ/4伝送路24bの信号ライン側のインピーダンスは小さな値となり、理想的には短絡状態となる。つまり、オフ時の受信側のインピーダンスが0オームとなり、全反射となるため、受信用端子20に接続される受信アンプの動作が不安定になる場合がある。
しかし、この第1アンテナスイッチ10Aでは、第3スイッチ回路22cを接続するようにしたので、上述したように、オフ時の受信側のインピーダンスが終端抵抗Reの値、例えば50オームとなって、他の回路とインピーダンスの整合をとることができ、受信用端子20に接続される受信アンプの動作を安定にさせることができる。
上述とは反対に、第1制御端子Tc1に逆バイアス電圧Vc2が印加されて第1PINダイオード28aがオフ、第2制御端子Tc2に順バイアス電圧Vc1が印加されて第2PINダイオード28b及び第3PINダイオード28cがオンになると、図7に示すような等価回路となり、受信用端子20のみがアンテナ接続端子14に高周波的には接続されることになる。これによって、アンテナにて受信した受信信号Sbがアンテナ接続端子14に供給され、該受信用端子20から出力されることになる。つまり、送信用端子16からアンテナ接続端子14にかけての第1信号ライン34aが信号遮断側となり、受信用端子20からアンテナ接続端子14にかけての第2信号ライン34bが信号伝送側となる。このため、受信時において、受信側終端形成用抵抗Rrによる影響はない。
ところで、上述したように、例えば第1並列共振回路26aを設けず、第1PINダイオード28aのみを接続した場合、第1PINダイオード28aのオフ時における中心周波数fo付近の等価回路は、図3Bのようにはならず、図2Bのように、寄生容量Cfが残り、共振周波数は低域側にずれることになる。その結果、第1λ/4伝送路24aの位相特性に誤差が生じ、損失につながるという問題がある。
そこで、第1アンテナスイッチ10Aでは、第1並列共振回路26aの第1インダクタ30aの定数を調整して、第1PINダイオード28aのオフ時の第1並列共振回路26aの共振周波数と第1アンテナスイッチ10Aの中心周波数foとが同じになるようにしている。同様に、第2並列共振回路26b及び第3並列共振回路26cの第2インダクタ30b及び第3インダクタ30cの各定数を調整して、第2PINダイオード28b及び第3PINダイオード28cのオフ時の第2並列共振回路26b及び第3並列共振回路26cの各共振周波数と第1アンテナスイッチ10Aの中心周波数foとが同じになるようにしている。
一方、PINダイオードのオン時の抵抗Roは、Ro<<2πfoLaであるので、これにより、図3A及び図3Bに示すように、例えば第1PINダイオード28aのオン時において、第1λ/4伝送路24aのGND側にオン抵抗Roのみが接続され、第1PINダイオード28aのオフ時において、第1λ/4伝送路24aのGND側にオフ抵抗Rfのみが接続された形態となるため、第1PINダイオード28aのオン時とオフ時の第1λ/4伝送路24aの共振周波数はずれることがない。
従って、この第1アンテナスイッチ10Aにおいては、第1λ/4伝送路24a、第2λ/4伝送路24b及び第3λ/4伝送路24cの各位相特性に誤差は発生せず、スイッチ回路のオン時の通過帯域とオフ時のアイソレーション帯域を一致させることができる。つまり、アンテナスイッチとして使用する帯域において、オン時の通過損失の最小化、オフ時のアイソレーションの最大化を適切に設定することができる。結果的に、スイッチ回路に伴う伝送信号に対する損失を低減することができると共に、スイッチ回路のオフ時の減衰量を適切に確保することができる。
次に、第1アンテナスイッチ10Aの変形例について図8及び図9を参照しながら説明する。
先ず、第1の変形例に係る第1aアンテナスイッチ10Aaは、図8に示すように、第1λ/4伝送路24a〜第3λ/4伝送路24cの各特性インピーダンスZo2が第1λ/4信号伝送路18a〜第3λ/4信号伝送路18cの各特性インピーダンスZo1(例えば50オーム)よりも低く設定されている(Zo1>Zo2)。
この第1aアンテナスイッチ10Aaの作用は上述した式(e)に基づいて説明することができる。
すなわち、例えば第1PINダイオード28aをオフにした場合を考えたとき、オフ抵抗Rf=Z(L)=10kオーム、第1λ/4伝送路24aの特性インピーダンスZo=50オームとした場合、第1λ/4伝送路24aにおける第1信号ライン側の端部のインピーダンスZ(0)は、Z(0)=0.25オームとなる。
この第1aアンテナスイッチ10Aaでは、第1λ/4伝送路24aの特性インピーダンスが第1λ/4信号伝送路18aの特性インピーダンス(この場合、50オーム)よりも低く設定されていることから、第1λ/4伝送路24aの特性インピーダンスZo=25オームとしたとき、第1信号ライン側の端部のインピーダンスZ(0)は、Z(0)=0.0625オームとなる。
つまり、第1λ/4伝送路24aにおける第1信号ライン34a側の端部のインピーダンスは、第1λ/4伝送路24aの特性インピーダンスZo2と第1λ/4信号伝送路18aの特性インピーダンスZo1が同じ場合のときよりも小さくなる。すなわち、理想的な短絡状態に近づくことになる。
これにより、第1aアンテナスイッチ10Aaにおいては、第1PINダイオード28a〜第3PINダイオード28cのオフ時におけるアイソレーション、特に、アンテナ接続端子14と送信用端子16間のアイソレーション又はアンテナ接続端子14と受信用端子20間のアイソレーションを拡大することができ、送信時の受信信号及び受信時の送信信号を効率よく遮断することが可能となる。しかも、受信側のオフ時のインピーダンスを、理想とする終端抵抗Reの値、例えば50オームにより近づけることができ、受信用端子20に接続される受信アンプの動作をより安定にさせることができる。
次に、第2の変形例に係る第1bアンテナスイッチ10Abは、図9に示すように、第1λ/4伝送路24a〜第3λ/4伝送路24cの各特性インピーダンスZo2が第1λ/4信号伝送路18a〜第3λ/4信号伝送路18cの各特性インピーダンスZo1(例えば50オーム)よりも高く設定されている(Zo1<Zo2)。
この第1bアンテナスイッチ10Abの作用も上述した式(e)に基づいて説明することができる。
すなわち、例えば第1PINダイオード28aをオンにした場合を考えたとき、オン抵抗Ro=Z(L)=1オーム、第1λ/4伝送路24aの特性インピーダンスZo=50オームとした場合、第1λ/4伝送路24aにおける第1信号ライン側の端部のインピーダンスZ(0)は、Z(0)=2500オームとなる。
この第1bアンテナスイッチ10Abでは、第1λ/4伝送路24aの特性インピーダンスが第1λ/4信号伝送路18aの特性インピーダンス(この場合、50オーム)よりも高く設定されていることから、第1λ/4伝送路24aの特性インピーダンスZo=100オームとしたとき、第1信号ライン側の端部のインピーダンスZ(0)は、Z(0)=10000オームとなる。
つまり、第1λ/4伝送路24aにおける第1信号ライン34a側の端部のインピーダンスは、第1λ/4伝送路24aの特性インピーダンスZo2と第1λ/4信号伝送路18aの特性インピーダンスZo1が同じ場合のときよりも高くなる。すなわち、理想的な開放状態に近づくことになる。
これにより、第1bアンテナスイッチ10Abにおいては、第1PINダイオード28a〜第3PINダイオード28cのオン時における通過損失、特に、アンテナ接続端子14と送信用端子16間の通過損失又はアンテナ接続端子14と受信用端子20間の通過損失を最小にすることができ、送信信号及び受信信号を効率よく伝達することが可能となる。しかも、受信側のオフ時のインピーダンスを、理想とする終端抵抗Reの値、例えば50オームにより近づけることができ、受信用端子20に接続される受信アンプの動作をより安定にさせることができる。
上述のように、第1aアンテナスイッチ10Aaは、PINダイオードがオフとされた信号ラインのアイソレーションを拡大するのに有利であり、第1bアンテナスイッチ10Abは、PINダイオードがオンとされた信号ラインの通過損失を低減するのに有利であることから、どの構成を採用するかは、要請、仕様等に応じて決定すればよい。
次に、第2の実施の形態に係るアンテナスイッチ(以下、第2アンテナスイッチ10Bと記す)について図10を参照しながら説明する。
この第2アンテナスイッチ10Bは、図10に示すように、上述した第1アンテナスイッチ10Aとほぼ同様の構成を有するが、以下の点で異なる。
すなわち、アンテナ接続端子14と送信用端子16との間に2つの第1λ/4信号伝送路18aが接続され、アンテナ接続端子14と受信用端子20との間に2つの第2λ/4信号伝送路18bと1つの第3λ/4信号伝送路18cが接続されている。
また、各第1λ/4信号伝送路18aに対応してそれぞれ第1スイッチ回路22aが接続され、同様に、各第2λ/4信号伝送路18bに対応してそれぞれ第2スイッチ回路22bが接続され、第3λ/4信号伝送路18cに対応して第3スイッチ回路22cが接続されている。
さらに、第1スイッチ回路22aの第1並列共振回路26aに複数の第1PINダイオード28aが並列に接続され、第2スイッチ回路22bの第2並列共振回路26bに複数の第2PINダイオード28bが並列に接続され、第3スイッチ回路22cの第3並列共振回路26cに複数の第3PINダイオード28cが並列に接続されている。
この場合も、第1並列共振回路26aの第1インダクタ30aの定数を調整して、第1PINダイオード28aのオフ時の第1並列共振回路26aの共振周波数と第2アンテナスイッチ10Bの中心周波数とが同じになるようにしている。同様に、第2並列共振回路26b及び第3並列共振回路26cの第2インダクタ30b及び第3インダクタ30cの各定数を調整して、第2PINダイオード28b及び第3PINダイオード28cのオフ時の第2並列共振回路26b及び第3並列共振回路26cの各共振周波数と第2アンテナスイッチ10Bの中心周波数とが同じになるようにしている。
従って、例えば第1スイッチ回路22aがオン、すなわち、複数の第1PINダイオード28aがすべてオンになると、第1接点a1とGND間の抵抗は、1つのオン抵抗よりも低い抵抗が接続された形となる。従って、上述した式(e)からもわかるように、第1λ/4伝送路24aにおける第1信号ライン34a側の端部のインピーダンスは、1つのオン抵抗の場合よりも高いインピーダンスとなる。すなわち、理想的な開放状態に近づくことになる。
逆に、第1スイッチ回路22aがオフ、すなわち、複数の第1PINダイオード28aがすべてオフになると、結果的に第1接点a1とGND間には高抵抗であるオフ抵抗のみが接続された形となる。従って、第1λ/4伝送路24aにおける第1信号ライン34a側の端部のインピーダンスは、上述した(e)式からもわかるように、高抵抗に応じた低いインピーダンスになる。つまり、信号伝送時のスイッチ回路の通過損失をより低減することができる。
この第2アンテナスイッチ10Bにおいても、上述した第1aアンテナスイッチ10Aaや第1bアンテナスイッチ10Abと同様の構成を採用するようにしてもよい。
また、上述の例では、第1信号ライン34aに2つの第1λ/4信号伝送路18aを直列に接続し、第2信号ライン34bに2つの第2λ/4信号伝送路18bを直列に接続した例を示したが、その他、第1信号ライン34aに3つ以上の第1λ/4信号伝送路18aを直列に接続し、第2信号ライン34bに3つ以上の第2λ/4信号伝送路18bを直列に接続するようにしてもよい。
また、上述のように、スイッチ回路を多段に配した場合、第1信号ライン34a側及び第2信号ライン34b側におけるそれぞれ少なくとも1つずつのスイッチ回路を除いて、並列共振回路を省略することも可能である。並列共振回路を省略したスイッチ回路においてはλ/4伝送路の位相特性に誤差が発生するが、λ/4伝送路の特性インピーダンスを調整することで、損失低減を図ることができると共に、回路の簡素化に有利であることから、どの構成を採用するかは、要請、仕様等に応じてすればよい。
次に、第3の実施の形態に係るアンテナスイッチ(以下、第3アンテナスイッチ10Cと記す)について図11を参照しながら説明する。
この第3アンテナスイッチ10Cは、上述した第1アンテナスイッチ10Aとほぼ同様の構成を有するが、以下の点で異なる。
すなわち、第1λ/4信号伝送路18aと送信用端子16との間に接続された1つの第4λ/4信号伝送路18dと、該第4λ/4信号伝送路18dに対して並列に接続された第4スイッチ回路22dとを有する。
第4スイッチ回路22dは、第4λ/4信号伝送路18dとキャパシタC1との間の信号ラインとGND(グランド)間に接続され、1つの第4λ/4伝送路24dと第4並列共振回路26dとが第4接点a4で直列に接続された直列回路を有する。
第4並列共振回路26dは、第4接点a4とGND間に接続された1つの第4PINダイオード28dと、第4接点a4と第1制御端子Tc1間に接続された第4インダクタ30dと、第1制御端子Tc1とGND間に接続された第4キャパシタCdとを有する。この第4キャパシタCdは、第4PINダイオード28dをオン/オフする電流を阻止するためのコンデンサとして働く。
さらに、第4スイッチ回路22dは、第4PINダイオード28dに対して、送信用終端形成用抵抗RtとコンデンサCtの直列回路が並列に接続されている。
つまり、この第4スイッチ回路22dは、受信側の第3スイッチ回路22cと同様の構成を有する。
従って、例えば第1制御端子Tc1に順バイアス電圧Vc1が印加されて第1PINダイオード28a及び第4PINダイオード28dがオン、第2制御端子Tc2に逆バイアス電圧Vc2が印加されて第2PINダイオード28b及び第3PINダイオード28cがオフになると、図6に示すような等価回路となり、送信用端子16のみがアンテナ接続端子14に高周波的に接続され、受信用端子20には例えば50オームの終端抵抗が接続されることになる。この場合、オフ時の受信側のインピーダンスが終端抵抗Reの値、例えば50オームとなって、他の回路とインピーダンスの整合をとることができ、受信用端子20に接続される受信アンプの動作を安定にさせることができる。
上述とは反対に、第1制御端子Tc1に逆バイアス電圧Vc2が印加されて第1PINダイオード28a及び第4PINダイオード28dがオフ、第2制御端子Tc2に順バイアス電圧Vc1が印加されて第2PINダイオード28b及び第3PINダイオード28cがオンになると、図12に示すような等価回路となり、受信用端子20のみがアンテナ接続端子14に高周波的に接続され、送信用端子16には例えば50オームの終端抵抗Reが接続されることになる。この場合、オフ時の送信側のインピーダンスが終端抵抗Reの値、例えば50オームとなって、他の回路とインピーダンスの整合をとることができる。
この第3アンテナスイッチ10Cにおいても、上述した第1aアンテナスイッチ10Aa、第1bアンテナスイッチ10Ab並びに第2アンテナスイッチ10Bと同様の構成を採用することができる。
以上、上述した実施の形態では、動作周波数帯の中心周波数foを主体に説明したが、実際には、動作周波数帯域に含まれる各周波数で、上述した効果があることはもちろんである。
次に、第4の実施の形態に係るアンテナスイッチ(以下、第4アンテナスイッチ10Dと記す)について図13を参照しながら説明する。
この第4アンテナスイッチ10Dは、上述した第1アンテナスイッチ10Aとほぼ同様の構成を有するが、第1スイッチ回路22a〜第3スイッチ回路22cの構成が以下の点で異なる。
すなわち、第1スイッチ回路22aは、第1λ/4伝送路24aとGND間に第1PINダイオード28aと第1キャパシタCaとの直列回路が接続され、第1PINダイオード28aと第1キャパシタCaとの接点に第1制御端子Tc1が接続されて構成されている。
第2スイッチ回路22bは、第2λ/4伝送路24bとGND間に第2PINダイオード28bと第2キャパシタCbとの直列回路が接続され、第2PINダイオード28bと第2キャパシタCbとの接点に第2制御端子Tc2が接続されて構成されている。
第3スイッチ回路22cは、第3λ/4伝送路24cとGND間に第3PINダイオード28cと第3キャパシタCcとの直列回路が接続され、第3PINダイオード28cと第3キャパシタCcとの接点に第2制御端子Tc2が接続され、さらに、第3PINダイオード28cのカソードとGND間に受信側終端形成用抵抗Rrが接続されて構成されている。
従って、例えば第1制御端子Tc1に順バイアス電圧Vc1が印加されて第1PINダイオード28aがオン、第2制御端子Tc2に逆バイアス電圧Vc2が印加されて第2PINダイオード28b及び第3PINダイオード28cがオフになると、図6に示すような等価回路となり、送信用端子16のみがアンテナ接続端子14に高周波的に接続され、受信用端子には例えば50オームの終端抵抗Reが接続されることになる。この場合、オフ時の受信側のインピーダンスが終端抵抗Reの値、例えば50オームとなって、他の回路とインピーダンスの整合をとることができ、受信用端子20に接続される受信アンプの動作を安定にさせることができる。
上述とは反対に、第1制御端子Tc1に逆バイアス電圧Vc2が印加されて第1PINダイオード28aがオフ、第2制御端子Tc2に順バイアス電圧Vc1が印加されて第2PINダイオード28b及び第3PINダイオード28cがオンになると、図7に示すような等価回路となり、受信用端子20のみがアンテナ接続端子14に高周波的には接続されることになる。
この第4アンテナスイッチ10Dでは、第1PINダイオード28aのオフ時における中心周波数fo付近の等価回路は、図3Bのようにはならず、図2Bのように、寄生容量Cfが残り、これにより、共振周波数が低域側にずれてしまい、性能的には第1アンテナスイッチ10Aよりも劣ることになるが、構造が簡単であることから、性能よりも小型化、低コストを望む場合に有効である。
また、第4アンテナスイッチ10Dにおいても、上述した第1aアンテナスイッチ10Aa、第1bアンテナスイッチ10Ab、第2アンテナスイッチ10B及び第3アンテナスイッチ10Cと同様の構成を採用することも可能である。
なお、本発明に係る高周波スイッチは、上述の実施の形態に限らず、本発明の要旨を逸脱することなく、種々の構成を採り得る。
第1アンテナスイッチの構成を示す回路図である。 図2Aは第1アンテナスイッチにおいて、第1PINダイオードをオンにしたときの第1スイッチ回路の等価回路を示す図であり、図2Bは第1PINダイオードをオフにしたときの第1スイッチ回路の等価回路を示す図である。 図3Aは第1PINダイオードのオン時における中心周波数付近の第1スイッチ回路の等価回路を示す図であり、図3Bは第1PINダイオードのオフ時における中心周波数付近の第1スイッチ回路の等価回路を示す図である。 伝送線路の入力側と出力側のインピーダンスの関係を説明するための図である。 図5Aは第1アンテナスイッチにおいて、第3PINダイオードをオンにしたときの第3スイッチ回路の等価回路を示す図であり、図5Bは第3PINダイオードをオフにしたときの第3スイッチ回路の等価回路を示す図である。 第1アンテナスイッチにおいて、第1スイッチ回路をオン、第2スイッチ回路及び第3スイッチ回路をオフにしたときの等価回路を示す図である。 第1アンテナスイッチにおいて、第1スイッチ回路をオフ、第2スイッチ回路及び第3スイッチ回路をオンにしたときの等価回路を示す図である。 第1aアンテナスイッチの構成を示す回路図である。 第1bアンテナスイッチの構成を示す回路図である。 第2アンテナスイッチの構成を示す回路図である。 第3アンテナスイッチの構成を示す回路図である。 第3アンテナスイッチにおいて、第1スイッチ回路及び第4スイッチ回路をオフ、第2スイッチ回路及び第3スイッチ回路をオンにしたときの等価回路を示す図である。 第4アンテナスイッチの構成を示す回路図である。 高周波スイッチを利用した第1送受信方式を示す説明図である。 高周波スイッチを利用した第2送受信方式を示す説明図である。
符号の説明
10A、10Aa、10Ab、10B〜10D…アンテナスイッチ
14…アンテナ接続端子
16…送信用端子
18a〜18d…第1λ/4信号伝送路〜第4λ/4信号伝送路
20…受信用端子
22a〜22d…第1スイッチ回路〜第4スイッチ回路
24a〜24d…第1λ/4伝送路〜第4λ/4伝送路
26a〜26d…第1並列共振回路〜第4並列共振回路
28a〜28d…第1PINダイオード〜第4PINダイオード
Rr…受信側終端形成用抵抗
Rt…送信側終端形成用抵抗

Claims (5)

  1. 動作周波数帯の中心周波数がfo、該中心周波数foに対応する波長がλである高周波スイッチにおいて、
    送信端子からの送信信号を伝送させる第1λ/4信号伝送路と、受信信号を受信端子に伝送させる第2λ/4信号伝送路との接続点がアンテナ端子であり、
    前記第1λ/4信号伝送路と接地間に接続された第1スイッチ回路と、
    前記第2λ/4信号伝送路と接地間に接続された第2スイッチ回路と、
    少なくとも前記受信端子と前記第2λ/4信号伝送路との間に接続された第3λ/4信号伝送路と接地間に接続された第3スイッチ回路と、
    前記第1スイッチ回路は、第1λ/4伝送路と、該第1λ/4伝送路と接地間に直列に接続された1以上の第1PINダイオードを含む並列共振回路とを有し、
    前記第2スイッチ回路は、第2λ/4伝送路と、該第2λ/4伝送路と接地間に直列に接続された1以上の第2PINダイオードを含む並列共振回路とを有し、
    前記第3スイッチ回路は、第3λ/4伝送路と、該第3λ/4伝送路と接地間に直列に接続された1以上の第3PINダイオードを含む並列共振回路と、前記第3PINダイオードに対して並列に接続された終端形成用抵抗とを有し、
    各前記並列共振回路は、対応する前記PINダイオードのオフ時の共振周波数と前記中心周波数foとが同じになるように定数が設定されていることを特徴とする高周波スイッチ。
  2. 請求項1記載の高周波スイッチにおいて、
    さらに、前記送信端子と前記第1λ/4信号伝送路との間に接続された第4λ/4信号伝送路と接地間に接続された第4スイッチ回路を有し、
    前記第4スイッチ回路は、第4λ/4伝送路と、該第4λ/4伝送路と接地間に直列に接続された1以上の第4PINダイオードを含む並列共振回路と、前記第4PINダイオードに対して並列に接続された終端形成用抵抗とを有し、
    前記第4PINダイオードを含む前記並列共振回路は、前記第4PINダイオードのオフ時の共振周波数と前記中心周波数foとが同じになるように定数が設定されていることを特徴とする高周波スイッチ。
  3. 請求項1又は2記載の高周波スイッチにおいて、
    前記並列共振回路は、複数のPINダイオードを含むことを特徴とする高周波スイッチ。
  4. 請求項1〜のいずれか1項に記載の高周波スイッチにおいて、
    前記λ/4伝送路の特性インピーダンスが前記λ/4信号伝送路の特性インピーダンスよりも低いことを特徴とする高周波スイッチ。
  5. 請求項1〜のいずれか1項に記載の高周波スイッチにおいて、
    前記λ/4伝送路の特性インピーダンスが前記λ/4信号伝送路の特性インピーダンスよりも高いことを特徴とする高周波スイッチ。
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