JP4990786B2 - 薬物リポソーム製剤を安定化するための組成物および方法 - Google Patents

薬物リポソーム製剤を安定化するための組成物および方法 Download PDF

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Description

発明の分野
本発明は、薬物安定性の高い新規のリポソームカンプトテシン製剤およびキットに関する。
関連技術の説明
医科学および医薬品産業が直面している大きな課題は、特に、治療を受けている患者に過度の危害を加えることなく、治療上の利益を得るのに十分な投与量のカンプトテシンを適切な組織または細胞にもたらす方法の開発である。従って、付随する毒性を抑えながら効力の高い薬物送達法の開発が医薬品産業の重要な目標の1つである。様々な一般的なアプローチが採用されており、様々な程度の成功を収めている。これらのアプローチには、例えば、放出速度および毒性を変えるための、移植可能な薬物送達装置の使用、治療用化合物への標的化部分の結合、および治療用化合物の封入、例えば、リポソームへの治療用化合物の封入が含まれる。
治療用化合物のリポソームへの封入は薬物の徐放送達にかなり有望であることが示されている。例えば、一部の脂質ベース製剤からは、インビボでの長い半減期、優れた組織標的化、または低い毒性が得られている。より効果的な治療法を開発しようとして、様々な治療用化合物をリポソームに封入する試みがなされている。例えば、多くの抗癌薬または抗新生物薬がリポソームに封入されている。これらの薬には、アルキル化剤、ニトロソ尿素、シスプラチン、代謝拮抗物質、ビンカアルカロイド、カンプトテシン、タキサン、およびアントラサイクリンが含まれる。アントラサイクリン抗生物質を含有するリポソームを用いた研究から、心毒性が低下することがはっきりと示されている。
薬物のリポソーム製剤は、リポソームに封入されていない遊離薬物対応物と比較して薬物動態を変える。薬物リポソーム製剤の場合、薬物動態は、主に、担体が血液から除去される速度および薬物が担体から放出される速度によって決まる。血液からの除去の遅いリポソーム担体組成物を特定するために相当の取り組みがなされており、長期間循環する担体が非常に多くの科学刊行物および特許において述べられている。例えば、放出を制御するために様々な脂質成分または膜内外電位差を用いて、リポソーム担体からの薬物の漏出速度または放出速度を制御する取り組みもなされている。
カンプトテシンは天然物カンプトテシンに基づく抗癌剤である。カンプトテシンはそれ自体で抗癌活性を有するが、水に極めて不溶性であり、結果として生じる投与の難しさは、初期臨床試験において見られた予測不可能な毒性の一因となった可能性がある(Gottlieb et al., 1970, Cancer Chemotherapy Reports 54:461-70(非特許文献1); Muggia et al., 1972, Cancer Chemotherapy Reports 56:515-521(非特許文献2))。従って、その後の試験では、水溶性カンプトテシン誘導体の開発およびその臨床評価に焦点が当てられた(Bailly, 2000, Current Medicinal Chemistry, 7: 39-58(非特許文献3); Dallavalle et al., 2001 , Journal of Medicinal Chemistry 44: 3264-3274(非特許文献4)において概説されている)。これらの水溶性誘導体には、様々な癌の治療における使用に認可された薬剤であるトポテカンおよびイリノテカンが含まれる。これらの水溶性誘導体は、水溶解性を高めるためにカンプトテシンバックボーンへの荷電基または極性基の付加に頼っている。しかしながら、結果として、荷電基または極性基が変化しているか、または失われている、これらの薬剤の分解産物は、通常、極めて不溶性であり、沈殿物を形成する傾向がある(Kearney et al., 1996, International Journal of Pharmaceutics 127: 229-237(非特許文献5))。全身投与(例えば、静脈内投与)を目的とした薬学的製品は、薬物バイアル内に存在する粒子の数に関して規制上の厳しい制限を満たすことが求められ、薬物の分解後に不溶性粒子が形成すれば、これらの粒子の制限を超える可能性がある。
カンプトテシン誘導体のリポソーム製剤も報告されている(Emerson et al., 2000, Clinical Cancer Research 6: 2903-2912(非特許文献6); Tardi et al., 2000, Cancer Research 60: 3389-3393(非特許文献7))。このようなリポソーム製剤は、前臨床試験において遊離薬物と比較して非常に高い抗腫瘍活性を示し、臨床試験に進んでいる(Carmichael, et al., 1996, ASCO Annual Meeting, abstract no. 765(非特許文献8); ten Bokkel Huinink et al., 1996, ASCO Annual Meeting, abstract no. 768(非特許文献9))。このようなリポソーム製剤において、ほとんど全ての薬物がリポソームに封入されているが、それにもかかわらず、驚くべきことに、時が経つにつれて薬物が分解し、製剤の外部溶液に不溶性沈殿物が発生し得ることが見出されている。従って、使用をよりしやすくするために、および貯蔵寿命を延ばすために、リポソームに封入されたカンプトテシンの安定した製剤を開発することが当技術分野において必要とされている。
Gottlieb et al., 1970, Cancer Chemotherapy Reports 54:461-70 Muggia et al., 1972, Cancer Chemotherapy Reports 56:515-521 Bailly, 2000, Current Medicinal Chemistry, 7: 39-58 Dallavalle et al., 2001 , Journal of Medicinal Chemistry 44: 3264-3274 Kearney et al., 1996, International Journal of Pharmaceutics 127: 229-237 Emerson et al., 2000, Clinical Cancer Research 6: 2903-2912 Tardi et al., 2000, Cancer Research 60: 3389-3393 Carmichael, et al., 1996, ASCO Annual Meeting, abstract no. 765 ten Bokkel Huinink et al., 1996, ASCO Annual Meeting, abstract no. 768
発明の簡単な概要
本発明は、カンプトテシンの安定性を上げるための、カンプトテシン分解産物の形成および沈殿を減少させるための、ならびに癌を治療するための、改善されたリポソームカンプトテシン組成物、製剤、およびキット、ならびにこのような組成物、製剤、およびキットを調製および使用する方法を提供する。様々な態様において、これらの組成物、製剤、およびキット、ならびに方法は、以下:外側溶液のpHが4.5未満または4.5である;空のリポソーム;スフィンゴミエリンもしくはジヒドロスフィンゴミエリン(またはその組み合わせ);内側溶液中のMnSO4;抗酸化物質;および外側溶液中のクエン酸緩衝液または酒石酸緩衝液より選択される1つまたは複数の特性または特徴を含む。本明細書で使用する外側溶液はリポソームの外側にある溶液を意味し、内側溶液はリポソームの内側にある溶液を意味する。リポソームカンプトテシン製剤におけるカンプトテシンの安定性を上げる、または高めるために、これらの特性または特徴はそれぞれ独立して用いられてもよく、これらの2つまたはそれ以上の組み合わせで用いられてもよい。
1つの態様において、本発明は、カンプトテシンの安定性を高めるように適合されたリポソーム製剤を含む。このリポソーム製剤は、リポソームに封入されたカンプトテシンを含有する溶液を含み、リポソームの外部にある溶液のpHは4.5未満または4.5である。
別の態様において、本発明は、カンプトテシンの保持および安定性を高めるように適合されたリポソーム製剤を含む。このリポソーム製剤は、リポソームに封入されたカンプトテシンを含有する溶液を含み、リポソームの内部にある溶液はMnSO4を含む。
さらに別の態様において、本発明は、カンプトテシンの安定性を高めるように適合されたリポソーム製剤を含む。このリポソーム製剤は、リポソームに封入されたカンプトテシンを含有する溶液を含み、溶液またはリポソームは抗酸化物質またはフリーラジカルスカベンジャーを含む。
本発明の様々な態様において、抗酸化物質またはフリーラジカルスカベンジャーはアスコルビン酸である。関連する態様において、アスコルビン酸は、1mM〜100mMの範囲の濃度で存在し、特定の態様において、アスコルビン酸の濃度は約10mMである。別の態様において、抗酸化物質はαトコフェロールである。関連する態様において、αトコフェロールは(脂質と比較して)0.1〜10モルパーセントの範囲の濃度で存在し、特定の態様において、αトコフェロールは、0.4〜3モルパーセントの範囲の濃度または約2モルパーセントで存在する。
さらなる態様において、本発明は、粒子の形成速度を下げるように適合されたリポソーム製剤を含む。このリポソーム製剤は、リポソームに封入されたカンプトテシンを含有する溶液を含み、溶液は空のリポソームをさらに含有する。
さらなる関連する態様において、本発明は、カンプトテシンの安定性を高めるように適合されたリポソーム製剤を含む。このリポソーム製剤は、リポソームに封入されたカンプトテシンを含有する溶液を含み、リポソームの外部にある溶液はクエン酸塩または酒石酸塩を含む。
別の態様において、本発明は、カンプトテシンの保持および安定性を高めるように適合されたリポソーム製剤を含む。このリポソーム製剤は、リポソームに封入されたカンプトテシンを含有する溶液を含み、リポソームの外部にある溶液のpHは4.5未満または4.5であり、リポソームの内部にある溶液はMnSO4を含む。
さらに別の態様において、本発明は、粒子の形成速度を下げ、カンプトテシンの安定性を高めるように適合されたリポソーム製剤を含む。このリポソーム製剤は、リポソームに封入されたカンプトテシンを含有する溶液を含み、溶液は空のリポソームをさらに含有し、リポソームの外部にある溶液はクエン酸塩または酒石酸塩を含む。
別の態様において、本発明は、カンプトテシンの安定性を高めるように適合されたリポソーム製剤を含む。このリポソーム製剤は、リポソームに封入されたカンプトテシンを含有する溶液を含み、リポソームの内部にある溶液はMnSO4を含み、リポソームの外部にある溶液のpHは4.5未満または4.5であり、リポソームの外部にある溶液は抗酸化物質またはフリーラジカルスカベンジャーを含む。特定の態様において、抗酸化物質またはフリーラジカルスカベンジャーはアスコルビン酸である。
別の態様において、本発明は、カンプトテシンの安定性を高めるように適合されたリポソーム製剤を含む。このリポソーム製剤は、リポソームに封入されたカンプトテシンを含有する溶液を含み、この溶液は抗酸化物質またはフリーラジカルスカベンジャーを含み、酸素の分圧は大気中の分圧より低い。
別の態様において、本発明は、カンプトテシンの安定性を高めるように適合されたリポソーム製剤を含む。このリポソーム製剤は、リポソームに封入されたカンプトテシンを含有する溶液を含み、外側溶液のpHは4.5未満または4.5であり、この溶液は抗酸化物質を含む。関連する態様において、内側溶液はMnSO4をさらに含む。
別の態様において、本発明は、リポソームに封入されたカンプトテシンを含有する溶液を含む、カンプトテシンの安定性を高めるように適合されたリポソーム製剤を含む。
様々な態様において、リポソームはスフィンゴミエリン(SM)およびコレステロールを含む。さらなる態様において、リポソームはジヒドロスフィンゴミエリン(DHSM)およびコレステロールを含む。特定の態様において、リポソームはSMおよびDHSMを両方とも含む。
1つの態様において、本発明は、カンプトテシンの安定性を高めるように適合されたリポソーム製剤を含む。このリポソーム製剤は、リポソームに封入されたカンプトテシンを含有する溶液を含み、外部溶液のpHは4.5未満または4.5であり、リポソームはDHSMを含む。関連する態様において、溶液は抗酸化物質をさらに含む、および/または内側溶液はMnSO4を含む。
特定の1つの態様において、本発明は、カンプトテシンの安定性を高めるように適合されたリポソーム製剤を含む。このリポソーム製剤は、リポソームに封入されたカンプトテシンを含有する溶液を含み、外部溶液のpHは4.5未満または4.5であり、リポソームはDHSMを含み、溶液は抗酸化物質をさらに含み、内側溶液はMnSO4を含む。
他の態様において、カンプトテシンはトポテカンである。特定の態様において、トポテカンは、約0.01mg/M2/用量〜約7.5mg/M2/用量の単位剤形で存在する。
関連する態様において、本発明は、リポソームに封入されたカンプトテシンを含有する溶液を含むリポソーム製剤においてカンプトテシン分解産物の蓄積を減らすための方法を提供する。この方法は、リポソームの外部にある溶液のpHを4.5もしくは4.5未満にする工程、リポソームの外部にある溶液のpHを4.5もしくは4.5未満に調節する工程、またはリポソームの外部にある溶液のpHを4.5もしくは4.5未満に維持する工程を含む。
別の関連する態様において、本発明は、リポソームに封入されたカンプトテシンを含有する溶液を含むリポソーム製剤においてカンプトテシン分解産物の蓄積を減らすための方法であって、リポソームの内部にある溶液にMnSO4を含める工程を含む方法を提供する。
本発明のさらなる関連する態様は、スフィンゴミエリンおよびコレステロールを含むリポソームに封入されたカンプトテシンを含有する溶液を含むリポソーム製剤において、カンプトテシン分解産物の蓄積を減らすための方法であって、リポソームの内部にある溶液にMnSO4をさらに含める工程を含む方法を提供する。
本発明のさらなる関連する態様は、DHSMおよびコレステロールを含むリポソームに封入されたカンプトテシンを含有する溶液を含むリポソーム製剤において、カンプトテシン分解産物の蓄積を減らすための方法であって、リポソームの内部にある溶液にMnSO4を含める工程を含む方法を提供する。
さらに、本発明は、リポソームに封入されたカンプトテシンを含有する溶液を含むリポソーム製剤においてカンプトテシン分解産物の蓄積を減らすための方法であって、溶液またはリポソームに抗酸化物質またはフリーラジカルスカベンジャーを含める工程を含む方法を提供する。
さらに、本発明は、リポソームに封入されたカンプトテシンを含むリポソーム製剤においてカンプトテシン分解産物の蓄積を減らすための方法であって、製剤に空のリポソームを含める工程を含む方法を提供する。1つの態様において、製剤は2℃〜8℃の温度で貯蔵される。
別の態様において、本発明は、リポソームに封入されたカンプトテシンを含有する溶液を含むリポソーム製剤においてカンプトテシン分解産物の蓄積を減らすための方法であって、リポソームの外部にある溶液にクエン酸塩または酒石酸塩を含める工程を含む方法を提供する。
さらに、本発明は、リポソームに封入されたカンプトテシンを含有する溶液を含むリポソーム製剤においてカンプトテシン分解産物の蓄積を減らすための方法であって、溶液またはリポソームに抗酸化物質またはフリーラジカルスカベンジャーを含める工程、および溶液中の酸素分圧を大気中の分圧より低くなるまで下げる工程を含む方法を提供する。
別の関連する態様は、リポソームに封入されたカンプトテシンを含有する溶液を含むリポソーム製剤においてカンプトテシン分解産物の量または蓄積を減らすための方法であって、リポソームカンプトテシン製剤の外側溶液のpHを4.5未満または4.5にする工程、および製剤に抗酸化物質を含める工程を含む方法を提供する。
別の関連する態様は、リポソームに封入されたカンプトテシンを含有する溶液を含むリポソーム製剤においてカンプトテシン分解産物の量または蓄積を減らすための方法であって、リポソームカンプトテシン製剤の外側溶液のpHを4.5未満または4.5にする工程、および内側溶液にMnSO4を含める工程を含む方法を提供する。さらなる関連する態様において、溶液は抗酸化物質をさらに含む。
別の態様において、本発明は、リポソームに封入されたカンプトテシンを含有する溶液を含むリポソーム製剤においてカンプトテシン分解産物の量または蓄積を減らすための方法であって、リポソームカンプトテシン製剤の外側溶液のpHを4.5未満または4.5にする工程、およびリポソームにDHSMを含める工程を含む方法を提供する。
関連する態様において、本発明は、リポソームに封入されたカンプトテシンを含有する溶液を含むリポソーム製剤においてカンプトテシン分解産物の量または蓄積を減らすための方法であって、リポソームカンプトテシン製剤の外側溶液のpHを4.5未満または4.5にする工程、リポソームにDHSMを含める工程、および溶液に抗酸化物質を含める工程を含む方法を提供する。
さらなる態様は、リポソームに封入されたカンプトテシンを含有する溶液を含むリポソーム製剤においてカンプトテシン分解産物の量または蓄積を減らすための方法であって、リポソームカンプトテシン製剤の外側溶液のpHを4.5未満または4.5にする工程、リポソームにDHSMを含める工程、および内側緩衝液にMnSO4を含める工程を含む方法を提供する。
関連する態様は、リポソームに封入されたカンプトテシンを含有する溶液を含むリポソーム製剤においてカンプトテシン分解産物の量または蓄積を減らすための方法であって、リポソームカンプトテシン製剤の外側溶液のpHを4.5未満または4.5にする工程、リポソームにDHSMを含める工程、内側緩衝液にMnSO4を含める工程、および溶液に抗酸化物質を含める工程を含む方法を提供する。
本発明の方法の様々な態様において、カンプトテシンはトポテカンである。特定の態様において、トポテカンは、約0.01mg/M2/用量〜約7.5mg/M2/用量の単位剤形で存在する。
本発明の方法の他の態様において、リポソームはスフィンゴミエリンおよびコレステロールを含む。
本発明の方法の他の態様において、リポソームはジヒドロスフィンゴミエリンおよびコレステロールを含む。
本発明によって提供される製剤、方法、およびにキットの様々な態様によれば、溶液は、3ヶ月の貯蔵後に、3000個以下の10ミクロン超の粒子を含み、300個以下の25ミクロン超の粒子を含む。
さらに、本発明は、本発明のリポソームカンプトテシン製剤を含む薬学的組成物を提供する。1つの態様において、薬学的組成物は静脈内投与用に適合される。
本発明の別の態様は、リポソームに封入されたカンプトテシンを必要とする患者に投与するためのリポソームに封入されたカンプトテシンを含むキットを含む。このキットは、リポソームに封入されたカンプトテシンを含有する溶液を含むバイアル、および患者に投与するためのリポソームに封入されたカンプトテシンを調製するための説明書を含み、リポソームの内部にある溶液はMnSO4を含む。
本発明のさらなる態様は、リポソームに封入されたカンプトテシンを必要とする患者に投与するためのリポソームに封入されたカンプトテシンを含むキットを含む。このキットは、リポソームに封入されたカンプトテシンを含有する溶液を含むバイアル、および患者に投与するためのリポソームに封入されたカンプトテシンを調製するための説明書を含み、溶液またはリポソームは抗酸化物質を含む。
本発明の別の態様は、リポソームに封入されたカンプトテシンを必要とする患者に投与するためのリポソームに封入されたカンプトテシンを含むキットを提供する。このキットは、リポソームに封入されたカンプトテシンを含有する溶液を含むバイアル、および患者に投与するためのリポソームに封入されたカンプトテシンを調製するための説明書を含み、溶液は空のリポソームをさらに含む。
本発明の別の関連する態様は、リポソームに封入されたカンプトテシンを必要とする患者に投与するためのリポソームに封入されたカンプトテシンを含むキットを含む。このキットは、リポソームに封入されたカンプトテシンを含有する溶液を含むバイアル、および患者に投与するためのリポソームに封入されたカンプトテシンを調製するための説明書を含み、リポソームの外部にある溶液はクエン酸塩または酒石酸塩を含む。
さらなる特定の態様において、本発明は、リポソームに封入されたトポテカンを必要とする患者に投与するためのリポソームに封入されたトポテカンを調製するためのキットを提供する。このキットは、リポソームを含有する溶液を含む第1のバイアル、および患者に投与するためのリポソームに封入されたトポテカンを調製するための説明書を含み、リポソームはジヒドロスフィンゴミエリンを含み、封入されたトポテカンを含み、リポソームの内部にある溶液はMnSO4を含み、リポソームの外部にある溶液のpHは4.0未満または4.0であり、溶液またはリポソームは10mMの濃度のアスコルビン酸を含む。
様々なキット態様において、カンプトテシンはトポテカンである。特定の態様において、トポテカンは、約0.01mg/M2/用量〜約7.5mg/M2/用量の単位剤形で存在する。
他のキット態様において、リポソームはスフィンゴミエリンおよびコレステロールを含む。
さらなる関連した態様において、本発明は、本発明のリポソーム製剤または薬学的組成物を、これを必要とする患者に投与する工程を含む、癌を治療する方法を含む。1つの態様において、患者は癌と診断されている。
発明の詳細な説明
患者に全身投与(例えば、静脈内投与)することが意図される薬学的製品は、米国のFood and Drug Administration (FDA)、カナダのTherapeutic Products Directorate (TPD)、およびEuropean Medicines Agency (EMEA)などの規制機関によって設けられた安全基準および品質基準を満たさなければならない。これらの機関によって設けられた品質基準に含まれるものは、製品に存在することができる粒子の数の制限である。例えば、FDAは、薬物バイアル1個1個に含まれる10ミクロン超の粒子は3000個以下、25ミクロン超の粒子は300個以下であることを求めている。この粒子サイズの制限は所期の製品貯蔵寿命にわたって適用され、従って、貯蔵中に粒子が生じる薬学的製品は商業的な貯蔵寿命が短くなる可能性がある。粒子形成が急速に起これば、その結果として製品貯蔵寿命が短くなるので、商品化は高つくか、または非現実的になる可能性がある。
トポテカンのリポソーム製剤は2〜8℃で貯蔵しても結晶粒子が急速に生じることが見い出されている。トポテカン水溶液中に結晶粒子が生じることは文献に記載されている(Kearney et al., 1996)。Kearney et al.によって、この粒子は10-ヒドロキシカンプトテシンであると特定された。Kearney et al.によってトポテカン二量体の形成も報告され、この分解産物は塩基条件下で最も豊富にある。トポテカンの分解を塩化アンモニウムの存在下で調べた研究では、9-アミノメチル-10-ヒドロキシカンプトテシン(9-AMT)およびN-N bis付加物(トポテカンアミン二量体)が特定された(Patel et al., 1997, International Journal of Pharmaceutics 151, 7-13)。しかしながら、これらの分解産物は塩化アンモニウムの非存在下では見られなかった。ほとんど全ての薬物がリポソームに封入されているので(>98%)、リポソームトポテカン懸濁液中に結晶粒子が生じることは思いもよらないことであった。さらに、この封入トポテカンは、主として、薬物安定性を高める沈殿した形をしている。さらに、リポソームトポテカンの結晶粒子は、製品中に極めて低い濃度で存在するマイナーな分解産物トポテカン二量体から生じる。驚くべきことに、存在するトポテカン二量体の濃度が極めて低いのにもかかわらず、この疎水性分子は容易に結晶化して、規制基準値を超える数の粒子を生じる。従って、リポソームトポテカンの貯蔵寿命は著しく短く、それによって臨床開発および商品化が妨げられている。
本発明は、リポソームカンプトテシン製剤の懸濁液における粒子の形成を減少させる、新規のかつ非常に有効な組成物、製剤、方法、およびキットを提供する。従って、本発明は、製剤の安定性が高く、製剤の分解が少なく、粒子物体の形成が少ない薬物リポソーム製剤を提供する。
本発明は、リポソームカンプトテシン製剤における粒子の形成を減少させるためのいくつかの代替法の発見に基づいている。これらの代替法はそれぞれ、単独で、または1つもしくは複数の他の代替法と組み合わせて使用することができる。これらの本発明の方法は、下記のリポソームおよび薬物を含むが、これに限定されない任意の薬物リポソーム製剤に適用することができる。代表的な1つの態様において、本発明は、他のリポソームトポテカン製剤と比較して、外側溶液における結晶粒子の形成が少ないリポソームトポテカン製剤を含む。この少ない結晶粒子形成は著しく長い製品貯蔵寿命を付与するので、臨床試験での使用が可能になり、最終的に商品化が可能になる。
A.リポソーム
本発明によって提供される、薬物リポソーム製剤の外側溶液において沈殿物の形成を減少させる方法は、任意のタイプのリポソームに適用することができる。従って、本発明は、以下で例示されるリポソームを含む、当技術分野において公知の任意のタイプのリポソームを含む薬物リポソーム製剤を含む。本明細書で使用するリポソームは、内部水溶液を封入する脂質含有膜を有する構造である。リポソームは1つまたは複数の脂質膜を有してもよい。本発明は、ユニラメラと呼ばれる単層リポソームおよびマルチラメラと呼ばれる多層リポソームを含む。
1.リポソーム組成物
本発明のリポソームは、例えば、両親媒性脂質、中性脂質、カチオン性脂質、およびアニオン性脂質を含む多種多様な任意の脂質を含んでもよい。このような脂質は、単独で、または組み合わせて使用することができ、コレステロール、二重層安定化成分、例えば、ポリアミドオリゴマー(米国特許第6,320,017号を参照されたい)、ペプチド、タンパク質、界面活性剤、ならびにホスファチジルエタノールアミンと結合したPEGおよびセラミドと結合したPEGなどの脂質誘導体(米国特許第5,885,613号を参照されたい)などの、さらなる成分も含むことができる。
非常に多くの態様において、本発明のリポソームには両親媒性脂質が含まれる。「両親媒性脂質」は、脂質材料の疎水性部分が疎水相に向くのに対して、親水性部分は水相に向かう任意の適切な材料を意味する。このような化合物には、リン脂質、アミノ脂質、およびスフィンゴ脂質が含まれるが、これに限定されない。代表的なリン脂質には、スフィンゴミエリン、ホスファチジルコリン、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルセリン、ホスファチジルイノシトール、ホスファチジン酸、パルミトイルオレオイルホスファチジルコリン、リゾホスファチジルコリン、リゾホスファチジルエタノールアミン、ジパルミトイルホスファチジルコリン、ジオレオイルホスファチジルコリン、ジステアロイルホスファチジルコリン、またはジリノレオイルホスファチジルコリンが含まれる。スフィンゴ脂質、スフィンゴ糖脂質ファミリー、ジアシルグリセロール、およびβ-アシルオキシ酸などのリンの無い他の化合物も使用することができる。さらに、このような両親媒性脂質は、トリグリセリドおよびステロールなどの他の脂質と容易に混合することができる。
多数の任意の中性脂質を含めることができる。中性脂質は、生理学的pHで無電荷または中性の双性イオンの形で存在する多数の任意の脂質種を意味し、例えば、ジアシルホスファチジルコリン、ジアシルホスファチジルエタノールアミン、セラミド、スフィンゴミエリン、セファリン、コレステロール、セレブロシド、ジアシルグリセロール、およびステロールを含む。
カチオン性脂質は生理学的pHで正味の正電荷を有し、本発明において使用するためにリポソームに容易に取り込まれる。このような脂質には、N,N-ジオレイル-N,N-ジメチルアンモニウムクロリド(「DODAC」);N-(2,3-ジオレイルオキシ)プロピル-N,N-N-トリエチルアンモニウムクロリド(「DOTMA」);N,N-ジステアリル-N,N-ジメチルアンモニウムブロミド(「DDAB」);N-(2,3-ジオレオイルオキシ)プロピル)-N,N,N-トリメチルアンモニウムクロリド(「DOTAP」);3β-(N-(N',N'-ジメチルアミノエタン)-カルバモイル)コレステロール(「DC-Chol」)、N-(1-(2,3-ジオレイルオキシ)プロピル)-N-2-(スペルミンカルボキサミド)エチル)-N,N-ジメチルアンモニウムトリフルオロアセテート(「DOSPA」)、ジオクタデシルアミドグリシルカルボキシスペルミン(「DOGS」)、1,2-ジレオイル(dileoyl)-sn-3-ホスホエタノールアミン(「DOPE」)、1,2-ジオレオイル-3-ジメチルアンモニウムプロパン(「DODAP」)、およびN-(1,2-ジミリストイルオキシプロプ-3-イル)-N,N-ジメチル-N-ヒドロキシエチルアンモニウムブロミド(「DMRIE」)が含まれるが、これに限定されない。さらに、例えば、リポフェクチン(GIBCO/BRLから入手可能なDOTMAおよびDOPEを含む)、およびリポフェクタミン (GIBCO/BRLから入手可能なDOSPAおよびDOPEを含む)などの多数の市販のカチオン性脂質調製物を使用することができる。
本発明における使用に適したアニオン性脂質には、ホスファチジルグリセロール、カルジオリピン、ジアシルホスファチジルセリン、ジアシルホスファチジン酸、N-ドデカノイルホスファチジルエタノロアミン(N-dodecanoyl phosphatidylethanoloamine)、N-スクシニルホスファチジルエタノールアミン、N-グルタリルホスファチジルエタノールアミン、リジルホスファチジルグリセロール、および中性脂質に結合した他のアニオン性改変基が含まれるが、これに限定されない。
1つの態様において、本発明のリポソームには、ポリアミド-オリゴマーコンジュゲート、例えば、ATTA-脂質(1998年2月2日に出願された米国特許出願第08/996,783号を参照されたい)ならびにPEG-脂質コンジュゲート(米国特許第5,820,873号、同第5,534,499号、および同第5,885,613号を参照されたい)などの、宿主免疫系によるリポソームの排除を弱めるクローキング剤(cloaking agent)も含めることができる。
プログラム可能な融合脂質製剤も本発明に含めるのに適している。このような製剤は細胞膜と融合する傾向がほとんどなく、所定のシグナル事象が起こるまで積荷(payload)を送達する。これにより、脂質製剤は生物または疾患部位に注射された後に均一に分布し、その後に、細胞と融合し始めることが可能になる。シグナル事象は、例えば、pH、温度、イオン環境の変化、または時間でもよい。最後の場合、融合遅延成分、またはATTA-脂質コンジュゲートもしくはPEG-脂質コンジュゲートなどの「クローキング」成分が、単に、リポソーム膜外に徐々に入れ替わってもよい。製剤は体内に適切に分布する時間までに、融合するのに十分なクローキング剤を失っている。他のシグナル事象の場合、炎症部位の温度の上昇などの疾患部位または標的細胞に関連するシグナルを選択することが望ましい。
ある特定の態様において、本発明のリポソームはスフィンゴミエリン(SM)を含む。本明細書で使用する一般的な用語スフィンゴミエリン(SM)は、任意の長鎖基部または脂肪酸鎖を有するSMを含む。天然のSMは、長鎖基部の炭素1にあるヒドロキシル基にホスホコリン頭部基が結合しており、長鎖基部の炭素2にあるアミド基に長い飽和アシル鎖が結合している(Barenholz, Y. Physiology of Membrane Fluidity, Vol. 1. M. Shinitsky編, CRC Press, Boca Raton, FL. 131-174 (1984)において概説されている)。培養細胞では、約90〜95%のSMは、長鎖基部としてスフィンゴシン(1,3-ジヒドロキシ-2-アミノ-4-オクタデセン)を含有し、C4とC5の間にトランス二重結合を含んでいるが、残りの大部分は、基部としてスフィンガニン(1,3-ジヒドロキシ-2-アミノ-4-オクタデカン)を有し、長鎖基部の炭素4と5の間にトランス二重結合が無い。後者のSMはジヒドロスフィンゴミエリン(DHSM)と呼ばれる。DHSMは脂肪酸鎖に1つまたは複数のシス二重結合を含んでもよい。1つの態様において、DHSMは、完全に飽和した脂肪酸鎖と、飽和した長い基部鎖の両方を含む。ジヒドロスフィンゴミエリンは、より具体的には任意のN-アシルスフィンガニル-1-O-ホスホリルコリン誘導体と本明細書において定義される。SM、または具体的にはDHSMを含むリポソームは、米国特許仮出願第60/571,712号においてさらに詳細に説明されている。
関連する態様において、本発明のリポソームは、SMおよびコレステロール、またはDHSMおよびコレステロールを含む。SMおよびコレステロールを含むリポソームはスフィンゴソーム(sphingosome)と呼ばれ、米国特許第5,543,152号、同第5,741,516号、同第5,814,335号においてさらに説明されている。リポソーム組成物におけるSMとコレステロールの比は変化してもよい。1つの態様において、この比は、75/25(mol%/mol%)SM/コレステロール、30/70(mol%/mol%)SM/コレステロール、60/40(mol%/mol%)SM/コレステロールから、40/60(mol%/mol%)SM/コレステロールまたは約55/45(mol%/mol%)SM/コレステロールの範囲にある。一般的に、他の脂質が含まれる場合、このような脂質を含めると、SM/コレステロールの比は低下する。リポソーム組成物におけるDHSMとコレステロールの比も変化してよい。1つの態様において、この比は、75/25(mol%/mol%)DHSM/コレステロール、30/70(mol%/mol%)DHSM/コレステロール、60/40(mol%/mol%)DHSM/コレステロールから、40/60(mol%/mol%)DHSM/コレステロールまたは約55/45(mol%/mol%)DHSM/コレステロールの範囲にある。一般的に、他の脂質が含まれる場合、このような脂質を含めると、DHSM/コレステロールの比は低下する。
ある特定の態様において、細胞タイプまたは組織に特異的な標的化部分を用いて本発明のリポソームを標的化することが望ましい。リガンド、細胞表面受容体、糖タンパク質、ビタミン(例えば、リボフラビン)、およびモノクローナル抗体などの様々な標的化部分を用いたリポソームの標的化が以前に述べられている(例えば、米国特許第4,957,773号および同第4,603,044号を参照されたい)。標的化部分はタンパク質全体またはその断片を含んでもよい。多種多様な標的化剤および標的化方法が、当技術分野において、例えば、Sapra, P. and Allen, TM, Prog. Lipid Res. 42(5):439-62 (2003);およびAbra, RM et al., J. Liposome Res. 12:1-3, (2002)において述べられている。
標的化のために、ポリエチレングリコール(PEG)鎖などの親水性ポリマー鎖の表面コーティングを有するリポソームを使用することが提案されている(Allen, et al., 1995; DeFrees, et al., 1996; Blume, et al., 1993; Klibanov, et al., 1992; Woodle, 1991; Zalipsky, 1993; Zalipsky, 1994; Zalipsky, 1995)。1つのアプローチでは、リポソームを標的化するために、抗体などのリガンドが、リポソームを形成する脂質の極性頭部基に結合される。別のアプローチでは、親水性ポリマーコーティングを形成するPEG鎖の末端に標的化リガンドが取り付けられる(Klibanov et al., 1992; Kirpotin, et al., 1992)。
標的化剤を結合するために標準的な方法を使用することができる。例えば、標的化剤を取り付けるために活性化することができるホスファチジルエタノールアミン、または脂質で誘導体化されたブレオマイシンなどの誘導体化された親油性化合物を使用することができる。抗体で標的化されたリポソームは、例えば、プロテインAを組み込んだリポソームを用いて構築することができる(Renneisen, et al., J. Bio. Chem., 265:16337-16342 (1990)およびLeonetti, et al., Proc. Natl. Acad. Sci. (USA), 87:2448-2451 (1990)を参照されたい)。抗体コンジュゲーションの他の例は米国特許第6,027,726号に開示される。標的化部分の例として、新生物または腫瘍に関連する抗原を含む、細胞成分に特異的な他のタンパク質も含まれる。標的化部分として用いられるタンパク質は共有結合によってリポソームに取り付けることができる(Heath, Covalent Attachment of Proteins to Liposomes, 149 Methods in Enzymology 111-119 (Academic Press, Inc. 1987)を参照されたい)。他の標的化方法にはビオチン-アビジン系が含まれる。
2.リポソームを調製する方法
リポソームを調製するための様々な方法は、例えば、Szoka, et al., Ann. Rev. Biophys. Bioeng. 9:467 (1980);米国特許第4,186,183号、同第4,217,344号、同第4,235,871号、同第4,261,975号、同第4,485,054号、同第4,501,728号、同第4,774,085号、同第4,837,028号、同第4,946,787号;PCT公開公報第91/17424号; Deamer and Bangham, Biochim. Biophys. Acta 443:629-634 (1976); Fraley, et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 76:3348-3352 (1979); Hope, et al, Biochim. Biophys. Acta 812:55-65 (1985); Mayer, et al., Biochim. Biophys. Acta 858:161-168 (1986); Williams, et al., Proc. Natl. Acad. Sci. 85:242-246 (1988); Liposomes, Marc J. Ostro, ed., Marcel Dekker, Inc., New York, 1983, Chapter 1; Hope, et al., Chem. Phys. Lip. 40:89 (1986);およびLiposomes: A Practical Approach, Torchilin, V.P. et al., ed., Oxford University Press (2003)、ならびにこれらに引用された参考文献に記載の方法を含めて当技術分野において公知である。適切な方法には、超音波処理、押し出し、高圧/ホモジナイゼーション、微少溶液操作、界面活性剤透析、カルシウムより誘導されるリポソーム小胞融合、およびエーテル注入法が含まれるが、これに限定されず、これらは全て当技術分野において周知である。
リポソームを調製する別の方法も使用することができる。例えば、界面活性剤透析に基づく脂質粒子自己集合を伴う方法が米国特許第5,976,567号に開示および請求されている。この方法は、時間がかかり、スケール変更しにくい乾燥段階および再構成段階を避けている。連続フロー水和を用いてリポソームを調製するさらなる方法は開発されている最中であり、多くの場合、最も有効な大規模製造プロセスを提供することができる。
ある方法によって、不均一なサイズのマルチラメラ小胞が得られる(Bangham, A. and Haydon, D.A., Br Med Bull. 24(2): 124-6 (1968)およびBangham, A.D., Prog Biophys Mol Biol. 18:29-95 (1968))。この方法では、薄い脂質フィルムを形成するために、小胞を形成する脂質が適切な有機溶媒または溶媒系に溶解され、減圧下または希ガス下で乾燥される。所望であれば、容易に水和する粉末の形をした均一な脂質混合物を形成するために、フィルムは3級ブタノールなどの適切な溶媒に再溶解され、次いで、凍結乾燥されてもよい。このフィルムは緩衝水溶液で覆い、典型的に、攪拌しながら15〜16分間にわたって水和させておく。結果として生じるマルチラメラ小胞のサイズ分布は、より激しい攪拌条件下で脂質を水和することによって、またはデオキシコレートなどの可溶化界面活性剤を添加することによって、より小さなサイズに変えることができる。
ユニラメラ小胞は超音波処理または押し出しによって調製することができる。超音波処理は、一般的に、氷浴中で、Bransonチップソニケーターなどのチップソニケーターを用いて行われる。典型的に、懸濁液は切断超音波処理サイクルにかけられる。押し出しは、Lipex Biomembrane Extruderなどの生体膜押出機によって行われてもよい。押し出しフィルター中の規定された孔径によって、特定のサイズのユニラメラリポソーム小胞が得られてもよい。リポソームはまた、Norton Company, Worcester MAから市販されているCeraflow Microfilterなどの非対称セラミックフィルターに通して押し出すことによって形成されてもよい。ユニラメラ小胞はまた、リン脂質をエタノールに溶解し、次いで、脂質を緩衝液に注入して、自発的に脂質がユニラメラ小胞になることによって作成されてもよい。また、界面活性剤、例えば、コール酸塩、TritonX、またはn-アルキルグルコシドにリン脂質が可溶化されてもよい。薬物を、可溶化された脂質と界面活性剤のミセルに添加した後に、界面活性剤は、透析、ゲル濾過、アフィニティクロマトグラフィー、遠心分離、および限外濾過を含む、可能性のある多数の任意の方法によって除去される。
リポソームの調製後、形成中に所定のサイズにならなかったリポソームは、望ましいサイズ範囲および比較的狭いリポソームサイズ分布になるように所定のサイズにすることができる。約0.2〜0.4ミクロンのサイズ範囲であると、従来のフィルターによる濾過によってリポソーム懸濁液を滅菌することができる。リポソームが約0.2〜0.4ミクロンまで小さくなっていたら、フィルター滅菌法をハイスループットに行うことができる。
リポソームを望ましいサイズにするために、いくつかの技法を使用することができる。リポソームを所定のサイズにするための一般的な方法には、例えば、米国特許第4,737,323号に記載の方法を含むバスもしくはプローブによる超音波処理またはホモジナイゼーションが含まれる。バスもしくはプローブによる超音波処理によってリポソーム懸濁液を超音波処理すると、約0.05ミクロン未満のサイズの小さなユニラメラ小胞まで、サイズが順次小さくなる。ホモジナイゼーションは、大きなリポソームを小さなリポソームに断片化するために剪断エネルギーに頼る別の方法である。典型的なホモジナイゼーション手順では、選択されたリポソームサイズ、典型的には約0.1〜0.5ミクロンが観察されるまで、マルチラメラ小胞が標準的なエマルジョンホモジナイザーによって再循環される。リポソーム小胞のサイズは、参照により本明細書に組み入れられるBloomfield, Ann. Rev. Biophys. Bioeng., 10:421-450 (1981)に記載のように、準電気光散乱(quasi-electric light scattering)(QELS)によって求められてもよい。リポソーム平均直径は、形成されたリポソームの超音波処理によって小さくされてもよい。断続的な超音波処理サイクルと、効率的なリポソーム合成を導くQELS評価が交互に行われてもよい。
リポソームを小孔ポリカーボネート膜または非対称セラミック膜に通して押し出しするのもまた、リポソームサイズを比較的はっきりとしたサイズ分布まで小さくする効果的な方法である。典型的に、望ましいリポソームサイズ分布が得られるまで、懸濁液は、1回または複数回、膜に通して循環される。リポソームサイズを徐々に小さくするために、リポソームは、連続して孔が小さくなる膜に通して押し出されてもよい。リポソームサイズは、例えば、従来のレーザービーム粒径識別などを含む公知の技法によって決定およびモニタリングすることができる。
任意のサイズのリポソームを本発明に従って使用することができる。ある特定の態様において、本発明のリポソームのサイズは、直径が約0.05ミクロン〜約0.45ミクロン、約0.05〜約0.2ミクロン、または0.08〜0.12ミクロンである。1つの態様において、本発明のリポソームは直径が約0.1ミクロンである。他の態様において、本発明のリポソームは、約0.45ミクロン〜約3.0ミクロン、約1.0〜約2.5ミクロン、約1.5〜約2.5ミクロン、および約2.0ミクロンである。
ある特定の態様において、リポソームへのカンプトテシンの充填を容易にするようにリポソームが調製される。例えば、ある特定の態様において、下記の方法による薬物充填を容易にするためにpH勾配または膜内外電位差を有するリポソームが調製される。従って、ある特定の態様では、本発明において用いられるリポソームは膜にまたがってpH勾配を備える。1つの態様において、リポソームの内部のpHは外部のpHより低い。このような勾配は、例えば、リポソームを低pH緩衝液、例えば、pH約2〜約6の緩衝液の存在下で処方し、その後に、リポソームをより高いpH溶液に移すことによって得ることができる。例えば、リポソームを所定のサイズにする前または所定のサイズにした後に、リン酸ナトリウム緩衝液などの適切な緩衝液を添加することによって、外側pHを、例えば、約7または7.5に上げてもよい。また、1つの態様では、本発明において用いられるリポソームは膜内外電位差を備えるのに対して、別の態様では、本発明のリポソームは膜内外電位差を備えない。
B.カンプトテシン
本発明は、カンプトテシンを含むリポソーム組成物を含む。本明細書で使用する用語「カンプトテシン」は、カンプトテシン、ならびにカンプトテシンの任意のおよび全ての塩、誘導体、および類似体を含む。カンプトテシン(CPT)化合物には、様々な20(S)-カンプトテシン、20(S)カンプトテシン類似体、および20(S)-カンプトテシン誘導体が含まれる。カンプトテシンは、本発明の状況において用いられる場合、植物アルカロイド20(S)-カンプトテシン、置換カンプトテシンおよび非置換カンプトテシン、ならびにその類似体を含む。カンプトテシン誘導体の例には、9-ニトロ-20(S)-カンプトテシン、9-アミノ-20(S)-カンプトテシン、9-メチル-カンプトテシン、9-クロロカンプトテシン、9-フロウロ(flouro)-カンプトテシン、7-エチルカンプトテシン、10-メチルカンプトテシン、10-クロロ-カンプトテシン、10-ブロモ-カンプトテシン、10-フルオロ-カンプトテシン、9-メトキシ-カンプトテシン、11-フルオロ-カンプトテシン、7-エチル-10-ヒドロキシカンプトテシン、10,11-メチレンジオキシカンプトテシンおよび10,11-エチレンジオキシカンプトテシン、7-(4-メチルピペラジノメチレン)-10,11-メチレンジオキシ-20(S)-カンプトテシン、7-(4-メチルピペラジノメチレン)-10,11-エチレンジオキシ-20(S)-カンプトテシン、ならびに7-(2-N-イソプロピルアミノ)エチル)-(20S)-カンプトテシン(CKD-602とも呼ばれる)が含まれるが、これに限定されない。カンプトテシンのプロドラッグには、米国特許第号5,731,316号に記載のような、カンプトテシン20-O-プロピオネート、カンプトテシン20-O-ブチレート、カンプトテシン20-O-バレレート、カンプトテシン20-O-ヘプタノエート、カンプトテシン20-O-ノナノエート、カンプトテシン20-O-クロトネート、カンプトテシン20-O-2',3'-エポキシブチレート、ニトロカンプトテシン20-O-アセテート、ニトロカンプトテシン20-O-プロピオネート、およびニトロカンプトテシン20-O-ブチレートなどのエステル化カンプトテシン誘導体が含まれるが、これに限定されない。20(S)-カンプトテシンの特定の例には、9-ニトロカンプトテシン、9-アミノカンプトテシン、10,11-メチレンジオキシ-20(S)カンプトテシン、トポテカン、イリノテカン、7-エチル-10-ヒドロキシカンプトテシン、または7位、9位、10位、11位、もしくは12位の少なくとも1つで置換された別の置換カンプトテシンが含まれる。これらのカンプトテシンは、例えば、7位、9位、10位、11位、および/または12位で置換されていてもよい。このような置換は、非置換カンプトテシン化合物を上回る差異的な活性をもたらすのに役立ち得る。置換カンプトテシンの例には、9-ニトロカンプトテシン、9-アミノカンプトテシン、10,11-メチレンジオキシ20(S)-カンプトテシン、トポテカン、イリノテカン、エキサテカン、7-エチル-10-ヒドロキシカンプトテシン、または7位、9位、10位、11位、もしくは12位の少なくとも1つで置換された別の置換カンプトテシンが含まれる。
トポテカンはカンプトテシンの半合成構造類似体である。トポテカンは水溶性であり、完全な状態のラクトン環を含む。このラクトン環は、可逆的なpH依存反応において開環して、カルボン酸誘導体を形成し得る。pH4より下では、開環型は存在しないのに対して、pH9より上では、95%超が加水分解される。ラクトン型のみが薬理学的に活性であり、DNA複製に重要な酵素であるトポイソメラーゼIを阻害することによって癌細胞増殖を阻害する。最近、勾配充填法によってSM/コレステロール(55:45)リポソームなどのSM/コレステロールリポソームに封入された塩酸トポテカン(Hycamtin(商標)、SmithKline Beecham)の抗腫瘍活性から、遊離トポテカンより低い用量、小さな付随する毒性で、驚くべき抗癌効力が得られることが発見された(米国特許出願第09/896,811号に記載)。1つの態様において、カンプトテシンはトポテカンまたはその塩もしくは誘導体である。
カンプトテシン誘導体はそれ自体で治療活性があってもよく、さらに改変されると活性になるプロドラッグでもよい。従って、1つの態様では、カンプトテシン誘導体は、改変されていない薬剤と比較して治療活性の一部または全てを保持するのに対して、別の態様では、カンプトテシン誘導体は、さらに改変しなければ治療活性が無い。
カンプトテシンは、沈殿物または粒子を形成する分解産物を生じてもよい。この形成速度は、本明細書において開示される組成物および方法によって低下する。本発明は、薬物リポソーム製剤の外側溶液において沈殿物の形成および/または蓄積を減少させるための組成物および方法を提供する。従って、ある特定の態様では、本発明は、カンプトテシンがリポソーム製剤に存在する時に外側溶液中に沈殿するカンプトテシンの分解産物または汚染物質に特に有用である。このような沈殿は、例えば、外側溶液のpHおよび酸化プロセスを含む様々な任意の要因によって引き起こされてもよく、貯蔵中にカンプトテシンがリポソームから漏出することに関連してもよい。従って、本発明は、ある特定の態様では、外側溶液中に沈殿するカンプトテシン、酸化を受けているカンプトテシン、pH依存性の分解もしくは沈殿を受けているカンプトテシン、またはリポソームから漏出したカンプトテシンを含むリポソーム組成物を含む。例えば、1つの態様において、本発明は、外側溶液において安定でないカンプトテシンを意図する。このような薬物の特徴は一般的に当技術分野において公知であり、例えば、King, R.E., Remington's Pharmaceutical Sciences, 17th Ed., Mack Publishing Co., Philadelphia, PA, 1985を含む文献において述べられている。
本明細書に記載の本発明に従って粒子形成の少ない製剤として改変または調製することができるリポソームトポテカン組成物には、例えば、米国特許出願第09/896,811号に記載の組成物が含まれる。ある特定の態様において、本発明は、約0.01mg/M2/用量〜約7.5mg/M2/用量の単位剤形を含み、約0.05〜約0.2の薬物:脂質比(重量比)を有するリポソームトポテカン製剤を提供する。ある特定の局面において、薬物:脂質比(重量比)は約0.05〜約0.15である。別の局面において、リポソームトポテカン単位剤形は約1mg/M2/用量〜約4mg/M2/用量のトポテカンである。
天然の、置換されていないカンプトテシンは天然抽出物の精製によって得ることができるか、またはStehlin Foundation for Cancer Research (Houston, Tex.)から入手することができる。置換カンプトテシンは文献において公知の方法を用いて得ることができるか、または商業的供給業者から入手することができる。例えば、9-ニトロカンプトテシンはSuperGen, Inc. (San Ramon、Calif.)から入手することができ、9-アミノカンプトテシンはIdec Pharmaceuticals (San Diego、Calif.)から入手することができる。カンプトテシンおよび様々な類似体はまた、Sigma Chemicalsなどの標準的なファインケミカル供給会社から入手することもできる。トポテカン(Hycamtin)はSmithkline Beecham (Middlesex、United Kingdom)から市販されているか、またはKingsbury et al., 1991 , J. Med. Chem. 34: 98-107に記載のようにカンプトテシンから合成することができる。
C.リポソームを充填する方法
本発明のリポソーム製剤は、一般的に、カンプトテシンをリポソームに充填することによって調製される。充填は、以下でさらに詳細に説明される手段を含む、当技術分野において利用可能な任意の手段によって達成され得る。さらに、本発明は、受動的充填法または能動的充填法の使用を意図する。
受動的充填は、一般的に、リポソームを形成または再構成する時に、薬物を緩衝液に添加することを必要とする。これにより、薬物をリポソーム内部に閉じ込めることができる。薬物が脂溶性でなく、小胞が完全な状態のままであれば、薬物はリポソーム内部にとどまる(このような方法は、例えば、PCT公開公報第95/08986号において述べられている)。
ある特定の受動的充填法では、全ての化学種が混和する有機溶媒に薬物およびリポソーム成分が溶解され、乾燥フィルムに濃縮される。次いで、緩衝液が乾燥フィルムに添加され、薬物が小胞壁に取り込まれているリポソームが形成される。または、薬物は緩衝液に入れられ、脂質成分だけからなる乾燥フィルムに添加されてもよい。このやり方では、薬物はリポソームの内部水溶液に封入される。リポソームの形成に用いられる緩衝液は、例えば、等張食塩水、リン酸緩衝食塩水、または他の低イオン強度緩衝液の生物学的に適合する任意の緩衝溶液でよい。次いで、結果として生じたカンプトテシン含有リポソームは、前記のように所定のサイズにすることができる。
本発明のリポソーム組成物は能動的充填法を用いて調製することもできる。非常に多くの能動的充填法が当業者に公知である。このような方法は、典型的に、親油性化合物をリポソーム内部に引き寄せる、なんらかの形の勾配の確立を伴う。勾配が維持されている限り、親油性化合物はリポソーム内部に存在することができる。内部に、極めて多量の所望のカンプトテシンを得ることができる。時として、カンプトテシンは内部に析出し、連続的な取り込み勾配を生じることがある。膜にまたがるpH勾配またはイオン勾配を伴う能動的充填法を用いて、100%に近い封入効率で、多種多様なカンプトテシンをリポソームに充填することができる(Mayer, et al., Biochim. Biophys. Acta 1025:143-151 (1990)および Madden, et al., Chem. Phys. Lipids 53:37-46 (1990)を参照されたい)。
膜内外電位差充填は、(イオノフォア充填を開示する)米国特許第4,885,172号;同第5,059,421号;同第5,171,578号;および同第5,837,282号において詳細に述べられている。簡単に述べると、膜内外電位差充填法は、適切な水性媒体に溶解された時に荷電した状態で存在することができる、例えば、従来の薬物を含む、本質的に任意のカンプトテシンを用いて使用することができる。ある特定の態様では、カンプトテシンは比較的親油性があり、リポソーム膜に分配される。リポソームまたはタンパク質-リポソーム複合体の二重層にまたがって膜内外電位差が作り出され、カンプトテシンは膜内外電位差によってリポソームに充填される。膜内外電位差は、膜にまたがって1つまたは複数の荷電化学種(例えば、Na+、K+、および/またはH+)の濃度勾配を作り出すことによって生じる。この濃度勾配は、異なる内部媒体および外部媒体を有し、関連するプロトン勾配を有するリポソームを作成することによって作り出される。次いで、Henderson-Hasselbach式によって予測されるように、カンプトテシンが蓄積される。
本発明のリポソーム組成物を生成するために、例えば、トポテカンを含むカンプトテシンを充填する特定の方法の1つは、米国特許第5,837,282号に開示および主張されるようなイオノフォアを介した充填である。この手順に用いられるイオノフォアの一例がA23187である。水素イオンが小胞に運ばれると、それに伴って、小胞から金属イオンが2:1の比で運び出される(すなわち、実効電荷の移動は無い)。イオノフォアを介した充填は電気的に中性なプロセスであるので、膜内外電位差は生じない。
従って、本発明は、イオノフォアを介した充填を介してリポソームを充填する方法を提供する。同様に、本発明は、イオノフォアを介した充填を含む本明細書に記載のリポソーム充填法に従って、DHSMを含むリポソームにカンプトテシンを充填する工程を含む、本発明のリポソーム組成物を調製または製造する方法を提供する。
さらなる態様において、充填は少なくとも60℃、少なくとも65℃、または少なくとも70℃の温度で行われる。特定の態様において、充填は60°〜70°の範囲内の温度で行われる。ある特定の態様において、充填は60℃または70℃で行われる。充填は、任意の濃度のカンプトテシン(例えば、薬物)の存在下で、または本明細書に記載の任意の薬物:脂質比を含む任意の望ましい薬物:脂質比で行うことができる。ある特定の態様において、充填は、.005薬物:脂質(重量比)〜約1.0薬物:脂質(重量比)の範囲内の薬物:脂質比で行われる。特定の態様において、充填は、0.4薬物:脂質(重量比)〜1.0薬物:脂質(重量比)の範囲内の薬物:脂質比で行われる。他の特定の態様において、充填は、0.4薬物:脂質(重量比)または1.0薬物:脂質(重量比)の薬物:脂質比で行われる。
本発明の最終リポソーム製剤の最終的な薬物:脂質比は、当技術分野において利用可能な技法によって処方することができる広範囲の適切な比を含む。当技術分野において利用可能な技法には、例えば、1)各リポソームが同じ薬物:脂質比を含む同種リポソームを使用すること、または2)薬物:脂質比の適切な平均を得るために、空のリポソームと薬物:脂質比の高いリポソームを混合することが含まれる。異なる用途の場合、異なる薬物:脂質比が望ましい場合がある。薬物:脂質比は、重量比、モル比、または他の任意の指定された基準で測定することができる。ある特定の態様において、薬物:脂質比は、約.005薬物:脂質(重量比)〜約.2薬物:脂質(重量比)、約.01〜約.2薬物:脂質(重量比)、約.01〜約.05薬物:脂質(重量比)、約.01薬物:脂質(重量比)〜約.02薬物:脂質(重量比)である。他の態様において、薬物:脂質比は、約.005〜約0.5(重量比)、約.01〜約0.4(重量比)、約.05〜約0.4(重量比)、約.05〜約0.3(重量比)、および約.1〜約.4(重量比)である。さらなる態様において、薬物:脂質比は、約.01〜約1.0、約.05〜約1.0、約.1〜約1.0、および約.5〜約1.0(重量比)である。他の態様において、薬物:脂質比は、少なくとも.01、少なくとも.05、少なくとも.1、少なくとも.2、少なくとも.3、少なくとも.4、少なくとも.5、少なくとも.6、少なくとも.7、少なくとも.8、少なくとも.9、または少なくとも1.0(重量比)である。
本発明はまた、本発明のリポソーム組成物を調製する方法、および本発明のリポソーム組成物を作成または製造する方法も提供する。一般的に、このような方法は、本発明のリポソームにカンプトテシンを充填する工程を含む。充填は、本明細書に記載の手段、特に、本明細書に記載のイオノフォアを介した充填法を含む、当技術分野において入手可能な任意の手段によって達成することができる。このような方法は、被験体に投与するのに適した薬学的組成物を生成するために、結果として生じた組成物を処方する工程をさらに含んでもよい。
1つの態様において、本発明において用いられるリポソームは膜内外電位差を備えるのに対して、別の態様では、本発明のリポソーは膜内外電位差を備えない。
D.外側溶液における粒子形成を減少させるための組成物および方法
本発明は、例えば、リポソームトポテカン製剤を含むリポソームカンプトテシン製剤の外側溶液において、粒子もしくは結晶の形成を減少させるための組成物、製剤、および方法、またはカンプトテシンの安定性を高めるための組成物、製剤、および方法を提供する。これらの方法および製剤の特徴は、粒子形成の量を減少させる、粒子形成の速度を遅くする、および/または形成される粒子サイズを小さくするために単独で、または組み合わせて使用することができる。従って、関連する態様において、本発明は、カンプトテシンおよび1つまたは複数の下記の特徴を含むリポソーム組成物を含む。
トポテカンHClそれ自体は溶解状態で比較的安定であると考えられているが、時が経つにつれて分解産物が形成する(Kramer and Thiesen, Journal of Oncology Pharmacy Practice 5:75-82 (1999))。しかしながら、驚くべきことに、リポソームトポテカン製剤が2〜8℃で貯蔵された時を含めて、経時的に外側溶液中に結晶粒子を蓄積することが本発明によって発見された。トポテカン分解生成物を1%未満含有するリポソームトポテカン製剤の外側溶液中に見られる結晶粒子の量は、1年経たずにUSP粒子試験に不合格になるのに十分な可能性がある。さらに、これらの結晶粒子は、前記のトプトエカン(toptoecan)のカルボン酸誘導体とは異なるトポテカン分解産物トポテカン二量体(SKF-107030とも呼ばれる)を含むことが発見された。特定の理論に拘束されるつもりはないが、現在、トポテカン二量体を生成する分解プロセスはpH依存的であり、酸化またはフリーラジカル機構を伴うと考えられている。従って、1つの態様において、本発明は、トポテカンおよび抗酸化物質またはフリーラジカルスカベンジャーを含むリポソーム組成物を含む。
ある特定の態様において、本発明の組成物および方法は、リポソームにカンプトテシンを充填した後の任意の時点で、および任意の温度で、リポソーム製剤におけるカンプトテシンの安定性を向上すると本明細書で説明された1つまたは複数の特徴を含まないリポソーム組成物を比較して、本明細書に記載の方法を含む任意の利用可能な方法によって外側溶液中に検出される結晶数の少なくとも1/2、1/5、1/10、1/20、1/30、1/40、1/50、1/100、1/200、1/500、または1/1000の減少を示す。
1.低pH外側溶液
以下の実施例1に記載のように、貯蔵時にリポソームトポテカン製剤において結晶粒子が発生することが見出された。驚くべきことに、外側pHが約pH4.5またはそれより低い時に、粒子形成速度を著しく遅くできることが発見された。従って、本発明は、カンプトテシンを含み、低pHの外側溶液を有するリポソーム製剤を含む。実施例1および2に記載のように、本発明のこの局面は、外側溶液のpHを下げると、粒子形成が驚くほど大幅に少なくなるという注目に値する、予想もつかなかった発見に基づいている。
特定の理論に拘束されるつもりはないが、カンプトテシンが溶解しやすいpHでは、カンプトテシンは分解および/または粒子形成を受けにくい可能性がある。従って、本発明は、外側溶液のpHが、ある特定の他のpHと比較してカンプトテシンが溶解するpHまたはカンプトテシンが分解を受けにくいpHである、カンプトテシンを含むリポソーム組成物をさらに含む。1つの態様において、外側溶液のpHは、カンプトテシンが最も溶解するか、または最も分解しないpHから1、2、または3pH単位の中にある。本明細書に記載のpH勾配を介した充填を含む、リポソームにカンプトテシンを充填するある特定の方法は、例えば、pHがリポソーム内側で低く、リポソーム外側では高くなるように、リポソーム膜にまたがってpH勾配を生じさせる工程を含む。このpH勾配によって、外部溶液に存在するカンプトテシンはリポソーム内部に送達される。典型的に、充填後の外部溶液のpHは中性または塩基性である。pHが低い時には、外側溶液において形成される沈殿物が少ないという本発明の驚くべき発見を考慮して、本発明は、標準的なpH勾配を介した充填法、膜内外電位差を介した充填法、またはイオノフォアを介した充填法に従ってリポソームにカンプトテシンを充填する工程、その後に、外側溶液のpHを下げる工程を含む、カンプトテシンを含むリポソーム組成物を調製する方法を提供する。外側緩衝液のpHは、例えば、外側溶液への酸性緩衝液の添加または外側溶液と低pH溶液との交換を含む、様々な任意の日常的な方法によって下げることができる。
特定の態様において、本発明は、カンプトテシンを含み、外側溶液pHが6.0未満、または好ましくは、4.5未満または4.5のリポソーム製剤を含む。1つの態様において、カンプトテシンはトポテカンである。特定の態様において、pHは、4.5未満もしくは4.5、4.2未満もしくは4.2、4.0未満もしくは4.0、3.8未満もしくは3.8、3.5未満もしくは3.5、3.2未満もしくは3.2、または3未満もしくは3である。他の態様において、pHは、pH3〜4ならびにpH3およびpH4を含む範囲、またはpH3〜4.5ならびにpH3およびpH4.5を含む範囲にある。別の態様において、リポソームはスフィンゴミエリンおよびコレステロールを含む。さらなる態様において、リポソームはDHSMおよびコレステロールを含む。
2.クエン酸緩衝液および酒石酸緩衝液
本発明はまた、実施例2に記載のように、外側溶液の緩衝液組成物が沈殿物の形成を著しくもたらすという驚くべき発見に関連する組成物および方法も提供する。従って、本発明は、外側溶液にクエン酸緩衝液または酒石酸緩衝液を使用する工程を含む、カンプトテシン、例えば、トポテカンを含むリポソーム組成物の外側溶液において粒子形成を減少させる方法を含む。
関連する態様において、本発明は、カンプトテシンが封入されているリポソームを含むリポソーム製剤であって、リポソームの外側溶液がクエン酸緩衝液または酒石酸緩衝液であるリポソーム製剤を含む。クエン酸緩衝液または酒石酸緩衝液は任意のpHまたは濃度で存在してもよい。従って、ある特定の態様において、クエン酸塩または酒石酸塩で緩衝化された外側溶液のpHは酸性または中性である。特定の態様において、外側溶液のpHはpH6もしくはそれ以下、または約pH6〜約pH7.5である。特定の態様において、pHは、約3、約3.5、約4、約4.5、約5、約5.5、または約6である。1つの態様において、pHは3および6であるか、または3〜6である。1つの態様において、リポソーム製剤は、約pH4.0のクエン酸緩衝液または約pH4.0の酒石酸緩衝液を含有する。クエン酸緩衝液または酒石酸緩衝液の濃度は変化してもよいが、ある特定の態様では、濃度は100mM未満もしくは100mM、または1mM超もしくは1mMである。特定の態様において、濃度は、1〜100mM、1〜10mM、10〜20mM、10〜50mM、または10〜100mMである。特定の1つの態様において、濃度は約10mMである。
クエン酸外側緩衝液または酒石酸外側緩衝液を有するリポソーム製剤は、本明細書に記載のように容易に調製することができる。例えば、リポソームにカンプトテシンを充填した後、日常的な方法によって、充填に用いられた外側緩衝液を、好ましいpHのクエン酸緩衝液または酒石酸緩衝液と交換することができる。
3.空のリポソーム
本発明のさらなる関連する局面は、リポソームに封入されたカンプトテシンを含むリポソーム製剤に空のリポソームを含めることによって、粒子形成を減少させる方法を提供する。実施例3に記載のように、リポソーム製剤に空の小胞を含めると、外側溶液における沈殿物の形成が少なくなるというのが本発明の驚くべき発見である。理論に拘束されるつもりはないが、空の小胞は疎水性分解産物を集めるシンク(sink)として役立ち、それによって、外側溶液におけるこれらの分解産物の沈殿または結晶化を阻止すると考えられる。
従って、本発明は、カンプトテシンを含むリポソーム製剤に空の小胞を添加する工程を含む、カンプトテシンを含むリポソーム製剤の外側媒体における粒子形成を減少させる方法を含む。さらに、本発明は、カンプトテシン含有リポソームおよび空のリポソームを含むリポソーム組成物を含む。充填された小胞および空の小胞を含むリポソーム組成物は、例えば、米国特許出願第10/788,649号においてさらに詳細に述べられている。
本発明によれば、空のリポソームは、充填された小胞と同じおよび/または異なる脂質構成成分を含んでもよい。さらに、空のリポソームは、充填された小胞と同じまたは類似するサイズでもよい。空のリポソームは、充填されたリポソームと比較して、広範囲の異なる比で本発明のリポソーム製剤に存在してもよい。例えば、空のリポソームと充填されたリポソームの比は、ある特定の態様では、1:1未満もしくは1:1、3:1未満もしくは3:1、または10:1未満もしくは10:1(脂質wt/wt)である。他の態様において、空のリポソームと充填されたリポソームの比は、1:1超もしくは1:1、3:1超もしくは3:1、または10:1超もしくは10:1(脂質wt/wt)である。特定の態様において、空のリポソームと充填されたリポソームの比は、約1:1、3:1、または7:1(脂質wt/wt)である。
4.抗酸化物質およびフリーラジカルスカベンジャー
本発明の別の驚くべき発見は、実施例4において証明されたように、リポソーム製剤に抗酸化物質またはフリーラジカルスカベンジャーが存在すると、外側溶液における粒子形成が劇的に少なくなることである。従って、本発明は、抗酸化物質をリポソーム製剤に添加する工程を含む、リポソーム製剤の外側溶液において粒子形成を減少させる方法を提供する。さらに、本発明は、カンプトテシンおよび抗酸化物質を含むリポソーム製剤を含む。抗酸化物質はリポソームの内部に存在してもよく、リポソームの脂質層に組み込まれてもよく、リポソーム製剤の外部溶液に存在してもよい。一般的に、疎水性の抗酸化物質が脂質二重層に存在し、親水性の抗酸化物質が内部空間または外側溶液に存在する。
本発明に従って様々な抗酸化物質を使用することができる。抗酸化物質には、アスコルビン酸(ビタミンC)、アルファトコフェロール(αトコフェロール)、βカロチン(ビタミンA)、および他のカロテノイド(例えば、ルテイン)、ならびにセレンが含まれるが、これに限定されない。抗酸化物質は、様々な異なる濃度でリポソーム製剤の中に含めることができる。例えば、様々な態様において、αトコフェロールは、(脂質と比較して)1モルパーセント未満もしくは1モルパーセントの濃度で、2モルパーセント未満もしくは2モルパーセント、または5モルパーセント未満もしくは5モルパーセントでリポソーム膜に含まれる。
リポソーム製剤に抗酸化物質を含めることに加えて、さらに、本発明は、他の手段によってカンプトテシンの粒子形成を減少させる、またはカンプトテシンの酸化を低下させる方法を提供する。他の手段には、窒素でパージすることによって、および/またはバイアルに入れられたリポソーム製剤を、酸素含有量が大気の酸素含有量より低い窒素雰囲気下で密封することによって、溶液中の酸素の分圧を低くすることを含むが、これに限定されない。特定の態様において、酸素含有量は、15%未満もしくは15%、10%未満もしくは10%、8%未満もしくは8%、5%未満もしくは5%、4%未満もしくは4%、または3%未満もしくは3%である。
5.MnSO4
以下の実施例5に記載のように、ある特定の塩を、カンプトテシンを含むリポソームの内部に使用すると、外側溶液における沈殿物形成が少なくなることが本発明の驚くべき発見であった。従って、本発明は、リポソームの内部に、粒子形成を減少させる塩または二価カチオン、例えば、MnSO4またはMn2+を含めることによって外部溶液における粒子形成を減少させる方法を含む。
さらに、本発明は、リポソーム内部にカンプトテシンおよびMnSO4またはMn2+を含むリポソーム組成物を提供する。関連する態様において、カンプトテシンを含むリポソームの内部にある塩または二価カチオンはMnSO4またはMn2+である。1つの態様において、カンプトテシンはトポテカンであり、本発明は、リポソーム内部に、トポテカンおよびMnSO4またはMn2+を含むリポソーム組成物を含む。好ましい態様において、リポソームはスフィンゴミエリンおよびコレステロールを含む。さらに好ましい態様において、リポソームはDHSMおよびコレステロールを含む。
MnSO4またはMn2+を含むリポソーム組成物は、本質的に当技術分野において公知のように、および実施例1に記載のように、MnSO4の代わりにMgSO4などの他の塩を使用することによって調製することができる。
6.脂質成分
実施例5に記載の本発明の驚くべき発見は、カンプトテシンを含むリポソーム製剤の特定の脂質成分が外側溶液において形成される粒子の量をもたらすことである。従って、本発明は、特定の脂質成分を含むリポソーム組成物を含む。1つの態様において、このようなリポソーム組成物のリポソームはジヒドロスフィンゴミエリン(DHSM)を含む。
1つの態様において、本発明は、DHSMおよびコレステロールを含むリポソームにカンプトテシンが封入されているリポソーム製剤を含む。特定の態様において、カンプトテシンはトポテカンである。このようなリポソーム製剤は、例えば、米国特許出願第09/896,811号に記載のように調製することができる。
7.組み合わせ
前記の粒子形成を減少させる組成物および方法に加えて、本発明は、好ましくは、外側溶液において形成される粒子の量をさらに少なくするために、粒子形成を減らし、カンプトテシンの安定性を向上すると前記で説明された2つまたはそれ以上の特徴を組み合わせたリポソーム製剤および方法をさらに含む。下記の様々な製剤はそれぞれ、カンプトテシン、例えば、トポテカンをさらに含んでもよい。さらに、特定の態様において、下記の製剤はそれぞれ、前記の任意の条件を含む低酸素条件下で保持または貯蔵されてもよい。
従って、1つの態様において、本発明は、クエン酸外側緩衝液もしくは酒石酸外側緩衝液を使用する工程、低pH(例えば、pH4.5未満もしくは4.5)の外側緩衝液を使用する工程、最終製剤に空のリポソームを含める工程、SMもしくはDHSMを含むリポソームを使用する工程、および/またはリポソーム製剤に抗酸化物質を含める工程に加えて、内側塩としてMnSO4を有するリポソーム組成物を処方する工程を含む、外側溶液における粒子形成を減少させる組成物および方法を含む。
別の態様において、本発明は、内側塩としてMnSO4を使用する工程、低pH(例えば、pH4.5未満もしくは4.5)の外側緩衝液を使用する工程、最終製剤に空のリポソームを含める工程、SMもしくはDHSMを含むリポソームを使用する工程、および/またはリポソーム製剤に抗酸化物質を含める工程に加えて、外側溶液にクエン酸緩衝液または酒石酸緩衝液を有するリポソーム組成物を処方する工程を含む、外側溶液における粒子形成を減少させる組成物および方法を含む。
別の態様において、本発明は、内側塩としてMnSO4を使用する工程、クエン酸外側緩衝液もしくは酒石酸外側緩衝液を使用する工程、最終製剤に空のリポソームを含める工程、SMもしくはDHSMを含むリポソームを使用する工程、および/またはリポソーム製剤に抗酸化物質を含める工程に加えて、低pH (例えば、pH4.5未満または4.5)の外側緩衝液を有するリポソーム組成物を処方する工程を含む、外側溶液における粒子形成を減少させる組成物および方法を含む。
別の態様において、本発明は、内側塩としてMnSO4を使用する工程、クエン酸外側緩衝液もしくは酒石酸外側緩衝液を使用する工程、低pH(例えば、pH4.5未満もしくは4.5)の外側緩衝液を使用する工程、SMもしくはDHSMを含むリポソームを使用する工程、および/またはリポソーム製剤に抗酸化物質を含める工程に加えて、最終製剤に空のリポソームを有するリポソーム組成物を処方する工程を含む、外側溶液における粒子形成を減少させる組成物および方法を含む。
別の態様において、本発明は、内側塩としてMnSO4を使用する工程、クエン酸外側緩衝液もしくは酒石酸外側緩衝液を使用する工程、低pH(例えば、pH4.5未満もしくは4.5)の外側緩衝液を使用する工程、最終製剤に空のリポソームを有する工程、および/またはリポソーム製剤に抗酸化物質を含める工程に加えて、SMまたはDHSMを含むリポソーム組成物を処方する工程を含む、外側溶液における粒子形成を減少させる組成物および方法を含む。
別の態様において、本発明は、内側塩としてMnSO4を使用する工程、クエン酸外側緩衝液もしくは酒石酸外側緩衝液を使用する工程、低pH(例えば、pH4.5未満もしくは4.5)の外側緩衝液を使用する工程、SMもしくはDHSMを含むリポソームを使用する工程、および/または最終製剤に空のリポソームを有する工程に加えて、リポソーム製剤に抗酸化物質を含むリポソーム組成物を処方する工程を含む、外側溶液における粒子形成を減少させる組成物および方法を含む。
8.キット
本発明は、カンプトテシンを含み、外側溶液における粒子形成が少ない優れたリポソーム製剤を提供することに加えて、カンプトテシンが充填されたリポソームを、患者に投与する前に長期間、貯蔵することを可能にする。従って、ある特定の態様において、本発明は、患者に投与するためのカンプトテシンのリポソーム製剤を含むキットを提供する。このようなキットは、1種類または複数の種類のカンプトテシン、例えば、トポテカンが予め充填されたリポソームを含んでもよく、または、このようなキットは、リポソームおよびカンプトテシンを別々に含んでもよい。
外側溶液における粒子形成の量を減少させる本明細書において提供される組成物および方法は、リポソームカンプトテシン製剤を提供するキットに組み込まれてもよい。この製剤は、外部での沈殿物形成について本明細書で説明された1つまたは複数の特徴を含まないリポソーム製剤と比較して、安定性が高く、貯蔵寿命が長い。
特定の態様において、本発明のリポソームカンプトテシン組成物、溶液、製剤、およびキットは、室温または4℃で3ヶ月の貯蔵後に、3000個以下の10ミクロン超の粒子を含み、300個以下の25ミクロン超の粒子を含む。関連する態様において、本発明のリポソームカンプトテシン組成物、溶液、製剤、およびキットは、室温または4℃で3ヶ月の貯蔵後に、10ミクロン超の粒子を2500個、2000個、1500個、1000個、500個、300個、200個、100個、または50個を超えて含まず、25ミクロン超の粒子を200個、100個、または50個を超えて含まない。
1つの態様において、本発明のキットは、リポソームに封入されたカンプトテシンの溶液を含むバイアルを含む。ここで、溶液の酸素含有量は大気酸素濃度と比較して低い。特定の態様において、酸素含有量は、15%未満もしくは15%、10%未満もしくは10%、8%未満もしくは8%、5%未満もしくは5%、4%未満もしくは4%、または3%未満もしくは3%である。1つの態様において、溶液中の酸素分圧は、窒素でパージすることによって、および/またはバイアルに入れられたリポソーム製剤を窒素雰囲気下で密封することによって低くされる。
ある特定の態様において、本発明のキットは、投与の前にさらなる調製および/または混合を必要とする製剤を含む。キットは、典型的に、キットの様々な要素を保持するために区画化された容器を含む。例えば、キットの異なる区画にはそれぞれ、キットの成分を含むバイアルが保持されてもよい。ある特定の態様において、キットは、水和された形または脱水された形をした本発明のリポソーム製剤またはその成分と、これらを再水和、調製、および/または投与するための説明書を含む。1つの態様において、第1のバイアルは、リポソームに封入されたカンプトテシンを含む溶液を含み、第2のバイアルは空のリポソームを含む。
1つの態様において、キットは、リポソームに封入されたカンプトテシンを含む1つまたは複数のバイアル、ならびにこれをさらに調製するための、またはこれを使用するための説明書を含む。特定の態様において、バイアルは、単位投与量のカンプトテシンを含む。ある特定の態様において、リポソームカンプトテシンの単位投与量は、約0.015mg/M2/用量〜約1mg/M2/用量のカンプトテシン投与量を含む。1つの態様において、単位剤形は、約0.15mg/M2/用量〜約0.5mg/M2/用量のカンプトテシン投与量を含む。1つの態様において、バイアルは、約0.01mg/M2/用量〜約7.5mg/M2/用量のトポテカン単位剤形を含む。別の態様において、リポソームトポテカン単位剤形は、約1mg/M2/用量〜約4mg/M2/用量のトポテカンを含む。
特定の態様において、キットは、リポソームを含む第1のバイアル、およびリポソームに充填されるカンプトテシンを含む第2のバイアルを含む。特定の態様において、このようなキットは、本明細書に記載の沈殿物形成に対する特定の溶液に関連する試薬または緩衝液を含む1つまたは複数のバイアルをさらに含む。例えば、キットは、低pH(例えば、pH6.0もしくはそれ以下またはpH4.5もしくはそれ以下)の溶液または緩衝液、クエン酸緩衝液または酒石酸緩衝液、空のリポソーム、MnSO4またはMn+、および/あるいは抗酸化物質またはフリーラジカルスカベンジャーを含むバイアルをさらに含んでもよい。または、リポソームを含む第1のバイアルまたはカンプトテシンを含む第2のバイアルには、本明細書に記載の沈殿物形成に対する特定の溶液に関連する試薬または緩衝液が組み込まれる。
特定の態様において、キットは、カンプトテシンが充填されたリポソームを含み、前記の沈殿物形成を減少させる1つまたは複数の特徴を組み込んでいる少なくとも1つのバイアルを含む。もちろん、これらのキットはいずれも、さらなるバイアル、例えば、米国特許出願第10/782,738号に記載のものなどの、緩衝液を含むバイアルを含んでもよいことが理解される。さらに、キットは、本発明のリポソーム製剤を調製および/または使用するための説明書を含んでもよい。
1つの態様において、本発明のキットは、カンプトテシンを含有し、リポソーム内部にMnSO4またはMn2+を含有するリポソームを含むリポソーム製剤を含む。関連する態様において、カンプトテシンはリポソームとは別に提供される。
別の態様において、本発明のキットは、カンプトテシンを含有するリポソームを含むリポソーム製剤であって、外側溶液がクエン酸緩衝液または酒石酸緩衝液を含むリポソーム製剤を含む。関連する態様において、カンプトテシンはリポソームとは別に提供される。
関連する態様において、本発明のキットは、カンプトテシンを含有するリポソームを含むリポソーム製剤であって、外側溶液のpHが6.0もしくは6.0未満または4.5未満もしくは4.5であるリポソーム製剤を含む。関連する態様において、カンプトテシンはリポソームとは別に提供される。
さらなる態様において、本発明のキットは、カンプトテシンを含有するリポソームを含むリポソーム製剤であって、リポソームがSMまたはDHSMを含むリポソーム製剤を含む。関連する態様において、カンプトテシンはリポソームとは別に提供される。
別の態様において、本発明のキットは、カンプトテシンを含有するリポソーム、および抗酸化物質またはフリーラジカルスカベンジャーを含むリポソーム製剤を含む。関連する態様において、カンプトテシンはリポソームとは別に提供される。
別の態様において、本発明のキットは、カンプトテシンを含有するリポソームおよび空のリポソームを含むリポソーム製剤を含む。
本発明のキットは、本明細書において提供される任意のリポソームカンプトテシン製剤または溶液、およびその様々な組み合わせを組み込んでもよいことが理解される。従って、別の態様において、例えば、本発明のキットは、抗酸化物質を含有し、リポソーム内部にMnSO4またはMn2+を有するリポソーム、カンプトテシン、およびpH6.0未満または4.5未満もしくは4.5の緩衝液または溶液を含む。別の関連する態様において、本発明のキットは、抗酸化物質およびカンプトテシンを含有するリポソーム、ならびに6.0未満もしくはpH6.0または4.5未満もしくは4.5の溶液を含有するさらなる区画を含む。カンプトテシンはリポソームの中に存在してもよく、別々に提供されてもよい。
1つの態様において、キットは、DHSMを含み、さらに、抗酸化物質を含有し、リポソーム内部にMnSO4またはMn2+を有するリポソーム、カンプトテシン、およびpH6.0未満または4.5未満もしくは4.5の緩衝液または溶液を含む。特定の態様において、カンプトテシンはリポソームの中に存在する。
トポテカンに関する特定の態様において、キットは、DHSMを含み、リポソーム内部にMnSO4またはMn2+を有し、さらに、10mMの濃度のアスコルビン酸を含み、トポテカンを含有するリポソームであって、リポソームの外部溶液のpHが6.0未満もしくは6.0、4.5未満もしくは4.5、または約4.0であるリポソームを含む。
別の関連する態様において、キットは、DHSMを含み、リポソーム内部にMnSO4またはMn2+を有し、さらに、約10mMの濃度のアスコルビン酸を含み、さらに、封入されたトポテカンを含むリポソームを含む、第1のバイアルを含む。このキットは、任意に、pH6.0未満、または約4.0を含むが、これに限定されない4.5未満もしくは4.5の緩衝溶液を含む第2のバイアルを含んでもよい。
別の態様において、キットは、カンプトテシン、例えば、トポテカンを含むリポソームを含む第1のバイアル、および抗酸化物質またはフリーラジカルスカベンジャーを含む第2のバイアルを含む。
リポソームとは別にカンプトテシンを提供する本発明のキットは、イオノフォアを介してカンプトテシンをリポソームに充填するのに適したイオノフォアをさらに含んでもよい。
E.リポソームによるカンプトテシンの送達
前記のリポソーム組成物は、リポソーム組成物を必要とする被験体または患者へのカンプトテシンの送達を含む様々な目的に使用することができる。被験体にはヒトおよび非ヒト動物が含まれる。ある特定の態様において、被験体は哺乳動物である。他の態様において、被験体は、例えば、ヒト、マウス、ラット、イヌ、ネコ、ウシ、ブタ、ヒツジ、または鳥類を含む、1種類または複数の種類の特定の種または品種である。
従って、本発明はまた、本発明のリポソームカンプトテシン製剤を、それを必要とする患者に投与する工程を含む、腫瘍を含むが、これに限定されない様々な疾患および障害を治療する方法を提供する。
1.治療方法
本発明のリポソーム組成物は、多種多様な任意の疾患または障害を治療するのに使用することができる。疾患または障害には、炎症性疾患、心血管疾患、神経系疾患、腫瘍、脱髄疾患、消化器系疾患、内分泌系疾患、生殖器系疾患、血液疾患およびリンパ系疾患、免疫疾患、精神障害、筋骨格疾患、神経疾患、神経筋疾患、代謝病、性感染症、皮膚病および結合組織病、泌尿器疾患、ならびに感染症が含まれるが、これに限定されない。
1つの態様において、本明細書に記載のリポソーム組成物および方法は、任意のタイプの腫瘍または癌を治療するのに使用することができる。特に、これらの方法は、卵巣癌、小細胞肺癌、非小細胞肺癌、結腸直腸癌、ならびにリンパ腫、白血病、および骨髄腫を含む血液およびリンパ系の癌に適用することができる。本明細書に記載の組成物および方法はまた、成人型白血病および小児型白血病を含む任意の形の白血病にも適用することができる。例えば、本発明の方法を用いて、任意の急性白血病、慢性白血病、骨髄性白血病、およびリンパ球性白血病を治療することができる。好ましい態様において、前記の方法は急性リンパ球性白血病(ALL)を治療するのに用いられる。白血病の様々なタイプについてのさらなる情報は、特に、Leukemia Society of Americaから見つけ出すことができる(例えば、www.leukemia.orgを参照されたい)。
本明細書に記載の方法を用いて、神経芽細胞腫、骨髄腫、前立腺癌、脳腫瘍、乳癌、およびその他などの、さらなるタイプの腫瘍を治療することができる。
本発明のリポソーム組成物は、第1選択治療または第2選択治療として投与されてもよい。さらに、本発明のリポソーム組成物は、第1化学療法として、またはアジュバント療法もしくはネオアジュバント療法として投与されてもよい。例えば、再発型、無痛型、形質転換型、および進行型の非ホジキンリンパ腫の治療は、化学療法および/または放射線療法などの少なくとも1コースの第1抗癌治療が行われ、少なくとも1つの治療に対する少なくとも1つの部分寛解または完全寛解が認められた後に投与されてもよい。
2.リポソーム組成物の投与
本発明のリポソーム組成物は、非経口送達、静脈内送達、全身送達、局所送達、経口送達、腫瘍内送達、筋肉内送達、皮下送達、腹腔内送達、吸入送達、または任意のこのような送達法を含む多数の任意のやり方で投与される。1つの態様において、組成物は非経口投与される、すなわち、関節内に、静脈内に、腹腔内に、皮下に、または筋肉内に投与される。特定の態様において、リポソーム組成物は、ボーラス注射もしくは注入によって静脈内または動脈内に投与される。例えば、1つの態様において、患者には、例えば、5〜10分、15〜20分、30分、60分、90分にわたって、またはそれより長く、流れている静脈内ラインを通して、リポソームに封入されたカンプトテシンが静脈内に注入される。1つの態様において、60分の注入が用いられる。他の態様において、6〜10分または15〜20分の注入が用いられる。このような注入は、定期的に、例えば、1日に1回、3日に1回、5日に1回、7日に1回、10日に1回、14日に1回、21日に1回、もしくは28日に1回、または28日より長い日数ごとに1回、好ましくは、7〜21日に1回、好ましくは、7日に1回または14日に1回、行うことができる。本明細書で使用するように、本発明のリポソーム組成物の投与はそれぞれ1「コース」の治療とみなされる。
本発明のリポソーム組成物は、被験体への送達に適した薬学的組成物として処方することができる。本発明の薬学的組成物は、多くの場合、1種類または複数の種類の緩衝液(例えば、中性緩衝食塩水もしくはリン酸緩衝食塩水)、炭水化物(例えば、グルコース、マンノース、スクロース、もしくはデキストラン)、マンニトール、タンパク質、ポリペプチドもしくはグリシンなどのアミノ酸、抗酸化物質、静菌剤、EDTAもしくはグルタチオンなどのキレート剤、アジュバント(例えば、水酸化アルミニウム)、レシピエントの血液と比べて製剤を等張、低張、もしくはわずかに高張にする溶質、懸濁剤、増粘剤、および/または防腐剤をさらに含む。または、本発明の組成物は凍結乾燥物として処方することができる。1つの態様において、本発明は、例えば、静脈内投与を含む任意の特定の送達経路に合わせて処方された薬学的組成物を提供する。異なる投与経路に合わせて薬学的組成物を処方する方法は当技術分野において公知である。
薬学的製剤におけるリポソームの濃度は多種多様にあってもよく、すなわち、約0.05重量%未満、通常、約2〜5%または少なくとも約2〜5重量%から、10〜30重量%と高い濃度まででもよく、選択された特定の投与方法に応じて、主に流体の体積、粘度などによって選択される。例えば、治療に関連する流体負荷(fluid load)を小さくするために、濃度を高くすることができる。または、刺激性の脂質からなるリポソームは、投与部位での炎症を緩和するために低濃度まで希釈することができる。投与されるリポソームの量は、使用される特定のカンプトテシン、治療されている疾患状態、および医師の判断に左右されるが、一般的に、ヒトでは、約0.01〜約50mg/kg体重、好ましくは、約5〜約40mg/kg体重である。マウスの場合、さらに高い脂質用量、例えば、50〜120mg/kgが適している。
本発明における使用に適した製剤は、例えば、Remington's Pharmaceutical Sciences, Mack Publishing Company, Philadelphia, PA, 17th Ed. (1985)に記載されている。多くの場合、静脈内組成物は、水性担体などの許容される担体に懸濁されたリポソームの溶液を含む。様々な任意の水性担体、例えば、水、緩衝水、0.4%食塩水、0.9%等張食塩水、0.3%グリシン、5%デキストロースなどを使用することができ、安定性を高めるためにアルブミン、リポタンパク質、グロブリンなどの糖タンパク質を含んでもよい。多くの場合、通常の緩衝食塩水(135〜150mM NaCl)が用いられる。これらの組成物は、濾過などの従来の滅菌法によって滅菌することができる。結果として生じた水溶液は使用のために包装されてもよく、無菌条件下で濾過され、凍結乾燥されてもよい。凍結乾燥された調製物は投与前に滅菌水溶液と組み合わされる。組成物はまた、pH調整剤および緩衝剤、張性調整剤などの、生理学的条件に近づけるために必要とされる薬学的に許容される補助物質、例えば、酢酸ナトリウム、乳酸ナトリウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウムなどを含有してもよい。さらに、組成物は、貯蔵時のフリーラジカルおよび脂質過酸化による損傷から脂質を保護する脂質保護剤を含んでもよい。αトコフェロールなどの親油性フリーラジカルクエンチャーおよびフェリオキサミンなどの水溶性鉄特異的キレート剤が適している。担体中のリポソームの濃度は変化してもよい。一般的に、濃度は約20〜200mg/mLである。しかしながら、当業者であれば、異なるリポソーム成分を用いた治療を最適化するために、または特定の患者に合わせて濃度を変えることができる。例えば、治療に関連した流体負荷を小さくするために、濃度を高くしてもよい。
1用量当たりの投与されるカンプトテシンの量は、最小治療量を上回るが、中毒量を下回るように選択される。1用量当たりの量の選択は、患者の病歴、他の療法の使用、および疾患の内容などの多数の要因に左右される。さらに、投与されるカンプトテシンの量は、治療に対する患者の応答および治療に関連した副作用の存在または重篤度に応じて治療全体を通じて調節することができる。ある特定の態様において、リポソーム組成物の投与量または投与頻度は、対応する遊離のカンプトテシンを用いた投与量および治療計画とほぼ同じである。しかしながら、投与量は、特に、リポソーム組成物の毒性が低い場合、遊離薬物治療と比較して多くてもよく、頻繁に投与されてもよいことが理解される。投与量は、特に、遊離薬物と比較してリポソーム組成物の効力が高い場合、遊離薬物治療と比較して少なくてもよく、頻繁に投与されなくてもよいことも理解される。様々な化学療法化合物(遊離薬物)の例示的な投与量および治療は当業者に公知かつ利用可能であり、例えば、Physician's Cancer Chemotherapy Drug Manual, E. Chu and V. Devita (Jones and Bartlett, 2002)に記載されている。
一般的に、カンプトテシンの投与量は、患者の年齢、体重、および状態、ならびに治療計画に基づいて、投与を行っている医師の考えに左右される。小細胞肺癌における遊離トポテカンの推奨量は、1.5mg/M2/用量、5日間毎日、3週間ごとに反復である。今や、以下の実施例において証明された治療の改善のために、0.015mg/M2/用量と低い範囲にある用量のトポテカンを含むリポソームトポテカンがヒトにおいて有効であり、投与計画に応じて、15〜75mg/M2/用量と高い用量のトポテカンを含むリポソームトポテカンがなお忍容される。投与は単回投与でもよく、4時間、6時間、もしくは12時間ごと、1日、2日、3日、4日、5日、6日、7日、8日、9日、10日ごと、またはこれらの組み合わせで反復投与が行われてもよい。特定の態様において、計画には、1週間、2週間、3週間、4週間、5週間、もしくは6週間ごとに、またはこれらの組み合わせで反復される治療サイクルが用いられてもよい。好ましい1つの態様において、治療は1週間に1回行われ、用量は、典型的には、1.5mg/M2未満である。別の態様において、間隔は、1週間に少なくとも1回である。別の態様において、間隔は、2週間に少なくとも1回、または3週間に少なくとも1回である。
3.併用療法
非常に多くの態様において、本発明のリポソーム組成物は、外科手術、放射線治療、化学療法、または前記の任意のカンプトテシンを含む他のカンプトテシンなど、1種類または複数の種類のさらなる化合物または療法と組み合わせて投与される。リポソーム組成物は、効力の増大または望ましくない副作用の軽減を含む様々な理由で第2のカンプトテシンと組み合わせて投与されてもよい。リポソーム組成物は、さらなる治療の前、さらなる治療の後、またはさらなる治療と同時に投与されてもよい。さらに、(第1のカンプトテシンを含む)本発明のリポソーム組成物が第2のカンプトテシンと組み合わせて投与される場合、第2のカンプトテシンは、遊離薬物として、独立したリポソーム製剤として、または第1の薬物を含むリポソーム組成物の1成分として投与されてもよい。ある特定の態様では、複数の種類のカンプトテシンが同じリポソームに充填される。他の態様では、1種類のカンプトテシンを含むリポソーム組成物が個々に形成され、後で、1回で同時投与するために他の化合物と組み合わされる。または、ある特定の療法が、CHOPのように所定の順番で連続投与される。従って、本発明のリポソーム組成物は1種類または複数の種類のカンプトテシンを含んでもよい。
例えば、リポソームに封入されたカンプトテシンを含む、本発明のリポソーム組成物はまた、モノクローナル抗体などの抗腫瘍剤とも組み合わせることができる。モノクローナル抗体には、Oncolym(商標)(Techniclone Corp. Tustin, CA)もしくはRituxan(商標)(IDEC Pharmaceuticals)、Bexxar(商標)(Coulter Pharmaceuticals, Palo Alto, CA)、またはIDEC-Y2B8(IDEC Pharmaceuticals Corporation)が含まれるが、これに限定されない。
本発明の方法と共に、当業者に公知の他の併用療法を使用することができる。癌または化学療法の望ましくない副作用と闘うために、コンジュゲートおよび他のケモカンプトテシン(chemocamptothecin)と組み合わせて用いられる薬物の例には、骨転移阻止および高カルシウム濃度治療用のゾレドロン酸(Zometa)、低白血球数治療用のPeg-Filgrastim、多剤耐性阻害用のSDZ PSC 833、および貧血治療用のNESPが含まれる。
本明細書において言及された、および/または出願データシートに列挙された前記の米国特許、米国特許出願公報、米国特許出願、外国特許、外国特許出願、および特許でない刊行物は全て、その全体が参照により本明細書に組み入れられる。
実施例1
リポソームトポテカンにおける結晶粒子形成に及ぼす温度およびトポテカン濃度の影響
下記のように、MgSO4を用いてリポソームトポテカンを調製した。本質的に、スフィンゴミエリンおよびコレステロール(ESM/CH、55:45モル比)を含むリポソームは、ESM/CHエタノール溶液を300mM MgSO4+200mMスクロースに水和することによって調製した。結果として生じた大きなマルチラメラ小胞のサイズを、80nmポリカーボネートフィルターに通して押し出すことによって小さくした。これによって、平均直径が約110〜125nmの大きなユニラメラ小胞が得られた。水和に使用した水性媒体に対する透析によって、エタノールを除去した。次いで、前記の標準的なイオノフォアを介した充填法(米国特許出願第11/131,436号を参照されたい)を用いて、リポソームにトポテカンを充填した。充填後、リポソームトポテカン製剤を、10体積の300mMスクロース、10mMリン酸緩衝液(pH6)に対して透析し、その後に、10体積の300mMスクロースに対して透析した。次いで、クエン酸緩衝液(pH6.0)またはリン酸緩衝液(pH6.0)を最終濃度10mMまで添加した。調製物の最終薬物:脂質比は0.094(wt/wt)であり、準弾性光散乱によって測定されたように小胞のサイズは直径110±40nmであった。
リポソームトポテカン製剤を5℃、25℃、および35℃でインキュベートし、トポテカン結晶粒子の形成を6週間にわたってモニタリングした。
ハイスループットアッセイ法を用いて、トポテカン結晶粒子の数を数えた。このアッセイ法では血球計を使用した。血球計は、血液試料中の細胞濃度などの細胞濃度を求めるために、通常、顕微鏡と組み合わせて用いられるガラススライドである。血球計は深さ0.1mmのチャンバーからなり、この上にカバーガラスが配置され、試料は2表面間の毛管作用によって充填される。血球計チャンバーの表面には、1mm×1mmの4個の升目が付けられている。さらに、1mm×1mmの升目にはそれぞれ16個の升目が付けられている。チャンバーの深さは0.1mmであるので、1mm×1mm表面の真下の体積は0.1mm3すなわち0.1μlである。この研究のために4つのチャンバー表面を計数した。それぞれのチャンバー表面は4つの1mm×1mm表面(0.4μl)を備える。データは、4×0.4μl計数値の平均±1標準偏差で表した。従って、この0.4μl体積中に粒子が1個見られたら、1ml当たり計算される粒子の数は625である。典型的に、時間0では0〜3個の粒子(0〜2000粒子/ml)が認められ、従って、推定されるバックグラウンド数すなわち検出限界(LOD)は1ml当たり約2000個の結晶である。データは、25μmより大きい粒子および見られた粒子の総数として作表した。結果は、一般的に、USPのようなフィルターに基づく粒子試験法を用いて得られた結果と相関関係があった。フィルターアッセイ法によって非常に多くの(USPの制限をかなり上回る)結晶が検出された場合には、血球計でも多くの結晶数が測定された。同様に、フィルター法によって約1000/mlまたはそれ以下の粒子が検出された時には、血球計による計数値は血球計アッセイ法のLODまたはそれ以下であった。
週単位の時点では、粒子のコントラストを改善するためにロジウムでコーティングされたHausser Scientific血球計(VWRカタログ番号15170-168)を用いた粒子分析のためにバイアルを使用した。25ゲージ針を用いて、バイアルからリポソームトポテカン製剤を引き抜き、血球計に適用した。10×または20×対物レンズが付いたNikon Eclipse TE300顕微鏡を用いて、血球計の粒子および計数チャンバーを視覚化した。各時点で、新鮮なバイアルを使用した。
図1に示したように、前記のリポソームトポテカン製剤について、35℃でインキュベートした時に急速な結晶形成が見られた。バイアル1個あたりの結晶総数は、両製剤(すなわち、クエン酸緩衝液pH6.0を含む製剤またはリン酸緩衝液pH6.0を含む製剤)とも6週間にわたって増加した。結晶形成の初期速度は、リン酸緩衝液に溶解した製剤の方が速いように見えた(図1Aおよび1Cを参照されたい)。製剤には大きな結晶(>25ミクロン)も観察されたが、これらの大きな結晶の数は、別個に計数が行われた5週間にわたって横ばい状態であるように見えた。結晶形成のキネティック(kinetic)は温度依存的であり、25℃と比較して35℃で急速な発生が起こった(図2)。5週目での温度効果の大きさは片対数プロットにおいてよく観察される(図2B)。バイアル中のリポソームトポテカンの濃度も変更し(1mg/mL、2mg/mL、および4mg/mL)、結晶形成に及ぼす影響を確かめた(図3)。4mg/mLトポテカンまたは2mg/mLトポテカンを含むバイアルの結晶数は、35℃で3週間のインキュベーションでほぼ同じであった。1mg/mLトポテカン濃度では、約1/2の数の結晶が観察された。
実施例2
代替の外側緩衝液および低pHは少ないリポソームトポテカン結晶形成を示す
リポソームトポテカンの安定性および結晶形成に及ぼすpHおよび外側緩衝液組成の影響を確かめるために、実施例1に記載のように、内側溶液として300mM MgSO4、200mMスクロースを用いて、リポソームトポテカン製剤を調製した。実施例1に記載のようにトポテカン充填を行った後に、ある範囲のpH値およびトポテカン濃度にわたって、クエン酸緩衝液、酒石酸緩衝液、またはリン酸緩衝液を含む外側溶液を用いて、試料を調製した(表1)。次いで、製剤を2mlガラスバイアルに分注し(1ml)、密封し、5℃、25℃、または35℃でインキュベートした。トポテカン結晶粒子の形成を、実施例1に記載のように8週間モニタリングした。
(表1)異なる外側緩衝液、pH、およびトポテカン濃度を特徴付ける試料マトリックス
Figure 0004990786
様々な外側pHの影響を確かめた。リポソームトポテカン(2mg/ml)試料を、300mMスクロース、10mMクエン酸塩、およびpH範囲3.5〜6.0の外側緩衝液中で、35℃で5週間インキュベートした。注目すべきことには、外側pHをpH6からpH4.5またはそれ以下に下げた時に、結晶粒子が1/500に減少することが観察された(図4)。
結晶形成速度に及ぼすリン酸緩衝液、クエン酸緩衝液、または酒石酸緩衝液の使用の影響も比較して調べた。リン酸およびクエン酸はpKがそれぞれ7.2および5.4であり、従ってpH6.0で効果的な緩衝液であるので、pH6.0で比較した。対照的に、リン酸および酒石酸は、酒石酸のpKaが3.2であり、リン酸の第2のpKaが2.1であるので、pH4.0で比較した。リン酸緩衝液は、クエン酸緩衝液(図5A)または酒石酸緩衝液(図5B)と比較して約2倍の結晶の形成を促進することが見出された。
実施例3
リポソームトポテカン結晶形成を減少させる空のリポソーム
前記のMgSO4を含むリポソームトポテカン製剤を用いて、トポテカンの安定性および結晶形成に及ぼす空のリポソームの添加の影響を確かめた。1-パルミトイル-2-オレオイル-グリセロ-3-ホスホコリン:コレステロール(POPC:CH、55:45モル比)または(ESM/CH、55:45モル比)からなる空の小胞を、保存濃度50mg/ml脂質から、300mMスクロース、10mMクエン酸塩(pH6.0)の最終外側緩衝液中のリポソームトポテカン(0.5mg/mlトポテカン)に添加した。空のリポソームの平均直径はトポテカン含有ESM/CHリポソームと等しかった。調べられた空の小胞:リポソームトポテカンの比は、0:1、1:1、3:1、および7:1(脂質wt/wt)であった。混合物を1mlアリコートでバイアルに入れ、25℃または35℃でインキュベートした。35℃で1週間後に、存在する空の小胞の量と相関する結晶数の減少が認められた(図6A)。この影響はESM含有小胞およびPOPC含有小胞について同じであり、対照試料と比較して結晶を最大で1/2倍に減少させた。
35℃で2週間インキュベートした後では、この影響は無くなり、全ての試料の結晶数はほぼ同じであった(図6B)。しかしながら、25℃では、空の小胞を含有する試料は全て依然として、対照試料と比較して有意な結晶数の減少を示した(図6C)。
実施例4
トポテカン結晶形成を減少させる抗酸化物質
抗酸化物質であるアスコルビン酸およびαトコフェロールを用いて、結晶形成に及ぼすリポソームトポテカン製剤への抗酸化物質の添加の影響を調べた。これらの化合物はフリーラジカルスカベンジャーとも呼ばれる。
アスコルビン酸添加の影響は、アスコルビン酸を含有する外側緩衝液(アスコルビン酸)中でリポソームトポテカン製剤をインキュベートすることによって確かめた。具体的には、SM/CH(55:45モル比、初期内側Mg2+溶液)またはDHSM/CH(55:45モル比、初期内側Mn2+溶液)のトポテカン製剤(D/L比0.1、wt/wt)を、300mMスクロース、10mMリン酸塩(pH6)を含む外側緩衝液、または300mMスクロース、10mMリン酸塩、10mMアスコルビン酸(pH6)を含む外側緩衝液中で37℃でインキュベートした。結晶粒子形成は、実施例1に記載のように血球計を用いてモニタリングした。
図7に示したように、内側カチオンとしてMn2+を含有するDHSM/CHからなるリポソームトポテカン製剤の結晶濃度は、SM/CHを含み、内側カチオンとしてMg2+を含む同様の製剤と比較して低い。さらに、外側緩衝液にアスコルビン酸が存在すると、トポテカン結晶形成が劇的に少なくなった。この影響は、SMリポソームおよびDHSMリポソームの両方について、ならびにMg2+存在下およびMn2+存在下の両方で観察された。
抗酸化物質αトコフェロール(アルファトコフェロール)の添加の影響は、αトコフェロールをエタノールで可溶化し、(前記のように、水和緩衝液として300mM MnSO4、200mMスクロースを使用した)小胞形成中に0〜2モルパーセントでDHSM/CH脂質混合物に取り込ませることによって調べた。次いで、実施例1にについて説明されたように、小胞にトポテカンを充填し、300mMスクロース、10mMクエン酸塩(pH6)の外側緩衝液中で37℃でインキュベートした。
αトコフェロールを含まないDHSM/CH(55:45モル比)小胞または0.2%αトコフェロールを含むDHSM/CH(55:45モル比)小胞の結晶形成は6日の時点までに大幅に増加した(図8)。しかしながら、0.5〜2モルパーセントのαトコフェロールを含む小胞の結晶形成は非常に少なく、2%αトコフェロール試料では、調べられた14日にわたって結晶は検出されなかった(図8)。
粒子のサイズを、14日の時点の後に、Nicompパーティクルサイザーを用いて準弾性光散乱によって評価した。小胞サイズおよび分布の増大が1mol%および2mol%のαトコフェロールを含有する試料について観察された。このことは、小胞が融合したことを潜在的に示し、膜安定性に影響を及ぼすことなく取り込むことができるαトコフェロールの量に限界があることを示唆している。
これらの結果は、トポテカン結晶形成を首尾よく少なくするために抗酸化物質を使用できることを証明している。従って、結晶形成を減少させるために、他の抗酸化物質またはフリーラジカルスカベンジャーが用いられてもよい。トポテカン結晶形成を減少させる他の方法には、溶液を窒素でパージすることによって、および/またはバイアルに入れられたリポソームトポテカンを窒素下で密封することによって酸素含有量を下げることが含まれるが、これに限定されない。
リポソームトポテカン試料におけるアスコルビン酸濃度を経時的に分析することによって、この抗酸化物質が著しく減少することが分かった。従って、アスコルビン酸(10mM)を含有するリポソームトポテカン製剤における酸素分圧を下げることによって、消失速度を遅くできるかどうかを確かめる研究を行った。実施例1に記載のように、SM/CH(55:45)と内側塩としてMgSO4からなるリポソームを調製し、トポテカンを充填した。最終外側溶液はアスコルビン酸(10mM)を含んだ。図9に示したように、バイアルに入れる前にリポソームトポテカン製剤をパージし、窒素下でバイアルに入れることによって、後に40℃で12週間までインキュベートした時のアスコルビン酸消失がかなり遅くなった。従って、アスコルビン酸などの抗酸化物質を含有するリポソームカンプトテシン製剤の酸素分圧を下げるプロセスを含めることは抗酸化物質の消失速度の低下に有用であり、従って、カンプトテシンを分解から保護するために十分な濃度の抗酸化物質が製剤に保持されるのを確かなものとすることに有用である。
実施例5
リポソームトポテカンにおける粒子形成に及ぼす脂質組成、内側マンガン、およびアスコルビン酸の影響
アスコルビン酸の存在下および非存在下でSM/CHおよびDHSM/CH(55:45)からなるリポソームトポテカン製剤における粒子形成を比較する研究を行った。実施例1に記載のように、リポソームを調製し、トポテカンを充填した。SM/CHからなるリポソームは、内側溶液にMgSO4またはMnSO4を含めて調製した。DHSM/CHからなるリポソームは、内側溶液にMnSO4を含めて調製した。また、SM/CHリポソーム製剤およびDHSM/CHリポソーム製剤は外側溶液にアスコルビン酸(10mM)も含めて調製した。これらのリポソームトポテカン製剤を表2に示した。
(表2)リポソームトポテカン製剤マトリックス
Figure 0004990786
これらの製剤をバイアルに入れ、5℃、25℃、および40℃で3ヶ月までインキュベートした。1ヶ月目、2ヶ月目、および3ヶ月目に、約1mLの試料を使用する社内の粒子計数法を用いて粒子数を得た(表3)。さらに、3ヶ月目に、公式のUSP粒子計数法(濾過法)を用いて粒子の計数を行った(表4)。
(表3)リポソームトポテカン製剤における粒子結晶数
Figure 0004990786
1多すぎて計数できなかった
*定型のトポテカン結晶なし
**これだけが1回の実際の観察に相当する
内側カチオンとしてMgSO4を使用し、アスコルビン酸を使用せずに処方されたリポソームトポテカンは、40℃、1ヶ月目でかなりの結晶数を示す。さらに、2ヶ月目には25℃および40℃で、USP制限を超える可能性の高い結晶数が認められる。対照的に、アスコルビン酸を含む同じリポソーム製剤および内側カチオンは、3ヶ月目40℃でも結晶を全く示さないか、結晶数が非常に少ない。同様に、MnSO4を用いてSM/CHリポソームにトポテカンが充填され、外側溶液にアスコルビン酸が含まれる場合には、3ヶ月まで40℃で結晶が全く認められないか、非常に少ない結晶数が認められる。3ヶ月目40℃で、この製剤において非定型の結晶が認められたことに留意しなければならない。この結晶はトポテカン分解産物に由来しない可能性がある。MnSO4を用いてDHSM/CHリポソームに処方され、アスコルビン酸を含有するリポソームトポテカンは、5℃および25℃では3ヶ月まで結晶を示さない。40℃で、この製剤において認められた結晶は非定型であり、トポテカン分解に由来しない可能性がある。同じDHSM/CH製剤であるが、アスコルビン酸を含まないDHSM/CH製剤は、驚くべきことに、どの温度でも3ヶ月まで結晶を示さない。これらの社内データは、3ヶ月目に、粒子数を求めるUSP法を用いた同じ製剤の分析によって裏付けられた(表4)。
(表4)3ヶ月目でのリポソームトポテカン製剤におけるUSPによる粒子数
Figure 0004990786
USP法を用いて得られた結果は社内の方法で得られた結晶数を裏付けている。MgSO4を用いて充填され、外側溶液にアスコルビン酸を含まないSM/CHトポテカン製剤の25℃および40℃での粒子数は多く、これらの多くの粒子数はほとんどトポテカン関連結晶だけから生じる。この同じ製剤であるが、アスコルビン酸を含有する製剤の粒子数は全ての温度で少ない (USP制限の十分に範囲内である)。同様に、内側溶液にMnSO4を含むリポソームトポテカン製剤の粒子数は全ての温度で少ない。最後に、アスコルビン酸の存在下または非存在下でDHSM/CHリポソームからなるリポソームトポテカン製剤の粒子数は少ない。これらの結果から、リポソームトポテカン製剤に抗酸化物質アスコルビン酸を添加すると、薬物分解および結晶形成が大幅に少なくなることが分かる。さらに、DHSM/CHからなるリポソームは、アスコルビン酸の存在下または非存在下で結晶形成を大幅に少なくすることが分かる。
前述から、本発明の特定の態様は例示のために本明細書で説明されたが、本発明の精神および範囲から逸脱することなく様々な変更が加えられ得ることが理解されるだろう。従って、本発明は、添付の特許請求の範囲によるもの以外は限定されない。
35℃でインキュベートされた1mg/mlリポソームトポテカン試料についての、トポテカン結晶粒子が生じるキネティクスのグラフ表示を示す。(A)および(B)は、300mMスクロース、10mMクエン酸塩(pH6)の外側緩衝液中でインキュベーションを行ったのに対して、(C)および(D)は、300mMスクロース、10mMリン酸塩(pH6)の外側緩衝液中でインキュベーションを行った。パネル(A)および(C)のデータは、計数された粒子の総数を表すが、パネル(B)および(D)は、長さが>25μmと観察された結晶の数を表す。データは、4×0.4μl計数値の平均±1標準偏差を表す。 リン酸緩衝液中でのトポテカン結晶粒子形成に及ぼす温度の影響のグラフ図を示す。(A)リポソームトポテカン(2mg/ml)と300mMスクロース、10mMリン酸塩(pH6.0)の外側緩衝液を、1mlアリコート中で5℃、25℃、および35℃でインキュベートし、5週間にわたって試料の結晶粒子を分析した。(B)5週目での結果の片対数プロット。破線は血球計法を使用した時のLODを示す。データは、4×0.4μl計数値の平均±1標準偏差を表す。 300mMスクロース、10mMリン酸塩(pH6.0)の外側緩衝液を有し、35℃で3週間インキュベートされた、様々な濃度のリポソームトポテカンに関連するトポテカン結晶粒子形成を示す。データは、4×0.4μl計数値の平均±1標準偏差を表す。 300mMスクロース、10mMクエン酸塩、pH範囲3.5〜6.0の外側緩衝液中で、35℃で5週間インキュベートされたリポソームトポテカン(2mg/ml)の結晶数に及ぼす外側pHの影響を示す片対数プロットを示す。破線は血球計法のLOD(2000結晶/ml)を示す。データは、4×0.4μl計数値の平均±1標準偏差を表す。 35℃でインキュベートされたリポソームトポテカン(4mg/ml)の結晶形成に及ぼす異なる外側緩衝液の影響のグラフ表示を示す。(A)は、pH6.0での10mMリン酸緩衝液と10mMクエン酸緩衝液の比較を示し、(B)は、pH4.0での10mMリン酸緩衝液と10mM酒石酸緩衝液の比較を示す。データは、4×0.4μl計数値の平均±1標準偏差を表す。 トポテカン結晶粒子形成に及ぼす空のリポソームの影響のグラフ表示を示す。リポソームトポテカン(0.5mg/ml)を、300mMスクロース、10mMクエン酸塩(pH6.0)の外側緩衝液中で、様々な量(0〜7倍過剰の脂質、wt/wt)の空のESM/CH(55:45モル比)小胞または空のPOPC/CH(55:45モル比)小胞とインキュベートした。(A)35℃で1週間、(B)35℃で2週間、および(C)25℃で2週間。 表示した様々なリポソームトポテカン製剤におけるトポテカン結晶形成に及ぼすアスコルビン酸の影響を示すグラフを示す。MgSO4を用いて充填されたSM/CHリポソームと、300mMスクロース、10mMリン酸塩pH6の外側溶液からなるリポソームトポテカン製剤●、MgSO4を用いて充填され、300mMスクロース、10mMリン酸塩pH6、10mMアスコルビン酸の外側溶液を有するSM/CHリポソーム○、MnSO4を用いて充填され、300mMスクロース、10mMリン酸塩pH6の外側溶液を有するDHSM/CHリポソーム▲、MnSO4を用いて充填され、300mMスクロース、10mMリン酸塩pH6、10mMアスコルビン酸の外側溶液を有するDHSM/CHリポソーム△について、結晶形成を37℃で追跡した。データは、様々な時点での総粒子/mlで表示し、4×0.4ml計数値の平均±1標準偏差を表す。 トポテカン結晶形成に及ぼす様々な濃度のαトコフェロールの影響を示すグラフを示す。MnSO4を用いて充填されたDHSM/CHリポソームと、様々な含有量(mole%、脂質と比較);0%(▲);0.2%(○);0.5%(■);1.0%(□);2.0%(▽)のαトコフェロールを含有する、300mMスクロース、10mMクエン酸塩(pH6)の外側溶液からなるリポソームトポテカン製剤について、結晶形成を37℃で追跡した。データは、様々な時点での総粒子/mlで表示し、4×0.4ml計数値の平均±1標準偏差を表す。 大気酸素の下で充填されたリポソームトポテカンバイアルでは、アスコルビン酸濃度が経時的に減少し■、窒素雰囲気を使用した場合ではアスコルビン酸の分解速度が遅い◆ことを示すグラフを示す。

Claims (32)

  1. カンプトテシンの安定性を高めるように適合されたリポソームカンプトテシン製剤であって、
    (a)リポソームに封入されたカンプトテシンであって、該リポソームがコレステロールおよびジヒドロスフィンゴミエリンまたはコレステロールおよびスフィンゴミエリンを含む、カンプトテシン;
    (b)該リポソームの外部にあり、pHが4.5未満または4.5である第1の溶液;および
    (c)該リポソームの内部にあり、Mn 2 を含む第2の溶液
    を含む、製剤。
  2. 抗酸化物質またはフリーラジカルスカベンジャーをさらに含む、請求項1記載の製剤。
  3. 空のリポソームをさらに含む、請求項1記載の製剤。
  4. 第1の溶液がクエン酸緩衝液または酒石酸緩衝液を含む、請求項1記載の製剤。
  5. 抗酸化物質またはフリーラジカルスカベンジャーがアスコルビン酸である、請求項2記載の製剤。
  6. アスコルビン酸が1mM〜100mMの範囲の濃度で存在する、請求項5記載の製剤。
  7. アスコルビン酸の濃度が10mMである、請求項6記載の製剤。
  8. 抗酸化物質またはフリーラジカルスカベンジャーがαトコフェロールである、請求項2記載の製剤。
  9. αトコフェロールが0.1〜10モルパーセントの範囲の濃度で存在する、請求項8記載の製剤。
  10. αトコフェロールが0.4〜3モルパーセントの範囲の濃度で存在する、請求項9記載の製剤。
  11. αトコフェロールが2モルパーセントの濃度で存在する、請求項10記載の製剤。
  12. カンプトテシンがトポテカンである、請求項1〜11のいずれか一項記載の製剤。
  13. トポテカンの単位剤形である、請求項12記載の製剤。
  14. トポテカンが0.01mg/M2/用量〜7.5mg/M2/用量の単位剤形で存在する、請求項13記載の製剤。
  15. リポソームがスフィンゴミエリンおよびコレステロールを含む、請求項1〜14のいずれか一項記載の製剤。
  16. リポソームがジヒドロスフィンゴミエリンおよびコレステロールを含む、請求項1〜14のいずれか一項記載の製剤。
  17. トポテカンの安定性を高めるように適合されたリポソームトポテカン製剤であって、
    (a)ジヒドロスフィンゴミエリンおよびコレステロールを含むリポソームに封入されたトポテカン;
    (b)該リポソームの外部にあり、pHが4.5未満または4.5である第1の溶液;
    (c)該リポソームの内部にあり、Mn 2 を含む第2の溶液;および
    (d)抗酸化物質またはフリーラジカルスカベンジャー
    を含む、製剤。
  18. 抗酸化物質またはフリーラジカルスカベンジャーがアスコルビン酸である、請求項17記載の製剤。
  19. トポテカンの安定性を高めるように適合されたリポソームトポテカン製剤であって、
    (a)ジヒドロスフィンゴミエリンおよびコレステロールを含むリポソームに封入されたトポテカンを含有する溶液;
    (b)該リポソームの外部にあり、pHが4.5未満または4.5である第1の溶液;および
    (c)該リポソームの内部にあり、Mn 2 を含む第2の溶液
    を含む、製剤。
  20. トポテカンの単位剤形である、請求項17〜19のいずれか一項記載の製剤。
  21. トポテカンが0.01mg/M2/用量〜7.5mg/M2/用量の単位剤形で存在する、請求項20記載の製剤。
  22. 請求項1〜21のいずれか一項記載の製剤を含む、リポソームに封入されたカンプトテシンの静脈内投与用に適合された薬学的組成物。
  23. 3ヶ月の貯蔵後に、3000個以下の10ミクロン超の粒子を含み、300個以下の25ミクロン超の粒子を含む、請求項1〜22のいずれか一項記載の製剤または薬学的組成物。
  24. 第1の溶液の酸素含有量が大気条件下の酸素含有量と比較して低い、請求項1〜23のいずれか一項記載の製剤または薬学的組成物。
  25. リポソームに封入されたカンプトテシンを含む、それを必要とする患者に投与するためのキットであって、以下を含むキット:
    (a)ジヒドロスフィンゴミエリンおよびコレステロールまたはスフィンゴミエリンおよびコレステロールを含むリポソームに封入されたカンプトテシンを含むバイアルであって、該リポソームの外部にある第1の溶液のpHが4.5未満または4.5であり、かつ該リポソームの内部にある第2の溶液がMn 2+ を含む、バイアル;ならびに
    (b)リポソームに封入されたカンプトテシンを調製および/または患者に投与するための説明書。
  26. バイアルが抗酸化物質をさらに含む、請求項25記載のキット。
  27. バイアルが空のリポソームをさらに含む、請求項25記載のキット
  28. カンプトテシンがトポテカンである、請求項25〜27のいずれか一項記載のキット。
  29. バイアルがトポテカンの単位剤形を含む、請求項28記載のキット。
  30. トポテカンが0.01mg/M2/用量〜7.5mg/M2/用量の単位剤形で存在する、請求項29記載のキット。
  31. リポソームがスフィンゴミエリンおよびコレステロールを含む、請求項25〜30のいずれか一項記載のキット。
  32. リポソームがジヒドロスフィンゴミエリンおよびコレステロールを含む、請求項25〜30のいずれか一項記載のキット。
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