JP4999538B2 - 蓄熱装置 - Google Patents

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Description

本発明は、発生した熱を蓄え、離れた場所に熱を輸送することができる、又は定置式の蓄熱システム及び蓄熱装置に関する。
工場(例えば、製鉄所、ゴミ処理場等)において発生する熱は、工場付近の様々な施設に利用されている。また、工場で発生した熱を一時的に蓄熱体等に蓄え、その蓄熱体を輸送することで、工場から離れた場所においても熱を利用することができる。
特許文献1には、蓄熱体の融解潜熱を利用する蓄熱装置に関する技術が開示されている。特許文献1の蓄熱装置に含まれる貯蔵容器(蓄熱容器)には、エリスリトール等の蓄熱体と、蓄熱体よりも比重が小さい油(熱交換媒体)とが収容されている。蓄熱した状態にある蓄熱体は融解状態にあるため、蓄熱体より比重の小さな油とは混合することなく、上下に分離して収容される。貯蔵容器(蓄熱容器)には、油を外部から供給し、また、外部へと排出するための供給管及び排出管が貫設されており、当該供給管及び排出管に接続される熱交換器側パイプは、熱交換器へ熱的に接続されている。また、供給管及び排出管に接続される熱交換器側パイプは、熱交換器の内部で連通している。
そして、貯蔵容器(蓄熱容器)へ蓄熱する場合には、油は、供給管、排出管及び熱交換器側パイプを通り、工場側の熱交換器内部で熱供給され、その熱供給された状態で、供給管を通って蓄熱体の下方に送り込まれる。送り込まれた油は比重が小さいため、蓄熱体の上方まで上昇する。この上昇の間に、蓄熱体と油との直接接触により熱交換が行なわれ、油の熱が蓄熱体へ供給される。以上の動作を繰り返すことで、蓄熱体への蓄熱が行なわれるようになっている。
一方、蓄熱体に蓄熱された熱を回収して利用する場合には、熱供給されていない油を、蓄熱体の下方へ送り込む。そして、送り込まれた油が蓄熱体内を上昇する間に、蓄熱体と油との直接接触により熱交換が行なわれ、蓄熱体に蓄熱された熱が、上昇する油へ供給される。そして、別途設けられた熱交換器において、上記のようにして熱供給された油の熱を回収することができる。以上の動作を繰り返すことで、蓄熱体に蓄熱された熱を回収して利用することができる。
そして、上記の貯蔵容器(蓄熱容器)は、トラック等により輸送可能となっているため、熱を発生する工場等と、その熱を利用する温水プール等の施設とが互いに離れている場合であっても、蓄熱された状態の蓄熱体が収容されている貯蔵容器を輸送することにより、熱輸送を行なうことができる。また、貯蔵容器内に蓄えられた熱を利用することにより、熱を利用する温水プール等の施設において、地球温暖化ガスであるCO2の排出量を削減することができる。
特開2005−188916号公報
上記の蓄熱装置を用いる場合に、放熱運転時における蓄熱容器内の残存熱量や、蓄熱運転時における蓄熱量をリアルタイムでモニタリングできれば、放熱及び蓄熱をより効率的に行なうことができる。蓄熱容器内の残存熱量や蓄熱量を把握する方法として、例えば、熱交換媒体の出入り口の温度、熱交換媒体の流量を測定して残存熱量又は蓄熱量を予測する方法が考えられる。しかし、このような方法を用いる場合、容器内部の状況を予測しているに過ぎず、直接熱量を求めているわけではないため、また、熱の外部への拡散、外乱等の影響が考慮されてはいないために、正確な熱量を把握することは困難である。
一方、蓄熱装置の運転者が、放熱運転時における残存熱量や蓄熱運転時における蓄熱量を容易に把握でき、放熱完了及び蓄熱完了となるタイミングが分かれば、効率的な放熱及び蓄熱作業が可能になると考えられる。
そこで、本発明の目的は、蓄熱容器内部に蓄熱されている熱量の大きさを容易に把握できる蓄熱装置を提供することである。
課題を解決するための手段及び効果
上記の目的を達成するために、本発明に係る蓄熱装置は、潜熱蓄熱により蓄熱する蓄熱体と、前記蓄熱体に接触することで熱交換し、前記蓄熱体よりも比重が小さく前記蓄熱体とは分離する熱交換媒体と、前記蓄熱体及び前記熱交換媒体を収容する蓄熱容器と、前記蓄熱容器内部の温度を測定する温度測定手段と、蓄熱完了時に前記蓄熱容器内部に蓄熱される熱量である設計蓄熱量と放熱した熱量との差、又は、蓄熱開始時の前記蓄熱容器内部の熱量である初期熱量と蓄熱した熱量との差から、前記蓄熱容器内部に蓄熱されている熱量を計算する計算手段と、前記計算手段により計算された前記熱量の大きさを表示する表示手段と、を有する。そして、前記計算手段は、前記温度測定手段により測定された前記温度を用いて前記放熱した熱量又は前記蓄熱した熱量を計算する。
この構成によると、蓄熱容器の内部の温度をモニタリングしておき、その温度を用いて計算することにより、より正確な熱量を把握することができる。また、表示手段に蓄熱容器内の熱量の大きさが表示されるので、蓄熱装置の運転者が残存熱量や蓄熱量をリアルタイムで容易に把握できる。以上から、蓄熱容器内部に蓄熱されている熱量の大きさを容易に把握できる。
そして、その結果、蓄熱容器の運転者は、放熱完了及び蓄熱完了となるタイミングを容易に把握できるために、効率的な放熱及び蓄熱が可能になる。例えば、蓄熱した熱を複数の熱利用先で放熱利用する場合に、残存熱量を把握できることで、その蓄熱装置を使って次の熱利用先でも放熱が可能であるか、それとも次の熱利用先では別の蓄熱装置が必要かを判断することができる。
前記計算手段は、前記蓄熱体の比熱に基づいて前記放熱した熱量又は前記蓄熱した熱量を計算するものであってもよい。これによると、蓄熱体の比熱と、温度の変化量と、蓄熱体の質量とを用いて、蓄熱容器内部の熱量を簡易に計算することができる。
前記計算手段は、前記蓄熱体の単位質量当たりの潜熱の熱量を、当該潜熱に係る相転移開始温度及び終了温度の差で除したものに基づいて前記放熱した熱量又は前記蓄熱した熱量を計算するものであってもよい。
発明者は、蓄熱容器から放熱される熱量又は蓄熱される熱量と蓄熱容器内部の温度との関係に着目し、潜熱が生じる相転移区間において、相転移開始時点と相転移終了時点とで、わずかな(数度程度)温度変化が生じることを、試験により知得している。そのため、上記の構成によると、潜熱が生じる区間において、蓄熱体の単位質量当たりの潜熱の熱量(比エンタルピー)を、相転移開始温度及び終了温度の差で除したものを、仮想的比熱として取り扱うことが可能となり、相転移区間についても、測定した温度の変化量を用いて、蓄熱容器内部の熱量を簡易に計算することができる。
前記温度測定手段は、前記蓄熱容器内部の鉛直方向に分布する複数の位置における温度を測定してもよい。これによると、より高い精度で、蓄熱容器内部に蓄熱されている熱量の大きさを把握できる。
以下、本発明の好適な実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
(全体構成)
まず、本発明の一実施形態に係る蓄熱装置を用いた蓄熱について、図1の概略図を参照しながら説明する。
本実施形態の蓄熱装置は、例えば、図1に示すように、熱を発生する工場(熱源)80とその熱を利用する施設(熱利用機構)85とが互いに離れている場合に適用される。
まず、蓄熱装置1(蓄熱容器1a)への蓄熱についての概要を説明する。蓄熱装置1は、蓄熱体及び熱交換媒体(後述)を収容する可搬式の蓄熱容器1aを含んで構成される。この場合、蓄熱容器1aは熱交換器5aに対して、接続口51、52を介して着脱可能に接続され、蓄熱の完了した蓄熱容器1aは、トラック等の輸送機構50の荷台50bに搭載され、工場80から施設85へと輸送される。工場80は、具体的には製鉄所等であり、その他、ごみ焼却場や発電所等であってもよい。そして、そこで排出される熱が熱交換器5a及び熱交換媒体を介して蓄熱容器1aに蓄えられる。また、熱交換器5aは、工場80の熱を、熱交換器5a中を流通する熱交換媒体へ伝達するためのものである。一つの蓄熱容器1aの蓄熱が完了した後、待機している未蓄熱状態の蓄熱容器1aの接続口を、熱交換器5aとの接続口51,52へ接続することで、次の未蓄熱状態の蓄熱容器1aに対して同様に蓄熱が行なわれる。このようにして工場80の熱を順次蓄熱容器1aに蓄熱することができる。
次に、蓄熱容器1aに蓄えられた熱の利用(以下、これを放熱と記す)についての概要を説明する。この場合、蓄熱容器1aは、熱交換器5bに対して、接続口53,54を介して着脱可能に接続され、放熱の完了した蓄熱容器1aは、トラック等の輸送機構50により、施設85から工場80へと輸送される。施設85は、温水プールや病院等の施設であり、蓄熱容器1aに蓄えられた熱が熱交換媒体及び熱交換器5bを介して放熱されることで、施設85内の温調設備等に適用される。また、熱交換器5bは、蓄熱容器1aに蓄積された熱を施設85へ伝達するためのものである。一つの蓄熱容器1aの放熱が完了した後、待機している次の蓄熱済み蓄熱容器1aの接続口を、熱交換器5bとの接続口53,54へ接続することで、施設85において、さらに熱を利用することができる。このようにして、施設85において、順次蓄熱容器1aに蓄えられた熱を放熱して利用することができる。
(蓄熱装置について)
次に、図2を参照しながら、本実施形態に係る蓄熱装置1の具体的な構成について説明する。図2は蓄熱装置1の蓄熱側を示す概略図であり、図2においては、工場80を省略して示している。また、図2の蓄熱容器1a部分については、鉛直方向断面概略図として示している。
図2に示すように、蓄熱装置1は、エリスリトール(蓄熱体)3、油(熱交換媒体)2、蓄熱容器1a、温度センサ(温度測定手段)9a〜9j、表示装置(表示手段)8、供給管4、排出管6、コンピュータ10を含んで構成されている。そして、温度センサ9a〜9j及び表示装置8は、ケーブル11a〜11j及びケーブル11mを介してコンピュータ10と電気的に接続されており、これらはコンピュータ10からの命令を受けて制御される。
そして、蓄熱装置1においては、蓄熱、放熱時に、蓄熱容器1aの内部と熱交換器5aとの間で、熱交換媒体である油2が循環流通するようになっている。また、蓄熱装置容器1aは、蓄熱時、放熱時においては、鉛直方向と図の上下方向とが一致するように設置される(図の矢印方向参照)。
(コンピュータ)
図2に示されているコンピュータ10は、例えば汎用のパーソナルコンピュータなどの情報処理装置によって構成されている。かかる情報処理装置には、CPU、ROM、RAM、ハードディスク、FDやCDの駆動装置などのハードウェアが収納されており、ハードディスクには、当該情報処理装置を機能させるためのプログラム(このプログラムは、CD−ROM、FD、MOなどのリムーバブル型記録媒体に記録しておくことにより、任意のコンピュータにインストールすることが可能である)を含む各種のソフトウェアが記憶されている。そして、これらのハードウェア及びソフトウェアが組み合わされることによって、後述するような各部が構築されている。
図3に示すように、コンピュータ10は、内部に計算部(計算手段)10a、記憶部10b、制御部10cを有して構成されている。
計算部10aは、放熱運転時においては、蓄熱完了時に蓄熱容器1a内部に蓄熱される熱量である設計蓄熱量と放熱した熱量との差から、蓄熱容器1a内部に蓄熱されている熱量を計算する。一方、蓄熱運転時においては、蓄熱開始時の蓄熱容器内部の熱量である初期熱量と蓄熱した熱量との差から、蓄熱容器1a内部に蓄熱されている熱量を計算する。計算部10aによる計算処理の詳細については後述する。
記憶部10dには、蓄熱装置1の運転管理に必要な各種情報が記憶されている。また、エリスリトール3の単位質量当たりの潜熱の熱量を、当該潜熱に係る相転移開始温度及び終了温度の差で除したもの(計算部10aによる計算処理の説明において後述する)や、エリスリトール3及び油2の比熱等が記憶されている。
制御部10cは、蓄熱装置1の各部の動作を、必要に応じて適宜制御する。
(蓄熱容器)
蓄熱容器1aの構成について説明する。蓄熱容器1aの形状は図2のようになっている。すなわち、蓄熱容器1aは、底部、上部、及び四方の側部を構成する複数の板状部材から成る。そして、蓄熱容器1aの側部(側板部)には、供給管4、排出管6を貫通設置するための、供給管用孔部1y、排出管用孔部1zが形成されている。そして、蓄熱運転時及び放熱運転時において、蓄熱容器1aには、油(熱交換媒体)2と、エリスリトール(蓄熱体)3とが収容される。
また、供給管4及び排出管6が、供給管用孔部1y、排出管用孔部1zを貫通して蓄熱容器1aに取り付けられている(詳細は後述する)。そして、供給管4及び排出管6と、熱交換器側内部を通る熱交換器側パイプ7a,7b,7cとが接続されて、熱交換媒体である油2が、蓄熱容器1aの内部及び熱交換器の内部を経由しつつ循環流通できるようになっている。
また、蓄熱容器1aは、供給管4、排出管6、表示装置8が蓄熱容器1aに取り付けられている状態で、上記の輸送機構50により輸送可能となっている。なお、本実施形態においては、蓄熱容器1aに、供給管4及び排出管6が固定設置されているが、例えば、蓄熱、放熱時にのみ、供給管及び排出管を蓄熱容器内部へ挿入し、運搬時には供給管、排出管を取り外す、という形態であってもよい。また、表示装置8は、蓄熱容器1aの輸送時に取り外すこともできる。
(供給管)
次に供給管4について説明する。供給管4は、蓄熱容器1aの外部から内部へ貫通して設けられている。また、供給管4は、収容されたエリスリトール3が位置する蓄熱容器1aの下層部分において蓄熱容器1aへ取り付けられており、水平方向に伸びるように形成されている。すなわち、供給管4は、蓄熱容器1aの内部において全体的にエリスリトール3と接触するように配置されている。また、供給管4は内部空間を有しており、熱交換器5aに熱供給された油2が当該内部空間を流通するようになっている。また、供給管4はパイプ状に形成されている。なお、供給管4の先端部は一本でもよいし、複数設けられていてもよい。
また、供給管4は、放出孔4hをその軸方向に沿って複数有しており、供給管4の内部を流通する油2はこの放出孔4hから放出される。なお、供給管4に設けられた放出孔4hは、上向きに開口するように設けられている。
なお、放出孔の配置はこのようなものには限られない。また、本実施形態においては、熱交換媒体の供給部としてパイプ状の供給管4を用いているが、供給部はこのようなパイプ状のものには限られず、油2が流通する内部空間を有する直方体状(ボックス状)で、表面に複数の放出口が設けられた供給部(先端部)を有しているものであってもよい。
(排出管)
次に排出管6について説明する。排出管6もまた、蓄熱容器1aの外部から内部へ貫通して設けられている。また、排出管6は、収容された油2が位置する蓄熱容器1aの上層部分において蓄熱容器1aへ取り付けられており、蓄熱容器1a内の油2は、排出管6を通して蓄熱容器1aの外部へ排出される。また、排出管6は、油2と接触するように配置されており、蓄熱容器1a内部の油2は、排出管6の先端に設けられた排出口6hより排出管6へ取り込まれるようになっている。
また、図2に示すように、蓄熱時には、供給管4の接続口41が、熱交換器側パイプ7aとの接続口51に着脱可能に接続され、排出管6の接続口61が、熱交換器側パイプ7bとの接続口52に着脱可能に接続された状態となる。
(温度センサ)
温度センサ9a〜9jは、蓄熱容器1a内部の温度をそれぞれ測定するものであり、図2に示すように蓄熱容器1a内部に設置されている。ここで、温度センサ9a〜9i(9a,9b,9c,9d,9e,9f,9g,9h及び9i)は、エリスリトール3の温度を測定するために配置され、温度センサ9jは、油2の温度を測定するために配置されている。
より詳細には、図2のように設置された蓄熱容器1a内部において、エリスリトール3が配置される下部領域が、図2に一点鎖線で示すように9つの領域に分割され(図2のA〜I参照)、それぞれの領域に温度センサ9a〜9iが配置されている。また、温度センサ9jは、油2の領域(エリスリトール3の上方領域)に配置されている。そして、エリスリトール3における9つの領域は、図2の断面において、鉛直方向に3分割、水平方向に3分割され、9つ(3行×3列)の領域が形成されている。なお、これらの領域は仮想的に分割したものであり、領域の境界を形成するものが存在しているわけではない。このような構成により、温度センサ9a〜9jは、蓄熱容器1a内部の鉛直方向に分布する複数の位置(例えば、A,D,Gそれぞれの位置)における温度を測定するように配置されている。
温度センサは、このように複数でなくてもよく、また、複数の場合に鉛直方向に分布配置されていなくてもよい。また、温度センサが複数の場合に、水平方向には分布配置されず、鉛直方向にのみ分布配置されていてもよい。温度センサの数は多いほど、蓄熱容器1a内部に蓄熱されている熱量の計算精度は向上し、特に鉛直方向に分布配置される数が多いほど計算精度が向上する。これは、蓄熱容器1a内部の温度分布が、水平方向ではなく、鉛直方向に生じやすいためである。
(表示装置)
表示装置8は、コンピュータ10内部の計算部10aにより計算された、蓄熱容器1a内部に蓄熱されている熱量の大きさを表示するものである。表示装置8は、図4に示すように、筐体部8bと、筐体部8bに設けられた溝8hに沿って左右にスライドする指示部8iとを有して構成されている。ここで、溝8hの長さは、蓄熱容器1a内部の蓄熱されている熱量の大きさに対応したものであり、左端は、蓄熱開始時の蓄熱容器内部の熱量(初期熱量)、すなわち未蓄熱状態の熱量に相当し、右端は、蓄熱完了時に蓄熱容器1a内部に蓄熱される熱量(設計蓄熱量)に相当している。そして、未蓄熱状態を示す左端にはE(EMPTY)、蓄熱完了状態を示す右端にはF(FULL)の文字が付されている。そして、指示部8iは、溝8hに沿ってスライドするように筐体部8bの内部に取り付けられており、計算部10aにより計算された熱量の大きさに相当する位置を指し示すものである。このように構成された表示装置8を視認することで、蓄熱装置1の運転者が、蓄熱容器1a内部に蓄熱されている熱量の大きさを把握できるようになっている。
(熱交換媒体)
本実施形態において熱交換媒体として用いられる油2は、エリスリトール3との間で、直接接触による熱交換を行なう。以下、図2を参照しながら説明する。まず、蓄熱時には、油2は排出管6、熱交換器側パイプ7aを通り、熱交換器5a内で熱供給された後、パイプ7b、供給管4を通ってエリスリトール3内に放出される(以下の説明において、蓄熱時に熱交換器5aで熱供給された油2を特に油2aと、また、放熱時に蓄熱容器1aでエリスリトール3から熱供給された油2を特に油2bと記す)。放出された油2aは、比重がエリスリトール3よりも小さいため、上層の油2の位置にまで上昇し、油2に取込まれる。この上昇中に、エリスリトール3との直接接触により、油2aの熱がエリスリトール3に伝達されるようになっている。
また、放熱時には、油2は排出管6、熱交換器側パイプを通り、熱交換器5b(図1参照)内で放熱後、供給管4を通ってエリスリトール3内に放出される。この放出された(放熱後の)油2は、比重がエリスリトール3よりも小さいため、上層の油2の位置にまで上昇し、油2に取込まれる。この上昇中に、エリスリトール3との直接接触により、エリスリトール3に蓄熱された熱が油2に伝達されるようになっている。
なお、熱交換器側パイプ7aの途中にはポンプ6pが設置されており、ポンプ6pの作用により、熱交換器5a及び蓄熱容器1aの間を油2が循環流通するようになっている。また、ポンプ6pはコンピュータ10に電気的に接続されており、コンピュータ10によってポンプ6pの動作を制御できるようになっている。
(蓄熱体)
エリスリトール3は、蓄熱時には、上記の油2aから伝達された熱を蓄える。また、放熱時には、放熱後の油2へ熱を伝達する。エリスリトール3の融点は約119度であり、平常時には(室温状態では)固体となっている。そして、油2aから直接接触により熱が伝達されることにより、固体から液体に状態変化し、液体状態のときに蓄熱されるようになっている。すなわち、エリスリトール3は、潜熱蓄熱を利用して蓄熱するものである。一方、エリスリトール3は、液体から固体へ状態変化するときに放熱するので、熱を取り出すことができる。ここで、エリスリトールは、融解熱が76kcal/kgと高いことから、その蓄熱量が大きいために蓄熱体として望ましい。ここではエリスリトールを用いているが、蓄熱体としては、その他にも、酢酸ナトリウム(融解熱:63kcal/kg)、糖アルコール類等、融解熱(潜熱)が大きいものを用いることができる。
(油及びエリスリトール)
油2とエリスリトール3とは互いに混合せず、油2がエリスリトール3よりも比重が小さいため、蓄熱容器1a内では、油2が上層、エリスリトール3が下層となるように収容される。また、油2とエリスリトール3とが互いに混合しないため、油2とエリスリトール3との間には、夫々を分離するための部材等は介在せず、油2とエリスリトール3とは直接接触している。
(熱交換器)
図1、2に示すように、蓄熱側の熱交換器5aは、工場80で発生した熱を油2へ伝達するためのものである。そして、熱交換器側パイプ7b,7aには、接続口52,51において、供給管4及び排出管6の接続口41,61がそれぞれ着脱可能に接続される。また、熱交換器側パイプ7b,7aは、熱交換器5aの内部において、熱交換器側パイプ7cを介して接続されている。そして、蓄熱容器1a内部の油2が、蓄熱容器1a側から熱交換機5a内部へと取り込まれる。一方、工場80から排出された高温の蒸気や空気等の熱媒体が、熱交換器5a内部へ送り込まれる。熱交換器5aの内部においては、取り込まれた油2が流通する熱交換器側パイプ7c、及び、熱媒体が流通するパイプ80cが、互いに接触するように設けられており、且つ、これらの配管が熱伝導率の高い部材から形成されているために、パイプの壁を通して、工場80からの熱媒体の熱が間接的に油2に伝達される。このようにして、蒸気や空気等の熱媒体を介して工場80から送り込まれた熱が、熱交換器5a内での熱交換により、熱交換器側パイプ7a,7b,7c中を流通する油2へ伝達される。そして、熱交換器側パイプ7c及び油2により熱を取り除かれた蒸気等の熱媒体が、再び工場80へ還流するようになっている。そのため、工場(熱源)80と熱交換器側パイプ7a,7b,7cとは、熱的に接続されているといえる。
なお、本実施形態においては、工場から排出された熱媒体を熱交換器へ供給するためのパイプ、及び、熱交換後の熱媒体を再び工場へ向けて熱交換器から排出するためのパイプが熱交換器の内部で熱交換器側パイプ7cを介して接続されているが、このような構成には限られず、これらのパイプが熱交換器の内部で接続されず(図2の熱交換器側パイプ7cがない状態であり)、上流側パイプから、高温の蒸気や空気等の熱媒体が熱交換器内部へ送り込まれ、油へ熱が伝達された後、熱を取り除かれた蒸気等の熱媒体が、下流側パイプから排出されるようになっていてもよい。
また、放熱側の熱交換器5bは、蓄熱容器1aに蓄えられた熱を、施設85へ伝達するためのものである。そして、蓄熱側と同様に、熱交換器側パイプには、接続口54,53において、供給管4及び排出管6の接続口41、61がそれぞれ着脱可能に接続される。また、熱交換器側パイプは、熱交換器5bの内部において接続用の熱交換器側パイプを介して接続されている。そして、熱交換器5bには、蓄熱容器1aのエリスリトール3に蓄えられた熱が供給された油2bが、蓄熱容器1a側から取り込まれる。一方で、熱交換器5bには、施設85に熱を伝達するための熱媒体が施設85側から取り込まれる。熱交換器5bの内部においては、取り込まれた油2bが流通する熱交換器側パイプ、及び、熱媒体が流通するパイプが、互いに接触するように設けられており、且つ、これらの配管が熱伝導率の高い部材から形成されているために、パイプの壁を通して、油2bの熱が間接的に熱媒体に伝達される。そして、このような熱交換により熱を与えられた熱媒体が、パイプを通って施設85へ還流するようになっている。以上から、施設85と熱交換器側パイプとは、熱的に接続されているといえる。
(熱輸送システムにおける各行程について)
次に、熱輸送システムによる蓄熱、輸送、放熱の各工程について説明する。
(蓄熱)
まず、蓄熱工程において、蓄熱容器1aへの蓄熱が行なわれる。このとき、蓄熱容器1aには、予め熱交換媒体である油2が注入・供給された状態となっている。蓄熱工程においては、工場80から蒸気として排出された熱が、熱交換器5aにおいて、油2へと伝達される。
そして、熱供給された油2aが、熱交換器側パイプ7b及び供給管4を通って、放出孔4hから、エリスリトール3が位置する蓄熱容器1aの下層部分に供給される。ここで、油2aは、エリスリトール3よりも比重が小さいため、油2aが放出孔4hから蓄熱容器1aの下層部分へ導入されたときに、エリスリトール3と直接接触しつつ、蓄熱容器1aの上層部分へと上昇する。このときに、エリスリトール3が、高温の油2aと直接接触することで、エリスリトール3に油2aの熱が供給される。
そして、エリスリトール3に熱を供給した油2は、排出口6hから排出管6に流入する。そして、油2は、排出管6、熱交換器側パイプ7a,7b,7c内を流通し、そこで工場80から排出された熱が、油2へと伝達されて熱供給される。蓄熱工程では、以上のようにして蓄熱が行なわれる。
次に、エリスリトール3への蓄熱が完了したかどうかが判断される。具体的には、例えばエリスリトール3の平均温度をモニタリングしておき、これがある基準値以上となった場合に蓄熱完了とする等の判断手法が考えられる。判断手法はこれ以外であってもよい。これにより、蓄熱が未だ完了していなければ、再び蓄熱工程が繰り返される。このように、蓄熱工程を繰り返すことで、工場80で発生した熱を蓄熱容器1aに十分蓄えることができる。一方、蓄熱が完了していると判断されれば、蓄熱工程が終了し、次の工程が行なわれる。
(熱輸送)
次に、輸送工程において、蓄熱容器1aの輸送が行なわれる。これは、蓄熱の完了した蓄熱容器1aを搭載したトラック等の輸送機構50により行なわれるもので、蓄熱容器1aが、工場80から熱が利用される施設85へと輸送される。ここで、輸送機構50はトラック等の陸上走行車両には限られず、船舶や航空機であってもよい。また、蓄熱容器1aは、接続口51、52における接続を解除して輸送される。以上のようにして、蓄熱及び蓄熱容器1aの輸送が行なわれる。ここで、蓄熱容器1aにおいて、蓄熱に対する寄与の小さい油2の含有量を少なくすることにより、油2が大量に含まれる場合に比べて、蓄熱容器1aの重量が小さくなり熱輸送効率が高くなる。
(放熱)
次に、放熱工程では、施設85において、蓄熱容器1aに蓄えられた熱が回収・利用される。まず、接続口53、54において、熱交換器側パイプと、輸送工程により施設85へ運び込まれた蓄熱容器1aとが接続される。
そして、蓄熱容器1aに蓄えられた熱の放熱が行なわれる。すなわち、施設85において、蓄熱容器1aの熱が利用される。放熱工程においては、蓄熱容器1aに蓄えられた熱が、熱交換器5bを介して、施設85へと伝達されることになる。
そして、熱供給後の油2が、熱交換器側パイプ及び供給管4を通って、放出孔4hから、エリスリトール3が位置する蓄熱容器1aの下層部分に供給される。ここで、油2はエリスリトール3よりも比重が小さいため、油2が、放出孔4hから蓄熱容器1aの下層部分へ導入されたときに、エリスリトール3と直接接触しつつ、蓄熱容器1aの上層部分へと上昇する。このときに、高温のエリスリトール3が、油2と直接接触することで、油2にエリスリトール3の熱が供給される。
そして、エリスリトール3から熱供給された油2bは、排出口6hから排出管6に流入する。そして、排出管6、熱交換器側パイプへ送られ、そこで油2bから施設85へと熱が伝達され、施設85において、蓄熱容器1aの熱が利用される。放熱工程では、以上のようにして放熱が行なわれる。
次に、放熱が完了したかどうかが判断される。具体的には、例えばエリスリトール3の平均温度等をモニタリングしておき、これがある基準値以下となった場合に放熱完了と判断する等の手法が考えられる。判断手法はこれ以外であってもよい。これにより、放熱が未だ完了していなければ再び蓄熱工程が繰り返される。なお、放熱工程は、蓄熱容器1a内部の放熱可能な熱が全て使用された場合だけでなく、熱利用先に必要な熱の供給が終了した場合にも完了する。このように、放熱工程を繰り返すことで、蓄熱容器1aのエリスリトール3に蓄えられた熱を、施設85において十分に利用することができる。一方、放熱が完了していると判断されば、放熱工程が終了する。
そして、蓄熱装置1の運転者は、表示装置8を視認することで、蓄熱容器1a内部に蓄熱されている熱量をリアルタイムで把握できる。
(計算部における計算処理について)
次に、計算部10aにおける計算処理の詳細について説明する。ここでは、放熱運転時における蓄熱容器1a内部の残留熱量の計算について説明する。
放熱運転時には、計算部10aは、下記の式(1)のように、蓄熱完了時に蓄熱容器1a内部に蓄熱される熱量である設計蓄熱量Qと、放熱した熱量Q(後述)との差から、蓄熱容器1a内部に蓄熱されている熱量(残存熱量)Qを計算する。
=Q−Q 式(1)
(ここで、Q:蓄熱容器内部に蓄熱されている熱量[J]、Q:設計蓄熱量[J]、Q:放熱した熱量[J])
上記の式(1)において、設計蓄熱量Qは、蓄熱完了時の蓄熱量であって、装置設計時に定められた最大蓄熱状態の熱量である。すなわち、Qは、蓄熱装置1に係る計算においては定数として扱うことができ、運転者等による入力操作等により記憶部10bに記憶されている。また、計算部10aは、温度センサ9a〜9jにより測定された温度を用い、且つ、エリスリトール3の比熱に基づいて、放熱した熱量Qを計算する。また、この計算は、エリスリトール3の単位質量当たりの潜熱の熱量を、当該潜熱に係る相転移開始温度及び終了温度の差で除したものに基づいて行なわれる。
次に、図5、6を参照ながら、式(1)の熱量Qの計算方法について説明する。図5は、エリスリトール3の凝固点付近における、蓄熱容器1aから放熱される熱量Qと、蓄熱容器1a内部の温度Tとの関係を示すグラフである。蓄熱容器1aから放熱される熱量と蓄熱容器1a内部の温度との関係に着目した場合に、液相から固相への相転移の過程においては、温度変化が起こらないため、一般には、放熱した熱量Qを、蓄熱容器1a内の温度を用いた計算により求めることは不可能と考えられるが、発明者は、試験の結果、潜熱が生じる液相から固相への相転移区間において、相転移開始時点の温度(Tm1)と相転移終了時点の温度(Tm2)とで、わずかな(数度程度の)温度変化が生じることを知得した(図5参照)。この相転移区間における温度変化は、厳密には図5に示すように非線形的なものであるが、ここでは、図6の一点鎖線部に示すように、相転移区間の温度変化を、放熱した熱量に対して線形近似した。このようにすることで、相転移区間における放熱した熱量をエリスリトール3の質量で除したもの(Hpcm、比エンタルピー)をさらに相転移開始温度Tm1及び終了温度Tm2の差(Tm1−Tm2)で除したもの([Hpcm /(Tm1−Tm2)]))を仮想的比熱として取り扱うことにより、相転移区間及びその前後の区間における熱量を、温度、並びに、比熱及び仮想的比熱を用いて計算することが可能となる。
すなわち、図6に示すように、相転移区間の左側の液相側区間においては、高温側の(定圧)比熱Cppcm(h)に基づいて、相転移区間においては上記の仮想的比熱[Hpcm /(Tm1−Tm2)]に基づいて、相転移区間の右側の固相側区間においては、低温側の(定圧)比熱Cppcm(c)に基づいてそれぞれ計算することで、相転移区間、及び、液相・固相側区間について、測定した蓄熱容器1a内部の温度を用いて、温度の関数として放熱した熱量Qを求めることができる。そして、得られた熱量Qを式(1)に代入することで、相転移区間についても、測定した温度の変化量を用いて、蓄熱容器1a内部の残存熱量を計算することができる。
具体的には、次の(a)、(b)、(c)のように、蓄熱容器1a内部の温度Tについて場合分けをして放熱した熱量Q(T)を計算する。
(a)T>Tm1 の場合
Q(T)=Mpcm×Cppcm(h)×(T−T)
+Moil×Cpoil×(T−T) 式(2)
(b)Tm1>T>Tm2 の場合
Q(T)=Mpcm×Cppcm(h)×(T−Tm1
+Mpcm×[ Hpcm /(Tm1−Tm2)]×(Tm1−T)
+Moil×Cpoil×(T−T) 式(3)
(c)T<Tm2 の場合
Q(T)=Mpcm×Cppcm(h)×(T−Tm1
+Mpcm×Hpcm
+Mpcm×Cppcm(c)×(Tm2−T)
+Moil×Cpoil ×(T−T) 式(4)
(ここで、Q(T):放熱した熱量[J]、T:蓄熱完了時温度[℃]、Tm1:相転移開始温度[℃]、Tm2:相転移終了温度[℃]、Mpcm:エリスリトールの質量[kg]、Moil:エリスリトールの質量[kg]、Cppcm(h):エリスリトールの高温側比熱[J/(kg・℃)]、Cppcm(c):エリスリトールの低温側比熱[J/(kg・℃)]、Cpoil:油の比熱[J/(kg・℃)])
そして、これらの式(2)〜(4)に、対応する温度Tの値を代入して計算することにより、放熱した熱量Qが求められる。
(計算及び表示処理)
以上の計算及び表示処理について纏めると、以下のようになる。まず、温度センサ9a〜9jにおいて測定された温度Tの値が、温度センサ9a〜9jから計算部10aへ伝達される。
次に、計算部10aにより、温度センサ9a〜9iのそれぞれの温度値と、温度センサ9jの温度値とを用いて、式(2)〜(4)より放熱した熱量Qが計算される。ここで、放熱した熱量Qは、エリスリトール3の領域A〜Iに対応する温度センサ9a〜9iの9つの温度T9a〜T9iに対応して、Q(T9a)〜Q(T9i)の9つの結果として求められるが、これらの合計をとったものが放熱した熱量Qとして算出される。
次に、上記の計算による放熱した熱量Qを用いて、計算部10aにより、式(1)から蓄熱容器1a内部に蓄熱されている熱量Qが計算される。
次に、計算部10aの蓄熱されている熱量(残存熱量)Qの値が、制御部10cへ伝達され、表示装置8の指示部8iは、Qに相当する位置を指示するように制御部10cにより制御される。そして、表示装置8を視認することで、蓄熱装置1の運転者が、蓄熱容器1a内部に蓄熱されている熱量の大きさを把握できるようになっている。
(効果)
蓄熱装置1は以上のように構成され、計算部10aは、温度センサ9a〜9jにより測定された温度を用いて放熱した熱量Qを計算する。そのため、蓄熱容器1aの内部の温度をモニタリングしておき、その温度を用いて計算することにより、より正確な熱量を把握することができる。また、表示装置8に蓄熱容器1a内の熱量の大きさが表示されるので、蓄熱装置1の運転者が残存熱量(蓄熱運転時には蓄熱量)をリアルタイムで容易に把握できる。以上から、蓄熱容器内部1aに蓄熱されている熱量の大きさを容易に把握できる。
そして、その結果、蓄熱容器1aの運転者は、放熱完了(蓄熱運転時には蓄熱完了)となるタイミングを容易に把握できるために、効率的な放熱(及び蓄熱)が可能になる。例えば、蓄熱した熱を複数の熱利用先で放熱利用する場合に、一つの熱利用先で必要とされる放熱が完了したときに、残存熱量を把握できることで、その蓄熱装置1aを使って次の熱利用先でも放熱が可能であるか、それとも次の熱利用先では別の蓄熱装置が必要かを判断することができる。
また、計算部10aは、エリスリトール3の比熱に基づいて放熱した熱量Q(蓄熱運転時には蓄熱した熱量)を計算するものであるので、エリスリトール3の比熱と、温度の変化量と、エリスリトールの質量とを用いて、蓄熱容器1a内部の熱量を簡易に計算することができる。なお、計算部10aがエリスリトール3の比熱に基づいた計算をしないように構成されていてもよい(後述する変形例2参照)。
また、計算部10aは、エリスリトール3の単位質量当たりの潜熱の熱量を、当該潜熱に係る相転移開始温度Tm1及び終了温度Tm2の差で除したもの[Hpcm /(Tm1−Tm2)](仮想的比熱)に基づいて放熱した熱量Q(蓄熱運転時には蓄熱した熱量)を計算するものであるので、相転移区間についても、測定した温度の変化量を用いて、蓄熱容器1a内部の熱量を簡易に計算することができる。なお、計算部10aが仮想的比熱に基づいた計算をしないように構成されていてもよい(後述する変形例2参照)。
また、温度センサ9a〜9jは、蓄熱容器1a内部の鉛直方向に分布する複数の位置における温度を測定するので、より高い精度で、蓄熱容器1a内部に蓄熱されている熱量の大きさを把握できる。
次に、本発明に係る蓄熱装置の実施例について説明する。図7は、蓄熱装置1を用いて、蓄熱容器1a内部の温度に対応する予測回収熱量、及び、当該予測回収熱量に対応する実績回収熱量を示したグラフである。ここで、予測回収熱量とは、計算により求めた放熱量であり、上記の実施形態における放熱した熱量Q(T)に相当する。また、実績回収熱量とは、計算で求めたものではなく、蓄熱容器1aに供給される油2(熱交換媒体)の温度と、蓄熱容器1aから排出される油2の温度と、油2の流量と、から別途計算により求めた、蓄熱装置1aから排出される熱出力を累積合計した値であり、こちらが比較の基準となる正確な回収熱量ということになる。
また、図7においては、温度センサ9a,9d,9gによる、図2のA,D,G位置、すなわち、蓄熱容器1a内部の鉛直方向に分布する複数の位置において測定した温度に対応する、予測回収熱量を示している。一回の測定においては、A,D,G及び油位置のそれぞれの位置で、同時に温度を計測した。グラフ上では、一回分の計測結果は、一塊として示されている(例としてグラフ上の枠K内参照)。なお、図7においては、図2のA,D,G及び油位置における温度に対応する熱量のみ示しているが、実際には、上記の実施形態と同様に、温度センサ9a〜9iを全て用いて、A〜Iの領域の温度を測定している。
そして、予測回収熱量の計算が正確であれば、予測回収熱量と実績回収熱量とが一致し、グラフ上では、図7のJで示した理想性能線上へ実績回収熱量(丸で示している)が乗ることになる。
図7に示すように、一回の測定におけるA,D,G及び油位置のそれぞれの位置の温度(例えば図7の破線枠K内参照)は、互いに多少のずれはあるものの、同様の値となっている。そして、A〜I位置のそれぞれの温度及び油位置の温度に対応する予測回収熱量を上記の式(1)乃至(4)を用いて計算し、それらの平均をとったQが、図7の一塊の温度に対応する予測回収熱量ということになる。そして、このようにして得られた実績回収熱量(丸)のグラフ上の位置により、予測回収熱量と実績回収熱量との間にどれだけずれが生じているかが分かる。図7においては、予測熱回収量に対応する実績回収熱量(丸)が、理想性能線Jから大きく離れることはなかったため、予測回収熱量がほぼ正確に計算できていることが分かる。そして、この計算の結果、回収熱量を誤差20%の範囲内で推算できるという結果が得られた。なお、図7の理想性能線Jに平行な一点鎖線及び二点鎖線は、予測回収熱量の最大値の20%の値の範囲を示したものである。
(変形例)
次に、上記の実施形態に係る蓄熱装置の変形例について、上記の実施形態と異なる部分を中心に説明する。
(第1変形例)
まず、第1変形例について説明する。上記の実施形態においては、放熱運転時における残存熱量を計算・表示しているが、蓄熱運転時においても、蓄熱されている熱量を計算・表示することができる。この場合、下記の式(5)に示すように、計算部10aは、蓄熱開始時の蓄熱容器1a内部の熱量である初期熱量Qと、蓄熱した熱量Qとの差から、蓄熱容器1a内部に蓄熱されている熱量Qを計算する。
=Q+Q 式(5)
(ここで、Q:蓄熱容器内部に蓄熱されている熱量[J]、Q:初期熱量[J]、Q:蓄熱した熱量[J])
式(5)において、初期熱量Qとは、蓄熱開始時の蓄熱量である。すなわち、初期熱量Qは、計算においては定数として扱うことができ、運転者による入力操作等により記憶部10bに記憶されている。また、計算部10aは、温度センサ9a〜9jにより測定された温度を用い、且つ、エリスリトール3の比熱に基づいて、蓄熱した熱量Qを計算する。また、この計算は、エリスリトール3の単位質量当たりの潜熱の熱量を、当該潜熱に係る相転移開始温度及び終了温度の差で除したものに基づいて行なわれる。
具体的には、次の(a)、(b)、(c)のように、蓄熱容器1a内部の温度Tについて場合分けをして、蓄熱した熱量Qを計算する。
(a)T<Tm2 の場合
(T)=Mpcm×Cppcm(c)×(T−T
+Moil×Cpoil×(T−T) 式(6)
(b)Tm1>T>Tm2 の場合
(T)=Mpcm×Cppcm(c)×(Tm2−T
+Mpcm×[ Hpcm /(Tm1−Tm2)]×(T−Tm2
+Moil×Cpoil×(T−T) 式(7)
(c)T>Tm1 の場合
(T)=Mpcm×Cppcm(c)×(Tm2−T
+Mpcm×Hpcm
+Mpcm×Cppcm(h)×(T−Tm1
+Moil×Cpoil ×(T−T) 式(8)
(ここで、Q(T):放熱した熱量[J]、T:蓄熱開始時温度(初期温度)[℃]、Tm2:相転移開始温度[℃]、Tm1:相転移終了温度[℃]、Mpcm:エリスリトールの質量[kg]、Moil:エリスリトールの質量[kg]、Cppcm(h):エリスリトールの高温側比熱[J/(kg・℃)]、Cppcm(c):エリスリトールの低温側比熱[J/(kg・℃)]、Cpoil:油の比熱[J/(kg・℃)])
そして、これらの式(6)〜(8)に、対応する温度Tの値を代入して計算することにより、蓄熱した熱量Qが求められる。そして、表示装置8の指示部8iは、Qに相当する位置を指示する。以上のようにして、計算部10aは、蓄熱運転時においても、蓄熱容器1a内部に蓄熱されている熱量Qを計算・表示することができる。このような構成により、蓄熱容器内部に蓄熱されている熱量の大きさを容易に把握できる。
(第2変形例)
次に、第2変形例について説明する。本変形例においては、記憶部10bに、蓄熱容器1a内部に蓄熱されている熱量Qの値が、蓄熱容器1a内部の温度Tに関連して記憶されている。そして、この蓄熱されている熱量Qの値は、予め実施した試験で得られた結果をデータベース化することで、温度Tと関連付けて記憶部10bに記憶されているものである。そして、表示装置8は、温度センサ9a〜9jにより得られた温度T9a〜T9jに対応して、記憶部10bに記憶された熱量の大きさをリアルタイム表示するように、制御部10cにより制御される。このような構成であっても、蓄熱容器内部に蓄熱されている熱量の大きさを容易に把握できる。
(第3変形例)
次に、第3変形例について説明する。本変形例においては、第2変形例のデータベースを用いることで得られる測定温度Tに対応する熱量Qの値と、上記の実施形態のような比熱に基づく計算により得られる熱量Qの値とを比較し、これらの値間に大きな隔たりがあれば、異常状態であることを運転者に知らせるための警報装置が設けられている。これにより、異常状態の原因として考えられる、エリスリトールの漏洩、劣化等を検出することができる。蓄熱装置はこのような構成であってもよい。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述の実施の形態に限られるものではなく、特許請求の範囲に記載した限りにおいて様々に変更して実施することができるものである。
例えば、上記の実施形態においては、移動式の蓄熱装置について説明しているが、本発明は定置式の蓄熱装置に適用されてもよい。
また、蓄熱材として融解熱の高いエリスリトールを用いることで、蓄熱量が大きく、且つ、高い温度(約119度)での蓄熱が可能な熱輸送システムが得られ、蓄熱容器1aを、熱利用施設85において、例えば冷凍機に接続することにより、冷暖房に利用すること等が可能となる。
本発明の一実施形態に係る蓄熱装置を用いた蓄熱についての概略図。 図1の蓄熱装置の蓄熱側を示す概略図。 図2のコンピュータの概略構成を示すブロック図。 図2の表示装置の構成を示す概略図。 エリスリトールの凝固点付近における、蓄熱容器から放熱される熱量と、蓄熱容器内部の温度との関係を示すグラフ。 エリスリトールの凝固点付近における、蓄熱容器から放熱される熱量と、蓄熱容器内部の温度との関係を示すグラフであって、相転移区間の温度変化を、線形近似したもの。 図2の蓄熱装置を用いて、蓄熱容器内部の温度に対応する予測回収熱量、及び、当該予測回収熱量に対応する実績回収熱量を示したグラフ。
符号の説明
1 蓄熱装置
1a 蓄熱容器
2 油(熱交換媒体)
3 エリスリトール(蓄熱体)
8 表示装置(表示手段)
9a〜9j 温度センサ(温度測定手段)
10a 計算部(計算手段)

Claims (1)

  1. 潜熱蓄熱により蓄熱する蓄熱体と、
    前記蓄熱体に接触することで熱交換し、前記蓄熱体よりも比重が小さく前記蓄熱体とは分離する熱交換媒体と、
    前記蓄熱体及び前記熱交換媒体を収容する蓄熱容器と、
    前記蓄熱容器内部の温度を測定する温度測定手段と、
    蓄熱完了時に前記蓄熱容器内部に蓄熱される熱量である設計蓄熱量と放熱した熱量との差、又は、蓄熱開始時の前記蓄熱容器内部の熱量である初期熱量と蓄熱した熱量との差から、前記蓄熱容器内部に蓄熱されている熱量を計算する計算手段と、
    前記計算手段により計算された前記熱量の大きさを表示する表示手段と、を有し、
    前記温度測定手段は、前記蓄熱容器内部の鉛直方向に分布する複数の位置における温度を測定し、
    前記計算手段は、前記蓄熱体の単位質量当たりの潜熱の熱量を、当該潜熱に係る相転移開始温度及び終了温度の差で除したものに基づいて前記放熱した熱量又は前記蓄熱した熱量を計算することを特徴とする蓄熱装置。
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