JP4994145B2 - 偏光子の製造方法、偏光子、偏光板、光学フィルム、画像表示装置および噴霧装置 - Google Patents

偏光子の製造方法、偏光子、偏光板、光学フィルム、画像表示装置および噴霧装置 Download PDF

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Description

本発明は、偏光子の製造方法、偏光子、偏光板、光学フィルム、画像表示装置および噴霧装置に関する。
テレビ、パソコン、携帯電話等の各種液晶表示装置(LCD)には、偏光子が用いられている。IPSモードやVAモード等の液晶表示装置では、液晶セルの表裏に、吸収軸が直交する状態で、偏光子が配置されている。通常、前記偏光子は、ポリビニルアルコール(PVA)フィルムを染色・一軸延伸することで作製されている。PVAフィルムを長手方向に一軸延伸すると、PVA分子に吸着(染色)した二色性物質が配向するため、偏光子となる。前記染色処理や前記延伸処理等の各工程では、各処理液が入った浸漬浴に前記フィルムを浸漬した状態で各種処理が実施される(例えば、特許文献1および特許文献2)。
特開2003−029043号公報 特開2005−227648号公報
しかしながら、浸漬浴を使用すると、各工程毎に浸漬浴を設置する必要があり、設備コストがかかる上に、広い場所を必要とする。また、浸漬浴を一度設置すると、その変更は困難である。また、浸漬浴を用いた場合、時間の経過に伴ない、浸漬浴中の処理液の濃度が変化するため、監視および濃度調整という煩雑な操作が必要である。これらの問題を解決する方法として、スプレーノズルにより処理液を噴霧することで前記フィルムに塗布するという方法が考えられる。しかし、噴霧では、処理液を均一に塗布することが困難である。
そこで、本発明は、噴霧により処理液を均一に塗布可能な偏光子の製造方法の提供を目的とする。
前記目的を達成するために、本発明の偏光子の製造方法は、
親水性ポリマーフィルムを二色性物質により染色する染色工程と、
前記親水性ポリマーフィルムを延伸する延伸工程とを有する偏光子の製造方法であって、
前記延伸工程が、前記染色工程および前記染色工程とは別の工程の少なくとも一つで実施され、
前記染色工程、前記延伸工程および前記別の工程の少なくとも一つが、各工程の処理液を気相中において前記親水性ポリマーフィルムの下側に配置された噴霧手段で前記親水性ポリマーフィルムの下面に噴霧することにより前記親水性ポリマーフィルムに前記処理液を接触させた状態で実施され、
前記噴霧が、搬送手段により、前記親水性ポリマーフィルムを水平方向かつ長手方向に搬送している状態で、往復移動手段により、前記噴霧手段を、前記フィルムの面方向に平行かつ前記フィルムの搬送方向に対し垂直方向に往復移動させることにより実施されることを特徴とする。
本発明の偏光子の製造方法では、前記噴霧が、搬送手段により、前記親水性ポリマーフィルムを長手方向に搬送している状態で、往復移動手段により、前記噴霧手段を、前記フィルムの面方向に平行かつ前記フィルムの搬送方向に対し垂直方向に往復移動させることにより実施される。これにより、本発明では、噴霧により前記親水性ポリマーフィルムへの処理液の均一塗布が可能となる。なお、後述の実施例および比較例に示すように、スプレーノズルを複数個並列に設置するよりも、本発明の方法の方が、より均一に塗布することが可能である。また、本発明によれば、噴霧による処理液の塗布を実用化することができるため、浸漬浴には適用できなかった幅方向延伸を適用することも可能である。本発明において幅方向延伸を適用すれば、大型の偏光子の製造が可能となる。さらに、噴霧による塗布では、時間の経過に伴ない、スプレーノズルに処理液の成分が析出して噴霧形状が変化し、これも塗布ムラの原因であった。なお、これは、本発明者等が発見した知見である。これに対し、本発明の方法では、仮に噴霧手段に処理液の成分が析出しても、例えば、前記往復移動速度の調整等で塗布ムラを防止可能である。前記析出の問題は、後述する架橋工程にホウ酸を使用した場合に、顕著な問題となるが、本発明は、この問題を解決可能である。
本発明の製造方法において前述のとおり、前記親水性ポリマーフィルムの搬送方向が、水平方向であり、前記噴霧手段が、前記親水性ポリマーフィルムの下側に配置され、前記親水性ポリマーフィルムの下面に対し、前記噴霧手段により前記処理液が噴霧される。これにより、余分な処理液は自重により自然落下し、特別な装置を必要とせずに、回収および再利用が容易になるまた、従来のように、フィルムの下側にスプレーノズル等の噴霧手段を固定している場合、落下する処理液が噴霧手段に付着して腐食したり、付着した処理液の成分が析出して目詰まりする場合があった。しかし、本発明では、噴霧手段が移動しているため、噴霧した液が落下する地点には、噴霧手段が存在しないようにすることが可能であり、落下する処理液の問題も解決可能である。
本発明の製造方法において、前記別の工程が、前記親水性ポリマーフィルムを膨潤させる膨潤工程および前記親水性ポリマーフィルムを架橋する架橋工程の少なくとも一方の工程を含むことが好ましい。
本発明の製造方法において、前記延伸工程における延伸は、特に制限されず、例えば、前記親水性ポリマーフィルムの長手方向延伸または前記親水性ポリマーフィルムの幅方向延伸である。この中で、前述の理由から、幅方向延伸が好ましい。
前記幅方向延伸は、特に制限されないが、例えば、前記親水性ポリマーフィルムの幅方向の両端を把持手段により把持し、前記把持手段を前記親水性ポリマーフィルムの長手方向に進行させると共に、前記親水性ポリマーフィルムの両端を把持する前記把持手段の少なくとも一方を前記親水性ポリマーフィルムの幅方向の外側にも移動させることで実施してもよい。
本発明の偏光子は、本発明の製造方法により製造された偏光子である。
本発明の偏光板は、偏光子の少なくとも一方の表面に保護層が積層された偏光板であって、前記偏光子が、本発明の偏光子であることを特徴とする。
本発明の光学フィルムは、偏光子または偏光板の少なくとも一方の表面に位相差板が積層された光学フィルムであって、前記偏光子が、本発明の偏光子であり、前記偏光板が、本発明の偏光板であることを特徴とする。
本発明の画像表示装置は、偏光子、偏光板および光学フィルムの少なくとも一つを含む画像表示装置であって、前記偏光子が、本発明の偏光子であり、前記偏光板が、本発明の偏光板であり、前記光学フィルムが、本発明の光学フィルムであることを特徴とする。
本発明の噴霧装置は、本発明の偏光子の製造方法に用いる処理液の噴霧装置であって、
前記親水性ポリマーフィルムを水平方向かつ長手方向に搬送する搬送手段と、
前記親水性ポリマーフィルムの下側に配置され、前記親水性ポリマーフィルムの下面に処理液を噴霧する噴霧手段と、
前記噴霧手段を、前記フィルムの面方向と平行かつ前記フィルムの搬送方向と垂直方向に往復移動させる往復移動手段とを備えることを特徴とする。
本発明の噴霧装置においては、前記のとおり
前記搬送手段による前記親水性ポリマーフィルムの搬送方向が、水平方向に設定され、前記噴霧手段が、前記親水性ポリマーフィルムの下側に配置され、前記親水性ポリマーフィルムの下面に対し、前記噴霧手段により前記処理液が噴霧される
本発明において、前記処理液には、例えば、後述の膨潤液、染色液、架橋液、延伸液、調整液等が含まれる。
つぎに、本発明の偏光子の製造方法について、例を挙げて、以下に説明する。
(1)処理液の噴霧
まず、本発明の特徴である処理液の噴霧について説明する。本発明の偏光子の製造方法では、例えば、膨潤工程、染色工程、架橋工程、延伸工程、調整工程等の工程の少なくとも一つが、各工程の処理液を気相中において噴霧手段で噴霧することにより前記親水性ポリマーフィルムに前記処理液を接触させた状態で実施される。前述のとおり、前記処理液の噴霧は、搬送手段により、前記親水性ポリマーフィルムを長手方向に搬送している状態で、往復移動手段により、前記噴霧手段を、前記フィルムの面方向に平行かつ前記フィルムの搬送方向に対し垂直方向に往復移動させることにより実施される。これにより、本発明では、噴霧により前記親水性ポリマーフィルムへの前記処理液の均一塗布が可能となる。
前記噴霧手段としては、特に制限されず、例えば、スプレーノズルおよびこれに付属する装置等が挙げられる。図4に、スプレーノズルの一例の拡大断面図を示す。図示のとおり、この例のスプレーノズルは、処理液吐出口31aと、霧化エアー吐出口32aと、パターンエアー吐出口33aと、処理液流路31bと、霧化エアー流路32bと、パターンエアー流路33bと、ニードル弁34とを有する。前記処理液流路31bは、前記スプレーノズルの中央に形成され、前記スプレーノズルの先端部(同図において上側端部)に位置する前記処理液吐出口31aに連通している。前記霧化エアー流路32bは、前記処理液流路31bの周囲を取り囲むように形成され、前記スプレーノズルの先端部(同図において上側端部)に位置する前記霧化エアー吐出口32aに連通している。前記パターンエアー流路33bは、前記霧化エアー流路32bよりも外周側に形成されている。前記パターンエアー流路33bは、前記スプレーノズルの先端部(同図において上側端部)側で内側に屈曲し、前記スプレーノズルの先端部(同図において上側端部)に位置する前記パターンエアー吐出口33aに連通している。前記ニードル弁34は、前記処理液流路31b内部に配置され、その先端部(同図において上側の先端部)が尖頭状になっている。前記ニードル弁34は、矢印Eで示すように、前記処理液流路31b内部を前進および後進可能(同図において上下方向に移動可能)である。前記処理液流路31bには、前記処理液および霧化エアーが供給される。前記霧化エアーの吐出圧力(霧化エアー圧力)により、前記処理液吐出口31aから、前記処理液11aが霧状に吐出される。前記処理液11aの吐出量は、例えば、前記ニードル弁34を前進または後進させることにより調整可能である。すなわち、前記ニードル弁34を、前進(同図において上側に移動)させれば、前記処理液吐出口31aの開口を狭め、前記処理液11aの吐出量を減少させることができる。一方、前記ニードル弁34を、後進(同図において下側に移動)させれば、前記処理液吐出口31aの開口を広げ、前記処理液11aの吐出量を増加させることができる。前記霧化エアーは、補助的に前記霧化エアー流路32bにも供給され、前記霧化エアー吐出口32aから吐出される。前記パターンエアー流路33bには、パターンエアーが供給される。前記パターンエアーは、矢印Dで示すように、前記パターンエアー吐出口33aから、前記処理液11aに向かって吐出される。前記パターンエアーにより、前記処理液11aの噴霧角度(同図におけるθ)が調整される。前記噴霧角度θは、例えば、45°〜135°の範囲であり、好ましくは、60°〜120°の範囲であり、より好ましくは、80°〜100°の範囲である。前記処理液吐出口31aの口径は、例えば、0.3〜2mmの範囲であり、好ましくは、0.5〜1.5mmの範囲であり、より好ましくは、0.75〜1mmの範囲であり、前記霧化エアー圧力は、例えば、0.03〜3MPaの範囲であり、好ましくは、0.1〜1MPaの範囲であり、より好ましくは、0.2〜0.5MPaの範囲である。前記パターンエアーの吐出圧力(パターンエアー圧力)は、例えば、0.03〜3MPaの範囲であり、好ましくは、0.1〜1MPaの範囲であり、より好ましくは、0.2〜0.5MPaの範囲である。このようなスプレーノズルおよび附属する装置の市販品としては、例えば、扶桑精機株式会社製の商品名「MKシリーズ」、DeVILBISS社製の商品名「T−AFPV」、ACCUSPRAY社製の商品名「56シリーズ」等が挙げられる。
前記処理液の噴霧において、前記処理液吐出口と前記親水性ポリマーフィルムとの間の距離は、前記霧化エアー圧力等に応じて適宜に決定することができるが、例えば、50〜500mmの範囲であり、好ましくは、100〜400mmの範囲であり、より好ましくは、200〜250mmの範囲である。スプレーノズルが固定されていると仮定した場合、前記親水性ポリマーフィルムへの前記処理液の噴霧面積は、例えば、50〜700cmの範囲であり、好ましくは、100〜600cmの範囲であり、より好ましくは、150〜500cmの範囲である。前記親水性ポリマーフィルムへの前記処理液の噴霧量は、特に制限されないが、例えば、10〜80mL/分の範囲であり、好ましくは、20〜65mL/分の範囲であり、より好ましくは、30〜50mL/分の範囲である。また、前記処理液の温度は、特に制限されないが、例えば、40〜70℃の範囲であり、好ましくは、50〜70℃の範囲であり、より好ましくは、60〜70℃の範囲である。
前記噴霧手段は、前記往復移動手段によって、前記フィルムの面方向と平行かつ前記フィルムの搬送方向と垂直方向に往復移動する。前記往復移動手段としては、例えば、レシプロケーター等を用いることができる。前記レシプロケーターの市販品としては、例えば、ヤマハ発動機(株)製の商品名「PHASERシリーズ MR16」等を挙げることができる。例えば、レシプロケーターにスプレーノズルを取り付けることにより、スプレーノズルを往復移動させることができる。
前記搬送手段は、前記親水性ポリマーフィルムを長手方向に搬送できるものであれば、いかなるものであってもよい。前記搬送手段は、例えば、前記親水性ポリマーフィルムを長手方向に搬送する複数のロールであってもよい。また、後述のように、テンター延伸機のクリップにより前記親水性ポリマーフィルムの幅方向の両端を把持し、前記クリップを前記親水性ポリマーフィルムの長手方向に進行させることで、前記親水性ポリマーフィルムを搬送してもよい。
前述のように、本発明では、親水性ポリマーフィルムを搬送しながら、噴霧手段をフィルム面方向と平行かつ前記搬送方向と垂直方向に往復移動させて処理液を噴霧することにより、親水性ポリマーフィルムへの処理液の均一塗布が可能である。前記フィルムの搬送速度および前記噴霧手段の往復移動速度等の条件は、工程の種類、フィルムの幅方向長さ、前記往復移動手段の往復移動範囲(前記往復移動手段が前記フィルムの幅方向に移動する範囲)、処理液の噴霧量、スプレーノズルを固定したと仮定した場合の噴霧面積等の諸条件を勘案して適宜決定される。なお、フィルムの搬送速度および噴霧手段の往復移動速度等の条件は、一定にして実施してもよいが、各工程に応じて調整してもよい。また、前述のように、処理液成分の析出により噴霧面積が変化した場合は、それに応じて、フィルム搬送速度および噴霧手段の往復移動速度の少なくとも一方を調整することで、均一塗布が可能であり、例えば、スプレーノズルの掃除のために、工程を停止することを避けることが可能である。
図5のグラフに、前記フィルムの搬送速度と前記噴霧手段の往復移動速度との関係の一例を示す。同図において、L1は、前記往復移動範囲を200mmとしたときの前記フィルムの搬送速度と前記噴霧手段の往復移動速度との関係の一例を示す直線であり、L2は、前記往復移動範囲を600mmとしたときの前記フィルムの搬送速度と前記噴霧手段の往復移動速度との関係の一例を示す直線であり、L3は、前記往復移動範囲を1000mmとしたときの前記フィルムの搬送速度と前記噴霧手段の往復移動速度との関係の一例を示す直線である。
図5からわかるように、前記往復移動範囲が200mmであれば、前記フィルムの搬送速度x(m/分)と、前記噴霧手段の往復移動速度y(m/分)とは、例えば、下記式(1)の関係を満たす。同様に、前記往復移動範囲が600mmであれば、前記xとyとは、例えば、下記式(2)の関係を満たし、前記往復移動範囲が1000mmであれば、前記xとyとは、例えば、下記式(3)の関係を満たす。ただし、前記フィルムの搬送速度と前記噴霧手段の往復移動速度との関係は、これらの例に限定されるものではない。また、前記噴霧手段の往復移動速度は、特に制限するものではないが、20m/分以上であることが好ましい。
y=20x ・・・(1)
y=60x ・・・(2)
y=100x ・・・(3)
前記処理液の噴霧は、例えば、本発明の噴霧装置を用いて実施することができる。図1〜3に、本発明の噴霧装置の一例を模式的に示す。図1は、本発明の噴霧装置の斜視図である。図2は、本発明の噴霧装置を、側面から見た側面図である。図3は、本発明の噴霧装置を、前記親水性ポリマーフィルムの搬送方向から見た正面図である。図1〜3に示すとおり、この噴霧装置では、テンター延伸機にスプレーノズル3とレシプロケーター4が組み合わされている。前記テンター延伸機のクリップ2により、前記親水性ポリマーフィルム1の幅方向の両端が把持される。前記テンター延伸機は、図示していないが、前記クリップ2の移動手段を有する。前記クリップ2は、前記移動手段により、矢印Aに示すように、前記親水性ポリマーフィルム1の長手方向に進行する。これにより、前記親水性ポリマーフィルム1が長手方向に搬送される。前記テンター延伸機による幅方向延伸については後述する。前記スプレーノズル3は、前記レシプロケーター4に取り付けられている。前記スプレーノズル3は、前記親水性ポリマーフィルム1に処理液11aを噴霧する。前記レシプロケーター4は、矢印Bで示すように、前記スプレーノズル3を、前記フィルム1の面方向と平行かつ前記フィルム1の搬送方向(矢印A)と垂直方向に往復移動させる。
前述のとおり、本発明の製造方法においては、図1〜3に示すように、前記親水性ポリマーフィルム1の搬送方向(矢印A)が、水平方向であり、前記噴霧手段3が、前記親水性ポリマーフィルム1の下側に配置され、矢印Cで示すように、前記親水性ポリマーフィルムの下面に対し、前記噴霧手段3により前記処理液11aが塗布されることが好ましい。このようにすれば、余分な処理液は自重により自然落下し、回収および再利用が容易となるからである。ただし、本発明は、これに限定されない。前記噴霧手段は、前記親水性ポリマーフィルムの上側に配置されてもよく、前記親水性ポリマーフィルムの上側と下側の双方に配置されてもよい。また、前記親水性ポリマーフィルムの上面に、前記噴霧手段により前記処理液が塗布されてもよく、前記親水性ポリマーフィルムの両面に、前記噴霧手段により前記処理液が塗布されてもよい。
本発明の比較対象として、図6に示すように、並列に固定設置した複数個(この例では2個)のスプレーノズル3を用いる方法も考えられる。なお、図6において、図1〜3と同一部分には同一符号を付している。しかしながら、後述の実施例および比較例に示すように、この方法よりも、本発明の方法の方が、前記親水性ポリマーフィルムに、より均一に処理液を噴霧することが可能である。また、図6に示すように、フィルム1の下側にスプレーノズル3を固定している場合、落下する処理液がスプレーノズル3に付着して腐食したり、付着した処理液の成分が析出して目詰まりすることがある。しかし、本発明では、前記スプレーノズル3が移動しているため、噴霧した液が落下する地点には、噴霧手段が存在しないようにすることが可能であり、落下する処理液の問題も解決可能である。
図10に、本発明の噴霧装置のその他の例を示す。なお、同図において、図1〜3と同一部分には、同一符号を付している。図10に示す偏光子の製造装置は、偏光子の製造の全工程を実施可能な装置であり、その中の染色工程中に本例の噴霧装置が配置されている。図10に示す製造装置は、スプレーノズルと浸漬浴とが組み合わされており、具体的には、染色工程S2において、レシプロケーター4に取り付けられたスプレーノズル3が用いられ、その他の工程、すなわち、膨潤工程S1、架橋工程S3、延伸工程S4および調整工程S5では、浸漬浴が使用される。また、図10の製造装置では、親水性ポリマーフィルム1の搬送は、ロールにより実施され、延伸工程S4における延伸処理も、ロールで搬送しながらの長手方向延伸である。図10の製造装置を用いた偏光子の製造は、例えば、つぎのようにして実施される。なお、各工程の詳細は、後述のとおりである。すなわち、まず、前記親水性ポリマーフィルム1を、繰り出し部(ロール)500から繰り出す。ついで、前記膨潤工程S1において、前記フィルム1を膨潤浴510(膨潤液513)に浸漬すると共に、速比の異なるロール511および512により前記フィルム長手方向に所定の倍率で延伸する。つぎに、前記染色工程S2において、前記膨潤処理された親水性ポリマーフィルム1の下面に対し、前記スプレーノズル3により、染色液11aを噴霧すると共に、速比の異なるロール512および521により前記フィルム長手方向に所定倍率で延伸する。つぎに、前記架橋工程S3において、前記染色処理されたフィルム1を架橋浴520(架橋液523)に浸漬すると共に、速比の異なるロール521および522により前記フィルム長手方向に所定倍率で延伸する。つぎに、前記延伸工程S4において、前記架橋処理されたフィルム1を延伸浴530(延伸液533)に浸漬すると共に、速比の異なるロール531および532により前記フィルム長手方向に所定倍率で延伸処理を施す。つぎに、前記調整工程S5において、前記延伸処理されたフィルム1を調整浴540(調整液543)に浸漬し、洗浄処理を施す。前記調整工程S5においては、回転速度が同じロール541および542により前記フィルム1が長手方向に搬送される。つぎに、前記乾燥工程S6において、前記洗浄処理されたフィルム1を、乾燥手段(乾燥機)550で乾燥することにより、水分率を、例えば、10〜30%に調整する。最後に、前記乾燥処理されたフィルム1を、巻き取り部(ロール)560により巻き取る。親水性ポリマーフィルムの最終的な延伸倍率は、原反フィルム(未延伸)を基準にして、例えば、元の長さの5〜7倍である。得られた偏光子は、通常、所定の大きさにカットして使用される。
本発明の噴霧装置において、前記処理液の噴霧は、例えば、プログラムによる自動制御で実施してもよいし、状況に応じ、マニュアルで条件を変更する手動運転で実施してもよい。
(2)親水性ポリマーフィルム
つぎに、偏光子の材料となる親水性ポリマーフィルムについて、説明する。前記親水性ポリマーフィルムとしては、特に制限されず、従来公知のフィルムが使用できる。具体的には、例えば、ポリビニルアルコール(PVA)系フィルム、部分ホルマール化PVA系フィルム、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム、エチレン・酢酸ビニル共重合体系フィルムや、これらの部分ケン化フィルム等の親水性ポリマーフィルム等が挙げられる。また、これらの他にも、PVAの脱水処理物やポリ塩化ビニルの脱塩酸処理物等のポリエン配向フィルム、延伸配向されたポリビニレン系フィルム等も使用できる。これらの中でも、後述する二色性物質であるヨウ素による染色性に優れることから、PVA系ポリマーフィルムが好ましい。
前記PVA系ポリマーフィルムの原料ポリマーとしては、例えば、酢酸ビニルを重合した後にケン化したものや、酢酸ビニルに対して、少量の不飽和カルボン酸や不飽和スルホン酸等の共重合可能なモノマーを共重合したポリマー等が挙げられる。前記PVA系ポリマーの重合度は、特に制限されないが、水に対する溶解度の点等から、500〜10000の範囲が好ましく、より好ましくは、1000〜6000の範囲である。また、前記PVA系ポリマーのケン化度は、75モル%以上が好ましく、より好ましくは、98〜100モル%の範囲である。
前記親水性ポリマーフィルム(例えば、PVA系フィルム)は、ロールに巻回した原反フィルムの形態が好ましい。前記親水性ポリマーフィルム(例えば、PVA系フィルム)の厚みは、特に制限されないが、例えば、15〜110μmの範囲であり、好ましくは、38〜110μmの範囲であり、より好ましくは、50〜100μmの範囲であり、さらに好ましくは、60〜80μmの範囲である。
(3)偏光子の製造方法の各工程
つぎに、本発明の偏光子の製造方法の各工程について説明する。前述のように、本発明の製造方法は、染色工程および延伸工程を有す。前記延伸工程は、染色工程および染色工程とは別の工程の少なくとも一つで実施される。例えば、本発明の偏光子の製造方法は、膨潤工程、染色工程、架橋工程、延伸工程、調整工程および乾燥工程の一連の工程で実施される。これらの各工程の少なくとも一つにおいて、処理液を噴霧により親水性ポリマーフィルムに接触させる。
(3−1)膨潤工程
前記原反親水性ポリマーフィルムを、まず、膨潤液に接触させて膨潤させる。
前記膨潤液としては、例えば、水、グリセリン水溶液、ヨウ化カリウム水溶液等が使用できる。
本工程において、前記膨潤液の接触は、例えば、前記膨潤液の噴霧により実施してもよい。この場合における前記膨潤液を噴霧する手段および条件等については、前記処理液の噴霧で述べたとおりである。
本工程において、前記膨潤液の接触は、例えば、前記膨潤液の塗工により実施してもよい。前記親水性ポリマーフィルムに前記膨潤液を塗工する手段としては、例えば、ロールコータ、ダイコータ、バーコータ、スライドコータ、カーテンコータ等、従来公知の手段を取ることができる。この場合における前記膨潤液の温度等の条件は、例えば、前記処理液の噴霧における条件と同様とすることができる。なお、前記膨潤液の接触においては、前記膨潤液の噴霧および塗工を併用してもよい。
本工程において、前記膨潤液の接触は、例えば、前記膨潤液への前記親水性ポリマーフィルムの浸漬等により実施してもよい。この場合には、膨潤浴が用いられる。この場合における前記膨潤液(膨潤浴)への前記親水性ポリマーフィルムの浸漬時間は、特に制限されないが、例えば、20〜300秒の範囲であり、好ましくは、30〜200秒の範囲であり、より好ましくは、30〜120秒の範囲であり、前記膨潤液(膨潤浴)の温度は、例えば、20〜45℃の範囲であり、好ましくは、25〜40℃の範囲であり、より好ましくは、27〜37℃の範囲である。
(3−2)染色工程
つぎに、前記膨潤後の親水性ポリマーフィルムを、二色性物質を含む染色液に接触させる。
前記二色性物質としては、従来公知の物質が使用でき、例えば、ヨウ素や有機染料等が挙げられる。前記有機染料を使用する場合には、例えば、可視光領域のニュートラル化を図る点より、二種類以上を組み合わせることが好ましい。
前記染色液としては、前記二色性物質を溶媒に溶解した溶液が使用できる。前記溶媒としては、例えば、水が使用できるが、水と相溶性のある有機溶媒がさらに添加されてもよい。前記溶液における二色性物質の濃度は、特に制限されないが、例えば、0.005〜0.40重量%の範囲であり、好ましくは、0.01〜0.30重量%の範囲である。
また、前記二色性物質としてヨウ素を使用する場合、溶解度、染色効率等をより一層向上できることから、ヨウ素に加えて、助剤としてヨウ化物をさらに添加することが好ましい。前記ヨウ化物としては、例えば、ヨウ化カリウム、ヨウ化リチウム、ヨウ化ナトリウム、ヨウ化亜鉛、ヨウ化アルミニウム、ヨウ化鉛、ヨウ化銅、ヨウ化バリウム、ヨウ化カルシウム、ヨウ化錫、ヨウ化チタン等が挙げられる。これらのヨウ化物の添加割合は、前記染色液において、0.05〜10重量%の範囲であることが好ましく、より好ましくは、0.10〜5重量%の範囲である。
例えば、ヨウ素とヨウ化カリウムとを組み合わせて使用する場合、前記溶液におけるヨウ素(A)とヨウ化カリウム(B)の割合(A:B(重量比))は、例えば、A:B=1:5〜1:100の範囲であり、好ましくは、A:B=1:7〜1:50の範囲であり、より好ましくは、A:B=1:10〜1:30の範囲である。
本工程において、前記染色液の接触は、例えば、前記染色液の噴霧により実施してもよい。この場合における前記染色液を噴霧する手段および条件等については、前記処理液の噴霧で述べたとおりである。
本工程において、前記染色液の接触は、例えば、前記染色液の塗工により実施してもよい。この場合における前記染色液を塗工する手段および条件等については、例えば、前記膨潤工程と同様とすることができる。なお、前記染色液の接触においては、前記染色液の噴霧および塗工を併用してもよい。
本工程において、前記染色液の接触は、例えば、前記染色液への前記親水性ポリマーフィルムの浸漬等により実施してもよい。この場合には、染色浴が用いられる。この場合における前記染色液(染色浴)への前記親水性ポリマーフィルムの浸漬時間は、特に制限されないが、例えば、10〜90秒の範囲であり、好ましくは、15〜60秒の範囲であり、より好ましくは、20〜45秒の範囲であり、前記染色液(染色浴)の温度は、例えば、5〜42℃の範囲であり、好ましくは、10〜35℃の範囲であり、より好ましくは、12〜30℃の範囲である。
(3−3)架橋工程
つぎに、前記染色処理後の親水性ポリマーフィルムを、架橋剤を含む架橋液に接触させる。
前記架橋剤としては、従来公知の物質が使用でき、例えば、ホウ酸、ホウ砂等のホウ素化合物等があげられる。これらは一種類で用いてもよいし、二種類以上を併用してもよい。前記架橋液としては、前記架橋剤を溶媒に溶解した溶液が使用できる。前記溶媒としては、例えば、水が使用できるが、さらに水と相溶性のある有機溶媒を含んでもよい。
前記溶液における架橋剤の濃度は、特に制限されないが、例えば、前記溶媒(例えば、水)100重量部に対して、0.1〜10重量部の範囲が好ましく、より好ましくは、1.5〜8重量部の範囲であり、さらに好ましくは、2〜6重量部の範囲である。
前記架橋液は、偏光子の面内の均一な特性が得られる点から、前記ホウ素化合物の他に、例えば、ヨウ化カリウム、ヨウ化リチウム、ヨウ化ナトリウム、ヨウ化亜鉛、ヨウ化アルミニウム、ヨウ化鉛、ヨウ化銅、ヨウ化バリウム、ヨウ化カルシウム、ヨウ化錫、ヨウ化チタン等のヨウ化物等の助剤を含んでいてもよい。これらの中でもホウ酸とヨウ化カリウムとの組み合わせが好ましい。前記溶液における前記助剤の含有量は、例えば、0.05〜15重量%の範囲であり、好ましくは、0.5〜8重量%の範囲である。
本工程において、前記架橋液の接触は、例えば、前記架橋液の噴霧により実施してもよい。この場合における前記架橋液を噴霧する手段および条件等については、前記処理液の噴霧で述べたとおりである。
本工程において、前記架橋液の接触は、例えば、前記架橋液の塗工により実施してもよい。この場合における前記架橋液を塗工する手段および条件等については、前記膨潤工程と同様とすることができる。なお、前記架橋液の接触においては、前記架橋液の噴霧および塗工を併用してもよい。
本工程において、前記架橋液の接触は、例えば、前記架橋液への前記親水性ポリマーフィルムの浸漬等により実施されてもよい。この場合には、架橋浴が用いられる。この場合における前記架橋液(架橋浴)への前記親水性ポリマーフィルムの浸漬時間は、特に制限されないが、例えば、5〜150秒の範囲であり、好ましくは、10〜90秒の範囲であり、より好ましくは、20〜40秒の範囲であり、前記架橋液(架橋浴)の温度は、例えば、20〜70℃の範囲であり、好ましくは、40〜60℃の範囲である。
(3−4)延伸工程
本工程は、例えば、膨潤工程、染色工程、架橋工程、調整工程等の各工程で実施してもよいし、別個独立に実施してもよい。前述のとおり、本工程における延伸は、特に制限されず、例えば、前記親水性ポリマーフィルムを長手方向に延伸する長手方向延伸または前記親水性ポリマーフィルムを幅方向に延伸する幅方向延伸である。この中でも、幅方向延伸が好ましい。本発明において前記幅方向延伸を適用すれば、大型の偏光子の製造が可能となるからである。
図7に、前記幅方向延伸の一例を模式的に示す。なお、同図において、図1〜3と同一部分には、同一符号を付している。図示のように、前記幅方向延伸においては、連続的に供給される親水性ポリマーフィルム1の幅方向(同図において左右方向)の両端を、把持手段(クリップ)2により把持する。そして、矢印Aに示すように、前記把持手段2を前記親水性ポリマーフィルム1の長手方向(同図において上方向)に進行させる。これにより、矢印Fに示すように、前記親水性ポリマーフィルム1は、その長手方向(同図において上方向)に搬送される。それと共に、矢印Gに示すように、前記親水性ポリマーフィルム1の両端を把持する前記把持手段2の双方を前記親水性ポリマーフィルム1の幅方向にも移動させることで、前記親水性ポリマーフィルム1を幅方向に延伸する。なお、図7は、前記親水性ポリマーフィルム1の両端を把持する前記把持手段2の双方を前記親水性ポリマーフィルム1の幅方向の外側に移動させることで、前記親水性ポリマーフィルム1を幅方向に延伸する場合を示している。ただし、本発明は、これに限定されるものではなく、前記親水性ポリマーフィルム1の両端を把持する前記把持手段2の一方のみを前記親水性ポリマーフィルム1の幅方向の外側に移動させることで、前記親水性ポリマーフィルム1を幅方向に延伸してもよい。
前記把持手段2により前記親水性ポリマーフィルム1が把持された状態を、図8に示す。図8(A)に示すように、この把持手段2は、回転軸21、上把持部22および下把持部23を備える。前記上把持部22は、前記回転軸21により前記把持手段2の内側(同図において左側)に動かすことが可能である。この状態で、図8(B)に示すように、前記親水性ポリマーフィルム1の幅方向の一端を前記下把持部23の上に載せ、前記上把持部22を前記親水性ポリマーフィルム1の上面と接するまで前記把持手段2の外側(同図において右側)に動かすことで、前記親水性ポリマーフィルム1を把持する。
図9は、図7の一部の拡大図である。前記把持手段2により前記親水性ポリマーフィルム1が把持される部分(つかみしろ)の長さ(同図におけるa)は、特に制限されないが、例えば、10〜100mmの範囲であり、好ましくは、10〜75mmの範囲であり、より好ましくは、25〜75mmの範囲であり、前記つかみしろの幅(同図におけるb)は、特に制限されないが、例えば、5〜50mmの範囲であり、好ましくは、10〜30mmの範囲であり、より好ましくは、10〜20mmの範囲である。また、前記親水性ポリマーフィルム1の長手方向に隣接する前記把持手段2の間の距離(同図におけるc)は、短いほど好ましいが、例えば、1〜20mmの範囲であり、好ましくは、3〜10mmの範囲であり、より好ましくは、3〜6mmの範囲である。
前記幅方向延伸は、例えば、従来公知のテンター延伸機等を用いて実施することができる。この幅方向延伸における前記親水性ポリマーフィルムの合計延伸倍率は、例えば、延伸前のフィルム(原反)の長さに対して、例えば、2〜12倍の範囲であり、好ましくは、3〜10倍の範囲であり、より好ましくは、4〜8倍の範囲である。
前記長手方向延伸は、例えば、従来公知のロール延伸機等を用いて実施することができる。前記ロール延伸機を用いた長手方向延伸は、例えば、速比の異なる2つのロールにより前記親水性ポリマーフィルムの長手方向に張力を付与することで実施される。この長手方向延伸における前記親水性ポリマーフィルムの合計延伸倍率は、例えば、前記幅方向延伸における合計延伸倍率と同様とすることができる。
前記延伸工程は、前述のように、膨潤工程、染色工程、架橋工程、調整工程等の各工程で実施してもよいし、別個独立に実施してもよい。前記延伸工程を、別個独立に実施する場合には、例えば、前記親水性ポリマーフィルムを、延伸液に接触させながら延伸する。
前記延伸液としては、特に制限されないが、例えば、ホウ酸、ヨウ化カリウム、各種金属塩やその他のヨウ化化合物、亜鉛化合物等を含む溶液が使用できる。この溶液の溶媒としては、例えば、水、エタノール等が使用できる。具体的には、例えば、ホウ酸およびヨウ化カリウムを含むことが好ましく、前記両者の含有量は、例えば、合計で2〜18重量%の範囲であり、好ましくは、合計で4〜17重量%の範囲であり、より好ましくは、合計で6〜15重量%の範囲である。また、前記ホウ酸(A)とヨウ化カリウム(B)との含有割合(A:B(重量比))は、例えば、A:B=1:0.1〜1:4の範囲であり、好ましくは、A:B=1:0.2〜1:3.5の範囲であり、より好ましくは、A:B=1:0.5〜1:3の範囲である。
本工程において、前記延伸液の接触は、例えば、前記延伸液の噴霧により実施してもよい。この場合において前記延伸液を噴霧する手段および条件等については、前記処理液の噴霧で述べたとおりである。
本工程において、前記延伸液の接触は、例えば、前記延伸液の塗工により実施してもよい。この場合における前記延伸液を塗工する手段および条件等については、例えば、前記膨潤工程と同様とすることができる。なお、前記延伸液の接触においては、前記延伸液の噴霧および塗工を併用してもよい。
本工程において、前記延伸液の接触は、例えば、前記延伸液への前記親水性ポリマーフィルムの浸漬等により実施してもよい。この場合には、延伸浴が用いられる。この場合における前記延伸液(延伸浴)への前記親水性ポリマーフィルムの浸漬時間は、特に制限されないが、例えば、20〜200秒の範囲であり、好ましくは、40〜150秒の範囲であり、より好ましくは、60〜100秒の範囲であり、前記延伸液(延伸浴)の温度は、例えば、20〜70℃の範囲であり、好ましくは、30〜65℃の範囲であり、より好ましくは、40〜60℃の範囲である。
(3−5)調整工程
つぎに、前記親水性ポリマーフィルムをヨウ化物含有水溶液(調整液)に接触させる。
前記ヨウ化物含有水溶液におけるヨウ化物としては、ヨウ化カリウムやヨウ化ナトリウム等が好ましい。このヨウ化物含有水溶液によって、残存するホウ酸を、親水性ポリマーフィルムから洗い流すことができる。
前記ヨウ化カリウム水溶液の濃度は、例えば、0.5〜20重量%の範囲であり、好ましくは、1〜15重量%の範囲であり、より好ましくは、1.5〜7重量%の範囲である。
本工程において、前記調整液の接触は、例えば、前記調整液の噴霧により実施してもよい。この場合における前記調整液を噴霧する手段および条件等については、前記処理液の噴霧で述べたとおりである。
本工程において、前記調整液の接触は、例えば、前記調整液の塗工により実施してもよい。この場合における前記調整液を塗工する手段および条件等については、例えば、前記膨潤工程と同様とすることができる。なお、前記調整液の接触においては、前記調整液の噴霧および塗工を併用してもよい。
本工程において、前記調整液の接触は、例えば、前記調整液への前記親水性ポリマーフィルムの浸漬等により実施してもよい。この場合には、調整浴が用いられる。この場合における前記調整液(調整浴)への前記親水性ポリマーフィルムの浸漬時間は、特に制限されないが、例えば、2〜15秒の範囲であり、好ましくは、3〜12秒の範囲であり、前記調整液(調整浴)の温度は、例えば、15〜40℃の範囲であり、好ましくは、20〜35℃の範囲である。
(3−6)乾燥工程
最後に、前記親水性ポリマーフィルムを乾燥させることにより、偏光子を得ることができる。
乾燥は、例えば、自然乾燥、風乾、加熱乾燥等、従来公知の方法で実施すればよい。加熱乾燥の場合は、特に制限されないが、温度25〜60℃の範囲が好ましく、より好ましくは、30〜50℃の範囲であり、さらに好ましくは、30〜45℃の範囲である。
以上、膨潤工程、染色工程、架橋工程、延伸工程、調整工程および乾燥工程について、説明してきた。これらの工程は、別々に実施してもよいが、一工程にまとめることが可能な工程は、まとめて実施してもよい。また、各工程終了ごとに、調整工程および乾燥工程を実施してもよい。
(4)偏光子
本発明の偏光子の厚みは、特に制限されないが、例えば、5〜40μmの範囲であり、好ましくは、10〜37μmの範囲であり、より好ましくは、15〜35μmの範囲である。
(5)偏光板
つぎに、本発明の偏光板は、前記本発明の偏光子の少なくとも一方の表面に保護層が積層された構成である。前記保護層は、前記偏光子の片面のみに積層されてもよいし、両面に積層されてもよい。両面に積層する場合には、例えば、同じ種類の保護層を使用してもよいし、異なる種類の保護層を使用してもよい。
図11に、本発明の偏光板の一例の断面図を示す。図示のように、この偏光板40は、前記偏光子41の両面に保護層42がそれぞれ積層されている。
前記保護層42としては、特に制限されず、従来公知の保護フィルムを使用できるが、例えば、透明性、機械的強度、熱安定性、水分遮断性、等方性などに優れるものが好ましい。このような保護層の材質の具体例としては、トリアセチルセルロール(TAC)等のセルロース系樹脂や、ポリエステル系、ポリカーボネート系、ポリアミド系、ポリイミド系、ポリエーテルスルホン系、ポリスルホン系、ポリスチレン系、アクリル系、アセテート系、ポリオレフィン系等の樹脂等があげられる。また、前記アクリル系、ウレタン系、アクリルウレタン系、エポキシ系、シリコーン系等の熱硬化型樹脂または紫外線硬化型樹脂等もあげられる。
この他にも、特開2001−343529号公報やWO 01/37007号公報に記載されているような、例えば、イソブテンおよびN−メチルマレイミドからなる交互共重合体と、アクリロニトリル・スチレン共重合体とを含有する樹脂組成物の混合押出物からなるフィルム等も使用できる。
さらに、これらの保護フィルムは、例えば、その表面が、アルカリ等によってケン化処理されてもよい。これらの中でも、偏光特性や耐久性等の点から、TACフィルムが好ましく、より好ましくは、その表面がケン化処理されたTACフィルムである。
前記保護層の厚みは、例えば、1〜500μmの範囲であり、好ましくは、5〜200μmの範囲であり、より好ましくは、10〜150μmの範囲である。
前記保護層の位相差値としては、フィルム面内の位相差値(Re)が、好ましくは、0〜5nmの範囲であり、より好ましくは、0〜3nmの範囲であり、さらに好ましくは、0〜1nmの範囲であり、厚み方向の位相差値(Rth)が、好ましくは、0〜15nmの範囲であり、より好ましくは、0〜12nmの範囲であり、さらに好ましくは、0〜5nmの範囲であり、最も好ましくは、0〜3nmの範囲である。
前記保護層は、例えば、偏光子に前記各種透明樹脂を塗布する方法、前記偏光子に前記樹脂製フィルム等を積層する方法等、従来公知の方法によって適宜形成でき、また市販品を使用することもできる。
また、前記保護層は、さらに、例えば、ハードコート処理、反射防止処理、スティッキング防止処理、拡散やアンチグレア等を目的とした処理等が施されたものでもよい。
前記偏光子と前記保護層との接着方法は、例えば、粘着剤やその他の接着剤等が使用され、その種類は、偏光子や保護層の種類等によって適宜決定できる。接着層や粘着剤層の厚みは、特に制限されないが、例えば、1〜500nmの範囲であり、好ましくは、10〜300nmの範囲であり、より好ましくは、20〜100nmの範囲である。
また、本発明の偏光板は、例えば、液晶セル等への積層が容易になることから、その最外層に、さらに粘着剤層を有していることが好ましい。図12に、このような粘着剤層を有する偏光板の断面図を示す。図12において、図11と同一部分には、同一符号を付している。図示のように、偏光板50は、前記偏光板40の一方の保護層42の表面にさらに粘着剤層51が配置されているという構成である。
前記保護層表面への前記粘着剤層の形成は、例えば、粘着剤の溶液または溶融液を、流延や塗工等の展開方式により、前記保護層の所定の面に直接添加して層を形成する方式や、同様にして後述するセパレータ上に粘着剤層を形成させて、それを前記保護層の所定面に移着する方式等によって行うことができる。なお、このような粘着剤層は、前記図12のように偏光板のいずれか一方の表面に形成してもよいが、これには限定されず、必要に応じて両面に配置してもよい。
前記粘着剤層としては、例えば、アクリル系、シリコーン系、ポリエステル系、ポリウレタン系、ポリエーテル系、ゴム系等の従来公知の粘着剤を適宜使用して形成できる。前記粘着剤層の表面は、汚染防止等を目的として、セパレータによってカバーすることが好ましい。このセパレータは、前記保護フィルム等のような薄層のフィルムに、必要に応じて、シリコーン系、長鎖アルキル系、フッ素系、硫化モリブデン等の剥離剤による剥離コートを設ける方法等によって形成できる。
前記粘着剤層の厚みは、特に制限されないが、例えば、5〜35μmの範囲であり、好ましくは、10〜25μmの範囲であり、より好ましくは、15〜25μmの範囲である。
(6)光学フィルム
つぎに、本発明の光学フィルムは、前記本発明の偏光子または前記本発明の偏光板の少なくとも一方の表面に位相差板が積層された構成である。
前記位相差板の種類は、例えば、1/2λ板や1/4λ板等の各種波長板、液晶層の複屈折による着色の補償や視野角拡大等の視覚の補償を目的にしたもの等、使用目的に応じた位相差を有するものでもよく、厚み方向の屈折率を制御した傾斜配向フィルムであってもよい。また、2種以上の位相差板を積層し、位相差等の光学特性を制御した積層体等でもよい。
前記位相差板の材料としては、例えば、ポリカーボネート、PVA、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリプロピレンやその他のポリオレフィン、ポリアリレート、ポリアミド、ポリノルボルネン等のポリマーフィルムを延伸処理した複屈折性フィルム、液晶ポリマーの配向フィルム、液晶ポリマーの配向層をフィルムで支持した積層体等が挙げられる。
前記傾斜配向フィルムは、例えば、ポリマーフィルムに熱収縮性フィルムを接着して、加熱によるその収縮力の作用の下に、前記ポリマーフィルムに延伸処理や収縮処理を施す方法や、液晶ポリマーを斜め配向させる方法等により得ることができる。
前記位相差板は、自作してもよいし、市販品を用いてもよい。
(7)用途
本発明の偏光子、偏光板および光学フィルムは、液晶表示装置(LCD)やELディスプレイ(ELD)等の各種の画像表示装置に好ましく用いることができる。本発明の液晶表示装置は、本発明の偏光子、偏光板および光学フィルムの少なくとも一つを用いること以外は、従来の液晶表示装置と同様の構成である。本発明の液晶表示装置は、例えば、液晶セル、本発明の偏光子等の光学部材、および必要に応じて照明システム(バックライト等)等の各構成部品を適宜に組み立てて駆動回路を組み込むこと等により製造できる。
本発明の画像表示装置は、任意の適切な用途に使用される。その用途は、例えば、デスクトップパソコン、ノートパソコン、コピー機等のOA機器、携帯電話、時計、デジタルカメラ、携帯情報端末(PDA)、携帯ゲーム機等の携帯機器、ビデオカメラ、テレビ、電子レンジ等の家庭用電気機器、バックモニター、カーナビゲーションシステム用モニター、カーオーディオ等の車載用機器、商業店舗用インフォメーション用モニター等の展示機器、監視用モニター等の警備機器、介護用モニター、医療用モニター等の介護・医療機器等が挙げられる。
つぎに、本発明の実施例について比較例と併せて説明する。なお、本発明は、下記の実施例および比較例によってなんら限定ないし制限されない。また、実施例および比較例における光学特性の均一性の測定は、下記の方法により実施した。
(光学特性の均一性)
得られた偏光子を、縦150mm横150mmの正方形に切り出し、試験片を作製した。偏光子における光学特性の均一性は、図13に示すように、前記試験片60において、縦×横=5×5=25箇所の測定ポイントにおける単体透過率の測定により実施した。図13において、円で囲んだ図は、測定ポイントの拡大図である。図示のように、隣接するポイント間の距離(ピッチ)は、縦d2および横d1共に20mmである。また、単体透過率は、光学材料検査装置(大塚電子(株)製、商品名「RETS−1200VA」)を用いて測定した。光学特性の均一性は、前記25箇所の測定ポイントの標準偏差を算出して評価した。前記標準偏差は、実施例における往復移動速度および比較例における噴霧手段の個数の各条件について3回ずつ行い(n=3)、その平均値として求めた。
[実施例]
図10に示した製造装置により、偏光子を作製した。
(PVAフィルムの準備)
重合度2400のPVAからなる厚み75μm、幅0.13m、長さ50mのロールに巻き回した原反PVAフィルム(クラレ社製、商品名「VF−PS」)を準備した。前記原反PVAフィルム1を繰り出し部(ロール)500から順次繰り出した。
(偏光子の作製)
(1)膨潤工程および延伸工程
まず、前記PVAフィルムを水浴(膨潤浴:温度30℃)510に浸漬すると共に、速比の異なるロール511および512により、前記フィルム長手方向に、前記PVAフィルムを原反の2.2倍に延伸した。前記ロール511の回転速度は、0.37m/分、前記ロール512の回転速度は、0.81m/分とした。
(2)染色工程および延伸工程
つぎに、前記膨潤処理されたPVAフィルム1の下面に対し、レシプロケーター4に取り付けたスプレーノズル3により、0.5重量%のヨウ素水溶液(染色液:温度30℃)11aを噴霧すると共に、速比の異なるロール512および521により、前記フィルム長手方向に、前記PVAフィルムを原反の3.3倍に延伸した。前記ロール521の回転速度は、1.22m/分とした。前記スプレーノズルの霧化エアー圧力は、0.15MPa、パターンエアー圧力は、0.05MPaとした。前記処理液吐出口から前記PVAフィルムまでの距離は、200mmとした。前記PVAフィルムへの前記染色液の噴霧量は、40mL/分とした。レシプロケーター4によるスプレーノズル3の往復移動速度は、3、5、10、20および30m/分の5条件とした。
(3)架橋工程および延伸工程
つぎに、前記染色処理されたPVAフィルム1を、3重量%のヨウ化カリウムと3重量%のホウ酸とを含む水溶液(架橋浴:温度30℃)520に浸漬すると共に、速比の異なるロール521および522により、前記フィルム長手方向に、前記PVAフィルムを原反の3.6倍に延伸した。前記ロール522の回転速度は、1.33m/分とした。
(4)延伸工程
つぎに、前記架橋処理されたPVAフィルム1を、5重量%のヨウ化カリウムと4重量%のホウ酸とを含む水溶液(延伸浴:温度50℃)530に浸漬すると共に、速比の異なるロール531および532により、前記フィルム長手方向に、前記PVAフィルムを原反の5.9倍に延伸した。前記ロール531の回転速度は、1.33m/分、前記ロール532の回転速度は、2.18m/分とした。
(5)調整工程
つぎに、前記延伸処理されたPVAフィルム1を、4重量%のヨウ化カリウム水溶液(調整浴:温度30℃)540に浸漬し、洗浄処理を施した。前記ロール541および542の回転速度は、共に2.18m/分とした。
(6)乾燥工程
つぎに、前記洗浄処理されたPVAフィルム1を、乾燥機(オーブン)550で乾燥した。乾燥は、60℃で40秒間行った。最後に、前記乾燥処理されたPVAフィルム1を巻き取り部(ロール)560により巻き取ることで、連続で偏光子570を得た。
[比較例]
往復移動手段を用いずに、1、2、3または4個のスプレーノズルをPVAフィルムの幅方向に並列に固定設置して染色液を噴霧したこと以外は、実施例と同様にして、偏光子を得た。
[参考例]
染色工程を、染色浴で実施した以外は、実施例と同様にして偏光子を得た。なお、前記染色浴中の染色液は、実施例で使用した噴霧用の染色液と同じである。
図14のグラフに、実施例および参考例の偏光子の単体透過率の標準偏差を示す。同図において、xが実施例の結果であり、yが参考例の結果である。図示のように、スプレーノズルを往復移動させた実施例では、往復移動速度を上げるに従い、標準偏差が小さくなり、往復移動速度10m/分では、標準偏差が0.25以下と低くなり、さらに、往復移動速度20m/分では、参考例の標準偏差(0.11)と略同等の極めて低い標準偏差を示した。これらの結果から、スプレーノズルを往復移動させて噴霧した実施例では、光学特性の均一性に優れた偏光子が製造できたといえる。
図15のグラフに、比較例と参考例の偏光子の単体透過率の標準偏差を示す。同図において、zが比較例の結果であり、yが参考例の結果である。図示のように、比較例では、スプレーノズルの個数を増やしても偏光子の光学特性にムラがあり、最多の4個のスプレーノズルを用いた場合であっても、標準偏差が2.9以上と高く、偏光子の光学特性にムラがあった。
以上のように、本発明の偏光子の製造方法によれば、噴霧により処理液を均一に塗布可能であり、この結果、光学特性の均一性に優れた偏光子を製造可能である。本発明の偏光子およびそれを用いた偏光板、画像表示装置の用途は、例えば、前述の用途があり、その用途は限定されず、広い分野に適用可能である。
図1は、本発明の噴霧装置の一例を示す斜視図である。 図2は、前記噴霧装置の側面図である。 図3は、前記噴霧装置の正面図である。 図4は、スプレーノズルの一例を示す断面図である。 図5は、フィルムの搬送速度と噴霧手段の往復移動速度との関係の一例を示すグラフである。 図6は、従来の噴霧装置の一例を示す斜視図である。 図7は、幅方向延伸の一例を示す模式図である。 図8は、把持手段による親水性ポリマーフィルムの把持について説明する図である。 図9は、図7の一部の拡大図である。 図10は、本発明の噴霧装置のその他の例を示す図である。 図11は、本発明の偏光板の構成の一例を示す断面図である。 図12は、本発明の偏光板の構成のその他の例を示す断面図である。 図13は、本発明の実施例における偏光子の光学特性の均一性の評価方法を説明するための図である。 図14は、本発明の実施例における偏光子の光学特性の均一性の評価結果を示すグラフである。 図15は、比較例における偏光子の光学特性の均一性の評価結果を示すグラフである。
符号の説明
1 親水性ポリマーフィルム
2 搬送手段(把持手段)
3 噴霧手段
4 往復移動手段
11a、513、523、533、543 処理液
21 回転軸
22 上把持部
23 下把持部
31a 処理液吐出口
31b 処理液流路
32a 霧化エアー吐出口
32b 霧化エアー流路
33a パターンエアー吐出口
33b パターンエアー流路
34 ニードル弁
40、50 偏光板
41、570 偏光子
42 保護層
51 粘着剤層
60 試験片
500 繰り出し部
510、520、530、540 浸漬浴
511、512、521、522、531、532、541、542 ロール
550 乾燥手段
560 巻き取り部
a、b、c、d1、d2、A、B、C、D,E、F、G 矢印
S1 膨潤工程
S2 染色工程
S3 架橋工程
S4 延伸工程
S5 調整工程
S6 乾燥工程

Claims (9)

  1. 親水性ポリマーフィルムを二色性物質により染色する染色工程と、
    前記親水性ポリマーフィルムを延伸する延伸工程とを有する偏光子の製造方法であって、
    前記延伸工程が、前記染色工程および前記染色工程とは別の工程の少なくとも一つで実施され、
    前記染色工程、前記延伸工程および前記別の工程の少なくとも一つが、各工程の処理液を気相中において前記親水性ポリマーフィルムの下側に配置された噴霧手段で前記親水性ポリマーフィルムの下面に噴霧することにより前記親水性ポリマーフィルムに前記処理液を接触させた状態で実施され、
    前記噴霧が、搬送手段により、前記親水性ポリマーフィルムを水平方向かつ長手方向に搬送している状態で、往復移動手段により、前記噴霧手段を、前記フィルムの面方向に平行かつ前記フィルムの搬送方向に対し垂直方向に往復移動させることにより実施されることを特徴とする偏光子の製造方法。
  2. 前記別の工程が、前記親水性ポリマーフィルムを膨潤させる膨潤工程および前記親水性ポリマーフィルムを架橋する架橋工程の少なくとも一方の工程を含む請求項に記載の偏光子の製造方法。
  3. 前記延伸工程における延伸が、前記親水性ポリマーフィルムの長手方向延伸または前記親水性ポリマーフィルムの幅方向延伸である請求項1または2に記載の偏光子の製造方法。
  4. 前記幅方向延伸を、前記親水性ポリマーフィルムの幅方向の両端を把持手段により把持し、前記把持手段を前記親水性ポリマーフィルムの長手方向に進行させると共に、前記親水性ポリマーフィルムの両端を把持する前記把持手段の少なくとも一方を前記親水性ポリマーフィルムの幅方向の外側にも移動させることで実施する請求項記載の偏光子の製造方法。
  5. 請求項1からのいずれか一項に記載の製造方法により製造された偏光子。
  6. 偏光子の少なくとも一方の表面に保護層が積層された偏光板であって、前記偏光子が、請求項記載の偏光子である偏光板。
  7. 偏光子または偏光板の少なくとも一方の表面に位相差板が積層された光学フィルムであって、前記偏光子が、請求項記載の偏光子であり、前記偏光板が、請求項記載の偏光板である光学フィルム。
  8. 偏光子、偏光板および光学フィルムの少なくとも一つを含む画像表示装置であって、前記偏光子が、請求項記載の偏光子であり、前記偏光板が、請求項記載の偏光板であり、前記光学フィルムが、請求項記載の光学フィルムである画像表示装置。
  9. 請求項1記載の偏光子の製造方法に用いる処理液の噴霧装置であって、
    前記親水性ポリマーフィルムを水平方向かつ長手方向に搬送する搬送手段と、
    前記親水性ポリマーフィルムの下側に配置され、前記親水性ポリマーフィルムの下面に処理液を噴霧する噴霧手段と、
    前記噴霧手段を、前記フィルムの面方向と平行かつ前記フィルムの搬送方向と垂直方向に往復移動させる往復移動手段とを備える処理液の噴霧装置。
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