JP4997737B2 - 電池及び組電池 - Google Patents

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Description

本発明は、電池及びこの電池を複数組み合わせてなる組電池に係り、特にこの電池を複数個組み合わせて組電池を構成する電池及び組電池に関する。
近年、ビデオカメラ、ノートパソコンなどの電子機器の小型化が進み、これらの電子機器に使用する電池としてコンパクトな円筒電池や角型電池が知られている。
この種の電池としては、例えば正極と負極との間にセパレータが配置されたものを捲回積層し、この捲回積層したものを円筒容器や角型容器に収納し、正極と正極端子を接続し、この正極端子を容器から外部に突出させ、負極と負極端子を接続し、この負極端子を容器から外部に突出させたものがある(例えば、特許文献1、2参照)。
特開2002−252036号公報 特開2002−298921号公報
これらの円筒電池や角型電池は、電子機器に必要な電圧を確保するために、複数個を直列または並列に接続した状態にモジュール化して組み合わせて組電池として使用されることが多い。例えば、円筒電池を複数個接続する場合には、複数の円筒電池を同軸上に配置し、隣接する正極端子と負極端子とを接続部材を用いて接続する。また、角型電池を複数個接続する場合にも、円筒電池と同様に、隣接する正極端子と負極端子とを接続部材を用いて接続する。
ところで、隣接する電池の正極端子と負極端子とを接続するためには集電接続スペースや接続部材が必要である。
ここで、集電接続スペースが大きくなると組電池全体のサイズが大型化してしまい、電池のサイズに対する出力効率が低下し、エネルギー密度や出力密度が低下してしまう。
また、製造コストを考えると、接続部材としてはシンプルな構造のものが好ましいが、電池の端子形状または集電接続スペースのサイズによっては、接続部材として複雑な構造を持つ接続部材(複数のパーツからなる部品等)を用いる必要が生じてしまう。また接続部品の構造が複雑化してしまうと接触抵抗等により集電抵抗が高まり電池の出力が低下してしまう。
例えば、平板形状の端子を設けた偏平電池において、端子の幅方向が偏平面に平行であれば、厚さ方向に積層した偏平電池の端子同士を撓ませて直接接続できるので、接続部材を別途用意する必要がない。しかしながら、平板形状の端子を撓ますためには、該端子はある程度薄くなければならない。ところが、大きな入出力エネルギー密度を要求される電池においては、端子の断面積を一定以上確保する必要があるので、撓ますことができる程度に端子を薄いものとすることができない。例えば、充電深度(SOC)50%の電池の25℃における入出力エネルギー密度が2000Wh/kg以上の電池では、例えば200Aの連続通電を行ったときの端子の温度上昇が大きすぎないものとするためには、端子の断面積を10mm2以上としなければならず、また端子を溶接する強度の問題からも撓ますことができる程度に薄い端子を用いることができない。即ち、大きな入出力エネルギー密度を要求される電池においては、平板形状の端子を設けた偏平電池において端子の幅方向が偏平面に平行であれば、厚さ方向に積層した偏平電池の端子同士を接続するためには多数の接続部品又は複雑な接続部品を準備する必要があった。
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、組電池にする際に、複雑な接続部材を用いることなくシンプルな構成で端子を接続することにより、エネルギー密度や入出力エネルギー密度を大きく落とすことのない電池及び組電池を提供することを目的とする。
本発明の電池は、発電要素を覆う外装体と、前記外装体の一側面から突出する正極端子と、前記一側面と反対側に突出する負極端子と、を備え、前記正極端子と前記負極端子はそれぞれ平板形状を有し、かつ各端子の幅方向が前記外装体の厚さ方向に略平行となるように前記外装体の外部に突出し、前記正極端子と前記負極端子はそれぞれ前記外装体の幅方向にずれて突出していることを特徴とする。
したがって、本発明の電池によれば、複数の電池を接続して組電池として組み上げる際に、二つの電池を幅方向にずらすとともに厚さ方向に積層し、一方の電池の一側面から突出した端子と、他方の電池の他側面から突出した端子とを重ね合わせるように接続することが可能になる。
また、本発明の電池によれば、正極端子と負極端子はそれぞれ平板形状を有し、かつ各端子の幅方向が外装体の厚さ方向に略平行となるように外装体の外部に突出しているので、接続する二つの端子の表面同士を同一平面状に並べることができる。したがって、簡易な平板状の形状を持つ接続部材を用いれば、二つの端子を大きな接続スペースを設けることなく容易に接続することができる。したがって、端子同士の接続に必要なスペースを小さく抑えることができ、エネルギー密度、入出力エネルギー密度を単電池から大きく落とすことない組電池が得られる。
また、本発明の電池においては、正極端子と負極端子が、互いに外装体の幅方向中心から等間隔に逆方向にずれて突出していることが好ましい
正極端子と負極端子を互いに幅方向中心から等間隔ずれて配置するとともに、逆方向に突出させることにより、隣接する電池を互いに略半分ずつ重ね合わせることで、それぞれの電池の正極端子と負極端子または正極端子同士及び負極端子同士を互いに重ね合わせることが可能になる。
これにより、複数の電池を略隙間のない状態で配列することが可能になり、複数の電池をより一層コンパクトに纏めることができる。
また、本発明の組電池は、上述の電池を複数備え、各電池を幅方向にずらして厚さ方向に複数段となるように交互に積層し、一の電池の一方の端子と厚さ方向に隣り合う電池の端子、及び前記一の電池の他方の端子と前記厚さ方向に隣り合う電池と逆隣の電池の端子とを接続したことを特徴とする。
このように、本発明の組電池によれば、複数の電池が幅方向にずれて厚さ方向に複数段となるように積層されている。これにより、複数の電池を隙間なく密に配列することが可能になり、複数の電池をより一層コンパクトに纏めることができる。
また、本発明の組電池においては、前記一の電池の一方の端子と厚さ方向に隣り合う電池の端子、及び前記一の電池の他方の端子と前記厚さ方向に隣り合う電池と逆隣の電池の端子は、それぞれ厚さ方向に一直線上に配置されるように積層されていることが好ましい
本発明の組電池において、隣接する電池の端子同士を、それぞれ厚さ方向に一直線上に配置することにより、端子同士の重合わせ代を大きく確保でき、エネルギー密度や入出力エネルギー密度が低下することが抑えられる。
本発明の電池及び組電池は、電池をまとめて組電池にした場合の接続部材及び接続部材が取り付けられるスペースを最小化し、エネルギー密度及び入出力エネルギー密度を単電池から大きく落とすことのない組電池とすることができる。
以下、図面を参照しながら、本発明に係る電池及び組電池の実施形態について説明する。
図1は、本実施形態の電池を示す図であり、(a)は電池の斜視図、そして(b)は電池の上面図である。図2は、本実施形態の組電池の上面図である。図3は、本実施形態の組電池の側面図である。
図1に示すように、電池10は、正極11と負極12との間にセパレータ13を介在したものを扁平形状に捲回して極群14を形成し、形成した極群14が電解液を保持して形成された発電要素10aを角型容器からなる外装体15で密封したものである。発電要素10aの正極11には外装体15の外部に突出する正極端子16が接続されており、発電要素10aの負極12には外装体15の外部に突出する負極端子17が接続されている。電池10においては、図1(a)及び図1(b)に示すように、外装体15の幅がW、高さがH、厚さがTに形成されている。
正極端子16と負極端子17は、電池の幅方向と直行する方向に扁平な形状を持っており、所定の厚みtを有する平板部材である。具体的には、図1(a)に示すように、正極端子16と負極端子17とは、各端子16,17の幅方向が外装体の厚さ方向に略平行となるように外装体の外部に突出している。また、正極端子16と負極端子17とは、図1(b)に示すように、外装体15の幅方向中心18から互いに距離Lだけ等間隔をおいて配置されている。ここで、距離Lとは、各電池10A,10Bの幅方向中心から端子16,17までの距離である。そして、正極端子16は外装体15の一側面21から突出し、負極端子17は外装体15の一側面21と反対側の対向する他側面22から突出している。
本実施形態の電池10は、同形状の他の電池10と接続されて組電池として使用される際に、二つの電池10を幅方向にずらすとともに厚さ方向に積層し、一方の電池10の一側面21から突出した端子と、他方の電池の他側面22から突出した端子とを電池10の厚さ方向に重ね合わせるように配置する。
このように、本実施形態の電池10は、各端子16,17の幅方向が外装体15の厚さ方向に略平行となるように外装体の外部に突出しているので、正極端子16と負極端子17とが電池の厚さ方向に一致するように(同一直線上となるように)配置することにより、接続する二つの端子15,16の表面同士を同一平面状に並べることができる。したがって、例えば一方の電池の正極端子16と他方の電池の負極端子17とをシンプルな平板形状を有する溶接用板(接続部材)を用いて直接接続することが可能になり、正極端子16と負極端子17とを接続するために必要とするスペースを小さく抑えることができる。さらに、正極端子16と負極端子17とを直接接続することで、スペース効率が向上しエネルギー密度、入出力エネルギー密度を単電池10から大きく落とすことのない組電池が得られる。
加えて、隣接する電池10を互いに略半分ずつ重ね合わせることで、すなわち部位24と部位25とを重ね合わせることで、複数の電池10を略隙間のない状態で配列した状態でそれぞれの電池10の正極端子16と負極端子17を互いに接続することが可能になる。これにより、複数の電池10をより一層コンパクトに組み付けることができる。
次に、電池10を複数個組み合わせて、組電池を構成した例を図2〜図4に基づいて説明する。
なお、図2〜図4においては、理解を容易にするために、複数の電池10のうち、一の電池を10A、一の電池10Aの正極端子16と隣り合う電池を10B、隣り合う電池10Bと逆隣の電池を10Cと識別して説明する。
組電池30は、電池10を複数備え、各電池10を幅方向に略W/2重ね合わせて厚さ方向に二段となるように交互に積層し、一の電池10Aの正極端子16と、隣り合う電池10Bの負極端子17とを設部材である溶接用板19によって溶接により接続し、一の電池10Aの負極端子17と、隣り合う電池10Bと逆隣の電池10Cの正極端子16とを接続したものである。
この組電池30は、一の電池10Aの正極端子16と、隣り合う電池10Bの負極端子17とが電池の厚さ方向に一直線上に配置され、一の電池10Aの負極端子17と、隣り合う電池10Bと逆隣の電池10Cの正極端子16とが電池の厚さ方向に一直線上に配置されるように積層されている。なお、本実施形態の電池10A〜10Cの各端子16,17は、図3に示すように、電池の厚さ方向に扁平な形状を持っており、所定の厚みを有している。
一の電池10Aの正極端子16と、隣り合う電池10Bの負極端子17とを接続するためには、例えば、図4(a)に示すように、両端子16,17を同一直線上となるように配列し、両端子16,17が突出方向に真っ直ぐに延出した状態において、両端子16,17の各表面を跨ぐように溶接用板19を配置して、溶接等により両端子16,17を接続すればよい。
ここで、一の電池10Aの正極端子16と、隣り合う電池10Bの負極端子17とが電池の厚さ方向に重ね合わせるように配置する条件を図4を参照しながら、考える。
図4(a)は、幅方向に最も密に電池同士を詰めた状態を示す図である。
図4(a)に示すように、各電池同士が電池幅方向に接触した状態が電池同士が最も密に詰められた状態となる。このように、最も幅方向に密に電池同士を詰めた場合には、各端子の電池の幅方向中心が幅方向外側の側面からW/4の位置に位置していなければならない。ここで、端子の厚さはtで与えられており、電池の幅方向外側の側面から端子の中心までの距離はL+t/2であるため、以下の関係が成り立つ。

L+t/2=W/4
L=W/4―t/2・・・(1)

すなわち、(1)のとき、隣接する電池同士が幅方向に最も密に詰められることとなる。よって、端子の幅方向位置を示す変数Lの最小値はW/4―t/2となる。
図4(b)は、幅方向に最も疎に電池同士を詰めた場合を示す図である。
図4(b)に示すように、各電池の幅方向側面に沿って各端子が配置された場合に最も幅方向に疎に電池同士が詰められることとなる。このように、最も幅方向に疎に電池同士を詰めた場合には、一の電池の端子の幅方向外側の側面は、幅方向中心からW/2の位置に配置されていることとなる。したがって、以下の関係が成り立つ。

L+t=W/2
L=W/2−t・・・(2)

すなわち、(2)のとき、隣接する電池同士が幅方向に最も疎に詰められることとなる。よって、端子の幅方向位置を示す変数Lの最大値はW/2−tとなる。
(1)と(2)より、端子が厚さ方向に重ねられるように配置されうる領域は、以下のようになる。

W/4−t/2≦L<W/2−t・・・(3)
なお、最も幅方向に密に電池を配置し、かつ端子同士を厚さ方向に完全に重なる状態は、図5(c)に示す状態であり、すなわちL=W/4−t/2のときとなる。
このように、本実施形態では、組電池30は、複数の電池10を幅方向にずらして、すなわち略W/2重ね合わせて厚さ方向に二段となるように電池10を積層して構成される。これにより、複数の電池10を隙間なく密に配列することが可能になり、組電池30をより一層コンパクトにできる。
また、本実施形態では、隣接する電池10の端子16,17同士を、それぞれ電池の厚さ方向に一直線上に配置することにより、端子16,17同士を重ねて、溶接用板19により溶接することにより容易に接続することができる。そして、平板形状の溶接用板19を介して溶接により確実に両端子16,17を接続するので接触抵抗を抑制し、接続によるエネルギー密度や入出力エネルギー密度の低下が抑えられる。
特に本実施形態の電池10は、それぞれ幅方向に延びた扁平形状を有しているため、厚さ方向に電池10を容易に積層することができる。したがって、組電池全体のスペース効率を高め、エネルギー密度を高めることができる。なお、電池10が偏平形状でなく多少湾曲した形状を有している場合であっても、厚さ方向に二段重ね合わせて、端子16,17同士を一直線状に配置できるものであれば、エネルギー密度を高める効果が得られる。
なお、上記説明では、端子16,17を接続する接続部材として平板形状の溶接用板19を用いて溶接により接続すると説明したがこれに限られず、端子16,17を一直線上に配置した状態で他の接続部材を用いて接続してもよい。他の接続部材を用いた場合でも、端子16,17が一直線上に配置されているので、大きなスペースを占有することなく端子同士を接続することができる。
なお、エネルギー密度の観点から言えば、電池厚さTと電池幅Wの関係は、極群捲回の容易性、集電構造の容易性及び体積エネルギー密度の観点から、

3.0≦W/T≦4.5 ・・・(4)

であることが好ましく、最も好ましくは、W/T=4.0である。
なお、本実施形態では、本発明を適用する電池10として扁平電池を例示したが、これに限らないで、角形電池等、他の形状の電池に適用することも可能である。
なお、本実施形態では、複数の電池10を厚さ方向に二段積層して組電池を構成したが、これに限られることはなく、例えば三段以上組電池を積層するように構成した場合であっても、コンパクトでかつエネルギー密度や入出力エネルギー密度の低下を抑制可能な組電池を構成できる。
また、本実施形態では、一の電池の正極端子と厚さ方向に隣り合う電池の負極端子、及び前記一の電池の負極端子と前記厚さ方向に隣り合う電池と逆隣の電池の正極端子とを接続することにより、複数の電池同士を直列接続した組電池を例に挙げて説明したが、一の電池の正極端子と厚さ方向に隣り合う電池の正極端子、及び前記一の電池の負極端子と前記厚さ方向に隣り合う電池と逆隣の電池の負極端子を接続することにより、複数の電池同士を並列接続した組電池とすることもできることは自明であり、そのような組電池についても本発明の範囲内である。
本発明は、正極と負極との間にセパレータを介在させた層を積層して電池を形成し、この電池を複数個と組み合わせて組電池を構成する電池及び組電池への適用に好適である。
(a)本発明に係る電池を示す斜視図、(b)本発明に係る電池を示す平面図である。 本発明に係る組電池を示す平面図である。 本発明に係る組電池を示す側面図である。 (a)〜(b)は、本発明に係る組電池の重ね合わせパターンを示す模式図である。
符号の説明
10 電池
10A 一の電池
10B 隣り合う電池
10C 隣り合う電池と逆隣の電池
11 正極
12 負極
13 セパレータ
16 正極端子
17 負極端子
19 溶接用板
21 一側面
22 一側面と反対側
30 組電池
31,32 一直線
L 距離

Claims (2)

  1. 発電要素を覆う外装体と、前記外装体の一側面から突出する正極端子と、前記一側面と反対側に突出する負極端子と、を備え、前記正極端子と前記負極端子はそれぞれ平板形状を有し、かつ各端子の幅方向が前記外装体の厚さ方向に略平行となるように前記外装体の外部に突出し、前記正極端子と前記負極端子はそれぞれ前記外装体の幅方向にずれて突出していることを特徴とする電池。
  2. 前記請求項1に記載の電池を複数備え、各電池を幅方向にずらして厚さ方向に複数段となるように交互に積層し、一の電池の一方の端子と前記厚さ方向に隣り合う電池の端子、及び前記一の電池の他方の端子と前記厚さ方向に隣り合う電池と逆隣の電池の端子とを接続したことを特徴とする組電池。
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