JP4995317B2 - 低圧タービン用ロータ - Google Patents
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Description
蒸気タービンを含む石炭焚火力発電に用いられる蒸気タービン設備においては、一般的に、高圧タービン、中圧タービン、低圧タービンを備えており、600℃級の蒸気が用いられている。このような蒸気タービン設備においては、ボイラから供給された600℃級の蒸気は、高圧タービンに導入されて動翼と静翼からなる高圧翼段落で高圧タービンを回転させて膨張仕事をした後、高圧タービンから排気されて中圧タービンに導入され、高圧タービンと同様に中圧タービンを回転させて膨張仕事をし、さらに低圧タービンに導入されて膨張仕事をし、復水器へ排気されて復水される。
このような蒸気タービン設備における低圧タービン用ロータは一般的に3.5Ni鋼(例えば3.5NiCrMoV鋼など)により形成されており、低圧タービン入口蒸気温度は3.5Ni鋼が機械的強度特性及び靱性を維持できる温度である380℃以下に設定していた。
上記のような蒸気タービン設備においては、近年CO2排気量削減と、更なる熱効率向上のために、630℃以上の蒸気条件を採用した技術が求められている。
高圧タービンに630℃以上の蒸気を高圧タービンに導入し、従来600℃級の蒸気を用いていた場合と同じ高圧タービン及び中圧タービンを使用すると、低圧タービン入口蒸気温度が400〜430℃程度と従来よりも上昇し、該温度の上昇によって低圧タービンのロータが機械的強度特性及び靱性を維持できなくなる可能性がある。
特に2段再熱の場合は、2段目の再熱圧が低くなることから、低圧タービン入口蒸気温度が1段再熱より上昇し、設計条件としてより厳しくなる。
630℃以上の蒸気を用い、3.5Ni鋼で形成された低圧タービンのロータの機械的強度特性及び靱性を維持するためには、高圧タービン及び中圧タービンにおける膨張仕事量を従来よりも増加させて、低圧タービン入口における蒸気温度を380℃以下まで低下させることが考えられる。しかし、そのためには高圧タービンと中圧タービンの翼段落数を増加させる必要があり、タービン全体が増大するという問題がある。
そこで特許文献1においては、低圧タービン用ロータを構成する3.5Ni鋼中に含有される不純物含量を低減して微量に制限することで、加熱による不純物元素の粒界偏析などの経年的な脆化を誘発する金属組織上の変化を抑制し、380℃以上の蒸気が導入されても安定して運転することができる低圧タービン用ロータが開示されている。
特許文献1に開示された技術においては、従来以上に厳密な不純物管理が要求される。しかしながら、特に低圧タービン用のロータは大型であることから、特許文献1に開示された技術において、一体型の低圧タービン用ロータを製作する場合、コストが増加する、製作日数が増加し納期が遅くなる、例えばバラツキにより不純物含量が基準値を越える可能性が高いなどの製造されるタービン用ロータの品質面での信頼性に不安が残るという課題が生じる。
高圧タービン、中圧タービン及び低圧タービンを備えた蒸気タービン設備で使用される低圧タービン用ロータにおいて、
蒸気入口側に配置される部材(以下入口側領域の部材という)と、該入口側領域の部材の両側に位置する蒸気出口側に配置される両部材(以下出口側領域の両部材という)とを溶接によって接合して構成するとともに、該出口側領域の両部材を3.5Ni鋼で形成し、前記入口側領域の部材を低不純物の3.5Ni鋼で形成し、
前記低圧タービンの入口蒸気温度が380℃以上である蒸気タービン設備で使用され、
前記低圧タービン内を流通する蒸気温度が380℃以上となる領域を前記入口側領域の部材で構成し、
前記低圧タービン内を流通する蒸気温度が380℃未満となる領域を前記出口側領域の両部材で構成することを特徴とする。
又、前記入口側領域の部材を形成する低不純物3.5Ni鋼は、重量%で、Si:0.1%以下、Mn:0.1%以下、不可避的不純物が重量%で、P:0.02%以下、S:0.02%以下、Sn:0.02%以下、As:0.02%以下、Sb:0.02%以下、Al:0.02%以下、Cu:0.1%以下を含有することを特徴とする。
高温の蒸気が導入される蒸気入口側に不純物含量を低減して微量に制限した3.5Ni鋼で構成された部材を用いることで、加熱による不純物元素の粒界偏析などの経年的な脆化を誘発する金属組織上の変化を抑制し、380℃以上の蒸気が導入されても安定して運転することができる。
しかも、前記不純物含量を低減した3.5Ni鋼で構成された部材をロータ全体でなく高温の蒸気が導入される蒸気入口側だけとすることで、製作コスト、日数の増加を小さく抑え、品質面での信頼性の不安も小さく低圧タービン用ロータの製作が可能である。
また、前記低圧タービンの入口蒸気温度が380℃以上である蒸気タービン設備で使用され、
前記低圧タービン内を流通する蒸気温度が380℃以上となる領域を前記蒸気入口側領域の部材で構成し、前記低圧タービン内を流通する蒸気温度が380℃未満となる領域を前記出口側領域の両部材で構成することを特徴とする。
通常の3.5Ni鋼は蒸気温度が380℃以上となると不純物元素の粒界偏析などの経年的な脆化を誘発する可能性が高い。そこで蒸気温度が380℃以上となる領域を前記蒸気入口側領域の部材で構成し、蒸気温度が380℃未満である領域を前記出口側領域の両部材で構成することで、通常の3.5Ni鋼が380℃以上の蒸気と接することがなくなり、蒸気出口側に配置される3.5Ni鋼で形成される部材の脆化を抑制することが可能となる。
前記高圧タービンおよび中圧タービンの少なくともいずれか一方の入口蒸気温度が630℃以上である蒸気タービン設備で使用されることを特徴とする。
これにより、高圧タービン及び中圧タービンを増大化させることなく、蒸気タービン設備からのCO2排気量を削減し、蒸気タービン設備の熱効率を向上させることができる。
図1を参照して、本発明の低圧タービン用ロータを用いた蒸気タービン設備により構成される発電設備について説明する。尚、図1は1段再熱の一例であり、2段再熱、再熱のみ高温化(630℃以上)の場合の実施にも本発明は適用され、特に限定されるものではない。
図1に示された蒸気タービン発電設備10は、高圧タービン14、中圧タービン12、低圧タービン16、発電機18、復水器20、ボイラ24から主に構成される。蒸気は、ボイラ24、主蒸気管26、高圧タービン14、低温再熱管28、ボイラ24、高温再熱管30、中圧タービン12、クロスオーバー管32、低圧タービン16、復水器20、給水ポンプ22、ボイラ24の順に循環する。
ボイラ24で630℃以上に過熱された蒸気は、主蒸気管26を通って高圧タービン14に導入される。高圧タービン14に導入された蒸気は、膨張仕事を行った後に排気され、低温再熱管28を通ってボイラ24に戻される。該ボイラ24に戻された蒸気は、ボイラ24で再熱されて630℃以上の蒸気となり、高温再熱管30を通って中圧タービン12に送られる。中圧タービン12に導入された蒸気は膨張仕事を行った後に排気され、400〜430℃程度の蒸気となってクロスオーバー管32を通って低圧タービン16に送られる。低圧タービン16に導入された蒸気は、膨張仕事を行った後に排気され、復水器20に送られる。復水器20に送られた蒸気は復水器20で復水され、給水ポンプ22で昇圧されてボイラ24に戻される。発電機18はそれぞれのタービンの膨張仕事によって回転駆動され、発電する。
前記のような蒸気タービン発電設備に用いられる低圧タービン用ロータについて図2を参照して説明する。
まず図2を用いて本実施例に係る400〜430℃程度の蒸気が導入される低圧タービン16に用いられるロータの構成について説明する。
図2に示すように、低圧タービン用ロータ16Aは、1Cr鋼、2.25Cr鋼又は10Cr鋼で構成される1つの部材(以下クロム鋼部)16aと、3.5Ni鋼で構成される2つの部材(以下通常3.5Ni鋼部)16b、16cから構成されている。
クロム鋼部16aはその両端でそれぞれ通常3.5Ni鋼部16b、16cと溶接によって接合されて、一端部から通常3.5Ni鋼部16b、クロム鋼部16a、通常3.5Ni鋼部16cの順に一体化された低圧タービン用ロータ16Aを形成している。
また、クロム鋼部16aは380℃以上の蒸気に晒される位置に配置され、通常3.5Ni鋼部16b、16cは380℃未満の蒸気に晒された位置に配置される。
(参考発明の材料)
次に低圧タービン用ロータ16Aを構成する、クロム鋼部16a、3.5Ni鋼部16b、16cの材料について説明する。
(A)クロム鋼部
クロム鋼部は、耐高温性に優れ、入手が容易である1Cr鋼、2.25Cr又は10Cr鋼で形成されている。
1Cr鋼としては、重量%で、C:0.2〜0.4%、Si:0.35%以下、Mn:1.5%以下、Ni:2.0%以下、Cr:0.5〜1.5%、Mo:0.5〜1.5%、V:0.2〜0.3%、残部がFe及び不可避的不純物からなる組成の材料を一例として挙げることができる。
2.25Cr鋼としては、重量%で、C:0.2〜0.35%、Si:0.35%以下、Mn:1.5%以下、Ni:0.2〜2.0%、Cr:1.5〜3.0%、Mo:0.9〜1.5%、V:0.2〜0.3%、残部がFe及び不可避的不純物からなる組成の材料を一例として挙げることができる。
10Cr鋼としては、重量%でC:0.05〜0.4%、Si:0.35%以下、Mn:2.0%以下、Ni:3.0%以下、Cr:7〜13%、Mo:0.1〜3.0%、V:0.01〜0.5%、N:0.01〜0.1%、Nb:0.01〜0.2%を含有し、残部がFe及び不可避的不純物からなる組成の材料を一例として挙げることができる。
別の例の10Cr鋼として、重量%でC:0.05〜0.4%、Si:0.35%以下、Mn:2.0%以下、Ni:7.0%以下、Cr:8〜15%、Mo:0.1〜3.0%、V:0.01〜0.5%、N:0.01〜0.1%、Nb:0.2%以下を含有し、残部がFe及び不可避的不純物からなる組成の材料を一例として挙げることができる。
図4は1Cr鋼、2.25Cr鋼、10Cr鋼及び3.5Ni鋼の脆化係数を示すグラフである。縦軸は脆化係数(ΔFATT)であって、脆化しやすさの指標となる値であり、この数値が高いほど脆化感受性が高く脆化しやすい。横軸はJ−Factorであり不純物の濃度の指標となる値である。図4から明らかであるように、何れの材料も不純物濃度が高いほど脆化しやすい。さらに、1Cr鋼と3.5Ni鋼はほぼ同等の脆化係数であり、それよりも2.25Cr鋼の脆化係数が低く、10Cr鋼の脆化係数はさらに低い。
従ってクロム鋼部16aを1Cr鋼で構成された部材を用いると、低圧タービン用ロータ全体の脆化感受性は、ロータ全体を3.5Ni鋼で構成した従来の低圧タービン用ロータとほぼ同等であるといえる。しかし、クロム鋼部16aを2.25Cr鋼又は10Cr鋼で構成された部材を用いると、低圧タービン用ロータ全体の脆化感受性は、ロータ全体を3.5Ni鋼で構成した従来の低圧タービン用ロータよりも低い、即ち脆化しにくいといえる。そのため、クロム鋼部16aは2.25Cr鋼又は10Cr鋼で形成することがより好ましい。
(B)通常3.5Ni鋼部
3.5Ni鋼としては、重量%でC:0.4%以下、Si:0.35%以下、Mn:1.0%以下、Cr:1.0〜2.5%、V:0.01〜0.3%、Mo:0.1〜1.5%、Ni:3.0〜4.5%を含有し、残部がFe及び不可避的不純物からなる材料を一例として挙げることができる。
(参考発明の製造方法)
クロム鋼部16aと、通常3.5Ni鋼部16b、16cとの間の溶接部で溶接によって接合する。
溶接の方法は、溶接部が低圧タービンの運転状態に耐えうる状態であれば特に限定されるものではないが、一例として溶接トーチによるアークに溶加剤として溶接ワイヤを供給する溶融法一般を挙げることができる。
例えば、溶接部の形状としては狭開先溶接継手などが採用し、溶接に際しては、1パス毎にアークによる溶融によって溶接ワイヤとして供給される溶加剤を積層して前記狭開先溶接継手内を溶加剤で満たして、クロム鋼部16aと通常3.5Ni鋼部16b、16cを接合する。前記溶加剤としては通常3.5Ni鋼部と同じ材料である3.5Ni鋼を使用する。
以上のような低圧タービン用ロータを使用することにより、下記の効果が得られる。
1Cr鋼、2.25Cr鋼、10Cr鋼は従来より高圧タービン用ロータや中圧タービン用ロータで用いられていた材料であるため材料の管理方法が確立されており、また入手も容易である。さらに、3.5Ni鋼よりも耐高温性で優れている。また、3.5Ni鋼は1Cr鋼、2.25Cr鋼、10Cr鋼よりも応力腐食割れ(SCC)感受性が低い。そこで、高温の蒸気が導入される蒸気入口側を1Cr鋼、2.25Cr鋼又は10Cr鋼で形成された部材で構成し、流路径(翼径)が広がりより高い強度が求められる蒸気出口側を3.5Ni鋼で構成された部材で構成することで、高温及び応力腐食割れに対して優れた低圧タービン用ロータが形成され、高温の蒸気を導入しても機械的強度特性を維持することができる。
また、通常の3.5Ni鋼は蒸気温度が380℃以上となると不純物元素の粒界偏析などの経年的な脆化を誘発する可能性が高い。そこで蒸気温度が380℃以上となる領域を前記蒸気入口側に配置される部材で構成し、蒸気温度が380℃未満である領域を前記蒸気出口側に配置される部材で構成することで、通常の3.5Ni鋼が380℃以上の蒸気と接することがなくなり、蒸気出口側に配置される3.5Ni鋼で形成される部材の脆化を抑制することが可能となる。
さらに、低圧タービンの入口蒸気温度を従来よりも高くしても低圧タービン用ロータの機械的強度特性を維持することができるため、高圧タービン及び中圧タービンを増大化させることなく630℃以上の蒸気を使用することができ、蒸気タービン設備からのCO2排気量を削減し、蒸気タービン設備の熱効率を向上させることができる。
実施例2において別の形態の低圧タービン用ロータ16Bについて説明する。
実施例2においては、図3に示すように、低圧タービン用ロータ16Bは、不純物含有量の少ない低不純物3.5Ni鋼で構成される1つの部材(以下低不純物3.5Ni鋼部)16dと、通常3.5Ni鋼部16b、16cから構成されている。
つまり、実施例2は、図2に示した実施例1の形態の低圧タービン用ロータのクロム鋼部16aに代えて低不純物3.5Ni鋼部16dを採用した形態である。以下、低不純物3.5Ni鋼部16d以外においては実施例1と同様であるため説明を省略する。
また、低不純物3.5Ni鋼部16dは380℃以上の蒸気に晒される位置に配置され、通常3.5Ni鋼部16b、16cは380℃未満の蒸気に晒された位置に配置される。
(実施例の材料)
低不純物3.5Ni鋼部16dの材料について説明する。
低不純物3.5Ni鋼部16dは、不純物含有量が少ない3.5Ni鋼部で形成されている。低不純物3.5Ni鋼部16dとしては、重量%で、C:0.4%以下、Si:0.1%以下、Mn:0.1%以下、Cr:1.0〜2.5%、V:0.01〜0.3%、Mo:0.1〜1.5%、Ni:3.0〜4.5%を含有し、残部がFe及び不可避的不純物からなり、前記不可避的不純物が、重量%で、P:0.02%以下、S:0.02%以下、Sn:0.02%以下、As:0.02%以下、Sb:0.02%以下、Al:0.02%以下、Cu:0.1%以下である組成の材料を一例として挙げることができる。
(実施例の製造方法)
低不純物3.5Ni鋼部16dと、通常3.5Ni鋼部16b、16cとの間の溶接部で溶接によって接合する。
図4に示したように3.5Ni鋼は不純物濃度が低いほど脆性感受性が低く脆化しにくい。
従って、高温の蒸気が導入される蒸気入口側に不純物含量を低減して微量に制限した低不純物3.5Ni鋼で構成された部材16dを用いることで、加熱による不純物元素の粒界偏析などの経年的な脆化を誘発する金属組織上の変化を抑制し、380℃以上の蒸気が導入されても安定して運転することができる。
しかも、前記不純物含量を低減した3.5Ni鋼で構成された部材をロータ全体でなく高温の蒸気が導入される蒸気入口側だけとすることで、製作コスト、日数の増加を小さく抑え、品質面での信頼性の不安も小さく低圧タービン用ロータの作成が可能である。
また、通常の3.5Ni鋼は蒸気温度が380℃以上となると不純物元素の粒界偏析などの経年的な脆化を誘発する可能性が高い。そこで蒸気温度が380℃以上となる領域を前記蒸気入口側に配置される部材で構成し、蒸気温度が380℃未満である領域を前記蒸気出口側に配置される部材で構成することで、通常の3.5Ni鋼が380℃以上の蒸気と接することがなくなり、蒸気出口側に配置される3.5Ni鋼で形成される部材の脆化を抑制することが可能となる。
さらに、低圧タービンの入口蒸気温度を従来よりも高くしても低圧タービン用ロータの機械的強度特性を維持することができるため、高圧タービン及び中圧タービンを増大化させることなく630℃以上の蒸気を使用することができ、蒸気タービン設備からのCO2排気量を削減し、蒸気タービン設備の熱効率を向上させることができる。
Claims (2)
- 高圧タービン、中圧タービン及び低圧タービンを備えた蒸気タービン設備で使用される低圧タービン用ロータにおいて、
蒸気入口側に配置される部材(以下入口側領域の部材という)と、該入口側領域の部材の両側に位置する蒸気出口側に配置される両部材(以下出口側領域の両部材という)とを溶接によって接合して構成するとともに、該出口側領域の両部材を3.5Ni鋼で形成し、前記入口側領域の部材を前記出口側領域の両部材を形成する3.5Ni鋼に比べて低不純物の3.5Ni鋼で形成し、
前記低圧タービンの入口蒸気温度が380℃以上である蒸気タービン設備で使用され、
前記低圧タービン内を流通する蒸気温度が380℃以上となる領域を前記入口側領域の部材で構成し、
前記低圧タービン内を流通する蒸気温度が380℃未満となる領域を前記出口側領域の両部材で構成するとともに、
前記入口側領域の部材を形成する低不純物3.5Ni鋼は、重量%で、Si:0.1%以下、Mn:0.1%以下、不可避的不純物が重量%で、P:0.02%以下、S:0.02%以下、Sn:0.02%以下、As:0.02%以下、Sb:0.02%以下、Al:0.02%以下、Cu:0.1%以下を含有することを特徴とする低圧タービン用ロータ。 - 前記高圧タービンおよび中圧タービンの少なくともいずれか一方の入口蒸気温度が630℃以上である蒸気タービン設備で使用されることを特徴とする請求項1に記載の低圧タービン用ロータ。
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