JP5001151B2 - 1−ベンジル−4−[(5,6−ジメトキシ−1−インダノン)−2−イリデン]メチルピペリジンの製造法 - Google Patents
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Description
で表される1−ベンジル−4−[(5,6−ジメトキシ−1−インダノン)−2−イリデン]メチルピペリジンは公知化合物であり、式(II)
で表される1−ベンジル−4−ホルミルピペリジンと式(III)
で表される5,6−ジメトキシ−1−インダノンとを、塩基の存在下に反応させることにより製造できることが知られている(例えば、特許文献1、特許文献2および特許文献3参照)。
上記反応スキームにおいては、一般式(XXIII)で表される置換または無置換のインダノンなどの化合物と一般式(XX)で表されるアルデヒド体を、常法によりアルドール縮合を行い、目的物質の一つである一般式(XXI)の化合物が製造される。具体的には、特許文献1には、一般式(XXI)の化合物は、テトラヒドロフランなどの溶媒中で、リチウムジイソプロピルアミドに約−80℃で一般式(XXIII)の化合物を加え、次いで一般式(XX)で表されるアルデヒド体を同温度で加えて反応させ、さらに室温まで昇温させることにより脱水させて製造することができ、また、一般式(XXI)の化合物は、一般式(XX)の化合物と一般式(XXIII)の化合物をテトラヒドロフランなどの溶媒に溶解し、約0℃にて、例えばナトリウムメチラートなどの塩基を加えて、室温にて反応させる方法によっても製造できることが記載されている(特許文献1の第17頁左上欄下から第2行目から第17頁右上欄下から第4行目)。
上記反応スキームにおいては、式(V)で表される5,6−ジメトキシインダノンと式(III)で表される1−ベンジル−4−ホルミルピペリジンとを常法によりアルドール縮合を行い、式(IV)の化合物が製造される。具体的には、特許文献2には、式(IV)の化合物は、リチウムジイソプロピルアミドを、例えばテトラヒドロフランなどの溶媒中で生成させ、約−80℃で式(V)で表される5,6−ジメトキシインダノンを加え、次いで式(III)で表される1−ベンジル−4−ホルミルピペリジンを同温で加えて反応させ、さらに室温まで昇温させることにより脱水させて、製造できたこと、また、式(IV)の化合物は、式(V)の化合物と式(III)の化合物をテトラヒドロフランなどの溶媒に溶解し、約0℃にて、例えばナトリウムメチラートなどの塩基を加えて、室温にて反応させる方法によっても製造できることが記載されている(特許文献2の第5頁左欄第1行目から第5頁右欄第6行目)。
また、特許文献2の製造例1(b)においては、無水テトラヒドロフランを反応溶媒として、−78℃でリチウムジイソプロピルアミドにインダノンを加え、次いで同温度でアルデヒドを加え、徐々に昇温し、室温にて撹拌下反応を行う例が記載されている(特許文献2の第8頁左欄第8行目から第15行目)。
上記反応スキームにおいては、1−インダノン誘導体(I)をアルカリ金属アルコキシド(II)の存在下に、1−ベンジル−4−ホルミルピペリジン(III)と反応させることによる1−ベンジル−4−[(1−インダノン)−2−イリデン]メチルピペリジン誘導体(IV)が製造される。具体的には、特許文献3には、1−インダノン誘導体(I)および1−ベンジル−4−ホルミルピペリジン(III)を含む各種の不活性有機溶媒中、室温以上で、アルカリ金属アルコキシドを添加又は滴下し、さらに室温乃至70℃で反応させることが記載されている(特許文献3の第4頁第21段落)。
で表される化合物を含む副生成物が生成するため、次ぎの反応に付すためにカラムクロマトグラフィーや再結晶等の公知の精製手段が必要とされている。
これらの副生成物の内、特に式(a)の化合物は、粗製の式(I)の化合物をカラムクロマトグラフィーや再結晶等の精製手段に付することによっても、除去することが極めて困難な化合物である。しかも次工程の接触水素化において式(a)の化合物は反応が進行しにくく、不純物としてそのまま残ってしまう。
特許文献3においては、反応液に水を加えるか、あるいは反応液を冷却した後に目的物を単離しているため、得られる式(I)の化合物の純度が必ずしも十分ではなく、さらに精製を行うことは、収量の減少や操作の煩雑をきたすことになる。
従って、副生成物の生成がより低減され、かつ操作が簡便で工業生産に適した、式(I)の化合物の製造方法が求められている。
1)式(III)
で表される5,6−ジメトキシ−1−インダノンと式(II)
で表される1−ベンジル−4−ホルミルピペリジンとを、溶媒中、塩基存在下で反応させ、次いで目的物を高温度域の反応混合物から徐々に晶出させることを特徴とする、式(I)
で表される1−ベンジル−4−[(5,6−ジメトキシ−1−インダノン)−2−イリデン]メチルピペリジンまたはその溶媒和物の製造法;
2)溶媒が、メタノール、エタノール、2−プロパノール、テトラヒドロフラン、1,2−ジメトキシエタン、トルエンおよびこれらの混合溶媒からなる群から選択される溶媒である上記1)に記載の製造法;
3)溶媒が、メタノール、エタノール、テトラヒドロフラン、トルエンまたはこれらの混合溶媒である上記1)および2)のいずれかに記載の製造法;
4)溶媒が、メタノールまたはエタノールである上記1)から3)のいずれかに記載の製造法;
5)溶媒がテトラヒドロフランである上記1)から3)のいずれかに記載の製造法;
6)溶媒がメタノールおよびトルエンの混合溶媒であって、メタノール:トルエンの混合比が8:2から2:8である上記1)から3)のいずれかに記載の製造法;
7)溶媒がエタノールおよびトルエンの混合溶媒であって、エタノール:トルエンの混合比が8:2から2:8である上記1)から3)のいずれかに記載の製造法;
8)塩基がアルカリ金属水酸化物またはアルカリ金属アルコキシドである上記1)から7)のいずれかに記載の製造法;
9)塩基が水酸化ナトリウムまたはナトリウムメトキシドである上記1)から8)のいずれかに記載の製造法;
10)塩基がナトリウムメトキシドである上記1)から9)のいずれかに記載の製造法;
11)反応温度が20℃から反応溶媒の還流温度である上記1)から10)のいずれかに記載の製造法;
12)目的物を高温度域の反応混合物から徐々に晶出させることにより、目的物の異性体の生成を低減させて、式(I)の化合物またはその溶媒和物を得る、上記1)から11)のいずれかに記載の製造法;
13)目的物の異性体が、式(a)または式(b)
で表される化合物である上記12)に記載の製造法;
14)高温度域が20から80℃である上記1)から13)のいずれかに記載の製造法;
15)反応混合物を、高温度域の反応温度から低温度域まで徐々に冷却して目的物を晶出させる上記1)から14)のいずれかに記載の製造法;
16)高温度域の反応温度から低温度域への冷却速度が、1℃/1時間から30℃/1時間である上記15)に記載の製造法;
17)反応混合物を、高温度域に維持して目的物を晶出させ、次いで低温度域まで徐々に冷却して更に晶出させる上記1)から14)のいずれかに記載の製造法;
18)高温度域から低温度域への冷却速度が、1℃/1時間から60℃/1時間である上記17)に記載の製造法。
式(I)の化合物、式(II)の化合物および式(III)の化合物はいずれも公知であり、たとえば特許文献1、2または3に記載の方法で、製造することができる。また式(III)の化合物は、例えば、アルドリッチ社(Aldrich:14,782−6)の市販品を利用することもできる。
溶媒の使用量は、適宜増減することができるが、構造式(III)の化合物に対して、例えば5から30倍容量が好ましく、特に8から20倍容量が好ましく、10から14倍容量が最も好適である。
塩基の使用量は、適宜増減することができ、式(III)の化合物に対して、例えば0.6から1.8当量が好ましく、特に1.0から1.4当量が好ましく、1.1から1.3当量が最も好適である。
(1)方法A
本方法は、反応混合物を反応温度から低温度域まで徐々に冷却することによって、高温度域で式(I)の化合物またはその溶媒和物の結晶を析出させ、高温度域における結晶の析出に十分な時間を確保させるものである。反応混合物の冷却速度は、適宜増減することができ、具体的には、例えば1℃/1時間から30℃/1時間、好ましくは3℃/1時間から20℃/1時間、特に5℃/1時間から10℃/1時間が好適である。
(2)方法B
本方法は、反応混合物を一定の高温度域で式(I)の化合物またはその溶媒和物の結晶を十分に析出させ、その後徐々に低温度域まで冷却することによって晶出を熟成させるものである。高温度域とは、上記の温度域を示し、十分に析出させる時間は、適宜増減することができ、具体的には、例えば10分から4時間、好ましくは20分から2時間、特に30分から1時間が好適である。析出終了後、反応混合物を低温度域まで徐々に冷却する。反応混合物の冷却速度は、具体的には、例えば1℃/1時間から60℃/1時間、好ましくは1℃/1時間から30℃/1時間、特に5℃/1時間から10℃/1時間が好適である。
縮合反応が終了した際には、式(I)の化合物と式(a)の化合物に代表される異性体は平衡状態にあり、反応溶媒などの反応条件によって異なるが一定の存在比を示す。高温度域の反応混合物中から徐々に結晶化することにより、まず反応混合物中の主成分である式(I)の化合物が晶出する。次に残った溶液相において上記平衡状態がシフトし、式(a)の化合物および式(b)の化合物が式(I)の化合物へと異性化し、さらに式(I)の化合物またはその溶媒和物として晶出する。この晶出−異性化のサイクルを繰り返しながら徐々に冷却することにより、反応混合物中のこれら副生成物の総量を低下させることができる。このように異性化が可能な高温度域の反応混合物から徐々に晶出させることにより、最終的に得られる式(I)の化合物またはその溶媒和物の純度および収率を向上させることができる。
きる。また式(I)の化合物またはその溶媒和物は、反応混合物から濾過した後、そのまま次反応に用いることができるが、乾燥を行う場合には、使用した反応溶媒によって異なるが、例えば20から110℃、好ましくは30から60℃の温度で、例えば1から48時間、好ましくは2から24時間行う。
メタノールとトルエンの混合溶媒およびナトリウムメトキシドを用い、方法Aによる1−ベンジル−4−[(5,6−ジメトキシ−1−インダノン)−2−イリデン]メチルピペリジンの製造
50mL四頚フラスコに5,6−ジメトキシ−1−インダノン2.0g(10.4mmol)、1−ベンジル−4−ホルミルピペリジン2.5g(12.3mmol,1.2当量)および混合溶媒(メタノール:トルエン=16:14)24mlを仕込み、系内を窒素置換後、28%−ナトリウムメトキシド/メタノール溶液2.4g(12.4mmol,1.2当量)を64℃で反応液に投入した。投入終了後、1時間還流のまま攪拌を継続して反応を完了させた。その後、結晶が析出(析出温度45℃)するまで反応液を空冷し、析出後、冷却(冷却速度18℃/1時間)して、5℃で析出している結晶を濾取した。濾取した結晶を水(30ml)およびメタノール6mLで洗浄し、50℃(1時間20分間)と110℃(1時間10分間)で乾燥して標題化合物の結晶3.53gを得た(収率89.9%)。
1H−NMR(400MHz,CDCl3) δ(ppm)=1.60−1.72(4H, m)、 2.03−2.09(2H, m)、 2.29−2.37(1H, m)、 2.92−2.95(2H, m)、 3.53(2H, s)、 3.60(2H, d, J=2Hz)、 3.93(3H, s)、 3.98(3H, s)、 6.67(1H, dt, J=10, 2Hz)、 6.90(1H, s)、 7.25−7.34(6H, m)
メタノールとトルエンの混合溶媒およびナトリウムメトキシドを用い、方法Aによる1−ベンジル−4−[(5,6−ジメトキシ−1−インダノン)−2−イリデン]メチルピペリジン 1/2トルエン溶媒和物の製造
実施例1と同様に,ただし結晶の乾燥を50℃(1時間20分間)で行った。
1H−NMR(400MHz,CDCl3) δ(ppm)=1.58−1.72(4H, m)、 2.03−2.09(2H, m)、 2.28−2.38(2.5H, m)、 2.91−2.94(2H, m)、 3.53(2H, s)、 3.59(2H, d, J=2Hz)、 3.93(3H, s)、 3.97(3H, s)、 6.67(1H, dt, J=10, 2Hz), 6.90(1H, s)、 7.13−7.33(8.5H, m)
この結晶のTG−DTA(示差熱熱重量同時測定装置)において、100℃付近で吸熱ピークとともに、1/2トルエンに相当する重量減少を認めた。また、この結晶と、さらに110℃(1時間10分間)で乾燥した結晶は、粉末X線回析において異なるパターンを示した。
メタノールおよびナトリウムメトキシドを用い、方法Bによる1−ベンジル−4−[(5,6−ジメトキシ−1−インダノン)−2−イリデン]メチルピペリジンの製造
100mL四頚フラスコに5,6−ジメトキシ−1−インダノン2.0g(10.4mmol)、1−ベンジル−4−ホルミルピペリジン2.5g(12.3mmol,1.2当量)およびメタノール30mLを仕込み、系内を窒素置換後、28%−ナトリウムメトキシド/メタノール溶液2.4g(12.4mmol,1.2当量)を還流(66℃)下で反応液に投入した。投入終了後、1時間還流のまま攪拌を継続して反応を完了させ、結晶を析出させた。投入後2分で結晶が析出(析出温度66℃)した。反応液を氷水で5℃まで冷却(冷却速度26℃/1時間)して、析出している結晶を濾取した。濾取した結晶を水(30ml)およびメタノール6mLで洗浄し、50℃で乾燥して(乾燥時間:1時間30分)標題化合物の結晶3.69gを得た(収率93.9%)。1H−NMRデータは、実施例1のそれと一致した。
メタノールとトルエンの混合溶媒およびナトリウムメトキシドを用い、方法Aにより1−ベンジル−4−[(5,6−ジメトキシ−1−インダノン)−2−イリデン]メチルピペリジンの製造
50mL四頚フラスコに5,6−ジメトキシ−1−インダノン2.0g(10.4mmol)、1−ベンジル−4−ホルミルピペリジン2.5g(12.3mmol,1.2当量)および混合溶媒(メタノール:トルエン=16:14)24mLを仕込み、系内を窒素置換後、28%−ナトリウムメトキシド/メタノール溶液2.4g(12.4mmol,1.2当量)を61℃で反応液に投入した。投入終了後、1時間54−63℃で攪拌を継続して反応を完了させた。その後、結晶が析出(析出温度50℃)するまで反応液を空冷し、結晶析出後、冷却(冷却速度25℃/1時間)して、6℃で析出している結晶を濾取した。濾取した結晶を水(30ml)およびメタノール6mLで洗浄し、50℃で乾燥して(乾燥時間:3時間10分)標題化合物の結晶3.24gを得た(収率82.5%)。1H−NMRデータは、実施例1のそれと一致した。
メタノールとトルエンとの混合溶媒およびナトリウムメトキシドを用い、方法Bによる1−ベンジル−4−[(5,6−ジメトキシ−1−インダノン)−2−イリデン]メチルピペリジンの製造
50mL四頚フラスコに5,6−ジメトキシ−1−インダノン2.0g(10.4mmol)、1−ベンジル−4−ホルミルピペリジン2.5g(12.3mmol,1.2当量)および混合溶媒(メタノール:トルエン=16:14)24mLを仕込み、系内を窒素置換後、28%−ナトリウムメトキシド/メタノール溶液2.4g(12.4mmol,1.2当量)を50℃で反応液に投入した。投入後、1時間45−53℃で攪拌を継続して反応を完了させ、結晶を析出させた。結晶は、投入後47分で析出(析出温度48℃)した。1時間45−53℃での攪拌継続の後、反応液を冷却(冷却速度22℃/1時間)して、3℃で析出している結晶を濾取した。濾取した結晶を水(30mL)およびメタノール6mLで洗浄し、50℃で乾燥して(乾燥時間:3時間10分)標題化合物の結晶3.17gを得た(収率80.7%)。1H−NMRデータは、実施例1のそれと一致した。
メタノールとトルエンとの混合溶媒およびナトリウムメトキシドを用い、方法Bによる1−ベンジル−4−[(5,6−ジメトキシ−1−インダノン)−2−イリデン]メチルピペリジンの製造
50mL四頚フラスコに5,6−ジメトキシ−1−インダノン2.0g(10.4mmol)、1−ベンジル−4−ホルミルピペリジン2.5g(12.3mmol,1.2当量)および混合溶媒(メタノール:トルエン=16:14)24mlを仕込み、系内を窒素置換後、28%−ナトリウムメトキシド/メタノール溶液2.4g(12.4mmol,1.2当量)を28℃で反応液に投入した。投入終了後、4時間31分間23−30℃で攪拌を継続して反応を完了させ、結晶を析出させた。結晶は投入後1時間で析出(析出温度26℃)した。4時間31分間23−30℃での攪拌継続の後、反応液を氷冷(冷却速度18℃/1時間)して、7℃で析出している結晶を濾取した。濾取した結晶を水(30ml)およびメタノール6mLで洗浄し、50℃で乾燥して(乾燥時間:1時間23分)標題化合物の結晶2.96gを得た(収率75.4%)。1H−NMRデータは、実施例1のそれと一致した。
テトラヒドロフランおよびナトリウムメトキシドを用い、方法Aによる1−ベンジル−4−[(5,6−ジメトキシ−1−インダノン)−2−イリデン]メチルピペリジンの製造
50mL四頚フラスコに5,6−ジメトキシ−1−インダノン2.0g(10.4mmol)、1−ベンジル−4−ホルミルピペリジン2.5g(12.3mmol,1.2当量)およびテトラヒドロフラン30mLを仕込み、系内を窒素置換後、28%−ナトリウムメトキシド/メタノール溶液2.4g(12.4mmol,1.2当量)を還流(63℃)下で反応液に投入した。投入終了後、1時間還流のまま攪拌を継続して反応を完了させた。その後、反応液を4℃まで冷却(冷却速度30℃/1時間)した。結晶は28℃で析出した。析出している結晶を濾取し、結晶を水(30ml)およびメタノール6mLで洗浄し、50℃で乾燥して(乾燥時間:2時間40分)標題化合物の結晶2.72gを得た(収率69.3%)。1H−NMRデータは、実施例1のそれと一致した。
エタノールおよびナトリウムメトキシドを用い、方法Bによる1−ベンジル−4−[(5,6−ジメトキシ−1−インダノン)−2−イリデン]メチルピペリジンの製造
50mL四頚フラスコに5,6−ジメトキシ−1−インダノン2.0g(10.4mmol)、1−ベンジル−4−ホルミルピペリジン2.5g(12.3mmol,1.2当量)およびエタノール30mLを仕込み、系内を窒素置換後、28%−ナトリウムメトキシド/メタノール溶液2.4g(12.4mmol,1.2当量)を還流(79℃)下で反応液に投入した。投入終了後、1時間35分間還流のまま攪拌を継続して反応を完了させ、結晶を析出させた。結晶は還流中に析出した。その後、反応液を5℃まで冷却(冷却速度32℃/1時間)した。析出している結晶を濾取し、結晶を水(30mL)およびメタノール6mLで洗浄し、50℃で乾燥して(乾燥時間:2時間)標題化合物の結晶3.67gを得た(収率93.4%)。1H−NMRデータは、実施例1のそれと一致した。
エタノールとトルエンの混合溶媒およびナトリウムメトキシドを用い、方法Aによる1−ベンジル−4−[(5,6−ジメトキシ−1−インダノン)−2−イリデン]メチルピペリジンの製造
50mL四頚フラスコに5,6−ジメトキシ−1−インダノン2.0g(10.4mmol)、1−ベンジル−4−ホルミルピペリジン2.5g(12.3mmol,1.2当量)および混合溶媒(エタノール:トルエン=16:14)24mLを仕込み、系内を窒素置換後、28%−ナトリウムメトキシド/メタノール溶液2.4g(12.4mmol,1.2当量)を還流(79℃)下で反応液に投入した。投入終了後、1時間還流のまま攪拌を継続して反応を完了させた。その後、反応液を3℃まで冷却(冷却速度25℃/1時間)した。結晶は46℃で析出した。結晶を濾取し、結晶を水(30mL)およびメタノール6mLで洗浄し、50℃で乾燥して(乾燥時間:2時間)標題化合物の結晶3.24gを得た(収率82.5%)。1H−NMRデータは、実施例1のそれと一致した。
2−プロパノールおよびナトリウムメトキシドを用い、方法Bによる1−ベンジル−4−[(5,6−ジメトキシ−1−インダノン)−2−イリデン]メチルピペリジンの製造
50mL四頚フラスコに5,6−ジメトキシ−1−インダノン2.0g(10.4mmol)、1−ベンジル−4−ホルミルピペリジン2.5g(12.3mmol,1.2当量)および2−プロパノール30mLを仕込み、系内を窒素置換後、28%−ナトリウムメトキシド/メタノール溶液2.4g(12.4mmol,1.2当量)を内温60℃のときに反応液に投入した。投入終了後、1時間還流下(約80℃)攪拌を継続して反応を完了させ、結晶を析出させた。結晶は還流前に析出(析出温度70℃)した。その後、反応液を冷却(冷却速度33℃/1時間)して、7℃で析出している結晶を濾取した。濾取した結晶を水(30ml)およびメタノール6mLで洗浄し、50℃で乾燥して(乾燥時間:2時間)標題化合物の結晶3.07gを得た(収率78.2%)。1H−NMRデータは、実施例1のそれと一致した。
2−プロパノールとトルエンの混合溶媒およびナトリウムメトキシドを用い、方法Aによる1−ベンジル−4−[(5,6−ジメトキシ−1−インダノン)−2−イリデン]メチルピペリジンの製造
50mL四頚フラスコに5,6−ジメトキシ−1−インダノン2.0g(10.4mmol)、1−ベンジル−4−ホルミルピペリジン2.5g(12.3mmol,1.2当量)および混合溶媒(2−プロパノール:トルエン=16:14)24mLを仕込み、系内を窒素置換後、28%−ナトリウムメトキシド/メタノール溶液2.4g(12.4mmol,1.2当量)を還流(83℃)下で反応液に投入した。投入終了後、1時間2分間還流のまま攪拌を継続して反応を完了させた。その後、反応液を7℃まで冷却(冷却速度33℃/1時間)した。結晶は42℃で析出した。結晶を濾取し、結晶を水(30ml)およびメタノール6mLで洗浄し、50℃で乾燥して(乾燥時間:1時間20分)標題化合物の結晶2.87gを得た(収率73.1%)。1H−NMRデータは、実施例1のそれと一致した。
1−プロパノールおよびナトリウムメトキシドを用い、方法Bによる1−ベンジル−4−[(5,6−ジメトキシ−1−インダノン)−2−イリデン]メチルピペリジンの製造
50mL四頚フラスコに5,6−ジメトキシ−1−インダノン2.0g(10.4mmol)、1−ベンジル−4−ホルミルピペリジン2.5g(12.3mmol,1.2当量)および1−プロパノール30mLを仕込み、系内を窒素置換後、28%−ナトリウムメトキシド/メタノール溶液2.4g(12.4mmol,1.2当量)を内温71℃のときに反応液に投入した。投入終了後、1時間還流下(約90℃)攪拌を継続して反応を完了させ、結晶を析出させた。結晶は還流前に析出した。その後、反応液を冷却(冷却速度38℃/1時間)して、7℃で析出している結晶を濾取した。濾取した結晶を水(30mL)およびメタノール6mLで洗浄し、50℃で乾燥して(乾燥時間:2時間)標題化合物の結晶3.14gを得た(収率79.9%)。1H−NMRデータは、実施例1のそれと一致した。
1−プロパノールとトルエンの混合溶媒およびナトリウムメトキシドを用い、方法Aによる1−ベンジル−4−[(5,6−ジメトキシ−1−インダノン)−2−イリデン]メチルピペリジンの製造
50mL四頚フラスコに5,6−ジメトキシ−1−インダノン2.0g(10.4mmol)、1−ベンジル−4−ホルミルピペリジン2.5g(12.3mmol,1.2当量)および混合溶媒(1−プロパノール:トルエン=16:14)24mLを仕込み、系内を窒素置換後、28%−ナトリウムメトキシド/メタノール溶液2.4g(12.4mmol,1.2当量)を還流(95℃)下で反応液に投入した。投入終了後、1時間還流のまま攪拌を継続して反応を完了させた。その後、反応液を5℃まで冷却(冷却速度38℃/1時間)した。結晶は40℃で析出した。結晶を濾取し、結晶を水(30mL)およびメタノール6mLで洗浄し、50℃で乾燥して(乾燥時間:2時間40分)標題化合物の結晶2.51gを得た(収率63.9%)。1H−NMRデータは、実施例1のそれと一致した。
トルエンおよびナトリウムメトキシドを用い、方法Aによる1−ベンジル−4−[(5,6−ジメトキシ−1−インダノン)−2−イリデン]メチルピペリジンの製造
50mL四頚フラスコに5,6−ジメトキシ−1−インダノン2.0g(10.4mmol)、1−ベンジル−4−ホルミルピペリジン2.5g(12.3mmol,1.2当量)およびトルエン30mLを仕込み、系内を窒素置換後、28%−ナトリウムメトキシド/メタノール溶液2.4g(12.4mmol,1.2当量)を66℃で反応液に投入した。投入終了後、1時間還流(85℃)で攪拌を継続して反応を完了させた。その後、反応液を冷却(冷却速度31℃/1時間)して、5℃で析出している結晶を濾取した。なお、結晶は37℃で析出した。濾取した結晶を水(30mL)およびメタノール6mLで洗浄し、50℃で乾燥して(乾燥時間:2時間25分)標題化合物の結晶2.85gを得た(収率72.6%)。1H−NMRデータは、実施例1のそれと一致した。
テトラヒドロフランとトルエンの混合溶媒およびナトリウムメトキシドを用い、方法Aによる1−ベンジル−4−[(5,6−ジメトキシ−1−インダノン)−2−イリデン]メチルピペリジンの製造
50mL四頚フラスコに5,6−ジメトキシ−1−インダノン2.0g(10.4mmol)、1−ベンジル−4−ホルミルピペリジン2.5g(12.3mmol,1.2当量)および混合溶媒(テトラヒドロフラン:トルエン=16:14)24mLを仕込み、系内を窒素置換後、28%−ナトリウムメトキシド/メタノール溶液2.4g(12.4mmol,1.2当量)を還流(79℃)下で反応液に投入した。投入終了後、1時間還流のまま攪拌を継続して反応を完了させた。その後、反応液を冷却(冷却速度30℃/1時間)して、4℃で析出している結晶を濾取した。なお、結晶は44℃で析出した。濾取した結晶を水(30mL)およびメタノール6mLで洗浄し、50℃で乾燥して(乾燥時間:2時間25分)標題化合物の結晶3.00gを得た(収率76.4%)。1H−NMRデータは、実施例1のそれと一致した。
メタノールとトルエンの混合溶媒およびナトリウムメトキシドを使用し、方法Aによる1−ベンジル−4−[(5,6−ジメトキシ−1−インダノン)−2−イリデン]メチルピペリジンの製造
50mL四頚フラスコに5,6−ジメトキシ−1−インダノン2.0g(10.4mmol)、1−ベンジル−4−ホルミルピペリジン2.5g(12.3mmol,1.2当量)および混合溶媒(メタノール:トルエン=12:18)24mLを仕込み、系内を窒素置換後、28%−ナトリウムメトキシド/メタノール溶液2.4g(12.4mmol,1.2当量)を60℃で反応液に投入した。投入終了後、1時間還流(67℃)で攪拌を継続して反応を完了させた。その後、反応液を冷却(冷却速度26℃/1時間)して、5℃で析出している結晶を濾取した。なお、結晶は42℃で析出した。濾取した結晶を水(30mL)およびメタノール6mLで洗浄し、50℃(1時間20分)と110℃(1時間5分)で乾燥して標題化合物の結晶3.49gを得た(収率88.9%)。1H−NMRデータは、実施例1のそれと一致した。
メタノールとトルエンの混合溶媒およびナトリウムメトキシドを用い、方法Aによる1−ベンジル−4−[(5,6−ジメトキシ−1−インダノン)−2−イリデン]メチルピペリジンの製造
50mL四頚フラスコに5,6−ジメトキシ−1−インダノン2.0g(10.4mmol)、1−ベンジル−4−ホルミルピペリジン2.5g(12.3mmol,1.2当量)および混合溶媒(メタノール:トルエン=6:24)24mLを仕込み、系内を窒素置換後、28%−ナトリウムメトキシド/メタノール溶液2.4g(12.4mmol,1.2当量)を62℃で反応液に投入した。投入終了後、1時間還流(約71℃)で攪拌を継続して反応を完了させた。その後、反応液を冷却(冷却速度29℃/1時間)して、7℃で析出している結晶を濾取した。なお、結晶は60℃で析出した。濾取した結晶を水(30mL)およびメタノール6mLで洗浄し、50℃(1時間20分)と100℃(1時間5分)で乾燥して標題化合物の結晶3.44gを得た(収率87.6%)。1H−NMRデータは、実施例1のそれと一致した。
エタノールおよびナトリウムエトキシドを用い、方法Bによる1−ベンジル−4−[(5,6−ジメトキシ−1−インダノン)−2−イリデン]メチルピペリジンの製造
50mL四頚フラスコに5,6−ジメトキシ−1−インダノン2.0g(10.4mmol)、1−ベンジル−4−ホルミルピペリジン2.5g(12.3mmol,1.2当量)およびエタノール30mLを仕込み、系内を窒素置換後、エタノール4.5mLに溶解したナトリウムエトキシド0.85g(12.5mmol,1.2当量)を還流(75℃)下で反応液に投入した。投入終了後、1時間12分間還流(76−79℃)のまま攪拌を継続して反応を完了させ、結晶を析出させた。結晶は還流中に析出した。その後、反応液を冷却(冷却速度35℃/1時間)して、5℃で析出している結晶を濾取した。濾取した結晶を水(30mL)およびメタノール6mLで洗浄し、50℃で乾燥して(乾燥時間:1時間)標題化合物の結晶3.65gを得た(収率92.9%)。1H−NMRデータは、実施例1のそれと一致した。
酢酸エチルおよびナトリウムメトキシドを用い、方法Bによる1−ベンジル−4−[(5,6−ジメトキシ−1−インダノン)−2−イリデン]メチルピペリジンの製造
50mL四頚フラスコに5,6−ジメトキシ−1−インダノン2.0g(10.4mmol)、1−ベンジル−4−ホルミルピペリジン2.5g(12.3mmol,1.2当量)および酢酸エチル30mLを仕込み、系内を窒素置換後、28%−ナトリウムメトキシド/メタノール溶液2.4g(12.4mmol,1.2当量)を65℃で反応液に投入した。投入終了後、1時間5分間還流(約71℃)で攪拌を継続して反応を完了させた。結晶は還流中に析出した。その後、反応液を冷却(冷却速度31℃/1時間)して、5℃で析出している結晶を濾取した。濾取した結晶を水(30mL)およびメタノール6mLで洗浄し、50℃で乾燥して(乾燥時間:1時間)標題化合物の結晶2.98gを得た(収率75.9%)。1H−NMRデータは、実施例1のそれと一致した。
メタノールとトルエンの混合溶媒および水酸化ナトリウムを用い、方法Aによる1−ベンジル−4−[(5,6−ジメトキシ−1−インダノン)−2−イリデン]メチルピペリジンの製造
50mL四頚フラスコに5,6−ジメトキシ−1−インダノン2.0g(10.4mmol)、1−ベンジル−4−ホルミルピペリジン2.5g(12.3mmol,1.2当量)および混合溶媒(メタノール:トルエン=16:14)24mLを仕込み、系内を窒素置換後、水酸化ナトリウム0.5g(12.5mmol,1.2当量)を還流(65℃)下で反応液に投入した。投入終了後、1時間還流のまま攪拌を継続して反応を完了させた。その後、反応液を結晶が析出するまで空冷し、析出後、さらに冷却(冷却速度36℃/1時間)して、4℃で析出している結晶を濾取した。なお、結晶は49℃で析出した。濾取した結晶を水(30mL)およびメタノール6mLで洗浄し、50℃で乾燥して(乾燥時間:2時間35分)標題化合物の結晶3.31gを得た(収率84.3%)。1H−NMRデータは、実施例1のそれと一致した。
1,2−ジメトキシエタンおよびナトリウムメトキシドを用い、方法Aによる1−ベンジル−4−[(5,6−ジメトキシ−1−インダノン)−2−イリデン]メチルピペリジンの製造
50mL四頚フラスコに5,6−ジメトキシ−1−インダノン2.0g(10.4mmol)、1−ベンジル−4−ホルミルピペリジン2.5g(12.3mmol,1.2当量)および1,2−ジメトキシエタン30mLを仕込み、系内を窒素置換後、28%−ナトリウムメトキシド/メタノール溶液2.4g(12.4mmol,1.2当量)を63℃で反応液に投入した。投入終了後、1時間還流(80℃)で攪拌を継続して反応を完了させた。その後、反応液を冷却(冷却速度52℃/1時間)して、5℃で析出している結晶を濾取した。なお、結晶は48℃で析出した。濾取した結晶を水(30mL)およびメタノール6mLで洗浄し、50℃で乾燥して(乾燥時間:2時間35分)標題化合物の結晶2.47gを得た(収率62.9%)。1H−NMRデータは、実施例1のそれと一致した。
メタノールと1,2−ジメトキシエタンの混合溶媒およびナトリウムメトキシドを用い、方法Bによる1−ベンジル−4−[(5,6−ジメトキシ−1−インダノン)−2−イリデン]メチルピペリジンの製造
50mL四頚フラスコに5,6−ジメトキシ−1−インダノン2.0g(10.4mmol)、1−ベンジル−4−ホルミルピペリジン2.5g(12.3mmol,1.2当量)および混合溶媒(メタノール:1,2−ジメトキシエタン=16:14)24mLを仕込み、系内を窒素置換後、28%−ナトリウムメトキシド/メタノール溶液2.4g(12.4mmol,1.2当量)を60℃で反応液に投入した。投入終了後、1時間還流(約68℃)で攪拌を継続して反応を完了させ、結晶を析出させた。結晶は還流中に析出した。その後、反応液を冷却(冷却速度26℃/1時間)して、8℃で析出している結晶を濾取した。濾取した結晶を水(30mL)およびメタノール6mLで洗浄し、50℃(1時間20分)と110℃(1時間30分)で乾燥して標題化合物の結晶3.67gを得た(収率93.4%)。1H−NMRデータは、実施例1のそれと一致した。
特許文献3の実施例1の方法による1−ベンジル−4−[(5,6−ジメトキシ−1−インダノン)−2−イリデン]メチルピペリジンの製造
100mL四頚フラスコに、5,6−ジメトキシ−1−インダノン2.0g(10.4mmol)、1−ベンジル−4−ホルミルピペリジン2.5g(12.3mmol,1.2当量)およびテトラヒドロフラン30mLを仕込み、窒素置換後、28%−ナトリウムメトキシド/メタノール溶液2.4g(12.4mmol,1.2当量)を17乃至23℃で滴下した。滴下終了後,そのまま1時間攪拌を継続した。反応液に水40mLを加えた後,氷水で冷却し,析出した結晶を濾取した。濾取した結晶を水(50mL)およびメタノール(3mL×2)で洗浄し,24−25℃で13時間40分乾燥して標題化合物の結晶3.46gを得た(収率88.1%)。1H−NMRデータは、実施例1のそれと一致した。
特許文献3の実施例2の方法による1−ベンジル−4−[(5,6−ジメトキシ−1−インダノン)−2−イリデン]メチルピペリジンの製造
100mL四頚フラスコに、5,6−ジメトキシ−1−インダノン2.0g(10.4mmol)、1−ベンジル−4−ホルミルピペリジン2.5g(12.3mmol,1.2当量)およびテトラヒドロフラン30mLを仕込み、28%−ナトリウムメトキシド/メタノール溶液2.4g(12.4mmol,1.2当量)を37乃至43℃で滴下した。滴下終了後,そのまま1時間攪拌を継続した。反応液に水40mLを加えた後,氷水で冷却し,析出した結晶を濾取した。濾取した結晶を水(50mL)およびメタノール(3mL×2)で洗浄し,24−25℃で13時間40分乾燥して標題化合物の結晶3.44gを得た(収率87.6%)。1H−NMRデータは、実施例1のそれと一致した。
本発明の製造法と比較例の製造法による目的化合物の純度と副生成物の含有量の比較
本発明の製造法で得られた構造式(I)の化合物と、比較例1および2として特許文献3の実施例1および実施例2の再現試験を行って得られた構造式(I)の化合物との純度ならびに副生成物の含有量を比較した。下記分析条件で高速液体クロマトグラフィー(HPLC)を行い、相対面積値に基づき構造式(I)の化合物純度および構造式(a)の化合物含量を測定した。その結果を表1に示す。表1において、N.D.は検出限界以下を示す。
HPLC条件
検出器:紫外線吸光光度計(測定波長:290nm)
カラム:YMC−Pack ODS−AM−302,4.6mmφ×150mm
移動相:水:アセトニトリル:トリフルオロ酢酸=700:300:1
流量:0.7または0.8mL/min
注入量:10μL
カラム温度:35℃
試料:約1mg/移動相1mL
実施例1と比較例1の製造法による目的化合物の収率と純度の比較
実施例1の製造法による式(I)の化合物の収率および純度を測定し、比較例1の特許文献3の実施例1の製造法による式(I)の化合物の収率および純度と比較した。その結果を表2に示す。
以上に詳細に記載したように、本発明によれば、式(I)で表される化合物[1−ベンジル−4−[(5,6−ジメトキシ−1−インダノン)−2−イリデン]メチルピペリジン]またはその溶媒和物を高収率、高純度で、工業的に製造することができる。また、本発明により製造される式(I)の化合物またはその溶媒和物は、副生成物である式(a)の化合物含量が低減され、良好な純度を有するため、カラムクロマトグラフィー精製、再結晶等通常の精製処理を行うことなく、次反応に使用することができる。
Claims (16)
- 構造式(III)
で表される5,6−ジメトキシ−1−インダノンと式(II)
で表される1−ベンジル−4−ホルミルピペリジンとを、溶媒中、塩基の存在下で反応させ、次いで目的物を高温度域の反応混合物から徐々に晶出させて、目的物と平衡状態にある式(a)および式(b)
で表される目的物の異性体を目的物へ異性化させて、式(a)および式(b)の異性体の生成を低減させ、目的物を製造することを特徴とする、目的物である式(I)
で表される1−ベンジル−4−[(5,6−ジメトキシ−1−インダノン)−2−イリデン]メチルピペリジンまたはその溶媒和物の製造法。 - 反応溶媒が、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、テトラヒドロフラン、1,2−ジメトキシエタン、トルエンおよびこれらの混合溶媒からなる群から選択される溶媒である請求項1に記載の製造法。
- 反応溶媒が、メタノール、エタノール、テトラヒドロフラン、トルエンまたはこれらの混合溶媒である請求項1または2に記載の製造法。
- 反応溶媒が、メタノールまたはエタノールである請求項1から3のいずれか1項に記載の製造法。
- 反応溶媒がテトラヒドロフランである請求項1から3のいずれか1項に記載の製造法。
- 反応溶媒がメタノールおよびトルエンの混合溶媒であって、メタノール:トルエンの混合比が8:2から2:8である請求項1から3のいずれか1項に記載の製造法。
- 反応溶媒がエタノールおよびトルエンの混合溶媒であって、エタノール:トルエンの混合比が8:2から2:8である請求項1から3のいずれか1項に記載の製造法。
- 塩基がアルカリ金属水酸化物またはアルカリ金属アルコキシドである請求項1から7のいずれか1項に記載の製造法。
- 塩基が水酸化ナトリウムまたはナトリウムメトキシドである請求項1から8のいずれか1項に記載の製造法。
- 塩基がナトリウムメトキシドである請求項1から9のいずれか1項に記載の製造法。
- 反応温度が20℃から反応溶媒の還流温度である請求項1から10のいずれか1項に記載の製造法。
- 高温度域が20から80℃である請求項1から11のいずれか1項に記載の製造法。
- 反応混合物を、高温度域の反応温度から低温度域まで徐々に冷却して目的物を晶出させる請求項1から12のいずれか1項に記載の製造法。
- 高温度域の反応温度から低温度域への冷却速度が、1℃/1時間から30℃/1時間である請求項13に記載の製造法。
- 反応混合物を、高温度域に維持して目的物を晶出させ、次いで低温度域まで徐々に冷却して更に晶出させる請求項1から12のいずれか1項に記載の製造法。
- 高温度域から低温度域への冷却速度が、1℃/1時間から60℃/1時間である請求項15に記載の製造法。
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