JP4995574B2 - 遺伝子導入鳥類作製法 - Google Patents

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Description

本発明は、異種蛋白質などの異種蛋白質生産に応用可能な遺伝子導入(トランスジェニック)鳥類を、効率的に作製する方法に関する。
遺伝子組換え技術の発展により、異種蛋白質の大規模な工業生産が可能となった。しかし組換え生産に多用される大腸菌等の微生物は糖鎖付与能力がなく、また抗体・酵素のような複数のユニットからなる蛋白質を生産する能力がないため、その応用範囲は限られている。
現在糖鎖を必要とするエリスロポエチンや抗体医薬品などは、動物培養細胞リアクターによって生産されているが、このような動物細胞による生産法は微生物培養に比べコストが高く、患者や行政の負担増加が問題となっている。
こうした欠点を克服した新たな蛋白質生産法として、遺伝子導入動物(トランスジェニック動物)の利用が注目を浴びている。トランスジェニック哺乳類、鳥類が乳汁や血液、卵中に生産する蛋白質は糖鎖が付与されるうえ、その生産コストは動物培養細胞リアクターの1/10〜1/100との試算もある(Nature Biotechnology 19,184 2001)。 なかでも家禽類を使ったトランスジェニックは、成熟までの期間が短い事や、飼育面積が少なくて済むとの利点があるため、実用化が嘱望されている。
このような利点を持つトランスジェニック鳥類を作製するには、レトロウイルスベクターを受精卵の初期胚に感染させる方法が最も有効な手段である。本発明者らは安全性の高い複製能欠失型ウイルスベクターを用い、鳥類受精卵の初期胚に遺伝子をマイクロインジェクションすることで、体細胞の一部に導入遺伝子を持つトランスジェニックキメラ(G0と呼ぶ)を効率的に作製することに成功した(特開2002−176880号公報)。更に放卵直後の胚盤葉期を除くそれ以降の時期にウイルスベクターを導入することで、宿主による蛋白質発現の抑制(サイレンシングと呼ばれる)が解除され、高い発現量が得られることも見出した。このように異種遺伝子の発現に導入時期依存性があることを明らかにし、この知見を基に高い蛋白質発現量をもつトランスジェニック鳥類の作製を可能にしたのは、当該方法が唯一のものである。
しかしこの方法で得られるトランスジェニック鳥類は、体細胞中に導入遺伝子をモザイク状にもつキメラである。トランスジェニック鳥類による蛋白質生産を、安定な工業的手法として実用化するためには、体細胞全体に導入遺伝子を均一にもつ完全体を生産母体とする必要がある。この完全体を得るには、これまでのところ、生殖細胞に導入遺伝子をもつトランスジェニックG0(生殖系列トランスジェニックキメラ体)を、別のトランスジェニックG0(生殖系列トランスジェニックキメラ体)または野生型と交配し、その子孫から高発現系統を選び出す(世代数に準じてG1〜G2〜G3と呼ばれる)方法がある。しかし、生殖系列トランスジェニックキメラ体の交配から完全体が生まれる率は3%程度であり、この発現頻度は決して高いとは言えない。
Simkissらは、レトロウイルスベクターを感染させた始原生殖細胞(Primordial Germ Cell:以下PGCと略称する)を他の同種初期胚に移植することにより、異種遺伝子を導入したトランスジェニックニワトリを作製した例を報告している(Lorraine Vick,Ying Li and K.Simkiss, Transgenic bird from transformed primordial germ cells, Proc.R.Soc.Lond.B(1993)251,179−182)。しかしSimkissらの方法は、導入したプロモーター以下の配列が蛋白発現を構成的に実現する配列ではない等の理由から、次世代のトランスジェニック鳥類における異種遺伝子の発現頻度は低い。
内藤らは、異なる系統のニワトリ間でPGCの移植を行ったところ、その組み合わせにより後代として生まれるドナー(提供種)由来個体の比率が大きく変わることを見出している。すなわち、ドナーとして白色レグホン種のPGCを横斑プリマスロック種初期胚に移植したところ、レシピエント(受容種)であるプリマスロック生殖巣で成熟した生殖細胞は、80%以上がドナーである白色レグホン由来のものであることが確認されている(内藤充 鳥類胚の体外培養と操作法 蛋白質核酸酵素 Vol.40 No.14(1995))。
特開2001−045915には、始原生殖前駆細胞に所望の異種遺伝子を導入し、これを鳥類胚に移植して発生、孵化させることを特徴とする方法により得られるトランスジェニック鳥類が開示されている。
特開2002−176880号公報 特開2001−045915号公報 Nature Biotechnology, 19,184 2001 Lorraine Vick,Ying Li and K.Simkiss, Transgenic bird from transformed primordial germ cells, Proc.R.Soc.Lond.B(1993)251,179−182 内藤充、鳥類胚の体外培養と操作法、蛋白質核酸酵素 Vol.40 No.14(1995)
トランスジェニック鳥類を、安全で効率のよい蛋白質生産系として応用するには、体細胞全体に導入遺伝子が入り、導入遺伝子に由来する蛋白質を高発現する効率のよいトランスジェニック鳥類作製法の確立が不可欠である。また、生殖細胞に異種遺伝子が導入されている生殖系列トランスジェニック鳥の効率的な生産方法を、確立する必要がある。
そこで本発明者は、より効率的に、完全体トランスジェニック鳥類、例えばG1完全体作製法を確立するため、PGC移植法の応用を考案した。特に、高濃度(高タイター)のレトロウイルスベクターを作製することによって、効率よく始原生殖細胞に感染を行い、それによってトランスジェニック鳥を効率的に生産出来ること、またレトロウイルスによって導入された異種遺伝子が、宿主による蛋白質発現抑制を受けるのを、回避する方法を見出した。
これら方法により作製されたトランスジェニック鳥類は、医薬品等に利用可能な蛋白質の生産に利用できる。
本発明の、トランスジェニック鳥類作製法は、効率的に完全なG0トランスジェニック鳥類を生産し得る。本発明によれば、その子孫、例えば完全なG1トランスジェニックを効率的に、誕生させることができる。
本発明のG1、G2、G3〜トランスジェニック鳥類は、体細胞で異種遺伝子に由来する蛋白質を発現するので、血清、卵白、卵黄から回収、精製することで、これまで生産困難であった糖鎖が付与した蛋白質や抗体類の安価な生産系を供給することができる。
以下に本発明を詳述する。
本発明は、第一の鳥受精卵および第二の鳥受精卵を準備し;第一の鳥受精卵の初期胚から始原生殖細胞(PGC)を取得し;異種遺伝子を媒介したレトロウイルスベクターを該始原生殖細胞に感染させて、異種遺伝子を該始原生殖細胞に導入し;該始原生殖細胞を、第二の鳥受精卵の初期胚に移植し;該第二の鳥受精卵を孵化成長させる;ことを特徴とするトランスジェニック鳥類の作製法を提供する。
ここにいうPGCは、鳥類において生殖細胞に分化する細胞であり、初期胚ではPAS染色で強く染められる細胞として最初に認められ、その後血管系の発達に伴って血流に乗り、生殖巣原基に達して生殖細胞になる。ここにいう受精卵初期胚とは、放卵直後の胚盤葉期(ステージX)から孵卵後96時間程度までを指す。
本発明で使用するPGCは、鳥受精卵初期胚血液中より取得され、密度勾配遠心分離法などにより、効率的に濃縮できる。PGCを取得する第一の鳥受精卵から、放卵直後を0時間とすると孵卵開始後40時間以降60時間までに、特に48時間以降60時間までに、PGCを取得するのが好ましい。ニワトリを例にとると、白色レグホンのような生殖細胞の増殖速度が速い種類からPGCを調製することが好ましい。PGCの調製は、例えば鳥類受精卵の血液を採取することにより実施する。得られた血液を、密度勾配遠心法によってPGCを濃縮することにより、より効率的にレトロウイルスベクターを該PGCに感染させて異種遺伝子を該PGCに導入することができる。
上記方法によれば、生殖系列トランスジェニック鳥類が高率に作製できる。ここで、生殖細胞に導入遺伝子が入っている、または入っていることが確実な個体を、生殖系列トランスジェニック鳥類と称する。生殖系列キメラの確認には、精巣、卵巣からゲノムを調製し、PCR法により導入遺伝子を確認する方法がある。また成鳥から精子を採取し、PCR法により確認することができる。より簡便には、蛍光蛋白マーカーを導入遺伝子に付加することで、蛍光により確認することが可能である。
本発明の作製法で、PGC移植を受けた受精卵初期胚は、その生殖細胞にドナー由来PGCから分化した生殖細胞とレシピエント本来の生殖細胞がモザイク状になった生殖系列トランスジェニックキメラ鳥類として成長し得る。一般的に、一世代目のトランスジェニックキメラ鳥類は、G0トランスジェニックキメラ鳥類と呼ばれる。また、その子孫は、G1、G2〜トランスジェニック鳥類と呼ばれる。ここで本発明の作製法を利用することで、それら子孫において、好ましくは、完全体トランスジェニック鳥類が作製できる。本明細書にいう完全体トランスジェニック鳥類とは、体細胞の実質的に全部に、異種遺伝子が導入されている鳥類をいう。本発明のG1、G2などの完全体トランスジェニック鳥類は、異種遺伝子をその体細胞に均等に含有し、その導入遺伝子に由来する蛋白質を、血中、卵白中あるいは卵黄中に安定に発現することを特徴とする。
本発明においてPGCは、孵卵処理直後を除くそれ以降の時期に受精卵初期胚から取得され、レトロウイルスベクターによって異種遺伝子を導入されることを特徴とする。蛋白質発現量をより高くするために、PGCが受精卵初期胚から取得される時期は、そのPGCの由来する鳥類種に特有の最適時間がある。例えばニワトリにおいてはPGC取得時期として、孵化処理後48時間以降64時間までが好ましく、より好ましくは孵化処理後40時間以降60時間まで、さらに好ましくは、孵化処理後50時間以降60時間までである。この異種遺伝子を導入されたPGCおよびその製造方法も、本発明のひとつである。
異種遺伝子が導入されたPGCを、他の受精卵初期胚に導入すべき時期は、種々の時期があり得る。具体的には、その時期は、例えば、孵化処理後12時間以降96時間まで、好ましくは孵化処理後24時間以降72時間まで、もっとも好ましくは孵化処理後48時間以降約64時間までである。
本発明者らは先にウズラでは孵卵開始後約48時間後、ニワトリでは孵卵開始後約55時間のPGCにレトロウイルスによって導入された異種遺伝子は、宿主による不活性化を受けず、蛋白を高発現するトランスジェニック鳥類作製が可能であることを見出した。本発明においても、これら最適時間にPGCを取得し、レトロウイルスを感染させることにより、蛋白発現量の高い生殖系列トランスジェニック鳥類を作製可能である。
異種遺伝子をPGCに導入するために、本発明では異種遺伝子を媒介し得るレトロウイルスベクターを使用する。レトロウイルスベクターとしては、任意のレトロウイルスベクターが使用できる。例えばVSV−G偽型レトロウイルスベクターであってもよい。好ましくは、本発明で使用されるレトロウイルスベクターとしては、例えばモロニー・ミューリン・ロイケミア・ウイルス(MoMLV)、エビアン・ロイコシス・ウイルス(ALV)等に由来するベクターや、レンチウイルスベクター等が挙げられる。なかでもMoMLVに由来するものが好ましいが、本発明はこれらに限定されるものではない。
本明細書にいう異種遺伝子を媒介し得るレトロウイルスベクターは、真核細胞においてそのウイルスのRNA遺伝子情報が真核細胞のDNAに組み込まれた場合、真核細胞にその異種遺伝子が提供されるものをいう。好ましくは、そのRNAの塩基配列が、異種蛋白質をコードするDNAの塩基配列と相補的な部分を有する。
安全性を考慮し、異種遺伝子を媒介し得るベクターとして用いられるレトロウイルスは、複製能欠失型であってもよい。複製能欠失型ウイルスとしては、通常ウイルス粒子の複製に必要な3種の遺伝子gag、pol、envのうちいずれかまたは全てを欠くことにより、自己複製能を欠失したウイルスが用いられる。鳥類細胞にこのウイルスベクターを効率的に感染させるため、外皮タンパクを人工的にVSV−G(水疱性口内炎ウイルス由来)シュードタイプとしたウイルスベクターが好ましいが、本発明はこのウイルスタイプに限定されるものではない。
レトロウイルスをVSV−Gシュード型とする利点としては、超遠心により濃縮可能である点も挙げられる。本ベクターに、GFPのような蛍光蛋白質発現遺伝子をマーカーとして組み込み、培養細胞に感染させることにより感染可能なウイルス濃度を定量することができる。本発明に使用するウイルスベクターは、遠心法により高濃度に濃縮されたものが効率の点から好ましい。
本発明の作製法では好ましくは、高タイターのレトロウイルスベクターを使用してもよい。高タイターとは、例えば1×107cfu/ml以上、1×1010cfu/ml以下、好ましくは1×108cfu/ml以上、1×1010cfu/ml以下、より好ましくは1×109cfu/ml以上、1×1010cfu/ml以下のタイターであってもよい。高タイターを持つ複製能欠失型レトロウイルスベクターをPGCに感染させることが、遺伝子を効率よく導入できる点で好ましい。したがって、本発明は、高タイターのレトロウイルスベクターをPGCに感染させることによる、異種遺伝子を媒介したPGCの生産あるいは増加させる方法にも関する。
高タイターのレトロウイルスベクターを作製するには、高タイターのウイルスパッケージング細胞の選別が必要であるが、そのためには蛍光蛋白マーカーを、フローサイトメーターにより選別する方法によってもよい。また遺伝子組換え技法により、外皮をVSV−Gシュード型等に変えることで、超遠心法による濃縮に耐えるレトロウイルスベクターの作製が可能になる。一度超遠心で濃縮したウイルス液を、再度超遠心法で濃縮する方法は、不要蛋白の混入増大の観点からインジェクション法に使用するには好ましくはないが、PGCに感染させる手法としては有効である。
ウイルスタイターの測定は、例えば、以下のように行う。測定の前日にNIH3T3細胞(アメリカン・タイプ・カルチャー・コレクションより入手)を直径35mmのディッシュに約7×104細胞植え培養する。蛍光マーカーを付与したウイルスの、約102から106倍に希釈した溶液を各ディッシュに1ml加え、約48時間後に蛍光顕微鏡によりGFPを発現している細胞の割合(100%を1とする)を測定し、以下の計算式によりタイターを決定する。
ウイルスタイター=細胞数×希釈率×発現割合
レトロウイルスベクターに異種遺伝子を導入するには、パッケージングシグナル配列を有するプラスミドを、パッケージング細胞にリポフェクション、エレクトロポレーション法等により導入する方法がある。
異種遺伝子を媒介したレトロウイルスベクターを、受精卵初期胚に導入するには、リポフェクション法、エレクトロポレーション法や、マイクロインジェクション法によって受精卵初期胚に感染させる方法がある。好ましくはマイクロインジェクション法を使用し得る。
ここにいう異種遺伝子とは、特定の宿主細胞に対して外来のソースから起源する遺伝子、あるいは、同じソースであっても、本来の形態から修飾されている遺伝子を意味する。よって、宿主細胞中の異種遺伝子は、特定の宿主細胞に対して外来性であるか、例えば、DNAシャッフリングの使用によって修飾された遺伝子を含む。該用語はまた、天然には多重コピーが存在しない天然に存在する遺伝子を含む。なお、本明細書では、異種(性)、外来(性)、外部(性)遺伝子または蛋白質の語は、相互交換的に使用されることもある。
本発明により鳥類に導入される異種遺伝子は特に限定されないが、レトロウイルスに由来しない遺伝子としては、マーカー遺伝子や、目的蛋白質を発現するための構造遺伝子、これらの遺伝子発現をコントロールするプロモーター遺伝子、分泌シグナル遺伝子等から適宜選ばれる。
上記マーカー遺伝子としては、ネオマイシン耐性遺伝子、β―ガラクトシダーゼ遺伝子、蛍光蛋白質例えばGFP(グリーン・フルオレッセント・プロテイン)等をコードした遺伝子が挙げられる。
上記目的蛋白質を発現するための構造遺伝子としては特に限定されず、ヒトモノクローナル抗体、キメラ抗体、1本鎖化等の修飾を施した人工抗体、エリスロポエチン、G−CSF、トロンボポエチン、インターフェロンなどの遺伝子産業上有用な抗体、酵素等をコードした遺伝子などが挙げられる。
トランスジェニック鳥類に導入する有用蛋白質遺伝子としては、エリスロポエチンの構成遺伝子のように、発現したタンパクの活性、安定性維持に糖鎖が必要なものや、抗体遺伝子などが挙げられる。
また、その他の有用生理活性物質の遺伝子を用いることもできる。特に、卵中での蓄積がよいことから、ヒトIgGクラスの定常領域をもつ抗体の遺伝子や、ヒトIgG1,ウズラIgG2,ニワトリIgG2やマウスIgG2のサブクラスの定常領域をもつ抗体の遺伝子など外来性抗体の構造遺伝子が好ましい。
また好ましい上記構造遺伝子としては、キメラ抗体の構造遺伝子が挙げられる。キメラ抗体とは、2種以上の異なる遺伝形質から構成される抗体のことをいう。従来マウスハイブリドーマによって作製された医療用抗体は、マウス由来であるためヒト体内に投与されると免疫系による拒絶反応が引き起こされるという問題があった。この欠点を解消するため、例えばマウス抗体を組換え手法によってFc部等をヒト化することにより、拒絶反応のリスクを大幅に軽減することができる。
上記キメラ抗体としては、例えば抗ヒトCD2抗体、抗CD20受容体抗体、抗TNF抗体などが挙げられ、すでに医薬品として上市されているものもある。
さらに好ましい上記構造遺伝子としては、scFv−Fc抗体の構造遺伝子が挙げられる。医療用の組換え抗体には、この他に低分子抗体と称される一群がある。免疫グロブリンIgGには直接抗原と結合する可変領域(Fv:Fragment of variable regeon)と呼ばれるVH,VLのヘテロ二量体からなるドメインがあり、このFvドメインはIgGの約5分の1の分子量でありながら、単独で充分な抗原結合能を持つ。VH、VLドメイン間を人工的にペプチドリンカーで結合したものが1本鎖抗体(scFv:single chain Fv)と呼ばれる低分子抗体で、VH,VL単独よりも安定性が向上することが知られている。
Powersら(Powers,D.Bら(2000)J Immunol Method.251,123)は、このscFvにヒトIgG1に由来するFc部を融合させることで、血中での安定性が増すことを見出した。このscFv−Fc抗体は医療用として有用と考えられるが、安価な大量生産システムである大腸菌では生産されない。
上記プロモーター遺伝子としては、任意のプロモーター、例えば構成的プロモーターとしてRSVプロモーター;部位特異的プロモーター、例えばβ−アクチンプロモーター;時期特異的プロモーター、例えばオボアルブミンプロモーターなどが挙げられる。好ましくは、構成的なプロモーターを使用する。抗体遺伝子が構成的なプロモーターにより制御されている場合、抗体遺伝子発現が安定してよいので好ましい。より好ましい構成的なプロモーターとして、ニワトリβアクチンプロモーターが挙げられる。βアクチンプロモーターで発現制御した場合、目的タンパクは血中に発現される特徴がある。
一般的なトランスジェニック動物による蛋白質生産では、乳汁、あるいは卵中に目的蛋白質を生産させる時、性成熟によって乳汁分泌、あるいは産卵等が開始されるまでその生産量がどれくらいか見当がつかないとの欠点がある。生物種によっては性成熟には数年かかる場合もあり、産業的に目的タンパクを計画生産する時の大きな不安定要素となっている。この点、βアクチンプロモーターで発現制御したトランスジェニック鳥類においては、幼鳥類の段階で血液中のタンパク発現量を調べる事で、性成熟後の卵中タンパク発現量を予見的に把握することが可能であり、計画生産には大きなプラス要因となる。
本発明で使用する鳥類としては特に限定されず、例えばニワトリ、七面鳥類、カモ、ダチョウ、ウズラなど、食肉、採卵目的で家畜化されている家禽鳥類や愛玩用鳥類を挙げることができる。なかでもニワトリやウズラは入手が容易で、産卵種としても多産である点が好ましい。
本発明において、受精卵初期胚を取得するための第一の鳥類と、異種遺伝子が導入された始原生殖細胞を移植すべき受精卵初期胚の由来となる第二の鳥類とは、同一種でも異なる種でも可能である。同一種、または同一種かつ同一系統を採用する場合、同一個体でも異なる個体でも可能である。簡便には、異なる個体を使用する。また、例えばニワトリのPGCをウズラに移植することも可能である。しかし移植効率の観点から、同一種間の移植が好ましい。
同一種の中では同じ系統間の移植でもよいが、異なる系統間の移植が可能である。具体的には、第一の鳥受精卵初期胚が取得される鳥の系統と、第二の受精卵初期胚が取得される鳥の系統が異なってもよい。このとき、第一の鳥受精卵初期胚における生殖細胞の増殖速度と、第二の受精卵初期胚における生殖細胞の増殖速度が異なる場合がある。好ましくは、第一の受精卵初期胚における生殖細胞の増殖速度の方が、第二の受精卵初期胚における生殖細胞の増殖速度よりも大きい場合である。例えば、ニワトリ白色レグホン由来のPGCにレトロウイルスで異種遺伝子を導入し、ニワトリ横斑プリマスロックの受精卵に移植することが可能である。この場合、PGC提供系統である白色レグホンのほうが生殖細胞の増殖速度において勝るため、異種遺伝子を導入された白色レグホンの生殖細胞のほうがプリマスロック体内で優位に生成するとの点で好ましい。またこの場合、羽毛色によってドナーの子孫を簡便に見分ける事ができる点が好ましい。本例のように羽毛色の異なる種間でPGC移植を行なう利点として、異種遺伝子を導入したドナーPGC由来のトランスジェニック鳥類を、目視により簡便に選別できる。
上記異種遺伝子が導入された初期胚を有する受精卵を通常の家禽飼育法にしたがって孵化成長させ、トランスジェニック鳥類を生産する。該トランスジェニック鳥類に、通常の繁殖法、伝統的育種法または遺伝子工学的手法を適用して、その子孫を生産する。
G0生殖系列トランスジェニックキメラ鳥類と非トランスジェニック鳥類、例えば野生型鳥類、あるいはG0生殖系列トランスジェニックキメラ鳥類同士を交配させて誕生する子孫、例えば二世代目、三世代目は、これらが導入遺伝子を染色体にもつ生殖細胞から発生した場合、全身の体細胞に導入遺伝子を含有する完全体個体として成長する。この生殖系列トランスジェニックキメラ個体から導入遺伝子を受け継ぐ子孫を、代々G1〜G2〜G3トランスジェニック鳥類と称する。交配は自然交配でも人工交配でもよいが、生産を人為的に調整できる観点から人工交配が好ましい。
また交配する相手は、ドナー系統、レシピエント系統または別個の第三系統でもよく、他の種でも受精可能ならば交配できるが、受精効率の点からドナー系統との交配が好ましい。交配型としてはG0トランスジェニックオスと野生型メス、G0トランスジェニックメスと野生型オス、G0トランスジェニックのオスとメス等が考えられ、更に子孫とその親による戻し交配も可能である。中でもG0オスと野生型メスの交配型は、1羽のG0オスに対し、野生型メス3羽から10羽を交配させることができるため、効率の点から好ましい。
本発明によるG0生殖系列トランスジェニックキメラ鳥類を、先に述べたごとく交配させることにより、導入遺伝子を子孫に伝播させることができるとともに、全身の体細胞に導入遺伝子をもつ完全なトランスジェニック鳥類を作製できる。レトロウイルスを受精卵に直接インジェクションする方法でG0トランスジェニック鳥類を作製した場合、生殖系列トランスジェニックキメラ体G0の選別を行う必要があり、更にその交配によって導入遺伝子をもつトランスジェニック完全体G1が誕生する頻度が3%程度と低いとの問題があったが、本発明によるPGC移植法では、高い頻度で生殖系列トランスジェニック鳥類G0が得られ、その結果高い頻度でG1完全体が誕生することが可能である。また、第一の受精卵初期胚における生殖細胞の増殖速度の方が、第二の受精卵初期胚における生殖細胞の増殖速度よりも大きい場合、G0個体において、導入遺伝子を有するドナー側の生殖細胞が、レシピエント側の生殖細胞より存在比が高くなるため、結果としてG1やG2などの子孫における完全体の割合をより高めることが可能である。こうして作製した完全体の系統保存には、精子凍結保存法の応用が可能である。
本発明は、このように蛋白質生産に有利な完全体としてのトランスジェニック鳥類作製法を開示する。また該作製法による遺伝子導入鳥類を開示する。
このように、安定的に導入遺伝子を伝播するトランスジェニック鳥類の系統を確立することで、蛋白質産生システムとしての品質の安定化が可能である。更に完全なトランスジェニック鳥類は、導入遺伝子をもつ体細胞の割合が多いことから、G0トランスジェニックキメラ鳥類に比べ、導入遺伝子に由来する組換え蛋白質の産生量が増加することが可能である。
本発明のタンパク生産法は、上記トランスジェニックキメラ鳥類から抗体を抽出し、必要により精製することを特徴とする。上記トランスジェニック鳥類は、G0であってもよく、あるいはその子孫例えば、G1、G2またはそれ以降の世代のトランスジェニック鳥類子孫であってよい。より詳細には、作製されたトランスジェニックキメラ鳥類の血中及び/又は卵中から抗体を回収、精製する抗体の生産法である。抗体の抽出は、硫安沈殿等による不用蛋白除去、プロテインA等の吸着カラム、イオン交換カラムや、限外濾過膜等による分別処理の組み合わせにより行う。
本発明のG0トランスジェニックキメラ鳥類において、鳥類に導入される遺伝子として、これらヒトモノクローナル抗体遺伝子、キメラ抗体遺伝子、scFv−Fc抗体遺伝子、1本鎖化等の修飾を施した人工抗体、エリスロポエチン、G−CSF、トロンボポエチン、インターフェロンなどの遺伝子産業上有用な抗体、生理活性蛋白、酵素等をコードした遺伝子を使用する。従来生産が困難だった抗体などの医薬品を安価に大量生産することができる。
例えば、キメラ抗体遺伝子を導入したG0トランスジェニックキメラ鳥類の場合、血液中の抗体含有量の例は、好ましくは約0.5μg/ml以上、より好ましくは約5μg/ml以上である。また、卵白中の抗体含有量の例は、好ましくは約0.1μg/ml以上、より好ましくは約1μg/ml以上であり、卵黄中の抗体含有量の例は、好ましくは約0.1μg/ml以上、より好ましくは約1μg/ml以上である。
また、scFv−Fc抗体遺伝子を導入したG0トランスジェニックキメラ鳥類の場合、血液中の抗体含有量の例は、好ましくは約20μg/ml以上、より好ましくは約2000μg/ml以上である。また、卵白中の抗体含有量の例は、好ましくは約5μg/ml以上、より好ましくは約500μg/ml以上である。
さらに、本発明によれば、本発明のトランスジェニック鳥類の作製法によって、畜産用または愛玩用の鳥類の品種改良も行い得る。
以下、実施例により本発明を詳述するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。
(実施例1)抗CD2抗体発現ベクターコンストラクトの作製
抗CD2抗体発現用ベクターコンストラクトpMSCV/GΔAH、pMSCV/GΔAL及びpMSCV/GΔALIHは、以下のように作製した。
ヒト抗体(IgM)産生ハイブリドーマ細胞D253−15−6(アメリカン・タイプ・カルチャー・コレクション HB−8789)からQuick Prep Micro mRNA Purification Kit(ファルマシア社製)を用いてmRNAを取得し、得られたmRNAからFirst−Strand cDNA Synthesis Kit(ファルマシア社製)を用いてcDNAライブラリを調製した。2つの化学合成オリゴヌクレオチド5’−atcctcgagaggccaaagtacagtg−3’(下線部はXhoI制限酵素サイト)及び5’−cccggatccctaacactctcccctgttgaagct−3’(下線部はBamHI制限酵素サイト)をプライマーとするPCR(94℃/1分→50℃/1分→72℃/1分30秒:25サイクル;Taq DNAポリメラーゼ(パーキンエルマー社製))により上記cDNAライブラリからヒト抗体L鎖κ定常領域(hCκ)の遺伝子断片を増幅後、制限酵素XhoI及びBamHIによって切り出し、プラスミドpBluescriptIIKS(−)(ストラタジーン社製)のXhoI、BamHIサイトへ挿入し、プラスミドpBlue/hCκを作製した。
同様にして、2つの化学合成オリゴヌクレオチド5’−agcggccgctacaggtgtccactccgacatcgtgatgacccagtctcc−3’(下線部はNotI制限酵素サイト)及び5’−cctctcgaggatagaagttattcagcaggcacac−3’(下線部はXhoI制限酵素サイト)をプライマーとするPCRにより上記cDNAライブラリからヒト抗体L鎖可変領域(hVL)の遺伝子断片を増幅後、制限酵素NotI及びXhoIによって切り出し、pBluescriptIIKS(−)のNotI、XhoIサイトへ挿入し、プラスミドpBlue/hVLを作製した。
同様にして、2つの化学合成オリゴヌクレオチド5’−acctcgagcgtggccgttggctgcctcgcaca−3’(下線部はXhoI制限酵素サイト)及び5’−actaagcttacgttgtacagggtgggtttacc−3’(下線部はHindIII制限酵素サイト)をプライマーとするPCRにより上記cDNAライブラリからヒト抗体H鎖μ定常領域(hCμ)の遺伝子断片を増幅後、制限酵素XhoI及びHindIIIによって切り出し、pBluescriptIIKS(−)のXhoI、HindIIIサイトへ挿入し、プラスミドpBlue/hCμを作製した。
同様にして、2つの化学合成オリゴヌクレオチド5’−agcggccgctacaggtgtccactccgaggtgcagctggtggagtctgg−3’(下線部はNotI制限酵素サイト)及び5’−cacgctcgaggtatccgacggggaattctcacagga−3’(下線部はXhoI制限酵素サイト)をプライマーとするPCRにより上記cDNAライブラリからヒト抗体H鎖可変領域(hVH)の遺伝子断片を増幅後、制限酵素NotI及びXhoIによって切り出し、pBluescriptIIKS(−)のNotI、XhoIサイトへ挿入し、プラスミドpBlue/hVHを作製した。
pBlue/hCκからhCκ遺伝子断片を制限酵素XhoI及びBamHIによって切り出し、プラスミドpCEP4(インビトロジェン社製)のXhoI、BamHIサイトへ挿入し、プラスミドpCEP4/hCκを作製した。
2つの化学合成オリゴヌクレオチド5’−cccaagcttgatctccactgggatggtgggggccctcctcttgctgctg−3’(下線部はHindIII制限酵素サイト)及び5’−cccggatcctcagtcaaggcgccttcgcatgaagaggccgatccccagggccaccaccagcagcaagaggagggcccc−3’(下線部はBamHI制限酵素サイト)を21bpsにわたって相補的な3’末端でアニールさせ、T4 DNAポリメラーゼ(宝酒造社製)を用いたDNA2重鎖合成反応によって上皮増殖因子受容体膜貫通領域(TM)の遺伝子断片を調製した。得られたTM遺伝子断片を制限酵素HindIII及びBamHIによって処理後、pBluescriptIIKS(−)のHindIII、BamHIサイトに挿入し、プラスミドpBlue/TMを作製した。
pBlue/hCμからhCμ遺伝子断片を制限酵素XhoI及びHindIIIによって切り出し、pBlue/TMのXhoI、HindIIIサイトへ挿入し、プラスミドpBlue/hCμTMを作製した。
pBlue/hCμTMから一連のhCμ遺伝子及びTM遺伝子を含む断片を制限酵素XhoI及びBamHIによって切り出し、pCEP4のXhoI、BamHIサイトへ挿入し、プラスミドpCEP4/hCμTMを作製した。
pCEP4/hCμTMを制限酵素BamHIによって切断し、末端をT4 DNAポリメラーゼによって平滑処理後、セルフライゲーションによりプラスミドpCEP4/hCμTMΔBを作製した。
化学合成オリゴヌクレオチド5’−tgaagacagatggcgccgccacagttcgttt−3’( 下線部はNarI制限酵素サイト)を用いた部位特異的変異導入によりpBlue/hVLが保有するhVLの3’末端にアミノ酸暗号の変更を伴わずに制限酵素NarIサイトを導入し、プラスミドpBlue/hVLNを作製した。
化学合成オリゴヌクレオチド5’−tggggcggatgcggatcctgaggagacggt−3’( 下線部はBamHI制限酵素サイト)を用いた部位特異的変異導入によりpBlue/hVHが保有するhVHの3’末端にアミノ酸暗号の変更を伴わずに制限酵素BamHIサイトを導入し、プラスミドpBlue/hVHBを作製した。
抗ヒトCD2マウス抗体産生ハイブリドーマ細胞TS2/18.1.1(アメリカン・タイプ・カルチャー・コレクション HB−195)からQuick Prep Micro mRNA Purification Kitを用いてmRNAを取得し、得られたmRNAからFirst−Strand cDNA Synthesis Kitを用いてcDNAライブラリを調製した。2つの化学合成オリゴヌクレオチド5’−cgcggccgcctcagggaaagtttgaagatg−3’(下線部はNotI制限酵素サイト)及び5’−cggcgccgccacagtccgttttatttccagcttggt−3’(下線部はNarI制限酵素サイト)をプライマーとするPCRにより上記cDNAライブラリからマウス抗体L鎖可変領域(mVL)の遺伝子断片を増幅後、制限酵素NotI及びNarIによって切り出し、pBlue/hVLNのNotI、NarIサイトへ挿入してプラスミドpBlue/mVLを作製した。
同様にして、2つの化学合成オリゴヌクレオチド5’−cgcggccgcgaacacggamccctcaccatg−3’(下線部はNotI制限酵素サイト)及び5’−cggatcctgcagagacagtgaccagagt−3’(下線部はBamHI制限酵素サイト)をプライマーとするPCRにより上記cDNAライブラリからマウス抗体H鎖可変領域(mVH)の遺伝子断片を増幅後、制限酵素NotI及びBamHIによって切り出し、pBluescriptIIKS(−)のNotI、BamHIサイトへ挿入し、プラスミドpBlue/mVHを作製した。
pBlue/mVLからmVL遺伝子断片を制限酵素NotI及びXhoIによって切り出し、pCEP4/hCκのNotI、XhoIサイトへ挿入し、プラスミドpCEP4/IgLκを作製した。
pBlue/hVHBからhVH遺伝子断片を制限酵素NotI及びXhoIによって切り出し、pCEP4/hCμTMΔBのNotI、XhoIサイトへ挿入し、プラスミドpCEP4/hIgHμTMを作製した。
pBlue/mVHからmVH遺伝子断片を制限酵素NotI及びBamHIによって切り出し、制限酵素NotI及びBamHIによって処理したpCEP4/hIgHμTMのベクター断片に連結し、プラスミドpCEP4/IgHμTMを作製した。
pMSCVneoは公知文献(Gene Ther. 1994 MAR;1(2):136−8.)とインターネットの情報を元に全合成した(東洋紡績社製)。pMSCVneoから一連のミューリン・ホスホグリセレート・キナーゼ(PGK)プロモーター及びNeor遺伝子を含む断片を制限酵素BglII及びBamHIによって除去し、残ったベクター断片のセルフライゲーションによりプラスミドpMSCVを作製した。
pGREEN LANTERN−1からGFP遺伝子断片を制限酵素NotIによって切り出し、pZeoSV2(+)のNotIサイトに挿入した。T7プロモーターと同方向にGFP遺伝子が挿入された構造のプラスミドをpZeo/GFPとした。
pZeo/GFPからGFP遺伝子断片を制限酵素EcoRI及びXhoIによって切り出し、制限酵素EcoRI及びXhoIによって処理したpMSCVのベクター断片に連結し、プラスミドpMSCV/Gを作製した。
ヒト抗体(IgG1)産生ミエローマ細胞IM−9(ジャパニーズ・コレクション・オブ・リサーチ・バイオリソーシズ 0024)からmRNA isolation Kit(ロッシュ社製)を用いてmRNAを取得し、得られたmRNAからReverTra Ace(東洋紡社製)を用いてcDNAライブラリを調製した。2つの化学合成オリゴヌクレオチド5’−caagcttcaagggcccat−3’及び5’−atttacccggagacaggga−3’をプライマーとするPCR(95℃/2分→52℃/30秒→74℃/3分:30サイクル;Pfu DNAポリメラーゼ(プロメガ社製))により上記cDNAライブラリからヒト抗体H鎖γ1定常領域(hCγ1)の遺伝子断片を増幅した。さらに、2つの化学合成オリゴヌクレオチド5’−ataggatccgctagcttcaagggcccatcg−3’(下線部はBamHI制限酵素サイト)及び5’−agcaagctttcatttacccggagacaggga−3’(下線部はHindIII制限酵素サイト)をプライマーとするPCR(94℃/15秒→58℃/30秒→68℃/1分:30サイクル;KOD−plus−DNAポリメラーゼ)により上記PCR産物からhCγ1遺伝子断片を増幅後、制限酵素BamHI及びHindIIIによって切り出し、pBluescriptIISK(+)のBamHI、HindIIIサイトへ挿入し、プラスミドpBlue/hCγ1を作製した。
pCEP4/IgHμTMからmVH遺伝子断片を制限酵素HindIII及びBamHIによって切り出した。pBlue/hCγ1からhCγ1遺伝子断片を制限酵素BamHI及びHindIIIによって切り出した。制限酵素HindIIIによって処理したプラスミドpETBlue−2(ノバジェン社製)のベクター断片に上記切り出した2断片を連結し、プラスミドpETBlue/IgHγ1を作製した。
22.pETBlue/IgHγ1から抗体H鎖γ1(IgHγ1)の遺伝子断片を制限酵素HindIIIによって切り出し、pMSCV/GのHindIIIサイトへ挿入した。GFP遺伝子と同方向にIgHγ1遺伝子が挿入された構造のプラスミドをpMSCV/GHとした。
2つの化学合成オリゴヌクレオチド5’−acgcgtcgacgtgcatgcacgctcattg−3’(下線部はSalI制限酵素サイト)及び5’−acgcgtcgacaacgcagcgactcccg−3’(下線部はSalI制限酵素サイト)をプライマーとするPCR(94℃/15秒→50℃/30秒→68℃/1分:10サイクル;94℃/15秒→62℃/30秒→68℃/1分:30サイクル)によりpMiwZからΔActプロモーター断片を増幅後、制限酵素SalIによってΔActプロモーター断片を切り出し、pETBlue−2のSalIサイトへ挿入し、プラスミドpETBlue/ΔActを作製した。
pETBlue/ΔActからΔActプロモーター断片を制限酵素SalIによって切り出し、pMSCV/GHのXhoIサイトへ挿入した。IgHγ1遺伝子と同方向にΔActプロモーターが挿入された構造のプラスミドをpMSCV/GΔAHとした。
2つの化学合成オリゴヌクレオチド5’−aatgtcgacatggtgtccacttctcagctc−3’(下線部はSalI制限酵素サイト)及び5’−ttcgtcgacctaacactctcccctgttgaa−3’(下線部はSalI制限酵素サイト)をプライマーとするPCR(95℃/30秒→50℃/30秒→74℃/2分:10サイクル;95℃/30秒→60℃/30秒→74℃/2分:30サイクル;Pfu DNAポリメラーゼ)によりpCEP4/IgLκから抗体L鎖κ(IgLκ)の遺伝子断片を増幅後、制限酵素SalIによって切り出し、pETBlue−2のSalIサイトへ挿入し、プラスミドpETBlue/IgLκを作製した。
pETBlue/ΔActからΔActプロモーター断片を制限酵素SalIによって切り出し、pMSCV/GのXhoIサイトへ挿入した。GFP遺伝子と同方向にΔActプロモーターが挿入された構造のプラスミドをpMSCV/GΔAとした。
27.pETBlue/IgLκからIgLκ遺伝子断片を制限酵素SalIによって切り出し、pMSCV/GΔAのSalIサイトへ挿入した。ΔActプロモーターと同方向にIgLκ遺伝子断片が挿入された構造のプラスミドをpMSCV/GΔALとした。
2つの化学合成オリゴヌクレオチド5’−acgcgtcgaccgcccctctccctccccc−3’(下線部はSalI制限酵素サイト)及び5’−ccgctcgagattatcatcgtgtttttcaaaggaaaaccacgtc−3’(下線部はXhoI制限酵素サイト)をプライマーとするPCR(94℃/15秒→60℃/30秒→68℃/1分:30サイクル)によりプラスミドpLXIN(クロンテック社製)からIRES断片を増幅後、制限酵素SalI及びXhoIによって切り出し、pETBlue−2のSalI、XhoIサイトへ挿入し、プラスミドpETBlue/IRESを作製した。
pETBlue/IRESからIRES断片を制限酵素SalI及びXhoIによって切り出し、pMSCV/GΔAHのSalIサイトへ挿入した。IgHγ1遺伝子と同方向にIRESが挿入された構造のプラスミドをpMSCV/GΔAIHとした。
pETBlue/IgLκからIgLκ遺伝子断片を制限酵素SalIによって切り出し、pMSCV/GΔAIHのSalIサイトへ挿入した。ΔActプロモーターと同方向にIgLκ遺伝子断片が挿入された構造のプラスミドをpMSCV/GΔALIHとした。
このように作製した複製能欠失型レトロウイルスベクターのベクターコンストラクトpMSCV/GΔALIHの構造を図1に示した。
(実施例2)抗CD2抗体発現レトロウイルスベクターの調製
実施例1で作製したベクターコンストラクトpMSCV/GΔALIHよりレトウイルスベクターを調製するため、パッケージング細胞GP293(クロンテック社製)を直径100mmの培養ディッシュに5×106細胞植え、培養した。培地を新鮮なDMEM(ダルベッコ変法イーグル培地)に交換し、p−VSV−Gベクター(クロンテック社製)8μgとpMSCVNΔAβ8μgをリポフェクション法により前記GP293細胞に導入した。48時間後、ウイルス粒子を含む培養上清を回収し、0.45μm酢酸セルロースフィルター(アドバンテック社製)を通して夾雑物を除去した。得られた溶液にポリブレン(シグマ社製)を10μg/mlとなるように加えウイルス液とした。
調製したウイルス液を別に培養したGP293細胞に加え、48時間培養後600μg/mlのG418(GIBCO BRL社製)を含む培養液で植え継ぎ、安定なG418安定形質転換GP293株を取得した。
得られた安定形質転換株を80%コンフルエントとなるよう直径100mmディッシュに培養し、16μgのpVSV−Gをリポフェクション法で導入した。48時間後ウイルス粒子を含む培養上清12mlを回収した。
この培養上清を50,000×g、4℃で1.5時間遠心を行い、ウイルスを沈殿させた。上清を除き、ウイルス粒子を含む沈殿物に50μlの50mM Tris−HCl(pH7.8)、130mM NaCl、1mM EDTA溶液を加え、4℃で一晩放置後、よく懸濁してウイルス溶液を回収した。このようにして得られた高タイターウイルスベクターは、108cfu/mlであった。
ウイルスタイターの測定は、以下のように行った。測定の前日にNIH3T3細胞(アメリカン・タイプ・カルチャー・コレクションより入手)を直径35mmのディッシュに7×104細胞植え培養した。102から106倍に希釈したウイルス溶液を各ディッシュに1ml加え、48時間後に蛍光顕微鏡によりGFPを発現している細胞の割合を測定し、以下の計算式によりタイターを決定した。
ウイルスタイター=細胞数×希釈率×発現割合 (cfu/ml)
(実施例3)PGCの調製
ニワトリの受精卵由来PGCは、以下のように調製した。
孵卵開始後50時間目(ステージXIII〜XV)のニワトリ受精卵(城山種鶏場産)を横置きにして、1分間以上静置した。静置することにより胚が上部に移動するため、この状態を保って静かに卵を割り、シャーレに移した。
卵黄の上部に胚体があることを確認し、血管より0.5〜1.0cm外側を血管に沿ってハサミで切り取り、ヘラとピンセットですくいあげてリン酸緩衝液(1N塩酸にてpH7.4に調製)を満たしたシャーレに移した。この胚体をピンセットでつまみ、リン酸緩衝液で卵黄を洗い落とした。洗浄後の胚体を38℃に熱したリン酸緩衝液を満たしたシャーレに移し、ピンセットで広げた。
実体顕微鏡下に観察しながら、胚体の腹部動脈血管を、切断用針を用いて切断した。この操作によって流出した血液が胚体に溜まるので、先を細くしたパスツールピペットを使ってこの血液を吸引し、ダルベッコ変法最小必須培地(D−MEM インビトロジェン社製)に懸濁した。
集めたPGCを含む血液を遠心分離によって培地から分離し、300μlの6.3%Ficoll400(シグマ社製)に懸濁し、600μlの16%Ficoll400に重層後、1500rpmで30分間遠心した。
遠心処理により、Ficollの境界付近に集められたPGCを回収し、ダルベッコ変法最小必須培地で3回洗浄後、同培地1mlに懸濁後遠心濃縮した。
実施例2で調製した抗CD2抗体発現レトロウイルスベクターを、同量のPGC懸濁液とともに37℃で4時間インキュベートし、抗CD2抗体発現のための遺伝子が導入されたPGCを得た。
(実施例4)PCR法によるPGC中導入遺伝子の確認
実施例3で調製した抗CD2抗体発現のための遺伝子が導入されたPGCから、キット(東洋紡社製 MagExtractor−genome−)を用いて抽出したゲノムDNA50ngを使い、PCR法で抗CD2抗体発現用遺伝子が導入されていることを確認した。
PCR法には、導入遺伝子に含まれるGFP遺伝子の一部355bpを増幅可能なプライマーセット:5’−CAACACTGGTCACTACCTTCACCTATG−3’/5’−ACGGATCCATCCTCAATGTTGTGTC−3’を用いた。内部標準として、ニワトリゲノムに含まれるオボアルブミン遺伝子の一部317bpを増幅可能なプライマーセット:5’−CGCTTTGATAAACTTCCAGGATTCGG−3’/5’−CATCTAGCTGTCTTGCTTAAGCGTACA−3’を用いた。
結果を図2に示した。
(実施例5)ニワトリ胚へのレトロウイルスベクター感染PGCのインジェクション
実施例1とは別のニワトリ受精卵を用意し、自動転卵装置が内蔵された孵卵器(昭和フランキ社製P−008型)内で37.9℃、湿度65%環境に置いた時刻を孵卵開始時刻(0時間)とし、以後15分毎に90度転卵しながら孵卵を行なった。
孵卵開始後、受精卵の卵殻を70%エタノールで消毒し、鋭端部を直径3.5cmの円形にダイヤモンドカッター(MINOMO7C710、ミニター社製)で切り取り、胚を露出させた。胚盤葉を実体顕微鏡で観察しながら、ガラス管(CD−1、オリンパス社製)をマイクロピペット製作器(PC−10,オリンパス社製)で加工し、外径約20μmとなるよう先端を折って作製した針を刺し、マイクロインジェクター(Transjector5246、エッペンドルフ社製)を用いて胚盤下腔の中央に、実施例3で調製した抗CD2抗体発現のための遺伝子が導入されたPCG懸濁液を2μl注入した。この卵殻の切り口まで卵白を満たした後、卵白を糊としてテフロン(登録商標)膜(ミリラップ、ミリポア社製)とポリ塩化ビニリデンラップ(サランラップ、旭化成社製)とで蓋をし、15分毎に90度転卵しながら孵卵を行なった。
以上の操作を、それぞれ、孵卵後50時間、55時間、60時間の受精卵に対して実施した結果、インジェクションに最も好ましいのは、ニワトリの場合孵卵処理後55時間の受精卵であることがわかった。
本発明の、トランスジェニック鳥類作製法は、効率的に完全なG0トランスジェニック鳥類を生産し得る。本発明によれば、その子孫、例えば完全なG1トランスジェニックを効率的に、誕生させることができる。
本発明のG1、G2、G3〜トランスジェニック鳥類は、体細胞で異種遺伝子に由来する蛋白質を発現するので、血清、卵白、卵黄から回収、精製することで、これまで生産困難であった糖鎖が付与した蛋白質や抗体類の安価な生産系を供給することができる。
抗CD2抗体発現ベクターコンストラクトpMSCV/GΔAH、pMSCV/GΔAL及びpMSCV/GΔALIHの構造を示す。Amprはアンピシリン耐性遺伝子を示す。PΔactはβ−アクチンプロモーター遺伝子を示す。Ψ+はパッケージングシグナル配列を示す。 GFPはグリーン・フルオレッセント・プロテイン遺伝子を示す。Lは抗CD2抗体軽鎖遺伝子を示す。Hは抗CD2抗体重鎖遺伝子を示す。5‘LTR及び3’LTRはそれぞれMoMLVのロングターミナルリピート配列を示す。 抗CD2抗体発現遺伝子を、レトロウイルスベクターにより導入したPGCのPCR結果である。レーン1は無処理のPGC。レーン2は抗CD2発現遺伝子を導入したPGCを表す。矢印は導入遺伝子を示す。
符号の説明
1 レーン1を示す。
2 レーン2を示す。

Claims (14)

  1. 第一の鳥受精卵および第二の鳥受精卵を準備し、
    第一の鳥受精卵の初期胚から始原生殖細胞を取得し、
    異種遺伝子を媒介した1×10 cfu/mL以上、1×10 10 cfu/mL以下のタイターをもつモロニー・ミューリン・ロイケミア・ウイルスに由来するレトロウイルスベクターを該始原生殖細胞に体外で感染させて、異種遺伝子を該始原生殖細胞に導入させ、
    該始原生殖細胞を第二の鳥受精卵の初期胚に移植し、そして
    該第二の鳥受精卵を孵化成長させることを特徴とする、
    トランスジェニック鳥類の作製法。
  2. トランスジェニック鳥類が、生殖系列トランスジェニック鳥である、請求項1記載のトランスジェニック鳥類の作製法。
  3. 始原生殖細胞の取得が、第一の鳥受精卵の孵卵開始から40時間以降60時間までに行われることを特徴とする、請求項1記載のトランスジェニック鳥類の作製法。
  4. 始原生殖細胞の第二の鳥受精卵初期胚への移植が、第二の鳥受精卵の孵卵開始から24時間以降72時間までに行われることを特徴とする、請求項1記載のトランスジェニック鳥類の作製法。
  5. 始原生殖細胞の第二の鳥受精卵初期胚への移植が、第二の鳥受精卵の孵卵開始から48時間以降64時間までに行われることを特徴とする、請求項1記載のトランスジェニック鳥類の作製法。
  6. 第一の鳥の系統と第二の鳥の系統とが異なることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項記載のトランスジェニック鳥類の作製法。
  7. 第一の鳥の系統がニワトリ白色レグホンであり、かつ、第二の鳥の系統がニワトリ横斑プリマスロックであることを特徴とする、請求項記載のトランスジェニック鳥類の作製法。
  8. 請求項1記載の作製法にしたがってトランスジェニック鳥類を作製し、
    得られたトランスジェニック鳥類を、野生型又は他のトランスジェニック鳥類と交配させることを特徴とするトランスジェニック鳥類の子孫の作製法。
  9. トランスジェニック鳥類の子孫が完全体トランスジェニック鳥類である、請求項記載のトランスジェニック鳥類の子孫の作製法。
  10. 請求項1記載の作製法にしたがってトランスジェニック鳥類を作製し、そしてその体細胞、体液又は卵から異種蛋白質を抽出することを特徴とする、異種蛋白質の生産法。
  11. 請求項または記載の作製法にしたがってトランスジェニック鳥類の子孫を作製し、そしてその体細胞、体液又は卵から異種蛋白質を抽出することを特徴とする、異種蛋白質の生産法。
  12. 鳥始原生殖細胞に、1×10cfu/mL以上、1×1010cfu/mL以下のタイターをもつモロニー・ミューリン・ロイケミア・ウイルスに由来するレトロウイルスベクターを体外で感染させることを特徴とする、異種遺伝子が導入された生殖細胞の生産方法。
  13. 鳥始原生殖細胞が、孵卵開始から40時間以降60時間までの鳥受精卵の初期胚から取得されたものであることを特徴とする、請求項12記載の始原生殖細胞の生産方法。
  14. 請求項1記載の作製法にしたがってトランスジェニック鳥を作製することを特徴とする、畜産用または愛玩用の鳥類の品種を改良する方法。
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