JP4998949B2 - コールター原理及び光散乱の同時測定による粒子分析装置及び方法 - Google Patents

コールター原理及び光散乱の同時測定による粒子分析装置及び方法 Download PDF

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Description

本発明は、複数のサンプル粒子からなる非生物学的試料(例えば、電子写真用トナーなど)の統計的な物理特性を解析する粒子分析装置及び方法に関する。
近年、各種電子機器の高精細化に伴い、それらに使用される各種材料の物理特性に対する条件はシビアになってきている。例えば、電子写真装置(コピー機、プリンタなど)で使用されるトナーなどはその一例である。電子写真装置の性能は年々向上しており、それに伴い、トナーの各粒子の物理特性についても性能向上が要求されている。また、分解能だけでなく色再現性についても年々要求が厳しくなってきており、トナーの各粒子の色特性についても性能向上が要求されている。しかしながら、トナーのような微細な粒子の物理特性を個々に正確に測定する方法はなく、マクロ的な測定を行うしかないのが現状である。
粒子の体積を測定する方法として、従来よりコールター原理が知られている。コールター原理(細孔電気抵抗法)とは、電解質溶液(例えば、食塩水など)で満たされた細孔(アパーチャ)の入口側と出口側とに電極を設け、前記細孔に1個ずつ粒子を通過させたときの前記電極間の電位の変化(インピーダンス変化)を測定することにより、通過させた粒子の体積を1個ずつ測定できる粒子体積測定方法である。粒子の形状、色、表面形状、通過方向の影響を受けないで粒子の体積を測定できるという特徴がある。
一方、1粒子ずつの測定方法として、光散乱測定法がある。フローセルと呼ばれる狭い通路に粒子を1個ずつ通過させて、フローセル通過中の粒子にレーザー光を照射し、前記粒子で散乱された光を測定することにより、1つ1つの粒子の光散乱特性を測定する。細胞の各種計測などを行うサイトメトリなどに広く用いられている。
これらの粒子の測定方法は、細胞の検査に広く用いられているが、非生物学的分野への適用についてはほとんど行われていない。
特許文献1〜3には、コールター原理と光散乱測定法を組み合わせて、生物学的サンプル(白血球、赤血球、マラリア原虫等)の分別や計数等を行う技術が記載されている。特許文献1〜3は、測定対象物として生物学的試料のみを想定しており、非生物学的試料の測定を行うための構成については記載も示唆もされていない。細胞等の光透過度が高い粒子が測定対象であるため、測定しているのは細胞を透過した透過散乱光であり、そのために照射レーザー光の光軸に近い角度の散乱光である低角散乱光を測定している。
特許文献4及び5には、電子写真用トナー粒子の形状を、コールター原理及びレーザー回折散乱法により測定する技術が記載されている。コールター原理による測定ではトナー粒子を1粒子ずつ測定できるものの、レーザー回折散乱法は複数の粒子からの回折光パターンを測定していることから複数のトナー粒子のマクロ的(平均的)な測定結果しか得られず、個々のトナー粒子の光学特性を得ることはできない。したがって、全体としてはトナー粒子1つ1つの物理特性を測定できず、複数の粒子のマクロ的な物理特性を測定しているのみである。
特表2003−506710号公報 特表2007−522475号公報 特表2007−525674号公報 特開2007−193048号公報 特開2001−22122号公報
上述の通り、非生物学的試料の個々の粒子の物理特性を正確に測定する技術は確立していない。コールター原理による測定では個々の粒子の体積が測定できるのみであり、個々の粒子のその他の物理特性(形状、色、表面形状など)は測定できない。また、サイトメトリなどで用いられている光散乱測定法も、光透過度が高い細胞などの生物学的試料の透過光や低角散乱光(透過散乱光)を検出することにより細胞の弁別を行っているだけで、個々の粒子の物理特性(形状、色、表面形状など)を測定するものではない。トナーの粒度測定などに用いられるレーザー回折散乱法は、複数の粒子の塊である粒子群にレーザーを照射して回折光パターンから粒子の粒度分布を求めるものであり、個々の粒子の物理特性を測定することはできない。回折光パターンは複数の粒子からの散乱光によってはじめて発生するものであり、そこからわかるのはマクロ的な情報にしか過ぎず、個々の粒子の情報は得られない。
本発明は上記問題点を解決し、非生物学的試料の個々の粒子の物理特性(体積、形状、色、表面形状など)を測定することができ、測定結果から非生物学的試料の統計的な物理特性を解析することができる粒子分析装置及び方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明は以下の構成を有する。
複数のサンプル粒子からなる非生物学的試料の統計的な物理特性を解析する粒子分析装置であって、
前記サンプル粒子を1粒子ずつ通過させることができるフローセルと、
前記フローセルに前記サンプル粒子を1粒子ずつ注入するサンプル粒子注入手段と、
前記フローセルの入口側と出口側とに電極を設け、前記サンプル粒子の通過にともなうインピーダンス変化を測定するインピーダンス測定手段と、
前記フローセルに光を照射し、前記サンプル粒子の表面で散乱された表面散乱光強度を測定する散乱光測定手段と、
各サンプル粒子ごとに測定された表面散乱光強度及びインピーダンス変化を統計処理することにより前記非生物学的試料の統計的な物理特性を解析する演算手段と、を有し、
前記表面散乱光強度及び前記インピーダンス変化は、1つ1つのサンプル粒子ごとに同時測定され、
前記演算手段は、各サンプル粒子ごとの表面散乱光強度及びインピーダンス変化をそれぞれ独立パラメータとした2次元分布のばらつきにより前記非生物学的試料の異色粒子の混合割合を解析する、ことを特徴とする粒子分析装置。
複数のサンプル粒子からなる非生物学的試料の統計的な物理特性を解析する粒子分析方
法であって、
前記サンプル粒子をフローセルに1粒子ずつ通過させる工程と、
サンプル粒子注入手段により前記フローセルに前記サンプル粒子を1粒子ずつ注入する工程と、
前記フローセルの入口側と出口側とに電極を設け、前記サンプル粒子の通過にともなうインピーダンス変化を測定するインピーダンス測定工程と、
前記フローセルに光を照射し、前記サンプル粒子の表面で散乱された表面散乱光強度を測定する散乱光測定工程と、
各サンプル粒子ごとに測定された表面散乱光強度及びインピーダンス変化を統計処理することにより前記非生物学的試料の統計的な物理特性を解析する演算工程と、を有し、
前記表面散乱光強度及び前記インピーダンス変化は、1つ1つのサンプル粒子ごとに同時測定され、
前記演算工程は、各サンプル粒子ごとの表面散乱光強度及びインピーダンス変化をそれぞれ独立パラメータとした2次元分布のばらつきにより前記非生物学的試料の異色粒子の混合割合を解析する、ことを特徴とする粒子分析方法。
また、好ましくは以下の実施態様を有してもよい。
前記散乱光測定手段は、少なくとも側方散乱光を含む散乱光強度を測定するようにしてもよい。
前記散乱光測定手段は、前記サンプル粒子に複数の波長の光を同時照射し、それぞれの波長の散乱光を測定するようにしてもよい。
前記散乱光測定手段は、前記サンプル粒子に異なる偏光の光を同時照射し、それぞれの偏光の散乱光を測定するようにしてもよい。
前記サンプル粒子は、光透過度が低い粒子が好ましい。
前記演算手段は、各サンプル粒子の表面散乱光強度のばらつきを解析して光学的表面粗さを求めるようにしてもよい。
前記演算手段は、前記インピーダンス変化より求められた各サンプル粒子の粒子径または粒子体積ごとに表面散乱強度のばらつきを解析して有効真球度を求めるようにしてもよい
なお、表面散乱光強度とインピーダンス変化の同時測定は、ほぼ同時に測定することも含む。
本発明は上記構成により、非生物学的試料の個々のサンプル粒子の物理特性(体積、形状、色、表面形状など)を測定することができ、測定結果から非生物学的試料の統計的な物理特性を解析することができる。非生物学的試料の個々のサンプル粒子について、それぞれコールター原理による測定結果と光散乱測定による測定結果とが得られ、これらを独立パラメータとした2次元的な分布(2次元ヒストグラム、Cloudgram)のばらつきを求めることにより、非生物学的試料の真球度、表面粗さ、色特性などを求めることができる。サンプル粒子からの透過散乱光ではなく表面散乱光を測定することにより、サンプル粒子の形状や表面に関する情報を得ることができ、コールター原理による測定と合わせて、サンプル粒子の物理特性をより正確に測定することができる。特に、粒径の異なるサンプル粒子を含む試料の各種物理特性を測定する場合に効果的である。
さらに、散乱光測定手段が少なくとも側方散乱光を含む散乱光強度を測定する構成を採用すれば、サンプル粒子の表面情報を多く含む側方散乱光(照射光の光軸に対して略直交方向の散乱光)を測定できるので、サンプル粒子の物理特性をより高精度に測定できる。細胞などの生物学的試料は光透過度が高いので通常は透過光か低角散乱光しか測定できないが、本発明は測定対象物が非生物学的試料であるので一般的に光透過度が低く、サンプル粒子の表面情報を多く含む側方散乱光を測定できる。また、サンプル粒子に照射する光を複数の波長にしたり異なる偏光を組み合わせたりすることで、さらに精度良くサンプル粒子の物理特性を測定することができる。
以下、図面を用いて本発明の実施形態の一例について説明する。
図1は、本実施形態における、コールター原理と光散乱の同時測定系の説明図である。容器1は、電解質溶液(食塩水など)で満たされており、フローセル2を隔てて2つに分けられている。フローセル2は、サンプル粒子3を1個ずつ通過させるために細い通路になっており、通路の側面からレーザー光を照射できるように光を透過する構造になっている。フローセル2内で流れが生じるように、容器1の一方から他方へ電解質溶液の流れを生じさせている。サンプル注入ノズル4によりサンプル粒子3を1個ずつ注入し、フローセル2内にサンプル粒子3を1個ずつ通過させる。フローセル2の入口側と出口側のそれぞれには電極5が設けられていて、サンプル粒子3がフローセル2を通過する際のインピーダンス変化を測定する(コールター原理)。また、図示されていないが、フローセル2を通過するサンプル粒子3に照射したレーザー光の散乱光強度を測定する散乱光測定手段が設けられている(光散乱測定)。
サンプル粒子3をサンプル注入ノズル4より1個ずつフローセル2内に注入し、サンプル粒子3がフローセル2を通過する際のインピーダンス変化と散乱光強度を1粒子ごとに測定することができる。各サンプル粒子ごとに測定されたインピーダンス変化と散乱光強度は、図示されていない演算手段により統計処理が行われ、必要に応じて図示されていない表示手段により解析結果が表示される。
図2は、複数波長のレーザー光を照射するようにした別の実施形態の説明図である。同時検出部にあるフローセルに対して、異なる波長の光を発する第1レーザー及び第2レーザーからの光を照射している。サンプル粒子により散乱された光は、散乱光検出部により波長ごとに散乱光強度が検出される。
図3は、異なる偏光のレーザー光を照射するようにした別の実施形態の説明図である。同時検出部にあるフローセルに対して、異なる偏光の光を発する第1レーザー及び第2レーザーからの光を照射している。サンプル粒子により散乱された光は、偏光散乱検出部により偏光ごとに散乱光強度が検出される。
以下、本発明の測定原理について説明する。
図4は、コールター原理の説明図である。コールター原理は、W.H.Coulter氏が発明した、精密な粒子体積測定法である。2つの部屋に分けられた容器1を、サンプル粒子3を含む電解質溶液(食塩水など)で満たす。容器1の各部屋の間は細孔(アパーチャ)6でつながっていて、各部屋には電極5が設けられている。容器1の一方の部屋から他方の部屋への流れを作ることにより、サンプル粒子3が細孔(アパーチャ)6を通過し、サンプル粒子3の通過時の電極5間のインピーダンス変化を測定する。インピーダンス変化量が通過する粒子の体積に比例することが知られており、その原理を用いて粒子の体積を測定する。粒子の形状、色、表面形状、通過方向などの影響なく、粒子の体積を測定することができるという特徴がある。
図5は、光散乱測定法の原理の説明図である。サンプル粒子3は、フローセル内のサンプル流に乗って1粒子ずつ移動する。サンプル流の周りには、前記サンプル流を圧力差により流体力学的に絞り込むシース流が流れている。サンプル流内を1個ずつ流れているサンプル粒子3に向かってレーザー光を照射して、サンプル粒子3で散乱された光を測定する。散乱光はあらゆる方向に散乱し、どの角度の散乱光を測定してもよいし、複数の角度の散乱光を測定してもよい。特に、側方散乱光(レーザー光の光軸方向に対して略直角方向の散乱光)はサンプル粒子3の表面形状の情報を多く含んでいるので、少なくとも側方散乱光を含む散乱光を測定するとよい。
図1〜図3の同時検出部は、前記コールター原理及び前記光散乱測定法に基づく各測定を個々のサンプル粒子に対して同時測定している。
以下、本実施形態の解析アルゴリズムであるCloudgram解析について説明する。
・各粒子の散乱光のばらつき(CV値)を解析し、光学的表面粗さを求める。
・各粒子径ごとの散乱光のばらつき(CV値)を算出し、個数または体積の重みをつけた平均の散乱光のばらつき(CV値)を算出し、個数平均有効真球度または体積平均有効真球度を求める。
・各粒子径ごとの散乱光の平均値またはピーク値をプロットし、その曲線の傾きを求める。標準粒子(真球など)を内部標準に用いて、比較する。
・表面粗さが小さい真球状粒子の場合、傾きがほぼゼロになり、有効真球度と光学的表面粗さは一致する。
なお、さらに、コールター原理に、粒子通過時間(つまり、パルス幅)を加えれば、通過時間から粒子長さがわかり、形状の違いを求められる。
以下、本実施形態による実験結果を示す。
図6及び図7に、本実施形態による実験結果1のグラフを示す。図6は、試料A(左側のグラフ)と試料B(右側のグラフ)について、本実施形態により散乱光強度とコールター原理の測定をした結果を示すグラフである。グラフの横軸はコールター原理により測定された粒子体積から算出された粒径、縦軸は側方散乱光強度である。試料A(点線枠内)については、粒径(横軸方向)がほぼ一定の範囲内にあるが、散乱光強度(縦軸方向)にばらつきがあることがわかる。これは、粒径はほぼ均一であるものの、個々の粒子の形状が一定していないことを示している。ちなみに、試料Aはラテックスビーズである。一方、試料B(点線枠内)については、散乱光強度(縦軸方向)がほぼ一定の範囲内にあるが、粒径(横軸方向)にばらつきがあることがわかる。これは、個々の粒子の形状がほぼ真球であり、散乱光強度は一定の範囲内にあるが、異なる粒径の粒子が混在していることを示している。多数の粒子の統計的な真球度を示す有効真球度は、試料Aについては13%、試料Bについては3.4%で、試料Bの真球度が高いことがわかる。
図7は、図6のグラフについて、縦軸を個数にしたグラフである。グラフ(a)及び(b)は試料Bに関するもので、縦軸が個数、グラフ(a)の横軸はコールター原理による粒径、グラフ(b)の横軸は散乱光強度である。同様に、グラフ(c)及び(d)は試料Aに関するもので、縦軸が個数、グラフ(c)の横軸はコールター原理による粒径、グラフ(d)の横軸は散乱光強度である。図7の個々のグラフの情報からでもサンプル粒子の物理特性をある程度解析することができるが、図6のように個々の粒子の情報を2次元分布させることでより詳細な情報を得ることができる。
図8は、本実施形態による実験結果2のグラフを示す。本実験では、粒径も形状も不均一な粒子を含む試料Cについて測定を行った。図6と同様に、横軸はコールター原理により測定された粒子体積から算出された粒径、縦軸は側方散乱光強度である。本グラフからわかるように、粒子の形状が真球から外れている場合には、粒径(横軸)が大きくなるにつれて、散乱光強度(縦軸)のばらつきも大きくなる。コールター原理で求められた粒径ごとに散乱光強度のばらつきを求めることにより、異なる粒径の粒子を含む試料でも正確に有効真球度や表面粗さを測定できる。コールター原理による測定と粒子の表面散乱光強度を同時測定することにより、粒径の異なる粒子を含む試料でも正確に各種物理特性を測定できることがわかる。
図9は、試料ABCの粒径-散乱光強度グラフにおいて、各粒子径ごとの平均値またはピーク値をプロットした傾きを表示したグラフである。この傾きは、各粒子の真球度が高いほどゼロに近づく。
図10に、各色のカラートナーを測定した結果を示す。左側のグラフはコールター原理による粒度分布で横軸が粒子体積、縦軸が個数(%)である。右側のグラフは参考のために載せた各色トナーの電子顕微鏡写真である。グラフ及び写真は、上から、赤色トナー、黄色トナー、黒色トナーに対応している。このグラフから、赤色トナー及び黄色トナーは比較的粒子体積が一定であるが、黒色トナーについては粒子体積にばらつきがあることがわかる。これは、右側の電子顕微鏡写真でも確認できる。
図11は、図10と同じトナーについて、散乱光強度についても測定したグラフである。左から、赤色トナー、黄色トナー、黒色トナーに対応し、上側のグラフは横軸が散乱光強度、縦軸が個数(%)であり、下側のグラフは本発明の特徴である横軸が粒子体積、縦軸が散乱光強度のグラフである。上側にある散乱光強度のグラフでもトナー粒子の物理特性についてある程度の傾向がわかるが、やはり下側にある粒子体積−散乱光強度の分布図の方がトナー粒子の物理特性が正確にわかる。この図から、黄色及び赤色のトナーの形状は真球に近いことがわかり、黒色トナーの形状にはばらつきがあることがわかる。これらの測定結果から、赤色トナーは平均粒子径が5.69(μm)、平均粒子体積が96.52(μm)3、光学的表面粗さが30.39%であり、黄色トナーは平均粒子径が5.62(μm)、平均粒子体積が92.36(μm)3、光学的表面粗さが28.91%であり、黒色トナーは平均粒子径が5.15(μm)、平均粒子体積が71.87(μm)3、光学的表面粗さが34.36%であることがわかる。
図12は、色の異なる粒子についての、粒径−散乱光強度分布図である。横軸はコールター原理により求めた粒径、縦軸は散乱光強度で、個々のドットは個々の粒子の測定結果に対応する。この分布図からわかるように、白色粒子についてはグラフの中心にある点線より上に分布する傾向があり、黒色粒子についてはグラフの中心にある点線より下に分布する傾向がある。これらの色の異なる粒子を混合させた混合物を測定した結果が右図である。この図からわかるように、本測定方法により、粒径の異なる粒子を有する試料の粒子の色の分布や混合割合を知ることができる。サンプル粒子に照射するレーザー光の波長を複数にすれば、さらに細かく粒子の色の分布を測定することが可能である。
以上、本発明の実施形態の一例を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇において各種の変更が可能であることは言うまでもない。
本発明におけるコールター原理と光散乱の同時測定系の一例を説明する図。 コールター原理と光散乱の同時測定系において、複数波長の散乱光の検出する構成の一例を説明する図。 コールター原理と光散乱の同時測定系において、異なる偏光の散乱光の検出する構成の一例を説明する図。 コールター原理の説明図。 光散乱測定法の説明図。 本実施形態による実験結果1のグラフ1(横軸:コールター原理による粒径、縦軸:散乱光強度)。 本実施形態による実験結果1のグラフ2(横軸:コールター原理による粒径または散乱光強度、縦軸:個数)。 本実施形態による実験結果2のグラフ(横軸:コールター原理による粒径、縦軸:散乱光強度)。 各試料の粒径−散乱光強度グラフの傾きを表示したグラフ。 各色のカラートナーのコールター原理による測定結果と電子顕微鏡写真。 各色のカラートナーの散乱光強度グラフ(上図)と、粒子体積−散乱光強度分布図(下図)。 白色粒子、黒色粒子、白黒粒子混合物の粒径−散乱光強度分布図。
符号の説明
1:容器、 2:フローセル、 3:サンプル粒子、 4:サンプル注入ノズル、 5:インピーダンス測定用電極、 6:細孔(アパーチャ)

Claims (10)

  1. 複数のサンプル粒子からなる非生物学的試料の統計的な物理特性を解析する粒子分析装置であって、
    前記サンプル粒子を1粒子ずつ通過させることができるフローセルと、
    前記フローセルに前記サンプル粒子を1粒子ずつ注入するサンプル粒子注入手段と、
    前記フローセルの入口側と出口側とに電極を設け、前記サンプル粒子の通過にともなうインピーダンス変化を測定するインピーダンス測定手段と、
    前記フローセルに光を照射し、前記サンプル粒子の表面で散乱された表面散乱光強度を測定する散乱光測定手段と、
    各サンプル粒子ごとに測定された表面散乱光強度及びインピーダンス変化を統計処理することにより前記非生物学的試料の統計的な物理特性を解析する演算手段と、を有し、
    前記表面散乱光強度及び前記インピーダンス変化は、1つ1つのサンプル粒子ごとに同時測定され、
    前記演算手段は、各サンプル粒子ごとの表面散乱光強度及びインピーダンス変化をそれぞれ独立パラメータとした2次元分布のばらつきにより前記非生物学的試料の異色粒子の混合割合を解析する、ことを特徴とする粒子分析装置。
  2. 前記散乱光測定手段は、少なくとも側方散乱光を含む散乱光強度を測定する、ことを特徴とする請求項1記載の粒子分析装置。
  3. 前記散乱光測定手段は、前記サンプル粒子に複数の波長の光を同時照射し、それぞれの波長の散乱光を測定する、ことを特徴とする請求項1または2記載の粒子分析装置。
  4. 前記散乱光測定手段は、前記サンプル粒子に異なる偏光の光を同時照射し、それぞれの偏光の散乱光を測定する、ことを特徴とする請求項1〜3いずれか記載の粒子分析装置。
  5. 前記サンプル粒子は、光透過度が低い粒子である、ことを特徴とする請求項1〜4いずれか記載の粒子分析装置。
  6. 前記演算手段は、各サンプル粒子の表面散乱光強度のばらつきを解析して光学的表面粗さを求める、ことを特徴とする請求項1〜5いずれか記載の粒子分析装置。
  7. 前記演算手段は、前記インピーダンス変化より求められた各サンプル粒子の粒子径または粒子体積ごとに表面散乱強度のばらつきを解析して有効真球度を求める、ことを特徴とする請求項1〜6いずれか記載の粒子分析装置。
  8. 複数のサンプル粒子からなる非生物学的試料の統計的な物理特性を解析する粒子分析方法であって、
    前記サンプル粒子をフローセルに1粒子ずつ通過させる工程と、
    サンプル粒子注入手段により前記フローセルに前記サンプル粒子を1粒子ずつ注入する工程と、
    前記フローセルの入口側と出口側とに電極を設け、前記サンプル粒子の通過にともなうインピーダンス変化を測定するインピーダンス測定工程と、
    前記フローセルに光を照射し、前記サンプル粒子の表面で散乱された表面散乱光強度を測定する散乱光測定工程と、
    各サンプル粒子ごとに測定された表面散乱光強度及びインピーダンス変化を統計処理することにより前記非生物学的試料の統計的な物理特性を解析する演算工程と、を有し、
    前記表面散乱光強度及び前記インピーダンス変化は、1つ1つのサンプル粒子ごとに同時測定され、
    前記演算工程は、各サンプル粒子ごとの表面散乱光強度及びインピーダンス変化をそれぞれ独立パラメータとした2次元分布のばらつきにより前記非生物学的試料の異色粒子の混合割合を解析する、ことを特徴とする粒子分析方法。
  9. 前記演算工程は、各サンプル粒子の表面散乱光強度のばらつきを解析して光学的表面粗さを求める、ことを特徴とする請求項8記載の粒子分析方法。
  10. 前記演算工程は、前記インピーダンス変化より求められた各サンプル粒子の粒子径または粒子体積ごとに表面散乱強度のばらつきを解析して有効真球度を求める、ことを特徴とする請求項8または9記載の粒子分析方法。
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