JP4997750B2 - カーボンナノチューブを用いた電子素子及びその製造方法 - Google Patents

カーボンナノチューブを用いた電子素子及びその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、カーボンナノチューブ(CNT)を用いた電子素子及びその製造方法に関し、とくにカーボンナノチューブ上への薄膜の堆積に起因するカーボンナノチューブの電気的特性の劣化が少ないカーボンナノチューブを用いた電子素子に関する。
カーボンナノチューブは、特異な物理的、化学的及び電気的性質を有することから、様々な分野での応用が試みられている。とくに、その形状及び構造に基づく電気的性質の特異性を利用したカーボンナノチューブを用いた電子素子(以下、本明細書では「カーボンナノチューブ素子」という。)、例えばガスセンサ素子、電子放出素子、カーボンナノチューブ電界効果トランジスタ(以下「カーボンナノチューブFET」という。)の開発が強く進められている。
これらのカーボンナノチューブ素子は、カーボンナノチューブに接触して形成される薄膜が欠かせない。例えば、カーボンナノチューブに電気的な接続をとるための電極、あるいはカーボンナノチューブを保護するための薄膜である。以下、FETを例に、かかるカーボンナノチューブ素子に用いられる薄膜について説明する。
図9は従来のカーボンナノチューブFET断面図であり、カーボンナノチューブとこれを被覆するパッシベーション膜を表している。
図9を参照して、従来のカーボンナノチューブFETは、上面に酸化膜1aが形成されたシリコン基板上に、触媒粒子8から一方向に向けて成長されたカーボンナノチューブ2が横たわり、カーボンナノチューブ2の両端にはそれぞれソース及びドレイン電極3となる金属薄膜がカーボンナノチューブ上に堆積されている。さらに、カーボンナノチューブ2及び電極3を覆うパッシベーション膜6が基板1上に堆積され、ゲート絶縁膜を兼ねるパッシベーション膜6上にゲート電極7が設けられている。
この電極3及びパッシベーション膜6は、カーボンナノチューブ2の形成後に堆積される。電極3は金属、例えばスパッタ又は蒸着により形成されたTi/Auからなり、パッシベーション膜6は例えばCVD法により形成されたSi3 4 からなる。
しかし、薄膜3(即ち、電極3及びパッシベーション膜6)の堆積は、スパッタ、蒸着、CVD又はプラズマを用いた高温プロセスあるいは高エネルギプロセスによりなされるため、カーボンナノチューブ2の表面に薄膜3を堆積する際にカーボンナノチューブ2の構造がしばしば損傷される。その結果、カーボンナノチューブ2の特性、例えば電気的特性が変化してカーボンナノチューブ素子の特性が劣化してしまう。
Daisuke Kaminishi等は、カーボンナノチューブの損傷が少ない薄膜の堆積方法として、n型カーボンナノチューブFETが空気に晒されてp型カーボンナノチューブFETに転換されることを防止するためのSi3 4 保護膜を、低温で堆積できる触媒CVD(Catalitic Chemlcal Vapor Deposition)法により堆積する方法を開示している。(例えば非特許文献1を参照。)。
また、公開公報特開2002−140979号には、カーボンナノチューブを用いた電子放出素子において、カーボンナノチューブ膜の表面にAl膜を蒸着し、このAl薄膜上に絶縁膜を堆積する方法が開示されている。この方法では、カーボンナノチューブ膜がAl薄膜により保護されるため、その後のプロセスにおけるカーボンナノチューブ膜の酸化やエッチングによる損傷を避けることができる。(例えば特許文献1を参照。)。
特開2002−140979号公報 Daisuke Kaminish,etc., Applied Physics Letters vol.86,113115(2005)
上述したように、従来のカーボンナノチューブを用いた電子素子では、その作製にあたり高温又は高エネルギの堆積工程を用いてカーボンナノチューブ上に薄膜を堆積するため、カーボンナノチューブの損傷による特性劣化を生ずるという問題があった。
また、触媒CVD法を用いた薄膜の堆積方法では、比較的低温で堆積できるためカーボンナノチューブの損傷は少ないものの、雰囲気ガスによるエッチングあるいは200℃以上の堆積温度による損傷を避けることができず、カーボンナノチューブの電気的特性の劣化を十分に抑制することは難しい。
さらに、カーボンナノチューブを蒸着Al膜で保護して絶縁膜を堆積する方法では、蒸着するAl分子のエネルギが大きくカーボンナノチューブの損傷を防止することは難しい。
本発明は、カーボンナノチューブ表面に薄膜が堆積されたカーボンナノチューブを用いた電子素子において、薄膜の堆積により生ずるカーボンナノチューブの損傷が少ないカーボンナノチューブを用いた電子素子を提供することを目的としている。
上記課題を解決するための本発明の第1構成に係るカーボンナノチューブ素子(カーボンナノチューブを用いた電子素子)は、カーボンナノチューブの表面上に堆積された微粒子からなる微粒子層と、前記微粒子層上に堆積された薄膜とを有する。
即ち、本第1構成では、微粒子層で被覆されたカーボンナノチューブの表面上に、通常のプロセスで堆積された薄膜を有する。この第1構成では、通常のプロセスで薄膜を堆積しても、カーボンナノチューブが微粒子層で保護されるため、カーボンナノチューブが損傷しない。このため、この第1構成のカーボンナノチューブ素子は、薄膜の堆積に起因する素子特性の劣化が小さい。
この微粒子層は、堆積により、即ち微粒子をカーボンナノチューブの表面へ堆積して形成される。このような微粒子の堆積は、CVD、蒸着又はプラズマを用いる堆積方法と比較してカーボンナノチューブへ衝突する微粒子が有するエネルギが小さいため、堆積時のカーボンナノチューブの損傷を生じない。
このように、本発明の第1構成のカーボンナノチューブ素子は、微粒子層及び薄膜の堆積工程においてカーボンナノチューブの損傷が小さいため、カーボンナノチューブの特性がそのまま保持されて優れた特性を有する電子素子となる。
微粒子層を構成する微粒子は、平均直径が50nm以下であることが好ましい。この独立した微粒子からなる微粒子層は、各微粒子がカーボンナノチューブ表面に付着するのみで、カーボンナノチューブの表面に問題となる程の物理的及び化学的な損傷を与えない。しかし、平均粒径が50nmを超えると、通常の直径が0.4〜100nmのカーボンナノチューブを均一に被覆することが困難になり、その結果その上に薄膜を堆積する際にカーボンナノチューブを損傷するおそれが大きいからである。
また、微粒子の直径分布の幾何標準偏差が2.0以下であることが好ましい。微粒子の直径が揃っているほど、微粒子がカーボンナノチューブ表面を均一に被覆しやすいからである。
上述した微粒子の材料は、カーボンナノチューブ表面に付着したときカーボンナノチューブを損傷する物質でなければ、とくに制限されない。例えば、金属等の導電性の物質を用いることもできるし、無機又は有機の絶縁性物質を用いることもできる。さらに、微粒子の材料を選択して、カーボンナノチューブの特性を制御することもできる。
このような微粒子層は、気相反応で製造された微粒子をノズルから吹きつけてカーボンナノチューブ表面に堆積させることで形成することができる。また、液相反応で製造された微粒子を例えばスピンコートで塗布してカーボンナノチューブ表面に堆積することで形成することもできる。これらの堆積法は、CVD法、蒸着法及びプラズマを用いた堆積法に比べて微粒子の持つエネルギが小さく、カーボンナノチューブに堆積してもカーボンナノチューブの損傷を実用上発生させない。さらに、微粒子を堆積前にアニールして歪みを除去することが、微粒子の活性を小さくしカーボンナノチューブとの反応を抑制する観点から好ましい。
上記第1構成の薄膜を、上述した微粒子層により構成することもできる。即ち、薄膜に代えて、微粒子層を薄膜を代替するに必要な厚さまで堆積する。この構成では、微粒子層と薄膜とを1工程で形成することができる。
なお、本第1構成の薄膜は、例えばカーボンナノチューブをチャネルとして用いるカーボンナノチューブFETのパッシベーション膜又はゲート絶縁膜であってもよい。また、カーボンナノチューブを用いる電子素子の、カーボンナノチューブに電気的接続をとるための電極とすることもできる。
本発明によれば、カーボンナノチューブと薄膜との間に微粒子の堆積により形成された微粒子層が挿入されているため、薄膜形成時にカーボンナノチューブが微粒子層で保護されてカーボンナノチューブの損傷が回避されるので、薄膜の形成に起因する特性劣化が小さなカーボンナノチューブを用いた電子素子を提供することができる。
本発明の第1実施形態は、基板をゲート電極とするカーボンナノチューブFETに関する。
図1は本発明の第1実施形態のカーボンナノチューブFET断面図であり、カーボンナノチューブの軸に沿う垂直断面を表している。
第1実施形態のカーボンナノチューブFETは、シリコン基板1の表面に形成された熱酸化膜1a上に、カーボンナノチューブ2が配置されその両端に接続する電極3が形成されている。カーボンナノチューブ2の表面には微粒子4からなる微粒子層5が設けられ、この微粒子層5を介してシリコン酸化膜、シリコン窒化膜又は有機絶縁膜等からなるパッシベーション膜6が形成されている。
かかるカーボンナノチューブ2をパッシベーション膜6で被覆した構造は、カーボンナノチューブFETの他にも、センサや量子効果素子等を含む多くのカーボンナノチューブ素子で一般的に使用されているもので、例えばパッシベーション膜6に開口を設けてカーボンナノチューブ2を開口に表出した電子放出素子が知られている。本第1実施形態は、これらのカーボンナノチューブ素子の最終構造又は製造途中の構造として適用することができる。
以下、第1実施形態のカーボンナノチューブFETの製造方法を説明する。
図2は本発明の第1実施形態で使用した微粒子堆積装置の構成図であり、微粒子堆積装置の主要な構成を表している。
まず、図1を参照して、シリコン基板1の表面を熱酸化して基板1上面に厚さ50nmの酸化膜1aを形成する。ついで、酸化膜1a上にカーボンナノチューブ2を配置し、その両端にTi/Au電極3を形成する。
カーボンナノチューブ2は、周知のカーボンナノチューブの製造方法、例えばアーク放電法、レーザアブレーション法又はCVD法を用いて予め製造されていたものを基板1上に配置してもよく、後述する第2実施形態と同様に触媒を用いて直接基板1上に形成してもよい。電極3は、カーボンナノチューブ2が配置された基板1上に、フォトリソグラフィを用いて電極3形成領域を画定する開口を有するレジストマスクを形成し、スパッタ又は蒸着によりTi/Au膜を堆積後、リフトオフして形成した。
次いで、電極3を覆い、カーボンナノチューブ2を表出するレジストマスクを形成する。そして、図2を参照して、このレジストマスクが形成された基板1を微粒子堆積装置の堆積室10内の保持台11上に載置し、基板1上にシリコン酸化物の微粒子4を堆積した。
微粒子4の堆積は、レーザアブレーション法により形成された微粒子4を、微分型静電分級器20(DMA:differential Mobility Analyzer)を用いて分級し、分級された微粒子4を気流に乗せて基板1上に運ぶことでなされた。
まず、シリコン酸化物からなるターゲット24を微粒子発生室30内に配置する。微粒子発生室30は、圧力を1300Paに保持され、1slpm(スタンダードリッター毎分)のHeがキャリアガス31として流入されている。次いで、レーザ光源23から出射されるNd:YAGレーザの2倍高調波からなる繰り返し周波数20Hzのパルスレーザ光23aをターゲット24に照射し、ターゲット24の表面を蒸発させてシリコン酸化物の蒸気を生成する。この蒸気はキャリアガス31により冷却されてシリコン酸化物からなる微粒子4となり、キャリアガス31の流れに乗って飛行方向4aに移動し管22内に運ばれる。
管22内に運ばれた微粒子4は、管22を炉芯管とする管状熱処理炉21により1000℃でアニールされる。
次いで、微粒子4はキャリアガス31と共に微分型静電分級器20に送られ、分級される。これにより、微粒子4は直径3nm±10%(幾何標準偏差1.1)に分級されサイズが揃えられる。
次いで、分級された微粒子4は、キャリアガス31と共にノズル12を通して堆積室10へ供給される。堆積室10内は、排気管13から真空排気されて1200Paに保持されている。ノズル12の先端(下端)は、基板1から10mm上方に位置しており、ノズル12から堆積室10へ供給された微粒子4は、ノズル12から流出するキャリアガス31の流れに乗って基板1上に運ばれ堆積する。
図3は本発明の第1実施形態でカーボンナノチューブ表面に堆積した微粒子を表す図であり、上述した微分型静電分級器20で分級された微粒子4がノズル12から流出するキャリアガス31の流れに乗って基板1上に運ばれ堆積した状態を表している。なお図3中の円内はその左側の図のカーボンナノチューブの一部を模式的に描いた図である。図3を参照して、微粒子4はカーボンナノチューブの表面に一様に付着している。
このようにノズル12から流出するキャリアガス31の流れに乗って拡散又は慣性衝突により基板1上に運ばれた微粒子4は、室温の熱エネルギあるいはガス速度に依存した比較的低い運動エネルギしか有しない。このため、微粒子4がカーボンナノチューブ2表面に堆積しても、カーボンナノチューブ2の特性劣化が問題となるほど大きな損傷は発生しない。
次いで、基板1上に形成されているレジストマスクをリフトオフして、レジストマスク上に堆積した微粒子4を除去し、レジストマスクの開口に表出するカーボンナノチューブ2の表面及び基板1の表面に堆積した微粒子4を残し、この微粒子からなる微粒子層5を形成する。この微粒子層5は、一層又は数層の微粒子4からなる層とすることが、確実にかつ均一にカーボンナノチューブ2を微粒子層5により被覆し、かつ、堆積速度が遅い微粒子層5の形成を短時間で終了するという観点から好ましい。さらに、一層以下、即ちカーボンナノチューブ2の表面の一部が微粒子層5で覆われていない場合であっても、その被覆されていない表面の面積の割合が小さく重大な特性の劣化を生じない限り用いることもできる。
次いで、再び図1を参照して、カーボンナノチューブ2及び電極3を被覆する絶縁膜を形成し、パターニングして絶縁膜からなるパッシベーション膜6を形成することで、カーボンナノチューブFETが製造される。
上述した第1実施形態のパッシベーション膜6となる絶縁膜は、例えばTEOS等のシリコン酸化物、シリコン窒化物、又はPMMA等のポリマーを用いることができ、これらは通常の絶縁膜の堆積方法、例えばCVD法、プラズマCVD、スパッタ又は蒸着により堆積される。
このようにパッシベーション膜6を高エネルギプロセスを含む通常の堆積方法を用いて堆積しても、カーボンナノチューブ2の表面は微粒子層5により保護されているので、カーボンナノチューブ2の損傷は極めて少ない。
また、上述した第1実施形態では、微粒子4の堆積はキャリアガス31中に微粒子4を生成し、この微粒子4をキャリアガス31の流れに乗せて基板1上に運び堆積した。これに代えて、微粒子を液相中に生成し、微粒子が分散した液をスピンコート法により基板上に塗布し、乾燥することで微粒子を堆積してもよい。
本発明の第2実施形態は、カーボンナノチューブをチャネルとしパッシベーション膜をゲート絶縁物としてその上にゲート電極が形成されたカーボンナノチューブFETに関する。
図4は本発明の第2実施形態のカーボンナノチューブFETの製造工程図である。図5〜図7は本発明の第2実施形態のカーボンナノチューブFETの製造工程断面図(その1)〜(その3)であり、製造工程途中のカーボンナノチューブFETの断面を表している。
本第2実施形態に係るカーボンナノチューブFETの製造工程は、図4及び図5(a)を参照して、まず、工程S1では、シリコン基板1の表面に厚さ50nmの熱酸化膜1aを形成する。なお、この酸化膜1aを、熱酸化又はCVD法により厚く例えば1000nmに形成することで、基板1電位に影響されないFETを形成することもできる。
次いで、工程S2では、形成されるべきカーボンナノチューブ2の延長上であってカーボンナノチューブFETが形成されるFET形成領域1bの外側に、FET形成領域1bを挟み一対の電場印加用電極41を形成する。
次いで、工程S3では、FET形成領域1b内に触媒薄膜8aを形成する。触媒薄膜8aは、カーボンナノチューブ2の成長開始点となるもので、例えば厚さ1nmのFe薄膜を蒸着し、これをフォトリソグラフィーを用いてパターニングすることで形成される。
次いで、工程4では、図5(b)を参照して、一対の電場印加用電極41間に2V/μmの電場を発生する電圧を印加しつつ、カーボンナノチューブ2を成長させた。カーボンナノチューブ2の成長は、アセチレン分率が10%のアセチレンとアルゴンとの混合ガスを原料ガスとするホットフィラメントCVD法により行なった。この原料ガスをさらに水素で希釈した雰囲気中で、圧力100Paの減圧下で成長した。フィラメントは基板1の上方6mmの位置に置かれ、フィラメント温度は1000℃であった。また、基板1温度はほぼ590℃とした。
基板1温度の上昇に伴い、触媒薄膜8aは複数個の触媒粒子8に分離する。その後、触媒粒子8の一つから印加された電場に沿って、即ち、基板1表面を電場印加用電極41を結ぶ直線に沿ってカーボンナノチューブ2が成長した。この条件で40分間、ホットフィラメントCVD法によるカーボンナノチューブ2の成長を継続して、必要な長さのカーボンナノチューブ2を成長させた。
次いで、工程5では、図6(c)を参照して、ソース・ドレイン電極となる電極3をカーボンナノチューブ2の両端に形成する。この電極3は、基板1上にフォトリソグラフィーによりレジストパターンを形成した上に、厚さ100nmのPt膜をスパッタにより堆積し、その後レジストパターンをリフトオフして形成された。
次いで、工程6では、図6(d)を参照して、カーボンナノチューブ2の表面にシリコン酸化物からなる微粒子4を堆積し、微粒子4からなる微粒子層5を形成した。微粒子4の生成アニール及び堆積方法は、既述の本発明の第1実施形態での微粒子の堆積方法と生成、アニール及び堆積条件を含めて同様とした。なお、本第2の実施形態では、第1実施形態と同様にレジストマスク上に微粒子4を堆積してリフトオフし、微粒子層5をカーボンナノチューブ2及びその周辺に表出する基板1上に形成し、電極3上に絶縁性の微粒子層5が形成されないようにしている。しかし、電極3上に微粒子層5が形成されてもよい場合は、レジストマスクを用いずに基板1全面に微粒子層5を堆積してもよい。
次いで、工程S7では、図7(e)を参照して、プラズマCVD法により基板1全面に厚さ100nmのTEOS酸化膜からなるパッシベーション膜6を堆積した。基板1温度は250℃である。微粒子層5がない従来のカーボンナノチューブFETでは、このような酸化雰囲気でのプラズマ照射によりカーボンナノチューブ2が損傷してFET特性が劣化するのに対して、本第2実施形態ではカーボンナノチューブ2の損傷又はFET特性の劣化は観測されなかった。
次いで、工程7(f)では、パッシベーション膜6上にゲート電極7を形成し、さらにパッシベーション膜6に開設されたビヤホールを介して電極3から引き出し配線を形成する。以上の工程を経て、基板1及びゲート電極7を制御電極とするカーボンナノチューブFETが製造される。
上述した第2実施形態において、パッシベーション膜6を窒化シリコン又はPMMA等のポリマーとしてよいこと、パッシベーション膜6を微粒子層5から構成してよいことは第1実施形態と同様である。また、第2実施形態のカーボンナノチューブFETの酸化膜1aを厚くし又は基板1電位を一定にして、いわゆるトップゲート型のFETとして構成することもできる。
本発明の第3実施形態は、カーボンナノチューブに接触して被覆する電極が設けられたカーボンナノチューブ素子に関する。
図8は本発明の第3実施形態のカーボンナノチューブ素子断面図であり、カーボンナノチューブに沿う垂直断面を表している。
本第3実施形態に係るカーボンナノチューブ素子は、図8を参照して、カーボンナノチューブ2の両端に、カーボンナノチューブ2の端部を被覆する電極3が設けられている。そして、カーボンナノチューブ2と電極3との界面に導電性の微粒子4からなる微粒子層5が挿入されている。他の構成は、図6(c)に示す第2実施形態のカーボンナノチューブFETの製造途中の構造と同様である。なお、図6(c)にある電極印加用電極41は図8では省略されている。
第3実施形態のカーボンナノチューブ素子の製造では、まず、シリコン基板1表面に形成された酸化膜1a上に触媒CVD法によりカーボンナノチューブ2を形成する。次いで、リフトオフを用いて電極3形成領域にPt微粒子4を堆積し、カーボンナノチューブ2の端部を被覆する導電性の微粒子層5を形成する。Pt微粒子4はレーザアブレーション法により生成した。次いで、スパッタによりPt薄膜を堆積し、この薄膜をリフトオフして電極3を形成した。これにより、カーボンナノチューブ2の両端に電極3を備えたカーボンナノチューブ素子が製造された。
本第3実施形態のカーボンナノチューブ素子は、電極3材料をカーボンナノチューブ2表面に堆積するとき、カーボンナノチューブ2の表面が微粒子層5により被覆されているためカーボンナノチューブ2を損傷しない。このため、本実施形態のカーボンナノチューブ素子をセンサ、電子放出素子等に用いて、電気的特性及び他の物理的特性が優れたカーボンナノチューブ素子を実現することができる。
上述の第3実施形態においては、Pt電極3とPt微粒子が用いられた。しかし、これに限らず、一般に金属電極3と導電性微粒子4、例えば金属微粒子4とを組合せることができる。このとき、電極3微粒子4の材料が同一である必要はなく、異なる材料の組合せであっても差し支えない。
本発明は、カーボンナノチューブを用いた電子素子に適用することで、カーボンナノチューブFET等のカーボンナノチューブ素子の特性を向上することができる。
本発明の第1実施形態のカーボンナノチューブFET断面図 本発明の第1実施形態で使用した微粒子堆積装置の構成図 本発明の第1実施形態でカーボンナノチューブ表面に堆積した微粒子を表す図。 本発明の第2実施形態のカーボンナノチューブFETの製造工程図 本発明の第2実施形態のカーボンナノチューブFETの製造工程断面図(その1) 本発明の第2実施形態のカーボンナノチューブFETの製造工程断面図(その2) 本発明の第2実施形態のカーボンナノチューブFETの製造工程断面図(その3) 本発明の第3実施形態のカーボンナノチューブ素子断面図 従来のカーボンナノチューブFET断面図
符号の説明
1 基板
1a 酸化膜
1b FET形成領域
2 カーボンナノチューブ
3 電極
4 微粒子
4a 飛行方向
5 微粒子層
6 パッシベーション膜
7 ゲート電極
8 触媒粒子
8a 触媒薄膜
10 堆積室
11 保持台
11a 移動方向
12 ノズル
13 排気管
20 微分型静電分級器
21 熱処理炉
22 管
23 レーザ光源
23a レーザ光
24 ターゲット
30 微粒子発生室
31 キャリアガス
41 電場印加用電極

Claims (4)

  1. 直径が100nm以下のカーボンナノチューブと、
    前記カーボンナノチューブの表面上に堆積された平均直径が50nm以下の微粒子からなる微粒子層と、
    前記微粒子層上に堆積された薄膜とを有することを特徴とするカーボンナノチューブを用いた電子素子。
  2. 前記微粒子は、直径分布の幾何標準偏差が2.0以下の微粒子からなることを特徴とする請求項1のカーボンナノチューブを用いた電子素子。
  3. 前記薄膜は、前記カーボンナノチューブのパッシベーション膜又は前記カーボンナノチューブに接触する電極を含む
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載のカーボンナノチューブを用いた電子素子。
  4. 基板上に直径が100nm以下のカーボンナノチューブを配置する工程と、
    平均直径が50nm以下の微粒子を生成する工程と、
    生成された前記微粒子を分級する工程と、
    前記カーボンナノチューブの表面に分級された前記微粒子を堆積する工程と、
    前記微粒子が堆積したカーボンナノチューブ上に、薄膜を堆積する工程とを有するカーボンナノチューブを用いた電子素子の製造方法。
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