JP4994508B2 - 定着装置及び画像形成装置 - Google Patents
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Description
そして、定着ベルトは、定着補助ローラの位置で加熱される。加熱された定着ベルトは、定着ベルトと加圧ベルトとの間に搬送される記録媒体上のトナー像を加熱して定着する。
特許文献1、特許文献2等において、金属材料で形成される支持ローラ(支持部材)は、その幅方両端部に樹脂材料からなるフランジが挿設されていて、ベアリングを介して支軸に回転自在に支持されている。したがって、支持ローラは、電気的にフロート状態になっていた。一方、支持ローラには定着ベルト(定着部材)が巻装されていて、支持ローラは、定着ベルトとの間に生じる摩擦抵抗によって支軸を中心にして所定方向に回転駆動される。したがって、定着装置が稼動されると、支持ローラはやがて帯電されてしまう。
図1〜図6にて、この発明の実施の形態1について詳細に説明する。
まず、図1にて、画像形成装置全体の構成・動作について説明する。
図1において、1は画像形成装置としてのレーザープリンタの装置本体、3は画像情報に基いた露光光Lを感光体ドラム18上に照射する露光部、4は装置本体1に着脱自在に設置される作像部としてのプロセスカートリッジ、7は感光体ドラム18上に形成されたトナー像を記録媒体Pに転写する転写部、10は出力画像が載置される排紙トレイ、11、12は転写紙等の記録媒体Pが収納された給紙部、13は記録媒体Pを転写部7に搬送するレジストローラ、15は手差し給紙部、20は記録媒体P上の未定着画像を定着する電磁誘導加熱方式の定着装置を示す。
まず、露光部3(書込部)から、画像情報に基づいたレーザ光等の露光光Lが、プロセスカートリッジ4の感光体ドラム18上に向けて発せられる。感光体ドラム18は図中の反時計方向に回転しており、所定の作像プロセス(帯電工程、露光工程、現像工程)を経て、感光体ドラム18上に画像情報に対応したトナー像が形成される。その後、感光体ドラム18上に形成されたトナー像は、転写部7で、レジストローラ13により搬送された記録媒体P上に転写される。
なお、図示は省略するが、プロセスカートリッジ4には、感光体ドラム18、感光体ドラム18上を帯電する帯電部、トナー(現像剤)が収容されていて感光体ドラム18上に形成された静電潜像を現像する現像部、感光体ドラム18上に残存する未転写トナーを除去するクリーニング部、等が一体的に設けられている。
まず、画像形成装置本体1の複数の給紙部11、12のうち、1つの給紙部が自動又は手動で選択される(例えば、最上段の給紙部11が選択されたものとする。)。なお、複数の給紙部11、12には、それぞれ、異なるサイズの記録媒体Pや、搬送方向の異なる同一サイズの記録媒体Pが、収納されている。
こうして、一連の画像形成プロセスが完了する。
図2に示すように、定着装置20は、定着補助ローラ21、定着ベルト22(定着部材)、支持ローラ23(支持部材)、加熱手段としての誘導加熱部24(磁束発生手段)、加圧ローラ30、除電ブラシ41、オイル塗布ローラ34、ガイド板35、分離板36、等で構成される。
支持部材としての支持ローラ23は、主として、鉄、コバルト、ニッケル、又は、それらの合金等の磁性金属材料からなる円筒部23a(図3を参照できる。)で構成されていて、定着ベルト22との摩擦抵抗によって図2の反時計方向に回転する。支持ローラ23は、熱容量が低く、昇温性に優れている。
ここで、コイル部25は、支持ローラ23に巻装された定着ベルト22の一部を覆うように、細線を束ねたリッツ線を幅方向(図2の紙面垂直方向である。)に延設したものである。コイルガイド27は、耐熱性の高い樹脂材料等からなり、コイル部25及びコア部26を保持する。コア部26は、フェライト等の透磁性の高い材料からなる。コア部26は、幅方向に延設されたコイル部25に対向するように設置されている。サイドコア26bは、コイル部25の端部に設置されている。センターコア26aは、コイル部25の中央に設置されている。
定着ベルト22と加圧ローラ30とのニップ部の出口側には、記録媒体Pの搬送を案内するとともに記録媒体Pが定着ベルト22から分離するのを促進する分離板36が配設されている。
また、図示は省略するが、定着ベルト22上の幅方向中央部にはサーミスタ(又は、サーモパイル)が設置されていて、定着ベルト22上の表面温度(定着温度)を検知して定着温度の制御をおこなっている。
定着補助ローラ21の回転駆動によって、定着ベルト22は図2中の矢印方向に周回するとともに、支持ローラ23も定着ベルト22との摩擦抵抗によって反時計方向に回転して、加圧ローラ30も矢印方向に回転する。定着ベルト22は、誘導加熱部24との対向位置で加熱される。詳しくは、コイル部25に高周波の交番電流を流すことで、定着ベルト22が巻装された支持ローラ23に向けて磁力線が双方向に交互に切り替わるように形成される。このとき、支持ローラ23表面に渦電流が生じて、支持ローラ23自身の電気抵抗によってジュール熱が発生する。このジュール熱によって、支持ローラ23に巻装された定着ベルト22が加熱される。なお、本実施の形態1では、定着ベルト22自身も発熱層を有するために、定着ベルト22は支持ローラ23によって加熱される他に、定着ベルト22自身でも誘導加熱部24によって電磁誘導加熱されることになる。
詳しくは、先に説明した作像プロセスを経てトナー像Tを担持した記録媒体Pが、ガイド板35に案内されながら定着ベルト22と加圧ローラ30との間に送入される(矢印Yの搬送方向の移動である。)。そして、定着ベルト22から受ける熱と加圧ローラ30から受ける圧力とによってトナー像Tが記録媒体Pに定着されて、記録媒体Pは定着ベルト22と加圧ローラ30との間から送出される。
このような一連の動作が連続的に繰り返されて、画像形成プロセスにおける定着工程が完了する。
図3は、定着ベルト22が巻装された支持ローラ23の幅方向端部の構成を詳細に示す断面図である。図3中の上方がセンターコア26aの位置になる。
図3に示すように、支持ローラ23は、磁性材料からなる円筒部23a(電磁誘導加熱される支持部材の主部である。)、円筒部23aの両端部に圧入されたフランジ23b(キャップ)、フランジ23bに挿設されたベアリング32、等で構成される。
なお、支軸28は、軸受37を介して本体側板38(定着装置本体を構成する板金である。)に支持されている。
なお、本実施の形態1では、支持ローラ23の支軸28にも、除電ブラシ41が当接されている。これにより、支軸28が除電されて、支軸28(支持ローラ23)に蓄積された電荷が定着ベルト22に移動することによって生じる静電オフセットを未然に抑止することができる。
図4は除電ブラシ41を示す斜視図であって、図5は除電ブラシ41を示す側面図である。また、図6は、除電ブラシ41が支持ローラ23に当接した状態を示す概略図である。
ブラシ本体42(除電ブラシ)は、ステンレス又はチタン・ニッケル合金で形成されたブラシ状部材であって、高い耐熱性と安定した除電機能を有している。特に、ブラシ本体42を形状記憶材料であるチタン・ニッケル合金で形成した場合には、高温環境下でも高い弾性力を有するとともに経時でも安定した形状保持性を有することになる。
このブラシ本体42は、板状部材44とともに保持部43にカシメられている。
板状部材44は、図6を参照して、支持ローラ23(支持部材)が回転(可動)したときにブラシ本体42(除電ブラシ)が湾曲する側(支持ローラ23の回転方向下流側である。)に配設されている。これにより、板状部材44は、ブラシ本体42(除電ブラシ)の変形を規制する規制手段として機能するとともに、支持ローラ23に当接する方向にブラシ本体42(除電ブラシ)を付勢する付勢手段としても機能することになる。
これは、本願発明者が、支持ローラ23に対する除電ブラシの当接圧(1mm当たりの線圧である。)と、支持ローラ23の加熱部材としての性能変化と、の関係を実験的に確認した結果によるものである。具体的に、ブラシ本体42の当接圧が1g/mm、2g/mmであるときには、定着装置の寿命に対して支持ローラ23の磨耗は生じたものの加熱部材としての性能低下はなかった。また、ブラシ本体42の当接圧が3g/mmであるときには、定着装置の寿命に対して支持ローラ23の磨耗は生じたものの加熱部材としての性能低下はほとんど問題にならない程度のものであった。これに対して、ブラシ本体42の当接圧が4g/mmであるときには、定着装置の寿命に対して支持ローラ23の磨耗が大きく生じるとともに加熱部材としての性能低下も大きかった。以上の実験結果から、ブラシ本体42(除電ブラシ)の当接圧を3g/mm以下にすることが好ましいことがわかった。そして、これにより、除電ブラシ41と支持ローラ23との当接状態が経時においても良好で、安定した除電機能を維持することができる。
また、本実施の形態1では、除電ブラシ41を支持ローラ23の外周面に当接させたが、除電ブラシ41を支持ローラ23の内周面に当接させてもよい。
図7にて、この発明の実施の形態2について詳細に説明する。
図7は、実施の形態2における定着装置20に設置される除電ブラシ41を示す概略図であって、前記実施の形態1における図5に相当する図である。本実施の形態2は、規制手段としての板状部材44の設置位置が、前記実施の形態1のものとは相違する。
図8にて、この発明の実施の形態3について詳細に説明する。
図8は、実施の形態3における定着装置20を示す断面図であって、前記実施の形態1における図2に相当する図である。本実施の形態3は、熱ローラ方式の定着装置を用いている点が、電磁誘導加熱方式の定着装置を用いた前記各実施の形態のものとは相違する。
本実施の形態3では、熱源としてのヒーター29から発せられる輻射熱によって支持ローラ23が直接的に加熱されて、加熱された支持ローラ23から受熱して定着ベルト22が加熱されることになる。本実施の形態3における定着装置20の構成・動作は、加熱手段が異なる以外は、前記各実施の形態のものとほぼ同様なのでその説明は省略する。
20 定着装置、 21 定着補助ローラ、
22 定着ベルト(定着部材)、
23 支持ローラ(支持部材)、
23a 円筒部、 23b フランジ(軸受部)、
24 誘導加熱部(磁束発生手段、加熱手段)、
25 コイル部、 26 コア部、
26a センターコア、 26b サイドコア、 27 コイルガイド、
28 支軸、 29 ヒーター(熱源、加熱手段)、
30 加圧ローラ、 32 ベアリング、
37 軸受、 38 本体側板(定着装置本体)、
41 除電ブラシ、 42 ブラシ本体、 43 保持部、
44 板状部材(規制手段)、 45 締結部材。
Claims (6)
- トナー像を加熱して記録媒体に定着させる定着部材と、
前記定着部材が巻装されたローラ部材と、
前記定着部材及び前記ローラ部材のうち少なくとも1つを加熱する加熱手段と、
前記ローラ部材に当接して当該ローラ部材を除電する除電ブラシと、
前記除電ブラシの変形を規制する規制手段と、
を備え、
前記加熱手段は、磁束を発生させて前記定着部材及び前記ローラ部材のうち少なくとも1つを電磁誘導加熱する磁束発生手段であって、
前記規制手段は、前記ローラ部材が可動したときに前記除電ブラシが湾曲する側に配設されるとともに、金属板にポリイミド、四フッ化−パーフルオロアルキルビニルエーテル樹脂、四フッ化エチレン樹脂のいずれかの材料からなる表面層を形成した板状部材であることを特徴とする定着装置。 - 前記板状部材は、前記ローラ部材に当接する方向に前記除電ブラシを付勢することを特徴とする請求項1に記載の定着装置。
- 前記板状部材は、前記ローラ部材に当接する前記除電ブラシの当接圧が3g/mm以下になるように当該除電ブラシを付勢することを特徴とする請求項2に記載の定着装置。
- 前記除電ブラシは、ステンレス又はチタン・ニッケル合金で形成されたことを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載の定着装置。
- 前記定着部材は、定着ベルトであって、
前記ローラ部材は、定着補助ローラとともに前記定着ベルトを張架して支持する支持ローラであることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれかに記載の定着装置。 - 請求項1〜請求項5のいずれかに記載の定着装置を備えたことを特徴とする画像形成装置。
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